JP2014168330A - 回転電機の固定子 - Google Patents

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Abstract

【課題】導体セグメントの開放端部を周方向に捻る際に、絶縁シート部材の潰れや導体セグメント表面の絶縁皮膜の損傷発生を回避し得る回転電機の固定子を提供する。
【解決手段】固定子2は、周方向に配列された複数のスロット25を有する円環状の固定子コア22と、スロット25に挿入されてスロット25から軸方向の外部に延出した開放端部が周方向に捻られてなる斜行部23eを有する複数の導体セグメント23の斜行部23eの端末同士を互いに接合することにより固定子コア22に巻装された固定子巻線21と、スロット25の内壁面と導体セグメント23との間に介装された絶縁シート部材24と、を備える。絶縁シート部材24は、スロット25の内壁面に沿って筒状に巻かれているとともに、軸方向の少なくとも一端部に軸方向に1回以上折り返されてなる折り返し部24bを有し、折り返し部24bの少なくとも一部がスロット25内に収容されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両等に搭載されて電動機や発電機として使用される回転電機の固定子に関する。
従来、車両に搭載されて使用される回転電機として、回転可能に設けられた回転子と、該回転子と径方向に対向して配置され周方向に配列された複数のスロットを有する固定子コアおよび該固定子コアのスロットに巻装された固定子巻線を有する固定子と、を備えたものが一般に知られている。
そして、固定子コアに巻装される固定子巻線として、略U字状に形成された複数の導体セグメントの端末同士を接続して構成されるセグメント型の固定子巻線が知られている。この固定子巻線は、複数の導体セグメントの開放端部を軸方向一方側からスロットに挿入して、軸方向他端側に延出した開放端部を周方向に捻って斜行部を形成し、異なる導体セグメントの斜行部の端末同士を溶接等で接合することにより固定子コアに巻装される。
また、特許文献1には、固定子コアのスロット内に収容された固定子巻線のスロット収容部とスロットの内壁面との間に介装されて、固定子巻線と固定子コアとを電気絶縁する絶縁シート部材(スロット紙)が開示されている。この絶縁シート部材は、スロットの内壁面に沿って筒状に巻かれているとともに、軸方向の両端部に、軸方向に折り返された折り返し部を有する。
特開2005−323433号公報
ところで、上記のようなセグメント型の固定子巻線は、スロットから軸方向他端側に延出した導体セグメントの開放端部を周方向に捻って、所定の開放端部の端末同士を接合することにより結線される。しかし、導体セグメントの開放端部を周方向に捻る際には、絶縁シート部材の軸方向端部が導体セグメントと固定子コアとで挟まれて潰れてしまったり、また、導体セグメントが固定子コアの軸方向端面とスロットの内壁面とが交わる角部に接触して表面の絶縁皮膜が損傷したりすることで、絶縁不良に繋がる恐れがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、導体セグメントの開放端部を周方向に捻る際に、絶縁シート部材の潰れや導体セグメント表面の絶縁皮膜の損傷発生を回避し得るようにした回転電機の固定子を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、周方向に配列された複数のスロット(25)を有する円環状の固定子コア(22)と、前記スロットに挿入されて前記スロットから軸方向の外部に延出した開放端部が周方向に捻られてなる斜行部(23e)を有する複数の導体セグメント(23)の前記斜行部の端末同士を互いに接合することにより前記固定子コアに巻装された固定子巻線(21)と、前記スロットの内壁面と前記導体セグメントとの間に介装された絶縁シート部材(24)と、を備えた回転電機の固定子において、前記絶縁シート部材は、前記スロットの内壁面に沿って筒状に巻かれているとともに、軸方向の少なくとも一端部に軸方向に1回以上折り返されてなる折り返し部(24b)を有し、該折り返し部の少なくとも一部が前記スロット内に収容されていることを特徴とする。
本発明によれば、絶縁シート部材は、スロットの内壁面に沿って筒状に巻かれているとともに、軸方向の少なくとも一端部に軸方向に1回以上折り返されてなる折り返し部を有し、該折り返し部の少なくとも一部がスロット内に収容されている。これにより、固定子巻線と固定子コアとの間に、絶縁シート部材が2重以上存在するため、絶縁シート部材の潰れが発生しても絶縁性を確保することができる。また、絶縁シート部材のクッション性も向上するため、導体セグメント表面の絶縁皮膜の損傷発生を回避することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載された各部材や部位の後の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的な部材や部位との対応関係を示すものである。
実施形態1に係る回転電機の軸方向断面図である。 実施形態1に係る固定子の全体斜視図である。 実施形態1において固定子コアのスロットに導体セグメントを挿入する状態を示す説明図である。 実施形態1において用いられる導体セグメントの模式的斜視図である。 実施形態1に係る固定子の部分断面図である。 実施形態1に係る固定子の接合側エンド部の一部を示す斜視図である。 実施形態1において導体セグメントが収容される固定子コアのスロットを説明するための固定子の部分断面図である。 実施形態1においてスロットに配置された絶縁シート部材の配置状態を示す固定子の部分断面図である。 実施形態1においてスロットに収容された導体セグメントに捻り加工を施す状態を示す固定子の部分断面図である。 実施形態1においてスロットにワニスを滴下する前の状態を示す固定子の部分断面図である。 実施形態1においてスロットにワニスを滴下した後の状態を示す固定子の部分断面図である。 他の実施形態においてスロットに配置された絶縁シート部材の配置状態を示す固定子の部分断面図である。
以下、本発明に係る回転電機の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
〔実施形態1〕
本実施形態に係る回転電機1は、車両用交流発電機として用いられるものであって、図1に示すように、電機子として働く固定子2と、界磁として働く回転子3と、固定子2および回転子3を収容し、締結ボルト4cによって連結、固定されたフロントハウジング4aおよびリアハウジング4bと、交流電力を直流電力に変換する整流器5等を含んで構成されている。
固定子2は、図2に示すように、固定子コア22と、複数の導体セグメント23により構成されたセグメント型の固定子巻線21と、固定子コア22および固定子巻線21間を電気絶縁する絶縁シート部材24とを備えている。この固定子2は、フロントハウジング4aおよびリアハウジング4b間で挟持されることにより固定されており、回転子3の外周側に所定のエアギャップG(図5参照)を介して配置されている。固定子2の詳細な構造については後述する。
回転子3は、図1に示すように、フロントハウジング4aおよびリアハウジング4bに回転可能に支持されたシャフト33と一体になって回転するもので、ランデル型ポールコア32と、界磁巻線31とを備えている。なお、シャフト33の前端部には、自動車に搭載された走行用のエンジン(図示せず)に図示しないベルト等を介して連結されたプーリ20が固定されている。
ランデル型ポールコア32は、フロント側およびリア側の一組のポールコア32a、32bを組み合わせて構成されている。各ポールコア32a、32bは、それぞれが6個の爪状磁極部32cを有し、絶縁処理された銅線を円筒状かつ同心状に巻回して構成された界磁巻線31を前後両側から挟み込むようにシャフト33に嵌挿されている。本実施形態では、ポールコア32a、32bは、各8個の磁極を持ち、即ち、16極の回転子3を形成している。
フロントハウジング4aの軸方向端面(前端面)およびリアハウジング4bの軸方向端面(後端面)には、吸入孔42a、42bがそれぞれ設けられている。そして、フロント側の吸入孔42aから吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すための斜流ファン35がフロント側のポールコア32aの前端面に溶接等により固着されている。同様に、リア側の吸入孔42bから吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すための遠心ファン36がリア側のポールコア32bの後端面に溶接等により固着されている。また、フロントハウジング4aおよびリアハウジング4bには、固定子コア22の軸方向両端から突出した固定子巻線21のコイルエンド部に対向した部分に冷却風の吐出孔41がそれぞれ設けられている。
シャフト33の後端部には、界磁巻線31の両端に電気的に接続されたスリップリング37、38が形成されており、これらのスリップリング37、38を介してブラシ装置7から界磁巻線31に対して給電が行われるようになっている。
上述した構成を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ20にエンジンからの回転力が伝えられると、回転子3がシャフト33と共に所定方向に回転する。この状態で、スリップリング37、38を介してブラシ装置7から回転子3の界磁巻線31に励磁電圧を印加することにより、ポールコア32a、32bのそれぞれの爪状磁極部32cが励磁されて、回転子3の回転周方向に沿って交互にNS磁極が形成される。これにより、固定子巻線21に三相交流電圧を発生させることができ、整流器5の出力端子から所定の直流電流を取り出すことができる。
次に、固定子2の詳細について図2〜図7を参照しつつ説明する。固定子コア22は、円環状の複数の電磁鋼板を軸方向に積層して形成されている。この固定子コア22は、外周部を構成する円環状のバックコア部22aと、バックコア部22aから径方向内方へ突出し周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース部22bとを有する。固定子コア22の隣接する二つのティース部22bの間には、多相の固定子巻線21を収容できるように、軸方向に貫通するスロット25が形成されている。本実施形態では、回転子3の磁極数16に対応して、2組の3相の固定子巻線21を収容するように、96個のスロット25が周方向に等間隔に配置されている。
固定子コア22のスロット25に装備された固定子巻線21は、接合端部23f(図4参照)同士が互いに接合された複数のU字形状の導体セグメント23により構成されている。導体セグメント23は、例えば銅等の金属材料よりなる導体部と、導体部の外周表面を覆う絶縁皮膜とからなる断面が矩形の角線で形成されている。なお、接合端部23fは、絶縁皮膜が剥離されて内部の導体部が露出した状態になっており、異なる導体セグメント23の所定の接合端部23f同士が接合された後、絶縁処理が施されている。
この導体セグメント23は、図3に示すように、一対の直線部23g、23gとそれぞれの直線部23g、23gの一端部同士を連結するターン部23hとからなるU字形状のものが採用されている。この導体セグメント23は、一対の直線部23g、23gが所定のスロットピッチ離れた2個のスロット25内に軸方向一方側から挿入された後、スロット25から軸方向他方側の外部に延出する直線部23g、23gの開放端部が、周方向の何れか一方側へ所定の角度をもって斜めに斜行するように捻られている。
これにより、導体セグメント23は、図4に示すように、スロット25内に収容され軸方向に沿って直線状に延びる一対のスロット収容部23a、23aと、スロット25から軸方向に露出し周方向に延び出すコイルエンド部とを有する。コイルエンド部は、各スロット収容部23a、23aの一端同士を連結するように一体に設けられてスロット25の軸方向一端側(車両用交流発電機1のリア側で図1の右側。以下、同様)から突出するターン側エンド部23bと、各スロット収容部23a、23aの他端に一体に設けられてスロット25の軸方向他端側(車両用交流発電機1のフロント側で図1の左側。以下、同様)から突出する一対の接合側エンド部23c、23cとから構成されている。
ターン側エンド部23bは、その先端に湾曲変形により形成された略V字状のターン部23hを有している。一方、接合側エンド部23cは、周方向に捻られて固定子コア22の軸方向端面に対して所定の角度をもって斜めに斜行する斜行部23eと、この斜行部23eの先端に屈曲変形により一体に形成された接合端部23fとを有している。
固定子コア22の各スロット25には、それぞれ偶数本(本実施形態では4本)の電気導体(各導体セグメント23のスロット収容部23a)が収容されている。一つのスロット25内の4本の電気導体は、図5に示すように、径方向に沿って内側から内端層、内中層、外中層、外端層の順で一列に配列されている。各スロット25内に収容されたこれらの電気導体が所定のパターンで接続されることにより、固定子巻線21が形成される。なお、一つのスロット25内の4本の電気導体は同相の固定子巻線21を形成している。
スロット25内の電気導体は、軸方向一端側のターン側エンド部23bにおいては、ターン部23hを経由することにより電気的に接続されている。これにより、固定子コア22の軸方向一端側には、スロット25から突出した多数のターン部23hによって第1コイルエンド群21aが形成されている(図2参照)。また、軸方向他端側の接合側エンド部23cにおいては、接合端部23f同士をアーク溶接によって接合することにより電気的に接続されている。これにより、固定子コア22の軸方向他端側には、スロット25から突出した多数の接合側エンド部23cによって第2コイルエンド群21bが形成されている(図2,図6参照)。
各スロット25内の1本の電気導体は、所定の磁極ピッチ離れた他のスロット25内の1本の他の電気導体と対をなしている。例えば、図7に示すように、一つのスロット25内の内端層の電気導体231aは、固定子コア22の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ(NS磁極ピッチ)離れた他のスロット25内の外端層の電気導体231bと対をなしている。同様に、一つのスロット25内の内中層の電気導体232aは、固定子コア22の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット25内の外中層の電気導体232bと対をなしている。
そして、固定子コア22の軸方向一端側のターン側エンド部23bにおいて、これらの対をなす電気導体、即ち、内端層の電気導体231aと外端層の電気導体231bとは、ターン部23h(231c)を経由することにより接続されている。また、内中層の電気導体232aと外中層の電気導体232bとは、ターン部23h(232c)を経由することにより接続されている。
即ち、固定子コア22の軸方向一端側のターン側エンド部23bにおいては、一つのスロット25内の内端層の電気導体231aと内中層の電気導体232aが、当該スロット25から固定子コア22の時計回り方向に向けて延出している。また、一つのスロット25内の外端層の電気導体231bと外中層の電気導体232bが、当該スロット25から固定子コア22の反時計回り方向に向けて延出している。
一方、一つのスロット25内の内中層の電気導体232aは、固定子コア22の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット25内の内端層の電気導体231a’とも対をなしている。同様に、一つのスロット25内の外端層の電気導体231b’は、固定子コア22の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット25内の外中層の電気導体232bとも対をなしている。
そして、固定子コア22の軸方向他端側の接合側エンド部23cにおいて、これらの対をなす電気導体、即ち、内中層の電気導体232aと内端層の電気導体231a’とは、接合端部23f同士(232dと231d’)の接合により接続されている(図4参照)。また、外端層の電気導体231b’と外中層の電気導体232bとは、接合端部23f同士(231e’と232e)の接合により接続されている(図4参照)。
即ち、固定子コア22の軸方向一端側のターン側エンド部23bにおいては、一つのスロット25内の内端層の電気導体231aと外中層の電気導体232bが、当該スロット25から固定子コア22の反時計回り方向に向けて延出している。また、一つのスロット25内の内中層の電気導体232bと外端層の電気導体231bが、当該スロット25から固定子コア22の時計回り方向に向けて延出している。
さらに、図3に示すように、内端層の電気導体231aと外端層の電気導体231bとが、一連の導電体をU字形状に成形してなる大セグメント231により提供される。そして、内中層の電気導体232aと外中層の電気導体232bとが一連の導電体をU字形状に成形してなる小セグメント232により提供される。なお、基本となるU字形状の導体セグメント23は、大セグメント231および小セグメント232によって構成される。
以上の構成を、全てのスロット25の基本となる導体セグメント23について繰り返す。なお、固定子巻線21の各相について、基本となる導体セグメント23により、固定子コア22の周りを2周する巻線(コイル)が形成される。しかし、固定子巻線21の各相について、出力用引き出し線および中性点用引き出し線を一体に有するセグメント、並びに1周目と2周目とを接続するターン部23hを有するセグメントは、基本となる導体セグメント23とは異なる異形セグメントで構成される。これら異形セグメントを用いて、固定子巻線21の各相の巻線端が星型結線により結線される。
固定子コア22の各スロット25の内壁面と導体セグメント23との間には、絶縁シート部材24が介装されている。この絶縁シート部材24は、矩形の絶縁紙をスロット25の軸直角方向の断面形状に合わせて角筒状に巻くことにより形成されて、各スロット25の内壁面に沿って配置されている。角筒状に巻かれた絶縁シート部材24は、周方向両端部同士が重なり合った重なり部24aを有し、この重なり部24aがスロット25の外径側に位置するように配置されている。
図8に示すように、絶縁シート部材24の軸方向他端側の端部、即ち、斜行部23eが形成されている側(第2コイルエンド群21b側(図2参照))の端部には、径方向外方に向かって軸方向に1回以上(本実施形態では1回)折り返されてなる折り返し部24bが形成されている。よって、折り返し部24bが形成された部位は、絶縁紙が二重になっている。この絶縁シート部材24は、折り返し部24bの少なくとも一部がスロット25内に収容された状態に配置されている。本実施形態の場合、折り返し部24bの80%程度がスロット25内に収容された状態にされている。したがって、折り返し部24bは、固定子コア22の軸方向端面とスロット25の内壁面とが交わる角部と対向した状態にされている。
この絶縁シート部材24は、スロット25の軸方向長さよりも少し長くされており、軸方向両端部のそれぞれが固定子コア22の軸方向端面からスロット25の外部へ所定量だけ突出した状態に配置されている(図2,3参照)。このように配置された絶縁シート部材24によって、各スロット25に収容された4本の電気導体(スロット収容部23a)と固定子コア22との間の電気絶縁が行われる。
この絶縁シート部材24は、固定子コア22に固定子巻線21が巻装される前に、各スロット25内にそれぞれ配置される。その後、導体セグメント23の一対の接合側エンド部23cが各スロット25に軸方向一端側から挿入された後、図9に示すように、各スロット25から軸方向他端側に延出した一対の接合側エンド部23cが互いに周方向反対側に捻られることにより斜行部23eが形成される。このとき、捻られることにより形成される斜行部23eによって、固定子コア22の軸方向他端側に突出した絶縁シート部材24の軸方向他端側の端部が圧迫される。しかし、本実施形態では、絶縁シート部材24の軸方向他端側の端部には、折り返し部24bが形成され、絶縁紙が二重になっているので、絶縁シート部材24の潰れが発生しても絶縁性が確保される。また、絶縁シート部材24のクッション性も向上するため、導体セグメント23表面の絶縁皮膜の損傷発生も回避される。
このようにして各スロット25から軸方向他端側に形成された各導体セグメント23の斜行部23eのうち、所定の斜行部23eの接合端部23f同士(端末同士)が溶接等で接合されることにより、複数の導体セグメント23が所定の状態に接続される。これにより、固定子コア22のスロット25に巻装された三相の固定子巻線21が形成される。
その後、各スロット25内に収容された複数の電気導体(各導体セグメント23のスロット収容部23a)及び絶縁シート部材24は、スロット25内に滴下されるワニス(接着部材)26により固定子コア22に固定される。このとき、図10に示すように、折り返し部24bの一部がスロット25内に収容されている側と反対側(多数のターン部23hにより形成された第1コイルエンド群21a側(図2参照))からスロット25内にワニス26が滴下される。
本実施形態では、スロット25の軸方向一端側(図10の下端側)の端部に折り返し部24bの一部が収容されているので、図10の上方側から滴下されたワニス26は、図11に示すように、折り返し部24bで堰き止められスロット25から外部に流出しない。そのため、スロット25内に滞留したワニス26によって、各スロット25内に収容された複数の電気導体及び絶縁シート部材24が、固定子コア22に対して容易に且つ確実に固定される。
以上のように構成された本実施形態の固定子2によれば、絶縁シート部材24は、軸方向の一端部に軸方向に折り返されてなる折り返し部24bを有し、折り返し部24bの少なくとも一部がスロット25内に収容されている。これにより、固定子巻線21と固定子コア22との間に、絶縁シート部材24の絶縁紙が二重に存在するため、絶縁シート部材24の潰れが発生しても絶縁性を確保することができる。また、絶縁シート部材24のクッション性も向上するため、導体セグメント23表面の絶縁皮膜の損傷発生を回避することができる。
また、本実施形態では、スロット25内に少なくとも一部が収容された折り返し部24bは、斜行部23eが形成される側の軸方向端部に配置されている。そのため、斜行部23eを形成する捻り加工を行う際に、特に大きいストレスが発生する捻り加工を施す側において、絶縁シート部材24の絶縁紙を二重に存在させることで、より確実な絶縁性を確保することができる。
また、本実施形態では、スロット25に収容された複数の電気導体及び絶縁シート部材24は、折り返し部24bの一部がスロット25内に収容されている側と反対側からスロット25内に滴下されたワニス26により固定子コア22に固定されている。そのため、スロット25内に滴下されたワニス26は、折り返し部24bで堰き止められスロット25から外部に流出しないので、スロット25内に滞留したワニス26によって、複数の電気導体及び絶縁シート部材24を、固定子コア22に対して容易に且つ確実に固定することができる。
特に、本実施形態の折り返し部24bは、径方向外方に向かって軸方向に折り返されていることによって、スロット25の内壁面と絶縁シート部材24との間に折り返し部24bが介在するようにされている。これにより、スロット25の内壁面と絶縁シート部材24との間に、ワニス26のより広い滴下スペースを確保することができるので、複数の電気導体及び絶縁シート部材24を、固定子コア22に対してより容易に且つ確実に固定することができる。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。例えば、上記実施形態では、絶縁シート部材24として絶縁紙を採用していたが、これに代えて、プラスチックシートやセラミックシート、あるいはそれらを積層した複合シート等を採用することができる。
また、上記実施形態の折り返し部24bは、軸方向に1回折り返されて形成されたものであるが、2以上の複数回折り返して折り返し部24bを形成してもよい。
また、上記実施形態では、絶縁シート部材24の軸方向一端が端部に折り返し部24bが形成されていたが、例えば図12に示すように、絶縁シート部材24の軸方向両端部にそれぞれ折り返し部24b、24bを形成してもよい。
また、上記実施形態では、固定子巻線21を構成する導体セグメント23は、U字形状のものが採用されていたが、この他に、例えばI字形状の導体セグメントを採用することができる。このI字形状の導体セグメントを採用した場合には、固定子コア22の軸方向両側において導体セグメントの斜行部23eが形成されるので、図12に示すように、絶縁シート部材24の軸方向両端部にそれぞれ折り返し部24b、24bを形成するのが好ましい。このようにすれば、絶縁シート部材24の潰れや導体セグメント23表面の絶縁皮膜の損傷発生をより有効に回避することができる。
また、上記の実施形態では、本発明に係る回転電機の固定子を車両用交流発電機に適用した例を説明したが、本発明は、車両に搭載される回転電機として、発電機、あるいは電動機、さらには両者を選択的に使用し得る回転電機にも適用することができる。
1…車両用交流発電機(回転電機)、 2…固定子、 3…回転子、 21…固定子巻線、 22…固定子コア、 23…導体セグメント、 23e…斜行部、 24…絶縁シート部材、 24b…折り返し部、 25…スロット、 26…ワニス(接着部材)。

Claims (3)

  1. 周方向に配列された複数のスロット(25)を有する円環状の固定子コア(22)と、前記スロットに挿入されて前記スロットから軸方向の外部に延出した開放端部が周方向に捻られてなる斜行部(23e)を有する複数の導体セグメント(23)の前記斜行部の端末同士を互いに接合することにより前記固定子コアに巻装された固定子巻線(21)と、前記スロットの内壁面と前記導体セグメントとの間に介装された絶縁シート部材(24)と、を備えた回転電機の固定子において、
    前記絶縁シート部材は、前記スロットの内壁面に沿って筒状に巻かれているとともに、軸方向の少なくとも一端部に軸方向に1回以上折り返されてなる折り返し部(24b)を有し、該折り返し部の少なくとも一部が前記スロット内に収容されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記スロット内に少なくとも一部が収容された前記折り返し部は、前記斜行部が形成される側の軸方向端部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記スロット内において、前記絶縁シート部材は、接着部材(26)により前記固定子コアに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機の固定子。
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