以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1について、図を用いて以下に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る投写型映像表示装置1000の構成を示す図である。図1を参照して、投写型映像表示装置1000は、照明光学系120と、投写光学系130と、制御部30とを備える。
照明光学系120は、詳細は後述するが、光源を有する。投写光学系130は、照明光学系120から出射される照明光を利用して、映像を構成する映像光を生成する。また、投写光学系130は、映像光を、スクリーン(図示せず)に投写する。制御部30は、照明光学系120を制御する。
次に、照明光学系120、投写光学系130および制御部30の各々について詳細に説明する。
照明光学系120は、光源アレイ40R,40G,40Bと、コリメータレンズ群7R,7G,7Bと、ダイクロイックミラー8R,8G,8Bと、コンデンサーレンズ群9と、光源駆動回路31R,31G,31Bとを含む。
光源アレイ40R,40G,40Bは、3原色の照明光を出射する。具体的には、光源アレイ40Rは、赤色光を出射する。光源アレイ40Gは、緑色光を出射する。光源アレイ40Bは、青色光を出射する。すなわち、光源アレイ40R,40G,40Bの各々は、異なる色の光を出射する。
光源アレイ40R,40G,40Bは、時系列的に、赤色光、緑色光および青色光を出射する。すなわち、光源アレイ40R,40G,40Bは、赤色光、緑色光および青色光を、順次、出射する。以下においては、光源アレイ40R,40G,40Bの各々を、総括的に、光源アレイ40ともいう。
図2に示すように、各光源アレイ40は、光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6から構成される。以下においては、光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6の各々を、総括的に、光源50とも表記する。すなわち、光源アレイ40は、6個の光源50を含む。つまり、光源アレイ40は、m(2以上の整数)個の光源50を含む。光源50は、LEDである。光源50は、電流が供給されることにより発光する。光源50は、2つの端子を有する。
なお、各光源アレイ40を構成する光源50の数は、6に限定されず、2〜5,7以上であってもよい。なお、光源50は、LEDに限定されず、例えば、レーザであってもよい。
以下においては、光を出射している光源50を、点灯光源ともいう。また、以下においては、点灯状態が異常である光源50を、点灯異状光源ともいう。また、以下においては、発光不能な点灯異状光源を、発光不能光源ともいう。
制御部30の制御に従い、光源駆動回路31R,31G,31Bは、それぞれ、光源アレイ40R,40G,40Bを駆動させる。光源駆動回路31R,31G,31Bの各々は、定電流回路である。以下においては、光源駆動回路31R,31G,31Bの各々を、総括的に、光源駆動回路31とも表記する。
各光源駆動回路31は、駆動対象の光源アレイ40へ供給する電流の合計値が、常に一定になるように、制御部30により制御される。そのため。各光源アレイ40において、点灯している光源50(点灯光源)の個数に関わらず、常に同じ電流値の電流が、供給される。
ここで、例えば、光源駆動回路31Rが、12(A)(アンペア)の電流を、光源アレイ40Rへ供給するとする。この場合、光源アレイ40Rにおいて、6個の光源50が点灯する場合、各光源50には、2(A)の電流が流れる。また、光源アレイ40Rにおいて、1個の光源50が開放故障して、5個の光源50が点灯している場合、各光源50には、2.4(A)の電流が流れる。
光源50の故障としては、短絡故障および開放故障が存在する。短絡故障とは、光源50が有する2つの端子が短絡した故障である。開放故障とは、光源50が有する2つの端子が開放状態となった故障である。
以下においては、開放故障した光源50を、開放故障光源ともいう。また、以下においては、短絡故障した光源50を、短絡故障光源ともいう。開放故障光源および短絡故障光源は、発光不能な点灯異状光源(発光不能光源)である。
再び、図1を参照して、前述したように、光源アレイ40R,40G,40Bは、それぞれ、赤色光、緑色光および青色光を出射する。赤色光、緑色光および青色光は、光源アレイ40R,40G,40Bにより、時系列的に出射される。
コリメータレンズ群7R,7G,7Bは、それぞれ、赤色光、緑色光および青色光を略平行に整形する。
ダイクロイックミラー8R,8G,8Bは、略平行に整形された3種類の照明光を選択的に反射または透過させることにより、当該3種類の照明光を1つの光路に合成する。
コンデンサーレンズ群9は、1つの光路に合成された各照明光を集光し、当該集光された光(合成光)を、投写光学系130へ出射する。
投写光学系130は、インテグレータ素子10と、リレーレンズ群11と、TIR(Total Internal Reflection)プリズム12と、画像表示素子13と、センサ14と、投写レンズ20とを含む。
インテグレータ素子10は、例えば、ライトトンネル、ガラスロッド等である。インテグレータ素子10は、コンデンサーレンズ群9から出射される合成光(照明光)の照度分布を均一化させ、当該均一化した合成光を、リレーレンズ群11へ出射する。
リレーレンズ群11は、レンズおよび反射ミラーから構成される。リレーレンズ群11は、インテグレータ素子10から出射される赤色、緑色、青色の合成光を、TIRプリズム12に照射する。
TIRプリズム12は、当該TIRプリズム12の内部に光を全反射する面を有する。TIRプリズム12は、照射された光を、画像表示素子13へ伝播させる。
画像表示素子13は、照射された光と、外部から入力される映像信号とに基づいて、映像を構成する映像光を生成する。すなわち、画像表示素子13は、インテグレータ素子10から出射された光であって、かつ、リレーレンズ群11およびTIRプリズム12を通過した光を変調することにより映像光を生成する。画像表示素子13は、例えば、DMDである。なお、画像表示素子13に入力される映像信号は、複数のフレーム(静止画像)から構成される映像を示す信号である。
そして、画像表示素子13は、当該映像光を、投写レンズ20およびセンサ14へ出射する。
投写レンズ20は、画像表示素子13から出射される映像光を、スクリーン(図示せず)に向けて投影する。
センサ14は、照射される映像光の光量を検出する機能を有する。センサ14は、映像光の輝度の補正を行うために、一般的に、投写型映像表示装置1000に搭載されている。
以下においては、映像信号が示す、ある1フレームが処理対象とされる期間を、1フレーム期間ともいう。ここで、例えば、投写型映像表示装置1000が投写する映像光が、1秒間に60枚のフレームを示す構成であるとする。この場合、1フレーム期間は、1/60秒である。
センサ14には、例えば、1フレーム期間において、1パルス以上に対応する光が照射される。これにより、センサ14は、光量を検出する。
前述したように、光源アレイ40R,40G,40Bは、赤色光、緑色光および青色光を、順次、出射する。そのため、センサ14は、赤色の映像光の光量、緑色の映像光の光量および青色の映像光の光量を検出することができる。センサ14は、検出した光量を示す光量情報を、継続的に、制御部30へ送信する。
次に、光源アレイ40および光源駆動回路31の詳細な構成について説明する。図3は、光源アレイ40および光源駆動回路31の詳細な構成を示す図である。
前述したように、光源アレイ40は、光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6を含む。光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6は、電気的に並列に接続される。前述したように、各光源50は、2つの端子を有する。光源50がLEDである場合、光源50の一方の端子は、アノードであり、光源50の他方の端子は、カソードである。
以下においては、電圧における低電圧状態および高電圧状態を、それぞれ、HレベルおよびLレベルともいう。また、HレベルおよびLレベルを、それぞれ、単に、「H」および「L」ともいう。
光源駆動回路31は、端子T11,T12と、スイッチ部320と、電流制限部330と、検出抵抗34−1,34−2,34−3,34−4,34−5,34−6と、スイッチ部350とを含む。
光源駆動回路31は、端子T11,T12を利用して、電流Ifを、光源アレイ40へ供給する。すなわち、光源駆動回路31は、光源アレイ40を構成する複数の光源50へ一括して電流を供給する。
光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6の一端は、端子T11と電気的に接続されている。
スイッチ部320は、スイッチ32−1,32−2,32−3,32−4,32−5,32−6を含む。スイッチ32−1,32−2,32−3,32−4,32−5,32−6は、それぞれ、光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6の他端と電気的に接続されている。
以下においては、スイッチ32−1,32−2,32−3,32−4,32−5,32−6の各々を、総括的に、スイッチ32とも表記する。スイッチ32は、外部からの制御により、導通状態(オン状態)および非導通状態(オフ状態)のいずれかの状態になる。スイッチ32は、例えば、パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。以下においては、オン状態およびオフ状態を、それぞれ、オンおよびオフともいう。
電流制限部330は、詳細は後述するが、スイッチ部320に対し、複数の光源50へ過電流が供給されることを制限(防止)するための制御を行う。少し具体的には、電流制限部330は、光源50へ供給される電流の電流値が所定の定格値以下になるようスイッチ部320を制御する。
電流制限部330は、電流制限回路33−1,33−2,33−3,33−4,33−5,33−6を含む。電流制限回路33−1,33−2,33−3,33−4,33−5,33−6は、それぞれ、スイッチ32−1,32−2,32−3,32−4,32−5,32−6と接続される。
以下においては、電流制限回路33−1,33−2,33−3,33−4,33−5,33−6の各々を、単に、電流制限回路33とも表記する。また、以下においては、電流制限回路33に接続されているスイッチ32に接続されている光源50を、電流制限回路33に対応する光源50ともいう。例えば、電流制限回路33−1に接続されているスイッチ32−1に接続されている光源50−1は、電流制限回路33−1に対応する光源50である。
電流制限回路33は、当該電流制限回路33に対応する光源50に流れる最大電流を、所定の定格電流以下になるように制御する。電流制限回路33は、仮に、当該電流制限回路33に対応する光源50が短絡故障した場合、当該光源50に流れる電流が、定格電流以下になるように、スイッチ32を制御する。ここで、定格電流とは、当該定格電流が光源50に流れても、当該光源50が破損しない電流値を有する電流である。すなわち、定格電流は、光源50を正常に駆動させるための電流である。
また、電流制限回路33は、当該電流制限回路33に対応する光源50が短絡故障したか否かを検出可能なように構成される。なお、制御部30は、各光源駆動回路31の状態を常に監視している。そのため、光源駆動回路31において光源50の短絡故障が検出された場合、短絡故障が発生した旨を把握する。
検出抵抗34−1,34−2,34−3,34−4,34−5,34−6の一端は、それぞれ、スイッチ32−1,32−2,32−3,32−4,32−5,32−6と電気的に接続されている。また、検出抵抗34−1,34−2,34−3,34−4,34−5,34−6の他端は、スイッチ部350と電気的に接続されている。
スイッチ部350は、スイッチ35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6を含む。スイッチ35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6は、それぞれ、検出抵抗34−1,34−2,34−3,34−4,34−5,34−6の他端と電気的に接続されている。
以下においては、検出抵抗34−1,34−2,34−3,34−4,34−5,34−6の各々を、総括的に、検出抵抗34とも表記する。また、以下においては、検出抵抗34において生じる電圧を、検出電圧ともいう。また、以下においては、スイッチ35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6の各々を、総括的に、スイッチ35とも表記する。スイッチ35は、光源駆動回路31の制御により、導通状態(オン状態)および非導通状態(オフ状態)のいずれかの状態になる。
次に、光源50が短絡故障した場合における電流制限回路33の動作について簡単に説明する。ここで、前述したように、光源50−1〜50−6は電気的に並列に接続されている。そのため、例えば、光源50−1が短絡故障した場合、光源50−1〜50−6全体に供給されていた電流Ifが、検出抵抗34−1のみに流れ、検出抵抗34−1の検出電圧が上昇する。検出電圧が、所定の閾値を越えた場合、電流制限回路33は、が短絡故障したことを検出する。
電流制限回路33は、光源50が短絡故障したことを検出した場合、スイッチ32をオフにする。これにより、短絡故障した光源50に対応する検出抵抗34に流れる電流の量が制限される。すなわち、電流制限回路33は、光源50が短絡故障したことを検出した場合、スイッチ32をオフにすることにより、当該電流制限回路33に対応する、短絡故障した光源50に過電流が流れることを防止する。
ここで、一例として、光源50−1が短絡故障したとする。この場合、電流制限回路33−1は、検出抵抗34−1の検出電圧が所定の閾値を超えたことにより、光源50−1が短絡故障したことを検出する。この場合、電流制限回路33−1は、スイッチ32−1をオフにすることにより、当該電流制限回路33−1に対応する光源50−1に、電流が集中して流れことを防止する。すなわち、電流制限回路33−1は、短絡故障した光源50−1が破損することを防止する。
なお、電流制限回路33−2,33−3,33−4,33−5,33−6の各々も、対応する光源50が短絡故障した場合、上記の電流制限回路33−1と同様な機能を有する。
なお、光源駆動回路31の構成は、図3に示す構成に限定されない。光源駆動回路31の構成は、他の構成であってもよい。
制御部30は、光源駆動回路31を利用して、各光源アレイ40に含まれる光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6の各々を、点灯または消灯させることができる。また、制御部30は、各光源アレイ40に含まれる点灯光源の数を記憶する記憶領域を有する。以下においては、光源アレイ40または光源50が出射する出射光量ともいう。
次に、各光源アレイ40を構成する各光源50を制御するための処理(以下、光源制御処理Nともいう)について説明する。
図4は、投写型映像表示装置1000を制御するための点灯パルス等を説明するための図である。図4において、横軸は、時間を示す。
図4において、「映像フレーム」とは、複数のフレーム(静止画像)から構成されるフレーム群である。「1フレーム」とは、1番目のフレームである。「1フレーム」を示す四角は、投写型映像表示装置1000において1番目のフレームが処理対象となっている期間である。「2フレーム」とは、2番目のフレームである。
また、図4において、信号「SG−R」、「SG−G」、「SG−B」は、それぞれ、光源アレイ40R,40G,40Bを制御するための信号である。
以下においては、信号「SG−R」において、文字列「PR」が示されるパルスを、パルスPRともいう。すなわち、パルスPRは、信号「SG−R」において、文字列「PR」が示される期間であって、かつ、Hレベルが継続している期間である。また、信号「SG−R」において、文字列「SR」が示されるパルスを、パルスSRともいう。すなわち、パルスSRは、文字列「SR」が示される期間であって、かつ、Hレベルが継続している期間である。
また、以下においては、信号「SG−G」において、文字列「PG」が示されるパルスを、パルスPGともいう。また、以下においては、信号「SG−G」において、文字列「SG」が示されるパルスを、パルスSGともいう。また、以下においては、信号「SG−B」において、文字列「PB」が示されるパルスを、パルスPBともいう。また、以下においては、信号「SG−B」において、文字列「SB」が示されるパルスを、パルスSBともいう。
パルスPRは、例えば、あるフレーム(例えば、1フレーム)の処理対象期間のうち、光源アレイ40Rが、赤色光を出射する期間である。パルスPGは、例えば、あるフレーム(例えば、1フレーム)の処理対象期間のうち、光源アレイ40Gが、緑色光を出射する期間である。パルスPBは、例えば、あるフレーム(例えば、1フレーム)の処理対象期間のうち、光源アレイ40Bが、青色光を出射する期間である。
すなわち、投写型映像表示装置1000は、光源アレイ40から出射される光(例えば、赤色光、緑色光、青色光)を利用して投写光学系130により生成された映像光を、予め定められたタイミングで出射する。
パルスSR,SG,SBは、センサ14により光量を検出するために利用されるパルスである。また、パルスSR,SG,SBの期間は、対応するフレームを構成する映像光を、投写型映像表示装置1000が出射しない映像ブランキング期間である。すなわち、映像ブランキング期間は、u(自然数)番目のフレームを処理するための期間のうち、投写型映像表示装置1000により当該u番目のフレームが表示されていない期間である。
例えば、図4において、1フレームに対応するパルスSR,SG,SBの各々の期間は、映像ブランキング期間である。すなわち、映像ブランキング期間は、映像光が出射されない期間である。
また、パルスSR,SG,SBの各々の期間は、人間が認識できないほどの非常に短い時間である。パルスSR,SG,SBの各々の期間は、例えば、1秒間に60枚のフレームが処理される場合、例えば、1/60秒の0.1倍の時間である。
次に、光源制御処理Nについて具体的に説明する。光源制御処理Nは、要約すれば、映像ブランキング期間において、各光源アレイ40を構成するm個の光源50の各々を順次発光させる。すなわち、定期的に発生する映像ブランキング期間において、光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6の順で、光源50を1個ずつ点灯させる。これにより、各光源50の状態を把握する。
以下においては、光源50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6の各々を、総括的に、光源50−n(自然数)とも表記する。また、以下においては、光源50−nを、n番目の光源50ともいう。例えば、nが2である場合、光源50−nは、2番目の光源50である。また、以下においては、点灯光源の個数を、点灯光源数kまたはkとも表記する。kは、1≦k≦mを満たす整数である。
なお、各光源アレイ40において、点灯予定の光源50の数が予め決められている。以下においては、各光源アレイ40における点灯予定の光源50の数を、初期点灯光源数k0またはk0とも表記する。k0は、1≦k0≦mを満たす整数である。
例えば、各光源アレイ40において、k0がm未満の場合、投写型映像表示装置1000における電力消費を抑えることができる。すなわち、投写型映像表示装置1000の運用状況によっては、k0<mの場合もある。そのため、光源50の状態を確認する処理としては、光源アレイ40において、実際に点灯している点灯光源の点灯状態を確認する。
以下においては、各光源アレイ40において、予め点灯させない光源50を、非点灯光源ともいう。k0がm未満の場合、各光源50−nにおいて、nの値が大きい光源50−nから順に、非点灯光源の数だけ、非点灯光源に設定される。例えば、非点灯光源の数が1の場合、光源50−6が非点灯光源に設定される。また、例えば、非点灯光源の数が2の場合、光源50−6,50−5が非点灯光源に設定される。
制御部30は、光源アレイ40R,40G,40Bの各々における初期点灯光源数k0を予め記憶している。なお、各光源アレイ40を構成する全ての光源50を点灯させる場合、k0=mである。
図5は、光源制御処理Nのフローチャートである。ここで、一例として、各光源アレイ40を構成する光源50の数mは、6であるとする。
ここで、点灯光源数kについては、最低個数kminを、閾値として設定する。最低個数kminは、光源アレイ40において最低限必要な点灯光源の個数である。kminは、例えば、mの30〜60%の範囲の整数に設定される。点灯光源数kが、kmin未満となった時点で、光源アレイ40の状態を、エラー状態と判定する。エラー状態とは、光源アレイ40の出射光量が、例えば、点灯異状光源(発光不能光源)が存在しない光源アレイ40の出射光量の10〜40%未満となった状態である。エラー状態と判定された光源アレイ40は消灯される。
次に、光源制御処理Nについて具体的に説明する。なお、光源制御処理Nでは、開放故障を検出する。すなわち、光源制御処理Nでは、開放故障光源が検出される。以下においては、光源制御処理Nにおいて処理対象となる光源アレイ40を、対象光源アレイともいう。
なお、一例として、光源アレイ40R,40G,40Bのうち、光源アレイ40Rに対し行われる光源制御処理Nが行われるとする。すなわち、図4のパルスSR(映像ブランキング期間)の期間に行われる光源制御処理Nについて説明する。この場合、光源アレイ40Rは、対象光源アレイである。また、光源制御処理Nの開始時点では、nは1に設定される。
映像ブランキング期間になったタイミングにおいて、光源制御処理Nの処理が開始される。映像ブランキング期間になったタイミングは、例えば、パルスSRの立ち上がりのタイミングである。
ステップS110では、制御部30が、点灯光源数kの値を、対象光源アレイに対応するk0に設定する。
なお、前述したように、光源50−1〜50−6は、電気的に並列に接続される。そのため、仮に、光源50−1〜50−6のうちの1つの光源50を点灯させた場合、当該1つの光源50には、定格電流を超える多くの電流が供給されることになる。そこで、当該1つの光源50に過電流が流れることを防ぐために、以下の電流制御処理Nが行われる。
ステップS120では、電流制御処理Nが行われる。電流制御処理Nでは、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、電流Ifの電流値を1/k0倍にする制御を行う。
以下においては、初めての電流制御処理Nが行われる前における電流Ifを、電流If0とも表記する。また、以下においては、電流制御処理Nにより電流値が減少された電流Ifを、減少電流ともいう。減少電流は、If0の1/k0倍の電流である。
以上の電流制御処理Nにより、光源アレイ40(対象光源アレイ)には、減少電流が供給される。
なお、光源制御処理Nにおける2回目のステップS120の処理において、既に、光源アレイ40に減少電流が供給されている場合、電流制御処理Nでは、電流Ifの電流値を1/k0倍にする処理は行われない。
ステップS130では、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、n番目の光源50を点灯させる制御を行う。これにより、n番目の光源50が出射した光は、センサ14に照射される。なお、n番目の光源50が発光不能光源である場合、センサ14には、光が照射されない。
ステップS131では、光量検出処理が行われる。光量検出処理では、センサ14が、n番目の光源50の出射光量を検出する。そして、センサ14は、検出した出射光量を示す光量情報を、制御部30へ送信する。なお、n番目の光源50が発光不能光源である場合、光量情報が示す出射光量は、ほぼ0である。
ステップS140では、n番目の光源50が点灯しているか否かが判定される。例えば、n番目の光源50が、開放故障光源でないか否かが判定される。
具体的には、制御部30が、光源駆動回路31によりn番目の光源50が短絡故障したと検出されてなく、かつ、受信した光量情報が示す出射光量が、所定の閾値TH1以上であるか否かを判定する。
閾値TH1には、点灯光源から光が出射されている場合において、センサ14に照射される最低限の光量が設定される。閾値TH1は、例えば、初めて駆動される光源50の出射光量の0.1倍の値が設定される。
ステップS140においてYESならば、処理は後述のステップS160へ移行する。一方、ステップS140においてNOならば、処理はステップS141へ移行する。ステップS140でNOの場合、n番目の光源50は開放故障光源である。すなわち、ステップS140でNOの場合、発光不能な点灯異状光源(開放故障光源)が存在する。つまり、ステップS140の処理により、発光不能な点灯異状光源(開放故障光源)が存在するか否かが判定される。
ステップS141では、電流供給停止処理が行われる。電流供給停止処理では、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、n番目の光源50への電流供給を停止させる。
ステップS140,S141の処理により、制御部30は、発光不能な点灯異状光源が存在する場合、該点灯異状光源への電流供給を停止するための処理を行う。
ステップS142では、制御部30が、処理対象の光源アレイ40における点灯光源数kの値を1デクリメントする。
ステップS143では、制御部30が、対象光源アレイに対応する最新の点灯光源数kが、最低個数kmin未満であるか否かを判定する。ステップS143においてYESならば、処理はステップS150へ移行する。一方、ステップS143においてNOならば、処理はステップS170へ移行する。
ステップS150では、エラー処理が行われる。エラー処理では、光源(対象光源アレイ)が故障している旨を報知する処理が行われる。エラー処理では、例えば、制御部30が、n番目の光源50が故障している旨を示すメッセージ等を示す映像光を出射するための処理を行う。また、制御部30は、光源駆動回路31を利用して、対象光源アレイを消灯させる。
ステップS170では、制御部30が、最新のnが、対象光源アレイに対応する初期点灯光源数k0であるか否かを判定する。ステップS170においてYESならば、処理は後述のステップS180へ移行する。一方、ステップS170においてNOならば、処理はステップS171へ移行する。
ここでは、nはk0でないとして、ステップS171の処理が行われるとする。
ステップS171では、制御部30が、nを1インクリメントする。そして、再度、ステップS110の処理が行われる。
なお、ステップS140においてYESの場合(n番目の光源50が点灯している場合)、処理はステップS160へ移行する。
ステップS160では、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、n番目の光源50を消灯させる制御を行う。
ステップS161では、電流制御処理Rが行われる。電流制御処理Rでは、光源アレイ40に供給されている電流を、If0に戻す。具体的には、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、電流値が減少された電流Ifの電流値をk0倍にする制御を行う。そして、処理はステップS170へ移行する。
なお、ステップS130の処理がk0回行われることにより、制御部30は、対象光源アレイを構成する複数の光源の各々を順次点灯させる点灯処理を行う。なお、ステップS130の処理を含む光源制御処理Nは、映像ブランキング期間において行われる。すなわち、制御部30は、映像ブランキング期間において、上記の点灯処理を行う。
また、ステップS131の処理がk0回行われることにより、センサ14は、対象光源アレイを構成する複数の光源の各々から出射される光の量である出射光量を検出する。また、ステップS140の処理がk0回行われることにより、制御部30は、センサ14により検出される、各光源50の出射光量に基づいて、対象光源アレイを構成する複数の光源において発光不能な点灯異状光源が存在するか否かを判定する。
ここで、ステップS140の処理が、k0回行われたとする。この場合、ステップS170でYESと判定され、処理はステップS180へ移行する。
ステップS180では、電流制御処理RAが行われる。電流制御処理RAでは、光源アレイ40に供給されている電流を、If0に設定する。具体的には、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、電流Ifを、以下の式1により算出された電流に設定する。
If=If0×k/k0 …(式1)
式1のk,k0は、対象光源アレイに対応する値である。
つまり、対象光源アレイにおいて発光不能な点灯異状光源が存在しない状態で電流制御処理RAが行われた場合、光源アレイ40(対象光源アレイ)に供給される電流は、電流制御処理Nが行われる前の電流If0に戻る。
すなわち、対象光源アレイにおいて発光不能な点灯異状光源が存在する場合、当該点灯異状光源への電流の供給を停止(遮断)する。また、点灯異状光源が存在する場合、さらに、各光源50に供給される電流が、電流制御処理Nが行われる前と同じになるように、光源アレイ40(対象光源アレイ)に供給する電流Ifが、式1により得られる電流となるように制御される。すなわち、対象光源アレイを構成する複数の光源50のうち点灯異状光源以外の光源50へ供給される電流が制御される。
以上により、光源制御処理Nが終了する。なお、図4のパルスSG(映像ブランキング期間)の期間においては、対象光源アレイを光源アレイ40Gとして、光源制御処理Nが行われる。また、パルスSB(映像ブランキング期間)の期間においては、対象光源アレイを光源アレイ40Bとして、光源制御処理Nが行われる。これにより、1フレーム期間に含まれる映像ブランキング期間において、光源アレイ40R,40G,40Bの各々に対し、光源制御処理Nが行われる。すなわち、1フレーム期間経過毎に、映像ブランキング期間において、光源アレイ40R,40G,40Bの各々に対し、光源制御処理Nが行われる。つまり、光源制御処理Nは、複数の映像ブランキング期間の各々において、毎回行われる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、制御部30は、複数の光源50の各々を順次点灯させる点灯処理を行う。センサ14は、複数の光源50の各々から出射される光の量である出射光量を検出する。制御部30は、センサ14により検出される、各光源50の出射光量に基づいて、複数の光源50において点灯状態が異常である点灯異状光源が存在するか否かを判定する。制御部30は、点灯異状光源が存在する場合、当該点灯異状光源への電流供給を停止するための処理を行う。
これにより、点灯異状光源が存在する場合における光源の制御を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、各光源アレイ40を構成する複数の光源50を順次点灯させる。そして、各光源50の点灯状態を検出する。これにより、点灯異状光源(開放故障光源)を検出する。したがって、例えば、光源50を駆動させる光源駆動回路31内に、別途、点灯異状光源(開放故障光源)を検出するための回路を設ける必要がない。そのため、光源駆動回路31の回路規模が大きくなることを防ぐことができる。すなわち、投写型映像表示装置1000の製造コストの増加を防ぐことができる。
なお、投写型映像表示装置には、通常、映像の輝度補正を行うための、光量を検出するセンサが搭載されている。そこで、本実施の形態では、投写型映像表示装置に通常搭載されているセンサを活用して、各光源アレイ40を構成する複数の光源50の点灯状態を確認し、各光源アレイ40の点灯制御を行う。
そのため、光源50を駆動させる光源駆動回路31には、点灯異状光源(開放故障光源)を検出するための故障検出回路が不要となる。すなわち、新たに故障検出回路を設ける必要がない。
その結果、光源駆動回路31の回路規模を小さくできるうえ、部品を共用できる。そのため、追加コストを払わずに、点灯異状光源(開放故障光源)の検出が可能となるメリットが生じる。言い換えれば、追加コストを払わずに、各光源アレイ40を構成する各光源50の点灯状態を検出し、点灯制御を行うことができる。
なお、光源の点灯状態の確認方法としては、映像表示中に、随時、検出処理を行う方法がある。この方法では、検出処理中の映像輝度の低下を抑えるために、光源アレイを構成する各光源を順次消灯させることで、各光源の状態を確認する。
一方、本実施の形態では、点灯状態を検出するタイミングを映像ブランキング期間とし、且つ、各光源アレイ40を構成する各光源50を、順次、単独で点灯させる。これにより、各光源50の点灯状態を確認する。
また、本実施の形態によれば、光源制御処理Nは、パルスSR,SG,SBの各々の期間(映像ブランキング期間)において行われる。映像ブランキング期間は、映像光が出射されない期間である。そのため、映像光の輝度への影響が無い状態において、各光源の点灯状態を確認することができる。また、光源制御処理Nが、映像光の輝度へ影響を与えることを防ぐことができる。すなわち、点灯異状光源の検出処理中において、映像光の輝度に対する影響がないようにすることができる。例えば、光源制御処理Nが行われても、映像光の輝度の変化等が発生することを防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、スイッチを使用して、光源50の点灯制御を行う構成としているが、光源50の点灯制御は、スイッチを使用しない他の構成により行われてもよい。
なお、本実施の形態では、光源アレイ40R,40G,40Bの各々に対して行われる光源制御処理Nは、1フレーム期間内において、順次実行されるとした。すなわち、1回の光源制御処理Nは、例えば、1つのパルスSRの期間において実行されるとしたが、これに限定されない。1回の光源制御処理Nは、例えば、複数のパルスSRの期間にまたがって実行されてもよい。
また、光源制御処理Nは、任意の時間間隔で実行されてもよい。光源制御処理Nは、数秒間または数分間経過毎に1回実行されてもよい。
また、光源制御処理Nが、人間が認識できないほどの非常に短い時間で行われる。そのため、光源制御処理Nは、映像ブランキング期間でない期間に行われてもよい。この場合においても、映像光の輝度等の変化は無視できる程度に抑えることができる。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2について以下に説明する。本実施の形態に係る投写型映像表示装置は、図1の投写型映像表示装置1000である。そのため、投写型映像表示装置1000についての詳細な説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態において、各光源アレイ40を構成する各光源50を制御するための処理(以下、光源制御処理Aともいう)以下においては、光源制御処理Aにおいて処理対象となる光源アレイ40を、対象光源アレイともいう。
図6は、光源制御処理Aのフローチャートである。図6において、図5のステップ番号と同じステップ番号の処理は、実施の形態1で説明した処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。以下、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
ここで、一例として、各光源アレイ40を構成する光源50の数mは、6であるとする。なお、光源制御処理Aが行われるタイミングは、実施の形態1の光源制御処理Nが行われるタイミングと同じである。すなわち、光源制御処理Aは、実施の形態1と同様に、光源アレイ40R,40G,40Bの各々に対し、行われる。
ステップS110〜S140の処理は、実施の形態1と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
以下においては、点灯異状光源を含む光源アレイ40を、点灯異状光源アレイともいう。また、以下においては、点灯異状光源を含まない光源アレイ40を、正常光源アレイともいう。また、以下においては、光源制御処理Aにおいて、3つの光源アレイ40のうち対象光源アレイでない光源アレイ40を、非対象光源アレイともいう。例えば、光源制御処理Aにおいて、光源アレイ40Rが対象光源アレイである場合、光源アレイ40G,40Bは、非対象光源アレイである。
以下においては、出射光量が、予め定めた値分だけ低下した光源50を、光量低下光源ともいう。光量低下光源は、点灯異状光源である。光量低下光源は、例えば、出射光量が、初めて駆動される光源50の出射光量の0.1〜0.5倍の出射光量となった光源50である。
ステップS140においてYESならば、処理はステップS140Aへ移行する。一方、ステップS140においてNOならば、処理は後述のステップS141Aへ移行する。
ステップS140Aでは、点灯異状光源である光量低下光源が存在するか否かが判定される。
具体的には、制御部30が、受信した光量情報が示す出射光量が、所定の閾値TH2未満であるか否かを判定する。閾値TH2は、初めて駆動される光源50の出射光量の0.3〜0.5倍の値が設定される。すなわち、閾値TH2は、ステップS140の処理で使用される閾値TH1より大きい。光量情報が示す出射光量が、閾値TH2未満である場合、n番目の光源50は光量低下光源であり、光量低下光源が存在する。
ステップS140AにおいてYESならば、処理はステップS140Bへ移行する。一方、ステップS140AにおいてNOならば、処理はステップS160へ移行する。
ステップS140Bでは、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、n番目の光源50を消灯させる制御を行う。
ステップS140でNOと判定され、ステップS141Aの処理が行われる場合、n番目の光源50(点灯異状光源)は、発光不能な発光不能光源(例えば、開放故障光源)である。ステップS140AでYESと判定された後、ステップS141Aの処理が行われる場合、n番目の光源50(点灯異状光源)は、光量低下光源である。
ステップS141Aでは、電流供給停止処理Aが行われる。電流供給停止処理Aでは、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、n番目の光源50(点灯異状光源)への電流供給を停止させる。
また、さらに、制御部30は、複数の光源アレイ40のうち、点灯異状光源アレイ以外の光源アレイ40において、当該点灯異状光源アレイに含まれる点灯異状光源の位置と同じ位置の光源50への電流供給を停止するための処理を行う。すなわち、制御部30は、光源駆動回路31を利用して、非対象光源アレイにおいて、点灯異状光源アレイに含まれる点灯異状光源の位置と同じ位置の光源50への電流供給を停止させる。
ここで、一例として、光源アレイ40Rが対象光源アレイであるとする。また、n番目の光源50は、図2の光源50−1であるとする。
この場合、電流供給停止処理Aでは、制御部30は、光源駆動回路31を利用して、光源アレイ40Rにおける光源50−1への電流供給を停止させる。また、さらに、制御部30は、光源駆動回路31G,31Bを利用して、光源アレイ40G,40Bの各々の光源50−1への電流供給を停止させる。光源アレイ40Rにおける光源50−1の位置と、光源アレイ40Gにおける光源50−1の位置と、光源アレイ40Bにおける光源50−1の位置とは、同じ位置である。
すなわち、電流供給停止処理Aにより、光源アレイ40R,40G,40Bの各々において、同じ位置の光源50への電流供給が停止される。これにより、光源アレイ40R,40G,40Bの各々において、同じ位置の光源50が消灯する。
つまり、ステップS140,S140A,S141Aの処理により、制御部30は、点灯異状光源が存在する場合、複数の光源アレイ40のうち、点灯異状光源アレイ以外の光源アレイ40において、当該点灯異状光源アレイに含まれる点灯異状光源の位置と同じ位置の光源50への電流供給を停止するための処理を行う。
なお、ステップS142〜ステップS161,S170,S171,S180の処理は、実施の形態1と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、実施の形態1の処理のように、故障した発光不能光源の検出に加え、出射光量が低下している光源50(光量低下光源)を検出する。そして、検出された光量低下光源と、非対象光源アレイにおいて、点灯異状光源アレイに含まれる光量低下光源の位置と同じ位置の光源50への電流供給を停止させる。これにより、光源アレイ40R,40G,40Bの各々において、同じ位置の光源50が消灯する。すなわち、ある光源アレイ40の光源の出射光量の低下に応じて、赤、緑および青の光源アレイ40の各々において、同じ位置の光源50を消灯させる。
その結果、各光源アレイ40内において、点灯する光源50の場所を常に同一にすることができる。したがって、投写型映像表示装置1000が出射する映像光の色合いの変化と画面ユニフォミティの変化とを抑えることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様な処理も行われるため、実施の形態1と同様な効果が得られる。
<実施の形態3>
本発明の実施の形態3について以下に説明する。本実施の形態に係る投写型映像表示装置は、図1の投写型映像表示装置1000である。そのため、投写型映像表示装置1000についての詳細な説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態において、各光源アレイ40を構成する各光源50を制御するための処理(以下、光源制御処理Bともいう)以下においては、光源制御処理Bにおいて処理対象となる光源アレイ40を、対象光源アレイともいう。
ここで、各光源アレイ40の定格電流T1を、Ifmaxと表現する。定格電流T1は、光源アレイ40の劣化速度をはやめることなく、光源アレイ40が正常に動作するために予め定められた値である。この場合、各光源アレイ40を構成する各光源50の定格電流T2(Ifemax)は、以下の式2により表現される。定格電流T2は、光源50の劣化速度をはやめることなく、光源50が正常に動作するために予め定められた値である。
Ifemax=Ifmax/m …(式2)
また、光源制御処理Bが開始される前において、各光源アレイ40へ供給される電流を、If0と表現する。また、光源制御処理Bが開始される前において、各光源アレイ40を構成する各光源50へ供給される電流を、Ife0と表現する。この場合、電流Ife0は、以下の式3により表現される。
Ife0=If0/k0 …(式3)
図7は、光源制御処理Bのフローチャートである。図7において、図6のステップ番号と同じステップ番号の処理は、実施の形態2で説明した処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。以下、実施の形態2と異なる点を中心に説明する。
ここで、一例として、各光源アレイ40を構成する光源50の数mは、6であるとする。なお、光源制御処理Bが行われるタイミングは、実施の形態1の光源制御処理Nが行われるタイミングと同じである。すなわち、光源制御処理Bは、実施の形態1と同様に、光源アレイ40R,40G,40Bの各々に対し、行われる。
ステップS110〜S170の処理は、実施の形態2と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
ステップS170においてYESならば、処理はステップS171Bへ移行する。一方、ステップS170においてNOならば、処理はステップS171へ移行する。
ステップS171Bでは、制御部30が、k<k0が満たされるか否かを判定する。すなわち、ステップS171Bでは、点灯光源数kが、対象光源アレイの初期点灯光源数k0未満になったか否かを判定する。
ステップS171BにおいてYESならば、処理はステップS172Bへ移行する。一方、ステップS171BにおいてNOならば、この光源制御処理Bは終了する。
以下においては、点灯状態が正常である光源50を、正常光源ともいう。正常光源は、対象光源アレイを構成する複数の光源のうち点灯異状光源以外の光源である。また、以下においては、点灯異状光源の数を、点灯異状光源数pまたはpとも表記する。pは、自然数である。
なお、各光源アレイ40へ供給される電流If0は変らない。そのため、k<k0が満たされた場合、各光源アレイ40における各正常光源に供給される電流の量が、p×Ife0の分だけ増加する。以下においては、k<k0が満たされた状態において、各正常光源に供給される、増加された電流を、増加電流IfeまたはIfeとも表記する。
ステップS172Bでは、制御部30が、Ife≦Ifemaxが満たされるか否かを判定する。ステップS172BにおいてYESならばこの光源制御処理Bは終了する。一方、ステップS172BにおいてNOである場合、すなわち、Ife>Ifemaxの場合、処理は、ステップS180へ移行する。
ステップS180では、実施の形態1と同様な処理が行われる。すなわち、制御部30が、光源駆動回路31を利用して、電流Ifを、前述の式1により算出された電流に設定する。
すなわち、増加電流Ifeが、光源50の定格電流T2(Ifemax)を超える場合は、増加電流Ifeは、Ifemaxを超えないように制御される。また、対象光源アレイにおいて発光不能な点灯異状光源が存在しない状態で電流制御処理RAが行われた場合、光源アレイ40(対象光源アレイ)に供給される電流は、電流制御処理Bが行われる前の電流If0に戻る。
すなわち、対象光源アレイにおいて点灯異状光源が存在する場合、当該点灯異状光源への電流の供給を停止(遮断)する。増加電流Ifeが、光源50の定格電流T2(Ifemax)以下の場合、制御部30は、電流の制御(ステップS180の処理)を行わないことにより、各正常光源へ供給される電流の量を増加させる。
これにより、各正常光源の出射光量が増加するため、光源アレイ40の総光量の低下を抑えることができる。
前述したように、増加電流Ifeが、光源50の定格電流T2(Ifemax)を超える場合は、増加電流Ifeは、Ifemaxを超えないように制御される。すなわち、各正常光源に供給される増加電流Ifeが、光源50の定格電流T2(Ifemax)を超える場合は、各正常光源に供給される電流が、電流制御処理Bが行われる前と同じになるように、光源アレイ40(対象光源アレイ)に供給する電流Ifが、式1により得られる電流となるように制御される。
ステップS171BにおいてYESであり、かつ、ステップS172BでYESの場合ステップS180の処理を行わないようにすることにより、制御部30は、以下の処理を行うことになる。すなわち、制御部30は、点灯異状光源が存在する場合、正常光源へ供給する電流の量を、該正常光源の定格電流を超えないように、増加させる処理を行う。これにより、光源アレイの総光量の低下を抑えることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、実施の形態2の処理に加え、さらに、点灯異状光源の存在に伴う増加電流Ifeが、光源50の定格電流T2(Ifemax)以下の場合、制御部30は、電流の制御(ステップS180の処理)を行わないことにより、各正常光源へ供給される電流の量を増加させる。
これにより、各正常光源の出射光量が増加するため、光源アレイ40の総光量の低下を抑えることができる。その結果、投写型映像表示装置1000が出射する映像光の明るさの変化を抑えることができる。また、投写型映像表示装置1000が出射する映像光の色合いの変化と、複数の投写型映像表示装置間の輝度差とを抑えることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態2と同様な処理も行われるため、実施の形態2と同様な効果が得られる。
(その他の変形例)
以上、本発明に係る投写型映像表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を本実施の形態に施したものも、本発明に含まれる。つまり、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
また、投写型映像表示装置1000は、図1に示される全ての構成要素を含まなくてもよい。すなわち、投写型映像表示装置1000は、本発明の効果を実現できる最小限の構成要素のみを含めばよい。
また、本発明は、投写型映像表示装置1000が備える特徴的な構成部の動作をステップとする光源制御方法として実現してもよい。また、本発明は、当該光源制御方法に含まれる各ステップをコンピュータが実行してもよい。また、本発明は、そのような光源制御方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現してもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現されてもよい。また、当該プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して配信されてもよい。
上記実施の形態で用いた全ての数値は、本発明を具体的に説明するための一例の数値である。すなわち、本発明は、上記実施の形態で用いた各数値に制限されない。
また、本発明に係る光源制御方法は、図5、図6または図7のフローチャートの一部または全てに相当する。本発明に係る光源制御方法は、図5、図6または図7における、対応する全てのステップを必ずしも含む必要はない。すなわち、本発明に係る光源制御方法は、本発明の効果を実現できる最小限のステップのみを含めばよい。
また、光源制御方法における各ステップの実行される順序は、本発明を具体的に説明するための一例であり、上記以外の順序であってもよい。また、光源制御方法におけるステップの一部と、他のステップとは、互いに独立して並列に実行されてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。