JP2014172434A - 非常用の掛かり構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】非常用の掛かり構造を、取り付けが簡便でありながら、車両の前後衝突に対応できる構成とすること。
【解決手段】非常用の掛かり構造ST3は、シートクッション3が車両衝突に伴う大荷重の入力を受けた際にフロアパネルFP上から剥離するのを防止するものであり、シートクッション3に設けられたU字状に曲げられた形のU字ワイヤ3F3aと、U字ワイヤ3F3aの両辺間に架橋された架橋ワイヤ3F3bと、フロアパネルFP上に設けられて上記U字ワイヤ3F3aと架橋ワイヤ3F3bとに囲まれた空間内に通されてセットされる曲がり部32A1を有する固定具32と、を有する。シートクッション3が車両の前後衝突時に押し動かされても、前突時にU字ワイヤ3F3aの曲げ返し部分が固定具32の曲がり部32A1に引掛かり、後突時に架橋ワイヤ3F3bが固定具32の本体部に引掛かることで、シートクッション3の剥離移動が阻止される。
【選択図】図9

Description

本発明は、非常用の掛かり構造に関する。詳しくは、フロア上に取り付けられたシートクッションが乗物の衝突などに伴う大荷重の入力を受けた際にフロア上から剥離するのを防止する非常用の掛かり構造に関する。
従来、車両用シートにおいて、シートクッションが車両の衝突発生時にフロア上から剥離しないように、フロアとの間に非常時に掛かり合う掛合構造が設けられた構成が知られている(特許文献1)。具体的には、上記掛合構造は、シートクッションの後部に設けられたフックが、フロア上に設けられたブラケットに対して、非常時に後方側から引掛けられるようにセットされて設けられた構成となっている。
特開2012−51439号公報
しかし、上記従来技術では、上述したフックとブラケットとの掛合構造が、車両の前部衝突の発生時にしか対応していないため、後部衝突の発生時にも対応できる構成とすることが望ましい。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、非常用の掛かり構造を、取り付け作業が簡便でありながら、車両の前後衝突に対応できる構成とすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の非常用の掛かり構造は次の手段をとる。
第1の発明は、フロア上に取り付けられたシートクッションが乗物の衝突などに伴う大荷重の入力を受けた際にフロア上から剥離するのを防止する非常用の掛かり構造である。この非常用の掛かり構造は、シートクッションに設けられたU字状に曲げられた形のU字ワイヤと、U字ワイヤの両辺間に架橋された架橋部材と、フロア上に設けられてU字ワイヤと架橋部材とによって囲まれた空間内に一方側から通されてセットされる突出部を有するブラケットと、を有する。シートクッションが乗物の前突又は後突によって押し動かされても、乗物の前突又は後突の一方の時にU字ワイヤの曲げ返し部分がブラケットの突出部に引掛かり、他方の時に架橋部材がブラケットの本体部に当たって引掛かることで、シートクッションのフロア上からの剥離が防止されるようになっている。
この第1の発明によれば、シートクッションは、そのU字ワイヤと架橋部材とによって囲まれた空間内にフロア上に設けられたブラケットの突出部を通した状態にセットされることにより、車両の前突又は後突のどちらの衝突が起こった場合にも、上記部材同士の引掛かりによってフロア上からの剥離が防止される。このように、非常用の掛かり構造を、取り付け作業が簡便でありながら、車両の前後衝突に対応できる構成とすることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。すなわち、架橋部材がブラケットの本体部に形成された凹部に当たって引掛かるようになっていると共に、架橋部材に架橋部材がシートクッションの衝突の弾みによる惰性によって凹部上に当たった位置から滑り外れるのを防止する、凹部に引掛かる鉤状に突出した引掛り部が形成されている。
この第2の発明によれば、架橋部材が凹部に当たって引掛かるようになっていることにより、架橋部材を凹部に対して上方側に外れないように拘束した状態に引掛けることができる。また、架橋部材に凹部上に当たった位置から滑り外れるのを防止する引掛り部が形成されていることにより、シートクッションをフロア上から剥離させないように粘り強く保持することができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成とされているものである。すなわち、ブラケットがシートバックをフロアに対して回転可能にヒンジ連結するためのヒンジブラケットの固定具によって構成され、U字ワイヤがシートクッションのパッド内に埋設されたフレームに固定された状態としてシート後方側に張り出して設けられている。
この第3の発明によれば、フロア上に固定されてシートバックを支えるような高い構造強度を備えたヒンジブラケットの固定具によって、非常時にシートクッションの剥離移動を阻止しなければならない高い構造強度が求められるブラケットを、部品点数を増大させることなく合理的に構成することができる。また、シートクッションに設けられるU字ワイヤをシートクッションのパッド内に埋設されたフレームに固定して設ける構成とすることにより、U字ワイヤを高い構造強度を備えた構成とすることができる。
実施例1の乗物用シートの取付構造を示す斜視図である。 シートクッションをフロア上に取り付けた状態を示す斜視図である。 シートクッションの外観斜視図である。 図2のIV部の装着前状態を示す(a)正面視縦断面(b)側面視縦断面図である。 同部の装着後状態を示す(a)正面視縦断面(b)側面視縦断面図である。 図2のVI部の拡大斜視図である。 同部が車両の後部衝突を受けて前側で掛かり合った状態を示す斜視図である。 同部が車両の前部衝突を受けて後側で掛かり合った状態を示す斜視図である。 図2のIX部の拡大斜視図である。 同部が車両の後部衝突を受けて前側で掛かり合った状態を示す斜視図である。 同部が車両の前部衝突を受けて後側で掛かり合った状態を示す斜視図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の非常用の掛かり構造ST3について、図1〜図11を用いて説明する。本実施例の非常用の掛かり構造ST3は、図1〜図2に示すように、自動車のリヤシート1のシートクッション3とフロアパネルFPとの間に設けられており、シートクッション3が車両の衝突などに伴う大荷重の入力を受けた際にフロアパネルFP上から剥離するのを防止するように機能するものとなっている。ここで、リヤシート1は、横幅の長い3人掛用のシートとして構成されており、着座乗員の背凭れとなる図示しないシートバックと、着座部となるシートクッション3と、を備えた構成となっている。シートクッション3は、3人掛け用の長い横幅を有したひと続きの構成となっているが、図示しないシートバックは、左右に6:4の比率で分割された構成となっている。
上述した6:4分割された図示しないシートバックの各部分は、それぞれ、それらの互いに内向する内側の下端部が、フロアパネルFP上に設けられたヒンジブラケット30の各可動具31に結合されており、フロアパネルFPに対してヒンジブラケット30の回転軸33まわりに前後回転することができる状態に枢着された状態とされている。また、上記分割された図示しないシートバックの各部分は、それらの外側の下端部が、それぞれ、フロアパネルFP上に設けられた図示しないヒンジ構造部に連結されており、フロアパネルFPに対して上記ヒンジブラケット30の回転軸33と同軸回りに前後回転することができる状態に枢着された状態とされている。上記分割された図示しないシートバックの各部分は、常時は、それらの車両外側の肩口部に設けられた各係合部が車体の各側壁部に設けられた被係合部に係合して回転止めされていることにより、それぞれの背凭れ角度が定位置に固定されて保持された状態とされている(図示省略)。
ここで、上述したヒンジブラケット30は、フロアパネルFP上に固定されたL字板状の固定具32と、固定具32の立板部分に回転軸33によって回転可能な状態に枢着された可動具31と、から成る構成となっている。固定具32は、そのL字状に折り曲げられた底板側の部分がフロアパネルFP上にボルト締結されて一体的に結合された状態とされており、その立板部分がシート幅方向に面を向けた状態として、前後方向にかけられる曲げの負荷に対して強い状態に配設された状態とされている。可動具31は、上記固定具32の左右両側の側部にそれぞれ設けられており、回転軸33によりそれぞれが個別に自由に回転することができるように固定具32に枢着された状態とされている。
シートクッション3は、その前部の左右2箇所に底面側に突出して設けられた各押込みワイヤ3F1bが、それぞれ、フロアパネルFP上の左右2箇所に設置された各差込み具10内に押し込まれて係合されることにより、フロアパネルFP上に一体的に結合されて取り付けられた状態とされている。このように、シートクッション3は、フロアパネルFPとの間に設けられた左右2箇所の押込み式の結合構造ST1により、フロアパネルFPに対して簡単な押し込み操作によって取り付けられるようになっている。
しかし、このような取り付けが簡単な押込み式の結合構造ST1だけでは、車両の衝突発生時に生じる大荷重には耐え切れず、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離してしまうおそれがある。そこで、このような大荷重に耐えられるようにするために、上記シートクッション3の前部の左右2箇所とフロアパネルFPとの間には、更に、シートクッション3が車両の衝突発生に伴う大荷重の入力を受けて前後方向に押し動かされることがあっても、互いに掛かり合うことでシートクッション3の剥離移動を防止する非常用の掛かり構造ST2が設けられている。これら非常用の掛かり構造ST2は、上述した各押込み式の結合構造ST1とそれぞれ横隣に並んで設けられた状態とされている。
また、シートクッション3の後方中央部とフロアパネルFP(前述したヒンジブラケット30の固定具32)との間にも、シートクッション3が車両の衝突発生に伴う大荷重の入力を受けて前後方向に押し動かされることがあっても、互いに掛かり合うことでシートクッション3の剥離移動を防止する非常用の掛かり構造ST3が設けられている。非常用の掛かり構造ST3が本発明の「非常用の掛かり構造」に相当し、ヒンジブラケット30の固定具32が本発明の「ブラケット」に相当する。
上述した各非常用の掛かり構造ST2,ST3は、それぞれ、上述した押込み式の結合構造ST1を押し込みによって結合させる際に、それらの非常時に掛かり合う部材同士を互いに前後方向に向かい合わせた状態となるように位置合わせするのみで、非常時にシートクッション3の剥離移動を防止するように機能するようになっている。具体的には、各非常用の掛かり構造ST2,ST3は、それぞれ、上述した押込み式の結合構造ST1を押し込みによって結合させた通常の状態時には、それぞれ、それらの非常時に掛かり合う部材同士が互いに前後方向に隙間を有して離間した状態に向かい合わされた状態とされており、シートクッション3が車両の衝突発生に伴う大荷重の入力を受けて前後方向に押し動かされることにより互いに相対的に接近する方向に押し動かされて掛かり合う構成とされている。
したがって、上記のような結合作業が簡単な押込み式の結合構造ST1と、上記結合作業時に位置合わせされて非常時に掛かり合うように動作する非常用の掛かり構造ST2,ST3とが組み合わされた構成により、シートクッション3のフロアパネルFPへの取付構造を、取り付けが簡素でありながら大荷重にも耐えられる構成とすることができる。以下、上述した押込み式の結合構造ST1と非常用の掛かり構造ST2,ST3の各構成について、シートクッション3の構成と併せて具体的に詳しく説明していく。
上述したシートクッション3は、図3に示すように、そのクッション構造を成す発泡ウレタン製のクッションパッド3Pの内部に、クッションパッド3Pの骨格を成す四角枠状に組まれた金属製のワイヤフレーム3Fが埋設された構成となっている。なお、上述したクッションパッド3Pの表面には、図示しない布製のクッションカバーが被せ付けられて張設された状態とされているが、本実施例では、上述したクッションパッド3P及びその内部に埋設されたワイヤフレーム3Fの構成を分かりやすく示すために、クッションカバーの図示及び説明は省略されている。ここで、クッションパッド3Pが本発明の「パッド」に相当し、ワイヤフレーム3Fが本発明の「フレーム」に相当する。
上述したワイヤフレーム3Fは、図1〜図2に示すように、クッションパッド3Pの前側部の骨格を成すフロントワイヤ3F1と、クッションパッド3Pの両外側の骨格を成す両サイドワイヤ3F2と、クッションパッド3Pの後側部の骨格を成すリヤワイヤ3F3と、がひとつに繋げられて、クッションパッド3Pの外周縁形状に沿って形を延ばす四角枠状に組まれた構成となっている。上述したワイヤフレーム3Fは、クッションパッド3Pの発泡成形時に成形型内にセットされることにより、同型内で発泡成形されたクッションパッド3P内に一体的に接着成形された状態となって形成された状態とされている。上述したワイヤフレーム3Fには、更に、上述したフロントワイヤ3F1の左右の端部間に前方側に張り出して架橋される形でシート幅方向に延びる形状出しワイヤ3F1cが一体的に付設されている。この形状出しワイヤ3F1cは、そのフロントワイヤ3F1の前側に張り出した形状によって、クッションパッド3Pの前側部の左右両側部に形成される前方側に膨らんだ形状を内側から支えて、同部の形状が上述した図示しないクッションカバーの張設力などによって潰れないようにするための形状出し部材として機能するものとなっている。
更に、上述したフロントワイヤ3F1の左右両端側の2箇所には、それぞれ、シート後方側にU字状に折り曲げられて両端がフロントワイヤ3F1に固定されて設けられた付設ワイヤ3F1aと、これら付設ワイヤ3F1aとフロントワイヤ3F1とによって囲まれた前後の各枠部間にそれぞれ横隣に並んで架橋されたU字状の押込みワイヤ3F1b及び引掛けワイヤ3F1dと、が一体的に付設されている。
各押込みワイヤ3F1bは、それぞれ、下方側にU字状に折り曲げられた形に形成されており、フロアパネルFP上の前方側の左右2箇所の位置に設置された各ブラケット20の差込孔21内に装着された樹脂製の差込み具10内にそれぞれ上方側から差し込まれることにより、各差込み具10によって抜け止めされた状態に装着されて保持されるようになっている。これら押込みワイヤ3F1bがフロアパネルFP上の各差込み具10内に差し込まれて抜け止めされた状態に結合される構成が、前述した押込み式の結合構造ST1に相当するものとなっている。これら押込み式の結合構造ST1により、シートクッション3をフロアパネルFP上に簡便に取り付けられるようになっている。なお、これら押込み式の結合構造ST1の具体的な構成については、後に、図4〜図5を用いて詳しく説明することとする。
また、上述した各押込みワイヤ3F1bの横隣に並んで設けられた各引掛けワイヤ3F1dは、それぞれ、各押込みワイヤ3F1bよりも浅く下方側にU字状に折り曲げられた形に形成されており、上述したフロアパネルFP上の左右2箇所に設置された各ブラケット20の差込孔21の横隣に並んで形成された各引掛け口22内にそれぞれ上方側から差し込まれて通された状態にセットされるようになっている。これにより、各引掛けワイヤ3F1dは、常時は、各ブラケット20の引掛け口22とは前後方向には係合していない状態に保持されるが、車両衝突が発生した非常時には、各引掛け口22に形成された前後いずれかの引掛け爪22Bとそれぞれ掛かり合って、シートクッション3の剥離移動を防止するように機能するようになっている(図6〜図8参照)。これら引掛けワイヤ3F1dが各ブラケット20の引掛け口22の引掛け爪22Bとそれぞれ掛かり合う構成が、前述した非常用の掛かり構造ST2に相当するものとなっている。なお、これら非常用の掛かり構造ST2の具体的な構成については、後に、図6〜図8を用いて詳しく説明することとする。
また、図1〜図2に示すように、上述したリヤワイヤ3F3の中間部には、シート後方側にU字状に張り出すように折り曲げられて両端がリヤワイヤ3F3に固定されて設けられたU字ワイヤ3F3aが一体的に付設されている。そして、上記U字ワイヤ3F3aの左右の枠部間には、L字状に折り曲げられた形の架橋ワイヤ3F3bがシート幅方向に一体的に架橋されて設けられている。上述したU字ワイヤ3F3aは、前述したフロアパネルFP上の後方中央部に設置されたヒンジブラケット30の固定具32から切り起こされて形成された切り起こし部32Aの先端の下方側に折れ曲がった形の曲がり部32A1に、そのU字を下方側から通すようにセットされるようになっている。これにより、U字ワイヤ3F3aは、その上部にかかるヒンジブラケット30の固定具32の切り起こし部32Aによって、上方側への剥離移動が抑えられた状態に保持されるようになっている。
上述したU字ワイヤ3F3aは、常時は、そのU字の曲げ返し部分(後端)と上述した曲がり部32A1とが前後方向に離間した配置とされると共に、架橋ワイヤ3F3bがヒンジブラケット30の固定具32と前後方向に離間した配置状態とされており、車両衝突が発生した非常時に、そのU字の曲げ返し部分(後端)が曲がり部32A1と掛かり合ったり、架橋ワイヤ3F3bがヒンジブラケット30の固定具32に掛かり合ったりして、シートクッション3の剥離移動を防止するように機能するようになっている(図9〜図11参照)。これらU字ワイヤ3F3aや架橋ワイヤ3F3bがフロアパネルFP上のヒンジブラケット30の固定具32と掛かり合う構成が、前述した非常用の掛かり構造ST3に相当するものとなっている。ここで、U字ワイヤ3F3aが本発明の「U字ワイヤ」に相当し、架橋ワイヤ3F3bが本発明の「架橋部材」に相当し、曲がり部32A1が本発明の「突出部」に相当する。なお、この非常用の掛かり構造ST3の具体的な構成については、後に、図9〜図11を用いて詳しく説明することとする。
ここで、図3に示すように、上述したクッションパッド3Pの後縁部には、その左右2箇所の部位に、図示しないシートベルト装置のバックルを下方側から通すために高さ方向に貫通したバックル通し孔3P1が形成されている。そのため、クッションパッド3Pの後側部に沿って通されているリヤワイヤ3F3は、これら2箇所のバックル通し孔3P1からの露出を避けるために、各バックル通し孔3P1の近傍箇所を通る2箇所の部位が、それぞれシート前方側にクランク状に折り曲げられた形に形成されている。上述したクッションパッド3Pは、上述したように、ワイヤフレーム3F全体を外部に露出させないように内部に埋設させた形に形成されているが、上述したリヤワイヤ3F3に付設されたU字ワイヤ3F3aのU字内箇所には、図1〜図2で上述したヒンジブラケット30の固定具32に形成された切り起こし部32Aの曲がり部32A1を上方側から内部に通せるようにするための曲がり部通し孔3P3が形成されている。
上述した曲がり部通し孔3P3は、リヤワイヤ3F3に付設されたU字ワイヤ3F3a及び架橋ワイヤ3F3bをそれぞれ外部に露呈させないようにこれらの間に空けられている。これにより、上述したU字ワイヤ3F3aや架橋ワイヤ3F3bが、それぞれ、クッションパッド3Pの形状によって外側から覆われた状態とされており、これらが通常時、車両走行時のガタ付きなどによって、曲がり部通し孔3P3に通された金属製の曲がり部32A1にそれぞれ直接接触して異音を発生させないように保護された状態とされている。また、上述したフロントワイヤ3F1に付設された各差込みワイヤも、クッションパッド3Pの底面部に部分的に下方側に膨らんで形成された形状部によって外側から覆われた状態とされており、これらが通常時、車両走行時のガタ付きなどによって、これらが通されている金属製のブラケット20にそれぞれ直接接触して異音を発生させないように保護された状態とされている。
なお、上述したフロントワイヤ3F1に付設された各押込みワイヤ3F1bは、クッションパッド3Pの底面部から下方側に突出して外部に露呈した状態となっている。これら押込みワイヤ3F1bは、前述したように樹脂製の差込み具10内に差し込まれて抜け止めされた状態に係合する構成となっているため、上記のような金属同士の接触に伴う異音は発生しないようになっている。
次に、図4〜図5を参照しながら、上述した各押込み式の結合構造ST1の構成について詳しく説明する。各押込み式の結合構造ST1は、上述したように、シートクッション3のフロントワイヤ3F1に付設されたU字状の各押込みワイヤ3F1bが、フロアパネルFP上に設置された各ブラケット20の差込孔21内に装着された樹脂製の各差込み具10内に上方側から押し込まれることにより、各差込み具10が各押込みワイヤ3F1bに弾性的に引掛けられるように係合して、各差込み具10内に抜け止めされた状態に装着される構成となっている。具体的には、上述した各差込み具10は、フロアパネルFP上に結合された台座状に立設する各ブラケット20の差込孔21内に上方側から差し込まれて取り付けられた状態とされている。
各差込み具10は、各ブラケット20の差込孔21内に一体的に装着された状態に固定される有底横長円筒型の固定部11と、固定部11の筒内に設けられて各押込みワイヤ3F1bが上方側から内部に押込まれることにより固定部11に底付きする位置まで押込まれて嵌合する可動部12と、を有した構成となっている。上記固定部11は、その頭部が差込孔21よりも広い外形を有した形状に形成されており、その下方側に延びる筒部が差込孔21内に上方側から差し込まれることにより、上記頭部の下部周縁に傘状に広がる形に形成されたスタビライザ11Cが、ブラケット20の上面に当接して係止される位置に装着された状態とされている。
可動部12は、上記固定部11の筒内に嵌め込まれて固定部11の筒形状に沿って高さ方向に摺動することができる状態に装着された有底横長円筒形状に形成されている。この可動部12は、上述した押込みワイヤ3F1bを上方側から内部に受け入れることのできる長円形状の受入孔12Aと、受入孔12Aの短手方向に対向する各壁部から受入孔12A内に向かって突出するように形成された各係止爪12Bと、可動部12の短手方向に対向する各壁部の上縁部に外側に張り出す形となって形成された各戻り防止爪12Cと、を有する形に形成されている。上記各係止爪12Bは、それぞれ、図4(a)に示すように、可動部12の各壁部にU字状に切込みが入れられることで、それらの上縁部のみが可動部12に繋がっていて、これらの上縁部を支点に全体が内外に撓み変形することができる構成とされており、図4(b)に示すように、それぞれ、自由状態時には、互いの先端同士を受入孔12A内に突出させて接近させた状態に保たれた状態とされている。
各係止爪12Bは、図5(a)(b)に示すように、押込みワイヤ3F1bが可動部12の受入孔12A内に押し込まれてくることにより、この押込みワイヤ3F1bによって押し退けられる形で互いの先端同士が引き離される方向に撓み変形し、押込みワイヤ3F1bが可動部12の底部12Dに底付きする位置まで押し込まれることにより、それぞれ復元変形して互いの先端同士を受入孔12A内で接近させた初期位置の状態に戻されるようになっている。
各戻り防止爪12Cは、図4(b)に示すように、可動部12に押込みワイヤ3F1bが押し込まれる前の初期時には、それらの外側に張り出した傾斜面形状が固定部11の上方側に傾斜した内周面上に乗り上がった状態として、固定部11のスタビライザ11Cよりも上方側に位置した状態(ブラケット20の差込孔21よりも上方側に位置した状態)に保持された状態とされている。各戻り防止爪12Cは、図5(b)に示すように、押込みワイヤ3F1bが可動部12の底部12Dに底付きする位置まで押し込まれた後、更なる押込みによって可動部12の底部12Dが固定部11の底部11Bに向けて底付きする位置まで押し込まれることにより、固定部11の筒内に弾性的に押し窄められながら入り込んでいき、それらの上縁部がブラケット20の差込孔21内に入り込んだところで、固定部11の壁部に形成された孔からその上縁部の爪形状を弾発力によって外側に張り出させて、同爪形状をブラケット20の差込孔21の内周面に下方側から引掛けて上方側に抜けないように係止させた状態となって保持されるようになっている。
そして、上記可動部12は、上記の押し込みによってその底部12Dが固定部11の底部11Bに底付きするまで押し込まれて、上記各戻り防止爪12Cがブラケット20の差込孔21に引掛けられて係止された状態となる時には、その両係止爪12Bが、固定部11の筒内の内径が狭められた狭小域11A内に押し込まれた状態となって、その外側への撓み変形が禁止されたロック状態へと移行するようになっている。このような状態となることにより、可動部12は、上記押込みワイヤ3F1bに上方側に引き抜かれる方向の力がかけられても、各戻り防止爪12Cの上縁部がブラケット20の差込孔21に引掛けられて抜け止めされていると共に、各係止爪12Bが固定部11の狭小域11Aにあって開けなくなっているために、押込みワイヤ3F1bを上記各係止爪12Bの先端と底部12Dとの間に挟み込んだ状態に保持し続けることができるようになっている。
次に、図6〜図8を参照しながら、上述した各押込み式の結合構造ST1と横隣に並んで設けられた各非常用の掛かり構造ST2の構成について詳しく説明する。図6に示すように、各非常用の掛かり構造ST2は、上述もしたように、シートクッション3のフロントワイヤ3F1に付設された各引掛けワイヤ3F1dが、フロアパネルFP上に設置された各ブラケット20の引掛け口22内に上方側から差し込まれて通されることにより、常時は各引掛け口22に形成された各引掛け爪22Bとは係合しないが、非常時に各引掛け口22に形成された前後どちらかの引掛け爪22Bに引掛けられてシートクッション3の剥離移動を防止する状態にセットされるようになっている。
ここで、各引掛け口22は、上述した各ブラケット20の上面部に貫通して形成されており、各引掛けワイヤ3F1dを上方側から通せるようにする四角孔状の通し孔22Aと、各通し孔22Aの前後側の各内周面上の中央位置から各通し孔22A内に向かって爪状に突出する引掛け爪22Bと、を有した形に形成されている。上述した各引掛け爪22Bは、それらの下面に各引掛けワイヤ3F1dのU字の曲げ返し部分(下端)を前方側或いは後方側から受け入れて、上方側へ逃がさないように拘束することのできる引掛け形状とされている。
上記各引掛け口22は、図6に示すように、シートクッション3がフロアパネルFP上に落とし込まれて取り付けられた状態とされる通常時には、それらの前後側の各面に形成された各引掛け爪22Bが、シートクッション3の各引掛けワイヤ3F1dとは当接しておらず、各引掛け爪22Bの方が各引掛けワイヤ3F1dよりも僅かに高い位置に配置されてはいるものの、両者は互いに前後方向に離間した配置状態とされるようになっている。したがって、各非常用の掛かり構造ST2は、上述したように互いに離間した非接触状態でセットされる構成となっていることにより、図1〜図2で前述したように、シートクッション3をフロアパネルFP上に落とし込んで取り付ける際には、上述した左右各側の押込み式の結合構造ST1を位置合わせして結合する作業によって、左右各側の各引掛けワイヤ3F1dが各引掛け口22内にそれぞれ通されるように位置合わせされるため、特段の位置合わせ作業を要することなく簡便に、各非常用の掛かり構造ST2を非常時に有効に機能させられる状態にセットすることができる。
上述した各非常用の掛かり構造ST2は、例えば、図7に示すように、車両の後部衝突が発生するなどして、シートクッション3に対して車両後方側への弾みの付いた大荷重が入力された場合に、シートクッション3がその弾みで後方側に変位する動きによって、その左右両側の各引掛けワイヤ3F1dがこれらを覆うクッションパッド3Pの形状部が引き裂かれながら各ブラケット20の引掛け口22の後側の内周面に当たって同側の引掛け爪22Bに引掛けられた状態(引掛け爪22Bを受け入れた状態)となり、シートクッション3の後方側及び上方側への移動を規制した状態となる。これにより、シートクッション3が後方側に大きく揺さぶられることがなくなるため、図2で前述したシートクッション3の前側の2箇所をフロアパネルFP上に結合している各押込み式の結合構造ST1が、無理な負荷を受けてこれらの結合状態が強制的に外されることが抑制されるようになっている。もしくは、各押込み式の結合構造ST1の結合状態が強制的に外されることがあっても、各非常用の掛かり構造ST2の引掛かりによって、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離されることが防止されるようになっている。
また、図8に示すように、各非常用の掛かり構造ST2は、車両の前部衝突が発生するなどして、シートクッション3に対して車両前方側への弾みの付いた大荷重が入力された場合には、シートクッション3がその弾みで前方側に変位する動きによって、その左右両側の各引掛けワイヤ3F1dがこれらを覆うクッションパッド3Pの形状部が引き裂かれながら各ブラケット20の引掛け口22の前側の内周面に当たって同側の引掛け爪22Bに引掛けられた状態(引掛け爪22Bを受け入れた状態)となり、シートクッション3の前方側及び上方側への移動を規制した状態となる。これにより、シートクッション3が前方側に大きく揺さぶられることがなくなるため、図2で前述したシートクッション3の前側の2箇所をフロアパネルFP上に結合している各押込み式の結合構造ST1が、無理な負荷を受けてこれらの結合状態が強制的に外されることが抑制されるようになっている。もしくは、各押込み式の結合構造ST1の結合状態が強制的に外されることがあっても、各非常用の掛かり構造ST2の引掛かりによって、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離されることが防止されるようになっている。
次に、図9〜図11を参照しながら、上述したシートクッション3の後方中央部とフロアパネルFPとの間に設けられた非常用の掛かり構造ST3の構成について詳しく説明する。図9に示すように、この非常用の掛かり構造ST3は、上述したように、シートクッション3のリヤワイヤ3F3に付設されたシート後方側に延びるU字ワイヤ3F3aが、そのU字内にフロアパネルFP上に設置されたヒンジブラケット30の固定具32に形成された切り起こし部32Aの曲がり部32A1に下方側から通されるように掬い掛けられることにより、常時はこの固定具32とは係合しないが、非常時にU字ワイヤ3F3a又はU字ワイヤ3F3aに架橋された架橋ワイヤ3F3bが上記曲がり部32A1又は固定具32の前縁部に形成された凹部32Bに引掛かってシートクッション3の剥離移動を防止する状態にセットされるようになっている。ここで、凹部32Bが本発明の「凹部」に相当する。
ここで、上述したU字ワイヤ3F3aは、図1〜図2に示すように、そのU字の両端がリヤワイヤ3F3に掛けられて固定された状態とされているが、図示右側のU字の一辺3F3a1がリヤワイヤ3F3との固定点よりも更にシート前方側に延び出してフロントワイヤ3F1にも掛けられて固定された状態とされている。これにより、U字ワイヤ3F3aは、その図示右側の一辺3F3a1が、リヤワイヤ3F3にもフロントワイヤ3F1にも固定されて強固に一体的に結合された状態とされている。また、ワイヤフレーム3Fにおいても、上記U字ワイヤ3F3aの図示右側の一辺3F3a1が、リヤワイヤ3F3とフロントワイヤ3F1との間に跨って架橋された状態とされていることにより、その横長な四角枠形状の中間部に、リヤワイヤ3F3とフロントワイヤ3F1とを繋げるワイヤが追加されて両者が互いに前後方向に離れにくいように補強された状態とされている。
そして、図9に示すように、上記U字ワイヤ3F3aの左右の枠部間には、これらと同じ太さで形成されたL字状に折り曲げられた形の架橋ワイヤ3F3bが架橋されている。上記架橋ワイヤ3F3bは、U字ワイヤ3F3aの図示向かって右側のU字の一辺3F3a1から右方側に延出した延長部3F3b1を有する構成となっており、同延長部3F3b1の延出した先の端部には、シート後方側に折り曲げられた形の折れ曲がり部3F3b2が形成されている。上記架橋ワイヤ3F3bは、上述したU字ワイヤ3F3aのU字内に上記固定具32の切り起こし部32Aの先端に形成された曲がり部32A1が通された状態では、その延長部3F3b1が固定具32の前縁部に形成された凹部32Bの前方側に離間した位置に配置された状態としてセットされるようになっている。
上述したU字ワイヤ3F3aに通された固定具32の曲がり部32A1は、その曲げられた鉤形状によって、U字ワイヤ3F3aの曲げ返し部分(後端)を後方側から受け入れて、上方側へ逃がさないように拘束することのできる引掛け部として機能するようになっている。また、固定具32の前縁部に形成された凹部32Bは、その凹み形状によって、U字ワイヤ3F3aの両枠部間に架橋された架橋ワイヤ3F3bの延長部3F3b1を前方側から受け入れて、上方側へ逃がさないように拘束することのできる引掛け部として機能するようになっている。
したがって、上述した非常用の掛かり構造ST3は、上述したように互いに離間した非接触状態でセットされる構成となっていることにより、図1〜図2で前述したように、シートクッション3をフロアパネルFP上に落とし込んで取り付ける際には、先ず、上述したU字ワイヤ3F3aを固定具32の曲がり部32A1に掬い掛けてから、シートクッション3の前側の各押込み式の結合構造ST1を位置合わせして結合することにより、上述したU字ワイヤ3F3aに架橋された架橋ワイヤ3F3bの延長部3F3b1が上記固定具32の凹部32Bの前方位置に位置合わせされるため、特段の位置合わせ作業を要することなく簡便に、非常用の掛かり構造ST3を非常時に有効に機能させられる状態にセットすることができる。
上述した非常用の掛かり構造ST3は、例えば、図10に示すように、車両の後部衝突が発生するなどして、シートクッション3に対して車両後方側への弾みの付いた大荷重が入力された場合に、シートクッション3がその弾みで後方側に変位する動きによって、上述したU字ワイヤ3F3aに架橋された架橋ワイヤ3F3bの延長部3F3b1が同部を覆うクッションパッド3Pの形状部が引き裂かれながら固定具32の前側の凹部32B内に入り込んで引掛けられた状態となり、シートクッション3の後方側及び上方側への移動を規制した状態となる。これにより、シートクッション3が後方側に大きく揺さぶられることがなくなるため、図2で前述したシートクッション3の前側の2箇所をフロアパネルFP上に結合している各押込み式の結合構造ST1が、無理な負荷を受けてこれらの結合状態が強制的に外されることが抑制されるようになっている。もしくは、各押込み式の結合構造ST1の結合状態が強制的に外されることがあっても、非常用の掛かり構造ST3の引掛かりによって、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離されることが防止されるようになっている。
詳しくは、上述した非常用の掛かり構造ST3は、図2に示すように、シートクッション3の幅方向の右寄りの領域部に設定されているため、上記車両の後部衝突の発生時には、その勢いで、架橋ワイヤ3F3bが固定具32の凹部32Bに当たった点を支点に、シートクッション3の重量比率の重い左側領域が更に後方側に大きく押し込まれるように偏って変位して、架橋ワイヤ3F3bが図示左方側に擦り動かされて外される方向に負荷を受けることがある。しかし、この非常用の掛かり構造ST3は、上述したような左右で偏った負荷がかけられても、図10に示されている架橋ワイヤ3F3bの右側の端部に形成された折れ曲がり部3F3b2が、固定具32の凹部32Bの右側面に引っ掛かることにより、架橋ワイヤ3F3bと凹部32Bとの引掛かり状態を強く維持することができるようになっている。
また、図11に示すように、上述した非常用の掛かり構造ST3は、車両の前部衝突が発生するなどして、シートクッション3に対して車両前方側への弾みの付いた大荷重が入力された場合には、シートクッション3がその弾みで前方側に変位する動きによって、上述したU字ワイヤ3F3aの曲げ返し部(後端)が同部を覆うクッションパッド3Pの形状部が引き裂かれながら固定具32の曲がり部32A1に当たって引掛けられた状態となり、シートクッション3の前方側及び上方側への移動を規制した状態となる。これにより、シートクッション3が前方側に大きく揺さぶられることがなくなるため、図2で前述したシートクッション3の前側の2箇所をフロアパネルFP上に結合している各押込み式の結合構造ST1が、無理な負荷を受けてこれらの結合状態が強制的に外されることが抑制されるようになっている。もしくは、各押込み式の結合構造ST1の結合状態が強制的に外されることがあっても、非常用の掛かり構造ST3の引掛かりによって、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離されることが防止されるようになっている。
このように、本実施例の非常用の掛かり構造ST3は、シートクッション3に設けられたU字状に曲げられた形のU字ワイヤ3F3aと、U字ワイヤ3F3aの両辺間に架橋された架橋ワイヤ3F3b(架橋部材)と、フロアパネルFP上に設けられてU字ワイヤ3F3aと架橋ワイヤ3F3bとによって囲まれた空間内に上方側(一方側)から通されてセットされる曲がり部32A1(突出部)を有するブラケット(ヒンジブラケット30の固定具32)と、を有する。シートクッション3が車両の前突又は後突によって押し動かされても、車両の前突又は後突の一方の時にU字ワイヤ3F3aの曲げ返し部分が上記固定具32の曲がり部32A1に引掛かり、他方の時に架橋ワイヤ3F3bが固定具32の本体部に当たって引掛かることで、シートクッション3のフロアパネルFP上からの剥離が防止されるようになっている。
このように、シートクッション3は、そのU字ワイヤ3F3aと架橋ワイヤ3F3bとによって囲まれた空間内にフロアパネルFP上に設けられた固定具32の曲がり部32A1を通した状態にセットされることにより、車両の前突又は後突のどちらの衝突が起こった場合にも、上記部材同士の引掛かりによってフロアパネルFP上からの剥離が防止される。このように、非常用の掛かり構造STを、取り付け作業が簡便でありながら、車両の前後衝突に対応できる構成とすることができる。
また、架橋ワイヤ3F3bが固定具32の本体部に形成された凹部32Bに当たって引掛かるようになっていると共に、架橋ワイヤ3F3bに架橋ワイヤ3F3bがシートクッション3の衝突の弾みによる惰性によって凹部32B上に当たった位置から滑り外れるのを防止する、凹部32Bに引掛かる鉤状に突出した折れ曲がり部3F3b2(引掛り部)が形成されている。このように、架橋ワイヤ3F3bが凹部32Bに当たって引掛かるようになっていることにより、架橋ワイヤ3F3bを凹部32Bに対して上方側に外れないように拘束した状態に引掛けることができる。また、架橋ワイヤ3F3bに凹部32B上に当たった位置から滑り外れるのを防止する折れ曲がり部3F3b2が形成されていることにより、シートクッション3をフロアパネルFP上から剥離させないように粘り強く保持することができる。
また、上記非常時にU字ワイヤ3F3aや架橋ワイヤ3F3bを引掛けるブラケットが、図示しないシートバックをフロアパネルFPに対して回転可能にヒンジ連結するためのヒンジブラケット30の固定具32によって構成され、U字ワイヤ3F3aがシートクッション3のクッションパッド3P(パッド)内に埋設されたワイヤフレーム3F(フレーム)に固定された状態としてシート後方側に張り出して設けられている。このような構成とされていることにより、フロアパネルFP上に固定されてシートバックを支えるような高い構造強度を備えたヒンジブラケット30の固定具32によって、非常時にシートクッション3の剥離移動を阻止しなければならない高い構造強度が求められるブラケットを、部品点数を増大させることなく合理的に構成することができる。また、シートクッション3に設けられるU字ワイヤ3F3aをシートクッション3のクッションパッド3P内に埋設されたワイヤフレーム3Fに固定して設ける構成とすることにより、U字ワイヤ3F3aを高い構造強度を備えた構成とすることができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明が対象とする「乗物用シート」は、自動車のリヤシート以外のシートであってもよく、鉄道等の自動車以外の車両に適用されるシートであってもよく、また、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートであってもよい。
また、フロア上に設けられて非常時にU字ワイヤや架橋部材を引掛けるように機能するブラケットは、上記実施例で示したようなシートバックをフロアに対して回転可能にヒンジ連結するためのヒンジブラケットの固定具によって構成されたものである必要はなく、別途、それ用に新たにフロア上に設けられるものであってもよい。または、何らかの目的でフロア上に設けられるブラケットを、上記ブラケットとして兼用させて機能させるようにしてもよい。
また、U字ワイヤと架橋部材とは、乗物の前突又は後突の一方の時にU字ワイヤの曲げ返し部分がブラケットの突出部に引掛かり、他方の時に架橋部材がブラケットの本体部に当たって引掛かることで、シートクッションのフロア上からの剥離を防止するようになっていればよく、どちらがどちらの時に引掛かるようになっていても構わない。また、上記実施例では、U字ワイヤが、平面視がU字状の形となるように曲げられて形成されたものを示したが、U字ワイヤは、側面視が横向きのU字状となる形(実施例1で示した形状を横向きに立てた形状)に形成したものであってもよい。また、上記U字ワイヤの両辺間に架橋される架橋部材は、ワイヤ状の部材に限らず、プレート状の部材であってもよい。
1 リヤシート
3 シートクッション
3P クッションパッド(パッド)
3P1 バックル通し孔
3P3 曲がり部通し孔
3F ワイヤフレーム(フレーム)
3F1 フロントワイヤ
3F1a 付設ワイヤ
3F1b 押込みワイヤ
3F1d 引掛けワイヤ
3F1c 形状出しワイヤ
3F1e 引掛けプレート
3F1e1 掛入孔
3F1f 引掛けプレート
3F1f1 くびれ部
3F2 サイドワイヤ
3F3 リヤワイヤ
3F3a U字ワイヤ(U字ワイヤ)
3F3a1 一辺
3F3b 架橋ワイヤ(架橋部材)
3F3b1 延長部
3F3b2 折れ曲がり部(引掛り部)
10 差込み具
11 固定部
11A 狭小域
11B 底部
11C スタビライザ
12 可動部
12A 受入孔
12B 係止爪
12C 戻り防止爪
12D 底部
20 ブラケット
21 差込孔
22 引掛け口
22A 通し孔
22B 引掛け爪
22C 引掛け壁
30 ヒンジブラケット
31 可動具
32 固定具(ブラケット)
32A 切り起こし部
32A1 曲がり部(突出部)
32B 凹部(凹部)
33 回転軸
ST1 押込み式の結合構造
ST2 非常用の掛かり構造
ST3 非常用の掛かり構造
FP フロアパネル

Claims (3)

  1. フロア上に取り付けられたシートクッションが乗物の衝突などに伴う大荷重の入力を受けた際にフロア上から剥離するのを防止する非常用の掛かり構造であって、
    前記シートクッションに設けられたU字状に曲げられた形のU字ワイヤと、
    該U字ワイヤの両辺間に架橋された架橋部材と、
    フロア上に設けられて前記U字ワイヤと前記架橋部材とによって囲まれた空間内に一方側から通されてセットされる突出部を有するブラケットと、を有し、
    前記シートクッションが乗物の前突又は後突によって押し動かされても、乗物の前突又は後突の一方の時に前記U字ワイヤの曲げ返し部分が前記ブラケットの前記突出部に引掛かり、他方の時に前記架橋部材が前記ブラケットの本体部に当たって引掛かることで、前記シートクッションの前記フロア上からの剥離が防止されるようになっていることを特徴とする非常用の掛かり構造。
  2. 請求項1に記載の非常用の掛かり構造であって、
    前記架橋部材が前記ブラケットの前記本体部に形成された凹部に当たって引掛かるようになっていると共に、前記架橋部材に該架橋部材が前記シートクッションの衝突の弾みによる惰性によって前記凹部上に当たった位置から滑り外れるのを防止する、前記凹部に引掛かる鉤状に突出した引掛り部が形成されていることを特徴とする非常用の掛かり構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非常用の掛かり構造であって、
    前記ブラケットがシートバックをフロアに対して回転可能にヒンジ連結するためのヒンジブラケットの固定具によって構成され、前記U字ワイヤが前記シートクッションのパッド内に埋設されたフレームに固定された状態としてシート後方側に張り出して設けられていることを特徴とする非常用の掛かり構造。
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