以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る投写型表示装置1000の光学系の構成を主に示す図である。図2は、後述の照明光学系120の構成を主に示す図である。投写型表示装置1000は、詳細は後述するが、映像を構成する映像光を出射する。投写型表示装置1000は、動作モードとして、輝度重視モードおよび低消費電力モードを有する。
輝度重視モードは、投写型表示装置1000の消費電力を考慮せず、映像光の輝度を出来る限り大きくするためのモードである。低消費電力モードは、投写型表示装置1000の消費電力を一定の値に抑えるためのモードである。
図1および図2を参照して、投写型表示装置1000は、照明光学系120と、投写光学系130と、制御部30とを備える。
照明光学系120は、詳細は後述するが、光源を有する。投写光学系130は、照明光学系120から出射される照明光を利用して、映像を構成する映像光を生成する。また、投写光学系130は、映像光を、スクリーン(図示せず)に投写する。制御部30は、照明光学系120を制御する。
次に、照明光学系120、投写光学系130および制御部30の各々について詳細に説明する。
照明光学系120は、光源アレイ40R,40G,40Bと、コリメーターレンズ群7R,7G,7Bと、ダイクロイックミラー8R,8G,8Bと、コンデンサーレンズ群9と、光源駆動部31R,31G,31Bとを含む。
光源アレイ40R,40G,40Bは、3原色の照明光を出射する。具体的には、光源アレイ40Rは、赤色光を出射する。光源アレイ40Gは、緑色光を出射する。光源アレイ40Bは、青色光を出射する。すなわち、光源アレイ40R,40G,40Bの各々は、異なる色の光を出射する。以下においては、赤、緑および青を、それぞれ、R、GおよびBともいう。
光源アレイ40R,40G,40Bは、時系列的に、赤色光、緑色光および青色光を出射する。すなわち、光源アレイ40R,40G,40Bは、赤色光、緑色光および青色光を、順次、出射する。光源アレイ40R,40G,40Bの各々の形状は、矩形状である。以下においては、光源アレイ40R,40G,40Bの各々を、光源アレイ40ともいう。また、以下においては、光源アレイ40が光を出射する面を、発光面ともいう。
図2に示すように、各光源アレイ40は、光源50a,50b,50c,50d,50e,50fから構成される。以下においては、光源50a,50b,50c,50d,50e,50fの各々を、光源50とも表記する。すなわち、光源アレイ40は、6個の光源50を含む。つまり、光源アレイ40は、m(2以上の整数)個の光源50から構成される。各光源50は、LEDである。各光源50は、光源50に電流が流れることにより光を出射する発光素子である。光源50は、2つの端子を有する。
なお、各光源アレイ40を構成する光源50の数は、6に限定されず、2〜5,7以上であってもよい。なお、光源50は、LEDに限定されず、例えば、レーザであってもよい。
制御部30の制御に従い、光源駆動部31R,31G,31Bは、それぞれ、光源アレイ40R,40G,40Bを駆動させる。以下においては、光源駆動部31R,31G,31Bの各々を、光源駆動部31とも表記する。
前述したように、光源アレイ40R,40G,40Bは、それぞれ、赤色光、緑色光および青色光を出射する。赤色光、緑色光および青色光は、光源アレイ40R,40G,40Bにより、時系列的に出射される。
コリメーターレンズ群7R,7G,7Bは、それぞれ、赤色光、緑色光および青色光を略平行に整形する。
ダイクロイックミラー8R,8G,8Bは、略平行に整形された3種類の照明光を選択的に反射または透過させることにより、当該3種類の照明光を1つの光路に合成する。ダイクロイックミラー8Rは、赤色光のみ反射させ、その他の色の光は透過させる。ダイクロイックミラー8Gは、緑色光のみ反射させ、その他の色の光は透過させる。ダイクロイックミラー8Bは、青色光のみ反射させ、その他の色の光は透過させる。
コンデンサーレンズ群9は、1つの光路に合成された各照明光を集光し、当該集光された各照明光を、投写光学系130へ出射する。
投写光学系130は、インテグレータ素子10と、リレーレンズ群11と、TIR(Total Internal Reflection)プリズム12と、画像表示素子13と、投写レンズ20とを含む。
インテグレータ素子10は、光源アレイ40が出射する照明光の輝度分布を均一化するための素子である。インテグレータ素子10は、例えば、ライトトンネル、ガラスロッド等である。インテグレータ素子10の形状は、筒状である。
また、インテグレータ素子10は、コンデンサーレンズ群9から出射される照明光の輝度分布を均一化させ、当該均一化した照明光を、リレーレンズ群11へ出射する。インテグレータ素子10は、光が入射される入射面と、光を出射する出射面とを有する。当該入射面は、インテグレータ素子10の一方側の端部の開口により形成される面である。当該出射面は、インテグレータ素子10の他方側の端部の開口により形成される面である。
リレーレンズ群11は、レンズおよび反射ミラーから構成される。リレーレンズ群11は、インテグレータ素子10から出射される赤色光、緑色光、青色光を、順次、TIRプリズム12に照射する。
TIRプリズム12は、当該TIRプリズム12の内部に光を全反射する面を有する。TIRプリズム12は、照射された光を、画像表示素子13へ伝播させる。
画像表示素子13は、照射された光と、外部から入力される映像信号とに基づいて、映像を構成する映像光を生成する。すなわち、画像表示素子13は、インテグレータ素子10から出射された光であって、かつ、リレーレンズ群11およびTIRプリズム12を通過した光を変調することにより映像光を生成する。
画像表示素子13は、例えば、DMDである。なお、画像表示素子13に入力される映像信号は、複数のフレーム(静止画像)から構成される映像を示す信号である。また、画像表示素子13は、光を照射するための有効領域を有する。有効領域には、傾きを変化させることが可能な複数のマイクロミラーが設けられる。
また、画像表示素子13は、生成した当該映像光を、投写レンズ20へ出射する。
投写レンズ20は、画像表示素子13から出射される映像光を、スクリーン(図示せず)に向けて投影する。
次に、各光源アレイ40が出射する光を利用して映像を形成するための処理についてさらに詳細に説明する。
光源アレイ40Rが出射した赤色光は、コリメーターレンズ群7Rにより平行光に整形される。そして、整形された赤色光は、ダイクロイックミラー8Rにより反射し、コンデンサーレンズ群9に入射する。
また、光源アレイ40Gが出射した緑色光は、コリメーターレンズ群7Gにより平行光に整形される。そして、整形された緑色光は、ダイクロイックミラー8Gにより反射し、コンデンサーレンズ群9に入射する。
また、光源アレイ40Bが出射した青色光は、コリメーターレンズ群7Bにより平行光に整形される。そして、整形された青色光は、ダイクロイックミラー8Bにより反射し、コンデンサーレンズ群9に入射する。
コンデンサーレンズ群9に入射した、照明光としての赤色光、緑色光および青色光の各々は、対応する光源アレイ40における光源像をほぼ保った状態で、インテグレータ素子10の入射面に照射される(結像される)。なお、インテグレータ素子10には、赤色光、緑色光および青色光が、順次、入射される。
インテグレータ素子10の入射面に照射される、照明光としての赤色光、緑色光および青色光は、インテグレータ素子10を通過する際に、当該インテグレータ素子10の内部で反射を繰返す。これにより、インテグレータ素子10の出射面からは、輝度分布が略均一となった照明光が出射される。
インテグレータ素子10から出射された照明光(赤色光、緑色光、青色光)は、リレーレンズ群11を介して、TIRプリズム12内部の全反射面で折り曲げられる。そして、当該照明光は、画像表示素子13に、略均一な輝度分布を保った状態で照射される。
画像表示素子13では、照明光に対応する映像信号に応じて、各マイクロミラーの傾きを変えることにより、当該照明光を、時分割で、R,G,Bの色ごとに映像光に変調する。R,G,Bの映像光は、TIRプリズム12を透過した後、投写レンズ20を介して、スクリーン(図示せず)に、順次、拡大投影される。これにより、スクリーンにカラー映像が形成される。
前述のようにインテグレータ素子10の出射面から出射される照明光は、輝度分布を保ったまま、画像表示素子13に照射されることが望ましい。そのため、画像表示素子13の有効領域の形状と、インテグレータ素子10の入射面および出射面の形状は、同じアスペクト比を有する矩形状である。これにより、画像表示素子13の有効領域に、効率良く照明光を照射するようにしている。
以下においては、光源アレイ40Rが出射する照明光(赤色光)により、インテグレータ素子10の入射面側において形成される光の像を、光源像41Rともいう。また、以下においては、光源アレイ40Gが出射する照明光(緑色光)により、インテグレータ素子10の入射面側において形成される光の像を、光源像41Gともいう。また、以下においては、光源アレイ40Bが出射する照明光(青色光)により、インテグレータ素子10の入射面側において形成される光の像を、光源像41Bともいう。
図3は、インテグレータ素子10の入射面側の周辺部分の拡大図である。すなわち、図3は、図2の領域R1の拡大図である。図3に示すように、インテグレータ素子10の入射面には、光源像41R,41G,41Bが、順次、照射される。以下においては、光源像41R,41G,41Bの各々を、光源像41とも表記する。
光源像41は、光源像60a,60b,60c,60d,60e,60fから構成される。光源像60a,60b,60c,60d,60e,60fは、それぞれ、光源50a,50b,50c,50d,50e,50fに対応する。以下においては、光源像60a,60b,60c,60d,60e,60fの各々を、光源像60ともいう。すなわち、光源像41は、6個の光源像60から構成される。
なお、光源像41は、光源アレイ40が出射する照明光である。また、6個の光源像60は、光源アレイ40を構成する6個の光源50がそれぞれ出射する6個の光である。すなわち、照明光である光源像41は、6個の光源50がそれぞれ出射する6個の光により構成される。例えば、光源像41Rは、光源アレイ40Rを構成する6個の光源50がそれぞれ出射する6個の光により構成される。
また、光源像60は、当該光源像60に対応する光源50が出射した光により、インテグレータ素子10の入射面側において形成される光の像である。例えば、光源像60aは、光源アレイ40の光源50aが出射した光により、インテグレータ素子10の入射面側において形成される光の像である。
以下においては、インテグレータ素子10の入射面を、入射面10aともいう。図4は、インテグレータ素子10の入射面10aを示す図である。図4には、さらに、光源像41も示されている。なお、見やすくするために、光源像41は、輪郭のみを示している。
本実施の形態では、画像表示素子13の有効領域のアスペクト比、および、インテグレータ素子10の入射面10aのアスペクト比は、一例として、4:3であるとする。また、各光源アレイ40の発光面のアスペクト比は、一例として、16:9であるとする。したがって、図4に示すように、インテグレータ素子10の入射面10aの形状と、光源アレイ40が出射する照明光により形成される光源像41の形状とは異なる。
以下においては、入射面10aの横のサイズおよび縦のサイズを、それぞれ、W0およびH0と表記する。また、以下においては、光源像41の横のサイズおよび縦のサイズを、それぞれ、W1およびH1と表記する。本実施の形態では、一例として、W0およびH0は、それぞれ、8ミリおよび6ミリであるとする。また、一例として、W1およびH1は、それぞれ、9ミリおよび5ミリであるとする。
なお、矩形状の各光源アレイ40が出射する照明光は、少ないロスで、インテグレータ素子10の入射面10aに照射されることが望ましい。そこで、理想的には、光源像41のアスペクト比と、入射面10aのアスペクト比は同じであることが望まれる。
しかしながら、本実施の形態では、前述したように、光源像41のアスペクト比と、入射面10aのアスペクト比は異なる。そのため、図4に示すように、光源像41の一部は、入射面10aからはみ出す。すなわち、インテグレータ素子10には、光源アレイ40が出射する照明光の一部が入射される。また、インテグレータ素子10は、入射された照明光の一部を出射面から出射する。そのため、画像表示素子13の有効領域には、光源アレイ40が出射する照明光全てではなく、当該照明光の一部のみしか照射されない。
次に、本実施の形態の光源アレイ40を制御する光源駆動部31の詳細な構成について説明する。図5は、光源駆動部31の詳細な構成を示す図である。なお、図5には、光源駆動部31に関連する構成も示されている。
本実施の形態では、一例として、光源アレイ40を構成する6個の光源50は、3個のグループに分類されるとする。具体的には、光源50a,50bは、グループAに分類されるとする。また、光源50c,50dは、グループBに分類されるとする。また、光源50e,50fは、グループCに分類されるとする。各グループに属する各光源50に対し、1個の駆動回路が設けられる。
また、光源駆動部31は、駆動回路32x,32y,32zから構成される。駆動回路32xは、グループAに属する光源50a,50bを制御する。駆動回路32yは、グループBに属する光源50c,50dを制御する。駆動回路32zは、グループCに属する光源50e,50fを制御する。
なお、光源50a,50b,50c,50d,50e,50fは、電気的に並列に接続される。光源50a,50b,50c,50d,50e,50fには、駆動回路32x,32y,32zの制御に応じて、電源P10から電流が供給される。以下においては、駆動回路32x,32y,32zの各々を、駆動回路32ともいう。すなわち、光源駆動部31は、3つの駆動回路32から構成される。
なお、6個の光源50を分類するグループの数は、3に限定されず、1,2,4以上であってもよい。これに伴い、光源駆動部31を構成する駆動回路32の数は、3に限定されず、1,2,4以上であってもよい。また、駆動回路32が制御対象とする光源50の数は、2に限定されず、1または3以上であってもよい。
上記の構成により、各光源50の駆動電流をグループごとに制御することができる。その結果、各グループごとに、該グループに属する各光源50の輝度を変化させることができる。なお、上記の構成は、光源アレイ40R,40G,40Bの各々に適用される。
以下においては、図4において、各光源像60を構成する光を、部分光ともいう。また、以下においては、部分光の光量の総和を、光総量LAともいう。また、以下においては、部分光のうち、入射面10a内に照射される光を、有効光ともいう。また、以下においては、光総量LAに対する、有効光の光量の割合を、光有効率ともいう。
例えば、図4の光源像60dの光有効率は、100%である。また、光源像60aの光有効率は、例えば、5/6である。この場合、光源50aが出射した光の光量の5/6の光量の光が、入射面10a内に照射される。
本実施の形態では、制御部30は、予め、各光源像60dの光有効率を記憶している。
なお、前述したように、照明光である光源像41は、6個の光源50がそれぞれ出射する6個の光により構成される。すなわち、光源像41は、当該6個の光により構成される。以下においては、6個の光源50がそれぞれ出射する6個の光のうち、インテグレータ素子10に入射される光量が最も大きい光を、最大有効光ともいう。例えば、光源像60a,60b,60c,60d,60e,60fのうち、光源像60c,60dは、最大有効光により形成される。
また、以下においては、最大有効光を出射する光源50を、高出力光源ともいう。例えば、光源像60cを形成するための最大有効光を出射する光源50cは、高出力光源である。
次に、本実施の形態の投写型表示装置1000の動作(以下、光制御動作Aともいう)について説明する。なお、制御部30は、予め、各光源像60の光有効率を記憶している。すなわち、制御部30は、予め、各光源50に対応する光源像60の光有効率を記憶している。
ここで、各光源50の電流輝度特性は、図6に示される電流輝度特性IYaであるとする。電流輝度特性とは、光源50に流れる電流と、当該光源50が出射する光の輝度との関係を示す特性である。以下においては、光源50に流れる電流を、駆動電流ともいう。電流輝度特性IYaは、駆動電流と輝度とが比例関係にある理想的な特性である。
また、前述したように、インテグレータ素子10には、光源アレイ40が出射する照明光の一部が入射される。また、インテグレータ素子10は、入射された照明光の一部を出射面から出射する。この場合、画像表示素子13は、インテグレータ素子10が出射した照明光の一部を利用して映像光を生成する。
光制御動作Aでは、光源駆動部31は、電流輝度特性IYaを用いて、インテグレータ素子10に入射される照明光の一部の光量に基づいて、光源アレイ40を構成する6個の光源50の各々が出射する光の量を制御する。少し具体的には、光制御動作Aでは、光源駆動部31は、電流輝度特性IYaを用いて、インテグレータ素子10に入射される照明光の一部の光量と当該照明光の光量の総和とに基づいて、光源アレイ40を構成する6個の光源50の各々が出射する光の量を制御する。
具体的には、光源駆動部31の各駆動回路32は、当該駆動回路32に対応するグループに属する各光源50に流れる電流を制御する。例えば、駆動回路32xは、当該駆動回路32xに対応するグループAに属する光源50a,50bに流れる電流を制御する。
なお、前述したように、照明光である光源像41は、6個の光源50がそれぞれ出射する6個の光により構成される。
さらに具体的には、光制御動作Aでは、光源駆動部31は、高出力光源へ供給する電流の量を、光源アレイ40を構成する6個の光源50のうち当該高出力光源以外の光源50へ供給する電流の量より多くする。
なお、光制御動作Aにおいて、光源駆動部31は、電流輝度特性IYaを用いずに、各光源50が出射する光の量を制御してもよい。
次に、上記の光制御動作Aを実現するための方法について詳細に説明する。以下においては、説明を間単にするために、1つの光源アレイ40(例えば、光源アレイ40R)を対象として説明する。
ここで、以下の条件Aが満たされるとする。条件Aでは、図4の光源像60c,60dの光有効率は、100%である。また、条件Aでは、光源像60a,60b,60e,60fの光有効率は、5/6である。
また、条件Aでは、光源50a,50b,50c,50d,50e,50fの定格電流は、6(A)である。ここで、定格電流とは、当該定格電流が光源50に流れても、当該光源50が破損しない電流値を有する電流である。すなわち、定格電流は、光源50を正常に駆動させるための最大電流である。
また、条件Aでは、各光源50の電流輝度特性は、図6に示される電流輝度特性IYaである。
ここで、以下の状況Nを想定する。状況Nは、光源アレイ40を構成する6個の光源50のうち1個の光源50のみが光を出射するという状況である。状況Nにおいて、当該1個の光源50に対応する光源像60の光有効率が、仮に、100%である場合に、投写型表示装置1000が出射する映像光の輝度を、y(x)と定義する。
y(x)のxは、光源50a,50b,50c,50d,50e,50fにおけるa〜fが設定される。すなわち、光源50a,50b,50c,50d,50e,50fに対応するy(x)は、y(a)、y(b)、y(c)、y(d)、y(e)と表現される。例えば、状況Nにおいて、当該1個の光源50が、光源50aである場合、y(x)は、y(a)と表現される。
ここで、投写型表示装置1000が出射する映像光の輝度を、yと定義する。前述の条件Aにおける輝度yは、以下の式1により表現される。
y=5/6×y(a)+5/6×y(b)+y(c)+y(d)+5/6×y(e)+5/6×y(f) …(式1)
ここで、光源50aの駆動電流をiaと定義する。この場合、式1のy(a)は、例えば、以下の式2により表現される。
y(a)=0.6×ia …(式2)
式2の0.6は、光学系および光源50の特性により定まる定数である。なお、y(b)〜y(f)の各々も、式2と同様に表現される。例えば、y(b)は、0.6×ibと表現される。
式1および式2により、輝度yは、以下の式3により表現される。
y=5/6×0.6×ia+5/6×0.6×ib+0.6×ic+0.6×id+5/6×0.6×ie+5/6×0.6×if …(式3)
前述したように、投写型表示装置1000は、動作モードとして、輝度重視モードおよび低消費電力モードを有する。
まず、投写型表示装置1000の動作モードが輝度重視モードである場合の処理について説明する。この場合、駆動電流ia〜ifが、定格電流である6(A)となるように、各駆動回路32は、当該駆動回路32に対応する各光源50を制御する。なお、各駆動回路32は、2個の光源50の駆動電流を制御する。そのため、各駆動回路32は、当該2個の光源50に流れる駆動電流の合計が12(A)となるための制御を行う。
次に、投写型表示装置1000の動作モードが低消費電力モードである場合の処理について説明する。この場合、制御部30は、各光源駆動部31を介して、各光源アレイ40における駆動電流の合計を制限する制御を行う。これにより、投写型表示装置1000の消費電力が一定の値に抑えられる。
例えば、各光源アレイ40における駆動電流の合計が20(A)に制限されるとする。この場合、以下の式4が成立する。
ia+ib+ic+id+ie+if=20 …(式4)
前述したように、各駆動回路32は、図5のように、2個の光源50の駆動電流を制御する。そのため、以下の式5が満たされる。
ia=ib、ic=id、ie=if …(式5)
また、光源50a,50b,50e,50fの各々に対応する光有効率は、同じである。そのため、以下の式6が満たされる。
ia=ib=ie=if …(式6)
したがって、式3は、式6により、以下の式7で表現される。
y=2×ia+1.2×ic …(式7)
ここで、式4は、式6により、以下の式8で表現される。
4×ia+2×ic=20 …(式8)
式3から得られる式7に、式8を変形した式を代入することにより、以下の式9が得られる。
y=0.2×ic+10 …(式9)
式9を用いて、0≦ia≦6および0≦ic≦6が満たされる条件において、輝度yが最大となるiaを求めるとする。この場合、式8および式9のicに6を代入する。これにより、式8からia=2(A)が得られる。また、式9から、輝度y=11.2が得られる。なお、ic=6(A)である。
以上により、式5および式6から、ia=2(A)、ib=2(A)、ic=6(A)、id=6(A)、ie=2(A)、if=2(A)が得られる。
したがって、投写型表示装置1000を、各光源アレイ40における駆動電流の合計を20(A)に抑えた低消費電力モードで動作させる場合、制御部30は、駆動回路32x,32y,32zに対し以下の制御を行う。
具体的には、光制御動作Aにおいて、駆動回路32xは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50の駆動電流の合計が4(A)となる制御を行う。また、駆動回路32yは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50の駆動電流の合計が12(A)となる制御を行う。なお、駆動回路32yに対応する光源50c,50dは、光制御動作Aにおける高出力光源である。
また、光制御動作Aにおいて、駆動回路32zは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50の駆動電流の合計が4(A)となる制御を行う。この場合、輝度yは、各光源アレイ40における駆動電流の合計が20(A)に制限された状況においての最大値である11.2となる。
なお、比較例N1として、各駆動回路32が、当該駆動回路32に対応する各光源50の駆動電流を全て同じ電流(約6.667A)としたとする。この場合、輝度yは、約10.667である。したがって、本実施の形態では、比較例N1よりも、5%だけ高い輝度の映像光を得ることができる。
なお、一例として、輝度y=1の場合、投写型表示装置1000が出射する映像光の輝度は100cd/m2であるとする。
以上説明したように、本実施の形態によれば、投写型表示装置1000は、m個の光源50から構成される光源アレイ40と、光源アレイ40が出射する照明光の輝度分布を均一化するためのインテグレータ素子10と、を備える。インテグレータ素子10には、当該照明光の一部が入射される。光源駆動部31は、インテグレータ素子10に入射される当該照明光の一部の光量に基づいて、m個の光源50の各々が出射する光の量を制御する。
これにより、光源アレイが出射する照明光の一部がインテグレータ素子に入射される構成において、当該照明光の一部の光量を考慮した、複数の光源の各々が出射する光の量の制御を行うことができる。
また、本実施の形態では、光源駆動部31は、最大有効光を出射する高出力光源へ供給する電流の量を、m個の光源のうち高出力光源以外の光源へ供給する電流の量より多くする。最大有効光は、m個の光源がそれぞれ出射するm個の光のうち、インテグレータ素子10に入射される光量が最も大きい光である。これにより、限られた電流を有効に活用して、映像光の輝度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、各光源50に対応する光有効率に基づいて、各光源50を最適な電流により駆動させる。これにより、各光源アレイ40における駆動電流の合計を一定値に抑える構成においても、比較例N1の駆動方法よりも高輝度の映像光を得ることができる。すなわち、より輝度の高い映像光を、スクリーン等に投影することができる。
また、本実施の形態によれば、できるだけ映像光の輝度を上げつつ、各光源50の消費電流を最適化することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1の投写型表示装置1000で使用される光源アレイ40の各光源50は、電流輝度特性が図6の電流輝度特性IYaであるとした。すなわち、実施の形態1の投写型表示装置1000は、駆動電流と輝度とが比例関係にある理想的な特性を有する各光源50を使用する構成とした。
なお、実際の光源50は、一般的に、駆動電流が最大に近づくほど、発光効率が低下するという特性を持つ。当該特性は、例えば、図7に示される電流輝度特性IYbである。
本実施の形態では、投写型表示装置1000で使用される各光源50の電流輝度特性が、図7の電流輝度特性IYbである場合における投写型表示装置1000の動作(以下、光制御動作Bともいう)について説明する。
光制御動作Bは、実施の形態1の光制御動作Aと比較して、電流輝度特性IYaの代わりに電流輝度特性IYbが使用される点が異なる。光制御動作Bのそれ以外の処理は、光制御動作Aと同様なので詳細な説明は繰り返さない。すなわち、光制御動作Bでは、光源駆動部31は、電流輝度特性IYbを用いて、インテグレータ素子10に入射される照明光の一部の光量に基づいて、光源アレイ40を構成する6個の光源50の各々が出射する光の量を制御する。
また、光制御動作Bでは、光源駆動部31は、高出力光源へ供給する電流の量を、光源アレイ40を構成する6個の光源50のうち当該高出力光源以外の光源50へ供給する電流の量より多くする。
次に、上記の光制御動作Bを実現するための方法について詳細に説明する。以下においては、説明を間単にするために、1つの光源アレイ40(例えば、光源アレイ40R)を対象として説明する。光制御動作Bでは、図7の電流輝度特性IYbが使用される。電流輝度特性IYbに示されるように、光源50は、最大値である6(A)までの駆動電流により駆動できる。なお、駆動電流が最大値に近づくほど、光源50の発光効率が低下する。
駆動電流と輝度の特性を示す電流輝度特性IYbは、3次関数で近似できる。ここで、実施の形態1で定義した、輝度y(a)および駆動電流iaを用いると、当該3次関数は、例えば、以下の式10により表現される。
y(a)=0.001×ia 3−0.04×ia 2+0.6×ia …(式10)
式10において、0.001、0.04、0.6は、光学系および光源50の特性により定まる定数(係数)である。なお、本実施の形態では、y(b)〜y(f)の各々も、式10と同様に表現される。例えば、y(b)は、0.001×ib 3−0.04×ib 2+0.6×ibと表現される。前述の式1および式10により、輝度yは、以下の式11により表現される。
y=5/6×(0.001×ia 3−0.04×ia 2+0.6×ia)
+5/6×(0.001×ib 3−0.04×ib 2+0.6×ib)
+0.001×ic 3−0.04×ic 2+0.6×ic
+0.001×id 3−0.04×id 2+0.6×id
+5/6×(0.001×ie 3−0.04×ie 2+0.6×ie)
+5/6×(0.001×if 3−0.04×if 2+0.6×if) …(式11)
次に、投写型表示装置1000の動作モードが低消費電力モードである場合の処理について説明する。この場合、制御部30は、各光源駆動部31を介して、各光源アレイ40における駆動電流の合計を制限する制御を行う。これにより、投写型表示装置1000の消費電力が一定の値に抑えられる。
例えば、各光源アレイ40における駆動電流の合計が5(A)に制限されるとする。この場合、以下の式12が成立する。
ia+ib+ic+id+ie+if=5 …(式12)
前述したように、各駆動回路32は、図5のように、2個の光源50の駆動電流を制御する。そのため、前述の式5が満たされる。
また、光源50a,50b,50e,50fの各々に対応する光有効率は、同じである。そのため、前述の式6が満たされる。
したがって、式11は、前述の式6により、以下の式13で表現される。
y=10/3×(0.001×ia 3−0.04×ia 2+0.6×ia)
+2×(0.001×ic 3−0.04×ic 2+0.6×ic) …(式13)
ここで、式12は、式6により、以下の式14で表現される。
4×ia+2×ic=5 …(式14)
式11から得られる式13に、式14を変形した式を代入することにより、以下の式15が得られる。
3y=−0.038ia 3−1.18ia 2+0.975ia+7.59375 …(式15)
式15の両辺を微分することにより、以下の式16が得られる。
(3y)´=−0.114ia 3−2.36ia+0.975 …(式16)
2次方程式である−0.114ia 3−2.36ia+0.975=0の解を求めると、iaは、0.405204・・・、または、−21.106958・・・である。
したがって、0≦ia≦6の範囲で、式15の3y、すなわち、輝度yが最大となるiaは、約0.4052である。
なお、式15を変形した以下の式17は、図8に示されるグラフで表現される。
y=(−0.038ia 3−1.18ia 2+0.975ia+7.59375)/3 …(式17)
以上により、式5、式6および式14から、ia=約0.4052(A)、ib=約0.4052(A)、ic=約1.6896(A)、id=約1.6896(A)、ie=約0.4052(A)、if=約0.4052(A)が得られる。また、式17から、輝度y=約2.598が得られる。
したがって、投写型表示装置1000を、各光源アレイ40における駆動電流の合計を5(A)に抑えた低消費電力モードで動作させる場合、制御部30は、駆動回路32x,32y,32zに対し以下の制御を行う。
具体的には、光制御動作Bにおいて、駆動回路32xは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50の駆動電流の合計が約0.8104(A)となる制御を行う。また、駆動回路32yは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50の駆動電流の合計が約3.3792(A)となる制御を行う。なお、駆動回路32yに対応する光源50c,50dは、光制御動作Bにおける高出力光源である。
また、光制御動作Bにおいて、駆動回路32zは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50の駆動電流の合計が約0.8104(A)となる制御を行う。この場合、輝度yは、各光源アレイ40における駆動電流の合計が5(A)に制限された状況においての最大値である約2.598となる。
なお、比較例N2として、各駆動回路32が、当該駆動回路32に対応する各光源50の駆動電流を全て同じ電流(約1.6666A)としたとする。この場合、輝度yは、約2.522である。したがって、本実施の形態では、比較例N2よりも、約3%だけ高い輝度の映像光を得ることができる。
なお、一例として、輝度y=1の場合、投写型表示装置1000が出射する映像光の輝度は100cd/m2であるとする。
以上説明したように、本実施の形態によれば、図7に示される電流輝度特性IYbを有する光源50を利用する構成においても、実施の形態1と同様な効果を得ることができる。
(変形例1)
本変形例では、光源50が短絡故障した場合における投写型表示装置1000の動作(以下、光制御動作Aともいう)について説明する。短絡故障とは、光源50が有する2つの端子が短絡した故障である。以下においては、短絡故障した光源50を、故障光源ともいう。故障光源は、故障している光源50である。
また、以下においては、点灯状態が正常である光源50を、正常光源ともいう。正常光源は、各光源アレイ40を構成するm個の光源のうち故障光源以外の光源である。
また、以下においては、故障光源に対応する駆動回路32を、故障対応駆動回路ともいう。また、以下においては、正常光源である各光源50に対応する駆動回路32を、正常対応駆動回路ともいう。正常対応駆動回路に対応する各光源50には、故障光源が存在しない。
なお、各光源駆動部31は、当該光源駆動部31に対応する各光源50において、故障光源が存在するか否かを検出する機能を有する。
以下においては、実施の形態1の光制御動作A、または、実施の形態2の光制御動作Bにおいて、さらに、故障光源を考慮した動作を、光制御動作Nともいう。
光制御動作Nでは、光制御動作Aまたは光制御動作Bの動作に加え、以下の動作を行う。光制御動作Nでは、各光源駆動部31は、当該光源駆動部31に対応するm個の光源50において、故障光源が存在する場合、正常光源へ供給する電流の量を制御する。
具体的には、各光源駆動部31は、故障光源が存在する場合、故障光源への電流供給を停止するための処理を行う。また、各光源駆動部31は、故障光源が存在する場合、正常光源へ供給する電流の量を、当該正常光源の定格電流を超えないように、増加させる処理を行う。当該定格電流は、6(A)である。
次に、上記の光制御動作Nを実現するための方法について詳細に説明する。以下においては、説明を間単にするために、1つの光源アレイ40(例えば、光源アレイ40R)を対象として説明する。
具体的には、投写型表示装置1000の動作モードが低消費電力モードである場合の処理について説明する。この場合、制御部30は、各光源駆動部31を介して、各光源アレイ40における駆動電流の合計を制限する制御を行う。これにより、投写型表示装置1000の消費電力が一定の値に抑えられる。各光源アレイ40における駆動電流の合計は、一例として、5(A)に制限されるとする。
前述したように、各駆動回路32は、図5のように、2個の光源50の駆動電流を制御する。そのため、例えば、短絡故障した1個の故障光源が発生した場合、当該1個の故障光源に対応する故障対応駆動回路は、当該1個の故障光源を含む2個の光源50の駆動を停止させる必要がある。この場合、正常対応駆動回路である2つの駆動回路32は、当該2つの駆動回路32に対応する4個の光源50の駆動電流の合計が5(A)となるように、制御を行う必要がある。
例えば、光源50cまたは光源50dが、短絡故障した故障光源である場合、駆動回路32yは、光源50c,50dへの電流供給を停止する。すなわち、制御部30により、駆動回路32yの駆動は停止される。また、駆動回路32x,32zは、当該駆動回路32x,32zに対応する光源50a,50b,50e,50fの駆動電流の合計が5(A)となるように、制御を行う必要がある。この場合、明らかに、駆動回路32x,32zの各々が、2.5(A)の電流を、対応する各光源50へ供給した場合、もっとも高輝度の映像光を得ることができる。
次に、光源50a,50b,50e,50fのいずれかが、短絡故障したとする。ここでは、一例として、光源50aが短絡故障したとする。すなわち、光源50aが、短絡故障した故障光源であるとする。この場合、駆動回路32xは、光源50a,50bへの電流供給を停止する。すなわち、制御部30により、駆動回路32xの駆動は停止される。つまり、光源駆動部31は、故障光源が存在する場合、故障光源への電流供給を停止するための処理を行う。
光源50aが故障光源である場合、継続して駆動される光源は、光源50c,50d,50e,50fである。この場合、式1に、y(a)=0、y(b)=0を代入することにより、輝度yは、以下の式18で表現される。
y=y(c)+y(d)+5/6×y(e)+5/6×y(f) …(式18)
ここで、光制御動作Nでは、一例として、図7の電流輝度特性IYbが使用されるとする。この場合、実施の形態2と同様に、式18のy(c)〜y(f)の各々も、式10と同様に表現される。また、前述したように、各光源アレイ40における駆動電流の合計が5(A)に制限されるため、式4のia、ibに0を代入することにより、以下の式19が得られる。
ic+id+ie+if=5 …(式19)
また、実施の形態1の式5と同様、ic=id、ie=ifが成立する。以上を考慮すると、式18は、以下の式20で表現される。
3y=0.001ic 3−0.4025ic 2+1.50625ic+6.328125 …(式20)
そして、式20を、前述の式15と同様に変形して、0≦ic≦6の範囲で、輝度yが最大となるicを求める。この場合、icは、約1.884である。
以上により、式5、式6および式19から、ic=1.884(A)、id=約1.884(A)、ie=約0.616(A)、if=約0.616(A)が得られる。また、式20から、輝度y=約2.581が得られる。
したがって、投写型表示装置1000を、各光源アレイ40における駆動電流の合計を5(A)に抑えた低消費電力モードで動作させている間に、短絡故障した故障光源が発生した場合、制御部30は、駆動回路32x,32y,32zに対し以下の制御を行う。
具体的には、光制御動作Nにおいて、駆動回路32xは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50への電流供給を停止する。すなわち、制御部30により、駆動回路32xの駆動は停止される。また、駆動回路32yは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50の駆動電流の合計が約3.768(A)となる制御を行う。なお、駆動回路32yに対応する光源50c,50dは、光制御動作Nにおける高出力光源である。
また、光制御動作Nにおいて、駆動回路32zは、制御部30の制御に従い、対応する各光源50の駆動電流の合計が約1.232(A)となる制御を行う。この場合、輝度yは、各光源アレイ40における駆動電流の合計が5(A)に制限された状況においての最大値である約2.581となる。
なお、比較例N3として、駆動回路32y,32zの各々が、対応する各光源50の駆動電流を全て同じ電流(約2.5A)としたとする。この場合、輝度yは、約2.528である。したがって、本変形例では、比較例N3よりも、約2.1%だけ高い輝度の映像光を得ることができる。
なお、一例として、輝度y=1の場合、投写型表示装置1000が出射する映像光の輝度は100cd/m2であるとする。
なお、上記においては、光源50aが短絡故障した場合について述べたが、光源50b,50e,50fのいずれかが短絡故障した場合も、光源50aが短絡故障した場合における上記の動作が行われる。すなわち、光源50aの場合と同様に、駆動電流を求め、駆動回路が、対応する各光源50において発生せる電流を変化させる。これにより、駆動電流の合計が制限された状況において、もっとも高輝度の映像光を得ることができる。
以上説明したように、本変形例によれば、各光源アレイ40を構成する各光源50において、短絡故障して点灯しなくなった光源50が発生した場合、残りの正常光源の駆動電流を変更する。具体的には、正常光源へ供給する電流の量を、当該正常光源の定格電流を超えないように、増加させる処理を行う。これにより、例えば、スクリーンに、より高輝度の映像光を投影することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態、変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態、変形例を適宜、変形、省略することが可能である。
例えば、上記の実施の形態では、画像表示素子13の有効領域のアスペクト比、および、インテグレータ素子10の入射面10aのアスペクト比は、4:3とし、各光源アレイ40の発光面のアスペクト比が16:9としたが、これに限定されない。
各光源アレイ40の発光面の形状に対応する光源像41の一部が、インテグレータ素子10の入射面10aからはみ出る構成であれば、上記のアスペクト比以外のアスペクト比であってもよい。この場合においても、前述の方法により、駆動電流の合計が制限された状況において、もっとも高輝度の映像光を得ることができる。
また、前述したように、なお、各光源アレイ40を構成する光源50の数は、6に限定されず、2〜5,7以上であってもよい。
また、前述したように、光源50は、LEDに限定されず、例えば、レーザであってもよい。
また、前述したように、各光源アレイ40を構成する6個の光源50を分類するグループの数は、3に限定されず、1,2,4以上であってもよい。これに伴い、光源駆動部31を構成する駆動回路32の数は、3に限定されず、1,2,4以上であってもよい。また、駆動回路32が制御対象とする光源50の数は、2に限定されず、1または3以上であってもよい。
このように、上記で説明した構成以外の構成であっても、上記と同様の方法により、各駆動電流を求め、当該駆動電流に従って各駆動回路を制御することにより、駆動電流の合計が制限された状況において、もっとも高輝度の映像光を得ることができる。