JP2014174239A - レーザー光源プロジェクター - Google Patents

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誠 栗秋
Yasuto Tanaka
靖人 田中
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Abstract

【課題】光量の大幅な低下を抑制する。
【解決手段】制御部16は、定格出力TGのL(0<L≦1)倍の目標光量の光を、複数のレーザー光源から構成されるレーザー光源群31が出射するように、該複数のレーザー光源のうちLに対応する個数のレーザー光源を駆動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のレーザー光源を利用したレーザー光源プロジェクターに関する。
近年、複数のレーザー光源を用いて、映像を投射して表示するレーザー光源プロジェクターが普及しつつある。レーザー光源プロジェクターは、例えば、赤色光、緑色光および青色光を、それぞれ出射する3つのレーザー光源を用いて、画像光(映像)を投射(形成)する。以下においては、赤色光、緑色光および青色光を、それぞれ、R光、G光および、B光ともいう。
レーザー光源に使用されるレーザー素子の経年劣化、温度変化等により、レーザー光源の光出力特性が劣化した状態で、白色を表示する場合、R光、G光および、B光の輝度の比率にずれが生じ、ホワイトバランスが変動してしまう問題がある。当該光出力とは、光の光量(強度)である。そこで、光出力特性の変化に応じて、ホワイトバランスが適切に保たれるように補正を行う必要がある。
特許文献1には、ホワイトバランスを補正することによりホワイトバランスを一定に保つ技術(以下、関連技術Aともいう)が開示されている。具体的には、関連技術Aでは、最も劣化が進んだ光源の光出力(光量)に他の光源の光出力(光量)を揃える制御を行うことにより、全体の輝度を低下させる。これにより、ホワイトバランスを一定に保つ。
なお、レーザー光源は、高い温度で駆動させると寿命が低下する。そこで、レーザー光源の温度上昇を抑制する技術が重要である。特許文献2には、レーザー光源の温度上昇を抑制する技術(以下、関連技術Bともいう)が開示されている。具体的には、関連技術Bでは、レーザー光源を冷却するペルチェ素子ユニットの駆動率が所定値に達した場合、レーザー光源の光出力を下げる。
特開2007−065574号公報 特開2011−191526号公報
しかしながら、関連技術Aでは、以下の問題点がある。具体的には、関連技術Aでは、最も劣化が進んだ光源の光出力(光量)に他の光源の光出力(光量)を揃える制御を行う。そのため、例えば、ある1つの光源に欠陥が存在していた場合、当該1つの光源の劣化の速度が非常にはやくなる。この場合、関連技術Aを利用したレーザー光源プロジェクターが出射する光の光量が、非常に短期間で大幅に低下してしまうという問題点がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、光量の大幅な低下を抑制することが可能なレーザー光源プロジェクターを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るレーザー光源プロジェクターは、各々が、光を出射可能な複数のレーザー光源と、前記複数のレーザー光源を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のレーザー光源から構成されるレーザー光源群が出射可能な光の定格の光量である定格出力のL(0<L≦1を満たす実数)倍の光量である目標光量の光を、該レーザー光源群が出射するように、前記複数のレーザー光源のうち前記Lに対応する個数のレーザー光源を駆動させる。
本発明によれば、前記制御部は、定格出力のL(0<L≦1)倍の目標光量の光を、前記複数のレーザー光源から構成されるレーザー光源群が出射するように、前記複数のレーザー光源のうち前記Lに対応する個数のレーザー光源を駆動させる。当該定格出力は、前記複数のレーザー光源から構成されるレーザー光源群が出射可能な光の定格の光量である。
すなわち、レーザー光源群は、定格出力のL(0<L≦1)倍の目標光量の光を出射するように駆動する。そのため、レーザー光源群の劣化速度が大幅にはやくなることを防ぐことができる。これにより、レーザー光源群が出射する光の光量の大幅な低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るレーザー光源プロジェクターの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る1個のレーザー光源の詳細な構成を示すブロック図である。 ホワイトバランス維持処理のフローチャートである。 ホワイトバランス維持処理Aのフローチャートである。 光源切替え処理Aのフローチャートである。 複数のLDを利用した従来の装置の経年変化におけるLDの電流の特性を示す図である。 本発明の実施の形態に係るレーザー光源プロジェクターの経年変化におけるLDの電流の特性を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザー光源プロジェクター100の構成を示すブロック図である。レーザー光源プロジェクター100は、詳細は後述するが、複数のレーザー光源をマイコン等の制御部により制御する。
図1を参照して、レーザー光源プロジェクター100は、制御部16と、レーザー光源群31R,31G,31Bと、光合成部19と、映像形成部20とを備える。
制御部16は、レーザー光源プロジェクター100内の各部を制御する。制御部16は、例えば、レーザー光源群31R,31G,31Bを制御する。制御部16は、例えば、マイコンである。
レーザー光源群31Rは、赤色光LR1を出射する。レーザー光源群31Rは、N1(2以上の整数)個のレーザー光源30Rから構成される。N1個のレーザー光源30Rから、グループ(以下、Rグループともいう)が構成される。各レーザー光源30Rは、駆動することにより、赤色光を出射する。すなわち、各レーザー光源30Rは、赤色光を出射可能である。
なお、赤色光LR1は、詳細は後述するが、駆動しているレーザー光源30Rの各々が出射する赤色光が合成された光である。以下においては、N1個のレーザー光源30Rを、図1に示すように、レーザー光源30R−1,30R−2,・・・,30R−N1とも表記する。
レーザー光源群31Gは、緑色光LG1を出射する。レーザー光源群31Gは、N2(2以上の整数)個のレーザー光源30Gから構成される。N2個のレーザー光源30Gから、グループ(以下、Gグループともいう)が構成される。各レーザー光源30Gは、駆動することにより、緑色光を出射する。すなわち、各レーザー光源30Gは、緑色光を出射可能である。
なお、緑色光LG1は、詳細は後述するが、駆動しているレーザー光源30Gの各々が出射する緑色光が合成された光である。以下においては、N2個のレーザー光源30Gを、図1に示すように、レーザー光源30G−1,30G−2,・・・,30G−N2とも表記する。
レーザー光源群31Bは、青色光LB1を出射する。レーザー光源群31Bは、N3(2以上の整数)個のレーザー光源30Bから構成される。N3個のレーザー光源30Bから、グループ(以下、Bグループともいう)が構成される。各レーザー光源30Bは、駆動することにより、青色光を出射する。すなわち、各レーザー光源30Bは、青色光を出射可能である。
なお、青色光LB1は、詳細は後述するが、駆動しているレーザー光源30Bの各々が出射する青色光が合成された光である。以下においては、N3個のレーザー光源30Bを、図1に示すように、レーザー光源30B−1,30B−2,・・・,30B−N3とも表記する。
以下においては、レーザー光源群31R,31G,31Bの各々を、単に、レーザー光源群31とも表記する。すなわち、レーザー光源プロジェクター100は、3組のレーザー光源群31を含む。当該3組のレーザー光源群31は、レーザー光源群31R,31G,31Bから構成される。
また、以下においては、レーザー光源30R,30G,30Bの各々を、単に、レーザー光源30とも表記する。すなわち、レーザー光源群31Rは、N1個のレーザー光源30から構成される。また、レーザー光源群31Gは、N2個のレーザー光源30から構成される。レーザー光源群31Bは、N3個のレーザー光源30から構成される。すなわち、レーザー光源プロジェクター100に含まれる3組のレーザー光源群31の各々は、複数のレーザー光源30から構成される。なお、レーザー光源プロジェクター100は、M(2以上の整数)個のレーザー光源30を含む。Mは、以下の式1で表される。
M=N1+N2+N3 ・・・(式1)
光合成部19は、光を合成する機能を有する。光合成部19は、光ファイバー、ミラー等により構成される。光合成部19は、赤色光LR1、緑色光LG1および青色光LB1を合成した光L1aを生成する。そして、光合成部19は、当該光L1aを出射する。
レーザー光源プロジェクター100において、駆動している全てのレーザー光源30の各々に含まれる後述のレーザー素子5が劣化していない場合における光L1aは、基準ホワイトバランスを満たす白色光である。基準ホワイトバランスとは、予め定められたホワイトバランスである。基準ホワイトバランスは、レーザー光源プロジェクター100が使用する光L1aの色が、規定の白(例えば、純白)となるようなホワイトバランスである。すなわち、基準ホワイトバランスは、レーザー光源プロジェクター100に最も適したホワイトバランスである。なお、前述の駆動しているレーザー光源30とは、発光(駆動)している後述のレーザー素子5を含むレーザー光源30である。
映像形成部20は、表示素子、映像回路等から構成される。当該表示素子は、例えば、液晶素子、DMD(Digital Micromirror Device)等である。映像形成部20は、光L1aと、外部から受信する映像信号(図示せず)とに基づいて、光により形成される映像(以下、映像光ともいう)を形成する。そして、映像形成部20は、映像光を、図示しないスクリーン等に投写する。
本実施の形態では、各レーザー光源群31に含まれる全てのレーザー光源30の全部または一部を駆動させる。以下、具体的に説明する。
各レーザー光源30には、当該レーザー光源30が出射可能な光の定格の光量である定格出力Tが定められている。定格出力Tは、レーザー光源30の劣化速度をはやめることなく、レーザー光源30が正常に動作するために予め定められた値である。
また、各レーザー光源群31には、当該レーザー光源群31が出射可能な光の定格の光量である定格出力TGが定められている。定格出力TGは、レーザー光源群31の劣化速度をはやめることなく、レーザー光源群31が正常に動作するために予め定められた値である。定格出力TGは、定格出力Tに、レーザー光源群31を構成するレーザー光源30の数を乗算した値である。例えば、レーザー光源群31Rの定格出力TGは、定格出力Tに、N1を乗算した値である。
本実施の形態では、複数のレーザー光源30から構成されるレーザー光源群31R,31G,31Bの各々は、定格出力TGのL(0<L≦1を満たす実数)倍の光量を出射するように構成される。以下においては、定格出力TGのL倍の光量を、目標光量ともいう。Lは1以下の係数である。係数Lは、例えば、K(自然数)/100で表現される。以下においては、レーザー光源30(レーザー光源群31)が出射する光の光量を、出射光量または光出力ともいう。
また、本実施の形態では、各レーザー光源群31を構成する複数のレーザー光源30が全て駆動している場合、基準ホワイトバランスを満たす光を得るために、各レーザー光源群31が出射する光(例えば、赤色光LR1)の光量を、該レーザー光源群31を構成するレーザー光源30の個数で除算した値が、定格出力Tとなるように設定される。
本実施の形態のレーザー光源プロジェクター100では、例えば、各レーザー光源群31が、定格出力TGのK%(L倍)の光量の光を出射する構成とする。また、係数Lは、K/100で表現されるとする。
レーザー光源プロジェクター100の制御部16は、要約すれば、前述の目標光量の光を、レーザー光源群31が出射するように、該レーザー光源群31を構成する複数のレーザー光源30のうち係数Lに対応する個数のレーザー光源を駆動させる。
ここで、各レーザー光源群31が目標光量の光を出射するという条件を、条件Aとする。この場合、具体的には、制御部16は、条件Aを満たしつつ、さらに、前述の光L1aが基準ホワイトバランスを満たすように、レーザー光源群31R,31G,31Bの各々を構成する複数のレーザー光源30のうち係数Lに対応する個数のレーザー光源30を駆動させる。当該係数Lに対応する個数とは、各レーザー光源群31を構成するレーザー光源30の数に、係数L(すなわち、K/100)を乗算した値(数)である。
なお、好ましくは、当該係数Lに対応する個数とは、各レーザー光源群31を構成するレーザー光源30の数に、係数Lを乗算した値(数)よりも大きい値(数)である。係数Lに対応する個数は、以下のNa1,Na2,Na3等である。Na1は、N1未満の整数である。Na2は、N2未満の整数である。Na3は、N3未満の整数である。
この場合、レーザー光源群31R(Rグループ)において制御部16が駆動させるレーザー光源30Rの個数Na1は、N1×K/100により算出される値である。なお、好ましくは、個数Na1は、N1×K/100により算出される値よりも大きい値である。また、レーザー光源群31G(Gグループ)において制御部16が駆動させるレーザー光源30Gの個数Na2は、N2×K/100により算出される値である。なお、好ましくは、個数Na2は、N2×K/100により算出される値よりも大きい値である。
また、レーザー光源群31B(Bグループ)において制御部16が駆動させるレーザー光源30Bの個数Na3は、N3×K/100により算出される値である。なお、好ましくは、個数Na3は、N3×K/100により算出される値よりも大きい値である。
なお、N1×K/100により算出される値が整数でない場合、算出された値の少数点以下の値を切り上げた値がNa1に設定される。Na2,Na3の各々も、Na1と同様に、前述の対応する式により算出される値が整数でない場合、算出された値の小数点以下の値を切り上げた値が設定される。
また、本実施の形態では、係数Lが1未満の場合、レーザー光源プロジェクター100の制御部16は、各レーザー光源群31を構成する複数のレーザー光源30のうちの一部のレーザー光源30を駆動させ、当該複数のレーザー光源のうち該一部のレーザー光源30以外のレーザー光源30を駆動させない。
具体的には、係数Lが1未満の場合、制御部16は、レーザー光源群31Rにおいて(N1−Na1)個のレーザー光源30Rを駆動させない。すなわち、(N1−Na1)個のレーザー光源30Rは、赤色光を出射しない。また、係数Lが1未満の場合、制御部16は、レーザー光源群31Gにおいて(N2−Na2)個のレーザー光源30Gを駆動させない。すなわち、(N2−Na2)個のレーザー光源30Gは、緑色光を出射しない。また、係数Lが1未満の場合、制御部16は、レーザー光源群31Bにおいて(N3−Na3)個のレーザー光源30Bを駆動させない。すなわち、(N3−Na3)個のレーザー光源30Bは、青色光を出射しない。
次に、レーザー光源30の詳細な構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る1個のレーザー光源30の詳細な構成を示すブロック図である。
レーザー光源30は、マイコン41と、電源2と、レーザー駆動回路3と、レーザー素子5と、ハーフミラー12と、光量検出回路10と、ペルチェ素子6と、ヒートパイプ7と、ラジエター8と、ファン9と、ADコンバータ11,14と、温度検出回路13と、DAコンバータ15と、ペルチェ駆動回路4とを備える。
レーザー素子5は、光を出射する素子である。レーザー素子5は、例えば、半導体レーザー素子である。前述したように、各レーザー光源30には、定格出力Tが定められている。すなわち、レーザー光源30に含まれるレーザー素子5には、定格出力Tが定められている。以下においては、レーザー光源30に含まれるレーザー素子5が出射する光の光量を、出射光量または光出力ともいう。
レーザー駆動回路3は、マイコン41の制御にしたがった駆動電流Iをレーザー素子5に流す制御を行うことによりレーザー素子5を駆動(発光)させる。駆動しているレーザー素子5には、印加される駆動電圧に応じた駆動電流Iが流れる。マイコン41は、レーザー駆動回路3に指示した駆動電圧に対応する駆動電流Iを常に把握している。
ハーフミラー12は、レーザー素子5が出射した光の大部分を反射させ、レーザー出力光として、レーザー光源30の外部へ導く。すなわち、レーザー光源30は、光(レーザー出力光)を出射する。また、ハーフミラー12は、レーザー素子5が出射した光の一部を、光量検出回路10へ導く。これにより、光量検出回路10は、レーザー出力光の強さに比例した光をうける(検出する)。
ペルチェ素子6は、レーザー素子5が発する熱を冷却するように配置される。ペルチェ素子6は、該ペルチェ素子6の吸熱面(冷却面)がレーザー素子5と当接するように配置される。ペルチェ素子6の放熱面は、ヒートパイプ7を介して、ラジエター8と熱的に結合されている。これにより、ペルチェ素子6の放熱面の熱は、ヒートパイプ7を介しラジエター8に伝わる。ファン9は、ラジエター8の熱を外部に排熱する風を発生させる。
レーザー素子5が発する熱の一部は、ペルチェ素子6およびヒートパイプ7を介して、ラジエター8に伝達する。ラジエター8に伝達した熱は、ファン9により、レーザー光源30の外部へ排熱される。
光量検出回路10は、当該光量検出回路10に照射された光の光量を検出し、当該検出した光量から、レーザー素子5が出射する光の光量(出射光量)を検出する。以下においては、レーザー素子5が出射する光の光量を、素子光量または出射光量ともいう。光量検出回路10に照射される光の光量とレーザー素子5が出射する光の光量との比率は予め決まった値(例えば、1:9)である。そのため、光量検出回路10は、照射された光の光量から、レーザー素子5が出射する光の素子光量を検出することができる。
また、光量検出回路10は、素子光量を示す光量信号(アナログ信号)をADコンバータ11へ送信する。ADコンバータ11は、光量信号(アナログ信号)をAD変換することにより、データとして示される素子光量を取得する。そして、ADコンバータ11は、当該素子光量を、マイコン41へ送信する。
温度検出回路13は、レーザー素子5に熱的に接続される。温度検出回路13は、レーザー素子5の温度(以下、素子温度Tjともいう)を検出する。素子温度Tjは、例えば、ジャンクション温度である。具体的には、温度検出回路13は、レーザー素子5の温度を常時検出しており、素子温度Tjを示す温度信号(アナログ信号)をADコンバータ14へ送信する。ADコンバータ14は、温度信号(アナログ信号)をAD変換することにより、温度データとして示される、素子温度Tjを取得する。そして、ADコンバータ14は、当該素子温度Tjを、マイコン41へ送信する。
マイコン41は、レーザー出力光の光量(強さ)が常に一定になるように、レーザー駆動回路3(駆動電流I)を制御する。すなわち、マイコン41は、レーザー素子5の出射光量(光出力)が後述の目標値Pとなるようにレーザー駆動回路3を制御する。マイコン41は、常に、最新の目標値Pを記憶している。
具体的には、マイコン41は、レーザー駆動回路3がレーザー素子5に流す電流を、レーザー駆動回路3に指示する。また、マイコン41は、レーザー素子5の素子温度Tjが常に概ね一定になるように、DAコンバータ15を介して、ペルチェ駆動回路4を制御する。
ペルチェ駆動回路4は、電源2から所定の電力を受ける。レーザー駆動回路3は、DC−DCコンバータとして機能する。ペルチェ駆動回路4は、マイコン41の制御に従い、電源2から受けた所定の電力を利用して、温度検出回路13により検出される素子温度Tjが所定の目標温度になるように、ペルチェ素子6を駆動させる。
レーザー出力光の光量を変化させる場合、マイコン41は、光量検出回路10が検出する光量の目標値Pを変更する。
また、マイコン41は、図1の制御部16と通信を行う。制御部16は、レーザー光源プロジェクター100に含まれる各レーザー光源30のマイコン41に指示を与えることにより、各レーザー光源30を制御する。すなわち、制御部16は、レーザー光源プロジェクター100に含まれる複数のレーザー光源30を制御する。
次に、レーザー光源プロジェクター100が行う処理について説明する。
前述したように、レーザー光源プロジェクター100の制御部16は、要約すれば、前述の目標光量の光を、レーザー光源群31が出射するように、該レーザー光源群31を構成する該複数のレーザー光源30のうち係数Lに対応する個数のレーザー光源を駆動させる。
具体的には、前述したように、制御部16は、条件Aを満たしつつ、さらに、前述の光L1aが基準ホワイトバランスを満たすように、レーザー光源群31R,31G,31Bの各々を構成する複数のレーザー光源30のうち係数Lに対応する個数のレーザー光源30を駆動させる。
また、前述したように、係数Lが1未満の場合、レーザー光源プロジェクター100の制御部16は、各レーザー光源群31を構成する複数のレーザー光源30のうちの一部のレーザー光源30を駆動させ、当該複数のレーザー光源のうち該一部のレーザー光源30以外のレーザー光源30を駆動させない。以下においては、レーザー素子5を、単に、LDともいう。
次に、係数Lが1である場合におけるレーザー光源プロジェクター100が行う処理(以下、ホワイトバランス維持処理ともいう)を詳細に説明する。係数Lが1である場合、レーザー光源群31R,31G,31Bの各々を構成する全てのレーザー光源30が駆動する。また、初期状態では、各レーザー光源30のLDの出射光量が定格出力Tとなるように、当該LDの駆動電流が調整されている。
図3は、ホワイトバランス維持処理のフローチャートである。ホワイトバランス維持処理では、以下の状態ST1,ST2,ST3における処理を示す。
状態ST1は、レーザー光源群31R,31G,31Bの各々における全てのレーザー光源30に含まれるLDが劣化していない状態である。なお、例えば、定格出力Tの約100%の光量の光を出射可能な駆動レーザー素子を、劣化していないLDとする。
また、状態ST1では、各レーザー光源群31の出射光量が、前述の目標光量である状態である。前述したように、目標光量は、定格出力TGのL倍の光量である。以下においては、各レーザー光源群31の出射光量が目標光量である状態において、該レーザー光源群31において駆動しているレーザー光源30(LD)の各々が出射する光量の目標値を、目標値Pともいう。
レーザー光源群31において駆動している全てのレーザー光源30(LD)の個数を、目標値Pに乗算した値が、該レーザー光源群31の目標光量となるように、目標値Pの初期値は設定される。また、目標値Pは、定格出力T以下に設定される。各レーザー光源群31を構成する各レーザー光源30のマイコン41は、以上のように設定された目標値Pを予め記憶している。
状態ST2は、出射光量の最大値が定格出力T以下に低下したLDが存在する状態である。また、状態ST2は、1個以上の後述の飽和LDが存在し、当該飽和LDの出射光量が低下している状態である。状態ST2では、低下した光量を補正する処理が行われる。
状態ST3は、LDの一時的な出射光量(光出力)の低下により、各レーザー光源群31全体の出射光量が下げられた状態である。状態ST3では、各レーザー光源群31の出射光量を向上させる処理が行われる。
LDには、当該LD自体の劣化による発光効率の低下、LDの温度上昇による出射光量(光出力)の低下が起こる。LDの劣化が進行した状態、または、一時的なLDの温度上昇により発光効率が低下した状態において、一定の出射光量(光出力)を維持するためには、LDに流れる駆動電流Iを増加させる必要がある。
しかし、LDの駆動電流Iを増加させていくと、当該LDの温度上昇により、限界電流(IDMAX)に達する。限界電流IDMAXは、LDが流すことが出来る最大の駆動電流である。すなわち、駆動電流Iが限界電流IDMAXに達した場合、当該駆動電流Iをさらに増加させることはできない。
LDの駆動電流Iが限界電流IDMAXに達した状態は、当該LDの状態が飽和状態である。飽和状態のLDは、発光効率が低下し、出射光量の最大値が定格出力T未満となる。つまり、LDの駆動電流Iを増加させていくと、当該LDの状態が飽和状態になり、出射光量が低下するという問題が生じる。この場合、状態ST2における後述の処理が行われる。
以下においては、駆動電流Iが限界電流IDMAX以上であり、かつ、出射光量の最大値が定格出力T未満のLDを、飽和LDともいう。すなわち、飽和LDは、劣化したLDである。また、飽和LDは、飽和状態のLDでもある。以下においては、LDの状態が飽和状態でない当該LDを、通常LDともいう。
レーザー光源プロジェクター100に含まれる各レーザー光源30のマイコン41は、当該レーザー光源30に含まれる各レーザー素子5(LD)の限界電流IDMAXを予め記憶している。具体的には、マイコン41はM個のレーザー素子5(レーザー光源30)にそれぞれ対応するM個の限界電流IDMAXを記憶している。
より詳細には、マイコン41は、各レーザー素子5と、各限界電流IDMAXとを対応づけて記憶している。例えば、マイコン41は、レーザー光源30G−1と、該レーザー光源30G−1に含まれるレーザー素子5の限界電流IDMAXとを対応づけて記憶している。
レーザー素子5に限界電流IDMAXが流れた場合、当該レーザー素子5の出射光量は、最大となる。前述したように、各レーザー光源30のマイコン41は、駆動電流Iを常に把握している。以下においては、限界電流IDMAXにより駆動するレーザー素子5の出射光量を、最大出射光量ともいう。
また、以下においては、図1の光合成部19が出射する光L1aの光量を、全体光量とも表記する。光L1aは、前述したように、赤色光LR1、緑色光LG1および青色光LB1を合成した光である。また、以下においては、全体光量の目標値を、全体光量目標値Pwとも表記する。
次に、図3を用いて、状態ST1の場合の処理について説明する。
まず、ステップS101の処理が行われる。ステップS101では、LD状態取得処理が行われる。LD状態取得処理では、制御部16が、R,G,Bグループの各々を構成する各レーザー光源30のマイコン41へ、状態要求指示を送信する。状態要求指示は、LDの状態を要求するための指示である。
状態要求指示を受信した全てのマイコン41の各々は、以下の処理を行う。具体的には、マイコン41は、当該マイコン41に対応するLDの駆動電流Iが当該マイコン41が記憶している限界電流IDMAX以上であるか否かを判定する。駆動電流Iが限界電流IDMAX以上である場合、マイコン41は、LDが飽和状態である旨を示す飽和状態通知を、制御部16へ送信する。
制御部16は、飽和状態通知を受信した場合、当該飽和状態通知を送信したマイコン41を含むレーザー光源30を特定することにより、当該特定したレーザー光源30が、飽和LDを含むと判定する。これにより、制御部16は、当該特定したレーザー光源30がが、R,G,Bグループのいずれに含まれるか特定する。すなわち、制御部16は、特定したレーザー光源30に含まれる飽和LDが、R,G,Bグループのいずれに含まれるか特定する。
すなわち、制御部16は、1以上の飽和状態通知の受信により、飽和LDの全ての個数、R,G,Bグループの各々における飽和LDの個数を把握する。
以下においては、レーザー光源プロジェクター100における全ての飽和LDの個数を、AXとも表記する。また、以下においては、Rグループにおける飽和LDの個数を、A1とも表記する。また、以下においては、Gグループにおける飽和LDの個数を、A2とも表記する。また、以下においては、Bグループにおける飽和LDの個数を、A3とも表記する。また、以下においては、A1,A2,A3の各々を、総括的に、An(n=1〜3)とも表記する。
すなわち、LD状態取得処理により、制御部16は、個数AX,A1,A2,A3を把握するとともに、個数AXが1以上である場合、飽和LDを含むレーザー光源30を特定する。
次に、ステップS102において、制御部16は、飽和LDの個数AXがゼロ(0)であるか否かを判定する。ステップS102においてYESならば、処理はステップS110Rに移行する。一方、ステップS102においてNOならば、処理はステップS103に移行する。
状態ST1では、飽和LDの個数AXがゼロであるので(S102でYES)、処理はステップS103に移行する。
ステップS103では、レーザー光源プロジェクター100の状態が、全体光量低下状態であるか否かを判定する。全体光量低下状態とは、後述の全体光量低下処理により、全体光量目標値Pw(全体光量)が低下された状態である。
ステップS103においてYESならば、処理は後述のステップS104に移行する。一方、ステップS103においてNOならば、再度、ステップS101の処理が行われる。
状態ST1では、ステップS103でNOと判定され、再度、ステップS101の処理が行われる。
次に、状態ST2の場合の処理について説明する。状態ST2は、前述したように、1個以上の飽和LDが存在し、当該飽和LDの出射光量が低下している状態である。
状態ST2では、まず、前述のステップS101,S102が行われる。状態ST2では、ステップS102でYESと判定され、処理はステップS110Rに移行する。
以下においては、Rグループに含まれる飽和LDを、飽和LD−1とも表記する。また、以下においては、Gグループに含まれる飽和LDを、飽和LD−2とも表記する。また、以下においては、Bグループに含まれる飽和LDを、飽和LD−3とも表記する。また、以下においては、飽和LD−1,LD−2,LD−3の各々を、総括的に、飽和LD−n(n=1〜3)とも表記する。
ステップS110Rでは、制御部16が、最新の個数Anに基づいて、飽和LDがRグループに存在するか否かを判定する。すなわち、制御部16が、飽和LD−nが存在するか否かを判定する。なお、ステップS110Rにおいて、Anおよび飽和LD−nのnは1である。
制御部16は、Anが1以上である場合、飽和LDがRグループに存在すると判定する。一方、制御部16は、Anが0である場合、飽和LDがRグループに存在しないと判定する。ステップS110RにおいてYESならば、処理はステップS111Rに移行する。一方、ステップS110RにおいてNOならば、処理は後述のステップS110Gに移行する。
ここで、状態ST2は、Rグループに飽和LD−nが含まれる状態であるとする。この場合、処理はステップS111Rに移行する。
以下においては、Rグループを構成する各LDのうち過去に飽和状態になったLDの個数を、B1とも表記する。また、以下においては、Gグループを構成する各LDのうち過去に飽和状態になったLDの個数を、B2とも表記する。また、以下においては、Bグループを構成する各LDのうち過去に飽和状態になったLDの個数を、B3とも表記する。また、以下においては、B1,B2,B3の各々を、総括的に、Bn(n=1〜3)とも表記する。なお、Bnの初期値は0である。
ステップS111Rでは、目標値低下処理Rが行われる。目標値低下処理Rは、飽和LD−nの出射光量の目標値Pを、当該PのX(%)だけ低下させる処理である。目標値Pは、マイコン41が記憶している。なお、ステップS111Rにおいて、飽和LD−nのnは1である。
以下においては、P×X/100で得られる値を、固定値XAともいう。すなわち、目標値低下処理Rは、飽和LD−nの出射光量の目標値Pを固定値XAだけ低下させる処理である。
具体的には、目標値低下処理Rでは、制御部16が、光量低下指示を、飽和LD−nを含む全てのレーザー光源30のマイコン41へ送信する。光量低下指示とは、飽和LD−nの目標値Pを、当該PのX(%)だけ低下させる指示である。光量低下指示には、Xが示される。Xは、例えば、4である。
光量低下指示を受信した全てのマイコン41の各々は、以下の処理を行う。具体的には、マイコン41は、当該マイコン41が記憶している目標値Pに、光量低下指示が示すXと、1/100とを乗算することにより、固定値XAを算出する。そして、マイコン41は、当該マイコン41が記憶している目標値Pから固定値XAだけ減算した値を、最新の目標値Pとして記憶する。以下においては、マイコン41が記憶している最新の目標値Pを、最新目標値Pともいう。
そして、マイコン41は、該マイコン41に対応する飽和LD−n(レーザー素子5)の出射光量が、当該最新目標値Pになるようにレーザー駆動回路3を制御する。具体的には、マイコン41は、レーザー駆動回路3が飽和LD−nに流す駆動電流Iを変化させるように当該レーザー駆動回路3を制御する。これにより、飽和LD−nの出射光量が低下する。すなわち、飽和LD−nに流れる電流がIDMAX未満となり、当該飽和LD−nの状態は、飽和状態でなくなる。これにより、出射光量が低下した飽和LD−nは、通常LDとなる。
なお、飽和LD−nの数が、例えば、5である場合、光量低下指示を受信した5個のマイコン41の各々が、上記の処理を並行する。そして、この目標値低下処理Rは終了する。
以下においては、過去から現在にわたって、一度も飽和状態になったことのないLDを、非飽和LDともいう。非飽和LDは、例えば、ステップS101の処理が行われる時点(現在)においても、飽和状態でないLDである。
以下においては、Rグループに含まれる非飽和LDを、非飽和LD−1とも表記する。また、以下においては、Gグループに含まれる非飽和LDを、非飽和LD−2とも表記する。また、以下においては、Bグループに含まれる非飽和LDを、非飽和LD−3とも表記する。また、以下においては、非飽和LD−1,LD−2,LD−3の各々を、総括的に、非飽和LD−n(n=1〜3)とも表記する。
また、以下においては、非飽和LD−1の目標値Pを増加させる割合を、Z1(%)とも表記する。また、以下においては、非飽和LD−2の目標値Pを増加させる割合を、Z2(%)とも表記する。また、以下においては、非飽和LD−3の目標値Pを増加させる割合を、Z3(%)とも表記する。また、以下においては、Z1,Z2,Z3の各々を、総括的に、Zn(n=1〜3)とも表記する。
ステップS112Rでは、目標値増加処理Rが行われる。目標値増加処理Rは、非飽和LD−nの出射光量の目標値Pを、当該PのZn(%)だけ増加させる処理である。なお、ステップS112Rにおいて、非飽和LD−nのnは1である。
以下においては、P×Zn/100で得られる値を、固定値XBともいう。すなわち、目標値増加処理Rは、非飽和LD−nの出射光量の目標値Pを固定値XBだけ増加させる処理である。
Znは、以下の式2により算出される。なお、ステップS112Rにおいて、以下の式2のnは1である。
Zn=X×An/[Nn−(An+Bn)](n=1〜3)・・・(式2)
具体的には、目標値増加処理Rでは、制御部16が、前述の式2より、Znを算出する。そして、制御部16は、光量増加指示を、非飽和LD−nを含む全てのレーザー光源30のマイコン41へ送信する。光量増加指示は、最新の全ての非飽和LD−nの各々の出射光量の目標値Pを、当該PのZn(%)だけ増加させる指示である。光量増加指示には、算出されたZnが示される。
光量増加指示を受信した全てのマイコン41の各々は、以下の光量増加処理を行う。光量増加処理では、マイコン41が、当該マイコン41が記憶している目標値Pに、光量増加指示が示すZnと、1/100とを乗算することにより、固定値XBを算出する。
次に、マイコン41は、当該マイコン41が記憶している目標値Pに固定値XBを加算した値を、最新の目標値Pとして記憶する。なお、目標値Pに固定値XBを加算した値が、前述の定格出力T以上である場合、最新の目標値Pは、定格出力Tに設定される。
すなわち、目標値Pの上限値は、定格出力Tである。非飽和LD−nに流れる電流値の上限値は、IDMAXである。
そして、マイコン41は、該マイコン41に対応する非飽和LD−n(レーザー素子5)の出射光量が、当該最新目標値Pになるようにレーザー駆動回路3を制御する。具体的には、マイコン41は、レーザー駆動回路3が非飽和LD−nに流す駆動電流Iを変化させるように当該レーザー駆動回路3を制御する。これにより、非飽和LD−nの出射光量が増加する。以上により、光量増加処理(目標値増加処理R)が終了する。
以下においては、目標値増加処理Rが行われた直後に、Rグループにおいて新たに飽和状態となったLDの数を、C1とも表記する。また、以下においては、後述の目標値増加処理Gが行われた直後に、Gグループにおいて新たに飽和状態となったLDの数を、C2とも表記する。また、以下においては、後述の目標値増加処理Bが行われた直後に、Bグループにおいて新たに飽和状態となったLDの数を、C3とも表記する。また、以下においては、C1,C2,C3の各々を、総括的に、Cn(n=1〜3)とも表記する。
ステップS113Rでは、制御部16が、現時点のC1が0であるか否かを判定する。ステップS113Rにおいて、YESならば処理はステップS110Gに移行する。一方、ステップS113Rにおいて、NOならば処理はステップS114Rに移行する。
ステップS114Rでは、制御部16が、現時点のAn,Bn,Cnを用いて、以下の式3が満たされるか否かを判定する。なお、ステップS114RにおけるNn,An,Bn,Cnのnは、1である。
Nn=An+Bn+Cn(n=1〜3) ・・・(式3)
ステップS114Rにおいて、YESならば、処理は後述のステップS120に移行する。一方、ステップS114RにおいてNOならば、制御部16により、以下の処理が行われる。ここで、現時点のAn,Bn,Cnを、それぞれ、An(0)、Bn(0)、Cn(0)と表現する。この場合、An=Cn(0)、Bn=An(0)+ Bn(0)と置き換えられる。
具体的には、ステップS114RにおいてNOならば、制御部16は、現時点のCnの値を、最新のAnの値に設定する。また、制御部16は、現時点のAnの値と現時点のBnの値とを加算した値を、最新のBnの値に設定する。そして、再度、ステップS111Rの処理が行われる。
ステップS114RでYESの場合は、過去から現在にわたり、Rグループにおいて飽和状態となったLDの個数がN1に等しい場合(式3を満たす場合)である。N1は、Rグループを構成するレーザー光源30R(LD)の数である。すなわち、ステップS114RでYESの場合は、Rグループを構成するN1個のLDのうち、一度でも飽和LDとなったLDの数が、N1と等しい場合である。
一方、ステップS114RでNOの場合は、過去から現在にわたり、Rグループにおいて飽和状態となったLDの個数がN1と等しくない場合(Nn≠An+Bn+Cnの場合)である。すなわち、ステップS114RでNOの場合は、Rグループに含まれるN1個のLDのうち、一度でも飽和LDとなったLDの数が、N1と等しくない場合である。すなわち、Nn≠An+Bn+Cn(n=1)である限り、ステップS111Rの処理が繰り返される。
なお、後述のステップS114GでYESの場合は、過去から現在にわたり、Gグループにおいて飽和状態となったLDの個数が、N2に等しい場合(式3を満たす場合)である。また、後述のステップS114BでYESの場合は、過去から現在にわたり、Bグループにおいて飽和状態となったLDの個数が、N3に等しい場合(式3を満たす場合)である。
なお、ステップS114Rでは、上記処理に限定されず、以下の処理Aが行われてもよい。処理Aでは、制御部16が、非飽和LD−nの数がゼロであるか否かを判定する。なお、ステップS114Rにおいて、非飽和LD−nのnは1である。
ステップS110Gでは、制御部16が、最新の個数A2に基づいて、飽和LDがGグループ(レーザー光源群31G)に存在するか否かを判定する。すなわち、制御部16は、飽和LD−2が存在するか否かを判定する。ステップS110GにおいてYESならば、処理はステップS111Gに移行する。一方、ステップS110GにおいてNOならば、処理は後述のステップS110Bに移行する。
ステップS111Gでは、目標値低下処理Gが行われる。目標値低下処理Gは、前述の目標値低下処理Rにおいて、飽和LD−nを飽和LD−2に置き換えた処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。飽和LD−2は、前述したように、Gグループに含まれる飽和LDである。
ステップS112Gでは、目標値増加処理Gが行われる。目標値増加処理Gは、前述の目標値増加処理Rにおいて、非飽和LD−nおよび式2のnを2とした処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS113Gでは、制御部16が、現時点のC2が0であるか否かを判定する。ステップS113GにおいてYESならば、処理はステップS110Bに移行する。一方、ステップS113GにおいてNOならば、処理はステップS114Gに移行する。
ステップS114Gでは、ステップS114Rの処理において、Nn、An、BnおよびCnのnを2とした処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS114GにおいてYESならば、処理は後述のステップS120に移行する。一方、ステップS114GにおいてNOならば、制御部16は、現時点のC2の値を、最新のA2の値に設定する。また、制御部16は、現時点のA2の値と現時点のB2の値とを加算した値を、最新のB2の値に設定する。そして、再度、ステップS111Gの処理が行われる。
なお、ステップS114Gでは、前述の処理Aにおいてnを2とした処理が行われてもよい。
ステップS110Bでは、制御部16が、最新の個数A3に基づいて、飽和LDがBグループに存在するか否かを判定する。すなわち、制御部16は、飽和LD−3が存在するか否かを判定する。ステップS110BにおいてYESならば、処理はステップS111Bに移行する。一方、ステップS110BにおいてNOならば、再度、ステップS101の処理が行われる。
ステップS111Bでは、目標値低下処理Bが行われる。目標値低下処理Bは、前述の目標値低下処理Rにおいて、飽和LD−nを飽和LD−3に置き換えた処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS112Bでは、目標値増加処理Bが行われる。目標値増加処理Bは、前述の目標値増加処理Rにおいて、非飽和LD−nおよび式2のnを3とした処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS113Bでは、制御部16が、現時点のC3が0であるか否かを判定する。ステップS113BにおいてYESならば、再度、ステップS101の処理が行われる。一方、ステップS113BにおいてNOならば、処理はステップS114Bに移行する。
ステップS114Bでは、ステップS114Rの処理において、Nn、An、BnおよびCnのnを3とした処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS114BにおいてYESならば、処理はステップS120に移行する。一方、ステップS114BにおいてNOならば、制御部16は、現時点のC3の値を、最新のA3の値に設定する。また、制御部16は、現時点のA3の値と現時点のB3の値とを加算した値を、最新のB3の値に設定する。そして、再度、ステップS111Bの処理が行われる。
なお、ステップS114Bでは、前述の処理Aにおいてnを3とした処理が行われてもよい。
ステップS114R,S114G,S114BのいずれかでYESの場合、対応するグループ(例えば、Rグループ)の出射光量は、一定(目標光量)を保てなくなる。そのため、ステップS120の処理が行われる。
ステップS120では、全体光量低下処理が行われる。全体光量低下処理は、全体光量目標値Pw(全体光量)を、当該PwのW(%)だけ低下させる処理である。Wは、人間が、全体光量の低下を視認できない値に設定される。Wは、一例として、4である。
全体光量低下処理では、R,G,Bグループの各々における、目標値Pを、一律にW%低下させる。これにより、RGB各色のバランス、すなわち、ホワイトバランスを保ちながら、全体光量(光L1aの輝度)を下げる。
以下においては、P×W/100で得られる値を、固定値XCともいう。すなわち、全体光量低下処理は、R,G,Bグループの各々における各LDの出射光量の目標値Pを固定値XCだけ低下させる処理である。
具体的には、全体光量低下処理では、制御部16が、全光量低下指示を、R,G,Bグループの各々を構成する各レーザー光源30のマイコン41へ送信する。全光量低下指示は、全てのLDの各々の出射光量の目標値Pを、当該PのW(%)だけ低下させる指示である。全光量低下指示には、Wが示される。
全光量低下指示を受信した全てのマイコン41の各々は、以下の処理を行う。具体的には、マイコン41は、当該マイコン41が記憶している目標値Pに、全光量低下指示が示すWと、1/100とを乗算することにより、固定値XCを算出する。そして、マイコン41は、当該マイコン41が記憶している目標値Pから固定値XCだけ減算した値を、最新の目標値Pとして記憶する。
そして、マイコン41は、該マイコン41に対応するLDの出射光量が、当該最新目標値Pになるようにレーザー駆動回路3を制御する。具体的には、マイコン41は、レーザー駆動回路3がLDに流す駆動電流Iを変化させるように当該レーザー駆動回路3を制御する。
以上により、全体光量が、当該PwのW(%)だけ低下する。そして、この全体光量低下処理は終了し、再度、ステップS101の処理が行われる。
次に、図3を用いて、状態ST3の場合の処理について説明する。状態ST3では、前述の全体光量低下処理が行われたことにより、レーザー光源プロジェクター100の状態は、前述の全体光量低下状態である。全体光量を低下させた後に、全体光量を増加させる処理は、以下のようにして行われる。
ここで、例えば、外気温度が高いために、前述の全体光量低下処理が行われたとする。その後、外気温度が下がり、R,G,Bグループにおける全てのLDの駆動電流Iが限界電流IDMAX未満となったとする。すなわち、全てのLDの状態が飽和状態でないとする。この場合、ステップS102でYESと判定される。また、レーザー光源プロジェクター100の状態は、全体光量低下状態であるため、ステップS103でYESと判定され、処理はステップS104に移行する。
ステップS104では、全体光量増加処理が行われる。全体光量増加処理は、全体光量目標値Pw(全体光量)を、当該PwのY(%)だけ増加(上昇)させる処理である。YはWより小さい値に設定される。Yは、例えば、0.25であるとする。
以下においては、P×Y/100で得られる値を、固定値XDともいう。すなわち、全体光量増加処理は、R,G,Bグループの各々における各LDの出射光量の目標値Pを固定値XDだけ増加させる処理である。
具体的には、全体光量増加処理では、制御部16が、全光量増加指示を、R,G,Bグループの各々を構成する各レーザー光源30のマイコン41へ送信する。全光量増加指示は、全てのLDの各々の出射光量の目標値Pを、当該PのY(%)だけ増加させる指示である。全光量増加指示には、Yが示される。
全光量増加指示を受信した全てのマイコン41の各々は、以下の処理を行う。具体的には、マイコン41は、当該マイコン41が記憶している目標値Pに、全光量増加指示が示すYと、1/100とを乗算することにより、固定値XDを算出する。そして、マイコン41は、当該マイコン41が記憶している目標値Pに固定値XDを加算した値を、最新の目標値Pとして記憶する。
そして、マイコン41は、該マイコン41に対応するLDの出射光量が、当該最新目標値Pになるようにレーザー駆動回路3を制御する。具体的には、マイコン41は、レーザー駆動回路3がLDに流す駆動電流Iを変化させるように当該レーザー駆動回路3を制御する。以上により、全体光量が、当該PwのY(%)だけ増加する。
なお、全体光量増加処理では、例えば、全体のLDのうち1個のLDの駆動電流IがIDMAXになるまで、Pwを増加させるための上記の処理が繰り返し行われる。なお、この処理により、1個のLDの駆動電流IがIDMAXにならない場合、Pwを、全体光量目標値Pwの初期値にするための処理が行われてもよい。全体光量目標値Pwの初期値とは、全体光量低下処理によりPwが低下されてない場合における、当該Pwの値である。
そして、この全体光量増加処理は終了し、再度、ステップS101の処理が行われる。
次に、係数Lが1未満であり、レーザー光源プロジェクター100の状態が低光量状態である場合の処理(以下、ホワイトバランス維持処理Aともいう)について説明する。低光量状態は、各レーザー光源群31の出射光量が定格出力TG未満であり、かつ、各LDの出射光量が定格出力T以下の状態である。すなわち、低光量状態は、係数Lが、0<L<1の範囲の値である状態である。
この場合、前述したように、レーザー光源プロジェクター100の制御部16は、各レーザー光源群31を構成する複数のレーザー光源30のうちの一部のレーザー光源30を駆動させ、当該複数のレーザー光源のうち該一部のレーザー光源30以外のレーザー光源30を駆動させない。
以下においては、駆動しているLDを、駆動LDともいう。また、以下においては、駆動LDを含むレーザー光源30を、駆動レーザー光源ともいう。駆動レーザー光源は、駆動しているレーザー光源である。また、以下においては、飽和状態の駆動LDを、飽和駆動LDともいう。
なお、前述したように、レーザー光源群31における全ての駆動レーザー光源(駆動LD)の個数を、目標値Pに乗算した値が、該レーザー光源群31の目標光量となるように、目標値Pの初期値は設定される。また、目標値Pは、定格出力T以下に設定される。各レーザー光源群31を構成する各レーザー光源30のマイコン41は、以上のように設定された目標値Pを予め記憶している。
ここで、Lが、一例として、0.5であるとする。また、N1,N2,N3の各々は、一例として、10であるとする。また、定格出力Tは、定格出力TGの0.1倍であるとする。
この場合、各レーザー光源群31の目標光量は、定格出力TGの0.5倍の光量である。また、この場合、各レーザー光源群31における駆動レーザー光源(駆動LD)の個数は、5である。すなわち、Na1,Na2,Na3の各々は、5である。また、この場合、各レーザー光源群31における各駆動レーザー光源(駆動LD)の目標値Pの初期値は、定格出力Tに設定される。
なお、この場合、好ましくは、各レーザー光源群31における駆動レーザー光源(駆動LD)の個数は、5以上である。すなわち、Na1,Na2,Na3の各々は、5以上である。また、この場合、好ましくは、各レーザー光源群31における各駆動レーザー光源(駆動LD)の目標値Pの初期値は、定格出力T以下に設定される。
また、以下においては、Rグループに含まれる駆動LDを、駆動LD−1とも表記する。また、以下においては、Gグループに含まれる駆動LDを、駆動LD−2とも表記する。また、以下においては、Bグループに含まれる駆動LDを、駆動LD−3とも表記する。また、以下においては、駆動LD−1,LD−2,LD−3の各々を、総括的に、駆動LD−n(n=1〜3)とも表記する。
また、以下においては、Rグループにおける駆動LD−1の個数を、Na1とも表記する。また、以下においては、Gグループにおける駆動LD−2の個数を、Na2とも表記する。また、以下においては、Bグループにおける駆動LD−3の個数を、Na3とも表記する。また、以下においては、Na1,Na2,Na3の各々を、総括的に、Nan(n=1〜3)とも表記する。
また、以下においては、レーザー光源プロジェクター100における全ての飽和LDの個数を、AaXとも表記する。また、以下においては、Rグループにおける飽和駆動LDの個数を、Aa1とも表記する。また、以下においては、Gグループにおける飽和駆動LDの個数を、Aa2とも表記する。また、以下においては、Bグループにおける飽和駆動LDの個数を、Aa3とも表記する。また、以下においては、Aa1,Aa2,Aa3の各々を、総括的に、Aan(n=1〜3)とも表記する。
また、以下においては、Rグループに含まれる飽和駆動LDを、飽和LD−1とも表記する。また、以下においては、Gグループに含まれる飽和駆動LDを、飽和LD−2とも表記する。また、以下においては、Bグループに含まれる飽和駆動LDを、飽和LD−3とも表記する。また、以下においては、飽和LD−1,LD−2,LD−3の各々を、総括的に、飽和LD−n(n=1〜3)とも表記する。
図4は、ホワイトバランス維持処理Aのフローチャートである。図4において、図3のステップ番号と同じステップ番号の処理は、ホワイトバランス維持処理で説明した処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。以下、ホワイトバランス維持処理と異なる点を中心に説明する。
ステップS101Aでは、LD状態取得処理Aが行われる。LD状態取得処理Aは、LD状態取得処理において、LD、飽和LDおよびレーザー光源30を、それぞれ、駆動LD、飽和駆動LDおよび駆動レーザー光源に置き換えた処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
LD状態取得処理Aにより、制御部16は、個数AaX,Aa1,Aa2,Aa3を把握するとともに、個数AaXが1以上である場合、飽和駆動LDを含む駆動レーザー光源を特定する。
次に、ステップS102Aにおいて、制御部16は、飽和LD(飽和駆動LD)の個数AaXがゼロ(0)であるか否かを判定する。ステップS102AにおいてYESならば、処理はステップS110RAに移行する。一方、ステップS102AにおいてNOならば、処理はステップS103に移行する。
ここで、一例として、個数AaXおよびAa1が1以上であるとする。この場合、処理は、ステップS110RAに移行する。
ステップS110RAでは、制御部16が、最新の個数Aanに基づいて、飽和LDがRグループに存在するか否かを判定する。すなわち、制御部16が、飽和LD−nが存在するか否かを判定する。なお、ステップS110RAにおいて、Aanおよび飽和LD−nのnは1である。ステップS110RAにおいてYESならば、処理はステップS111Rに移行する。一方、ステップS110RAにおいてNOならば、処理は後述のステップS110GAに移行する。
以下においては、Rグループにおける各駆動LDのうち過去に飽和状態になった駆動LDの個数を、Ba1とも表記する。また、以下においては、Gグループにおける各駆動LDのうち過去に飽和状態になった駆動LDの個数を、Ba2とも表記する。また、以下においては、Bグループにおける各駆動LDのうち過去に飽和状態になった駆動LDの個数を、Ba3とも表記する。また、以下においては、Ba1,Ba2,Ba3の各々を、総括的に、Ban(n=1〜3)とも表記する。なお、Banの初期値は0である。
ステップS111Rでは、目標値低下処理Rが行われる。目標値低下処理Rは、図3の目標値低下処理Rと同様である。
以下においては、過去から現在にわたって、一度も飽和状態になったことのない駆動LDを、非飽和LDともいう。
前述のように、Rグループの非飽和LD、Gグループの非飽和LDおよびBグループの非飽和LDを、それぞれ、非飽和LD−1,LD−2,LD−3と表記する。また、前述したように、非飽和LD−1,LD−2,LD−3の各々を、総括的に、非飽和LD−n(n=1〜3)とも表記する。
また、以下においては、非飽和LD−1の目標値Pを増加させる割合を、Za1(%)とも表記する。また、以下においては、非飽和LD−2の目標値Pを増加させる割合を、Za2(%)とも表記する。また、以下においては、非飽和LD−3の目標値Pを増加させる割合を、Za3(%)とも表記する。また、以下においては、Za1,Za2,Za3の各々を、総括的に、Zan(n=1〜3)とも表記する。
ステップS112RAでは、目標値増加処理RAが行われる。目標値増加処理RAは、非飽和LD−nの出射光量の目標値Pを、当該PのZan(%)だけ増加させる処理である。なお、ステップS112RAにおいて、非飽和LD−nのnは1である。
以下においては、P×Zan/100で得られる値を、固定値XBともいう。すなわち、目標値増加処理RAは、非飽和LD−nの出射光量の目標値Pを固定値XBだけ増加させる処理である。Zanは、以下の式4により算出される。なお、ステップS112RAにおいて、以下の式4のnは1である。
Zan=X×Aan/[Nan−(Aan+Ban)](n=1〜3)・・・(式4)
具体的には、目標値増加処理RAでは、制御部16が、前述の式4より、Zanを算出する。そして、制御部16は、光量増加指示を、非飽和LD−nを含む全てのレーザー光源30のマイコン41へ送信する。光量増加指示は、最新の全ての非飽和LD−nの各々の出射光量の目標値Pを、当該PのZan(%)だけ増加させる指示である。光量増加指示には、算出されたZanが示される。
光量増加指示を受信した全てのマイコン41の各々は、以下の光量増加処理Aを行う。光量増加処理Aは、前述の光量増加処理においてZnをZanに置き換えた処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
以下においては、目標値増加処理RAが行われた直後に、Rグループにおいて新たに飽和状態となった駆動LDの数を、Ca1とも表記する。また、以下においては、後述の目標値増加処理GAが行われた直後に、Gグループにおいて新たに飽和状態となった駆動LDの数を、Ca2とも表記する。また、以下においては、後述の目標値増加処理BAが行われた直後に、Bグループにおいて新たに飽和状態となった駆動LDの数を、Ca3とも表記する。また、以下においては、Ca1,Ca2,Ca3の各々を、総括的に、Can(n=1〜3)とも表記する。
ステップS113RAでは、制御部16が、現時点のCa1が0であるか否かを判定する。ステップS113RAにおいてYESならば、処理はステップS110GAに移行する。一方、ステップS113RAにおいてNOならば、処理はステップS114RAに移行する。
ステップS114RAでは、制御部16が、現時点のAan,Ban,Canを用いて、以下の式5が満たされるか否かを判定する。なお、ステップS114RAにおけるNan,Aan,Ban,Canのnは、1である。
Nan=Aan+Ban+Can(n=1〜3) ・・・(式5)
ステップS114RAにおいてYESならば、処理はステップS115RAに移行する。一方、ステップS114RAにおいてNOならば、制御部16は、現時点のCanの値を、最新のAanの値に設定する。また、制御部16は、現時点のAanの値と現時点のBanの値とを加算した値を、最新のBanの値に設定する。そして、再度、ステップS111Rの処理が行われる。
ステップS114RAでYESの場合は、過去から現在にわたり、Rグループにおいて飽和状態となった駆動LDの個数がNa1に等しい場合(式5を満たす場合)である。また、ステップS114RAでYESの場合は、Rグループの出射光量が、一定を保てなくなった場合である。
なお、レーザー光源プロジェクター100の状態が低光量状態であって、出射光量が一定を保てなくなった場合、図3の処理のように即座に全体光量低下処理を行わず、後述のように予備のLDが存在するか確認する。
なお、ステップS114RAでは、上記処理に限定されず、以下の処理Aが行われてもよい。処理Aでは、制御部16が、非飽和LD−nの数がゼロであるか否かを判定する。なお、ステップS114RAにおいて、非飽和LD−nのnは1である。
以下においては、駆動していないLDを非駆動LDともいう。また、以下においては、Rグループに含まれる非駆動LDを、非駆動LD−1とも表記する。また、以下においては、Gグループに含まれる非駆動LDを、非駆動LD−2とも表記する。また、以下においては、Bグループに含まれる非駆動LDを、非駆動LD−3とも表記する。また、以下においては、非駆動LD−1,LD−2,LD−3の各々を、総括的に、非駆動LD−n(n=1〜3)とも表記する。また、以下においては、非駆動LD−nを、予備LDともいう。非駆動LD−nは、光を出射しない。
ステップS115RAでは、制御部16が、予備LDである非駆動LD−nが存在するか否かを判定する。なお、ステップS115RAにおける非駆動LD−nのnは1である。ステップS115RAにおいてYESならば、処理は後述のステップS130に移行する。一方、ステップS115RAにおいてNOならば、処理はステップS120に移行する。
ステップS110GAでは、制御部16が、最新の個数Aa2に基づいて、飽和LDがGグループに存在するか否かを判定する。すなわち、制御部16が、飽和LD−2が存在するか否かを判定する。ステップS110GAにおいてYESならば、処理はステップS111Gに移行する。一方、ステップS110GAにおいてNOならば、処理は後述のステップS110BAに移行する。
ステップS111Gでは、目標値低下処理Gが行われる。目標値低下処理Gは、図3の目標値低下処理Gと同様である。
ステップS112GAでは、目標値増加処理GAが行われる。目標値増加処理GAは、前述の目標値増加処理RAにおいて、Zan、非飽和LD−nおよび式4のnを2とした処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS113GAでは、制御部16が、現時点のCa2が0であるか否かを判定する。ステップS113GAにおいてYESならば、処理はステップS110BAに移行する。一方、ステップS113GAにおいてNOならば、処理はステップS114GAに移行する。
ステップS114GAでは、ステップS114RAの処理において、Nan、Aan、BanおよびCanのnを2とした処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS114GAにおいてYESならば、処理はステップS115GAに移行する。一方、ステップS114GAにおいてNOならば、制御部16は、現時点のCa2の値を、最新のAa2の値に設定する。また、制御部16は、現時点のAa2の値と現時点のBa2の値とを加算した値を、最新のBa2の値に設定する。そして、再度、ステップS111Gの処理が行われる。
なお、ステップS114GAでは、前述の処理Aにおいてnを2とした処理が行われてもよい。
ステップS115GAでは、制御部16が、予備LDである非駆動LD−2が存在するか否かを判定する。ステップS115GAにおいてYESならば、処理は後述のステップS130に移行する。一方、ステップS115GAにおいてNOならば、処理はステップS120に移行する。
ステップS110BAでは、制御部16が、最新の個数Aa3に基づいて、飽和LDがBグループに存在するか否かを判定する。すなわち、制御部16が、飽和LD−3が存在するか否かを判定する。ステップS110BAにおいてYESならば、処理はステップS111Bに移行する。一方、ステップS110BAにおいてNOならば、再度、ステップS101Aの処理が行われる。
ステップS111Bでは、目標値低下処理Bが行われる。目標値低下処理Bは、図3の目標値低下処理Bと同様である。
ステップS112BAでは、目標値増加処理BAが行われる。目標値増加処理BAは、前述の目標値増加処理RAにおいて、Zan、非飽和LD−nおよび式4のnを3とした処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS113BAでは、制御部16が、現時点のCa3が0であるか否かを判定する。ステップS113BAにおいてYESならば、再度、ステップS101Aの処理が行われる。一方、ステップS113BAにおいてNOならば、処理はステップS114BAに移行する。
ステップS114BAでは、ステップS114RAの処理において、Nan、Aan、BanおよびCanのnを3とした処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS114BAにおいてYESならば、処理はステップS115BAに移行する。一方、ステップS114BAにおいてNOならば、制御部16は、現時点のCa3の値を、最新のAa3の値に設定する。また、制御部16は、現時点のAa3の値と現時点のBa3の値とを加算した値を、最新のBa3の値に設定する。そして、再度、ステップS111Bの処理が行われる。
なお、ステップS114BAでは、前述の処理Aにおいてnを3とした処理が行われてもよい。
ステップS115BAでは、制御部16が、予備LDである非駆動LD−3が存在するか否かを判定する。ステップS115BAにおいてYESならば、処理は後述のステップS130に移行する。一方、ステップS115BAにおいてNOならば、処理はステップS120に移行する。
ここで、LD(レーザー素子5)の寿命について説明する。以下においては、はじめて駆動させたLD(レーザー素子5)の出射光量を、初期光量ともいう。また、以下においては、初期光量のS(0<S<1を満たす実数)倍の光量を、寿命光量ともいう。Sは、例えば、0.4〜0.7の範囲の値である。
LDの寿命とは、駆動しているLDの出射光量が、初期光量から寿命光量になるまでの時間である。なお、本実施の形態では、出射光量が寿命光量になったLD(レーザー素子5)を、寿命がつきたLDと定義する。
また、以下においては、LDの寿命がつきた当該LDを、寿命LDともいう。なお、寿命LDは、寿命に達したLDともいう。また、以下においては、寿命LD(レーザー素子5)の温度を、寿命温度ともいう。寿命温度は、駆動電流Iが限界電流IDMAXであるLD(レーザー素子5)の温度より低い温度である。
また、寿命LDを含むレーザー光源30または駆動レーザー光源を、寿命がつきたレーザー光源と定義する。以下においては、寿命がつきたレーザー光源を、寿命レーザー光源ともいう。
再び、図4を参照して、ステップS130では、制御部16が、寿命LDが存在するか否かを判定する。具体的には、制御部16が、駆動LD−nを含む全ての駆動レーザー光源の各々のマイコン41へ、目標値要求指示を送信する。目標値要求指示は、マイコン41が記憶している目標値Pを要求する指示である。なお、ステップS115RAでYESと判定されて、ステップS130が行われる場合、駆動LD−nおよび後述のNanのnは1である。
目標値要求指示を受信した全てのマイコン41の各々は、以下の処理を行う。具体的には、マイコン41は、当該マイコン41が記憶している目標値Pを制御部16へ送信する。
これにより、制御部16は、駆動LD−nを含む全ての駆動レーザー光源のマイコン41から、目標値Pを受信する。すなわち、制御部16は、Nan個の目標値Pを受信する。以下においては、Nan個の目標値Pのうち、最も小さい目標値Pを、最小目標値Pともいう。
なお、nが1である場合、制御部16は、RグループにおけるNa1個の駆動レーザー光源のマイコン41から、Na1個の目標値Pを受信する。
そして、制御部16は、最小目標値Pを送信したマイコン41が制御している駆動LD−nを選択する。以下においては、選択された駆動LD−nを、選択駆動LD−nともいう。また、以下においては、選択駆動LD−nを含む駆動レーザー光源を、選択駆動レーザー光源ともいう。
そして、制御部16は、選択駆動LD−nの素子温度Tjを、選択駆動レーザー光源のマイコン41から取得する。制御部16は、取得した素子温度Tjが正常であるか否かを判定する。
具体的には、制御部16は、取得した素子温度Tjが前述の寿命温度であるか否かを判定する。制御部16は、素子温度Tjが寿命温度以下である場合、選択駆動LD−nの寿命がつきた(寿命LDが存在する)と判定する。この場合、ステップS130でYESと判定される。
一方、制御部16は、素子温度Tjが寿命温度より大きい場合、選択駆動LD−nの寿命がつきていない(寿命LDが存在しない)と判定する。この場合、ステップS130でNOと判定される。ステップS130においてYESならば、処理はステップS131に移行する。一方、ステップS130においてNOならば、処理はステップS120に移行する。
なお、ステップS115GAでYESと判定されて、ステップS130が行われる場合、前述のステップS130における駆動LD−nおよびNanのnは2である。また、ステップS115BAでYESと判定されて、ステップS130が行われる場合、前述のステップS130における駆動LD−nおよびNanのnは3である。
ステップS131では、光源切替え処理が行われる。光源切替え処理では、制御部16は、選択駆動LD−n(寿命LD)を停止させるよう、選択駆動レーザー光源のマイコン41を制御する。
次に、制御部16は、予備LDである1個の非駆動LD−nを駆動させるよう、選択駆動レーザー光源のマイコン41を制御する。すなわち、駆動対象のLDを寿命LDから予備LDに切替える。これにより、当該予備LD(非駆動LD−n)は駆動する。なお、駆動している予備LDを含むレーザー光源30は、駆動しているレーザー光源である。
なお、ステップS115RAでYESと判定されて、ステップS130が行われる場合、光源切替え処理におけるNan、選択駆動LD−nおよび非駆動LD−nのnは1である。また、ステップS115GAでYESと判定されて、ステップS130が行われる場合、光源切替え処理におけるNan、選択駆動LD−nおよび非駆動LD−nのnは2である。また、ステップS115BAでYESと判定されて、ステップS130が行われる場合、光源切替え処理におけるNan、選択駆動LD−nおよび非駆動LD−nのnは3である。
そして、制御部16は、予備LDおよび寿命LDの各々を特定する情報(例えば、識別名)を記憶する。すなわち、制御部16は、R,G,Bのグループ毎に、切り替えたLD(予備LD)および切り替えの対象となったLD(寿命LD)を記憶する。
また、制御部16は、選択駆動LD−nを含むグループ(例えば、Rグループ)に対応づけて、当該グループを対象として光源切替え処理が行われた回数(以下、切り替え回数CHともいう)を記憶する。そして、再度、ステップS101Aの処理が行われる。
各グループ内のLDの数は、Nn個であるため、各グループにおいて、光源切替え処理は、(Nn−Nan−1)回行われる。すなわち、各グループにおいて、駆動対象のLDを寿命LDから予備LDに切替える処理は、(Nn−Nan−1)回行われる。
このように、各グループ内のLDの寿命がつきた場合、駆動対象のLDを寿命LDから予備LDに切替える処理が繰り返される。また、各グループ内のLDの個数と、切り替え回数CHを記憶することにより、各グループにおいて存在する予備LDの数を把握できる。
ここで、例えば、Rグループに、2個の寿命LDと、2個以上の非駆動LD−nとが存在するとする。この場合、ホワイトバランス維持処理Aにより、光源切替え処理が2回行われる。すなわち、制御部16は、駆動させていないレーザー光源(非駆動LD−n)の数が2以上である場合、光源切替え処理を繰り返し行う。つまり、制御部16は、駆動させていないレーザー光源30(非駆動LD−n)の数に基づいて、光源切替え処理を繰り返し行う。
なお、ステップS130,S131が行われることにより、制御部16が、駆動しているNan個のレーザー光源30において寿命がつきたレーザー光源30が存在する場合、当該寿命がつきたレーザー光源30の代わりに、駆動させていないレーザー光源30を駆動させる。
また、ステップS115RA,S115GA,S115BAのいずれかでNOの場合、ステップS120の処理が行われる。また、光源切替え処理が(Nn−Nan−1)回行われた後に、ステップS115RA,S115GA,S115BAのいずれかでNOの場合、対応するグループ(例えば、Rグループ)において駆動しているNan個のLDの出射光量は、一定を保てなくなる。この場合、ステップS120の処理が行われる。
ステップS120の処理は前述したので詳細な説明は繰り返さない。
なお、前述のステップS131では、光源切替え処理の代わりに以下の光源切替え処理Aが行われてもよい。
図5は、光源切替え処理Aのフローチャートである。
ステップS210では、目標値低下処理Nが行われる。目標値低下処理Nは、寿命LDの出射光量の目標値Pを、当該PのV(%)だけ低下させる処理である。目標値低下処理Nは、図3の目標値低下処理Rにおける飽和LD−nおよびXを、それぞれ、寿命LDおよびVに置き換えた処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。目標値低下処理Nにより、寿命LDの出射光量が低下する。
ステップS220では、目標値増加処理Nが行われる。目標値増加処理Nは、制御部16が予備LDを駆動させた後、当該予備LDの出射光量の目標値Pを、当該PのV(%)だけ増加させる処理である。
目標値増加処理Nは、図3の目標値増加処理Rにおける非飽和LD−nおよびZnを、それぞれ、予備LDおよびVに置き換えた処理であるので詳細な説明は繰り返さない。目標値増加処理Nにより、予備LDの出射光量が増加する。
ステップS230では、制御部16は、予備LDを含む駆動レーザー光源のマイコン41と通信することにより、予備LDの出射光量が目標値Pになったか否かを判定する。ステップS230において、YESならば、この光源切替え処理Aは終了する。一方、ステップS230においてNOならば、再度、ステップS210の処理が行われる。すなわち、予備LDの出射光量が目標値Pになるまで光源切替え処理Aは行われる。
図6は、複数のLDを利用した従来の装置の経年変化におけるLDの電流の特性を示す図である。以下においては、複数のLDを利用した従来の装置を、従来装置Jともいう。従来装置Jは、例えば、図1のように複数のレーザー光源を含む装置であって、かつ、図4の処理を行わない装置である。
図6において、横軸は経過時間を示す。縦軸は、従来装置Jに含まれる全てのLDに流れる駆動電流の総和(以下、総和電流ともいう)を示している。
従来装置Jは、1個または複数個のLD(光源)の経年変化による劣化が原因で出射光量(光出力)が低下した場合、ホワイトバランスの補正を行う。この際、従来装置Jは、出射光量が低下した分、グループ内の他の正常なLDの出射光量を増加させることにより、出射光量の低下分を補う。
ここで、従来装置Jにおける各LDの初期状態の電流値の総和をID0とする。また、従来装置Jは、LDの出射光量を増加させることによるホワイトバランスの補正を繰り返して行う。これにより、グループ内の全てのLDにおいて、I≧IDMAXとなった状態での総和電流はID1となる。すなわち、従来装置Jでは、時間経過によりLDが劣化する毎に、他の正常なLDの出射光量を増加させる為、総和電流は増加していく傾向となっている。
図7は、本発明の実施の形態に係るレーザー光源プロジェクター100の経年変化におけるLDの電流の特性を示す図である。すなわち、図7は、各レーザー光源群31の出射光量を、定格出力TGのK%で継続して使用した場合における電流の特性を示す図である。図7の縦軸は、レーザー光源プロジェクター100に含まれる全ての駆動LDの駆動電流の総和(以下、総和電流ともいう)を示している。
レーザー光源プロジェクター100は、1個または複数個のLDの経年変化による劣化が原因で出射光量(光出力)が低下した場合、図4の処理により、ホワイトバランスの補正を行う。この際、レーザー光源プロジェクター100は、出射光量が低下した分、グループ内の他の正常なLDの出射光量を増加させることにより、出射光量の低下分を補う。
しかしながら、レーザー光源プロジェクター100は、L(K/100)が1未満の場合、低光量状態で動作する。低光量状態は、前述したように、各レーザー光源群31の出射光量が定格出力TG未満であり、かつ、各LDの出射光量が定格出力T以下の状態である。なお、レーザー光源プロジェクター100は、各レーザー光源群31の出射光量が定格出力TGのK%である低光量状態である場合、補正するLDの個数を、約K%に制限している。この場合、レーザー光源プロジェクター100において、他の正常なLDは光を出射しない。
レーザー光源プロジェクター100における各LDの初期状態の電流値の総和は、ID02である。レーザー光源プロジェクター100では、出射光量(光出力)を増加させるLDの個数が、グループを構成する各LDの個数の約K%となる。そのため、LDの個数を、グループを構成する各LDの個数のK%とした場合、ID02は、以下の式6で表される。
D02=ID0/(K/100) …(式6)
レーザー光源プロジェクター100は、出射光量を増加させることによるホワイトバランスの補正を繰り返して行う。これにより、R,G,Bグループ内の全てのLDにおいて、I≧IDMAXとなった状態での総和電流はID2となる。
すなわち、レーザー光源プロジェクター100では、グループ内で駆動させるLDの個数を、当該グループを構成するLDの個数のK%にしている。そのため、ID2は、以下の式7で表される。
D2=ID1×K/100 …(式7)
以下においては、グループ内で駆動させるLDの個数の割合を、当該グループの全てのLDの個数のK%とした場合における、各LDの初期状態の総和電流を、ID0Kとも表記する。なお、グループ内の全てのLDを駆動させた場合における、各LDの初期状態の電流値の総和は、ID0である。
一般的に、ID0Kは、ID0の約(1/K)×100倍である。そのため、ID0Kは、以下の式8で表される。
D0K=(1/K)×100×ID0 …(式8)
以下においては、グループ内で駆動させるLDの個数の割合を、当該グループの全てのLDのK%とした場合において、当該全てのLDが飽和状態となった状態で各LDを駆動するために電源が供給する電流の総和を、IDKとも表記する。また、以下においては、グループ内の全てのLDを駆動させた場合において、当該全てのLDが飽和状態となった状態で各LDを駆動するだめに電源が供給する電流の総和を、ID1とも表記する。
この場合、IDKは、ID1の約K/100倍である。そのため、IDKは、以下の式9で表される。
DK=ID1×K/100 …(式9)
以上により、レーザー光源プロジェクター100は、最大電力についても、約K/100倍に抑えることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、制御部16は、定格出力TGのL(0<L≦1)倍の目標光量の光を、複数のレーザー光源30から構成されるレーザー光源群31が出射するように、該複数のレーザー光源30のうちLに対応する個数のレーザー光源30を駆動させる。定格出力TGは、複数のレーザー光源30から構成されるレーザー光源群31が出射可能な光の定格の光量である。
すなわち、レーザー光源群31は、定格出力TGのL(0<L≦1)倍の目標光量の光を出射するように駆動する。そのため、レーザー光源群31の劣化速度が大幅にはやくなることを防ぐことができる。これにより、レーザー光源群31が出射する光の光量の大幅な低下を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16は、条件Aを満たしつつ、さらに、前述の光L1aが基準ホワイトバランスを満たすように、レーザー光源群31R,31G,31Bの各々を構成する複数のレーザー光源30のうち係数Lに対応する個数のレーザー光源30を駆動させる。条件Aは、各レーザー光源群31が目標光量の光を出射するという条件である。これにより、適切なホワイトバランスを維持することができる。
また、本実施の形態によれば、係数Lが1未満の場合、レーザー光源プロジェクター100の制御部16は、各レーザー光源群31を構成する複数のレーザー光源30のうちの一部のレーザー光源30を駆動させ、当該複数のレーザー光源のうち該一部のレーザー光源30以外のレーザー光源30を駆動させない。これにより、レーザー光源プロジェクター100のレーザー光源プロジェクター100の消費電力を抑制しつつ、適切なホワイトバランスを維持することができる。すなわち、低消費電力で適切なホワイトバランスを維持することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部16が、駆動しているNan個のレーザー光源30において寿命がつきたレーザー光源30が存在する場合、当該寿命がつきたレーザー光源30の代わりに、駆動させていないレーザー光源30を駆動させる。これにより、レーザー光源プロジェクター100を長寿命化することができる。
また、本実施の形態によれば、ある1つのレーザー光源に欠陥が存在していた場合、駆動している他のレーザー光源で光出力の低下を行う処理、または、駆動させていないレーザー光源と切替える処理を行う。そのため、レーザー光源プロジェクター100が出射する光の光量が、非常に短期間で大幅に低下することを抑制することができる。
なお、従来のレーザー光源プロジェクターでは、駆動させている複数のレーザー光源の全てをホワイトバランスの補正に使用した場合、光量が低くても、全てのレーザー光源が飽和するまで消費電力が徐々に上がり続ける。その結果、最大消費電力に至ってしまうという問題がある。
しかしながら、本実施の形態のレーザー光源プロジェクター100は、上記の構成を有するため、上記の問題を解決することができる。
なお、ステップS131の光源切替え処理が行われる場合は、前述したように、寿命LDが存在する場合に限定されない。
例えば、各グループ内の全てのLDが飽和状態になった場合に、光源切替え処理を行う構成としてもよい。また、例えば、各グループ内の飽和状態のLDの個数がN−1個になった場合に、光源切替え処理を行う構成としてもよい。また、例えば、低下した全体光量が規定値以下またはユーザーの設定値になった場合に、光源切替え処理を行う構成としてもよい。
なお、レーザー光源プロジェクター100は、3組のレーザー光源群31を含むとしたがこれに限定されない。例えば、レーザー光源プロジェクター100は、1組のレーザー光源群31を含む構成としてもよい。この構成の場合、当該1組のレーザー光源群31は、例えば、複数のレーザー光源30R,30G,30Bを利用して、白色の光を出射する構成とされる。
(その他の変形例)
以上、本発明に係るレーザー光源プロジェクターについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を本実施の形態に施したものも、本発明に含まれる。つまり、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
また、レーザー光源プロジェクター100またはレーザー光源30は、図1または図2に示される全ての構成要素を含まなくてもよい。すなわち、レーザー光源プロジェクター100またはレーザー光源30は、本発明の効果を実現できる最小限の構成要素のみを含めばよい。
また、本発明は、レーザー光源プロジェクター100が備える特徴的な構成部の動作をステップとするホワイトバランス維持方法として実現してもよい。また、本発明は、当該ホワイトバランス維持方法に含まれる各ステップをコンピュータが実行してもよい。また、本発明は、そのようなホワイトバランス維持方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現してもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現されてもよい。また、当該プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して配信されてもよい。
上記実施の形態で用いた全ての数値は、本発明を具体的に説明するための一例の数値である。すなわち、本発明は、上記実施の形態で用いた各数値に制限されない。
また、本発明に係るホワイトバランス維持方法は、図3または図4のフローチャートの一部または全てに相当する。本発明に係るホワイトバランス維持方法は、図3または図4における、対応する全てのステップを必ずしも含む必要はない。すなわち、本発明に係るホワイトバランス維持方法は、本発明の効果を実現できる最小限のステップのみを含めばよい。
また、ホワイトバランス維持方法における各ステップの実行される順序は、本発明を具体的に説明するための一例であり、上記以外の順序であってもよい。また、ホワイトバランス維持方法におけるステップの一部と、他のステップとは、互いに独立して並列に実行されてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
3 レーザー駆動回路、5 レーザー素子、16 制御部、19 光合成部、20 映像形成部、30,30B,30G,30R レーザー光源、31,31B,31G,31R レーザー光源群、41 マイコン、100 レーザー光源プロジェクター。

Claims (5)

  1. 各々が、光を出射可能な複数のレーザー光源と、
    前記複数のレーザー光源を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記複数のレーザー光源から構成されるレーザー光源群が出射可能な光の定格の光量である定格出力のL(0<L≦1を満たす実数)倍の光量である目標光量の光を、該レーザー光源群が出射するように、前記複数のレーザー光源のうち前記Lに対応する個数のレーザー光源を駆動させる
    レーザー光源プロジェクター。
  2. 前記レーザー光源プロジェクターは、前記レーザー光源群を3組含み、
    前記3組のレーザー光源群は、赤色光を出射する第1レーザー光源群と、緑色光を出射する第2レーザー光源群と、青色光を出射する第3レーザー光源群とから構成され、
    前記制御部は、さらに、前記赤色光、前記緑色光および前記青色光を合成した光が予め定められたホワイトバランスを満たすように、前記第1、第2および第3レーザー光源群の各々を構成する前記複数のレーザー光源のうち前記Lに対応する個数のレーザー光源を駆動させる
    請求項1に記載のレーザー光源プロジェクター。
  3. 前記制御部は、
    (a)前記複数のレーザー光源のうちの一部のレーザー光源を駆動させ、
    (b)前記複数のレーザー光源のうち該一部のレーザー光源以外のレーザー光源を駆動させない、
    請求項1または2に記載のレーザー光源プロジェクター。
  4. 前記制御部は、駆動している前記一部のレーザー光源において寿命がつきたレーザー光源が存在する場合、該寿命がつきたレーザー光源の代わりに、駆動させていない前記レーザー光源を駆動させる光源切替え処理を行う
    請求項3に記載のレーザー光源プロジェクター。
  5. 前記制御部は、前記駆動させていないレーザー光源の数に基づいて、前記光源切替え処理を繰り返し行う
    請求項4に記載のレーザー光源プロジェクター。
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