JP2014170992A - 振動子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より小型化が可能で、熱ストレスによる振動特性の変動がより抑制された振動子を提供する。
【解決手段】MEMS振動子の製造方法は、ウェハー基板1の主面上の窒化膜3に第1導電体層4を積層する工程と、第1導電体層を成形して第1の電極10を形成する工程と、窒化膜3に第2導電体層4を積層する工程と、第2導電体層を成形して第1の電極10と重ならない領域に固定部30を形成する工程と、第1の電極10および固定部30を覆うように犠牲層5を積層する工程と、犠牲層5を成形して、固定部30の少なくとも一部が露出する開口部6を形成する工程と、犠牲層5および開口部6を覆うように第3導電体層7を積層する工程と、第3導電体層7を成形して、ウェハー基板1を平面視したときに第1の電極10および固定部30と重なる領域を有する第2の電極20を形成する工程と、犠牲層5をエッチング除去する工程とを含む。
【選択図】図2
【解決手段】MEMS振動子の製造方法は、ウェハー基板1の主面上の窒化膜3に第1導電体層4を積層する工程と、第1導電体層を成形して第1の電極10を形成する工程と、窒化膜3に第2導電体層4を積層する工程と、第2導電体層を成形して第1の電極10と重ならない領域に固定部30を形成する工程と、第1の電極10および固定部30を覆うように犠牲層5を積層する工程と、犠牲層5を成形して、固定部30の少なくとも一部が露出する開口部6を形成する工程と、犠牲層5および開口部6を覆うように第3導電体層7を積層する工程と、第3導電体層7を成形して、ウェハー基板1を平面視したときに第1の電極10および固定部30と重なる領域を有する第2の電極20を形成する工程と、犠牲層5をエッチング除去する工程とを含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、振動子の製造方法に関する。
一般に、半導体微細加工技術を利用して形成されたMEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスと呼ばれる機械的に可動な構造体を備えた電気機械系構造体(例えば、振動子、フィルター、センサー、モーターなど)が知られている。この中で、MEMS振動子は、これまでの水晶や誘電体を使用した振動子・共振子と比較して、半導体回路を組み込んで製造することが容易であり、微細化、高機能化に対し有利であることから、その利用範囲が広まっている。
従来のMEMS振動子の代表例としては、振動子が設けられた基板面と平行な方向に振動する櫛型振動子と、基板の厚さ方向に振動する梁型振動子とが知られている。梁型振動子は、基板上に形成された下部電極(固定電極)と、この下部電極の上方に間隙を介して配置された上部電極(可動電極)などからなる振動子で、上部電極の支持の方法により、片持ち梁型(clamped‐free beam)、両持ち梁型(clamped‐clamped beam)、両端自由梁型(free‐free beam)などが知られている。
両端自由梁型のMEMS振動子は、振動する上部電極の振動の節の部分が支持部材によって支持されるため、基板への振動洩れが少なく振動の効率が高い。特許文献1には、この支持部材の長さを振動の周波数に対して適切な長さとすることにより振動特性を改善する技術が提案されている。
また、特許文献2には、表面MEMS構造とは異なるが、プリント基板を用いた耐久性の高い片持ち梁型の振動子の例が開示されている。
また、特許文献2には、表面MEMS構造とは異なるが、プリント基板を用いた耐久性の高い片持ち梁型の振動子の例が開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の梁型振動子では、更に小型化、微細化を進めた場合に、安定した振動特性が得られなくなるという課題があった。
具体的には、梁型振動子は、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に対して僅かな間隙を介して配置された可動電極からなる振動子であるため、小型化、微細化を進めた場合に、これら電極が配置される下地層(下層)との間に生ずる残留応力(熱応力などを含む内部応力)の影響を受けて、振動特性が変動してしまうという課題であった。振動特性の変動は、応力を受けることによって生ずる電極間の間隙の変動や、可動電極のスティフネスの変動などによるものであり、熱履歴によって、振動特性に温度ヒステリシスを示してしまうなどの課題もあった。
具体的には、梁型振動子は、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に対して僅かな間隙を介して配置された可動電極からなる振動子であるため、小型化、微細化を進めた場合に、これら電極が配置される下地層(下層)との間に生ずる残留応力(熱応力などを含む内部応力)の影響を受けて、振動特性が変動してしまうという課題であった。振動特性の変動は、応力を受けることによって生ずる電極間の間隙の変動や、可動電極のスティフネスの変動などによるものであり、熱履歴によって、振動特性に温度ヒステリシスを示してしまうなどの課題もあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係る振動子の製造方法は、基板の主面上に絶縁層を積層する工程と、前記絶縁層に第1導電体層を積層する第1導電体層積層工程と、前記第1導電体層を成形して第1の電極を形成する第1電極形成工程と、前記絶縁層に第2導電体層を積層する第2導電体層積層工程と、前記第2導電体層を成形して前記第1の電極と重ならない領域に固定部を形成する固定部形成工程と、前記第1の電極および前記固定部を覆うように犠牲層を積層する工程と、前記犠牲層を成形して、前記固定部の少なくとも一部が露出する開口部を形成する固定部開口工程と、前記犠牲層および前記開口部を覆うように第3導電体層を積層する工程と、前記第3導電体層を成形して、前記基板を平面視したときに前記第1の電極および前記固定部と重なる領域を有する第2の電極を形成する工程と、前記犠牲層をエッチング除去する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例に係る振動子の製造方法によれば、第2の電極は、固定部を介して絶縁層に固定される。つまり、絶縁層から第2の電極に伝達される応力(熱応力などを含む内部応力)は、固定部を介して伝達される構成となる。この構成によれば、固定部を応力緩和層として機能させることが可能となり、第2の電極が配置される下地層との間に生ずる残留応力の影響が軽減される。その結果、例えば、応力を受けることによって生ずる電極間の間隙の変動や、第2の電極(可動電極)のスティフネスの変動などが軽減され、熱履歴によって、振動特性に温度ヒステリシスを示してしまうなどの度合いも軽減される。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
[適用例2] 上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記固定部開口工程では、前記開口部を前記固定部の周縁部より内側に形成することを特徴とする。
本適用例によれば、開口部が固定部の周縁部より内側に形成される。換言すると、固定部は、第2の電極が固定部に接合する領域より広い範囲で絶縁層を覆う構成となる。
一般に、積層構造において、下層から伝達される応力(熱応力などを含む内部応力)は、下層に積層する積層体の周縁部に対して、より集中して作用する傾向にある。従って、絶縁層に積層されて設けられた固定部が、絶縁層から応力を受ける場合には、絶縁層からの応力が、固定部の周縁部により集中して作用する。本適用例によれば、固定部は、第2の電極が固定部に接合する領域より広い範囲で絶縁層を覆う構成となるため、絶縁層から作用する応力は、この固定部の周縁部の領域で吸収され、第2の電極に作用する応力を軽減することができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
一般に、積層構造において、下層から伝達される応力(熱応力などを含む内部応力)は、下層に積層する積層体の周縁部に対して、より集中して作用する傾向にある。従って、絶縁層に積層されて設けられた固定部が、絶縁層から応力を受ける場合には、絶縁層からの応力が、固定部の周縁部により集中して作用する。本適用例によれば、固定部は、第2の電極が固定部に接合する領域より広い範囲で絶縁層を覆う構成となるため、絶縁層から作用する応力は、この固定部の周縁部の領域で吸収され、第2の電極に作用する応力を軽減することができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
[適用例3] 上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記第1導電体層積層工程と前記第2導電体層積層工程とは、同一の工程であり、前記第1電極形成工程と前記固定部形成工程とは、同一の工程であることを特徴とする。
本適用例によれば、固定部の形成は、第1の電極の形成と同時に行なうことができる。固定部を形成するために新たに工程を追加する必要が無いため、上述したような振動特性が改善された振動子を効率的に製造することができる。
[適用例4] 上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記第2導電体層と前記第3導電体層とは同じ組成の材料で構成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第2導電体層と第3導電体層とが同じ組成の材料で構成されているため、それらによって形成される固定部、および固定部に積層して形成される第2の電極が同じ組成の材料で構成される。従って、固定部の熱膨張係数や内部応力が第2の電極のそれらと等しくなるために、固定部を設けることによって、新たに固定部から第2の電極が受ける応力はより小さくすることができる。その結果、より有効に固定部を応力緩和層として機能させることができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
[適用例5] 上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記第2導電体層を構成する材料の熱膨張係数をL0、前記絶縁層を構成する材料の熱膨張係数をL1、前記第3導電体層を構成する材料の熱膨張係数をL2としたとき、L1<L0≦L2または、L2≦L0<L1であることを特徴とする。
本適用例によれば、固定部を構成する材料の熱膨張係数の大きさが、固定部に積層される第2の電極の熱膨張係数の大きさと同じか、あるいは、第2の電極の熱膨張係数の大きさと固定部が積層する絶縁層の熱膨張係数の大きさとの間の大きさである。その結果、固定部は、熱膨張などにより発生する応力を絶縁層と第2の電極との間で緩和することができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。
(実施形態1)
実施形態1に係る振動子の製造方法としてのMEMS振動子100の製造方法について説明するに当たり、まず、MEMS振動子100の構成について説明する。
図1は、本実施形態の製造方法により製造されたMEMS振動子100の断面図である。
MEMS振動子100は、ウェハー基板の主面上に積層された犠牲層がエッチングされることにより形成される空間に配置された振動体を備える片持ち梁型の振動子である。
MEMS振動子100は、ウェハー基板1、酸化膜2、絶縁層としての窒化膜3、MEMS構造体9(第1の電極10、第2の電極20(振動体)、固定部30)などから構成されている。
実施形態1に係る振動子の製造方法としてのMEMS振動子100の製造方法について説明するに当たり、まず、MEMS振動子100の構成について説明する。
図1は、本実施形態の製造方法により製造されたMEMS振動子100の断面図である。
MEMS振動子100は、ウェハー基板の主面上に積層された犠牲層がエッチングされることにより形成される空間に配置された振動体を備える片持ち梁型の振動子である。
MEMS振動子100は、ウェハー基板1、酸化膜2、絶縁層としての窒化膜3、MEMS構造体9(第1の電極10、第2の電極20(振動体)、固定部30)などから構成されている。
ウェハー基板1は、シリコン基板であり、MEMS構造体9は、ウェハー基板1に順に積層された酸化膜2、窒化膜3の上部に形成されている。
なお、ここでは、ウェハー基板1の厚み方向において、ウェハー基板1の主面に順に酸化膜2および窒化膜3が積層される方向を上方向として説明している。
なお、ここでは、ウェハー基板1の厚み方向において、ウェハー基板1の主面に順に酸化膜2および窒化膜3が積層される方向を上方向として説明している。
MEMS構造体9は、固定下部電極としての第1の電極10と、可動上部電極(振動体)としての第2の電極20、および第2の電極20をウェハー基板1の主面上に固定する固定部30とを備えている。第2の電極20は、ウェハー基板1を平面視したときに、第1の電極10と重なる領域を有している。第1の電極10は、窒化膜3に積層された第1導電体層をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニング(成形)することで形成される。固定部30は、窒化膜3に積層された第2導電体層をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングすることで形成される。第2の電極20は、さらに上層に積層された第3導電体層をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングすることで形成される。
第1〜第3導電体層は、それぞれ好適例として導電性のポリシリコンで構成されているが、これに限定するものではない。ただし、IC回路を含めたワンチップMEMS振動子として構成する場合には、IC回路を構成する導電体層を活用することが好ましい。
第1〜第3導電体層は、それぞれ好適例として導電性のポリシリコンで構成されているが、これに限定するものではない。ただし、IC回路を含めたワンチップMEMS振動子として構成する場合には、IC回路を構成する導電体層を活用することが好ましい。
第1の電極10と第2の電極20との間には、間隙(空隙部50)が形成されている。空隙部50は、第1の電極10と第2の電極20との間に形成した犠牲層5(後述する図2(c)に図示)をエッチングにより除去(リリースエッチング)することによって形成されている。
犠牲層5がリリースエッチングされることで、空隙部50が構成され、第2の電極20が第1の電極10から遊離した片持ち構造の可動電極構造(MEMS構造体9)が形成されている。
第1の電極10および第2の電極20は、それぞれ配線により、外部回路と接続されている。(配線および外部回路は図示を省略している。)
このような構成において、MEMS振動子100は静電振動子として構成され、第1の電極10と第2の電極20との間に外部回路から交流電圧を印加すると、第1の電極10と第2の電極20との間に発生する静電力によって第2の電極20が振動する。
なお、MEMS構造体9は、上述した片持ち構造の可動電極構造に限定するものではなく、例えば、両持ち梁型や両端自由梁型の構造であっても良い。
犠牲層5がリリースエッチングされることで、空隙部50が構成され、第2の電極20が第1の電極10から遊離した片持ち構造の可動電極構造(MEMS構造体9)が形成されている。
第1の電極10および第2の電極20は、それぞれ配線により、外部回路と接続されている。(配線および外部回路は図示を省略している。)
このような構成において、MEMS振動子100は静電振動子として構成され、第1の電極10と第2の電極20との間に外部回路から交流電圧を印加すると、第1の電極10と第2の電極20との間に発生する静電力によって第2の電極20が振動する。
なお、MEMS構造体9は、上述した片持ち構造の可動電極構造に限定するものではなく、例えば、両持ち梁型や両端自由梁型の構造であっても良い。
次に、MEMS振動子100の製造方法について具体的に説明する。
図2(a)〜(e)は、MEMS振動子100の製造方法を順に示す工程図である。
MEMS振動子100の製造方法は、ウェハー基板1の主面上に窒化膜3を積層する工程、窒化膜3に第1導電体層を積層する第1導電体層積層工程、第1導電体層を成形して第1の電極10を形成する第1電極形成工程、窒化膜3に第2導電体層を積層する第2導電体層積層工程、第2導電体層を成形して第1の電極10と重ならない領域に固定部30を形成する固定部形成工程、第1の電極10および固定部30を覆うように犠牲層5を積層する工程、犠牲層5を成形して、固定部30の少なくとも一部が露出する開口部6(後述する図2(c)に図示)を形成する固定部開口工程、犠牲層5および開口部6を覆うように第3導電体層7(後述する図2(d)に図示)を積層する工程、第3導電体層7を成形して、ウェハー基板1を平面視したときに第1の電極10および固定部30と重なる領域を有する第2の電極20を形成する工程、犠牲層5をエッチング除去する工程を含んでいる。また、固定部30は、第2の電極20を構成する材料と同一の組成を有する材料で構成している。
以下、図を参照して具体的に説明する。
図2(a)〜(e)は、MEMS振動子100の製造方法を順に示す工程図である。
MEMS振動子100の製造方法は、ウェハー基板1の主面上に窒化膜3を積層する工程、窒化膜3に第1導電体層を積層する第1導電体層積層工程、第1導電体層を成形して第1の電極10を形成する第1電極形成工程、窒化膜3に第2導電体層を積層する第2導電体層積層工程、第2導電体層を成形して第1の電極10と重ならない領域に固定部30を形成する固定部形成工程、第1の電極10および固定部30を覆うように犠牲層5を積層する工程、犠牲層5を成形して、固定部30の少なくとも一部が露出する開口部6(後述する図2(c)に図示)を形成する固定部開口工程、犠牲層5および開口部6を覆うように第3導電体層7(後述する図2(d)に図示)を積層する工程、第3導電体層7を成形して、ウェハー基板1を平面視したときに第1の電極10および固定部30と重なる領域を有する第2の電極20を形成する工程、犠牲層5をエッチング除去する工程を含んでいる。また、固定部30は、第2の電極20を構成する材料と同一の組成を有する材料で構成している。
以下、図を参照して具体的に説明する。
図2(a):ウェハー基板1を準備し、主面に酸化膜2を積層する。酸化膜2は、好適例として、半導体プロセスの素子分離層として一般的なLOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化膜で形成しているが、半導体プロセスの世代によって、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)法による酸化膜であっても良い。
次に絶縁層としての窒化膜3を積層する。窒化膜3としては、Si3N4をLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)により成膜している。窒化膜3は、犠牲層5をリリースエッチングする際に使用するエッチング液としてのバッファードフッ酸に対して耐性があり、エッチングストッパーとして機能する。
次に絶縁層としての窒化膜3を積層する。窒化膜3としては、Si3N4をLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)により成膜している。窒化膜3は、犠牲層5をリリースエッチングする際に使用するエッチング液としてのバッファードフッ酸に対して耐性があり、エッチングストッパーとして機能する。
図2(b):次に、窒化膜3に導電体層4を積層する。導電体層4は、第1の電極10、第1の電極10を外部回路と接続する配線(図示省略)、固定部30などを構成するポリシリコン層であり、積層後にイオン注入をして所定の導電性を持たせる。次に、導電体層4をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングして、第1の電極10、配線、固定部30などを形成する。このように、上述した第1導電体層および第2導電体層は、導電体層4として同時に積層し、第1の電極10および固定部30は、フォトリソグラフィーおよびエッチングにより同時にパターニングして形成している。つまり、第1導電体層積層工程と第2導電体層積層工程とは、同一の工程であり、第1電極形成工程と固定部形成工程とは、同一の工程である。
なお、第1の電極10と固定部30とを異なる組成の層で構成する場合には、それぞれ別の工程として実施する。すなわち、第1導電体層を積層し第1の電極10をパターニングした後に、第2導電体層を積層し固定部30をパターニング形成する方法で行なう。この際、固定部30は、第1の電極10と重ならない領域に形成する。
なお、第1の電極10と固定部30とを異なる組成の層で構成する場合には、それぞれ別の工程として実施する。すなわち、第1導電体層を積層し第1の電極10をパターニングした後に、第2導電体層を積層し固定部30をパターニング形成する方法で行なう。この際、固定部30は、第1の電極10と重ならない領域に形成する。
図2(c):次に、第1の電極10および固定部30を覆うように犠牲層5を積層する。犠牲層5は、第1の電極10と第2の電極20とのギャップを形成するための犠牲層であり、CVD(Chemical Vapor Deposition)酸化膜で形成している。
次に、固定部開口工程として、犠牲層5をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングし、固定部30の一部が露出する開口部6を形成する。つまり、固定部開口工程では、開口部6を固定部30の周縁部より内側に形成する。但し、開口部6は、第2の電極20がウェハー基板1に固定される領域であるため、必要なスティフネスが得られる面積を開口する。
なお、犠牲層5は、半導体プロセスで用いられる層間膜(IMD(Inter Metal Dielectric))としてのTEOS(Tetraethoxysilane)を用い平坦化しても良い。半導体プロセスの世代によっては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などによる平坦化を行なっても良い。
次に、固定部開口工程として、犠牲層5をフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングし、固定部30の一部が露出する開口部6を形成する。つまり、固定部開口工程では、開口部6を固定部30の周縁部より内側に形成する。但し、開口部6は、第2の電極20がウェハー基板1に固定される領域であるため、必要なスティフネスが得られる面積を開口する。
なお、犠牲層5は、半導体プロセスで用いられる層間膜(IMD(Inter Metal Dielectric))としてのTEOS(Tetraethoxysilane)を用い平坦化しても良い。半導体プロセスの世代によっては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などによる平坦化を行なっても良い。
図2(d):次に、犠牲層5および開口部6を覆うように第3導電体層7を積層する。第3導電体層7は、第2導電体層(導電体層4)と同じポリシリコン層であり、積層後にフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングして、第2の電極20、第2の電極20を外部回路と接続する配線(図示省略)などを形成する。第2の電極20は、ウェハー基板1を平面視したときに第1の電極10および固定部30と重なる領域を有する電極として形成する。また、積層後にイオン注入をして所定の導電性を持たせる。
図2(e):次に、ウェハー基板1をエッチング液に晒し、犠牲層5をリリースエッチングすることで、第1の電極10と第2の電極20とのギャップを形成する。
以上によりMEMS振動子100が形成される。
以上によりMEMS振動子100が形成される。
なお、MEMS振動子100は、減圧状態に封止された空洞部に設置されることが好ましい。そのため、MEMS振動子100の製造に当たっては、空洞部を形成するための犠牲層や、この犠牲層を囲む側壁部、空洞部の蓋を形成する封止層などを合わせて形成しているが、ここでは説明を省略している。
以上述べたように、本実施形態による振動子の製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。図3を参照してその効果について具体的に説明する。図3は、図1のA部を拡大した断面図である。
本実施形態によるMEMS振動子100の場合、LPCVDで成膜した窒化膜3(Si3N4)の熱膨張係数は、1.6ppmであった。また、第2の電極20を構成するポリシリコンの熱膨張係数は、2.8ppmであった。従って、窒化膜3に第2の電極20を直接積層させ、高低温の温度ストレスをかけた場合には、窒化膜3と、第2の電極20との間に、熱膨張係数の違いによる熱応力が働く。しかしながら、本実施形態によるMEMS振動子100の場合、第2の電極20は、固定部30を介して窒化膜3に固定される。つまり、窒化膜3から第2の電極20に伝達される応力(熱応力などを含む内部応力)は、図3に示す厚さHの固定部30を介して伝達される構成となる。この構成によれば、固定部30を応力緩和層として機能させることが可能となり、第2の電極20が配置される下地層との間に生ずる残留応力の影響が軽減される。その結果、例えば、応力を受けることによって生ずる電極間の間隙の変動や、第2の電極20(可動電極)のスティフネスの変動などが軽減され、熱履歴によって、振動特性に温度ヒステリシスを示してしまうなどの度合いも軽減される。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
また、開口部6が固定部30の周縁部より内側に(図3に示すWの長さ内側に)形成される。換言すると、固定部30は、第2の電極20が固定部30に接合する領域より広い範囲で窒化膜3を覆う構成となる。
一般に、積層構造において、下層から伝達される応力(熱応力などを含む内部応力)は、下層に積層する積層体の周縁部に対して、より集中して作用する傾向にある。従って、窒化膜3に積層されて設けられた固定部30が、窒化膜3から応力を受ける場合には、窒化膜3からの応力が、固定部30の周縁部により集中して作用する。本実施形態による製造方法によれば、固定部30は、第2の電極20が固定部30に接合する領域より広い範囲で窒化膜3を覆う構成となるため、窒化膜3から作用する応力は、この固定部30の周縁部の領域で吸収され、第2の電極20に作用する応力を軽減することができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
なお、固定部30の厚さHや、開口部6を固定部30の周縁部より内側に配置する長さWなどは、求めるMEMS振動子100の振動特性(振動の精度に対応した必要な応力緩和の度合いなど)に対応させて適宜設定することが望ましい。
一般に、積層構造において、下層から伝達される応力(熱応力などを含む内部応力)は、下層に積層する積層体の周縁部に対して、より集中して作用する傾向にある。従って、窒化膜3に積層されて設けられた固定部30が、窒化膜3から応力を受ける場合には、窒化膜3からの応力が、固定部30の周縁部により集中して作用する。本実施形態による製造方法によれば、固定部30は、第2の電極20が固定部30に接合する領域より広い範囲で窒化膜3を覆う構成となるため、窒化膜3から作用する応力は、この固定部30の周縁部の領域で吸収され、第2の電極20に作用する応力を軽減することができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
なお、固定部30の厚さHや、開口部6を固定部30の周縁部より内側に配置する長さWなどは、求めるMEMS振動子100の振動特性(振動の精度に対応した必要な応力緩和の度合いなど)に対応させて適宜設定することが望ましい。
また固定部30の形成は、第1の電極10の形成と同時に行なっている。固定部30を形成するために新たに工程を追加する必要が無いため、上述したように振動特性が改善された振動子を効率的に製造することができる。
また、第3導電体層7は、第2導電体層(導電体層4)と同じポリシリコン層であり、同じ組成の材料で構成されているため、それらによって形成される固定部30、および固定部30に積層して形成される第2の電極20が同じ組成の材料で構成される。従って、固定部30の熱膨張係数や内部応力が第2の電極20のそれらと等しくなるために、固定部30を設けることによって、新たに固定部30から第2の電極20が受ける応力は、より小さくすることができる。その結果、より有効に固定部30を応力緩和層として機能させることができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(変形例1)
実施形態1では、第3導電体層7は、第2導電体層(導電体層4)と同じポリシリコン層であり、同じ組成の材料で構成しているとして説明したが、この構成に限定するものではなく、異なる組成の材料により構成しても良い。具体的には、第2導電体層を構成する材料の熱膨張係数をL0、絶縁層を構成する材料の熱膨張係数をL1、第3導電体層7を構成する材料の熱膨張係数をL2としたとき、L1<L0≦L2または、L2≦L0<L1となる構成の材料で構成しても良い。
つまり、固定部30を構成する材料の熱膨張係数の大きさが、固定部30に積層される第2の電極20の熱膨張係数の大きさと同じか、あるいは、第2の電極20の熱膨張係数の大きさと固定部30が積層する絶縁層の熱膨張係数の大きさとの間の大きさである。このようにすることで、第3導電体層7と第2導電体層(導電体層4)とで異なる組成の材料を使用した場合であっても、固定部30は、熱膨張などにより発生する応力を絶縁層と第2の電極20との間で緩和することができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
実施形態1では、第3導電体層7は、第2導電体層(導電体層4)と同じポリシリコン層であり、同じ組成の材料で構成しているとして説明したが、この構成に限定するものではなく、異なる組成の材料により構成しても良い。具体的には、第2導電体層を構成する材料の熱膨張係数をL0、絶縁層を構成する材料の熱膨張係数をL1、第3導電体層7を構成する材料の熱膨張係数をL2としたとき、L1<L0≦L2または、L2≦L0<L1となる構成の材料で構成しても良い。
つまり、固定部30を構成する材料の熱膨張係数の大きさが、固定部30に積層される第2の電極20の熱膨張係数の大きさと同じか、あるいは、第2の電極20の熱膨張係数の大きさと固定部30が積層する絶縁層の熱膨張係数の大きさとの間の大きさである。このようにすることで、第3導電体層7と第2導電体層(導電体層4)とで異なる組成の材料を使用した場合であっても、固定部30は、熱膨張などにより発生する応力を絶縁層と第2の電極20との間で緩和することができる。従って、振動特性のより安定した振動子を提供することができる。
1…ウェハー基板、2…酸化膜、3…窒化膜、4…導電体層、5…犠牲層、6…開口部、7…第3導電体層、9…MEMS構造体、10…第1の電極、20…第2の電極、30…固定部、50…空隙部、100…MEMS振動子。
Claims (5)
- 基板の主面上に絶縁層を積層する工程と、
前記絶縁層に第1導電体層を積層する第1導電体層積層工程と、
前記第1導電体層を成形して第1の電極を形成する第1電極形成工程と、
前記絶縁層に第2導電体層を積層する第2導電体層積層工程と、
前記第2導電体層を成形して前記第1の電極と重ならない領域に固定部を形成する固定部形成工程と、
前記第1の電極および前記固定部を覆うように犠牲層を積層する工程と、
前記犠牲層を成形して、前記固定部の少なくとも一部が露出する開口部を形成する固定部開口工程と、
前記犠牲層および前記開口部を覆うように第3導電体層を積層する工程と、
前記第3導電体層を成形して、前記基板を平面視したときに前記第1の電極および前記固定部と重なる領域を有する第2の電極を形成する工程と、
前記犠牲層をエッチング除去する工程と、を含むことを特徴とする振動子の製造方法。 - 前記固定部開口工程では、前記開口部を前記固定部の周縁部より内側に形成することを特徴とする請求項1に記載の振動子の製造方法。
- 前記第1導電体層積層工程と前記第2導電体層積層工程とは、同一の工程であり、
前記第1電極形成工程と前記固定部形成工程とは、同一の工程であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動子の製造方法。 - 前記第2導電体層と前記第3導電体層とは同じ組成の材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動子の製造方法。
- 前記第2導電体層を構成する材料の熱膨張係数をL0、前記絶縁層を構成する材料の熱膨張係数をL1、前記第3導電体層を構成する材料の熱膨張係数をL2としたとき、
L1<L0≦L2または、L2≦L0<L1
であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動子の製造方法。
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2013
- 2013-03-01 JP JP2013040400A patent/JP2014170992A/ja active Pending
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