JP2015018830A - 発電デバイス - Google Patents

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純矢 小川
Junya Ogawa
純矢 小川
規裕 山内
Norihiro Yamauchi
規裕 山内
後藤 浩嗣
Koji Goto
浩嗣 後藤
相澤 浩一
Koichi Aizawa
浩一 相澤
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Abstract

【課題】発電効率の向上を図ることが可能な発電デバイスを提供する。
【解決手段】発電デバイス1aは、枠状の支持部21、支持部21の内側に配置された錘部23及び支持部21と錘部23とを繋いだ梁部22を有する基板20と、基板20の第1面201側で梁部22に形成された圧電変換部24と、を備える。基板20は、複数の梁部22を備え、複数の梁部22が規定方向で錘部23を挟んで配置されている。複数の梁部22は、錘部23の振動に伴って変形するように構成され、且つ、湾曲した形状に形成されている。圧電変換部24は、第1電極24a、第1電極24aに対向する第2電極24c、及び第1電極24aと第2電極24cとの間にある圧電体層24bを有する。圧電変換部24は、梁部22に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動エネルギを電気エネルギに変換する振動式の発電デバイスに関するものである。
近年、振動エネルギを電気エネルギに変換する発電デバイスは、環境発電(エナジーハーべスティング)等の分野で注目され、各所で研究開発されている。この種の発電デバイスは、MEMS(micro electro mechanical systems)デバイスの一種として、車の振動や人の動きによる振動などの任意の振動に起因した振動エネルギを電気エネルギに変換する圧電変換部を備えた発電デバイスが各所で研究開発されている。
また、従来から、圧電素子を具備する電気機械変換装置としては、図3に示す構成の電気機械変換装置101が提案されている(特許文献1)。
電気機械変換装置101は、圧電素子102と、圧電素子102を支持する支持体104と、を有している。圧電素子102は、基板105上に、第1電極114と、圧電膜115と、第2電極116とが積層されてなる積層部103を有している。また、圧電素子102は、一端が固定された片持ち梁形状の振動片として構成されている。圧電素子102は、初期静止状態において、第2電極116側で凹をなす湾曲面形状という特有の形状を有している。
電気機械変換装置101は、支持体104が開口部106を有し、開口部106の開口周縁106aから開口部106に向けて圧電素子102が突出形成された構成を有している。
電気機械変換装置101は、圧電素子102の基板105が、支持体104と一体に形成されている。
電気機械変換装置101は、支持体104及び基板105が、Siからなる共通の基体111から形成されており、支持体104及び基板105の上面に酸化膜112が形成され、支持体104の下面に酸化膜113が形成されている。
電気機械変換装置101は、第1電極114が、外部との電気的接合のための接続部(図示せず)を有して形成されている。また、電気機械変換装置101は、第2電極接続部116bに電気的に接続される配線膜119を有し、配線膜119の、外部との電気的接合に用いられる接続部が、ワイヤボンディングによって接続を図ることができるように形成されている。
また、電気機械変換装置101は、配線膜119の、第1電極114との接触による短絡と、圧電膜115の端部における段差による配線膜119自身の断線を回避するための、レジスト118が形成されている。
特開2005−331485号公報
本願発明者らは、上述の電気機械変換装置101を発電デバイスとして用いることを考えた。
しかしながら、電気機械変換装置101では、例えば、圧電素子102の厚み方向に加わる振動に対して発電を行う場合、空気抵抗に起因する振動の減衰が大きくなりがちであった。また、電気機械変換装置101では、圧電素子の長手方向に振動が加わった場合にはそもそも発電ができず、結果として発電効率の低下を招いてしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、発電効率の向上を図ることが可能な発電デバイスを提供することにある。
本発明の発電デバイスは、枠状の支持部、前記支持部の内側に配置された錘部及び前記支持部と前記錘部とを繋いだ梁部を有する基板と、前記基板の第1面側で前記梁部に形成された圧電変換部と、を備え、前記基板は、複数の前記梁部を備え、前記複数の前記梁部が規定方向で前記錘部を挟んで配置されており、前記複数の前記梁部は、前記錘部の振動に伴って変形するように構成され、且つ、湾曲した形状に形成され、前記圧電変換部は、第1電極、前記第1電極に対向する第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極との間にある圧電体層を有し、前記複数の前記梁部のうちの少なくとも1つの梁部に形成されていることを特徴とする。
この発電デバイスにおいては、前記規定方向における前記錘部の一方側に配置された前記梁部の数と他方側に配置された前記梁部の数とが等しいことが好ましい。
この発電デバイスにおいては、前記基板は、前記規定方向における前記錘部の両側に前記梁部を1つずつ備え、前記圧電変換部は、各前記梁部に1つずつ形成され、
前記錘部に、各前記圧電変換部の前記第1電極どうし若しくは前記第2電極どうしを電気的に接続する配線層が設けられていることが好ましい。
この発電デバイスにおいては、前記基板は、金属により形成されていることが好ましい。
本発明の発電デバイスは、発電効率の向上を図ることが可能となる。
図1(a)は、実施形態1の発電デバイスの概略平面図である。図1(b)は図1(a)のX−X概略断面図である。 図2(a)は、実施形態2の発電デバイスの概略平面図である。図2(b)は図2(a)のX−X概略断面図である。 図3(a)は、従来例の電気機械変換装置を示す概略斜視図である。図3(b)は、図3(a)のY−Y’概略断面図である。図3(c)は、図3(a)のX−X’概略断面図である。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の発電デバイス1aについて図1(a)、(b)に基づいて説明する。
発電デバイス1aは、枠状の支持部21、支持部21の内側に配置された錘部23及び支持部21と錘部23とを繋いだ梁部22を有する基板20と、基板20の第1面201側で梁部22に形成された圧電変換部24と、を備える。基板20は、複数の梁部22を備え、複数の梁部22が規定方向(図1(a)の左右方向)で錘部23を挟んで配置されている。複数の梁部22は、錘部23の振動に伴って変形するように構成され、且つ、湾曲した形状に形成されている。圧電変換部24は、第1電極24a、第1電極24aに対向する第2電極24c、及び第1電極24aと第2電極24cとの間にある圧電体層24bを有する。圧電変換部24は、梁部22に形成されている。発電デバイス1aは、発電効率の向上を図ることが可能となる。
発電デバイス1aは、基板20の第1面201側で支持部21に形成された第1パッド27a及び第2パッド27cを備えている。第1パッド27aは、第1配線26aを介して第1電極24aと電気的に接続されている。第2パッド27cは、第2配線26cを介して第2電極24cと電気的に接続されている。
また、発電デバイス1aは、第2配線26cと第1電極24aとの短絡を防止する絶縁層25を設けてある。
発電デバイス1aの各構成要素については、以下に詳細に説明する。
発電デバイス1aは、MEMSの製造技術を利用して製造されている。
発電デバイス1aは、基板20が、基材20aから形成されている。基材20aとしては、主表面が(100)面のシリコン基板を採用している。これにより、基板20の第1面201のうち支持部21及び錘部23それぞれに対応する表面は、(100)面となっている。基材20aとしては、主表面が(100)面のシリコン基板を採用しているが、これに限らず、例えば、主表面が(110)面のシリコン基板でもよい。基板20は、第1面201側に梁部22が形成されている。発電デバイス1aにおける梁部22は、支持部21に比べて厚み寸法が小さく、可撓性を有している。梁部22は、弾性を有している。梁部22は、支持部21に揺動自在に支持されている。
発電デバイス1aは、基板20と圧電変換部24とが、基板20の第1面201側に形成された第1絶縁膜29aによって、電気的に絶縁されている。第1絶縁膜29aは、例えば、シリコン酸化膜により構成することができる。発電デバイス1aは、基板20の厚み方向の第2面202側に、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜29bを備えている。第1絶縁膜29a及び第2絶縁膜29bは、例えば、熱酸化法により形成することができる。第1絶縁膜29a及び第2絶縁膜29bの形成方法は、熱酸化法に限らず、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等でもよい。第1絶縁膜29a及び第2絶縁膜29bは、シリコン酸化膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜や、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜、等により構成してもよい。
基材20aは、単結晶のシリコン基板に限らず、例えば、多結晶のシリコン基板、単結晶のシリコン基板上のシリコン酸化膜上に単結晶のシリコン層が形成されたSOI(Silicon on Insulator)基板、酸化マグネシウム(MgO)基板、金属板、ガラス基板、ポリマー基板等を用いることも可能である。金属板の材料としては、例えば、チタン、ステンレス鋼等を採用することができる。発電デバイス1aは、基材20aとして金属板を採用した場合、梁部22が金属により形成されているので、梁部22に、より大きなひずみを発生させることが可能となる。発電デバイス1aは、基材20aとして、MgO基板やガラス基板やポリマー基板等の、電気絶縁性を有する絶縁性基板を用いる場合、第1絶縁膜29a及び第2絶縁膜29bを必ずしも設ける必要はない。
支持部21は、枠状の形状として、矩形枠状の形状を採用することが好ましい。つまり、支持部21は、外周形状が矩形状であるのが好ましい。これにより、発電デバイス1aは、製造時に、基材20aの基礎となるウェハを準備し、このウェハから多数の発電デバイス1aを形成する前工程を行い、後工程において個々の発電デバイス1aに分離するような製造方法を採用する場合に、ダイシング工程の作業性を向上させることが可能となる。基材20aがシリコン基板の場合には、ウェハとして、シリコンウェハを準備すればよい。
また、支持部21は、外周形状が矩形状であることが好ましいが、内周形状については矩形状に限らず、例えば、矩形状以外の多角形状や円形状、楕円形状等の形状でもよい。また、支持部21の外周形状は矩形状以外の形状でもよい。
錘部23は、支持部21の内側面から離れて配置されている。発電デバイス1aは、錘部23の平面視形状が矩形状であり、錘部23の4つの側面の全てが支持部21から離れて位置している。要するに、錘部23は、支持部21と空間的に分離されている。梁部22は、基板20の第1面201側において、錘部23と支持部21とを繋ぐように配置されている。
梁部22の平面視形状は、錘部23側を上底、支持部21側を下底とする台形状であるが、これに限らず、矩形状でもよい。各梁部22の長さは、同じ値に設定することが好ましい。梁部22の長さは、梁部22の軸線に沿った方向の長さである。各梁部22は、支持部21から離れて錘部23に近づくにつれて幅寸法が徐々に小さくなる梁状に形成されているが、これに限らず、幅寸法が一様な梁状に形成してもよい。
梁部22は、軸線を含む断面形状が湾曲した形状となるように形成されている。つまり、梁部22は、幅方向に直交する断面形状が湾曲した形状となるように形成されている。言い換えれば、梁部22は側面視形状が、湾曲した形状となるように形成されている。これにより、錘部23は、湾曲構造を有する2つの梁部22を介して支持部21に支持されている。梁部22は、第1面221が凸曲面で、第2面222が凹曲面の、湾曲した形状に形成されている。梁部22は、第1面221が凹曲面で、第2面222が凸曲面の、湾曲した形状に形成されていてもよい。湾曲した形状の梁部22は、例えば、グレースケールマスクを用いたフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを利用して形成することができる。また、湾曲した形状の梁部22は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを利用して形成した平坦な梁部に対して圧電変換部24によって応力を加えることで形成することができる。また、湾曲した形状の梁部22は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを利用して形成した平坦な梁部に対して別途の応力制御膜を設けることによっても形成することができる。この場合は、圧電体層24bの構造を維持したまま梁部22の湾曲した形状を制御することが可能となる。
発電デバイス1aは、平面視において、2つの梁部22が上記規定方向で錘部23を挟んで配置されている。要するに、発電デバイス1aは、平面視において、錘部23の、上記規定方向に直交する2辺それぞれの縁に、梁部22が1つずつ配置されている。
上述の説明から分かるように、発電デバイス1aは、枠状の支持部21の内側に配置された錘部23が、錘部23を挟んで配置された一対の梁部22、22により支持部21に両持ち支持されている。発電デバイス1aは、錘部23と各梁部22とで構成される可動部が、平面視において支持部21の内側に配置されている。発電デバイス1aは、基板20に、基板20の厚み方向に貫通するスリット20dを形成することによって、可動部における支持部21との連結部位以外の部分が、支持部21と分離されている。発電デバイス1aは、2つのスリット20dが形成されている。スリット20dの数や形状は、梁部22の数や可動部の形状等によって適宜変更すればよい。
発電デバイス1aは、上記規定方向における錘部23の一方側に配置された梁部22の数と他方側に配置された梁部22の数とが等しいことが好ましい。これにより、発電デバイス1aは、外力が作用していない初期状態において錘部23が傾くのを抑制することが可能となる。また、発電デバイス1aは、上記規定方向における錘部23の一方側に配置された梁部22の数と他方側に配置された梁部22の数とが等しいほうが、錘部23の振動が、より安定し、発電効率の更なる向上を図ることが可能となる。
発電デバイス1aは、複数の梁部22の各々に圧電変換部24が形成されている。発電デバイス1aは、圧電変換部24が、複数の梁部22のうちの少なくとも1つの梁部22に形成されていればよいが、全ての梁部22に圧電変換部24が形成されているほうが、発電量を大きくすることが可能となるので、好ましい。
発電デバイス1aは、支持部21の厚み寸法(図1(b)の上下方向の寸法)と錘部23の厚み寸法(図1(b)の上下方向の寸法)とを同じ値に設定してあるが、これに限らず、例えば、支持部21の厚み寸法に比べて錘部23の厚み寸法を小さな値としてもよい。支持部21及び錘部23の厚み寸法は、例えば、100〜1000μm程度の範囲で適宜設定すればよい。
圧電変換部24の幅寸法(図1(a)の上下方向の寸法)は、発電デバイス1aの製造プロセスの観点から、梁部22の幅寸法(図1(a)の上下方向の寸法)よりもやや短い寸法に設定してある。ここで、圧電変換部24は、平面視形状が梁部22よりもやや小さな台形状に形成されており、支持部21から離れて錘部23に近づくにつれて幅寸法が徐々に小さくなっている。圧電変換部24の幅寸法は、発電に寄与する領域の面積を大きくする観点から、梁部22の幅寸法に近い値が好ましい。圧電変換部24の平面視形状は、台形状に限らず、例えば矩形状でもよい。
圧電変換部24は、梁部22の厚み方向の第1面221側に設けられている。圧電変換部24は、梁部22の第1面221側に設けられた第1電極(下部電極)24aと、第1電極24a上に設けられた圧電体層24bと、圧電体層24b上に設けられた第2電極(上部電極)24cと、を備えている。要するに、圧電変換部24は、圧電体層24bと、圧電体層24bを厚み方向の両側から挟んで互いに対向する第1電極24a及び第2電極24cを備えている。
発電デバイス1aは、圧電変換部24が、梁部22の第1面221を面状に覆うように形成されている。面状に覆うとは、梁部22の第1面221の略全面を覆うことを意味するが、第1面221の全面を覆う場合に限らず、図1(a)に示すように、第1面221の全面よりもやや狭い領域の全体を覆う場合が好ましい。発電デバイス1aは、圧電変換部24が、梁部22の側縁付近で、梁部22の側縁から規定距離だけ離れて位置するように配置されている。規定距離は、例えば、発電デバイス1aの製造時においてスリット20dを形成する際に、圧電変換部24がエッチングされないように設定するのが好ましい。
発電デバイス1aは、錘部23の振動によって圧電変換部24の圧電体層24bが応力を受け第2電極24cと第1電極24aとに電荷の偏りが発生し、圧電変換部24において交流電圧が発生する。要するに、発電デバイス1aは、圧電変換部24が圧電材料の圧電効果を利用して発電することができる。
圧電変換部24は、圧電体層24bの外形サイズが、第1電極24aの外形サイズよりもやや小さく、且つ、第2電極24cの外形サイズよりもやや大きいのが好ましい。要するに、圧電変換部24は、第1電極24aの外形サイズが最も大きく、圧電体層24bの外形サイズが2番目に大きく、第2電極24cの外形サイズが最も小さくなるように設計してあるのが好ましい。圧電変換部24は、平面視において、第1電極24aの外周線の内側に圧電体層24bが位置し、圧電体層24bの外周線の内側に第2電極24cが位置しているのが好ましい。
以下では、梁部22の厚み方向において第1電極24aと圧電体層24bと第2電極24cとが重なっている領域を、圧電変換領域241と称する。圧電変換部24は、圧電変換領域241が、交流電圧の発生に寄与する。
発電デバイス1aは、梁部22の長さ方向(梁部22の軸線に沿った方向)において、圧電変換領域241の支持部21側の端を、梁部22と支持部21との境界(以下、「第1境界」という。)に揃えてあるのが好ましい。圧電変換領域241の支持部21側の端を、第1境界に揃えることは、第1境界に略一致させることを意味する。これにより、発電デバイス1aは、梁部22の長さ方向において、圧電変換領域241の支持部21側の端が第1境界よりも梁部22側にある場合に比べて、梁部22上に存在する圧電変換領域241の面積を大きくでき、発電効率を向上させることが可能となる。また、発電デバイス1aは、圧電変換領域241の支持部21側の端が第1境界よりも支持部21側にある場合に比べて、圧電変換領域241のうち発電に寄与せず寄生容量となってしまう部分を低減でき、発電効率を向上させることが可能となる。
発電デバイス1aは、梁部22の長さ方向において、圧電変換領域241の錘部23側の端を、梁部22と錘部23との境界(以下、「第2境界」という。)に揃えてあるのが好ましい。圧電変換領域241の錘部23側の端を、第2境界に揃えることは、第2境界に略一致させることを意味する。これにより、発電デバイス1aは、梁部22の長さ方向において、圧電変換領域241の錘部23側の端が第2境界よりも梁部22側にある場合に比べて、梁部22上に存在する圧電変換領域241の面積を大きくでき、発電効率を向上させることが可能となる。また、発電デバイス1aは、圧電変換領域241の錘部23側の端が第2境界よりも錘部23側にある場合に比べて、圧電変換領域241のうち発電に寄与せず寄生容量となってしまう部分を低減でき、発電効率を向上させることが可能となる。
圧電体層24bの圧電材料としては、PZT(Pb(Zr,Ti)O3)を採用しているが、これに限らず、例えば、PZT−PMN(Pb(Mn,Nb)O3)やその他の不純物を添加したPZTでもよい。また、圧電材料は、AlN、ZnO、KNN(K0.5Na0.5NbO3)や、KN(KNbO3)、NN(NaNbO3)、KNNに不純物(例えば、Li、Nb、Ta、Sb、Cu等)を添加したもの等でもよい。なお、発電デバイス1aは、圧電体層24bが、圧電材料により形成された圧電薄膜により構成されている。
第1電極24aの材料としては、Ptを採用しているが、これに限らず、例えば、Au、Al、Ir等でもよい。また、第2電極24cの材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Ir等でもよい。
発電デバイス1aは、第1電極24aの厚みを500nm、圧電体層24bの厚みを3000nm、第2電極24cの厚みを500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。例えば、発電デバイス1aは、第1電極24aの厚みを100nm、圧電体層24bの厚みを600nm、第2電極24cの厚みを100nmに設定してもよい。
発電デバイス1aは、基板20と第1電極24aとの間に緩衝層を設けた構造でもよい。緩衝層は、第1電極24a上の圧電体層24bの結晶性を向上させるために設ける層である。緩衝層の材料は、圧電体層24bの圧電材料に応じて適宜選択すればよく、圧電体層24bの圧電材料がPZTの場合には、例えば、SrRuO3、(Pb,La)TiO3、PbTiO3、MgO、LaNiO3等を採用することが好ましい。また、緩衝層は、例えば、Pt膜とSrRuO3膜との積層膜により構成してもよい。発電デバイス1aは、緩衝層を設けることにより、圧電体層24bの結晶性を向上させることが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
発電デバイス1aは、支持部21に、第1パッド27aと、第2パッド27cと、が設けられている。第1パッド27aは、第1配線26aを介して、第1電極24aと電気的に接続されている。第2パッド27cは、第2配線26cを介して、第2電極24cと電気的に接続されている。第1配線26a及び第2配線26cは、導体層により構成してある。発電デバイス1aは、第1電極24aと第1配線26aと第1パッド27aとを一体に形成してあるが、別々に形成して電気的に接続された構成としてもよい。また、発電デバイス1aは、第2電極24cと第2配線26cと第2パッド27cとを一体に形成してあるが、別々に形成して電気的に接続された構成としてもよい。
第1配線26a、第2配線26c、第1パッド27a及び第2パッド27cの材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Ir等でもよい。また、第1配線26a、第2配線26c、第1パッド27a及び第2パッド27cの材料は、同じ材料に限らず、別々の材料を採用してもよい。また、第1配線26a、第2配線26c、第1パッド27a及び第2パッド27cは、単層構造に限らず、2層以上の多層構造でもよい。
発電デバイス1aは、第2配線26cと第1電極24aの周部との間に、第2配線26cと第2電極14aとの短絡を防止する絶縁層25を設けてある。絶縁層25は、シリコン酸化膜により構成してある。絶縁層25は、シリコン酸化膜に限らず、電気絶縁性を有する薄膜であればよく、例えば、シリコン窒化膜により構成してもよい。
絶縁層25は、基板20の第1面201側に形成されている。絶縁層25は、圧電体層24bにおいて第2電極24cが接するエリアを規定するように構成されているのが好ましい。このため、絶縁層25の平面視形状は、下部電極24aおよび圧電層24bそれぞれの周部を覆う枠状に形成されているのが好ましい。これにより、発電デバイス1aは、絶縁層25により、圧電変換領域241を規定することができる。
発電デバイス1aは、絶縁層25が、枠状の第1部位251と、第1部位251から第2配線26c及び第2パッド27cの下方まで延設された第2部位252と、を備えている。これにより、発電デバイス1aは、第2配線26cの下地となる部分の段差を低減でき、圧電体層24bの膜厚を大きくしながらも第2配線26cの断線を抑制することが可能となり、発電効率の向上及び信頼性の向上を図ることが可能となる。しかも、発電デバイス1aは、第2パッド27cと基材20aとの間の寄生容量を低減することが可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となる。また、発電デバイス1aは、平面視において、第1電極24aの外周線の内側に圧電体層24bが位置し、圧電体層24bの外周線の内側に第2電極24cが位置している。これにより、発電デバイス1aは、第1電極24aと圧電体層24bと第2電極24cとが同じ外形サイズである場合に比べて、第2配線26cの下地となる部分の段差を低減でき、圧電体層24bの膜厚を大きくしながらも第2配線26cの断線を抑制することが可能となり、発電効率の向上及び信頼性の向上を図ることが可能となる。
発電デバイス1aに製造方法については、その一例について以下に簡単に説明する。
発電デバイス1aの製造にあたっては、まず、シリコン基板からなる基材20aを準備し、その後、第1工程を行う。第1工程では、基材20aの主表面を梁部22の第1面221及び基板20の第1面201に対応する形状に加工する。第1工程では、例えば、グレースケールマスクを用いたフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを利用して基材20aの主表面を加工すればよい。
第1工程の後には、第2工程を行う。第2工程では、熱酸化法等を利用して、基材20aの主表面側、裏面側にそれぞれ、シリコン酸化膜からなる第1絶縁膜29a、第2絶縁膜29bを形成する。第2工程では、第1絶縁膜29a、第2絶縁膜29bを形成する方法として熱酸化法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法等を採用してもよい。
第2工程の後には、第3工程、第4工程を順次行う。第3工程では、基材20aの主表面側の全面に、第1電極24a、第1配線26a及び第1パッド27aの基礎となる第1導電層を形成する。第1導電層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法等を採用してもよい。第4工程では、第1導電層上に、圧電体層24bの基礎となる圧電材料層を形成する。圧電材料層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法やゾルゲル法等を採用してもよい。
第4工程の後には、第5工程、第6工程を順次行う。第5工程では、圧電材料層を圧電体層24bの所定の形状にパターニングする。この第5工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して圧電材料層をパターニングする。第6工程では、第1導電層を第1電極24a、第1配線26c及び第1パッド27aの所定の形状にパターニングする。この第6工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して第1導電層をパターニングする。
第6工程の後には、第7工程、第8工程及び第9工程を順次行う。第7工程では、基材20aの主表面側に絶縁層25を形成する。第7工程では、リフトオフ法を利用して絶縁層25を形成する。第7工程において絶縁層25を形成する方法は、リフトオフ法を利用する方法に限らず、例えば、薄膜形成技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用する方法でもよい。第8工程では、第2電極24c、第2配線26c及び第2パッド27cの基礎となる第2導電層を基材20aの主表面側の全面に形成する。第2導電層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法等を採用してもよい。第9工程では、第2導電層を第2電極24c、第2配線26c及び第2パッド27cの所定の形状にパターニングする。第9工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して第2導電層をパターニングする。
第9工程の後には、第10工程を行う。第10工程では、基材20aの主表面側から、支持部21、各梁部22及び錘部23以外の部位(スリット20dの形成予定領域)を第1所定深さ(例えば、梁部22の厚みに対応する深さ)までエッチングすることで第1溝を形成する。第10工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術等を利用して第1溝を形成する。
第10工程の後には、第11工程を行う。第11工程では、基材20aの裏面側から支持部21及び錘部23以外の部位をエッチングすることで第1溝に連通する第2溝を形成する。これにより、第11工程では、スリット20dが形成され、発電デバイス1aが形成される。第11工程では、例えば、グレースケールマスクを用いたフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを利用して第2溝を形成する。
発電デバイス1aの製造にあたっては、第11工程が終了するまでをウェハレベルで行ってから、ダイシング工程を行うことで個々の発電デバイス1aに分割するようにしている。
発電デバイス1aの製造方法では、基材20aの主表面側の全面に第1導電層を形成した後で、基材20aの主表面側の全面に圧電材料層を形成してから、この圧電材料層をパターニングするようにしている。これにより、発電デバイス1aの製造方法では、基材20aの主表面側に第1電極24a、第1配線26c及び第1パッド27aを形成してから、圧電材料層を形成し、この圧電材料層をパターニングするような場合に比べて、圧電材料層及び圧電体層24bの結晶性を向上させることが可能となる。よって、発電デバイス1aの製造方法では、発電デバイス1aの発電効率の向上を図ることが可能となる。
なお、発電デバイス1aは、例えば圧電体層24bの内部応力によって、梁部22を湾曲した形状としてもよい。圧電体層24bの内部応力は、例えば、圧電材料層をスパッタ法やCVD法により成膜する場合、ガス圧や、温度等のプロセス条件を適宜設定することによって調整することができる。また、湾曲した形状の梁部22は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを利用して形成した平坦な梁部に対して別途の応力制御膜を設けることによって形成してもよい。この場合は、圧電体層24bの構造を維持したまま梁部22の湾曲した形状を制御することが可能となる。
また、発電デバイス1aの製造方法は、上述の例に限らない。例えば、第1導電層上に圧電材料層を形成するにあたっては、基材20a(以下、「第1基材20a」ともいう。)よりも圧電材料層との格子整合性の良い第2基材の主表面側に圧電材料層を形成したものを準備した後で、第2基材を透過するレーザ光を利用して圧電材料層を第1基材20aの主表面側に転写するようにしてもよい。このような製造方法では、圧電材料層の結晶性を向上させることが可能となる。例えば、発電デバイス1aの製造方法では、圧電材料層の圧電材料がPZTであり、第1基材20aとしてシリコン基板や金属板を用いている場合、第2基材としてMgO基板を用いることにより、圧電材料層の結晶性を向上させることが可能となる。また、発電デバイス1aの製造方法では、MgO基板を再利用することが可能となるので、第1基材20aとしてシリコン基板や金属板よりも高価なMgO基板を用いる場合に比べて、低コスト化を図ることが可能となる。なお、第2基材の主表面側に圧電材料層を形成する場合、適宜の緩衝層やシード層を介して圧電材料層を形成することによって、圧電材料層の結晶性をより向上させることが可能となる。特に、発電デバイス1aは、基材20aとして金属板を採用する場合、圧電体層24bを、転写工程によって形成することが好ましい。
発電デバイス1aは、圧電体層24bの結晶性が向上することにより、発電効率の向上を図ることが可能となり、高出力化を図ることが可能となる。
発電デバイス1aは、一対の梁部22、22の並設方向に沿った錘部23の振動によって、一対の梁部22それぞれの圧電体層24bにおいて互いに異なる向きのひずみを生じ、各圧電変換部24それぞれにおいて交流電圧が発生する。一対の梁部22、22の並設方向は、上記規定方向である。
よって、発電デバイス1aは、上記規定方向を左右方向とすれば、当該左右方向の外部振動に応じて、支持部21に対して錘部23が当該左右方向において相対的に振動し、各圧電変換部24それぞれが発電する。
発電デバイス1aは、錘部23が図1(a)において左向きに変位すると、左側の圧電体層24bと右側の圧電体層24bとに互いに異なる向きのひずみが発生して、各圧電体層24それぞれが発電する。互いに異なる向きのひずみとは、圧縮ひずみと、引張ひずみと、である。
また、発電デバイス1aは、錘部23が図1(a)において右向きに変位すると、左側の圧電体層24bと右側の圧電体層24bとに互いに異なる向きのひずみが発生して、各圧電体層24それぞれが発電する。互いに異なる向きのひずみとは、圧縮ひずみと、引張ひずみと、である。なお、各圧電体層24それぞれに発生するひずみは、錘部23の変位する向きによって、異なる。
発電デバイス1aの各圧電変換部24それぞれの開放電圧は、環境振動に起因した錘部23の、上記規定方向の振動に応じた正弦波状の交流電圧となる。発電デバイス1aは、この発電デバイス1aの共振周波数と一致する環境振動(外部振動)を利用して発電することが可能である。環境振動としては、例えば、稼動中のFA(factory automation)機器で発生する振動、車両の走行によって発生する振動、人の歩行によって発生する振動等、種々の環境振動がある。発電デバイス1aで発生する交流電圧の周波数は、環境振動の周波数が発電デバイス1aの共振周波数と一致する場合、発電デバイス1aの共振周波数と同じになる。
発電デバイス1aは、上述のように、枠状の支持部21と、支持部21の内側に配置された錘部23と、錘部23を挟んで配置され錘部23と支持部21とを繋いだ一対の梁部22、22と、を備え、各梁部22に圧電変換部24が形成されている。ここで、発電デバイス1aは、各梁部22が、湾曲した形状の湾曲構造を有している。これにより、発電デバイス1aは、梁部22の延伸方向(図1(b)の左右方向)に対する振動モードによっても圧電変換部24にひずみが加わりやすくなり、発電が容易となる。また、発電デバイス1aは、各梁部22が湾曲構造を有することで、各梁部22が湾曲していない形状である場合に比べて、錘部23の厚み方向(図1(b)の上下方向)の振幅に対するひずみが大きくなる。言い換えれば、発電デバイス1aは、錘部23の厚み方向の振幅が小さい場合でも、より大きなひずみが発生する。さらに、発電デバイス1aは、錘部23の厚み方向(図1(b)の上下方向)に対する振動モードの振動に比べて、梁部22の延伸方向に対する振動モードの振動のほうが、減衰しづらいので、仮に、内部空間が減圧状態となるパッケージ内に収納しない場合であっても、発電効率の向上を図ることが可能となる。
発電デバイス1aは、基板20の第1面201側に配置される第1カバー基板と、基板20の第2面202側に配置された第2カバー基板と、を備えた構成としてもよい。第1カバー基板は、周部が、基板20の第1面201側で支持部21に固着される。第2カバー基板は、周部が、基板20の第2面202側で支持部に固着される。第1カバー基板には、錘部23及び各梁部22を変位可能とするための第1凹部を設けてある。また、第2カバー基板には、錘部23を変位可能とするための第2凹部を設けてある。第1カバー基板は、第1パッド27a及び第2パッド27cを露出させるように構成してもよいし、第1パッド27a及び第2パッド27cそれぞれに電気的に接続された第1貫通配線及び第2貫通配線等を備えた構成としてもよい。発電デバイス1aは、基板20の支持部21と第1のカバー基板と第2のカバー基板とで構成されるパッケージ(ここでは、チップサイズパッケージ)の内部空間を気密空間とすることが好ましく、この気密空間を不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。不活性ガス雰囲気としては、例えば、Nガス雰囲気が好ましい。
本実施形態の発電デバイス1aは、錘部23及び各梁部22が気体の抵抗を受けにくい方向に振動することにより発電するので、パッケージの薄型化を図ることが可能となる。また、発電デバイス1aは、パッケージを備えた構成とした場合でも、錘部23及び各梁部22の振動を抑制するスクイーズフィルム効果によるダンピングを抑制することが可能となり、パッケージを備えたことによる出力の低下を抑制することが可能となる。よって、発電デバイス1aは、パッケージの内部空間を減圧雰囲気としなくても、発電効率の向上を図ることが可能となる。
湾曲構造は、梁部22の延伸方向に対して略垂直方向に湾曲していればよく、また、一つの梁部22に複数の湾曲構造が設けられていてもよい。
発電デバイス1aは、湾曲構造を有する梁部22を複数備え、上記規定方向における錘部23の一方側(第1圧電変換部24側)に配置された梁部22の数と他方側(第2圧電変換部24側)に配置された梁部22の数とが等しくなるように形成されているのが好ましい。発電デバイス1aは、錘部23の両側で梁部22の数が異なる場合であっても、発電効率の向上を図ることが可能であるが、所望の振動モードでの発電効率の向上を図る観点から、錘部23の両側で梁部22の数が等しいのが好ましい。発電デバイス1aは、錘部23の両側に配置された梁部22の数が同じ場合、錘部23を、より安定して保持することが可能となり、外部振動等が作用していない状態での梁部22の湾曲構造の維持が容易となり、所望の振動モードでの発電効率の向上を図ることが可能となる。
発電デバイス1aは、上述のように、圧電変換部24が、第1電極24aと圧電体層24bと第2電極24cとで構成されている。これにより、発電デバイス1aは、梁部22の振動によって圧電変換部24の圧電体層24bがひずみを受けて、第1電極24aと第2電極24cとに電荷の偏りが発生し、圧電変換部24において交流電圧が発生する。
発電デバイス1aでは、圧電体層24bの比誘電率をε、発電指数をPとすると、P∝e31 2/εの関係が成り立ち、発電指数Pが大きいほど発電効率が大きくなる。ここで、発電指数Pは、圧電定数e31の2乗に比例する。発電デバイス1aは、圧電材料としてPZTを採用した場合、AlNを採用する場合に比べて、圧電定数e31が大きいので、発電指数Pを大きくすることができる。
なお、発電デバイス1aの圧電変換部24は、複数の圧電変換エレメントを備え、これら複数の圧電変換エレメントが、直列接続された構成としてもよい。これにより、発電デバイス1aは、出力電圧の高電圧化を図ることが可能となる。圧電変換エレメントは、圧電変換部24と同様に、第1電極24aと圧電体層24bと第2電極24bとの積層構造を有し、圧電変換部24よりも外形サイズの小さな圧電変換部である。
(実施形態2)
以下では、本実施形態の発電デバイス1bについて図2に基づいて説明する。
本実施形態の発電デバイス1bは、実施形態1の発電デバイス1aと略同じ構成であり、一対の圧電変換部24、24の第1電極24a、24aどうしを接続する配線層31が設けられている点が相違する。以下では、説明の便宜上、図2(a)の左側の圧電変換部24を第1圧電変換部24と称し、右側の圧電変換部24を第2圧電変換部24と称することもある。配線層31は、支持部21に設けてもよいが、錘部23に設けられているのが好ましい。なお、発電デバイス1bにおいて、実施形態1の発電デバイス1aと同様の構成要素については、同様の符号を付して説明を省略する。
発電デバイス1bは、第1圧電変換部24の第1電極24aと、第2圧電変換部24の第1電極24aとが、錘部23の表面側に設けられた配線層31を介して電気的に接続されている。
配線層31は、第1電極24aと同じ材料、同じ厚みに設定することが好ましい。これにより、発電デバイス1bは、製造時に、配線層31を第1電極24aと同時に形成することが可能となり、配線層31を設けたことによる製造コストのコストアップを抑えることが可能となる。
発電デバイス1bは、錘部23が梁部22の延伸方向(図2(b)の左右方向)に対する振動モードによって変位する際、第1圧電変換部24と第2圧電変換部24とで、発生するひずみの向きが異なる。具体的には、第1圧電変換部24が縮む際は第2圧電変換部24が引っ張られ、第1圧電変換部24が引っ張られる際は第2圧電変換部24が縮む。よって、発電デバイス1bは、第1圧電変換部24と第2圧電変換部24とで、第1電極24a・第2電極24c間に生じる電圧の向きが反転する。発電デバイス1bは、配線層31を備えていることにより、想定する振動モードである、梁部22の延伸方向に対する振動モード、の振動による発電効率の向上を図ることが可能となる。
ところで、実施形態1の発電デバイス1aでは、一対の圧電変換部24、24の各々に、第1パッド27a及び第2パッド27cが接続されているので、梁部22の延伸方向に対する振動モードを所望の振動モードとしている場合に、2つの圧電変換部24が、両者の発電電圧が打ち消される接続関係で誤接続される懸念がある。
そこで、本実施形態の発電デバイス1bでは、各圧電変換部24、24の第2電極24c、24cのみを各別の第2パッド27c、27cに各別の第2配線26c、26cを介して接続した構成を有する第1変形例としてもよい。これにより、発電デバイス1bの第1変形例は、梁部22の延伸方向に対する振動モードを所望の振動モードとしている場合に、2つの圧電変換部24が、両者の発電電圧が打ち消される接続関係で接続されるのを防止することが可能となり、取り扱いが容易になる。また、発電デバイス1bの第1変形例では、1つの圧電変換部24の略2倍の発電電圧を出力することが可能となる。
なお、発電デバイス1bは、想定する振動モードが錘部23の厚み方向(図2(b)の上下方向)の振動モードなら、第1圧電変換部24と第2圧電変換部24とで、一方の圧電変換部24の第1電極24aと他方の圧電変換部24の第2電極24cとを接続すれば、想定する振動モードに対して、発電効率をより向上させることが可能となる。
発電デバイス1bは、図2の例に限らず、一対の圧電変換部24、24の第2電極24c、24cどうしを接続する配線層が設けられた構成を有する第2変形例としてもよい。発電デバイス1bの第2変形例の配線層は、支持部21に設けてもよいが、錘部23に設けられているのが好ましい。
配線層は、第2電極24cと同じ材料、同じ厚みに設定することが好ましい。これにより、発電デバイス1bの第2変形例は、製造時に、配線層を第2電極24cと同時に形成することが可能となり、配線層を設けたことによる製造コストのコストアップを抑えることが可能となる。
発電デバイス1bの第3変形例は、各圧電変換部24、24の第1電極24a、24aのみを各別の第1パッド27a、27aに各別の第1配線26a、26aを介して接続した構成を有する。これにより、発電デバイス1bの第3変形例は、梁部22の延伸方向に対する振動モードを所望の振動モードとしている場合に、2つの圧電変換部24が、両者の発電電圧が打ち消される接続関係で接続されるのを防止することが可能となり、取り扱いが容易になる。また、発電デバイス1bの第3変形例では、1つの圧電変換部24の略2倍の発電電圧を出力することが可能となる。
以上、本発明の構成を、実施形態1、2等に基いて説明したが、実施形態1、2等に記載した材料、数値等は、好ましいものを例示しているだけであり、それに限定するものではない。更に、本発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
1a、1b 発電デバイス
20 基板
21 支持部
22 梁部
23 錘部
24 圧電変換部
24a 第1電極
24b 圧電体層
24c 第2電極
201 第1面

Claims (4)

  1. 枠状の支持部、前記支持部の内側に配置された錘部及び前記支持部と前記錘部とを繋いだ梁部を有する基板と、
    前記基板の第1面側で前記梁部に形成された圧電変換部と、
    を備え、
    前記基板は、複数の前記梁部を備え、前記複数の前記梁部が規定方向で前記錘部を挟んで配置されており、
    前記複数の前記梁部は、前記錘部の振動に伴って変形するように構成され、且つ、湾曲した形状に形成され、
    前記圧電変換部は、第1電極、前記第1電極に対向する第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極との間にある圧電体層を有し、前記複数の前記梁部のうちの少なくとも1つの梁部に形成されていることを特徴とする発電デバイス。
  2. 前記規定方向における前記錘部の一方側に配置された前記梁部の数と他方側に配置された前記梁部の数とが等しいことを特徴とする請求項1記載の発電デバイス。
  3. 前記基板は、前記規定方向における前記錘部の両側に前記梁部を1つずつ備え、
    前記圧電変換部は、各前記梁部に1つずつ形成され、
    前記錘部に、各前記圧電変換部の前記第1電極どうし若しくは前記第2電極どうしを電気的に接続する配線層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の発電デバイス。
  4. 前記基板は、金属により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発電デバイス。
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