JP2014168800A - 板クラウン制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】S字状ロールを用いた板クラウン制御における通板安定性と板クラウンの確保とを両立させる。
【解決手段】本発明の板クラウン制御方法は、当該圧延材WBと後続圧延材WAとの間でのシフト移動量が上限値を越える場合は、当該圧延材WB及び/又は後続圧延材WAでの適正シフト量を許容範囲内で変更することで、当該圧延材WB及び後続圧延材WAでのシフト移動量が上限値以下となるようにし、前述の処理を行ったとしても、シフト移動量が上限値以下とならない場合には、再設定された適正シフト量の上限値及び下限値の範囲に入り、且つ当該圧延材WB及び後続圧延材WAでのシフト移動量が上限値以下となるように、当該圧延材WB及び後続圧延材WAでの適正シフト量を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、S字状のプロフィルを有するワークロールを用いて板クラウンを制御する板クラウン制御方法に関し、特に、圧延において、目標とする板クラウンを満たしつつ適切なワークロールのシフト量を決定する方法に関する。
周知の如く、薄板などの鋼板は、鋳片を粗圧延機及び仕上圧延機によって圧延し、目標の板厚となるまで圧延され製造される。鋳片は、粗圧延機によって予め所定の板厚及び板幅となるように圧延されて仕上圧延機に送られる。粗圧延機によって予め圧延されたシートバー(粗圧延後の素材)は、仕上圧延機によって目標の板厚及び板幅、及び板クラウン量を備えた薄板となるように圧延される。
仕上圧延機は、複数の圧延機が連続して配備されたタンデム圧延機であって、粗圧延後の素材を順に1パスずつ圧延し、最終スタンド出側で目標の板厚、板クラウンとなるように圧延を行う。仕上圧延機を構成する各圧延機において、途中スタンドの板厚・板クラウンが適正となるよう、ロールギャップ、ワークロールベンディング力やワークロールのシフト量などの圧延条件を決定することは、圧延材の生産性や品質に大きな影響を及ぼす重要な作業となる。
近年、板厚精度要求の厳格化に伴い、板クラウンの低減のニーズが大きくなり、これに対応して、さまざまな板クラウン制御方法が実用化されてきている(特許文献1、2など)。
例えば、特許文献1には、S字状のプロフィルを有するワークロールを上下点対称に配置し、この上下一対のワークロールを軸方向に互いに逆方向に移動させることによってロールギャッププロフィルを変化させて板クラウンを制御する方法が開示されており、この制御方法によれば、ワークロールのS字状プロフィルを適切に選ぶことにより大きな板クラウン制御能力を発揮することができる。
また、特許文献2に開示された板クラウン制御方法では、連続する2本の圧延材の間で圧延条件が変化した場合のシフト量の設定について考慮し、連続する2本の圧延材の圧延条件が、例えば目標板クラウンが大きいものと小さいもの、あるいは熱間での強度が低い材料と高い材料というように大きく異なる場合には、異なる圧延材間でシフト量設定値が大幅に変化しないようシフトを設定するようにしている。
この制御方法を用いることで、異なる圧延材間におけるシフト移動量が大きい場合に発生する板クラウンや形状予測モデルの誤差に起因する形状不良、上下ワークロールの摩耗や熱膨張の違い等に起因する圧延材の蛇行やキャンバの発生などにより通板性が悪くなることを防止している。なお、特許文献2の技術が開発された時点と比べ、例えば、自動車の軽量化のため、高強度の薄物・広幅ハイテン材の採用が拡大し、従来の製品も引き続き製造を継続していることから、圧延装置においては、様々な製造条件範囲の製品を製造する必要が出てきている。
特開平6−15322号公報 特開平8−39105号公報
上述の特許文献1、2を採用した場合、幾つかの問題が発生することが現場の実績として挙がってきている。
例えば、連続する2本の圧延材の間で圧延条件が変化した場合のシフト量の設定について考慮されているものの、それらに対応する目標クラウンを確保するための適正シフト量範囲の上下限が乖離している場合には、連続する圧延材間での適正シフト量の設定値が大幅に変化することがあり、連続する圧延材間でのワークロールの移動量(シフト移動量)が過大になる場合が考えられる。
このように異なる圧延材間におけるシフト移動量が大きいと、板クラウンや形状予測モデルの誤差に起因する形状不良、上下ワークロールの摩耗や熱膨張の違い等に起因する圧延材の蛇行やキャンバの発生などにより通板性が悪くなる虞があり、このため、圧延材のミスロールや絞り等の圧延トラブルが発生しやすいという実用上の問題が生じ得る。
特許文献1、2の技術は圧延材の強度が現在と比較して小さかった当時では圧延条件の対応に追従できたものの、現在のように980MPa級を超える様々なサイズの圧延材が製造されている操業状況に対応できるものとはなっていない。
そこで、本発明では、上記問題に鑑み、S字状ロールを用いた板クラウン制御における通板安定性と板クラウンの確保とを両立させることができる板クラウン制御方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る板クラウン制御方法は、S字状のプロフィルを有し上下点対称に配置された上下一対のワークロールを備えると共に、前記上下一対のワークロールを軸方向に互いに逆方向に移動させるロールシフト機構を備える圧延機によって圧延材を圧延するに際し、前記圧延材の板クラウンを制御する板クラウン制御方法であって、
(i) 当該圧延材に後続する後続圧延材の目標板クラウンを確保するための適正シフト量の上限値及び下限値を求めると共に、求めた上限値及び下限値で規定される許容範囲を求め、
(ii) 当該圧延材での適正シフト量と後続圧延材の適正シフト量との差であるシフト移動量に関し、通板性を阻害しないシフト移動量の上限値を求め、
(iii) 当該圧延材及び後続圧延材でのワークロールのシフトを、(i)で求めた適正シフト量の許容範囲内に設定した際に、当該圧延材と後続圧延材との間でのシフト移動量が、(ii)で求めた上限値を越える場合は、当該圧延材及び/又は後続圧延材での適正シフト量を許容範囲内で変更することで、当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下となるようにし、
(iv-A) (iii)の処理を行ったとしても、シフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下とならない場合には、当該圧延材及び/又は後続圧延材の板厚公差の範囲内で目標クラウンを変更した上で適正シフト量の上限値及び下限値を再設定し、再設定された適正シフト量の上限値及び下限値の範囲に入り、且つ当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が(ii)で求めた上限値以下となるように、当該圧延材及び後続圧延材での適正シフト量を設定することを特徴とする。
本発明に係る他の板クラウン制御方法は、S字状のプロフィルを有し上下点対称に配置された上下一対のワークロールを備えると共に、前記上下一対のワークロールを軸方向に互いに逆方向に移動させるロールシフト機構を備える圧延機によって圧延材を圧延するに際し、前記圧延材の板クラウンを制御する板クラウン制御方法であって、
(i) 当該圧延材に後続する後続圧延材の目標板クラウンを確保するための適正シフト量の上限値及び下限値を求め、
(ii) 当該圧延材での適正シフト量と後続圧延材の適正シフト量との差であるシフト移動量に関し、通板性を阻害しないシフト移動量の上限値を求め、
(iii) 当該圧延材及び後続圧延材でのワークロールのシフトを、(i)で求めた適正シフト量に設定した際に、当該圧延材と後続圧延材との間でのシフト移動量が、(ii)で求めた上限値を越える場合は、当該圧延材及び/又は後続圧延材での適正シフト量を許容範囲内で変更することで、当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下となるようにし、
(iv-B) (iii)の処理を行ったとしても、シフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下とならない場合には、当該圧延材及び/又は後続圧延材の板厚公差の下限側から許容される範囲で適正シフト量の上限を拡大して再設定し、再設定された適正シフト量の上限値を基に、当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が(ii)で求めた上限値以下となるように、当該圧延材及び後続圧延材での適正シフト量を設定し、
(iv-C) (iv-B)の処理を行ったとしても、シフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下とならない場合には、当該圧延材及び/又は後続圧延材の板厚公差の上限側から許容される範囲で適正シフト量の下限を拡大して再設定し、再設定された適正シフト量の下限値を基に、当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が(ii)で求めた上限値以下となるように、当該圧延材及び後続圧延材での適正シフト量を設定することを特徴とする。
好ましくは、上記した板クラウンの制御方法において、前記適正シフト量の上限値及び下限値の設定計算と、前記適正シフト量の上限値及び下限値の再設定計算と、を予め行っておくとよい。
本発明によれば、S字状ロールを用いた板クラウン制御における通板安定性と板クラウンの確保とを両立させることによってS字状ロールを用いた板クラウン制御の実機適用を容易にし、その結果として板クラウンの低減に大きく寄与することができる。
本発明の板クラウン制御方法が適用される圧延装置の構成を示す概略図である。 圧延装置を構成する圧延機に備えられたワークロールを模式的に示した図である。 本発明の板クラウン制御方法のフローチャートである。 本発明の板クラウン制御方法のフローチャートである。 従来の板クラウン制御方法によるロールシフト量を示した図である。 適正な板クラウン量を確保するためのロールシフト量を示した図である(従来の板クラウン制御方法)。 本発明の板クラウン制御方法によるロールシフト量を示した図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、薄鋼板(薄板)等の圧延材Wを圧延する圧延装置1は、その上流側に圧延材Wを加熱する加熱炉2を有し、加熱炉2の下流側には、圧延材Wの粗圧延を行う粗圧延機3を備えている。粗圧延機3の下流側には、仕上げ圧延を行う仕上圧延機4が備えられている。加熱炉2で加熱された鋳片は、粗圧延機3及び仕上圧延機4で圧延され、冷却装置5で冷却されて、製品の薄鋼板となる。
圧延装置1に備えられている仕上圧延機4は、複数の圧延機が連続して配備されたタンデム圧延機であって、圧延材Wを順に圧延することで目標の板厚、板クラウンとなるまで徐々に圧延するものであり、圧延材Wを圧延する一対のワークロール6,6と、それをバックアップする一対のバックアップロール7,7とを有している。
なお、図2は、仕上圧延機4のワークロール6を模式的に示した図である。
仕上圧延機4のワークロール6は、その両端をロールチョック(図示せず)で支持されている。また、ワークロール6には、ワークロールベンダ、ワークロールシフト機構、及びペアクロス機構などを含むクラウン制御機構(図示せず)が設けられ、このクラウン制御機構によって圧延材Wの板クラウンを制御している。なお、ワークロールベンダはワークロール6のベンディングを行う機構であり、ワークロールシフト機構はワークロール6をその軸方向にシフトさせる機構である。
さらに、圧延機には、ワークロール6のロールギャップ量を調整する圧下装置(図示せず)が備えられている。この圧下装置は、圧延機に備えられた制御部8によって制御され、ワークロール6のロールギャップ量が調整される。
制御部8は、圧延材Wの出側板厚を所定の範囲内に収める又は一定とするように仕上圧延機4を制御する板厚制御の機能を有している。制御部8で行われる制御方法としては、公知のものが採用可能である。例えば、フィードフォワードAGC、BISRA AGC、モニタAGC、マスフローAGC、張力AGCなどが挙げられる。制御部8には、圧延機の入側板厚や、圧延荷重などの情報が入力され、その入力された情報を基にして、圧延機のロールギャップ量やロール速度が算出され出力されるようになっている。
加えて、本実施形態の制御部8は、前述したクラウン制御機構、特にワークロールシフト機構を制御するものとなっている。
制御部8で実行されるワークロールシフト機構の制御方法、言い換えれば、板クラウン制御方法の詳細を以下に述べる。
まず、本実施家形態においては、仕上圧延機4において、S字状のプロフィル(樽型のプロファイル)を有するワークロール6が上下点対称に配置されている。仕上圧延機4に配備されたワークロールシフト機構は、この上下一対のワークロール6を軸方向に互いに逆方向に移動させるものとなっている。
このような構成の基、次の手順に基づいて、連続する2本の圧延材W間のシフト移動量が通板性を阻害しないシフト移動量の上限値を越えないようにしている。
制御の手順として、以下の手順1〜手順5を実施する。
<手順1>
着目した圧延材Wに後続する複数本の圧延材Wの仕上板厚、板幅、熱間強度、目標板クラウン等の情報に基づいて、後続する各圧延材Wの目標クラウンを確保するための適正シフト量SAと適正シフト量の変更許容範囲ΔSAを求める。
言い換えれば、当該圧延材WBに続いて圧延される後続圧延材WAの圧延条件を基にして、後続圧延材WAにおける目標板クラウンを実現するための適正シフト量SAを求める。この適正シフト量SAは、ワークロールシフト機構によりワークロール6を動かす量(絶対量)である。加えて、この適正シフト量の上限値及び下限値も求める。
その上で、手順2を行う。
<手順2>
通板性を阻害しないシフト移動量ΔSの上限値ΔSlimitを設定する。すなわち、当該圧延材WBが所定の適正シフト量SBで圧延され、その後、後続圧延材WAが手順(1)で求められた適正シフト量SAで圧延されるとする。その場合、当該圧延材WBの圧延後にワークロールシフト機構を作動させ、適正シフト量SBから適正シフト量SAへと変更し、変更後に後続圧延材WAの圧延を行うこととなる。
この場合、適正シフト量SBと適正シフト量SAとの差(相対量)である「シフト移動量ΔS」があまりにも大きい値であると、ワークロールシフト機構の作動に時間がかかり生産性を阻害する要因となる。それ以上に、シフト移動量が大きすぎると、上下ワークロール6の摩耗や熱膨張の違い等に起因する圧延材Wの蛇行やキャンバの発生などにより通板性が悪くなり、後続圧延材WA圧延中に板曲がりといった不都合が生じる。板曲がりが発生した場合、所定の性能を有する圧延材Wの製造ができないばかりか、最悪の場合、圧延機を破損するなどの操業上のトラブルを生じかねない。このような通板性を阻害する状況を回避すべく、通板性を阻害しないシフト移動量ΔSの上限値ΔSlimitを設定する。
<手順3>
その後、当該圧延材WBの適正シフト量SBと後続圧延材WA間の適正シフト量SAとから、シフト移動量ΔSを求める。求めたシフト移動量ΔSが、手順(2)で求めたシフト移動量の上限値ΔSlimitを越える場合は、後続圧延材WAの適正シフト量SAを変更許容範囲ΔSA内で変更することで、求めたシフト移動量ΔSが上限値ΔSlimitを越えないように(上限値ΔSlimit以下となるように)変更する。
変更許容範囲ΔSA内に変更することで、目標板クラウンが実現できない場合は、ワークロールベンダなどのクラウン制御機構を作動させ、ロールシフト機構による不足分を補うようにする。
<手順4>
手順3を行ったとしても、後続圧延材WAにおけるシフト移動量ΔSが上限値ΔSlimit以下とならない場合、例えば、当該圧延材WBの適正シフト量SBがプラス側の最大値であり、後続圧延材WAの適正シフト量SAがマイナス側の最大値である場合などでは、後続圧延材WAに許容される板クラウン公差に基づき、板クラウン公差の範囲内で後続圧延材WAの適正シフト量SAの範囲を拡大し、シフト移動量ΔSが上限値ΔSlimit以下となるようにする。
ワークロール6のシフトに関しては、等価ロールクラウン(胴径)が大きくなる方向への移動をプラス側とし、等価ロールクラウン(胴径)が小さくなる方向への移動をマイナス側とする。そのため、ワークロール6をプラス側へシフトさせると板クラウンは小さくなり、ワークロール6をマイナス側へシフトさせると板クラウンは大きくなる。
なお、手順3において、後続圧延材WAにおけるシフト移動量ΔSが上限値ΔSlimit以下とならない場合、更に、当該圧延材WBに許容される板クラウン公差に基づき、板クラウン公差の範囲内で当該圧延材WBの適正シフト量SBの範囲を拡大し、シフト移動量ΔSが上限値ΔSlimit以下となるようにする。
<手順5>
実際にワークロールシフト機構を作動させ、ワークロール6のシフト量を後続圧延材WAの適正シフト量SAに設定する。
以上述べた手順1〜手順5を有する板クラウン制御方法を行うことで、通板安定性と板クラウンの確保とを両立させることができる圧延パススケジュール(適正シフト量、シフト移動量)を決定することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態が適用される圧延機は図1に示すものであり、第1実施形態と略同様である。また、処理手順としては、第1実施形態の手順1〜手順4は略同じであり、それに続く手順(5)以降が異なるものとなっている。第2実施形態の技術は、第1実施形態の技術よりも板クラウンが小さくできる条件を選定できるよう考慮されている。
まず、本実施家形態においては、仕上圧延機4において、S字状のプロフィルを有するワークロール6が上下点対称に配置されている。仕上圧延機4に配備されたワークロールシフト機構は、この上下一対のワークロール6を軸方向に互いに逆方向に移動させるものとなっている。
係る構成の基、次の手順に基づいて、連続する2本の圧延材W間のシフト移動量が通板性を阻害しないシフト移動量の上限値を越えないようにしている。
まず、手順1〜手順4を行う。この処理は、第1実施形態と同じである。
その後、手順5’、手順6を行う。
<手順5’>
手順4を行ったとしても、後続圧延材WAにおけるシフト移動量ΔSが上限値ΔSlimit以下とならない場合、例えば、当該圧延材WBの適正シフト量SBがプラス側の最大値であり、後続圧延材WAの適正シフト量SAがマイナス側の最大値である場合などでは、後続圧延材WAに許容される板クラウン公差に基づき、板クラウン公差の下限側(公差0)から許容される範囲で適正シフト量の上限を拡大することで、シフト移動量ΔSが上限値ΔSlimit以下となるようにする。
なお、適正シフト量の上限を拡大する方法としては、適正シフト量の上限を示すグラフを、板クラウン公差の許容の範囲でさらに上方に移動させるなどが考えられる(図6の粗い破線から図7の2点差線への変更)。
<手順6>
手順5’を行ったとしても、後続圧延材WAにおけるシフト移動量ΔSが上限値ΔSlimit以下とならない場合、板クラウン公差の上限側から許容される範囲で適正シフト量の下限側を拡大することで、シフト移動量ΔSが上限値ΔSlimit以下となるようにする。
なお、適正シフト量の下限を拡大する方法としては、適正シフト量の下限を示すグラフを、板クラウン公差の許容の範囲でさらに下方に移動させるなどが考えられる(図6の細い破線から図7の1点差線への変更)。
手順1〜4、手順5’、手順6を、WB以降の複数の後続圧延材についても処理順に応じて順次同様の処理を行う。
図3,図4には、以上述べた第2実施形態の処理手順の詳細が示されている。
図3は、圧延スケジュール(各圧延パスにおける適正シフト量)を決定するフローチャートであり、i=1が当該圧延材WB、i=2〜nは後続圧延材WA、i=0は直前の圧延材Wを示している。図3のフローチャートにおける「シフト量修正処理」が第2実施形態に係る処理である。
図4には、図3に示された「シフト量修正処理」の詳細が示されている。このフローチャートにおいて、iは圧延材Wの順番を示す記号であり、i=j−1で示される圧延材Wが当該圧延材WBであり、i=jで示される圧延材Wは後続圧延材WAである。なお、ワークロール6のシフト移動に関し、下限から上限へ向かう移動方向を+とし、下限から上限へ向かう移動方向を−としている。
図3,図4に示されるフローチャートは、プログラム化され、制御部8で実行されることとなる。
ところで、第1実施形態や第2実施形態で説明した処理手順における幾つかの計算を予め実行しておくことで、計算負荷を減少させることができる。例えば、適正シフト量の上限値や下限値、適正シフト量の上限や下限の再設定量(変更量)を、圧延材Wの強度やサイズに応じて予め定めておくことで、設定計算における計算負荷を小さくすることができる。
さて、図7には、本願発明による板クラウン制御を行った結果(本願発明で得られた圧延スケジュール(各圧延パスにおける適正シフト量))が示されている。
図5、図6は、図7の優位性を示すための図である。
図5は、従来法により、板クラウン制御を行った結果である。図5における破線(粗い破線)は、目標板クラウン確保のための適正シフト量の上限を示したグラフであり、図5における破線(細かい破線)は、目標板クラウン確保のための適正シフト量の下限を示したグラフである。従来法による板クラウン制御を行った場合、実線で示されるようなワークロール6の適正シフト量となり、目標板クラウン確保のための適正シフト量の上下限を逸脱することはない。しかしながら、当該圧延材WBと後続圧延材WAとの間におけるシフト移動量ΔSが非常に大きくなる場合が発生し(過去実績より、シフト移動量<40mmが好ましい)、板クラウンや形状予測モデルの誤差に起因する形状不良、上下ワークロール6の摩耗や熱膨張の違い等に起因する圧延材Wの蛇行やキャンバーの発生などにより通板性が悪くなる可能性が大である。
図6は、従来の手法を用いた板クラウン制御であるが、目標板クラウン確保のための適正シフト量のみを実現するための圧延スケジュールを決定した結果である。図6から明らかなように、決定された圧延スケジュールは、目標板クラウン確保のための適正シフト量の上限(粗い破線)と目標板クラウン確保のための適正シフト量の下限(細い破線)の範囲を逸脱することはない。しかしながら、当該圧延材WBと後続圧延材WAとの間におけるシフト移動量ΔSが非常に大きくなることがある。
図7の実線は、第2実施形態の処理手順により、パススケジュールを決定したものである。
図7から明らかなように、決定された圧延スケジュールは、目標板クラウン確保のための適正シフト量の上限(2点差線)と目標板クラウン確保のための適正シフト量の下限(1点差線)の範囲を逸脱することはない。加えて、当該圧延材WBと後続圧延材WAとの間におけるシフト移動量は許容の範囲内(シフト移動量<40mm)となっている。
以上述べたように、本願発明に係る板クラウン制御方法を用いることで、後続する複数本の圧延材Wの情報を参照して各圧延材Wについて目標板クラウンを確保するための適正シフト量を求めて基本のシフトパターンとする一方、これに対して圧延材Wの通板性も考慮してシフトパターンを修正するようにし、さらにこれらが両立できない場合においても圧延材Wの通板性を確保できるよう、板クラウンの許容範囲を活用して実際の圧延条件を定めることができるようになる。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、動作条件や測定条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 圧延装置
2 加熱炉
3 粗圧延機
4 仕上圧延機
5 冷却装置
6 ワークロール
7 バックアップロール
8 制御部
W 圧延材

Claims (3)

  1. S字状のプロフィルを有し上下点対称に配置された上下一対のワークロールを備えると共に、前記上下一対のワークロールを軸方向に互いに逆方向に移動させるロールシフト機構を備える圧延機によって圧延材を圧延するに際し、前記圧延材の板クラウンを制御する板クラウン制御方法であって、
    (i) 当該圧延材に後続する後続圧延材の目標板クラウンを確保するための適正シフト量の上限値及び下限値を求めると共に、求めた上限値及び下限値で規定される許容範囲を求め、
    (ii) 当該圧延材での適正シフト量と後続圧延材の適正シフト量との差であるシフト移動量に関し、通板性を阻害しないシフト移動量の上限値を求め、
    (iii) 当該圧延材及び後続圧延材でのワークロールのシフトを、(i)で求めた適正シフト量の許容範囲内に設定した際に、当該圧延材と後続圧延材との間でのシフト移動量が、(ii)で求めた上限値を越える場合は、当該圧延材及び/又は後続圧延材での適正シフト量を許容範囲内で変更することで、当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下となるようにし、
    (iv-A) (iii)の処理を行ったとしても、シフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下とならない場合には、当該圧延材及び/又は後続圧延材の板厚公差の範囲内で目標クラウンを変更した上で適正シフト量の上限値及び下限値を再設定し、再設定された適正シフト量の上限値及び下限値の範囲に入り、且つ当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が(ii)で求めた上限値以下となるように、当該圧延材及び後続圧延材での適正シフト量を設定する
    ことを特徴とする板クラウンの制御方法。
  2. S字状のプロフィルを有し上下点対称に配置された上下一対のワークロールを備えると共に、前記上下一対のワークロールを軸方向に互いに逆方向に移動させるロールシフト機構を備える圧延機によって圧延材を圧延するに際し、前記圧延材の板クラウンを制御する板クラウン制御方法であって、
    (i) 当該圧延材に後続する後続圧延材の目標板クラウンを確保するための適正シフト量の上限値及び下限値を求め、
    (ii) 当該圧延材での適正シフト量と後続圧延材の適正シフト量との差であるシフト移動量に関し、通板性を阻害しないシフト移動量の上限値を求め、
    (iii) 当該圧延材及び後続圧延材でのワークロールのシフトを、(i)で求めた適正シフト量に設定した際に、当該圧延材と後続圧延材との間でのシフト移動量が、(ii)で求めた上限値を越える場合は、当該圧延材及び/又は後続圧延材での適正シフト量を許容範囲内で変更することで、当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下となるようにし、
    (iv-B) (iii)の処理を行ったとしても、シフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下とならない場合には、当該圧延材及び/又は後続圧延材の板厚公差の下限側から許容される範囲で適正シフト量の上限を拡大して再設定し、再設定された適正シフト量の上限値を基に、当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が(ii)で求めた上限値以下となるように、当該圧延材及び後続圧延材での適正シフト量を設定し、
    (iv-C) (iv-B)の処理を行ったとしても、シフト移動量が、(ii)で求めた上限値以下とならない場合には、当該圧延材及び/又は後続圧延材の板厚公差の上限側から許容される範囲で適正シフト量の下限を拡大して再設定し、再設定された適正シフト量の下限値を基に、当該圧延材及び後続圧延材でのシフト移動量が(ii)で求めた上限値以下となるように、当該圧延材及び後続圧延材での適正シフト量を設定する
    ことを特徴とする板クラウンの制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載された板クラウンの制御方法において、
    前記適正シフト量の上限値及び下限値の設定計算と、前記適正シフト量の上限値及び下限値の再設定計算と、を予め行っておくことを特徴とする板クラウンの制御方法。
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