JP2015019434A - 発電デバイス - Google Patents

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純矢 小川
Junya Ogawa
純矢 小川
規裕 山内
Norihiro Yamauchi
規裕 山内
後藤 浩嗣
Koji Goto
浩嗣 後藤
相澤 浩一
Koichi Aizawa
浩一 相澤
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Abstract

【課題】複数の対応周波数それぞれの振動で発電することが可能な発電デバイスを提供する。
【解決手段】発電デバイス1aは、支持部21及び支持部21に支持された振動ブロック2を有する基体20と、圧電変換部24と、基体20に形成され圧電変換部24に電気的に接続された第1パッド27a及び第2パッド27cと、を備える。振動ブロック2は、固定端2aからの距離が互いに異なる複数の錘部23と、支持部21と錘部23とを繋いだ第1梁部22aと、錘部23どうしを繋いだ第2梁部22bと、を備える。圧電変換部24は、第1電極24a、第1電極24aに対向する第2電極24c、及び第1電極24aと第2電極24cとの間にある圧電体層24bを有し、第1梁部22aと第2梁部22bとに形成されている。第1パッド27a、第2パッド27cは、対応する圧電変換部24の第1電極24a、第2電極24cに、それぞれ電気的に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動エネルギを電気エネルギに変換する振動式の発電デバイスに関するものである。
近年、振動エネルギを電気エネルギに変換する発電デバイスは、環境発電(エナジーハーベスティング)等の分野で注目され、各所で研究開発されている。この種の発電デバイスは、MEMS(micro electro mechanical systems)デバイスの一種として、車の振動や人の動きによる振動などの任意の振動に起因した振動エネルギを電気エネルギに変換する圧電変換部を備えた発電デバイスが各所で研究開発されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載された発電デバイスは、支持部、カンチレバー部及び錘部を有するデバイス基板と、カンチレバー部上に形成された圧電変換部と、を備えている。
特許文献1に記載された発電デバイスは、共振周波数が、所定の外部振動の周波数と一致するように構造設計されている。
特開2012−182187号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発電デバイスでは、共振周波数に一致する1つの対応周波数の振動で発電することしか想定されていない。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、複数の対応周波数それぞれの振動で発電することが可能な発電デバイスを提供することにある。
本発明の発電デバイスは、支持部及び前記支持部に支持された振動ブロックを有する基体と、前記振動ブロックに形成された圧電変換部と、前記基体に形成され前記圧電変換部に電気的に接続された第1パッド及び第2パッドと、を備え、前記振動ブロックは、固定端からの距離が互いに異なる複数の錘部と、前記支持部及び前記複数の錘部よりも厚みが薄く形成され、前記支持部と前記固定端に最も近い前記錘部とを繋いだ第1梁部と、前記支持部及び前記錘部よりも厚みが薄く形成され、前記固定端からの距離が互いに異なる前記錘部どうしを繋いだ第2梁部と、を備え、前記圧電変換部は、第1電極、前記第1電極に対向する第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極との間にある圧電体層を有し、前記第1梁部と前記第2梁部との少なくとも1つに形成され、前記第1パッド、前記第2パッドは、対応する前記圧電変換部の前記第1電極、前記第2電極に、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とする。
この発電デバイスにおいては、前記第1梁部に形成された前記圧電変換部と、前記第2梁部に形成された前記圧電変換部とは、前記第1電極どうしが分離独立して形成され、前記第2電極どうしが分離独立して形成されていることが好ましい。
この発電デバイスにおいては、前記複数の錘部のうちの1つの錘部に、2つの前記圧電変換部それぞれの前記第1電極と前記第2電極とに各別に電気的に接続された2つの前記第1パッドと2つの前記第2パッドとが形成されていることが好ましい。
この発電デバイスにおいては、前記第1梁部及び前記第2梁部は、Siよりもヤング率の小さな材料により形成されていることが好ましい。
本発明の発電デバイスは、複数の対応周波数それぞれの振動で発電することが可能となる。
図1(a)は、実施形態1の発電デバイスの概略平面図である。図1(b)は、図1(a)のX−X概略断面図である。 図2は、実施形態2の発電デバイスの概略平面図である。 図3は、実施形態2の発電デバイスの変形例の概略平面図である。 図4(a)は、実施形態3の発電デバイスの概略平面図である。図4(b)は、図4(a)のX−X概略断面図である。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の発電デバイス1aについて図1(a)、(b)に基づいて説明する。
発電デバイス1aは、支持部21及び支持部21に支持された振動ブロック2を有する基体20と、振動ブロック2に形成された圧電変換部24と、基体20に形成され圧電変換部24に電気的に接続された第1パッド27a及び第2パッド27cと、を備える。
振動ブロック2は、固定端2aからの距離が互いに異なる複数の錘部23を備える。また、振動ブロックは、支持部21及び複数の錘部23よりも厚みが薄く形成され、支持部21と固定端2aに最も近い錘部23とを繋いだ第1梁部22aを備える。また、振動ブロック2は、支持部21及び錘部23よりも厚みが薄く形成され、固定端2aからの距離が互いに異なる錘部23どうしを繋いだ第2梁部22bを備える。
圧電変換部24は、第1電極24a、第1電極24aに対向する第2電極24c、及び第1電極24aと第2電極24cとの間にある圧電体層24bを有する。圧電変換部24は、第1梁部22aと第2梁部22bとに形成されている。
第1パッド27a、第2パッド27cは、対応する圧電変換部24の第1電極24a、第2電極24cに、それぞれ電気的に接続されている。圧電変換部24は、第1梁部22aと第2梁部22bとの少なくとも1つに形成されていればよい。これにより、発電デバイス1aは、複数の対応周波数それぞれの振動で発電することが可能となる。
第1パッド27aは、第1配線26aを介して第1電極24aと電気的に接続されている。第2パッド27cは、第2配線26cを介して第2電極24cと電気的に接続されている。
また、発電デバイス1aは、第2配線26cと第1電極24aとの短絡を防止する絶縁層25を設けてある。
発電デバイス1aの各構成要素については、以下に詳細に説明する。
発電デバイス1aは、MEMSの製造技術を利用して製造されている。
発電デバイス1aは、基体20が、基材20aから形成されている。基材20aとしては、主表面が(100)面のシリコン基板を採用している。これにより、基体20の第1面201のうち支持部21、第1梁部22a、第2梁部23b及び各錘部23それぞれに対応する表面は、(100)面となっている。基材20aとしては、主表面が(100)面のシリコン基板を採用しているが、これに限らず、例えば、主表面が(110)面のシリコン基板でもよい。基体20は、第1面201側に第1梁部22a及び第2梁部22bが形成されている。発電デバイス1aにおける第1梁部22a及び第2梁部22bは、支持部21及び各錘部23に比べて厚み寸法が小さく、可撓性を有している。第1梁部22及び第2梁部22bは、弾性を有している。振動ブロック2は、支持部21に揺動自在に支持されている。
発電デバイス1aは、基体20と圧電変換部24とが、基体20の第1面201側に形成された第1絶縁膜29aによって、電気的に絶縁されている。第1絶縁膜29aは、例えば、シリコン酸化膜により構成することができる。発電デバイス1aは、基体20の厚み方向の第2面202側に、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜29bを備えている。第1絶縁膜29a及び第2絶縁膜29bは、例えば、熱酸化法により形成することができる。第1絶縁膜29a及び第2絶縁膜29bの形成方法は、熱酸化法に限らず、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等でもよい。第1絶縁膜29a及び第2絶縁膜29bは、シリコン酸化膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜や、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜、等により構成してもよい。
基材20aは、単結晶のシリコン基板に限らず、例えば、多結晶のシリコン基板、単結晶のシリコン基板上のシリコン酸化膜上に単結晶のシリコン層が形成されたSOI(Silicon on Insulator)基板、酸化マグネシウム(MgO)基板、金属板、ガラス基板、ポリマー基板等を用いることも可能である。
発電デバイス1aは、基材20aとしてSOI基板を採用した場合、製造時において、SOI基板のシリコン酸化膜を、第1梁部22a及び第2梁部22bの形成時のエッチングストッパ層として利用することができる。これにより、発電デバイス1aは、第1梁部22a及び第2梁部22bの厚さの高精度化を図れるとともに、信頼性の向上及び低コスト化を図ることが可能となる。
金属板の材料としては、例えば、チタン、ステンレス鋼等を採用することができる。発電デバイス1aは、基材20aとして金属板を採用した場合、梁部22が金属により形成されているので、第1梁部22a及び第2梁部22bに、より大きなひずみを発生させることが可能となる。発電デバイス1aは、基材20aとして、MgO基板やガラス基板やポリマー基板等の、電気絶縁性を有する絶縁性基板を用いる場合、第1絶縁膜29a及び第2絶縁膜29bを必ずしも設ける必要はない。
支持部21は、枠状の形状が好ましい。また、支持部21は、枠状の形状として、矩形枠状の形状を採用することが好ましい。つまり、支持部21は、外周形状が矩形状であるのが好ましい。これにより、発電デバイス1aは、製造時に、基材20aの基礎となるウェハを準備し、このウェハから多数の発電デバイス1aを形成する前工程を行い、後工程において個々の発電デバイス1aに分離するような製造方法を採用する場合に、ダイシング工程の作業性を向上させることが可能となる。基材20aがシリコン基板の場合には、ウェハとして、シリコンウェハを準備すればよい。
また、支持部21は、外周形状が矩形状であることが好ましいが、内周形状については矩形状に限らず、例えば、矩形状以外の多角形状や円形状、楕円形状等の形状でもよい。また、支持部21の外周形状は矩形状以外の形状でもよい。
各錘部23は、支持部21の内側面から離れて配置されている。発電デバイス1aは、各錘部23の平面視形状が矩形状であり、各錘部23の4つの側面の全てが支持部21から離れて位置している。要するに、各錘部23は、支持部21と空間的に分離されている。第1梁部22aは、基板20の第1面201側において、振動ブロック2の固定端2aに最も近い錘部23と支持部21とを繋ぐように配置されている。第2梁部22bは、振動ブロック2の長さ方向において隣り合う錘部23どうしを繋ぐように配置されている。
第1梁部22aの平面視形状は、矩形状としてあるが、これに限らない。例えば、第1梁部22aの平面視形状は、錘部23側を上底、支持部21側を下底とする台形状としてもよい。この場合、第1梁部22aは、支持部21から離れて錘部23に近づくにつれて幅寸法が徐々に小さくなる梁状に形成されている。第1梁部22aの長さは、第1梁部22aの軸線に沿った方向の長さ(図1(b)における第1梁部22aの左右方向の長さ)である。
第2梁部22bの平面視形状は、矩形状としてあるが、これに限らない。例えば、第2梁部22bの平面視形状は、固定端2aから遠い錘部23側を上底、固定端2aに近い錘部23側を下底とする台形状としてもよい。第2梁部22bの長さは、第2梁部22bの軸線に沿った方向の長さ(図1(b)における第2梁部22bの左右方向の長さ)である。
発電デバイス1aは、振動ブロック2における錘部23の数が複数であればよく、2つに限らず、3つ以上でもよい。発電デバイス1aは、錘部23の数が3つ以上の場合も、振動ブロック2の長さ方向において隣り合う錘部23どうしを繋いでいる梁状の部位の各々が、第2梁部22bを構成する。要するに、発電デバイス1aは、固定端2aからの距離が互いに異なる複数の第2梁部22bを備えていてもよい。
発電デバイス1aは、第1梁部22a、第2梁部22b及び各錘部23で構成される振動ブロック2が、平面視において支持部21の内側に配置されている。発電デバイス1aは、基体20に、基体20の厚み方向に貫通するスリット20dを形成することによって、振動ブロック2における支持部21との連結部位以外の部分が、支持部21と分離されている。発電デバイス1aは、1つのスリット20dが形成されている。スリット20dは、平面視形状が、U字状に形成されている。スリット20dの平面視形状は、振動ブロック2の平面視形状等によって適宜変更すればよい。
発電デバイス1aは、第1梁部22a、第2梁部22bそれぞれに圧電変換部24が形成されている。発電デバイス1aは、圧電変換部24が、第1梁部22aと第2梁部22bとの少なくとも1つに形成されていればよいが、第1梁部22aと第2梁部22bとの両方に圧電変換部24が形成されているほうが、発電量を大きくすることが可能となるので、好ましい。
発電デバイス1aは、支持部21の厚み寸法(図1(b)の上下方向の寸法)と各錘部23の厚み寸法(図1(b)の上下方向の寸法)とを同じ値に設定してあるが、これに限らない。例えば、発電デバイス1aは、支持部21の厚み寸法に比べて各錘部23の厚み寸法を小さな値としてもよい。また、発電デバイス1aは、複数の錘部23で厚み寸法を互いに異ならせてもよい。支持部21及び各錘部23の厚み寸法は、例えば、100〜1000μm程度の範囲で適宜設定すればよい。
第1梁部22aに形成する圧電変換部24(以下、「第1圧電変換部24」ともいう。)の幅寸法(図1(a)の上下方向の寸法)は、発電デバイス1aの製造プロセスの観点から、第1梁部22aの幅寸法(図1(a)の上下方向の寸法)よりもやや短い寸法に設定してある。第1圧電変換部24は、平面視形状が第1梁部22aよりもやや小さな矩形状に形成されている。第1圧電変換部24の幅寸法は、発電に寄与する領域の面積を大きくする観点から、第1梁部22aの幅寸法に近い値が好ましい。第1圧電変換部24の平面視形状は、矩形状に限らず、例えば台形状でもよい。
第1圧電変換部24は、第1梁部22aの厚み方向の第1面22a側に設けられている。第1圧電変換部24は、第1梁部22aの第1面22a側に設けられた第1電極24aと、第1電極24a上に設けられた圧電体層24bと、圧電体層24b上に設けられた第2電極24cと、を備えている。要するに、第1圧電変換部24は、圧電体層24bと、圧電体層24bを厚み方向の両側から挟んで互いに対向する第1電極24a及び第2電極24cを備えている。
発電デバイス1aは、第1圧電変換部24が、第1梁部22aの第1面22aを面状に覆うように形成されている。面状に覆うとは、第1梁部22aの第1面22aの略全面を覆うことを意味するが、第1面22aの全面を覆う場合に限らず、図1(a)に示すように、第1面22aの全面よりもやや狭い領域の全体を覆う場合が好ましい。発電デバイス1aは、第1圧電変換部24が、第1梁部22aの側縁付近で、第1梁部22aの側縁から第1規定距離だけ離れて位置するように配置されている。第1規定距離は、例えば、発電デバイス1aの製造時においてスリット20dを形成する際に、第1圧電変換部24がエッチングされないように設定するのが好ましい。
第2梁部22bに形成する圧電変換部24(以下、「第2圧電変換部24」ともいう。)の幅寸法(図1(a)の上下方向の寸法)は、発電デバイス1aの製造プロセスの観点から、第2梁部22bの幅寸法(図1(a)の上下方向の寸法)よりもやや短い寸法に設定してある。第2圧電変換部24は、平面視形状が第2梁部22bよりもやや小さな矩形状に形成されている。第2圧電変換部24の幅寸法は、発電に寄与する領域の面積を大きくする観点から、第2梁部22bの幅寸法に近い値が好ましい。第2圧電変換部24の平面視形状は、矩形状に限らず、例えば台形状でもよい。
第2圧電変換部24は、第2梁部22bの厚み方向の第1面22b側に設けられている。第2圧電変換部24は、第2梁部22bの第1面22b側に設けられた第1電極24aと、第1電極24a上に設けられた圧電体層24bと、圧電体層24b上に設けられた第2電極24cと、を備えている。要するに、第2圧電変換部24は、圧電体層24bと、圧電体層24bを厚み方向の両側から挟んで互いに対向する第1電極24a及び第2電極24cを備えている。
発電デバイス1aは、第2圧電変換部24が、第2梁部22bの第1面22bを面状に覆うように形成されている。面状に覆うとは、第2梁部22bの第1面22bの略全面を覆うことを意味するが、第1面22bの全面を覆う場合に限らず、図1(a)に示すように、第1面22bの全面よりもやや狭い領域の全体を覆う場合が好ましい。発電デバイス1aは、第2圧電変換部24が、第2梁部22bの側縁付近で、第2梁部22bの側縁から第2規定距離だけ離れて位置するように配置されている。第2規定距離は、例えば、発電デバイス1aの製造時においてスリット20dを形成する際に、第2圧電変換部24がエッチングされないように設定するのが好ましい。第2規定距離と第1規定距離とは、同じ値でもよいし、異なる値でもよい。
発電デバイス1aは、振動ブロック2のの振動によって圧電変換部24の圧電体層24bが応力を受け第2電極24cと第1電極24aとに電荷の偏りが発生し、圧電変換部24において交流電圧が発生する。要するに、発電デバイス1aは、圧電変換部24が圧電材料の圧電効果を利用して発電することができる。
圧電変換部24は、圧電体層24bの外形サイズが、第1電極24aの外形サイズよりもやや小さく、且つ、第2電極24cの外形サイズよりもやや大きいのが好ましい。要するに、圧電変換部24は、第1電極24aの外形サイズが最も大きく、圧電体層24bの外形サイズが2番目に大きく、第2電極24cの外形サイズが最も小さくなるように設計してあるのが好ましい。圧電変換部24は、平面視において、第1電極24aの外周線の内側に圧電体層24bが位置し、圧電体層24bの外周線の内側に第2電極24cが位置しているのが好ましい。
以下では、第1梁部22aの厚み方向において第1電極24aと圧電体層24bと第2電極24cとが重なっている領域を、第1圧電変換領域2411と称する。第1圧電変換部24は、第1圧電変換領域2411が、交流電圧の発生に寄与する。また、第2梁部22bの厚み方向において、第1電極24aと圧電体層24bと第2電極24cとが重なっている領域を、第2圧電変換領域2422と称する。第2圧電変換部24は、第2圧電変換領域2422が、交流電圧の発生に寄与する。
発電デバイス1aは、第1梁部22aの長さ方向において、第1圧電変換領域2411の支持部21側の端を、第1梁部22aと支持部21との境界(以下、「第1境界」という。)に揃えてあるのが好ましい。第1圧電変換領域2411の支持部21側の端を、第1境界に揃えることは、第1境界に略一致させることを意味する。これにより、発電デバイス1aは、第1梁部22aの長さ方向において、第1圧電変換領域2411の支持部21側の端が第1境界よりも第1梁部22a側にある場合に比べて、第1梁部22a上に存在する第1圧電変換領域2411の面積を大きくでき、発電効率を向上させることが可能となる。また、発電デバイス1aは、第1圧電変換領域2411の支持部21側の端が第1境界よりも支持部21側にある場合に比べて、第1圧電変換領域2411のうち発電に寄与せず寄生容量となってしまう部分を低減でき、発電効率を向上させることが可能となる。
発電デバイス1aは、第1梁部22aの長さ方向において、第1圧電変換領域2411の錘部23側の端を、第1梁部22aと錘部23との境界(以下、「第2境界」という。)に揃えてあるのが好ましい。第1圧電変換領域2411の錘部23側の端を、第2境界に揃えることは、第2境界に略一致させることを意味する。これにより、発電デバイス1aは、第1梁部22aの長さ方向において、第1圧電変換領域2411の錘部23側の端が第2境界よりも第1梁部22a側にある場合に比べて、第1梁部22a上に存在する第1圧電変換領域2411の面積を大きくでき、発電効率を向上させることが可能となる。また、発電デバイス1aは、第1圧電変換領域2411の錘部23側の端が第2境界よりも錘部23側にある場合に比べて、第1圧電変換領域2411のうち発電に寄与せず寄生容量となってしまう部分を低減でき、発電効率を向上させることが可能となる。
発電デバイス1aは、第2梁部22bの長さ方向において、第2圧電変換領域2422の両端それぞれを、両側それぞれの錘部23との境界(以下、「第3境界」、「第4境界」という。)に揃えてあるのが好ましい。第2圧電変換領域2422において固定端2aに近い錘部23側の端を、第3境界に揃えることは、第3境界に略一致させることを意味する。これにより、発電デバイス1aは、第2梁部22bの長さ方向において、第2圧電変換領域2422において固定端2aに近い錘部23側の端が第3境界よりも第2梁部22b側にある場合に比べて、第2梁部22b上に存在する第2圧電変換領域2422の面積を大きくでき、発電効率を向上させることが可能となる。また、発電デバイス1aは、第2圧電変換領域2422において固定端2aから遠い錘部23側の端が第4境界よりも固定端2a側にある場合に比べて、第2圧電変換領域2422のうち発電に寄与せず寄生容量となってしまう部分を低減でき、発電効率を向上させることが可能となる。
圧電体層24bの圧電材料としては、PZT(Pb(Zr,Ti)O3)を採用しているが、これに限らず、例えば、PZT−PMN(Pb(Mn,Nb)O3)やその他の不純物を添加したPZTでもよい。また、圧電材料は、AlN、ZnO、KNN(K0.5Na0.5NbO3)や、KN(KNbO3)、NN(NaNbO3)、KNNに不純物(例えば、Li、Nb、Ta、Sb、Cu等)を添加したもの等でもよい。なお、発電デバイス1aは、圧電体層24bが、圧電材料により形成された圧電薄膜により構成されている。
第1電極24aの材料としては、Ptを採用しているが、これに限らず、例えば、Au、Al、Ir等でもよい。また、第2電極24cの材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Ir等でもよい。
発電デバイス1aは、第1電極24aの厚みを100nm、圧電体層24bの厚みを600nm、第2電極24cの厚みを100nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。例えば、発電デバイス1aは、第1電極24aの厚みを500nm、圧電体層24bの厚みを3000nm、第2電極24cの厚みを500nmに設定してもよい。
発電デバイス1aは、基体20と第1電極24aとの間に緩衝層を設けた構造でもよい。緩衝層は、第1電極24a上の圧電体層24bの結晶性を向上させるために設ける層である。緩衝層の材料は、圧電体層24bの圧電材料に応じて適宜選択すればよく、圧電体層24bの圧電材料がPZTの場合には、例えば、SrRuO3、(Pb,La)TiO3、PbTiO3、MgO、LaNiO3等を採用することが好ましい。また、緩衝層は、例えば、Pt膜とSrRuO3膜との積層膜により構成してもよい。発電デバイス1aは、緩衝層を設けることにより、圧電体層24bの結晶性を向上させることが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
発電デバイス1aは、支持部21と振動ブロック2の長さ方向において固定端2aに近い錘部23とに、第1パッド27a及び第2パッド27cが設けられている。
支持部21に設けられた第1パッド27a(以下、「第1パッド27a」ともいう。)は、支持部21に設けられた第1配線26a(以下、「第1配線26a」ともいう。)を介して、第1圧電変換部24の第1電極24a(以下、「第1電極24a」ともいう。)と電気的に接続されている。支持部21に設けられた第2パッド27c(以下、「第2パッド27c」ともいう)は、支持部21に設けられた第2配線26c(以下、「第2配線26c」ともいう。)を介して、第1圧電変換部24の第2電極24c(以下、「第2電極24c」ともいう。)と電気的に接続されている。第1配線26a及び第2配線26cは、導体層により構成してある。発電デバイス1aは、第1電極24aと第1配線26aと第1パッド27aとを一体に形成してあるが、別々に形成して電気的に接続された構成としてもよい。また、発電デバイス1aは、第2電極24cと第2配線26cと第2パッド27cとを一体に形成してあるが、別々に形成して電気的に接続された構成としてもよい。
錘部23に設けられた第1パッド27a(以下、「第1パッド27a」ともいう。)は、錘部23に設けられた第1配線26a(以下、「第1配線26a」ともいう。)を介して、第2圧電変換部24の第1電極24a(以下、「第1電極24a」ともいう。)と電気的に接続されている。錘部23に設けられた第2パッド27c(以下、「第2パッド27c」ともいう。)は、錘部23に設けられた第2配線26c(以下、「第2配線26c」ともいう。)を介して、第2圧電変換部24の第2電極24cと電気的に接続されている。第1配線26a及び第2配線26cは、導体層により構成してある。発電デバイス1aは、第1電極24aと第1配線26aと第1パッド27aとを一体に形成してあるが、別々に形成して電気的に接続された構成としてもよい。また、発電デバイス1aは、第2電極24cと第2配線26cと第2パッド27cとを一体に形成してあるが、別々に形成して電気的に接続された構成としてもよい。
第1配線26a、第2配線26c、第1パッド27a及び第2パッド27cの材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Ir等でもよい。また、第1配線26a、第2配線26c、第1パッド27a及び第2パッド27cの材料は、同じ材料に限らず、別々の材料を採用してもよい。また、第1配線26a、第2配線26c、第1パッド27a及び第2パッド27cは、単層構造に限らず、2層以上の多層構造でもよい。
発電デバイス1aは、圧電変換部24ごとに、第2配線26cと第1電極24aの周部との間に、第2配線26cと第2電極24aとの短絡を防止する絶縁層25を設けてある。絶縁層25は、シリコン酸化膜により構成してある。絶縁層25は、シリコン酸化膜に限らず、電気絶縁性を有する薄膜であればよく、例えば、シリコン窒化膜により構成してもよい。
絶縁層25は、基体20の第1面201側に形成されている。絶縁層25は、圧電体層24bにおいて第2電極24cが接するエリアを規定するように構成されているのが好ましい。このため、絶縁層25の平面視形状は、下部電極24aおよび圧電層24bそれぞれの周部を覆う枠状に形成されているのが好ましい。これにより、発電デバイス1aは、第1圧電変換部24に対応して設けた絶縁層25(以下、「絶縁層25」ともいう。)により、第1圧電変換領域2411を規定することができる。また、発電デバイス1aは、第2圧電変換部24に対応して設けた絶縁層25(以下、「絶縁層25」ともいう。)により、第2圧電変換領域2422を規定することができる。
発電デバイス1aは、絶縁層25が、枠状の第1部位25dと、第1部位25dから第2配線26c及び第2パッド27cの下方まで延設された第2部位25eと、を備えている。これにより、発電デバイス1aは、第2配線26cの下地となる部分の段差を低減でき、圧電体層24bの膜厚を大きくしながらも第2配線26cの断線を抑制することが可能となり、発電効率の向上及び信頼性の向上を図ることが可能となる。しかも、発電デバイス1aは、第2パッド27cと基材20aとの間の寄生容量を低減することが可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となる。また、発電デバイス1aは、平面視において、第1電極24aの外周線の内側に圧電体層24bが位置し、圧電体層24bの外周線の内側に第2電極24cが位置している。これにより、発電デバイス1aは、第1電極24aと圧電体層24bと第2電極24cとが同じ外形サイズである場合に比べて、第2配線26cの下地となる部分の段差を低減でき、圧電体層24bの膜厚を大きくしながらも第2配線26cの断線を抑制することが可能となり、発電効率の向上及び信頼性の向上を図ることが可能となる。
発電デバイス1aに製造方法については、その一例について以下に簡単に説明する。
発電デバイス1aの製造にあたっては、まず、シリコン基板からなる基材20aを準備し、その後、第1工程を行う。第1工程では、熱酸化法等を利用して、基材20aの主表面側、裏面側にそれぞれ、シリコン酸化膜からなる第1絶縁膜29a、第2絶縁膜29bを形成する。第1工程では、第1絶縁膜29a、第2絶縁膜29bを形成する方法として熱酸化法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法等を採用してもよい。
第1工程の後には、第2工程、第3工程を順次行う。第2工程では、基材20aの主表面側の全面に、第1電極24a、第1配線26a及び第1パッド27aの基礎となる第1導電層を形成する。第1導電層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法等を採用してもよい。第3工程では、第1導電層上に、圧電体層24bの基礎となる圧電材料層を形成する。圧電材料層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法やゾルゲル法等を採用してもよい。
第3工程の後には、第4工程、第5工程を順次行う。第4工程では、圧電材料層を圧電体層24bの所定の形状にパターニングする。この第4工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して圧電材料層をパターニングする。第5工程では、第1導電層を第1電極24a、第1配線26c及び第1パッド27aの所定の形状にパターニングする。この第5工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して第1導電層をパターニングする。
第5工程の後には、第6工程、第7工程及び第8工程を順次行う。第6工程では、基材20aの主表面側に絶縁層25を形成する。第6工程では、リフトオフ法を利用して絶縁層25を形成する。第6工程において絶縁層25を形成する方法は、リフトオフ法を利用する方法に限らず、例えば、薄膜形成技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用する方法でもよい。第7工程では、第2電極24c、第2配線26c及び第2パッド27cの基礎となる第2導電層を基材20aの主表面側の全面に形成する。第2導電層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法等を採用してもよい。第8工程では、第2導電層を第2電極24c、第2配線26c及び第2パッド27cの所定の形状にパターニングする。第8工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して第2導電層をパターニングする。
第8工程の後には、第9工程を行う。第9工程では、基材20aの主表面側から、支持部21、第1梁部22a、第2梁部22b及び各錘部23以外の部位(スリット20dの形成予定領域)を第1所定深さまでエッチングすることで第1溝を形成する。第1所定深さは、例えば、第1梁部22a及び第2梁部22bの厚みに対応する深さに設定すればよい。第9工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術等を利用して第1溝を形成する。
第9工程の後には、第10工程を行う。第10工程では、基材20aの裏面側から支持部21及び各錘部23以外の部位をエッチングすることで第1溝に連通する第2溝を形成する。これにより、第10工程では、スリット20dが形成され、発電デバイス1aが形成される。
発電デバイス1aの製造にあたっては、第10工程が終了するまでをウェハレベルで行ってから、ダイシング工程を行うことで個々の発電デバイス1aに分割するようにしている。
発電デバイス1aの製造方法では、基材20aの主表面側の全面に第1導電層を形成した後で、基材20aの主表面側の全面に圧電材料層を形成してから、この圧電材料層をパターニングするようにしている。これにより、発電デバイス1aの製造方法では、基材20aの主表面側に第1電極24a、第1配線26c及び第1パッド27aを形成してから、圧電材料層を形成し、この圧電材料層をパターニングするような場合に比べて、圧電材料層及び圧電体層24bの結晶性を向上させることが可能となる。よって、発電デバイス1aの製造方法では、発電デバイス1aの発電効率の向上を図ることが可能となる。
また、発電デバイス1aの製造方法は、上述の例に限らない。例えば、第1導電層上に圧電材料層を形成するにあたっては、基材20a(以下、「第1基材20a」ともいう。)よりも圧電材料層との格子整合性の良い第2基材の主表面側に圧電材料層を形成したものを準備した後で、第2基材を透過するレーザ光を利用して圧電材料層を第1基材20aの主表面側に転写するようにしてもよい。このような製造方法では、圧電材料層の結晶性を向上させることが可能となる。例えば、発電デバイス1aの製造方法では、圧電材料層の圧電材料がPZTであり、第1基材20aとしてシリコン基板や金属板を用いている場合、第2基材としてMgO基板を用いることにより、圧電材料層の結晶性を向上させることが可能となる。また、発電デバイス1aの製造方法では、MgO基板を再利用することが可能となるので、第1基材20aとしてシリコン基板や金属板よりも高価なMgO基板を用いる場合に比べて、低コスト化を図ることが可能となる。なお、発電デバイス1aの製造方法では、第2基材の主表面側に圧電材料層を形成する場合、適宜の緩衝層やシード層を介して圧電材料層を形成することによって、圧電材料層の結晶性をより向上させることが可能となる。特に、発電デバイス1aは、基材20aとして金属板を採用する場合、圧電体層24bを、転写工程によって形成することが好ましい。
発電デバイス1aは、圧電体層24bの結晶性が向上することにより、発電効率の向上を図ることが可能となり、高出力化を図ることが可能となる。
発電デバイス1aは、上述のように、圧電変換部24が、第1電極24aと圧電体層24bと第2電極24cとで構成されている。これにより、発電デバイス1aは、振動ブロック2の振動によって圧電変換部24の圧電体層24bがひずみを受けて、第1電極24aと第2電極24cとに電荷の偏りが発生し、圧電変換部24において交流電圧が発生することが可能となっている。
発電デバイス1aは、圧電体層24bの比誘電率をε、発電指数をPとすると、P∝e31 2/εの関係が成り立ち、発電指数Pが大きいほど発電効率が大きくなる。ここで、発電指数Pは、圧電定数e31の2乗に比例する。発電デバイス1aは、圧電材料としてPZTを採用した場合、AlNを採用する場合に比べて、圧電定数e31が大きいので、発電指数Pを大きくすることができる。
錘部を1つだけしか備えていない従来の発電デバイスでは、1つの特定の周波数の振動でしか発電量を稼ぐことが難しかった。これに対して、本実施形態の発電デバイス1aでは、複数の周波数の振動に対して発電を行うことが可能となる。特に、発電デバイス1aは、2次モード、3次モード等の高次モードの周波数の振動に対しても発電を行うことが可能となり、対応周波数が複数になる。また、発電デバイス1aは、錘部23の数が2つで2次の振動モードを想定する場合、2つの錘部23の振動の位相が反転するため、2つの錘部23の振動の位相が同相である場合に比べて、振動ブロック2の先端(自由端)側の錘部23の振幅が小さくなる。これにより、発電デバイス1aは、振動ブロック2の、振動範囲を、より小さい体積内に抑えることが可能となる。この場合、発電デバイス1aは、振幅が小さいことで空気抵抗が低減され、より高効率に発電を行うことができる。
発電デバイス1aは、基体20の第1面201側に配置される第1カバー基板と、基体20の第2面202側に配置された第2カバー基板と、を備えた構成としてもよい。第1カバー基板は、周部が、基体20の第1面201側で支持部21に固着される。第2カバー基板は、周部が、基体20の第2面202側で支持部に固着される。第1カバー基板には、振動ブロック2を変位可能とするための第1凹部を設けてある。また、第2カバー基板には、振動ブロック2を変位可能とするための第2凹部を設けてある。第1カバー基板は、第1パッド27a及び第2パッド27cを露出させるように構成してもよいし、第1パッド27a及び第2パッド27cそれぞれに電気的に接続された第1貫通配線及び第2貫通配線等を備えた構成としてもよい。発電デバイス1aは、基体20の支持部21と第1のカバー基板と第2のカバー基板とで構成されるパッケージ(ここでは、チップサイズパッケージ)の内部空間を気密空間とすることが好ましく、この気密空間を不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。不活性ガス雰囲気としては、例えば、Nガス雰囲気が好ましい。
本実施形態の発電デバイス1aは、パッケージの薄型化を図ることが可能となる。
発電デバイス1aは、例えば、図1(a)に示すように、振動ブロック2の、第1梁部22aの長さL1を1mm、錘部23の長さL2を3mm、第2梁部22bの長さを2mm、錘部23の長さL4を2mmとし、振動ブロック2の幅寸法H1を4mmとした場合、1次モードの共振周波数を697.9Hz、2次モードの共振周波数を4235.2Hzとすることが可能となる。また、従来の発電デバイスでは、高周波数域の振動モードで発電させるためには梁部の長さが短くなり製造が困難であった。これに対し、発電デバイス1aは、容易に製造することが可能となる。
発電デバイス1aにおいて、第1梁部22aに形成された圧電変換部24と、第2梁部22bに形成された圧電変換部24とは、第1電極24aどうしが分離独立して形成され、第2電極24cどうしが分離独立して形成されている。要するに、第1梁部22aに形成された第1圧電変換部24と第2梁部22bに形成された第2圧電変換部24とは、分割して形成されている。発電デバイス1aは、振動ブロック2の振動によって第1圧電変換部24、第2圧電変換部24に生じる電荷が反転するので、第1圧電変換部24と第2圧電変換部24とを適切に接続する配線を設けることで高効率に電力を取り出すことが可能となる。なお、第1梁部22aに形成された第1圧電変換部24と第2梁部22bに形成された第2圧電変換部24とは、圧電体層24bどうしを一体に形成してもよい。
発電デバイス1aは、錘部23を3つ以上、備えていてもよく、これらの錘部23を一連に接続するために第2梁部22bを2つ以上備えていてもよい。これにより、発電デバイス1aは、より多くの対応周波数に対して発電を行うことが可能となる。
発電デバイス1aは、複数の錘部23のうち振動ブロック2の長さ方向において隣り合う錘部23どうしが揺動自在の第2梁部22bによって接続され、第1梁部22aと第2梁部22bとのうち少なくとも1つには圧電変換部24が配置されている。これにより、発電デバイス1aは、複数の周波数の振動に対して発電を行うことが可能となる。また、発電デバイス1aは、第1圧電変換部24と第2圧電変換部24とで、第1電極24aどうし及び第2電極24cどうしが、それぞれが離間して配置されていることで、より高効率に電力を取り出すことが可能となる。
なお、発電デバイス1aは、発電量を向上させる観点から、圧電変換部24が、第1梁部22aと第2梁部22bとのいずれにも配置されていることが好ましい。発電デバイス1aは、第1梁部22a及び第2梁部22bの少なくとも一方が、初期状態において反っていてもよい。
(実施形態2)
以下では、本実施形態の発電デバイス1bについて図2に基づいて説明する。
本実施形態の発電デバイス1bは、実施形態1の発電デバイス1aと略同じ構成であり、複数の錘部23のうちの1つの錘部23に、2つの圧電変換部24それぞれの第1電極24aと第2電極24cとに各別に電気的に接続された2つの第1パッド27aと2つの第2パッド27cとが形成されている点が相違する。なお、発電デバイス1bにおいて、実施形態1の発電デバイス1aと同様の構成要素については、同様の符号を付して説明を省略する。
発電デバイス1bは、発電デバイス1aと同様に、振動ブロック2の長さ方向において1つの錘部23の両側に配置された第1梁部22aと第2梁部22bが存在する。そして、この1つの錘部23には、隣接する第1梁部22aに形成された第1圧電変換部24の第1電極24a、第2電極24cそれぞれに第1配線26a、第2配線26cを介して電気的に接続された第1パッド27a、第2パッド27cが形成されている。更に、この錘部23には、隣接する第2梁部22bに形成された第2圧電変換部24の第1電極24a、第2電極24cそれぞれに第1配線26a、第2配線26cを介して電気的に接続された第1パッド27a、第2パッド27cが形成されている。
これにより、発電デバイス1bは、各圧電変換部24の第1電極24a、第2電極24c間を金属ワイヤ等で電気的に接続することが可能となり、発電デバイス1bの作製後に対応周波数を選択することが可能となる。
発電デバイス1bは、第1圧電変換部24のひずみと第2圧電変換部24のひずみとが同位相となる振動モードで使用する場合、錘部23に形成された第1パッド27a12、27aどうし、第2パッド27c12、27cどうしを、それぞれ金属ワイヤ等により電気的に接続すればよい。これにより、発電デバイス1bは、支持部21に形成された第1パッド27aと第2パッド27cから、より大きな電力を取り出すことが可能となる。
また、発電デバイス1bは、第1圧電変換部24のひずみと第2圧電変換部24のひずみとが逆位相となる振動モードで使用する場合、錘部23に形成された第1パッド27a12、27aどうしを金属ワイヤ等により電気的に接続すればよい。これにより、発電デバイス1bは、支持部21に形成された第2パッド27cと錘部23に形成された第2パッド27cから、より大きな電力を取り出すことが可能となる。
図3は、本実施形態の発電デバイス1bの変形例の発電デバイス1cを示す。変形例の発電デバイス1cは、発電デバイス1bと略同じ構成であり、第2圧電変換部24の第1電極24aに第1配線26cを介して電気的に接続される第2パッド27cが、支持部21に形成されている点が相違する。
発電デバイス1cは、第1圧電変換部24のひずみと第2圧電変換部24のひずみとが同位相となる振動モードで使用する場合、錘部23に形成された第2パッド27c12、27cどうし、支持部21に形成された第1パッド27a、27aどうしを、それぞれ金属ワイヤ等により電気的に接続すればよい。これにより、発電デバイス1bは、支持部21に形成された第1パッド27aと第2パッド27cから、より大きな電力を取り出すことが可能となる。
また、発電デバイス1cは、第1圧電変換部24のひずみと第2圧電変換部24のひずみとが逆位相となる振動モードで使用する場合、錘部23に形成された第2パッド27c12、27cどうしを金属ワイヤ等により電気的に接続すればよい。これにより、発電デバイス1cは、支持部21に形成された第1パッド27aと錘部23に形成された第2パッド27aから、より大きな電力を取り出すことが可能となる。
(実施形態3)
以下では、本実施形態の発電デバイス1dについて図4(a)、(b)に基づいて説明する。
本実施形態の発電デバイス1dは、実施形態1の発電デバイス1aと略同じ構成であり、形成されている点が相違する。なお、発電デバイス1dにおいて、実施形態1の発電デバイス1aと同様の構成要素については、同様の符号を付して説明を省略する。
発電デバイス1aでは、1次の共振周波数に対して2次以上の共振周波数が非常に高いため、1次の共振周波数が高い場合、高次の共振周波数では環境中の振動に対応できない可能性がある。これに対して、本実施形態の発電デバイス1dでは、第1梁部22a及び第2梁部22bが、Siよりもヤング率の小さな材料により形成されている。これにより発電デバイス1dは、1次の共振周波数を低下させることが可能となり、高次の共振周波数でも環境中の振動に対応させることが可能となる。
基体20は、基材20aとしてSOI基板を利用しており、SOI基板のシリコン層を除去した後に、樹脂層20fを積層してある。第1梁部22a及び第2梁部22bは、SOI基板のシリコン酸化膜20eと樹脂層20fとの積層構造を有している。樹脂層20fの材料としては、例えば、ポリイミドやフッ素系樹脂等を採用することができる。なお、SiO、ポリイミド及びフッ素系樹脂は、Siよりもヤング率の小さな材料である。
本実施形態の第1梁部22a及び第2梁部22bが、Siよりもヤング率の小さな材料により形成された構成は、実施形態2等に適用してもよい。
以上、本発明の構成を、実施形態1〜3等に基いて説明したが、実施形態1〜3等に記載した材料、数値等は、好ましいものを例示しているだけであり、それに限定するものではない。更に、本発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
1a、1b、1c、1d 発電デバイス
2 振動ブロック
2a 固定端
20 基体
21 支持部
22a 第1梁部
22b 第2梁部
23 錘部
24 圧電変換部
24a 第1電極
24b 圧電体層
24c 第2電極
27a 第1パッド
27b 第2パッド

Claims (4)

  1. 支持部及び前記支持部に支持された振動ブロックを有する基体と、前記振動ブロックに形成された圧電変換部と、前記基体に形成され前記圧電変換部に電気的に接続された第1パッド及び第2パッドと、を備え、
    前記振動ブロックは、固定端からの距離が互いに異なる複数の錘部と、前記支持部及び前記複数の錘部よりも厚みが薄く形成され、前記支持部と前記固定端に最も近い前記錘部とを繋いだ第1梁部と、前記支持部及び前記錘部よりも厚みが薄く形成され、前記固定端からの距離が互いに異なる前記錘部どうしを繋いだ第2梁部と、を備え、
    前記圧電変換部は、第1電極、前記第1電極に対向する第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極との間にある圧電体層を有し、前記第1梁部と前記第2梁部との少なくとも1つに形成され、
    前記第1パッド、前記第2パッドは、対応する前記圧電変換部の前記第1電極、前記第2電極に、それぞれ電気的に接続されている
    ことを特徴とする発電デバイス。
  2. 前記第1梁部に形成された前記圧電変換部と、前記第2梁部に形成された前記圧電変換部とは、前記第1電極どうしが分離独立して形成され、前記第2電極どうしが分離独立して形成されている請求項1記載の発電デバイス。
  3. 前記複数の錘部のうちの1つの錘部に、2つの前記圧電変換部それぞれの前記第1電極と前記第2電極とに各別に電気的に接続された2つの前記第1パッドと2つの前記第2パッドとが形成されている請求項1又は2記載の発電デバイス。
  4. 前記第1梁部及び前記第2梁部は、Siよりもヤング率の小さな材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発電デバイス。
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