JP2014170920A - 凹凸基板及び発光ダイオードの製造方法、並びに凹凸基板、発光ダイオード及び有機薄膜太陽電池 - Google Patents

凹凸基板及び発光ダイオードの製造方法、並びに凹凸基板、発光ダイオード及び有機薄膜太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】短絡による不良発生や、寿命低減の問題を生じることなく、光取出し効率が向上した、有機または無機の発光ダイオード等の光電デバイスを得るための凹凸基板を製造する。
【解決手段】原板Sに複数の粒子M(M1〜M6)を配列させる粒子配列工程と、複数の粒子Mをエッチングマスクとして原板Sをドライエッチングし、原板Sの一方の面に凹凸構造を形成するエッチング工程と、形成した凹凸構造上に残存する複数の粒子を除去する除去工程を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機または無機の発光ダイオード、フォトダイオード、光電池等の光電デバイスの製造に適した凹凸基板、及び有機または無機の発光ダイオードの製造方法、並びに凹凸基板、発光ダイオード及び有機薄膜太陽電池に関する。
有機発光ダイオードは、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという。)を利用した発光素子であり、一般的に、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層の両面にそれぞれ陽極、陰極が設けられた構成を有する。有機EL層としては、発光層の他、必要に応じて電子輸送層、ホール輸送層などが設けられる。有機発光ダイオードには、基板側から光が取り出されるボトムエミッション型のものや、基板側とは反対側から光が取り出されるトップエミッション型のものなどがある。
有機発光ダイオードは、視野角依存性が少ない、消費電力が少ない、極めて薄いものができる等の利点がある。
他方、無機の発光ダイオードは、紫外、青色もしくは緑色発光ダイオード素子、または紫外、青色もしくは緑色レーザダイオード素子として用いられている。とりわけ、V族元素として窒素を用いたIII-V族窒化物半導体からなる発光層を有するIII-V族窒化物発光ダイオードが汎用されている。
III-V族窒化物発光ダイオードは、基本的には、サファイア等の基板上に、n型半導体層、発光層、p型半導体層が順次積層されており、n型半導体層にn型電極、p型半導体層にp型電極が形成された構造となっている。そして、発光層にて発光した光は、p型電極側及び/または基板側から取り出される。
これらの発光ダイオードでは、光取出し効率が必ずしも充分でない。光取出し効率は、発光層から出射した光エネルギーに対する、光の取出し面(例えばボトムエミッション型の場合は基板面)から大気中に放出される光エネルギーの割合である。
光取出し効率を低下させる要因の一つは屈折率の違う複数の層の界面で繰り返される全反射である。発光層から全方向に出射した光の多くは、界面で全反射を繰り返す内に層間を導波する導波モードとなり、層間を導波するうちに熱に変わったり側面から放出されたりする。
また、有機発光ダイオードでは、発光層と金属である陰極との間の距離が近いことから、発光層からの近接場光の一部は陰極の表面で表面プラズモンに変換されて失われ、光取出し効率が低下する。
光取出し効率は、当該発光ダイオードを備えたディスプレイ、照明等の明るさに影響することから、その改善のために種々の方法が検討されている。
例えば、界面で全反射を繰り返す問題を解決するため、基板に予め凹凸構造を形成してから他の層を積層することにより、該凹凸状基板の凹凸構造を利用して光の角度を変えて全反射を抑制し、光取り出し効率を向上させる方法が提案されている(特許文献1〜3)。
特許文献1、2では、フォトリソグラフィー法を用いて基板上にマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて該基板をドライエッチングすることで基板上に凹凸構造を形成し、その後この凹凸構造上に半導体層を形成することが提案されている。
また、特許文献3では、基板上に配置した無機粒子をエッチングマスクとして該基板をドライエッチングすることで基板上に凹凸構造を形成し、その後この凹凸構造上に半導体層を形成することが提案されている。
特許文献3において、基板上に無機粒子を配置する好ましい方法として、無機粒子を水等の媒体に分散させたスラリーを用いて、該スラリー中へ該基板を浸漬させるかまたは、該スラリーを該基板上に塗布あるいは噴霧した後に乾燥させる方法が提案されている。
また、特許文献4〜6には、回折格子として機能する1次元または2次元の周期的微細構造を金属層(陰極)の表面に設け、表面プラズモンのエネルギーを光として取り出すことが開示されている。
周期的微細構造を金属層(陰極)の表面に設ける方法としては、周期的微細構造を有する絶縁体層を形成し、その上方に積層される陰極に、同等の微細構造を反映させる方法が提案されている(特許文献4)。また、基板に周期的微細構造を設け、この基板上に陽極、発光層、陰極を積層することにより、陰極に、同等の微細構造を反映させる方法が提案されている(特許文献5、6)。
基板に周期的微細構造を設ける方法としては、特許文献5ではフォトリソグラフィー法が、特許文献6では、基板上に配置した粒子をエッチングマスクとして基板をドライエッチングする方法が開示されている。特許文献6において、基板上に粒子を配置する好ましい方法として、予め水面上に単層膜を形成し、これを基板に移し取る方法が提案されている。
上記のように、有機、無機、何れの発光ダイオードにおいても、光取り出し効率を向上させるために、微細な凹凸構造を有する基板を用いることが行われている。一方、光電池では、光利用効率を向上させる観点で、やはり微細な凹凸構造を有する基板を用いることが行われている。
しかし、特許文献1、2、5のようにフォトリソグラフィーにより基板に凹凸構造を形成すると、工程が増えるためにコストが増大する問題があった。
また、実用的なフォトリソグラフィーの手法であるレーザーリソグラフィ−では、凹凸のピッチが数μm限界である。そのため、特許文献1、2、5の方法では、凹凸構造設計の自由度が低かった。
また、特許文献3の無機粒子を水等の媒体に分散させたスラリーを用いて基板上に無機粒子を配置する方法では、無機粒子を規則的に配列することが困難であった。そのため、光取出し効率の向上効果を充分に得ることが困難であった。
これに対して、特許文献6のように、予め水面上に形成した単層膜を基板に移し取る方法は、非常に精度良く単一層からなる粒子エッチングマスクを基板上に形成することが可能で、光取出し効率の向上効果に優れていた。
特開2002−280611号公報 特開2003−318441号公報 特開2007−19318号公報 特開2004−31350号公報 特表2005−535121号公報 特開2009−158478号公報
しかし、本発明者らが確認したところ、特許文献6の方法で凹凸構造を形成した基板を用いている有機発光ダイオードは、平坦な基板を用いた有機発光ダイオードと比較して、短絡による不良発生率が高く、寿命も短い傾向があることが分かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、短絡による不良発生や、寿命低減の問題を生じることなく、光取出し効率ないしは光利用効率が向上した、発光ダイオード、フォトダイオード、光電池等の光電デバイスを得るための基板を製造する方法を提供する。また、斯かる基板を用いて、短絡による不良発生や、寿命低減の問題を生じることなく、光取出し効率ないしは光利用効率が向上した発光ダイオード及び有機薄膜太陽電池を提供する。
本発明者らは、上記の課題を達成するため、特許文献6の方法で凹凸構造を形成した基板を検討したところ、図4に示すように示すように、僅かではあるものの、正常な凸部よりも突出した凸部(以下「スパイク」という。)が形成されていることを見出した。このスパイクが、基板上に積層する層の欠陥を招き、ひいては、短絡による不良発生や、寿命低減の問題をもたらしているものと考えられた。
そして、このようなスパイクが発生する原因を検討したところ、エッチングマスクとして使用する粒子が重なっていた場合に発生することが分かった。
本発明者は、上記知見に基づきさらに検討を進め、以下の本発明に想到した。
[1] 原板に複数の粒子を略単一層で配列させる粒子配列工程と、
前記複数の粒子をエッチングマスクとして前記原板をドライエッチングし、該原板の一方の面に凹凸構造を形成するエッチング工程と、
形成した凹凸構造上に残存する複数の粒子を除去する除去工程を備え、
前記粒子配列工程は、水槽内の水の液面に水よりも比重が小さい溶剤中に粒子が分散した分散液を滴下する滴下工程と、前記溶剤を揮発させることにより前記粒子からなる単粒子膜を水の液面上に形成する単粒子膜形成工程と、前記単粒子膜を原板に移し取る移行工程とを有し、
前記エッチング工程は、略単一層で配列させた前記複数の粒子が消失する前に終了することを特徴とする凹凸基板の製造方法。
[2] さらに、除去工程後の原板に設けられた凹凸構造を複数回転写する転写工程を備える[1]に記載の凹凸基板の製造方法。
[3] [1]または[2]に記載の製造方法により凹凸基板を得る工程と、得られた凹凸基板の凹凸構造が形成された面に、少なくとも発光層を含む半導体機能層を積層する積層工程を備える発光ダイオードの製造方法。
[4] [1]または[2]に記載の製造方法により凹凸基板を得る工程と、得られた凹凸基板の凹凸構造が形成された面に、陽極導電層と、有機エレクトロルミネッセンス層と、陰極導電層とを含む積層構造を形成する積層工程を備える発光ダイオードの製造方法。
[5] 基板の一方の面に凹凸構造を有する凹凸基板であって、
前記凹凸構造は、隣接する7つの凸部の中心点が正六角形の6つの頂点と対角線の交点となる位置関係で連続して整列しているエリアを複数備え、
該複数のエリアの面積、形状及び格子方位がランダムであり、
前記凸部の最頻高さより30nm以上高い凸部が存在しないことを特徴とする凹凸基板。
[6][5]に記載の凹凸基板と、該凹凸基板上の凹凸構造が形成された面に積層された半導体機能層を備え、該半導体機能層は少なくとも発光層を含む発光ダイオード。
[7][5]に記載の凹凸基板と、該凹凸基板上の凹凸構造が形成された面に設けられた、陽極導電層と、有機エレクトロルミネッセンス層と、陰極導電層とを含む積層構造を備える発光ダイオード。
[8] [5]に記載の凹凸基板を備えた有機薄膜太陽電池。
本発明によれば、短絡による不良発生や、寿命低減の問題を生じることなく、光取出し効率ないしは光利用効率が向上した、発光ダイオード、フォトダイオード、光電池等の光電デバイスを得るための基板を製造できる。また、斯かる基板を用いて、短絡による不良発生や、寿命低減の問題を生じることなく、光取出し効率ないしは光利用効率が向上した発光ダイオード及び有機薄膜太陽電池を製造できる。
粒子配列工程における単粒子膜形成工程で、配列された粒子を模式的に示す平面図である。 粒子配列工程の説明図で、(a)は移行工程開始前の状態、(b)は移行工程中の状態を、各々模式的に示す。 粒子配列工程以降の説明図であり、(a)は粒子配列工程後、(b)はエッチング工程後、(c)は除去工程後の状態を、各々模式的に示す。また、(d)はエッチング工程を粒子が消失するまで行った場合の状態を模式的に示す。 特許文献6の方法で形成した基板の電子顕微鏡写真である。 本発明の凹凸基板を模式的に示す断面図である。 本発明の凹凸基板を模式的に示す平面図である。
<凹凸基板>
図5、6を用いて、本発明の一実施形態に係る凹凸基板1について説明する。図5に示すように、凹凸基板1は基板の一方の面に凹凸構造を有している。図5、6では、各凸部の間に平坦面を有する態様を例にとって説明する。
基板表面の凹凸構造は多数の凸部c1〜cnを有している。また、各凸部の間は平坦面f1〜fnとなっている。なお、nは正の正数である。
図5におけるt1〜tnは各凸部c1〜cnの中心点である。AFM(原子間力顕微鏡)の測定結果に基づき、基準面と平行に各凸部について20nm毎に複数の等高線を引き、各等高線の重心点(x座標とy座標で決定される点)を求める。これらの各重心点の平均位置(各x座標の平均とy座標の平均で決定される位点)が、該凸部の中心点である。
図5におけるm1〜mnは、AFMで求めた隣接する中心点の中点である。また、平坦面f1〜fnは、AFMの測定結果に基づき、その領域内の中点における表面高さと、その領域内における任意の点の表面高さとを結ぶ直線の、AFMの基準面に対する傾きが±10゜以下である領域である。
凹凸基板1が半導体発光素子用基板である場合、各平坦面f1〜fnの周辺は、凹凸構造の最頻ピッチPが1μm以下の場合は、各中点m1〜mnから、2〜300nmの距離にあることが好ましく、5〜100nmの距離にあることがより好ましい。凹凸構造の最頻ピッチPが1μm超の場合は、各中点m1〜mnから、100〜3000nmの距離にあることが好ましく、200〜2000nmの距離にあることがより好ましい。
各平坦面の周辺と各中点との距離が好ましい下限値以上であれば、半導体発光素子用基板として充分な平坦面の面積が確保され、基板上でに半導体層を安定してエピタキシャル成長させやすい。また、各平坦面の周辺と各中点との距離が好ましい上限値以下であれば、充分な密度で凸部を形成して、光取り出し効率向上の効果を得やすい。
凹凸基板1は半導体発光素子用基板に限られないので、各中点m1〜mnから、各平坦面f1〜fnの周辺迄の距離は、上記好ましい範囲の下限値よりも小さくてもよい。また、平坦面は存在しなくてもよい。
凸部の形状としては、円錐、円錐台、円錐の斜面が外側に膨出したタケノコ状や半球状、円錐台の斜面が外側に膨出した形状(タケノコ状や半球状の頂部を切断した形状)等が挙げられる。
凹凸構造の最頻ピッチPは、100nm〜5μmが好ましく、100nm〜1μmがより好ましく、200nm〜700nmの範囲がさらに好ましく、300nm〜600nmの範囲が特に好ましい。最頻ピッチPが好ましい範囲内であれば、光の全反射を防止しやすい。特に、最頻ピッチPが1μm以下であると、青〜紫外の光取り出し効率をより効果的に高めることが可能である。そのため、GaNやInGaNなどの成膜を行って発光波長が青〜紫外の領域の半導体発光素子に使用する基板の凹凸構造として好適である。
最頻ピッチPは、具体的には次のようにして求められる。
まず、凹凸面における無作為に選択された領域で、一辺が最頻ピッチPの30〜40倍の正方形の領域における基板面と平行な面をAFM基準面とし、当該正方形の領域について、AFMイメージを得る。例えば、最頻ピッチが300nm程度の場合、9μm×9μm〜12μm×12μmの領域のイメージを得る。そして、このイメージをフーリエ変換により波形分離し、FFT像(高速フーリエ変換像)を得る。ついで、FFT像のプロファイルにおける0次ピークから1次ピークまでの距離を求める。こうして求められた距離の逆数がこの領域における最頻ピッチPである。このような処理を無作為に選択された合計25カ所以上の同面積の領域について同様に行い、各領域における最頻ピッチを求める。こうして得られた25カ所以上の領域における最頻ピッチP〜P25の平均値が最頻ピッチPである。なお、この際、各領域同士は、少なくとも1mm離れて選択されることが好ましく、より好ましくは5mm〜1cm離れて選択される。
凸部の最頻高さHは、50nm〜5μmの間で調整されることが好ましい。
最頻高さHが好ましい範囲内であれば、その後成膜される窒化化合物の成膜欠陥が低減され、更には光の全反射を防止し、光取り出し効率を改善することができる。
凸部の最頻高さHは、具体的には次のようにして求められる。
まず、AFMイメージから、任意の方向と位置における長さ1mmの線に沿った図5のような断面を得る。この断面の凸部が30個以上含まれる任意の部分を抽出し、その中に含まれる各凸部について、その頂点(最も高い位置)の高さと、当該凸部に隣接する凸部との間の平坦部における最も低い位置の高さとの差を求める。得られた値を有効桁数2桁で丸め各凸部の高さとし、その最頻値を最頻高さHとする。
凹凸基板1には、凸部の最頻高さHより30nm以上高い凸部が存在しない。凹凸基板1には、凸部の最頻高さHより20nm以上高い凸部が存在しないことが好ましく、10nm以上高い凸部が存在しないことがより好ましい。
本発明では、凹凸基板1の縦20μm×横20μmのAFMイメージを縦横1mm間隔で5×5箇所(25箇所)測定し、その中に、凸部の最頻高さHより所定の高さ以上高い凸部(スパイク)が存在しなければ、凹凸基板1に、そのような凸部が存在しないとみなす。
凹凸基板1に、スパイクが存在しないことにより、凹凸基板1上に積層する層の欠陥が生じにくく、ひいては、短絡による不良発生や、寿命低減の問題も避できる。
凹凸基板1は、図6に示すように複数のエリアC〜Cを有している。各エリアC〜Cは、隣接する7つの凸部の中心点が正六角形の6つの頂点と対角線の交点となる位置関係で連続して整列している領域である。なお、図6では、各凸部の中心点の位置を、便宜上、その中心点を中心とする円uで示している。円uは、図5に示すように、各凸部だけでなく、その周辺の平坦面を含む領域に相当する。
本発明において、隣接する7つの凸部の中心点が正六角形の6つの頂点と対角線の交点となる位置関係とは、具体的には、以下の条件を満たす関係をいう。
まず、1つの中心点t1から、隣接する中心点t2の方向に長さが最頻ピッチPと等しい長さの線分L1を引く。次いで中心点t1から、線分L1に対して、60゜、120゜、180゜、240゜、300゜の各方向に、最頻ピッチPと等しい長さの線分L2〜L6を引く。中心点t1に隣接する6つの中心点が、中心点t1と反対側における各線分L1〜L6の終点から、各々最頻ピッチPの15%以内の範囲にあれば、これら7つの中心点は、正六角形の6つの頂点と対角線の交点となる位置関係にある。
各エリアC〜Cの最頻面積Q(各エリア面積の最頻値)は、以下の範囲であることが好ましい。
最頻ピッチPが500nm未満の時、10mm×10mmのAFMイメージ測定範囲内における最頻面積Qは、0.026μm〜6.5mmであることが好ましい。
最頻ピッチPが500nm以上1μm未満の時、10mm×10mmのAFMイメージ測定範囲内における最頻面積Qは、0.65μm〜26mmであることが好ましい。
最頻ピッチPが1μm以上の時、50mm×50mmのAFMイメージ測定範囲内における最頻面積Qは、2.6μm〜650mmであることが好ましい。
最頻面積Qが好ましい範囲内であれば、光のカラーシフトや面内異方性が高くなる問題を防止しやすい。
また、各エリアC〜Cは、図2に示すように、面積、形状及び格子方位がランダムである。
面積のランダム性の度合いは、具体的には、以下の条件を満たすことが好ましい。
まず、ひとつのエリアの境界線が外接する最大面積の楕円を描き、その楕円を下記式(α)で表す。
/a+Y/b=1・・・・・・(α)
最頻ピッチPが500nm未満の時、10mm×10mmのAFMイメージ測定範囲内におけるπabの標準偏差は、0.08μm以上であることが好ましい。
最頻ピッチPが500nm以上1μm未満の時、10mm×10mmのAFMイメージ測定範囲内におけるπabの標準偏差は、1.95μm以上であることが好ましい。
最頻ピッチPが1μm以上の時、50mm×50mmのAFMイメージ測定範囲内におけるπabの標準偏差は、8.58μm以上であることが好ましい。
πabの標準偏差が好ましい範囲内であれば、回折光の平均化の効果が優れる。
また、各エリアC〜Cの形状のランダム性の度合いは、具体的には、前記式(α)におけるaとbの比、a/bの標準偏差が0.1以上であることが好ましい。
また各エリアC〜Cの格子方位のランダム性は、具体的には、以下の条件を満たすことが好ましい。
まず、任意のエリア(I)における任意の隣接する2つの凸部の中心点を結ぶ直線K0を画く。次に、該エリア(I)に隣接する1つのエリア(II)を選択し、そのエリア(II)における任意の凸部と、その凸部に隣接する6つの凸部の中心点を結ぶ6本の直線K1〜K6を画く。直線K1〜K6が、直線K0に対して、いずれも3度以上異なる角度である場合、エリア(I)とエリア(II)との格子方位が異なる、と定義する。
エリア(I)に隣接するエリアの内、格子方位がエリア(I)の格子方位と異なるエリアが2以上存在することが好ましく、3以上存在することが好ましく、5以上存在することがさらに好ましい。
凹凸基板1の凹凸構造は、格子方位が各エリアC〜Cの内では揃っているが、巨視的には揃っていない多結晶構造体である。巨視的な格子方位のランダム性は、FFT(高速フーリエ変換)基本波の最大値と最小値の比で評価できる。FFT基本波の最大値と最小値の比は、AFM像を取得し、その2次元フーリエ変換像を求め、基本波の波数だけ原点から離れた円周を作図し、この円周上の最も振幅の大きい点と最も振幅の小さな点を抽出し、その振幅の比として求める。この際のAFM像の取得方法は、最頻ピッチPを求める際のAFM像の取得方法と同じである。
FFT基本波の最大値と最小値の比が大きい凹凸構造は、格子方位が揃っており、凹凸構造を2次元結晶とみなした場合単結晶性が高い構造と言える。反対に、FFT基本波の最大値と最小値の比が小さい凹凸構造は、格子方位が揃っておらず、凹凸構造を2次元結晶とみなした場合は多結晶構造であると言える。
凹凸基板1の凹凸構造が、上記好ましい範囲のFFT基本波の最大値と最小値の比を有する場合、特定の面内方向に回折光が放射されることはなく、均等に回折光が放射される。そのため、半導体発光素子の放射強度が、見る角度によって異なることはない。言い換えれば、面内放射異方性が低い半導体発光素子を得ることができる。
また、半導体発光素子においてカラーシフトが発生することも防止できる。カラーシフトは見る角度によっては色が異なる現象である。例えば、光が蛍光体により波長変換されたのち素子内で光が再び凹凸基板1の凹凸構造による回折を行う場合、回折光が元のスペクトルに重なり、特定の波長が強められる結果生じる。
光が蛍光体により波長変換されたのち素子内で光が再び凹凸基板1の凹凸構造による回折を行う場合としては、上面に反射電極を設け3原色蛍光体により紫外光を白色に変換するボトムエミッション型の白色LEDなどが挙げられる。
上記好ましい範囲のFFT基本波の最大値と最小値の比を有する凹凸構造であれば、回折光の出射する角度が偏らないようにできるため、カラーシフトを抑制できる。
凹凸基板1は、凹凸構造が適度なランダム性を持つ。そのため、充分な光取り出し効率が得られると共に回折光を平均化することによってカラーシフトや面内異方性が高くなる問題を防止できる。
<凹凸基板の製造方法>
本発明の凹凸基板の製造方法は、原板に複数の粒子を略単一層で配列させる粒子配列工程と、複数の粒子をエッチングマスクとして原板をドライエッチングし、該原板の一方の面に凹凸構造を形成するエッチング工程と、形成した凹凸構造上に残存する複数の粒子を除去する除去工程を備える。
以下、各工程を図1〜3に添って順次説明する。なお、図2、3では、説明の便宜上、粒子Mと原板Sに形成される凹凸を極端に拡大している。
[粒子配列工程]
粒子配列工程は、いわゆるLB法(ラングミュア−ブロジェット法)の考え方を利用した方法により行う。
具体的には、水槽内の水の液面に水よりも比重が小さい溶剤中に粒子が分散した分散液を滴下する滴下工程と、溶剤を揮発させることにより粒子からなる単粒子膜を形成する単粒子膜形成工程と、単粒子膜を原板に移し取る移行工程とを有する方法により粒子配列工程を行う。
この方法は、単層化の精度、操作の簡便性、大面積化への対応、再現性などを兼ね備える。例えばNature, Vol.361, 7 January, 26(1993)などに記載されている液体薄膜法や特開昭58−120255号公報などに記載されているいわゆる粒子吸着法に比べて非常に優れ、工業生産レベルにも対応できる。
LB法による粒子配列工程について、以下に具体的に説明する。
(滴下工程および単粒子膜形成工程)
まず、水よりも比重が小さい溶剤中に、粒子Mを加えて分散液を調製する。一方、水槽(トラフ)を用意し、これに、その液面上で粒子Mを展開させるための水(以下、下層水という場合もある。)を入れる。
粒子Mは、表面が疎水性であることが好ましい。また、溶剤としても疎水性のものを選択することが好ましい。疎水性の粒子M及び溶剤と下層水とを組み合わせることによって、後述するように、粒子Mの自己組織化が進行し、2次元的に最密充填した単粒子膜が形成される。
溶剤は、また、高い揮発性を有することも重要である。揮発性が高く疎水性である溶剤としては、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチルエチルケトン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの1種以上からなる揮発性有機溶剤が挙げられる。
粒子Mが無機粒子である場合、通常その表面は親水性のため、疎水化剤で疎水化して使用することが好ましい。疎水化剤としては、例えば界面活性剤、金属アルコキシシランなどが使用できる。
粒子Mの疎水化は、特開2009−162831号公報に記載された疎水化剤と同様の界面活性剤、金属アルコキシシランなどを用い、同様の方法で行うことができる。
また、形成する単粒子膜の精度をより高めるためには、液面に滴下する前の分散液をメンブランフィルターなどで精密ろ過して、分散液中に存在する凝集粒子(複数の1次粒子からなる2次粒子)を除去することが好ましい。このようにあらかじめ精密ろ過を行っておくと部分的に2層以上となった箇所や、粒子が存在しない欠陥箇所が生じにくく、精度の高い単粒子膜が得られやすい。仮に、形成された単粒子膜に、数〜数十μm程度の大きさの欠陥箇所が存在したとすると、高精度な単粒子膜を得ることは難しくなる。このような欠陥は、詳しくは後述する移行工程において、単粒子膜の表面圧を計測する表面圧力センサーと、単粒子膜を液面方向に圧縮する可動バリアとを備えたLBトラフ装置を使用したとしても、表面圧の差として検知されにくい。
以上説明した分散液を、下層水の液面に滴下する(滴下工程)。すると、分散媒である溶剤が揮発するとともに、粒子Mが下層水の液面上に単層で展開し、2次元的に最密充填した単粒子膜を形成することができる(単粒子膜形成工程)。
下層水に滴下する分散液の粒子濃度は1〜10質量%とすることが好ましい。また、滴下速度を0.001〜0.01ml/秒とすることが好ましい。分散液中の粒子Mの濃度や滴下量がこのような範囲であると、粒子が部分的にクラスター状に凝集して2層以上となる、粒子が存在しない欠陥箇所が生じる、粒子間のピッチが広がるなどの傾向が抑制される。そのため、各粒子が高精度で2次元に最密充填した単粒子膜がより得られやすい。
単粒子膜形成工程では、粒子Mの自己組織化によって単粒子膜が形成される。その原理は、粒子が集結すると、その粒子間に存在する分散媒に起因して表面張力が作用し、その結果、粒子M同士はランダムに存在するのではなく、2次元的最密充填構造を自動的に形成するというものである。このような表面張力による最密充填は、別の表現をすると横方向の毛細管力による配列化ともいえる。
特に、例えばコロイダルシリカのように、球形であって粒径の均一性も高い粒子Mが、水面上に浮いた状態で3つ集まり接触すると、粒子群の喫水線の合計長を最小にするように表面張力が作用する。そのため、図1に示すように、3つの粒子Mは図中Tで示す正三角形を基本とする配置で安定化する。
単粒子膜形成工程は、超音波照射条件下で実施することが好ましい。下層水から水面に向けて超音波を照射しながら分散液の溶剤を揮発させると、粒子Mの最密充填が促進され、各粒子Mがより高精度で2次元に最密充填した単粒子膜が得られる。この際、超音波の出力は1〜1200Wが好ましく、50〜600Wがより好ましい。
また、超音波の周波数には特に制限はないが、例えば28kHz〜5MHzが好ましく、より好ましくは700kHz〜2MHzである。振動数が高すぎると、水分子のエネルギー吸収が始まり、水面から水蒸気または水滴が立ち上る現象が起きるため好ましくない。一方、振動数が低すぎると、下層水中のキャビテーション半径が大きくなり、水中に泡が発生して水面に向かって浮上してくる。このような泡が単粒子膜の下に集積すると、水面の平坦性が失われるため不都合である。
超音波照射によって水面に定常波が発生する。いずれの周波数でも出力が高すぎたり、超音波振動子と発信機のチューニング条件によって水面の波高が高くなりすぎたりすると、単粒子膜が水面波で破壊されるため注意が必要である。
以上のことに留意して超音波の周波数及び出力を適切に設定すると、形成されつつある単粒子膜を破壊することなく、効果的に粒子の最密充填を促進することができる。効果的な超音波照射を行うためには、粒子の粒径から計算される固有振動数を目安にするのが良い。しかし、粒径が例えば100nm以下など小さな粒子になると固有振動数は非常に高くなってしまうため、計算結果のとおりの超音波振動を与えるのは困難になる。このような場合は、粒子2量体から20量体程度までの質量に対応する固有振動を与えると仮定して計算を行うと、必要な振動数を現実的な範囲まで低減させることが出来る。粒子の会合体の固有振動数に対応する超音波振動を与えた場合でも、粒子の充填率向上効果は発現する。超音波の照射時間は、粒子の再配列が完了するのに十分であればよく、粒径、超音波の周波数、水温などによって所要時間が変化する。しかし通常の作成条件では10秒間〜60分間で行うのが好ましく、より好ましくは3分間〜30分間である。
超音波照射によって得られる利点は粒子の最密充填化(ランダム配列を6方最密化する)の他に、ナノ粒子の分散液調製時に発生しやすい粒子の軟凝集体を破壊する効果、一度発生した点欠陥、線欠陥、または結晶転移などもある程度修復する効果がある。
(移行工程)
単粒子膜形成工程により液面上に形成された単粒子膜を、ついで、単層状態のまま原板Sに移し取る(移行工程)。
単粒子膜を原板Sに移し取る具体的な方法には特に制限はない。例えば、疎水性の原板Sを単粒子膜に対して略平行な状態に保ちつつ、上方から降下させて単粒子膜に接触させ、ともに疎水性である単粒子膜と原板との親和力により、単粒子膜を原板Sに移行させ、移し取る方法が採用できる。また、単粒子膜を形成する前にあらかじめ水槽の下層水内に原板Sを略水平方向に配置しておき、単粒子膜を液面上に形成した後に液面を徐々に降下させることにより、原板Sに単粒子膜を移し取る方法も採用できる。これらの方法によれば、特別な装置を使用せずに単粒子膜を原板Sに移し取ることができる。
しかし、移行工程においては、いわゆるLBトラフ法を採用することが好ましい(Journal of Materials and Chemistry, Vol.11, 3333 (2001)、Journal of Materials and Chemistry, Vol.12, 3268 (2002)など参照。)。
LBトラフ法によれば、特別な装置を使用せずに単粒子膜を原板Sに移し取ることができるだけでなく、より大面積の単粒子膜であっても、その2次的な最密充填状態を維持したまま原板Sに移し取りやすい。
図2は、LBトラフ法の概略を模式的に示すものである。なお、図2では、説明の便宜上、粒子Mを極端に拡大している。
この方法では、水槽V内の下層水Wに原板Sをあらかじめ略鉛直方向に浸漬しておき、その状態で上述の滴下工程と単粒子膜形成工程とを行い、単粒子膜Fを形成する(図2(a))。そして、単粒子膜形成工程後に、原板Sを略鉛直方向を保ったまま上方に引き上げることによって、単粒子膜Fを原板Sに移し取ることができる(図2(b))。
なお、この図では、原板Sの両面に単粒子膜Fを移し取る状態を示しているが、凹凸構造は、原板Sの一方の面のみに形成すればよいので、単粒子膜Fは原板Sの平坦面Xのみに移し取ればよい。原板Sの平坦面Xと反対側の面(裏面)を厚板で遮蔽することによって、平坦面X側から裏面への粒子Mの回り込みを防止した状態で平坦面Xのみに単粒子膜Fを移し取れば、より精密に単粒子膜Fを移し取れるので好ましい。しかし、両面に移し取っても何ら差し支えない。
ここで単粒子膜Fは、単粒子膜形成工程により液面上ですでに単層の状態に形成されているため、移行工程の温度条件(下層水の温度)や原板Sの引き上げ速度などが多少変動しても、移行工程において単粒子膜Fが崩壊して多層化するなどのおそれはない。なお、下層水の温度は、通常、季節や天気により変動する環境温度に依存し、ほぼ10〜30℃程度である。
また、この際、水槽Vとして、単粒子膜Fの表面圧を計測する図示略のウィルヘルミープレート等を原理とする表面圧力センサーと、単粒子膜Fを液面に沿う方向に圧縮する図示略の可動バリアとを具備するLBトラフ装置を使用することが好ましい。これにより、より大面積の単粒子膜Fをより安定に原板Sに移し取ることができる。このような装置によれば、単粒子膜Fの表面圧を計測しながら、単粒子膜Fを好ましい拡散圧(密度)に圧縮でき、また、原板Sの方に向けて一定の速度で移動させることができる。そのため、単粒子膜Fの液面から原板Sへの移行が円滑に進行し、小面積の単粒子膜Fしか原板Sに移行できないなどのトラブルが生じにくい。好ましい拡散圧は、5〜80mNm−1であり、より好ましくは10〜40mNm−1である。このような拡散圧であると、各粒子がより高精度で2次元に最密充填した単粒子膜Fが得られやすい。また、原板Sを引き上げる速度は、0.5〜20mm/分が好ましい。下層水の温度は、先述したように、通常10〜30℃である。なお、LBトラフ装置は、市販品として入手することができる。
(固定工程)
移行工程により、原板Sに粒子Mの単粒子膜Fを移行させることができるが、移行工程の後には、移行した単粒子膜Fを原板Sに固定するための固定工程を行ってもよい。移行工程だけでは、後述の粒子エッチング工程及びエッチング工程中に粒子Mが原板S上を移動してしまう可能性がある。特に、各粒子Mの直径が徐々に小さくなるエッチング工程の最終段階になると、このような可能性が大きくなる。
単粒子膜を原板Sに固定する固定工程を行うことによって、粒子Mが原板S上を移動してしまう可能性が抑えられ、より安定かつ高精度にエッチングすることができる。
固定工程の方法としては、バインダーを使用する方法や焼結法がある。
バインダーを使用する方法では、単粒子膜が形成された原板Sの平坦面X側にバインダー溶液を供給して単粒子膜を構成する粒子Mと原板Sとの間にこれを浸透させる。
バインダーの使用量は、単粒子膜の質量の0.001〜0.02倍が好ましい。このような範囲であれば、バインダーが多すぎて粒子M間にバインダーが詰まってしまい、単粒子膜の精度に悪影響を与えるという問題を生じることなく、十分に粒子を固定することができる。バインダー溶液を多く供給してしまった場合には、バインダー溶液が浸透した後に、スピンコーターを使用したり、原板Sを傾けたりして、バインダー溶液の余剰分を除去すればよい。
バインダーとしては、先に疎水化剤として例示した金属アルコキシシランや一般の有機バインダー、無機バインダーなどを使用でき、バインダー溶液が浸透した後には、バインダーの種類に応じて、適宜加熱処理を行えばよい。金属アルコキシシランをバインダーとして使用する場合には、40〜80℃で3〜60分間の条件で加熱処理することが好ましい。
焼結法を採用する場合には、単粒子膜が形成された原板Sを加熱して、単粒子膜を構成している各粒子Mを原板Sに融着させればよい。加熱温度は粒子Mの材質と原板Sの材質に応じて決定すればよいが、粒径が1μmφ以下の粒子Mはその物質本来の融点よりも低い温度で界面反応を開始するため、比較的低温側で焼結は完了する。加熱温度が高すぎると、粒子の融着面積が大きくなり、その結果、単粒子膜の形状が変化するなど、精度に影響を与える可能性がある。
また、加熱を空気中で行うと、原板Sや各粒子Mが酸化する可能性があるため、焼結法を採用する場合には、このような酸化の可能性を考慮して、条件を設定することが必要となる。例えば、原板Sとしてシリコン原板を用い、これを1100℃で焼結すると、この原板Sの表面には約200nmの厚さで熱酸化層が形成されてしまう。Nガスやアルゴンガス中で加熱すると、酸化を避けやすい。
(原板S)
原板Sの材質は、使用目的に応じて適宜選択すればよい。例えば、原板Sに凹凸構造を設けた基板を、そのまま無機の発光ダイオードの基板とする場合、原板Sとしては、サファイア、SiC、Si、MgAl24 、LiTaO3 、ZrB2 、又はCrB2 等の材料から成る板材を用いることができる。原板Sとしては、機械的安定性、熱安定性、光学安定性、化学的安定性の点で、サファイアが好ましい。
原板Sに凹凸構造を設けた基板を、そのままボトムエミッション型の有機発光ダイオードの基板とする場合、光を基板から取り出せるよう、原板Sとしては、可視光を透過する透明体が用いられる。
この場合、原板Sとしては、可視光の範囲(波長380nm〜800nm)でスペクトルに偏りを与えず、透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上のものを用いる。
透明体である原板Sの材料は、無機材料でも有機材料でもよく、それらの組み合わせでもよい。無機材料としては、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス、白板ガラス等の各種ガラス、マイカ等の透明無機鉱物などが挙げられる。有機材料としては、シクロオレフィン系フィルム、ポリエステル系フィルム等の樹脂フィルム、該樹脂フィルム中にセルロースナノファイバー等の微細繊維を混入した繊維強化プラスチック素材などが挙げられる。
原板Sに凹凸構造を設けた基板を、そのままトップエミッション型の有機発光ダイオードの基板とする場合、光が基板とは反対側から取り出されるため、原板Sは必ずしも透明でなくてもよい。
したがって、上記ボトムエミッション型の有機発光ダイオードの基板とする場合と同様の材料を使用できるほか、例えば、ステンレス板や銅板等の金属板や、シリコンウエハ等を用いることができる。
また、原板Sをそのまま基板として使用せず、その凹凸構造を、後述のように他に転写して基板を得る場合は、例えば、ステンレス板や銅板等の金属板や、シリコンウエハ等を用いることができる。
(粒子M)
粒子Mの材質としては、例えば、金属、金属酸化物等の無機粒子、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの有機高分子等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
この粒子Mの材質や後述するドライエッチング条件を選択することにより、形成される凹凸構造の高さや形状を調節できる。
粒子Mは無機粒子であることが好ましい。無機粒子としては、例えば、酸化物、窒化物、炭化物、硼化物、硫化物、セレン化物及び金属等の化合物からなる粒子および金属粒子等を使用することができる。
酸化物として用いることができるものとしては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、酸化亜鉛、酸化スズ及びイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)等が挙げられ、さらに、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも使用できる。
窒化物として用いることができるものとしては、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素等が挙げられ、さらに、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも使用できる。例えば、シリコンとアルミニウムと酸素と窒素からなるサイアロン等の化合物も用いることができる。
炭化物として用いることができるものとしては、SiC、炭化硼素、ダイヤモンド、グラファイト、フラーレン類等が挙げられ、さらに、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも用いることができる。
硼化物として用いることができるものとしては、ZrB2 、CrB2 等が挙げられ、さらに、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも用いることができる。
硫化物として用いることができるものとしては、硫化亜鉛、硫化カルシウム、硫化カドミウム、硫化ストロンチウム等が挙げられ、さらに、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも用いることができる。
セレン化物として用いることができるのもとしては、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、等が挙げられ、さらに、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも用いることができる。
金属として用いることができるものとしては、Si、Ni、W、Ta、Cr、Ti、Mg、Ca、Al、Au、AgおよびZnからなる群より選ばれる1種類以上の金属からなる粒子を用いることができる。
上記の無機粒子は、それぞれ単独で粒子Mとして用いることができる他、これらの無機粒子を混合したものを粒子Mとして用いることもできる。また、窒化物からなる無機粒子を酸化物で被覆したような被覆粒子も粒子Mとして用いることができる。さらに、上記無機粒子中にセリウムやユーロピウムなどの付活剤を導入した蛍光体粒子を粒子Mとして用いることができる。
上記無機粒子を構成する化合物の中でも、形状安定性の点で酸化物が好ましく、その中でもシリカがより好ましい。
粒子配列工程によって、原板Sの一方の面である平坦面Xに複数の粒子Mが、略単一層で配列される。すなわち、粒子Mの単粒子膜Fが平坦面X上に形成される。
粒子配列工程では、下記式(1)で定義される配列のずれD(%)が15%以下となるように、原板Sに複数の粒子Mを単一層で配列させることが好ましい。
D[%]=|B−A|×100/A・・・(1)
但し、式(1)中、Aは粒子Mの平均粒径、Bは粒子M間の最頻ピッチである。また、|B−A|はAとBとの差の絶対値を示す。
ずれDは、10%以下であることが好ましく、1.0〜3.0%であることがより好ましい。
ここで粒子Mの平均粒径Aとは、単粒子膜を構成している粒子Mの平均一次粒径のことであって、粒子動的光散乱法により求めた粒度分布をガウス曲線にフィッティングさせて得られるピークから常法により求めることができる。
一方、粒子M間のピッチとは、シート面方向における隣り合う2つの粒子Mの頂点と頂点の距離であり、最頻ピッチBとはこれらを平均したものである。なお、粒子Mが球形であれば、隣り合う粒子Mの頂点と頂点との距離は、隣り合う粒子Mの中心と中心の距離と等しい。
粒子M間の最頻ピッチBは、具体的には次のようにして求められる。
まず、単粒子膜における無作為に選択された領域で、一辺が粒子M間の最頻ピッチBの30〜40倍のシート面と平行な正方形の領域について、原子間力顕微鏡イメージを得る。例えば粒径300nmの粒子Mを用いた単粒子膜の場合、9μm×9μm〜12μm×12μmの領域のイメージを得る。そして、このイメージをフーリエ変換により波形分離し、FFT像(高速フーリエ変換像)を得る。ついで、FFT像のプロファイルにおける0次ピークから1次ピークまでの距離を求める。こうして求められた距離の逆数がこの領域における最頻ピッチBである。このような処理を無作為に選択された合計25カ所以上の同面積の領域について同様に行い、各領域における最頻ピッチB〜B25を求める。こうして得られた25カ所以上の領域における最頻ピッチB〜B25の平均値が式(1)における最頻ピッチBである。なお、この際、各領域同士は、少なくとも1mm離れて選択されることが好ましく、より好ましくは5mm〜1cm離れて選択される。
また、この際、FFT像のプロファイルにおける1次ピークの面積から、各イメージについて、その中の粒子M間のピッチのばらつきを評価することもできる。
この配列のずれDは、粒子Mの最密充填の度合いを示す指標である。すなわち、粒子の配列のずれDが小さいことは、最密充填の度合いが高く、粒子の間隔が制御されており、その配列の精度が高いことを意味する。
配列のずれD(%)を15%以下とするため、粒子Mの粒径の変動係数(標準偏差を平均値で除した値)は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
後述のように、本発明によって原板Sに設けられる凹凸構造のピッチは、粒子M間の最頻ピッチBと同等となる。配列のずれD(%)が小さければ、凹凸構造のピッチは、粒子Mの平均粒径Aとほぼ同等となるので、粒子Mの平均粒径Aを適切に選択することにより、所望のピッチの凹凸構造を精度良く形成することができる。
粒子Mとして、粒径の変動係数が充分に小さいものを使用すれば、本発明の粒子配列工程によって、容易にずれDが15%以下であるように粒子Mを配列できる。すなわち、非常に精度の良く粒子Mが単層で最密充填されたエッチングマスクを、原板S上に配置できる。
しかし、本発明者が確認したところ、本発明の粒子配列工程によっても、粒子Mが原板Sを覆っていない部分や、粒子Mが重なってしまう部分が、ごく僅かに生じてしまう。
図3(a)は、粒子配列工程後における、斯かる僅かな欠陥が生じている部分の状態を示す図である。すなわち、図3(a)では、原板Sの平坦面X上に、粒子M1〜M10(複数の粒子M)が配列されている。粒子M1〜M10の配列は、以下の2点において欠陥がある。
a.粒子M1と粒子M2との間に、平坦面Xが粒子Mで覆われていない部分がある。
b.粒子M5〜M7の上に、粒子M8〜M10が重なっている。
[エッチング工程]
エッチング工程では、粒子Mをエッチングマスクとして原板Sをドライエッチングする。図3では、このドライエッチング工程を、次の(S1)、(S2)の二段階で行った場合の粒子Mと原板Sの変化を示す。
なお、図5で説明した平坦面f1〜fnが不要な場合、(S1)の工程は不要である。
(S1)粒子Mがエッチングされ、原板Sが実質的にエッチングされない条件で、粒子Mをドライエッチングする工程。
(S2)粒子Mがと原板Sの双方が実質的にエッチングされる条件で、(S1)で残存した粒子をエッチングマスクとして原板Sをドライエッチングする工程。
(S1)のエッチング工程における、原板Sが実質的にエッチングされない条件としては、下式(2)のドライエッチング選択比が25%以下の条件であることが好ましく、15%以下の条件であることが好ましく、10%以下の条件であることが、さらに好ましい。
ドライエッチング選択比[%]
=原板Sのドライエッチング速度/粒子Mのドライエッチング速度×100・・・(2)
このようなドライエッチング条件とするためには、エッチングガスを適切に選択すればよい。例えば、原板Sがサファイアであり、粒子Mがシリカである場合、CF、SF、CHF、C、C、CH、およびNFから選択される1以上のガスを用いてドライエッチングすることが好ましい。これにより、原板Sに殆ど影響を与えずに、粒子Mをエッチングできる。
(S1)のエッチング工程は、(S2)のエッチング工程でエッチングマスクとして機能する粒子が残存するように行う必要がある。そのためには、原板Sの厚み方向(垂直方向)の粒子Mの径(以下「高さ」という。)を充分に残しながら、粒子Mの原板Sの面方向(水平方向)の大きさ(以下「面積」という。)が小さくなっていく条件で行うことが好ましい。すなわち、粒子Mの高さの減少を抑制しつつ、面積が縮小する条件でエッチングすることが好ましい。
そのような条件とするためには、バイアスパワーを低めに設定したり、圧力を低圧にしたりすればよい。
(S2)のエッチング工程は、上式(2)のドライエッチング選択比が100%より大きい条件で行うことが好ましく、200%以上で行うことがより好ましく、300%以上で行うことがさらに好ましい。
このようなドライエッチング条件とするためには、原板Sおよび粒子Mの材質に応じてエッチングガスを適切に選択すればよい。
例えば、原板Sがガラスであり、粒子Mがコロイダルシリカである場合、Ar、SF、F、CF、C、C、C、C、C、CHF、CH、CHF、C、Cl、CCl、SiCl、BCl、BCl、BC、Br、Br、HBr、CBrF、HCl、CH、NH、O、H、N、CO、COなどを使用できる。
また、原板Sが石英で、粒子Mがコロイダルシリカである場合、ArやCFなどを使用できる。
また、原板Sがサファイアであり、粒子Mがシリカである場合、Cl、BCl、SiCl、HBr、HI、およびHClから選択される1以上のガスを用いてドライエッチングすればよい。
(S1)、(S2)のエッチング工程で使用可能なエッチング装置としては、反応性イオンエッチング装置、イオンビームエッチング装置などの異方性エッチングが可能なものであって、最小で20W程度のバイアス電場を発生できるものであればよい。プラズマ発生の方式、電極の構造、チャンバーの構造、高周波電源の周波数等の仕様には特に制限はない。
(S1)の工程では、粒子M2〜M4のように単一層で配列された粒子Mがエッチングされて小さくなり、その間に間隙が生じる。粒子M1、粒子M10も、粒子M2〜M4と同様にエッチングされ、小さくなる。一方、粒子M5〜M9は、上側に重なった粒子がマスクとなるため、エッチングされる程度は限定的となる。
(S2)の工程では、(S1)の工程で残存した粒子をエッチングマスクとして原板Sがドライエッチングされる。粒子M2〜M4のように単一層で配列された粒子Mがエッチングされて小さくなって生じた間隙部分では、平坦面Xのエッチングは、ほぼ平坦面を保って進行する。
また、残存する粒子M1〜M4の下側の平坦面Xでは、各粒子Mが徐々にエッチングされてさらに小さくなるにつれて、各粒子Mの周辺の下側部分から中心の下側部分に向かい、徐々にエッチングが進行するため、傾斜したエッチング面となる。
一方、粒子M1はさらにエッチングされるが、粒子M5〜M9は、上側に重なった粒子がマスクとなるため、エッチングされる程度は限定的となる。粒子M5〜M10の下では、平坦面Xのエッチングは殆ど進行しない。
本発明では、略単一層で配列させた粒子M1〜M4が消失する前にエッチング工程を終了する。
図3(b)に示すように、エッチング工程終了時において、粒子M1〜M4、M10は、粒径の小さい粒子M1’〜 M4’ 、M10’となる。一方、粒子M5〜M9は、上に重なった粒子によりマスクされていた部分が残り、図3(b)に示すように粒子M5’〜M9 ’となる。また、残存する各粒子の周辺には、各々エッチング残渣Mxが堆積している。
この段階で原板S’の凹凸構造は完成されている。原板S’には、残存した各粒子M1’〜M4’の下側を頂面とする円錐台状の凸部c1〜c4が形成される。また、粒子M5〜M10の下側には、広い頂面を有する凸部c5が形成される。
凸部c2と凸部c3との間、凸部c3と凸部c4との間、及び凸部c4と凸部c5との間には、前記(S1)の工程によって粒子Mがエッチングされて小さくなって生じた間隙部分に対応して、平坦面f1〜f3が形成される。一方、凸部c1と凸部c2との間には、粗大平坦面fxが形成される。
なお、(S1)の工程を省略した場合、平坦面f1〜f3は形成されない。
原板S’に形成される凹凸構造のピッチは、前記した粒子M間の最頻ピッチBと同等となる。図3(a)における粒子Mの配列は、細密充填の度合いが高いため、粒子Mの平均粒径Aを適切に選択することにより、所望のピッチの凹凸構造を精度良く形成することができる。
正常に形成された凸部c1〜c4の形状は厳密な円錐台には限定されず、側面が外側に膨出したタケノコ状や半球状の凸部を底面と平行な面で切断した形態でもよい。凸部c1〜c4の形状は、バイアスパワー、真空チャンバー内の圧力、エッチングガスの種類によって調整することができる。例えば、圧力を低くすれば、傾斜角の緩やかな形状となる。
平坦面f1〜f3は、前記(S1)の工程におけるドライエッチング選択比が低い程平坦性が保たれる。凸部同士の隙間が平坦面になると、その後に基板上に積層する層の製膜性が向上するので好ましい。
[除去工程]
次に、図3(c)に示すように、残留する粒子Mを除去する。粒子Mは、粒子Mに対してエッチング性があり、原板S’に対して耐エッチング性があるエッチャントを用いる化学的除去方法や、ブラシロール洗浄機などによる物理的除去方法により除去できる。
単一層で配列させた粒子Mが消失する前にエッチング工程を終了するので、エッチング残渣Mxの固着力は強力ではなく、上記通常の化学的除去方法や物理的除去方法によりエッチング残渣Mxも除去できる。
これにより、図3(c)に示す凹凸構造を有する原板S’が得られる。
原板S’は、凸部c5を含めて、頂点か突出した凸部(スパイク)を有しない。スパイクは、基板上に積層する層の欠陥を招き、ひいては、短絡による不良発生や、寿命低減の問題をもたらすと考えられる。
広い頂面を有する凸部c5や、粗大平坦面fxの存在は、スパイクのように基板上に積層する層の欠陥を招く虞がない。凸部c5や粗大平坦面fx(凸部の欠如)は光の取出効率向上効果を低下させる要因となるが、全体で得られる光の取出効率向上効果から見ればごく僅かであって、重大な瑕疵とはならない。
粒子Mが消失する前にエッチング工程を終了しないとスパイクが生じる理由を、図3(d)を用いて説明する。
図3(b)の状態からエッチング工程をさらに進めると、粒子M1’〜M4’が消失する。一方、粒子M5’〜M10’のエッチングも進行するが、上に重なった粒子や堆積したエッチング残渣Mxがマスクとなるため、エッチングされる程度は限定的となり、複数の粒子M’が残留する。また、エッチング残渣Mxの堆積が進行すると共に、エッチング残渣Mxの固着強度が増していき、複数の粒子M’と共に強固な固着物cxとなる。
また、凸部c1〜c5は、裾の斜面がさらに掘り下げられ凸部c1’〜c5’となる。また’、平坦面f1〜f3はさらに掘り下げられた平坦面f1’ 〜f3’となり、粗大平坦面fxはさらに掘り下げられた粗大平坦面fx’となる。
固着物cxは、凸部c5’上に強力に固着する。そのため、この段階で通常の化学的除去方法や物理的除去方法により固着物cxを除去することは困難である。
その結果、得られる原板Sxには、凸部c5’と固着物cxが重畳したスパイクが生じてしまう。
[転写工程]
本発明の凹凸基板は、除去工程後の原板Sそのものでもよいし、その凹凸構造を複数回転写して得られた凹凸基板でもよい。
すなわち、本発明の凹凸基板の製造方法は、除去工程後の原板Sに設けられた凹凸構造を複数回転写する転写工程を備えてもよい。複数回転写することにより、除去工程後の原板Sに設けられた凹凸構造と、同等の凹凸構造を有する凹凸基板が得られる。転写工程を行うことにより、複数の凹凸基板を効率的に製造できる。
転写工程は、除去工程後の原板Sの凹凸構造を、モールド(金型又はスタンパー)に転写し(1回目の転写)、その後モールドの凹凸構造を転写する(2回目の転写)、2回転写の工程であることが好ましい。
原板Sの凹凸構造を、モールド(金型又はスタンパー)に転写する方法は、例えば特開2009−158478号公報に開示されているような電鋳法が好ましい。
また、モールドの凹凸構造を転写する方法としては、例えば特開2009−158478号公報に開示されているような、ナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法等が挙げられる。中でもナノインプリント法は、微細な凹凸構造の転写に適している。
<無機発光ダイオード>
本発明の発光ダイオード(無機発光ダイオード)は、本発明の凹凸基板と、該凹凸基板の凹凸構造が形成された面に積層された半導体機能層を備える。
半導体機能層を構成する半導体は、V族元素が窒素であるIII-V族窒化物半導体であることが好ましい。III-V族窒化物半導体は、サファイア等の基板上に形成する必要があるからである。
代表的なIII-V族窒化物半導体は、窒化ガリウム、窒化インジウムである。窒化アルミニウムは厳密には絶縁体であるが、本発明においては、発光ダイオード分野の慣習に従い、III-V族窒化物半導体に該当するものとして扱う。
半導体機能層の層構成は、III-V族窒化物発光ダイオードの動作に必要な構成とする。半導体機能層は、少なくともn型の導電性を有する層、p型の導電性を有する層、これらの間に挟まれた発光層を有するIII-V族窒化物半導体の層からなる構成のものが好ましい。発光層としては、Inx Gay Alz N(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表されるIII-V族窒化物半導体からなる発光層が好ましい。
III-V族窒化物半導体機能層には、n型の導電性を有する層、p型の導電性を有する層、これらの間に挟まれた発光層に加えて、これらの層を高品質の結晶にするために必要な他の層を含んでもよい。他の層は、単層でも多層の層(厚膜層、超格子薄膜層である場合を含む)でもよい。他の層としてバッファ層を含む場合もある。
また、上記各層も、それぞれ、複数の層から構成されることがある。
具体的な半導体機能層としては、GaN、AlN等からなるバッファ層、n−GaN、n−AlGaN等からなるn型の導電性を有する層(クラッド層)、InGaN、GaN等からなる発光層、アンドープGaN、p−GaN等からなるp型の導電性を有する層(クラッド層)、MgドープAlGaN、MgドープGaNからなるキャップ層が順次積層されてなる多層膜が挙げられる(例えば、特開平6−260682号公報、特開平7−15041号公報、特開平9−64419号公報、特開平9−36430号公報を参照)。
なお、発光層に電流を供給するためのn型電極及びp型電極としては、Ni、Au、Pt、Pd、Rh、Ti、Al等の金属からなる電極を用いることができる。
本発明の発光ダイオード(無機発光ダイオード)は、所望のピッチの凹凸構造が精度良く形成された凹凸基板上に半導体機能層を有する。そのため、充分な光取り出し効率を得られる。また、半導体機能層は、スパイクのない凹凸基板上に積層しているので欠陥が生じにくい。ひいては、短絡による不良発生や、寿命低減の問題が改善されている。
<無機発光ダイオードの製造方法>
本発明の発光ダイオード(無機発光ダイオード)の製造方法は、本発明の凹凸基板の製造方法により凹凸基板を得る工程と、得られた凹凸基板の凹凸構造が形成された面に、少なくとも発光層を含む半導体機能層を積層する積層工程を備える。
凹凸基板に半導体を積層する方法は、MOVPE法(有機金属気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシ法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)などの公知のエピタキシャル成長方法を用いることができる。
III族原料としては、例えばトリメチルガリウム[(CH3 3 Ga、以下TMGと記すことがある]、トリエチルガリウム[(C2 5 3 Ga、以下TEGと記すことがある]等の一般式R1 2 3 Ga(ここで、R1 、R2 、R3 は、低級アルキル基を示す)で表されるトリアルキルガリウム、トリメチルアルミニウム[(CH3 3 Al、以下TMAと記すことがある]、トリエチルアルミニウム[(C2 5 3 Al、以下TEAと記すことがある]、トリイソブチルアルミニウム[(i−C4 9 3 Al]等の一般式R1 2 3 Al(ここで、R1 、R2 、R3 は、低級アルキル基を示す。)で表されるトリアルキルアルミニウム、トリメチルアミンアラン[(CH3 3 N:AlH3 ]、トリメチルインジウム[(CH3 3 In、以下TMIと記すことがある]、トリエチルインジウム[(C2 5 3 In]等の一般式R1 2 3 In(ここで、R1 、R2 、R3 は、低級アルキル基を示す)で表されるトリアルキルインジウム、ジエチルインジウムクロライド[(C2 5 2 InCl]などのトリアルキルインジウムから1ないし2つのアルキル基をハロゲン原子に置換したもの、インジウムクロライド[InCl3 ]など一般式InX3 (Xはハロゲン原子)で表されるハロゲン化インジウム等が挙げられる。これらは、単独で用いても混合して用いてもよい。
V族原料としては、例えばアンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチルアミン、エチレンジアミンなどが挙げられる。これらは単独でまたは任意の組み合わせで混合して用いることができる。これらの原料のうち、アンモニアとヒドラジンは、分子中に炭素原子を含まないため、半導体中への炭素の汚染が少なく好適である。
MOVPE法においては、成長時雰囲気ガス及び有機金属原料のキャリアガスとしては、窒素、水素、アルゴン、ヘリウムなどの気体を単独あるいは混合して用いることができ、水素、ヘリウムが好ましい。
本発明によれば、所望のピッチの凹凸構造が精度良く形成された凹凸基板上に半導体機能層を積層する。そのため、充分な光取り出し効率を得られる発光ダイオードを得ることができる。また、スパイクのない凹凸基板上に半導体機能層を積層するので、半導体機能層の欠陥が生じにくく、ひいては、短絡による不良発生や、寿命低減の問題が改善された発光ダイオードを得ることができる。
<有機発光ダイオード>
本発明の発光ダイオード(有機発光ダイオード)は、本発明の凹凸基板と、該凹凸基板上の凹凸構造が形成された面に設けられた、陽極導電層と、有機エレクトロルミネッセンス層(以下「有機EL層」という。)と、陰極導電層とを含む積層構造を備える。
具体的な積層構造としては、公知の種々の積層構造が採用できる。例えば、ボトムエミッション型の場合は、透明な凹凸基板上に順次積層された、陽極導電層、有機EL層、陰極導電層を有する積層構造である。また、陽極トップのトップエミッション型の場合は、凹凸基板上に順次積層された、陰極導電層、有機EL層、陽極導電層を有する積層構造である。また、陰極トップのトップエミッション型の場合は、凹凸基板に上に順次積層された、反射膜、陽極導電層、有機EL層、陰極導電層を有する積層構造である。
[有機EL層]
有機EL層は、少なくとも、有機発光材料を含有する発光層を含む層であり、発光層のみから構成されてもよいが、一般的には発光層以外の他の層が含まれる。該他の層は、発光層の機能を損なわない限り、有機材料から構成されるものであっても無機材料から構成されるものであってもよい。
例えば、陽極導電層に近い側から、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層の5層から構成することができる。これらの層の中で最も重要なものは発光層であり、例えばホール注入層や電子注入層は層構成によっては省略できる。また、電子輸送層は発光層を兼ねることもできる。これらの層を構成する材質は、特に限定されず、公知のものが使用できる。
発光層を構成する材質としては、有機発光材料が用いられる。
有機発光材料としては、例えば、Tris[1−phenylisoquinoline−C2,N]iridium(III)(Ir(piq))、1,4−bis[4−(N,N−diphenylaminostyrylbenzene)](DPAVB)、Bis[2−(2−benzoxazolyl)phenolato] Zinc(II)(ZnPBO)等の色素化合物が挙げられる。また、蛍光性色素化合物やりん光発光性材料を他の物質(ホスト材料)にドープしたものを用いてもよい。この場合、ホスト材料としては、ホール輸送材料、電子輸送材料等が挙げられる。
ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層を構成する材質としては、それぞれ、有機材料が一般的に用いられる。
ホール注入層を構成する材質(ホール注入材料)としては、例えば、4,4’,4”−tris(N,N−2−naphthylphenylamino)triphenylamine(2−TNATA)等の化合物などが挙げられる。
ホール輸送層を構成する材質(ホール輸送材料)としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(NPD)、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N’−Diphenyl−N,N’−di(m−tolyl)benzidine(TPD)等の芳香族アミン化合物などが挙げられる。
電子輸送層を構成する材質(電子輸送材料)としては、例えば、2,5−Bis(1−naphthyl)−1,3,4−oxadiazole(BND)、2−(4−tert−Butylphenyl)−5−(4−biphenylyl)−1,3,4−oxadiazole(PBD)等のオキサジオール系化合物、Tris(8−quinolinolato)aluminium(Alq)等の金属錯体系化合物などが挙げられる。
電子注入層は必須ではないが、電子輸送層と陰極導電層との間に電子注入層を設けると、仕事関数の差を少なくすることが出来て陰極導電層から電子輸送層に電子が移行しやすくなる。
ただし陰極導電層としてMg/Ag=10/90等のマグネシウム合金を使用すると、電子注入層を設けなくても、電子注入効果が得られる。
電子注入層を構成する材質としては、フッ化リチウム(LiF)などが使用できる。
有機EL層全体の厚さは、通常、30〜500nmである。
なお、有機発光ダイオードを構成する各層の厚さは、分光エリプソメーター、接触式段差計、AFM等により測定できる。
[陽極導電層]
ボトムエミッション型、陽極トップのトップエミッション型の場合、陽極導電層には、可視光を透過する透明導電体が用いられる。
陽極導電層を構成する透明導電体の材料としては、例えばインジウム−スズ酸化物(Indium Tin Oxide(ITO))、インジウム−亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide(IZO))、酸化亜鉛(Zinc Oxide(ZnO))、亜鉛−スズ酸化物(Zinc Tin Oxide(ZTO))等が挙げられる。
陰極トップのトップエミッション型の場合、陽極導電層に可視光の透過性は求められない。この場合、陽極導電層の材料としては、上記透明導電体の他、例えば、アルミや銀又は、それらを主とする合金を使用できる。
陽極導電層の厚さは、通常、50〜500nmである。
[陰極導電層]
陰極導電層の材料としては、Ag、Al、またはAgとAlの合金等が挙げられる。なお、有機EL層との間に極少量のLiF等のリチウム系化合物を介在させてもよい。
陰極導電層の厚さは、通常、50〜3000nmである。
本発明の発光ダイオード(有機発光ダイオード)は、所望のピッチの凹凸構造が精度良く形成された凹凸基板上に陽極導電層と、有機エレクトロルミネッセンス層と、陰極導電層とを含む積層構造を有する。そのため、充分な光取り出し効率を得られる。また、積層構造は、スパイクのない凹凸基板上に積層しているので欠陥が生じにくい。ひいては、短絡による不良発生や、寿命低減の問題が改善されている。
<有機発光ダイオードの製造方法>
本発明の発光ダイオード(有機発光ダイオード)の製造方法は、本発明の凹凸基板の製造方法により凹凸基板を得る工程と、得られた凹凸基板の凹凸構造が形成された面に、陽極導電層と、有機EL層と、陰極導電層とを含む積層構造を形成する積層工程を備える。
上記各層の積層方法は、特に限定されず、一般的な有機発光ダイオードの製造において用いられている公知の方法を利用できる。例えば、陽極導電層および陰極導電層は、それぞれ、スパッタリング法、真空蒸着法などによって形成できる。また、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層は、真空蒸着法によって形成される。
これら各層の厚さは非常に薄いため、各層を順次積層することで、凹凸基板表面の凹凸構造が陰極導電層を含む各々の層に反映される。陰極導電層が凹凸構造を備えることにより、陰極導電層表面で表面プラズモンが伝播光に変換される。
本発明によれば、所望のピッチの凹凸構造が精度良く形成された凹凸基板上に陽極導電層と、有機エレクトロルミネッセンス層と、陰極導電層とを含む積層構造を形成する。そのため、充分な光取り出し効率を得られる発光ダイオードを得ることができる。また、スパイクのない凹凸基板上に積層構造を形成するので、積層構造各層の欠陥が生じにくく、ひいては、短絡による不良発生や、寿命低減の問題が改善された発光ダイオードを得ることができる。
本発明の有機発光ダイオードにおいては、陽極導電層、有機EL層、陰極導電層、およびこれらの層間に適宜設けられる中間層のすべての層の界面に、又はいずれか1つ以上の層の界面に、本発明の凹凸基板上の凹凸構造が反映された凹凸構造が形成されていることが好ましい。基板以外の層の界面にも凹凸構造を有することによって、光取り出し効率を更に高めることができる。
<有機薄膜太陽電池>
本発明の有機薄膜太陽電池は、本発明の製造方法により得られた凹凸基板を備えることを特徴とする。凹凸基板上に形成する層構成は、公知の層構成を採用できる。
例えば、凹凸基板の凹凸構造が形成された面に、陽極、ホール注入層、ホール輸送層、電子供与型有機半導体層、電子受容型有機半導体層、電子輸送層、陰極を順次積層した構成とすることができる。各層の積層方法としては、公知の方法を採用できる。
本発明の有機薄膜太陽電池においては、陽極、ホール注入層、ホール輸送層、電子供与型有機半導体層、電子受容型有機半導体層、電子輸送層、陰極のすべての層の界面に、又はいずれか1つ以上の層の界面に、本発明の凹凸基板上の凹凸構造が反映された凹凸構造が形成されていることが好ましい。基板以外の層の界面にも凹凸構造を有することによって、発電効率を更に高めることができる。
S…原板、M…粒子、F…単粒子膜、W…下層水、V…水槽、
1…凹凸基板、C…エリア、c1…凸部、f1…平坦面、t1…中心点

Claims (8)

  1. 原板に複数の粒子を略単一層で配列させる粒子配列工程と、
    前記複数の粒子をエッチングマスクとして前記原板をドライエッチングし、該原板の一方の面に凹凸構造を形成するエッチング工程と、
    形成した凹凸構造上に残存する複数の粒子を除去する除去工程を備え、
    前記粒子配列工程は、水槽内の水の液面に水よりも比重が小さい溶剤中に粒子が分散した分散液を滴下する滴下工程と、前記溶剤を揮発させることにより前記粒子からなる単粒子膜を水の液面上に形成する単粒子膜形成工程と、前記単粒子膜を原板に移し取る移行工程とを有し、
    前記エッチング工程は、略単一層で配列させた前記複数の粒子が消失する前に終了することを特徴とする凹凸基板の製造方法。
  2. さらに、除去工程後の原板に設けられた凹凸構造を複数回転写する転写工程を備える請求項1に記載の凹凸基板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により凹凸基板を得る工程と、得られた凹凸基板の凹凸構造が形成された面に、少なくとも発光層を含む半導体機能層を積層する積層工程を備える発光ダイオードの製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の製造方法により凹凸基板を得る工程と、得られた凹凸基板の凹凸構造が形成された面に、陽極導電層と、有機エレクトロルミネッセンス層と、陰極導電層とを含む積層構造を形成する積層工程を備える発光ダイオードの製造方法。
  5. 基板の一方の面に凹凸構造を有する凹凸基板であって、
    前記凹凸構造は、隣接する7つの凸部の中心点が正六角形の6つの頂点と対角線の交点となる位置関係で連続して整列しているエリアを複数備え、
    該複数のエリアの面積、形状及び格子方位がランダムであり、
    前記凸部の最頻高さより30nm以上高い凸部が存在しないことを特徴とする凹凸基板。
  6. 請求項5に記載の凹凸基板と、該凹凸基板上の凹凸構造が形成された面に積層された半導体機能層を備え、該半導体機能層は少なくとも発光層を含む発光ダイオード。
  7. 請求項5に記載の凹凸基板と、該凹凸基板上の凹凸構造が形成された面に設けられた、陽極導電層と、有機エレクトロルミネッセンス層と、陰極導電層とを含む積層構造を備える発光ダイオード。
  8. 請求項5に記載の凹凸基板を備えた有機薄膜太陽電池。
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