JP2018027603A - 電子装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トレンチの内部を含む領域に犠牲層を形成し、その後に犠牲層をエッチングによって除去して電子装置を製造する際に、犠牲層のエッチング処理時間を従来よりも短縮して電子装置の生産性を向上させる。【解決手段】この電子装置の製造方法は、シリコン層13にトレンチ13aを形成する工程(a)と、トレンチ13aの内部を含む領域に、空洞31aを有する犠牲層31及び32を形成する工程(b)と、犠牲層31及び32をエッチングする工程(c)とを含む。【選択図】図11
Description
本発明は、振動子、センサー、又は、アクチュエーター等の機能素子を備えるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の電子装置の製造方法に関する。
例えば、シリコンMEMS等の電子装置の製造において、シリコン基板等に形成されたトレンチ(溝)の内部を含む領域に犠牲層が埋め込まれ、その後、エッチングによって犠牲層が除去される場合がある。深いトレンチに埋め込まれた犠牲層のエッチング処理には長時間を要するので、エッチング処理時間の短縮が要望されている。
関連する技術として、特許文献1には、基板と、基板の一面上に設けられたセンシング部としての薄膜構造部とを備えるセンサーの製造方法が開示されている。特許文献1の図12に示されているように、シリコン基板10にトレンチ14が形成され、トレンチ14を埋めるようにシリコン基板10の一面上に、PE−CVDやLP−CVD等により、犠牲層としてのシリコン酸化膜11及び11aが形成される。その後、トレンチ14内のシリコン酸化膜11a、及び、シリコン基板10の一面側のシリコン酸化膜11が、エッチングによって除去される。
しかしながら、特許文献1におけるように、PE−CVDやLP−CVD等によってトレンチを埋めるように犠牲層を形成すると、トレンチの深さ方向に犠牲層のエッチング処理を進行させる必要があるので、エッチング処理時間が増大してしまう。犠牲層のエッチング処理時間が増大すると、電子装置の生産性の低下や、除去しない他の層のエッチング耐性が問題となる。
本発明の幾つかの態様は、トレンチの内部を含む領域に犠牲層を形成し、その後に犠牲層をエッチングによって除去して電子装置を製造する際に、犠牲層のエッチング処理時間を従来よりも短縮して電子装置の生産性を向上させることに関連している。また、本発明の幾つかの態様は、犠牲層のエッチング処理時間を短縮することにより、除去しない他の層がエッチングされ難いようにすることに関連している。
本発明の第1の態様に係る電子装置の製造方法は、シリコン層にトレンチを形成する工程(a)と、トレンチの内部を含む領域に、空洞を有する犠牲層を形成する工程(b)と、犠牲層をエッチングする工程(c)とを備える。なお、本願において、「シリコン層」とは、シリコン基板でも良いし、多層基板の表面に配置される表面シリコン層でも良い。
本発明の第1の態様によれば、トレンチの内部を含む領域に、空洞を有する犠牲層を形成することにより、犠牲層をエッチングする際に、エッチング薬液が犠牲層の空洞に流れ込み、エッチングが横方向(トレンチの深さ方向に直交する方向)にも進行するので、犠牲層に空洞が設けられていない場合と比較して犠牲層のエッチング処理時間を短縮し、電子装置の生産性を向上させることができる。
ここで、工程(b)が、トレンチの内部を含む領域に、トレンチの深さ方向に沿って延在する空洞を有する犠牲層を形成することを含んでも良い。それにより、犠牲層をエッチングする際に、エッチング薬液がトレンチの深さ方向に行き渡るので、犠牲層のエッチング処理時間をさらに短縮することができる。
また、工程(b)が、シリコン層の表面を熱酸化することにより、トレンチの内壁を含むシリコン層の表面に、犠牲層の一部を構成して犠牲層の空洞に通じる開口を有する第1のシリコン酸化膜を形成する工程(b1)と、第1のシリコン酸化膜上に、CVD法によって、犠牲層の一部を構成する第2のシリコン酸化膜を形成することにより、第1のシリコン酸化膜の開口を封止する工程(b2)とを含んでも良い。それにより、犠牲層の空洞に通じる第1のシリコン酸化膜の開口が第2のシリコン酸化膜によって確実に封止されて、第2のシリコン酸化膜の主面が平坦になる。
その場合に、電子装置の製造方法が、工程(b)と工程(c)との間に、第2のシリコン酸化膜の一部の領域上に他の層を形成する工程(d)をさらに備えても良い。他の層を形成した後に犠牲層をエッチングする場合には、犠牲層のエッチング処理時間を短縮することにより、除去しない他の層がエッチングされ難いようにすることができる。
さらに、工程(d)が、第2のシリコン酸化膜を平坦化することなく、第2のシリコン酸化膜の一部の領域上に他の層を形成することを含んでも良い。CVD法によって形成される第2のシリコン酸化膜の主面は平坦になるので、その後に第2のシリコン酸化膜を平坦化しなくても、他の層を形成する際の段差による悪影響を低減することができる。
以上において、工程(a)が、シリコン層の第1の領域と第2の領域との間に複数のトレンチを形成することにより、シリコン層の第3の領域を第1及び第2の領域から分離することを含み、工程(b)が、シリコン層の表面を熱酸化することにより、第3の領域のシリコンが全部酸化されて生じたシリコン酸化膜を含む犠牲層を形成することを含んでも良い。それにより、複数のトレンチの内壁に形成された犠牲層が同時にエッチングされるので、犠牲層のエッチング処理時間をさらに短縮することができる。
また、シリコン層が、シリコン基板上に埋め込み酸化膜を介して形成されており、電子装置の製造方法が、工程(a)と工程(b)との間に、埋め込み酸化膜の一部を除去する工程をさらに備えても良い。トレンチの内部を含む領域に犠牲層を形成する前に埋め込み酸化膜の一部を除去することにより、トレンチの幅を有効に活用して埋め込み酸化膜のエッチング処理時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に係る電子装置の製造方法は、振動子、センサー、又は、アクチュエーター等の機能素子を備えるMEMS等の電子装置の製造に適用されるが、以下の実施形態においては、一例として、振動子を備える電子装置を製造する場合について説明する。
本発明に係る電子装置の製造方法は、振動子、センサー、又は、アクチュエーター等の機能素子を備えるMEMS等の電子装置の製造に適用されるが、以下の実施形態においては、一例として、振動子を備える電子装置を製造する場合について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子装置に設けられた振動子の例を示す平面図である。また、図2は、図1に示すII−IIにおける振動子の断面図であり、図3は、図1に示すIII−IIIにおける振動子の断面図である。なお、断面図において、断面の背景を示す線は省略されている。
この振動子は、シリコン基板又は多層基板を加工することによって製造される。例えば、多層基板として、SOI(シリコン・オン・インシュレーター)基板10を用いることができる。SOI基板10は、基層としてのシリコン基板11と、埋め込み酸化膜(BOX:buried oxide)12と、シリコン層(表面シリコン層)13とが、順に積層された基板である。例えば、シリコン基板11及びシリコン層13は、単結晶シリコンで構成され、埋め込み酸化膜12は、シリコン酸化膜(SiO2)で構成される。
振動子は、シリコン基板11と、シリコン基板11の一部の領域に配置された埋め込み酸化膜12と、シリコン層13で構成された振動体20と、振動体20の所定の領域に配置された第1のシリコン酸化膜31、第2のシリコン酸化膜32、及び、駆動素子40とを含んでいる。シリコン層13には、トレンチ(溝)13aが形成されている。
振動体20は、埋め込み酸化膜12によって支持された固定部21と、埋め込み酸化膜12が除去された領域上においてトレンチ13aによって固定部21以外の周囲のシリコン層13から分離された振動腕部22とを有している。固定部21から延在する振動腕部22は、アーム(腕)又はビーム(梁)とも呼ばれており、それによって、音叉型の振動体20が形成される。図1及び図3に示す例においては、振動体20が3つの振動腕部22を有している。また、図2に示すように、シリコン基板11には、振動腕部22の下方においてキャビティー11aが形成されても良い。
第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32は、振動子の共振周波数の温度特性を補償する温度特性調整膜を構成している。駆動素子40は、ポリシリコン膜41と、第1の電極42と、圧電体43と、第2の電極44と、複数の配線45とを含んでいる。ポリシリコン膜41は、例えば、不純物がドープされていないポリシリコンで構成され、アモルファス・ポリシリコンで構成されても良い。
本実施形態においては、ポリシリコン膜41が、振動体20との間で、第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32からなる温度特性調整膜を覆っている。それにより、ポリシリコン膜41は、駆動素子40の周囲のシリコン酸化膜のエッチングから温度特性調整膜を保護することができる。
第1の電極42及び第2の電極44は、圧電体43を挟むように配置されている。図1及び図3に示す例においては、3つの振動腕部22に対応して、3組の電極(第1の電極42及び第2の電極44)と、3つの圧電体43とが設けられている。複数の配線45は、隣り合う振動腕部22を逆相で振動させるように、3組の電極(第1の電極42及び第2の電極44)に電気的に接続されている。例えば、第1の電極42及び第2の電極44は、窒化チタン(TiN)等で構成され、圧電体43は、窒化アルミニウム(AlN)等で構成され、複数の配線45は、アルミニウム(Al)又は銅(Cu)等で構成される。
第1の電極42と第2の電極44との間に交流電圧が印加されると、それによって圧電体43が伸縮して、振動腕部22が振動する。その振動は、固有の共振周波数において大きく励起されて、振動子が負性抵抗として動作する。その結果、この振動子を用いた発振器が、主に振動腕部22の共振周波数によって決定される発振周波数で発振する。
振動腕部22の共振周波数の温度特性を補償するために、第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32が設けられている。シリコンは、温度が高くなるにつれて共振周波数が下降する特性を有しており、一方、シリコン酸化膜は、温度が高くなるにつれて共振周波数が上昇する特性を有している。従って、シリコンの振動体20上に第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32を順に配置することにより、振動腕部22と第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32とで構成される複合体の共振周波数の温度特性をフラットに近付けることができる。
<製造方法1>
次に、本発明の第1の実施形態に係る電子装置の製造方法について、図4〜図12を参照しながら説明する。図4〜図12は、本発明の第1の実施形態に係る電子装置の製造方法の第1〜第9の工程における断面図である。以下においては、一例として、振動体20に1つの振動腕部22が設けられる場合について説明するが、振動体20に複数の振動腕部22が設けられても良い。
次に、本発明の第1の実施形態に係る電子装置の製造方法について、図4〜図12を参照しながら説明する。図4〜図12は、本発明の第1の実施形態に係る電子装置の製造方法の第1〜第9の工程における断面図である。以下においては、一例として、振動体20に1つの振動腕部22が設けられる場合について説明するが、振動体20に複数の振動腕部22が設けられても良い。
まず、準備工程において、シリコン基板又は多層基板が用意される。図4に示す例においては、シリコン基板11と、埋め込み酸化膜12と、シリコン層13とが順に積層されたSOI(シリコン・オン・インシュレーター)基板10が用いられる。あるいは、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成し、シリコン酸化膜上にシリコン層を形成して、多層基板を作製しても良い。
第1の工程において、図4に示すように、SOI基板10のシリコン層13にトレンチ(溝)13aが形成される。例えば、シリコン層13上にフォトリソグラフィー法によってレジストを設けて、レジストをマスクとしてシリコン層13をエッチングすることにより、振動腕部22を固定部21(図2)以外の周囲のシリコン層13から分離するトレンチ13aが形成される。
次に、第2の工程において、図5に示すように、シリコン層13の表面を熱酸化することにより、トレンチ13a(図4)の内壁を含むシリコン層13の表面に、犠牲層の一部を構成する第1のシリコン酸化膜31が形成される。第1のシリコン酸化膜31は、トレンチ13aの内壁間に空洞(隙間)31aを有しており、さらに、空洞31aに通じる開口を主面(図中の上面)に有している。
次に、第3の工程において、図6に示すように、第1のシリコン酸化膜31上に、CVD(chemical vapor deposition:化学蒸着)法によって、犠牲層の一部を構成する第2のシリコン酸化膜32を形成することにより、第1のシリコン酸化膜31の開口が封止される。CVD法としては、プラズマCVD法が適している。
それにより、犠牲層の空洞31a(図5)に通じる第1のシリコン酸化膜31の開口が第2のシリコン酸化膜32によって確実に封止されて、第2のシリコン酸化膜32の主面(図中の上面)が平坦になる。第1のシリコン酸化膜31の開口の幅が狭いので、第2のシリコン酸化膜32の主面には、窪みが殆ど発生しない。
このようにして、第2の工程及び第3の工程において、トレンチ13aの内部を含む領域に、空洞31aを有する犠牲層が形成される。特に、トレンチ13aの深さ方向に沿って延在する空洞31aを有する犠牲層を形成することが望ましい。なお、犠牲層の一部は、トレンチ13aの上方にはみ出しても良い。
次に、第4の工程において、図7に示すように、第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32に、振動腕部22又は振動体20に達するトレンチ30aが形成される。例えば、振動腕部22又は振動体20の主面の少し内側に最小限のアライメント余裕を設けてトレンチ30aが形成される。トレンチ30aの幅は、例えば、0.5μm程度と小さくすることができる。
次に、第5の工程において、図8に示すように、第2のシリコン酸化膜32の一部の領域上に他の層が形成される。他の層は、金属配線等の導電膜、絶縁膜、又は、レジスト等を含んでも良いが、本実施形態においては、駆動素子40(図3)の一部を構成するポリシリコン膜41が形成される。ポリシリコン膜41は、例えば、不純物がドープされていないポリシリコンで構成される。
具体的には、まず、第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32のトレンチ30a(図7)を埋めるポリシリコン膜が、CVD法によって形成される。その後、ポリシリコン膜上にフォトリソグラフィー法によってレジストを設けて、レジストをマスクとしてポリシリコン膜がエッチングされる。
それにより、図8に示すように、振動腕部22又は振動体20上に順に形成された第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32の一部を覆うポリシリコン膜41が形成される。振動腕部22上に位置する第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32は、温度特性調整膜として利用される。
ポリシリコン膜41の厚さは、例えば、0.2μm程度である。CVD法によるポリシリコン膜41の埋め込み性は良好なので、後に行われる犠牲層のリリースエッチングから温度特性調整膜を保護する強固なポリシリコン膜41の壁を、小さい厚さで形成することができる。
次に、第6の工程において、図9に示すように、振動腕部22の上方のポリシリコン膜41上に、第1の電極42、圧電体43、及び、第2の電極44が、順に形成される。ポリシリコン膜41〜第2の電極44は、駆動素子40を構成する。このようにして、第5の工程及び第6の工程において、第2のシリコン酸化膜32上に駆動素子40が形成される。
図9において、振動腕部22の上方に位置する第2のシリコン酸化膜32の所定の領域上にポリシリコン膜41を形成しないことにより、第1の電極42が、第2のシリコン酸化膜32に直接接するようにしても良い。また、振動腕部22の周囲の振動体20の上方に形成されたポリシリコン膜41上に、第1の電極42を形成するようにしても良い。
次に、第7の工程において、図10に示すように、フォトリソグラフィー法によって、振動腕部22の上方に形成されたポリシリコン膜41との間で第1の電極42〜第2の電極44(図9)を覆う保護膜として、レジスト50が形成される。さらに、振動腕部22の周囲の振動体20の上方に形成されたポリシリコン膜41との間で第1の電極42(図9)を覆う保護膜として、レジスト50が形成されても良い。
なお、第1の電極42及び第2の電極44の材料として窒化チタン(TiN)を用い、圧電体43の材料として窒化アルミニウム(AlN)を用いる場合に、それらの材料は、駆動素子40の周囲の犠牲層をエッチングによって除去する際にエッチングされ難いので、駆動素子40を保護するための保護膜を設けなくても良い。
次に、第8の工程において、図11に示すように、犠牲層がリリースエッチングによって除去される。即ち、レジスト50をマスクとして、第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32で構成される犠牲層、及び、埋め込み酸化膜12の一部が、エッチング(ウエットエッチング)によって除去される。
その際に、まず、第1のシリコン酸化膜31の開口を封止する第2のシリコン酸化膜32がエッチングされて、エッチング薬液が犠牲層の空洞31a(図5)内に流れ込む。それにより、第1のシリコン酸化膜31が矢印の方向にエッチングされると共に、埋め込み酸化膜12の一部がエッチングされる。
次に、第9の工程において、レジスト50が剥離される。その結果、図12に示すような振動子が得られる。振動子は、シリコン基板11と、埋め込み酸化膜12と、シリコン層13で構成された振動体20とを含んでいる。振動体20の振動腕部22上には、第1のシリコン酸化膜31と、第2のシリコン酸化膜32と、駆動素子40とが、順に配置されている。駆動素子40は、ポリシリコン膜41と、第1の電極42と、圧電体43と、第2の電極44とを有している。
本実施形態によれば、トレンチ13aの内部を含む領域に、空洞31aを有する犠牲層を形成することにより、犠牲層をエッチングする際に、エッチング薬液が犠牲層の空洞31aに流れ込み、エッチングが横方向(トレンチ13aの深さ方向に直交する方向)にも進行するので、犠牲層に空洞31aが設けられていない場合と比較して犠牲層のエッチング処理時間を短縮し、電子装置の生産性を向上させることができる。
特に、第2の工程及び第3の工程において、トレンチ13aの内部を含む領域に、トレンチ13aの深さ方向に沿って延在する空洞31aを有する犠牲層が形成される場合には、犠牲層をエッチングする際に、エッチング薬液がトレンチ13aの深さ方向に行き渡るので、犠牲層のエッチング処理時間をさらに短縮することができる。
また、第2のシリコン酸化膜32の一部の領域上に他の層(例えば、図8に示すポリシリコン膜41)を形成した後に犠牲層をエッチングする場合には、犠牲層のエッチング処理時間を短縮することにより、除去しない他の層がエッチングされ難いようにすることができる。
その場合に、第2のシリコン酸化膜32を平坦化することなく、第2のシリコン酸化膜32の一部の領域上に他の層を形成しても良い。CVD法によって形成される第2のシリコン酸化膜32の主面は平坦になるので、その後に第2のシリコン酸化膜32を平坦化しなくても、他の層を形成する際の段差による悪影響を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、シリコン用の加工装置を用いてシリコン層13のトレンチ13aが形成された後に、トレンチ13aの内部を含む領域に犠牲層が埋め込まれた状態で、駆動素子40の第1の電極42や圧電体43等の比較的微細な加工が行われる。それにより、シリコン用の加工装置の金属汚染を防止すると共に、駆動素子40を精度良く形成し、その際、トレンチ13aの内部に駆動素子40の材料等が入り込むことを防止できる。
<製造方法2>
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子装置の製造方法について、図13〜図21を参照しながら説明する。図13〜図21は、本発明の第2の実施形態に係る電子装置の製造方法の第1〜第9の工程における断面図である。第2の実施形態においては、SOI基板10のシリコン層13に形成されるトレンチ13aの数が第1の実施形態におけるよりも多く、また、SOI基板10の埋め込み酸化膜12の一部が比較的初期の段階で除去される。その他の点に関しては、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様でも良い。
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子装置の製造方法について、図13〜図21を参照しながら説明する。図13〜図21は、本発明の第2の実施形態に係る電子装置の製造方法の第1〜第9の工程における断面図である。第2の実施形態においては、SOI基板10のシリコン層13に形成されるトレンチ13aの数が第1の実施形態におけるよりも多く、また、SOI基板10の埋め込み酸化膜12の一部が比較的初期の段階で除去される。その他の点に関しては、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様でも良い。
第1の工程において、図13に示すように、SOI基板10のシリコン層13の第1の領域(振動腕部22となる領域)と、第2の領域(固定部21(図2)以外の振動体20となる領域)との間に、複数のトレンチ13aを形成することにより、シリコン層13の第3の領域13bが、第1及び第2の領域から分離される。
次に、第2の工程において、図14に示すように、SOI基板10の埋め込み酸化膜12の一部が除去される。例えば、シリコン層13に形成された複数のトレンチ13aを通して埋め込み酸化膜12にエッチング薬液を供給することにより、埋め込み酸化膜12の一部がウエットエッチングによって除去される。
次に、第3の工程において、図15に示すように、シリコン層13の表面を熱酸化することにより、トレンチ13a(図14)の内壁を含むシリコン層13の表面に、犠牲層の一部を構成する第1のシリコン酸化膜31が形成される。第1のシリコン酸化膜31は、トレンチ13aの内壁間に複数の空洞(隙間)31aを有しており、さらに、複数の空洞31aに通じる複数の開口を主面に有している。
図15に示す例においては、第1のシリコン酸化膜31が、シリコン層13の第3の領域13b(図14)のシリコンが全部酸化されて生じたシリコン酸化膜31bと、埋め込み酸化膜12が除去された領域のシリコン基板11及びシリコン層13が一部酸化されて生じたシリコン酸化膜31cとを含んでいる。
次に、第4の工程において、図16に示すように、第1のシリコン酸化膜31上に、CVD法によって、犠牲層の一部を構成する第2のシリコン酸化膜32を形成することにより、第1のシリコン酸化膜31の複数の開口が封止される。CVD法としては、プラズマCVD法が適している。
それにより、犠牲層の複数の空洞31a(図15)に通じる第1のシリコン酸化膜31の複数の開口が第2のシリコン酸化膜32によって確実に封止されて、第2のシリコン酸化膜32の主面が平坦になる。第1のシリコン酸化膜31の開口の幅が狭いので、第2のシリコン酸化膜32の主面には、窪みが殆ど発生しない。
このようにして、第3の工程及び第4の工程において、複数のトレンチ13aの内部を含む領域に、複数の空洞31aを有する犠牲層が形成される。特に、トレンチ13aの深さ方向に沿って延在する複数の空洞31aを有する犠牲層を形成することが望ましい。なお、犠牲層の一部は、トレンチ13aの上方にはみ出しても良い。
次に、第5の工程において、図17に示すように、第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32に、振動腕部22又は振動体20に達するトレンチ30aが形成される。例えば、振動腕部22又は振動体20の主面の少し内側に最小限のアライメント余裕を設けてトレンチ30aが形成される。
次に、第6の工程において、図18に示すように、第2のシリコン酸化膜32の一部の領域上に駆動素子40が形成される。即ち、振動腕部22の上方の第2のシリコン酸化膜32上に、ポリシリコン膜41、第1の電極42、圧電体43、及び、第2の電極44が、順に形成される。また、振動腕部22の周囲の振動体20の上方の第2のシリコン酸化膜32上に、ポリシリコン膜41及び第1の電極42を順に形成するようにしても良い。
次に、第7の工程において、図19に示すように、フォトリソグラフィー法によって、振動腕部22の上方に形成されたポリシリコン膜41との間で第1の電極42〜第2の電極44(図18)を覆う保護膜として、レジスト50が形成される。さらに、振動腕部22の周囲の振動体20の上方に形成されたポリシリコン膜41との間で第1の電極42(図18)を覆う保護膜として、レジスト50が設けられても良い。
次に、第8の工程において、図20に示すように、犠牲層がリリースエッチングによって除去される。即ち、レジスト50をマスクとして、第1のシリコン酸化膜31及び第2のシリコン酸化膜32で構成される犠牲層、及び、埋め込み酸化膜12の一部が、エッチング(ウエットエッチング)によって除去される。
その際に、まず、第1のシリコン酸化膜31の開口を封止する第2のシリコン酸化膜32がエッチングされて、エッチング薬液が犠牲層の空洞31a(図15)内に流れ込む。それにより、第1のシリコン酸化膜31が矢印の方向にエッチングされると共に、埋め込み酸化膜12の一部がエッチングされる。
次に、第9の工程において、レジスト50が剥離される。その結果、図21に示すような振動子が得られる。第2の実施形態によれば、図13に示すように、第1の領域(振動腕部22となる領域)と、第2の領域(固定部21(図2)以外の振動体20となる領域)との間に、複数のトレンチ13aを形成することにより、複数のトレンチ13aの内壁に形成された犠牲層が同時にエッチングされるので、犠牲層のエッチング処理時間をさらに短縮することができる。
また、図14に示すように、トレンチ13aの内部を含む領域に犠牲層を形成する前に埋め込み酸化膜12の一部を除去することにより、トレンチ13aの幅を有効に活用して埋め込み酸化膜12のエッチング処理時間を短縮することができる。なお、第1の実施形態において、トレンチ13aの内部を含む領域に犠牲層を形成する前に埋め込み酸化膜12の一部を除去しても良いし、第2の実施形態において、トレンチ13aの内部を含む領域に犠牲層を形成した後に埋め込み酸化膜12の一部を除去しても良い。
以上の実施形態においては、SOI基板を用いて電子機器を製造する場合について説明したが、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、シリコン基板を用いて電子機器を製造する場合にも、本発明を適用することができる。このように、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
10…SOI基板、11…シリコン基板、11a…キャビティー、12…埋め込み酸化膜、13…シリコン層、13a…トレンチ、20…振動体、21…固定部、22…振動腕部、30a…トレンチ、31…第1のシリコン酸化膜、31a…空洞、32…第2のシリコン酸化膜、40…駆動素子、41…ポリシリコン膜、42…第1の電極、43…圧電体、44…第2の電極、45…配線、50…レジスト
Claims (7)
- シリコン層にトレンチを形成する工程(a)と、
前記トレンチの内部を含む領域に、空洞を有する犠牲層を形成する工程(b)と、
前記犠牲層をエッチングする工程(c)と、
を備える電子装置の製造方法。 - 工程(b)が、前記トレンチの内部を含む領域に、前記トレンチの深さ方向に沿って延在する空洞を有する犠牲層を形成することを含む、請求項1記載の電子装置の製造方法。
- 工程(b)が、
前記シリコン層の表面を熱酸化することにより、前記トレンチの内壁を含む前記シリコン層の表面に、前記犠牲層の一部を構成して前記犠牲層の空洞に通じる開口を有する第1のシリコン酸化膜を形成する工程(b1)と、
前記第1のシリコン酸化膜上に、CVD法によって、前記犠牲層の一部を構成する第2のシリコン酸化膜を形成することにより、前記第1のシリコン酸化膜の開口を封止する工程(b2)と、
を含む、請求項1又は2記載の電子装置の製造方法。 - 工程(b)と工程(c)との間に、前記第2のシリコン酸化膜の一部の領域上に他の層を形成する工程(d)をさらに備える、請求項3記載の電子装置の製造方法。
- 工程(d)が、前記第2のシリコン酸化膜を平坦化することなく、前記第2のシリコン酸化膜の一部の領域上に前記他の層を形成することを含む、請求項4記載の電子装置の製造方法。
- 工程(a)が、前記シリコン層の第1の領域と第2の領域との間に複数のトレンチを形成することにより、前記シリコン層の第3の領域を前記第1及び第2の領域から分離することを含み、
工程(b)が、前記シリコン層の表面を熱酸化することにより、前記第3の領域のシリコンが全部酸化されて生じたシリコン酸化膜を含む犠牲層を形成することを含む、
請求項1〜5のいずれか1項記載の電子装置の製造方法。 - 前記シリコン層が、シリコン基板上に埋め込み酸化膜を介して形成されており、
工程(a)と工程(b)との間に、前記埋め込み酸化膜の一部を除去する工程をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項記載の電子装置の製造方法。
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