JP2014173001A - オキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体、及び、分散剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オキシアルキレン基を有するカルボン酸系単量体(A)由来の単量体単位を主体とするオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体であって、該単量体(A)は、下記一般式(1)で表されるジカルボン酸系単量体が有する2つのCOOM基のうち少なくとも1つに、下記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコールが付加した構造を有することを特徴とするオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体。
R1、R2、R3は、いずれか1つが−(CH2)m
式中、−R5−O−は、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。
【選択図】なし
Description
以下に、本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体は、オキシアルキレン基を有するカルボン酸系単量体(A)由来の単量体単位を主体とする。
ここで、オキシアルキレン基を有するカルボン酸系単量体(A)由来の単量体単位とは、上記単量体(A)の重合性二重結合が開いた構造(二重結合(C=C)が、単結合(−C−C−)となった構造)に相当する。
該その他の単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類、これらのカルボン酸無水物、又は、これらの塩が挙げられる。中でも、アクリル酸、メタクリル酸、又は、これらの塩が好ましい。上記その他の単量体は2種以上併用してもよい。
すなわち、例えば、上記一般式(1)において、R1及びR2が、同一又は異なって、水素原子、又は、炭素数1〜10のアルキル基であり、R3が−(CH2)mCOOMである場合、単量体(A)は、下記一般式(3−1)〜(3−2)で表されるように、上記ジカルボン酸系単量体が有する2つのCOOM基のうちいずれか1つに上記ポリアルキレングリコールが付加した構造(モノエステル構造)を有するものであってもよいし、例えば、下記一般式(3−3)で表されるように、上記ジカルボン酸系単量体が有する2つのCOOM基のうち両方に上記ポリアルキレングリコールが付加した構造(ジエステル構造)を有するものであってもよい。
上記オキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体が、上記モノエステル構造の単量体(A)由来の単量体単位と上記ジエステル構造の単量体(A)由来の単量体単位とを両方有するものである場合、モノエステル構造の単量体(A)由来の単量体単位の含有量は、全単量体(A)由来の単量体単位100モル%に対して、50モル%であることが好ましい。これにより、セメント表面に重合体を吸着させるのに充分なカルボキシル基を導入することができる。その結果、セメント分散性能がより向上する。より好ましくは60モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上であり、さらにより好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは90モル%以上であり、最も好ましくは100モル%、すなわち、実質的にモノエステル構造の単量体(A)由来の単量体単位のみを含むことである。
また、数平均分子量(Mn)が、50万以下であることが好ましい。より好ましくは25万以下、さらに好ましくは15万以下、さらにより好ましくは10万以下、特に好ましくは75,000以下、最も好ましくは35,000以下である。また、1,000以上であることが好ましい。より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは5,000以上、特に好ましくは10,000以上、最も好ましくは15,000以上である。
なお、化合物の重量平均分子量、数平均分子量は、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(GPC)分析法により求めることができる。
本発明のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体において、ジカルボン酸系単量体は、下記一般式(1)で表される。
上記一般式(5−1)〜(5−3)で表されるジカルボン酸系単量体として具体的には、例えば、イタコン酸、グルタル酸などのジカルボン酸系単量体、これらのカルボン酸無水物又はこれらの塩(例えば、一価金属、二価金属、三価金属、第4級アンモニウムまたは有機アミンの塩)が好適である。
中でも、重合性の観点から、イタコン酸、グルタル酸、無水イタコン酸又はこれらの塩が好ましく、イタコン酸又はこれらの塩が特に好ましい。
また、これらの単量体は2種以上併用してもよい。
本発明のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体において、ポリアルキレングリコールは、下記一般式(2)で表される。
より好ましくは、炭素数2〜8のオキシアルキレン基であり、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシ−1−ブテン基、オキシ−2−ブテン基、オキシトリメチルエチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシテトラメチルエチレン基、オキシモノブタジエン基、オキシオクチレン基等が挙げられる。また、オキシジペンタンエチレン基、オキシジヘキサンエチレン基等の脂肪族エポキシ基;オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、オキシオクチレン基等の脂環エポキシ基;オキシスチレン基、オキシ−1,1−ジフェニルエチレン基等の芳香族エポキシド基を用いることもできる。
なお、上記重合体に求められる用途によっては、炭素数3以上のオキシアルキレン基を含まない態様が好ましい場合もある。
オキシアルキレン基の平均付加モル数が1以上の数であると、上記重合体にポリアルキレングリコールに基づく性能を充分に発揮させることが可能となる。
また、オキシアルキレン基の平均付加モル数が1000を超える場合には、上記重合体を製造するために使用する原料化合物の粘性が増大したり、反応性が充分とはならない等、作業性の点で好適なものとはならないおそれがある。
上記平均付加モル数の下限値としては、より好ましくは10、さらに好ましくは20、さらにより好ましくは50、特に好ましくは75、特により好ましくは80、最も好ましくは100である。上限値としては、より好ましくは800、さらに好ましくは700、さらにより好ましくは600、特に好ましくは500、特により好ましくは300、最も好ましくは200である。
本発明におけるオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の工程を行うことにより製造することができる。
まず、カルボン酸が有するCOOM基と、ポリアルキレングリコールの末端のヒドロキシル基とを反応させてエステル結合を生成し、カルボン酸エステルを得る。
上記(i−1)のカルボン酸へのエステル化反応以外に、対応するカルボン酸無水物にポリアルキレングリコールの末端ヒドロキシル基を反応させて、カルボン酸エステルを得ることもできる。
次に、上記カルボン酸エステルを、ラジカル重合開始剤を用いて重合させる。
なお、上記促進剤(還元剤)の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、併用する重合開始剤の総量を100モル%とすると、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上であり、また、好ましくは1000モル%以下、より好ましくは500モル%以下、さらに好ましくは400モル%以下である。
更に水と低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々のラジカル重合開始剤、又は、上記ラジカル重合開始剤と促進剤との組合せの中から適宜選択して用いることができる。
(1)溶媒を入れた密閉容器内に窒素等の不活性ガスを加圧充填後、密閉容器内の圧力を下げることで溶媒中の酸素の分圧を低くする。その際、窒素気流下で、密閉容器内の圧力を下げてもよい。
(2)溶媒を入れた容器内の気相部分を窒素等の不活性ガスで置換したまま液相部分を長時間激しく攪拌する。
(3)容器内に入れた溶媒に窒素等の不活性ガスを長時間バブリングする。
(4)溶媒を一旦沸騰させた後、窒素等の不活性ガス雰囲気下で冷却する。
(5)配管の途中に静止型混合機(スタティックミキサー)を設置し、溶媒を重合反応槽に移送する配管内で窒素等の不活性ガスを混合する。
その一方で、重合反応をpH7以上で行うと、重合率が低下すると同時に、共重合性が充分とはならず、例えば、セメント混和剤用途に用いた場合に分散性能を充分に発揮できないおそれがある。そのため、重合反応においては、酸性から中性(好ましくはpH6未満、より好ましくはpH5.5未満、さらに好ましくはpH5未満)のpH領域で重合反応を行うことが好適である。このように重合系が酸性から中性となる好ましい重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物等の水溶性アゾ開始剤、過酸化水素、過酸化水素と有機系還元剤との組み合わせ等を用いることが好ましい。
このような本発明のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体を含む分散剤もまた、本発明の1つである。
中でも、本発明のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体は、上述したように極めて高度のセメント分散性能を発揮できることから、セメント混和剤用途に用いることが好適である。このように、上記オキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体を含むセメント混和剤もまた、本発明の1つである。
上記セメント混和剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができ、このような上記セメント混和剤を含んでなるセメント組成物もまた、本発明の1つである。
上記骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
他のセメント添加剤としては、例えば、以下に示すようなセメント添加剤(材)等の1種又は2種以上を使用することができる。中でも、オキシアルキレン系消泡剤や、AE剤を併用することが特に好ましい。
なお、セメント添加剤の添加割合としては、上記オキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体の固形分100質量部に対し、0.0001〜10質量部とすることが好適である。
(3)遅延剤:グルコン酸、リンゴ酸又はクエン酸、これらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸又はその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸又はその誘導体等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
<LCによるイタコン酸モノエステルの生成率測定>
装置:Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製 Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
カラム:Waters社製 Atlantis dC18 ガードカラム+カラム(粒径5μm、内径4.6mm×250mm×2本)
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)、多波長可視紫外(PDA)検出器(Waters 2996)
溶離液:アセトニトリル/100mM酢酸イオン交換水溶液=40/60(質量%)の混合物に30%NaOH水溶液を加えてpH4.0に調整したもの
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
試料液注入量:100μL(試料濃度1〜2質量%の溶離液溶液)
重合体の重量平均分子量、数平均分子量及びピークトップ分子量の測定は、以下の条件により行った。
装置:Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:東ソー(株)製、TSKguardcolumnsSWXL+TSKgel G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)、多波長可視紫外(PDA)検出器(Waters 2996)
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、更に酢酸でpH6.0に調整したもの
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、107000、50000、24000、12600、7100、4250、1470)
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成した
流量:1mL/分
カラム温度:40℃
測定時間:45分
試料液注入量:100μL(試料濃度0.5質量%の溶離液溶液)
得られたRIクロマトグラムにおいて、ポリマー溶出直前・溶出直後のベースラインにおいて平らに安定している部分を直線で結び、ポリマーを検出・解析した。図1は、得られたRIクロマトグラムの一例を示す。図1に示すように、モノマーやモノマー由来の不純物のピークがポリマーピークに一部重なって測定された場合、それらとポリマーの重なり部分の最凹部において垂直分割してポリマー部(図1中に示すS1)とモノマー部(図1中に示すS2)を分離し、ポリマー部のみの分子量・分子量分布を測定した。ポリマー部とそれ以外が完全に重なり分離できない場合はまとめて計算した。
またポリマーの収率の目安として、RI検出器によるピーク面積の比より、「ポリマー純分」を下記のようにして計算した。
ポリマー純分=(ポリマーピーク面積:S1)/(ポリマーピーク面積:S1+モノマーや不純物のピーク面積:S2)
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、温度センサーを備えたガラス製反応容器内に、無水イタコン酸(磐田化学株式会社製、261g)と、エチレンオキシドを平均付加モル数10付加させたメトキシポリエチレングリコール(株式会社日本触媒製、1000g)と、フェノチアジン(和光純薬工業社製、0.01g)を仕込み、250rpmで攪拌した。反応液が均一になってからメタンスルホン酸(和光純薬工業社製、45g)を添加して、90℃まで加温した。90℃で1時間反応後、室温まで冷却しイタコン酸エステル(1)を得た。LC分析の結果、イタコン酸モノエステルの生成率は89.77%、イタコン酸ジエステルの生成率は10.23%であった。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、温度センサーを備えたガラス製反応容器内に、無水イタコン酸(磐田化学株式会社製、443g)と、エチレンオキシドを平均付加モル数6付加させたメトキシポリエチレングリコール(株式会社日本触媒製、1000g)と、フェノチアジン(和光純薬工業社製、0.01g)を仕込み、250rpmで攪拌した。反応液が均一になってからメタンスルホン酸(和光純薬工業社製、43g)を添加して、90℃まで加温した。90℃で1時間反応後、室温まで冷却しイタコン酸エステル(2)を得た。
LC分析の結果、イタコン酸モノエステルの生成率は89.38%、イタコン酸ジエステルの生成率は10.62%であった。
開始剤溶液として、過硫酸アンモニウム(和光純薬工業社製、78g)にイオン交換水を加えて合計278gにした溶液を調製した。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、温度センサーを備えたガラス製反応容器内に製造例1で得たイタコン酸エステル(1)1000g、イオン交換水466.67gを仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。
続いて、上記開始剤溶液を1時間かけて反応容器中に滴下した。滴下完了後2時間、70℃に保って重合反応を完結させた後、室温まで冷却して、重合体(1)の水溶液を得た。
GPC分析の結果、重合体はMw=8200、Mp=5300、Mn=4300であった。また、重合体純分は96.57%であった。
重合反応を60℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、重合体(2)の水溶液を得た。
GPC分析の結果、重合体はMw=11800、Mp=8100、Mn=6800であった。また、重合体純分は85.75%であった。
重合反応を55℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、重合体(3)の水溶液を得た。
GPC分析の結果、重合体はMw=24200、Mp=23100、Mn=6800であった。また、重合体純分は96.57%であった。
開始剤溶液として、過硫酸アンモニウム(和光純薬工業社製、58g)にイオン交換水を加えて合計258gにした溶液を調製した。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、温度センサーを備えたガラス製反応容器内に製造例2で得たイタコン酸エステル(2)1000g、イオン交換水466.67gを仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。
続いて、上記開始剤溶液を1時間かけて反応容器中に滴下した。滴下完了後2時間、70℃に保って重合反応を完結させた後、室温まで冷却して、重合体(4)の水溶液を得た。
GPC分析の結果、重合体はMw=10800、Mp=5800、Mn=4300であった。また、重合体純分は100%であった。
単量体溶液として、エチレンオキシドを平均付加モル数9付加させたメトキシポリエチレングリコールのエステル化合物(新中村化学工業社製、1000g)、メタクリル酸(797g)、30%水酸化ナトリウム水溶液(62g)にイオン交換水を加えて、合計1859gとした。
開始剤溶液として、過硫酸アンモニウム(和光純薬工業社製、20g)にイオン交換水を加えて合計200gにした溶液を調製した。
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器内にイオン交換水560gを仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら80℃まで加温した。
続いて、上記単量体溶液を4時間、開始剤溶液を5時間かけて反応容器中に滴下した。滴下完了後1時間、80℃に保って重合反応を完結させた後、室温まで冷却して、比較重合体の水溶液を得た。
GPC分析の結果、重合体はMw=6500、Mp=4900、Mn=4300であった。また、重合体純分は95.08%であった。
実施例1〜4、及び、比較例1〜2で製造した重合体(1)〜(4)及び比較重合体をセメント混和剤として用いて、以下のようにしてモルタルのスランプフロー値を測定した。
比較例1及び2では、どちらも比較重合体を用いているが、比較例1では重合体の配合量を0.1質量%、比較例2では重合体の配合量を0.12質量%とした。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
砂:ISO基準砂
(2)モルタル配合量(g)
水=264
セメント=587
砂=1350
(3)試験方法
消泡剤としてMA404(BASFジャパン社製)を用いた。消泡剤は、モルタルに配合する水に予め溶かし、配合した。セメント100質量%に対する重合体及び消泡剤の配合量を表1に示す。
JIS R5201に記載の機械練り用練り混ぜ機を用い、同規格のモルタルフロー試験方法に準じて試験を行った。ただし、モルタルフロー試験での落下運動を行わず、コーンを上げただけでのフロー値を測定した。練り上げ直後と、注水から30分後のフロー値を測定した結果を表1に示す。
また、初期フロー値が同程度である実施例1と比較例2との比較から、オキシアルキレン基を有する特定のカルボン酸系単量体(A)由来の単量体単位を主体とする重合体(1)は、比較重合体に比べて、練り上げ直後と30分後のフロー値の変化が小さく、優れた保持性を有することが分かる。
以上から、本発明のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体がセメント混和剤として好適に用いることができる重合体であることが明確になった。
Claims (6)
- オキシアルキレン基を有するカルボン酸系単量体(A)由来の単量体単位を主体とするオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体であって、
該単量体(A)は、下記一般式(1)で表されるジカルボン酸系単量体が有する2つのCOOM基のうち少なくとも1つに、下記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコールが付加した構造を有することを特徴とするオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体。
- 前記オキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体は、全単量体単位100モル%に対して、50モル%を超える前記単量体(A)を含むことを特徴とする請求項1に記載のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体。
- 前記単量体(A)は、前記ジカルボン酸系単量体が有する2つのCOOM基のうちいずれか1つに前記ポリアルキレングリコールが付加した構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体。
- 前記オキシアルキレン基の平均付加モル数は、10〜300であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体。
- 前記オキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体の重量平均分子量は、5,000〜500,000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のオキシアルキレン基含有カルボン酸系重合体を含むことを特徴とする分散剤。
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