JP2014165789A - 放送受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一物理チャンネル内に複数の高解像度受信サービスが含まれ且つそのうち緊急警報放送を実施していない高解像度受信サービスが存在する場合にも、低解像度受信サービスで緊急警報放送を検知した際に緊急警報放送の高解像度受信サービスを確実に選局する。
【解決手段】放送受信装置1の制御部は、特定サービスで緊急警報放送がなされていることが第2受信部19で検知された場合、特定サービスと同一物理チャンネルの他のサービスの中から分離部12で1サービスを分離させ、サービス内の情報内で緊急情報記述子を検索し、これらの処理を緊急情報記述子が見つかるまで繰り返し、見つかった時点で分離部12に緊急情報記述子が示すサービスを分離させ、第1受信部11で選局中のチャンネルのデジタル放送信号から緊急警報放送のAVデータを復号して出力するようAVデータ出力部14を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、緊急警報放送を受信することが可能な放送受信装置に関する。
日本の地上デジタル放送ではISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)方式が採用されており、この方式では、その1つの特徴として、緊急警報放送が行われたときに放送受信装置が自動で起動する仕組みをもっている。
また、日本における地上デジタル放送では、UHF(Ultra High Frequency)帯の約6MHzの周波数帯域(物理チャンネルとも言う)が13セグメントに分割され、そのうちの12セグメントでテレビジョン受像機等の固定端末向けの放送が実施され、残りの1セグメントで携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス(以下、ワンセグとも言う)が実施されている。この1セグメント部分受信サービスでは、最大320×240ピクセル(QVGA:Quarter Video Graphics Array)の解像度を有する映像が放送されている。
そして、日本国内では、1つの物理チャンネルは基本的に1つの放送局(放送事業者)によって使用されており、1放送事業者で1セグメント部分受信サービスとHD(High Definition)の解像度をもつ受信サービスとの組み合わせで1つの物理チャンネルを使っている運用が多い。
従って、HDの解像度をもつ受信サービスを受信するチューナを備えた放送受信装置において、1セグメント部分受信用のチューナを備えた緊急警報監視専用モジュールを搭載することが、緊急警報放送を常時、低消費電力で監視できるため好ましい。
緊急警報放送に関し、特許文献1には、待機中に緊急警報放送を監視する待機電力を削減するために、ラジオ等の別伝送路を監視して緊急警報放送が検知された場合、放送受信装置の本体の電源を入れる技術が開示されている。
また、特許文献2には、視聴中の物理チャンネルとは別の物理チャンネルで緊急警報放送が行われる場合に対処するために、放送受信装置において、携帯型の放送受信装置等の他の放送受信装置を接続し、他の放送受信装置で緊急警報放送の行われている物理チャンネルを検索し、検出された場合に検出された物理チャンネルに対応する高解像度受信サービスの放送信号を受信するように切り替える技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、外付けのチューナモジュールによりデジタル放送を1セグメント部分受信サービスで受信しているときに緊急警報放送が発生すると、これを検知して複数セグメント放送のサービスの放送信号を受信するように切り替え、視認性の高い緊急警報放送を視聴させる技術が開示されている。この技術では、上記のチューナモジュールで受信したTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)に基づいて受信可能な緊急警報放送があるか否かを判定し、PMT(Program Map Table)に基づいて受信可能な緊急警報放送がある周波数帯域であるサービス(複数セグメント放送のサービス)を特定し、そのサービスに切り替えている。ここで、TMCCには緊急警報放送が行われているか否かを示す情報が含まれ、PMTには緊急警報放送が放送されているサービスを示す情報が含まれている。
上述のように、特許文献1〜3に記載の技術では、1セグメント部分受信サービスや他伝送路のサービスで緊急警報放送が行われたときに、高解像度の緊急警報放送サービスを受信しようとしている。
特許第4187973号公報 特許第4212462号公報 特許第4889583号公報
一方で、ISDB−Tのインターナショナルフォーラムでは、ISDB−Tの国際標準化の仕様が検討されており、諸外国で緊急警報放送を行うための規格が検討されているが、日本国外では複数の放送事業者で1つの物理チャンネルを利用するケースがある。このケースでは、日本国内における1セグメント部分受信サービスのような低解像度受信サービスが1つ存在し、且つそれと同一の物理チャンネル内にHDやSD(Standard Definition)の高解像度受信サービスが複数存在することがある。このとき、緊急警報放送は、1セグメント部分受信サービスのような1つの低解像度受信サービスの放送信号と、複数存在する中の1つの高解像度受信サービスのみの放送信号とで伝送することも想定できる。
しかしながら、特許文献1〜3に記載されたような従来技術は、日本国内での適用のみを想定している。実際、日本国内では、1放送事業者で1セグメント部分受信サービスと高解像度受信サービスの組み合わせで1つの物理チャンネル(1つの周波数帯域)を使っている運用が大半であること、並びに殆どの放送事業者が緊急警報放送を同時に伝送していることを前提としている。
そして、このような前提を採用しているため、特許文献1に記載の技術のように放送受信装置の電源を入れるだけで緊急警報放送を受信することが可能になり、特許文献2,3に記載の技術のように物理チャンネルを指定するだけで緊急警報放送を行っている高解像度受信サービスを一意に決めることが可能になる。
換言すれば、特許文献1〜3に記載の技術はいずれも、上記のケースのように、緊急警報放送を実施していない高解像度受信サービスが緊急警報放送を受信した低解像度受信サービスと同一の帯域(同一の物理チャンネル)内に存在することを前提としていない。
そのため、特許文献1〜3に記載の技術では、1セグメント部分受信サービスのような低解像度受信サービスから高解像度受信サービスへと受信する放送信号を切り替える際に、同一物理チャンネル内に複数存在する高解像度受信サービスの中から、確実に緊急警報放送を実施している高解像度受信サービスのチャンネルを選局することはできない。
例えば特許文献3には、緊急警報放送を実施している高解像度受信サービスを確定する旨の記載があるが、受信したPMTに基づいてそのような高解像度受信サービスを特定することが記載されているだけである。しかしながら、低解像度受信サービスの放送信号を受信したときのPMTに、高解像度受信サービスの中で緊急警報放送を実施しているサービスに関する情報が記述されているとは限らないし、また特許文献3には高解像度受信サービスのPMTを受信して緊急警報放送を確定しているとの記載もない。このため、特許文献3に記載の技術でも、1つの物理チャンネル内に複数の放送事業者が提供する高解像度受信サービスが含まれている場合には、緊急警報放送を実施している高解像度受信サービスを確実に決定することや、その高解像度受信サービスを確実に選局することはできない。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、放送受信装置において、同一の物理チャンネル内に複数の高解像度受信サービスが含まれ且つそのうち緊急警報放送を実施していない高解像度受信サービスが存在する場合にも、1セグメント部分受信サービスのような低解像度受信サービスで緊急警報放送を検知した際に、緊急警報放送の高解像度受信サービスを確実に選局することを可能にすることにある。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、デジタル放送サービスのデジタル放送信号を受信する第1受信部と、該第1受信部で受信したデジタル放送信号から指定のサービスを分離すると共にサービスの情報を取得する分離部と、該分離部で指定したサービスのAV(Audio Visual)データを復号して出力するAVデータ出力部と、前記第1受信部と前記分離部及び該AVデータ出力部の制御を行う制御部と、前記第1受信部での受信対象となるデジタル放送サービスより低画質な、少なくとも1つの特定サービスのデジタル放送信号を受信する第2受信部と、を備えた放送受信装置であって、前記制御部は、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知された場合、(a)前記特定サービスと同一の物理チャンネルを、前記第1受信部にて選局させ、(b)該選局された物理チャンネルのデジタル放送信号の中から、そこに含まれる1サービスの情報を前記分離部にて取得し、(c)前記(b)で得られたサービスの情報に緊急情報記述子が見つかるまで、前記(a)及び前記(b)の処理を繰り返し、前記緊急情報記述子が見つかった時点で、前記緊急情報記述子が示すサービスのAVデータを前記分離部にて出力させ、(d)前記分離部で分離された緊急警報放送のAVデータを復号して出力するよう、前記AVデータ出力部を制御することを特徴としたものである。
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記制御部は、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知された場合、前記特定サービスと同じ放送事業者が実施するサービスから、前記(a)の処理を開始することを特徴としたものである。
本発明の第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源供給を制御する電源制御部を、さらに備え、該電源制御部は、前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源が供給されていなかった場合、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知されたときに、前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源供給を開始することを特徴としたものである。
本発明の第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記第2受信部は、緊急警報放送の検知用として専用に設けられていることを特徴としたものである。
本発明に係る放送受信装置によれば、同一の物理チャンネル内に複数の高解像度受信サービスが含まれ且つそのうち緊急警報放送を実施していない高解像度受信サービスが存在する場合にも、1セグメント部分受信サービスのような低解像度受信サービスで緊急警報放送を検知した際に、緊急警報放送の高解像度受信サービスを確実に選局することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る放送受信装置の一構成例を示すブロック図である。 図1の放送受信装置で受信可能な、1つの物理チャンネル内で放送される複数のサービスの一例を説明するための模式図である。 図1の放送受信装置において受信される緊急情報記述子の一例を示す図である。 図1の放送受信装置において、第2受信部で緊急警報放送を受信した際の処理の一例を説明するためのフロー図である。 図1の放送受信装置において受信される、放送事業者を示す情報が記述された記述子の一例を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る放送受信装置の一構成例を示すブロック図である。
図1で例示するように、本発明に係る放送受信装置1は、デジタル放送サービスのデジタル放送信号を受信する第1受信部11と、第1受信部11で受信したデジタル放送信号からAV(Audio Visual)データを復号して出力するAVデータ出力部14と、第1受信部11及びAVデータ出力部14の制御を行う制御部(以下、メインコントローラ16で例示)と、を備える。
第1受信部11は、操作信号などに基づき選局された物理チャンネルのデジタル放送信号をアンテナ等から受信するチューナ部11aと、チューナ部11aで受信したデジタル放送信号を復調する復調部11bと、を有する。
デジタル放送信号を復調すると、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の直交変調信号の伝送パラメータを示す制御信号であるTMCC(transmission and multiplexing configuration control)が含まれている。本構成例における復調部11bでは、復調後のデジタル放送信号をし、復調したデータに対してTMCC復号を施し、リードソロモン復号により誤り訂正処理を施すことで、放送局側が生成した元のMPEG(Moving Picture Experts Group)−2規格のトランスポートストリーム(TS)パケットのストリームを出力する。
TSパケットの種類としては、映像データや音声データのほか、PAT(Program Association Table)やPMT(Program Map Table)等のテーブルを格納するPSI(Program Specific Information)などの付加情報が挙げられる。MPEG−2を採用する多くのデジタル放送規格では、付加情報としてSI(Service Information)も含んでいる。例えば、ARIB STD−B10で規定するSIには、NIT(Network Information Table)、BIT(Broadcaster Information Table)なども含まれている。
また、TMCCには起動制御信号(起動フラグ)が含まれており、この起動フラグとして、緊急警報放送が放送中であった場合には「1」、終了・通常放送中であった場合には「0」が記述されている。PMTは、サービス毎の映像信号や音声信号のPID(パケットのヘッダに含まれるパケット識別情報)が記述されたテーブルであり、緊急情報記述子も含まれる。そして、その緊急情報記述子は、“start_end_flag”が「1」か「0」かで緊急警報放送が放送中であるか否かを表している。
また、放送受信装置1は、MPEG−2 DEMUXに代表される分離部12、並びにAVデータ復号部13及びAVデータ出力部14を備える。分離部12は、第1受信部11で受信したデジタル放送信号から指定のサービスを分離すると共にそのサービスの情報(サービス情報)を取得する。より具体的には、分離部12は、復調部11bから出力されたTSパケットのストリームを、映像データ、音声データ、その他の付加情報のデータといったコンポーネント毎のデータに分離し、AVデータ復号部13に渡す。
分離された各コンポーネントのデータは、AVデータ復号部13における図示しない映像復号部、音声復号部、その他の情報の復号部(例えば選局に必要な情報や番組情報等の復号部)で復号処理され、主にAVデータ出力部14に渡される。PMTやPATなどの選局に必要な情報は、メインコントローラ16に渡される。選局に必要な情報は、基本的に選局動作がなされる度に復号処理されて、メインコントローラ16に渡される。
AVデータ出力部14は、復号処理後のデータを受け取り、映像データが示す映像を表示パネル14aで表示し、音声データが示す音声をスピーカ14bから出力する。また、番組情報や電子番組表などもユーザ操作に従い表示パネル14aで表示される。なお、放送受信装置1に具備されるAVデータ出力部は、分離部12で指定したサービスのAVデータを復号して出力する機能、すなわちここで例示するAVデータ復号部13とAVデータ出力部14の機能をもっていればよい。
メインコントローラ16は、第1受信部11での選局の制御やAVデータ出力部14におけるAVデータ(映像データ及び音声データ)の出力の制御などを行う。その他、メインコントローラ16は、分離部12での分離も制御する。なお、ここでは、AVデータ復号部13は分離され入力された各コンポーネントのデータが入力されると、そのまま入力されたデータに対して復号を行うものとしているが、無論、メインコントローラ16でAVデータ復号部13での復号処理も制御するように構成できる。
また、メインコントローラ16におけるこのような制御は、図示しないリモートコントローラや放送受信装置1の本体に設けられた操作ボタンなどから第1サブコントローラ17が受けた操作信号に基づいて、実行することが可能となっている。第1サブコントローラ17は、このように操作信号を受け付けてメインコントローラ16に渡す。
例えば操作信号がサービスの切り替えを示す信号であれば、第1サブコントローラ17がその信号をメインコントローラ16に渡し、メインコントローラ16がその信号に従い、設置時にスキャンした際に記憶した物理周波数情報とサービスの情報を使って物理周波数にてチューナ部11aでの選局を制御する。1つの物理チャンネル(周波数帯域、或いは伝送チャンネルとも言う)で複数のサービス(物理周波数内でのサービスであって、編成チャンネルとも言う)を構成している場合にはPMTが複数伝送されるため、複数のPMTを識別するためにサービスIDとPMTのPIDとの対応表が必要になる。この対応表がPATである。その他、選局にはサービスIDと伝送する周波数との対応表であるNITなども参照される。
また、第1サブコントローラ17は、待機状態(スタンバイ状態)で電源オンを示す操作信号を受け取ったときに、電源回路18に電源オンの指示を行うことで、電源回路18に他の部位(放送受信装置1のメインとなる回路)への電源供給を行わせる。上記の他の部位としては、メインコントローラ16、第1受信部11、分離部12、AVデータ復号部13、及びAVデータ出力部14が該当する。また、第1サブコントローラ17は、電源オフを示す操作信号を受け取ったときに、電源回路18に電源オフの指示を行うことで、電源回路18に上記の他の部位への電源供給を遮断させ、放送受信装置1を待機状態に移行させる。
第1サブコントローラ17と電源回路18で例示したように、放送受信装置1は、メインコントローラ16をはじめ、第1受信部11、分離部12、及びAVデータ出力部14などへの電源供給を制御する電源制御部を備えることが好ましい。
さらに、本発明に係る放送受信装置1は、第1受信部11での受信対象となるデジタル放送サービスより低画質な特定サービスのデジタル放送信号を受信する第2受信部19を備える。
ここで、上記の特定サービスとして、第2受信部19において少なくとも1つの特定サービスを含む物理チャンネルが受信可能となっていればよいが、その特定サービスが地震や災害等の緊急時には緊急警報放送を伝送する放送事業者が提供するデジタル放送サービスである必要がある。なお、複数の特定サービスを受信可能に構成した場合、第2受信部19の制御部となる第2サブコントローラ19cがそれらの特定サービスを含む物理チャンネルを適時切り替えながらデジタル放送信号の受信を行い、緊急警報放送の監視を行えばよい。
また、上記の低画質な特定サービスのデジタル放送信号とは、第1受信部11で受信しAVデータ出力部14でAVデータが出力されるデジタル放送サービスより低画質な映像(低解像度の映像)を含むデジタル放送信号を指す。つまり、この特定サービスは、1つの物理チャンネル内で最大の画質で放送可能なデジタル放送サービスより低画質の映像を放送している部分受信サービス(TR−B14規格でいうところの物理チャンネルの部分受信階層として放送しているサービス)である。ここでは、この受信サービスを低解像度受信サービスと呼ぶ。
本実施形態の説明は、第1受信部11等の処理がISDB−T規格に基づく処理であることを前提としている。その場合、低解像度受信サービスとしては、同じくISDB−Tで定められた携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスを採用すればよく、第2受信部19は1セグメント部分受信サービス用のモジュールとなる。但し、これに限ったものではなく、国によっては、例えばDVB−H(Digital Video Broadcasting - Handheld)やT−DMB(Terrestrial - Digital Multimedia Broadcasting)で定められたような低解像度の受信サービスを採用することもできる。この場合、第1受信部11で受信するデジタル放送サービスもその国に合ったサービスとしておく。
第2受信部19は、チューナ部11aと同様の処理を行うチューナ部19a、復調部11bと同様の処理を行う復調部19b、並びに、それらを必要に応じて制御すると共に第1サブコントローラ17やメインコントローラ16に必要な信号を伝送する第2サブコントローラ19cを有する。
但し、チューナ部19aは、チューナ部11aと異なり、基本的には特定サービスの周波数に固定しておけばよく、複数の特定サービスに対応させる場合でもその数の周波数にのみ対応するような構成にしておけばよい。また、復調部19bは、復調部11bと異なり、第2サブコントローラ19cにおいて緊急警報放送を検知可能にする情報(例えばTMCCとPMT)だけを第2サブコントローラ19cに出力すればよい。
ここで、放送受信装置1で受信可能な、1つの物理チャンネル内で放送される複数のサービスの一例について、図2を参照しながら簡単に説明する。
図2で例示するように、1つの物理チャンネル20には、例えばSD画質用の受信サービスである3つのサービス21〜23とQVGA画質用の受信サービス(1セグメント部分受信サービス)である1つのサービス24が含まれている。なお、日本における1セグメント部分受信サービスは、図2で例示したような分割方法と異なり、QVGAのAVデータを13セグメントの中央部分の1つのセグメントとして放送している。国によって分割方法は任意に規格化しておくことができる。
このように、第1受信部11で受信可能なデジタル放送サービスには、所謂、部分受信サービスに該当するサービスも含まれるが、第1受信部11で受信するデジタル放送サービスは、基本的に、第2受信部19で受信する部分受信サービスと比較して高解像度の映像を受信可能なサービス(高解像度受信サービスと呼ぶ)とする。
無論、物理チャンネルの中には、1つの物理チャンネルで1つの低解像度受信サービスと1つのHD画質用の受信サービスのみを提供する場合もある。また、物理チャンネルの中には、1つの物理チャンネルで1つのHD画質用の受信サービスのみを提供し、低解像度受信サービスを提供しないようなものが存在してもよい。低解像度受信サービスの特定サービスは第2受信部19で常に監視しており、緊急警報放送が生じた場合には、後述する(a)〜(d)の処理により第1受信部11においてその物理チャンネルからその特定サービスと同一の物理チャンネルへの切り替えがなされるため、問題は生じない。なお、第1受信部11においても第2受信部19で受信対象とする低解像度受信サービスも併せて受信可能に構成しておいてもよい。
そして、本発明の主たる特徴として、メインコントローラ16は、上記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが第2受信部19で検知された場合、後述する(a)〜(d)の制御を行う。
まず、この検知方法について、図3を参照しながら説明する。図3は、放送受信装置1において受信される緊急情報記述子の一例を示す図である。
第2受信部19では、第2サブコントローラ19cが、復調部19bから受け取ったTMCCの起動フラグが「1」であることで緊急警報放送がなされていることを検知する。そのような場合、第2サブコントローラ19cがその検知事象をメインコントローラ16に間接的に(第1サブコントローラ17を介して)に伝えるように構成されている。
また、PMTには上述したように緊急情報記述子が含まれており、図3でSTD−B10規格について例示するように、緊急情報記述子30には、そのサービスID31の他に“start_end_flag”32や“area_code”33が記述されている。これらの記述を検知に利用することができる。
具体的には、第2サブコントローラ19cでは、TMCCの起動フラグだけでなくPMT内の緊急情報記述子30の“start_end_flag”33が「1」であった場合についてはじめて、その検知事象をメインコントローラ16に間接的に伝えるように構成してもよい。緊急警報放送のテスト放送であった場合には、“start_end_flag”33が「0」になるため、このような構成により、テスト放送であった場合には検知事象にしないようにできる。
さらに、第2サブコントローラ19cでは、TMCCの起動フラグだけでなく緊急情報記述子30の“start_end_flag”33が「1」であり、且つ放送受信装置1で設置時に設定した地域を示す情報(例えば、郵便番号、県名、都市名など)と“area_code”33とが一致又は近い地域と判断された場合についてはじめて、その検知事象をメインコントローラ16に間接的に伝えるように構成してもよい。
また、図1の例では、検知がなされたときに、第2サブコントローラ19cがEWBS(Emergency Warning Broadcast System)信号を第1サブコントローラ17に渡している。なお、待機状態でもメインコントローラ16に電源が供給されている構成では、検知したことをメインコントローラ16に直接伝えるような構成を採用することもできる。
メインコントローラ16に電源が供給されていなかった場合にも、緊急警報放送の検知事象をメインコントローラ16に伝達できる構成について説明する。
そのためには、上記の電源制御部は、メインコントローラ16、第1受信部11、分離部12、及びAVデータ出力部14等への電源が供給されていなかった場合、上記特定チャンネルで緊急警報放送がなされていることが第2受信部19で検知されたときに、メインコントローラ16、第1受信部11、分離部12、及びAVデータ出力部14等への電源供給を開始するようにすればよい。
図1の構成例でより具体的に説明する。待機状態において第2受信部19及び第1サブコントローラ17に電源回路18を介して電源を供給しておくものとする。そして、第1サブコントローラ17は、待機状態において第2サブコントローラ19cからEWBS信号を受け取ったときに、メインコントローラ16、第1受信部11、分離部12、AVデータ復号部13、及びAVデータ出力部14に電源を供給するように電源回路18に指示を送ればよい。
このような電源制御部を設けることで、待機状態ではメインコントローラ16等を停止して低消費電力で緊急警報放送を受信できるだけでなく、待機状態で緊急警報放送を検知した際にも、検知後に後述する(a)〜(d)の処理を実行することにより、高解像度受信サービスで提供している映像データ及び音声データの出力が可能となる。
本発明の主たる特徴である(a)〜(d)の処理について説明する。
メインコントローラ16は、上記検知事象が生じた際、まず(a)上記特定サービスと同一の物理チャンネルを第1受信部11で受信する。ここで、上記特定サービスが含まれる物理チャンネルは、上記特定サービスが1つある構成では一意に決まり且つ予め既知であるため、上記(a)のような選局は可能である。なお、上記特定サービスが2つ以上ある構成でも、特定サービス間の切り替えを所定のタイミングで行っておけば一意に決まり且つ予め既知であり、上記(a)のような選局は可能である。所定のタイミングでの切り替えを行わない場合でも、第2サブコントローラ19cが復調部19bから現段階で緊急警報情報の検知処理を行っている特定サービスに関する情報(特定サービスの受信周波数又はサービスIDなど)を得ることで、予め記憶しておいた対応表などからその情報に対応する物理チャンネルを一意に決めることができる。
次いで、メインコントローラ16は、(b)上記(a)で選局された物理チャンネルのデジタル放送信号の中から、そこに含まれる1サービスの情報を分離部12にて取得する。より具体的には、上記(a)で選局された物理チャンネルのデジタル放送信号の中から、帯域内に含まれるサービスのPMTのPIDについて記載されたPATを分離部12から取得し、分離部12に帯域内のサービス(特定サービス以外)のPMTのPIDを指定して、PMTを取得し、緊急情報を示す記述子である緊急情報記述子を検索する。無論、検索するのは緊急警報放送が伝送されていることを示す記述子である。
その後、メインコントローラ16は、(c)上記(a),(b)の処理を緊急情報記述子が見つかるまで繰り返し、緊急情報記述子が見つかった時点で、分離部12に緊急情報記述子が示すサービス(緊急情報記述子に記述されたサービス)のAVデータのPIDを指定(選局)する。最後に、メインコントローラ16は、(d)分離部12で分離された緊急警報放送のAVデータを復号して出力するようにAVデータ出力部14(及び分離部12)を制御する。
なお、上記(a)〜(d)の処理は、メインコントローラ16に電源が供給されている場合もされていない場合にも同様に適用できる。電源が既に供給されている場合には、この処理により、既に(c)で示されることになるサービスを検知事象前に視聴していた場合にはそのままそのサービスを視聴でき(但し、緊急警報放送)、(c)で示されることになるサービス以外のサービスを検知事象前に視聴していた場合にはサービスの切り替えがなされて緊急警報放送が視聴できるようになる。供給されていなかった場合には、検知事象を受けて電源の供給後、(c)で示されたサービスで緊急警報放送が視聴できるようになる。
このように、本発明に係る放送受信装置1によれば、同一の物理チャンネル内に複数の高解像度受信サービスが含まれ且つそのうち緊急警報放送を実施していない高解像度受信サービスが存在する場合にも、低解像度受信サービスで緊急警報放送を検知した際に、緊急警報放送を実施している高解像度受信サービスの検索処理を行うため、緊急警報放送を実施していない高解像度受信サービスに切り替わるのを防止できる。これにより、本発明に係る放送受信装置1では、高解像度受信サービスへ切り替え処理を自動的に且つ確実に実行でき、もって、緊急警報放送の高解像度受信サービスを確実に選局し、視認性のよい映像・音声を出力することができる。
上述した(a)〜(d)の処理の一例について、図4を参照しながら説明する。図4は、第2受信部19で緊急警報放送を受信した際の処理の一例を説明するためのフロー図である。ここでは、待機状態からの処理例を挙げる。
まず、第2受信部19において、緊急警報放送の実施/未実施を特定サービスで監視しておき、実施された場合、第2受信部19で緊急警報放送が実施されたことが検知されたかを示す情報(例えばEWBS信号)を第2サブコントローラ19cが第1サブコントローラ17に通知するようにしておく。そして、第1サブコントローラ17がEWBS信号を第2サブコントローラ19cから受信したか否かを判定する(ステップS1)。受信していない場合には受信を待ち、ステップS1でYESとなった場合、第1サブコントローラ17が電源回路18に第1受信部11やメインコントローラ16などへの電源供給を指示し、電源回路18が指示に従い電源供給を開始する(ステップS2)。
次いで、第1サブコントローラ17が、電源オンとなったメインコントローラ16に対し、EWBS信号(又はそれに対応する信号)を渡す。そして、メインコントローラ16が、第2受信部19にて緊急警報放送が検知された特定サービスと同一周波数帯域内(同一物理チャンネル内)で且つ未受信の高解像度受信サービスを選択(選局)するように、第1受信部11と分離部12を制御し、第1受信部11と分離部12がそのような選局を実行する(ステップS3)。ここで、最初に選局する高解像度受信サービスや次に選局する高解像度受信サービス(後述)は、例えばPATを参照し、PATに記載された順番に決定すればよい。
ステップS3の処理により、第1受信部11と分離部12で選択された高解像度受信サービスの放送信号を受信する(ステップS4)。次に、メインコントローラ16が、受信した放送信号に関して分離部12で分離されたPMTを取得し、そのPMTにおいて緊急情報記述子があるか無いかを解析する(ステップS5)。
メインコントローラ16は、緊急情報記述子があったか否かを判定し(ステップS6)、無かった場合(NOの場合)にはステップS3に戻り、次の高解像度受信サービスを上記同一物理チャンネル内で選局し、選局した高解像度受信サービスについてステップS4〜S6の処理を同様に繰り返す。
ステップS6でYESの場合(緊急情報記述子が見つかった場合)、メインコントローラ16は、その緊急情報記述子に記述されたサービスが自サービスであるか否かを判定する(ステップS7)。図3で説明すると、ステップS7では、緊急情報記述子30におけるサービスID(service_id)31が、第1受信部11で受信中の受信サービスについての映像又は音声又は他の情報に関するTSパケットのサービスIDと同じか否かにより、自サービスであるか否かを判定する。
なお、同一物理チャンネル内で全ての高解像度受信サービス(例えばHD画質用やSD画質用の受信サービス)について検索しても、ステップS6でYESとならなかった場合には、ステップS3で未受信の高解像度受信サービスが存在しないことになる。図4で図示していないが、その場合には、処理を終了するか、若しくは、上記同一物理チャンネルより次に高い又は低い物理チャンネル内の高解像度受信サービスのPMTから緊急情報記述子を探して見つかるまで検索を行い、全てのサービスの検索が終了したら処理を終了するなどすればよい。
ステップS7でYESの場合、メインコントローラ16は、第1受信部11で受信中の高解像度受信サービスのAVデータを復号するように、分離部12に指示し、分離部12が対象のAVデータをAVデータ復号部13に送ってAVデータ復号部13に復号させる(ステップS9)。次いで、メインコントローラ16がAVデータ出力部14に指示して復号されたAVデータを出力させ(ステップS10)、処理を終了する。
一方、ステップS7でNOの場合、メインコントローラ16は、その緊急情報記述子30に記述された受信サービスの放送信号を受信するように分離部12でのサービス選局を制御して、分離部12で受信サービスのAVデータをAVデータ復号部13に出力し(ステップS8)、ステップS9,S10の処理を実行する。
また、緊急警報放送が行われると、緊急警報放送を実施している受信サービスのPMT内に緊急情報記述子が現れる。緊急警報放送を実施していない受信サービスに緊急情報記述子を記載するか否かは、放送事業者の任意である。第2受信部19で検出されるPMTに緊急警報放送の高解像度受信サービスが記載されることは稀である。もし、記載されているのであれば、一意にAVデータを出力させる高解像度受信サービスが決まる。例えば、特許文献2,3に記載の技術のように動作させればよい。
一方で、そのような記載がなければ、例えば図4で説明したような処理を実行すればよい。つまり、第2受信部19で緊急警報放送を検知した場合、第1受信部11で第2受信部19で検知した特定サービスを含む物理チャンネル内の他のサービスを選局し、選局により受信したサービスのPMTを解析し、緊急情報記述子があるか否かを確認する。なければ、同一物理チャンネル内の次のサービスを選局して緊急情報記述子があるか否かを確認する。同一物理チャンネル内で緊急情報記述子があるサービスが見つかるまで選局を繰り返し、緊急情報記述子が検出されたら記載されたサービスに自動選局する。
次に、高解像度受信サービスの決定方法の他の例について、図5を参照しながら説明する。図5は、図1の放送受信装置において受信される、放送事業者を示す情報が記述された記述子の一例を示す図である。ブロードキャスタ情報テーブルの一例を示す図である。
メインコントローラ16は、上記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが第2受信部19で検知された場合、上記特定サービスと同じ放送事業者(ブロードキャスタ)のサービスから、上述の(a)の処理を開始することが好ましい。つまり、最初に検索するサービスは、上記対応するサービスにすることが好ましい。なお、2つ以上のサービスで上記特定サービスと同じ放送事業者が存在する場合も想定できるが、その場合、最初に同じ放送事業者であると判明した方を、最初に検索するサービスとすればよい。
上記所定の記述子としては、ARIB STD−B10規格のBIT(Broadcaster Information Table)50の“broadcaster_id”51が挙げられる。例えば、上記特定サービスが1つである構成では、予めその“broadcaster_id”も既知であるため、それと第1受信部11で受信したBIT内の“broadcaster_id”51とを比較して、上記既知の“broadcaster_id”の値と同じものを検索すればよい。若しくは、上記特定サービスが2つ以上である構成では、第2受信部19で受信した“broadcaster_id”を第2サブコントローラ19cがメインコントローラ16に直接又は間接的に(第1サブコントローラ17を介して)渡すとよい。これにより、メインコントローラ16が、分離部12で受信したBIT内の“broadcaster_id”51の中から、受け取った“broadcaster_id”と同じ値のものを検索できる。なお、上記所定の記述子としては、この例に限らず放送事業者を示す情報が少なくとも含まれる記述子に決めておけばよい。
緊急警報放送を実施する放送事業者は、低解像度受信サービスと高解像度受信サービスを同時に実施すると考えられる。従って、上述のように、最初に受信するサービスを低解像度受信サービスと放送事業者が同じものとすることで、緊急警報放送を行っている高解像度受信サービスを検索する時間が短縮でき、視認性の高い緊急警報放送の映像・音声を出力するまでの時間が短縮できる。特に、第2受信部19において1つの特定サービスでのみ受信するように構成しておくと、複数の特定サービスの中から検知事象のあった特定サービスを得る処理が必要なくなるため、より検索時間を短縮できる。
また、図1の例では、第2受信部19が緊急警報放送の検知用(監視用)として専用に設けられていることを前提に説明した。例えば、第1受信部11等とは別に、第2受信部19を緊急警報放送監視用モジュールとして構成することができる。このような構成により、待機状態における消費電力を低減することができる。
一方で、第2受信部19にて汎用に物理チャンネルの選局を可能に構成しておくこともできる。但し、この場合にも、基本的には特定サービス(緊急時に緊急警報放送を行う低解像度のサービス)の監視が可能になっている必要がある。第2受信部19を緊急警報放送専用に設けない構成としては、例えば録画用の受信部を設け、その受信部に第2受信部19の機能を与え、常に通電しておくことができる。但し、緊急警報放送を伝送する可能性のある特定サービス以外のサービスについても、録画用に受信可能にしておく必要があり、その分のコストや消費電力が増すだけでなく、分離部12やAVデータ復号部13に対応する構成も別途必要となりコストが嵩む。
また、他の構成例として、放送受信装置に1つの受信部のみを設け、その受信部に第1受信部11と第2受信部19の機能をもたせることもできる。この構成例では、視聴中は視聴中の物理チャンネルで緊急警報放送が行われなければ検知できず、また、電源オフ操作により待機状態に移行させる場合には、緊急警報放送が伝送される可能性のある特定サービスに切り替えてから待機状態にする必要がある。さらに、電源オン操作により待機状態から復帰させる場合には、その特定サービスのAVデータが常に出力されるか、若しくは、緊急警報放送が伝送されていないときであってもわざわざ電源オン操作時には、電源オフ操作時に受信していたサービスに切り替えるような処理が必要となる。
また、図1で例示した放送受信装置1における各部は、例えばマイクロプロセッサ(又はDSP:Digital Signal Processor)、メモリ、バス、インターフェイス、周辺装置(チューナ部11a,19a、表示パネル14a、スピーカ14b、電源回路18等)などのハードウェアと、これらのハードウェア上にて実行可能なソフトウェアとにより実現できる。上記ハードウェアの一部はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路/IC(Integrated Circuit)チップセットとして搭載することができ、その場合、上記ソフトウェアは上記メモリに記憶しておければよい。また、本発明の各構成要素の全てをハードウェアで構成してもよく、その場合についても同様に、そのハードウェアの一部又は全部を集積回路/ICチップセットとして搭載することも可能である。
なお、上記した実施形態では、機能を実現するための各構成要素をそれぞれ異なる部位であるとして説明を行っているが、実際にこのように明確に分離して認識できる部位を有していなければならないわけではない。本発明の機能を実現する放送受信装置が、機能を実現するための各構成要素を、例えば実際にそれぞれ異なる部位を用いて構成していても構わないし、或いは、全ての構成要素を一つの集積回路/ICチップセットに実装していても構わず、どのような実装形態であれ、機能として各構成要素を有していればよい。
また、本発明に係る放送受信装置は、チューナ部11a,19a、表示パネル14a、スピーカ14b、電源回路18などを除き、単に、CPU(Central Processing Unit)、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、制御用のプログラムの格納領域としてのROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の記憶装置などで構成することもできる。その場合、上記制御用のプログラムは、本発明に係る処理を実行するための後述の緊急警報放送処理プログラムを含むことになる。この緊急警報放送処理プログラムは、PC内にアプリケーションソフトとして組み込み、PCを放送受信装置として機能させることもできる。また、この緊急警報放送処理プログラムは、PCから実行可能な状態でWebサーバ等の外部サーバに格納されていてもよい。
以上、本発明に係る放送受信装置を中心に説明したが、本発明は、この放送受信装置における処理の流れを例示したように、緊急警報放送処理方法としての形態も採り得る。この緊急警報放送処理方法は、メインコントローラ16で例示した制御部が上記(a)〜(d)の処理を実行する方法であり、その他の応用例については、放送受信装置について説明したとおりである。
また、本発明は、その緊急警報放送処理方法をコンピュータにより実行させるための緊急警報放送処理プログラムとしての形態も採り得る。つまり、この緊急警報放送処理プログラムは、コンピュータに、上記(a)〜(d)の処理である緊急警報放送処理を実行させるためのプログラムである。その他の応用例については、放送受信装置について説明したとおりである。
また、その緊急警報放送処理プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録したプログラム記録媒体としての形態についても容易に理解することができる。このコンピュータとしては、上述したように、汎用のPCに限らず、マイクロコンピュータやプログラム可能な汎用の集積回路/チップセットなど、様々な形態のコンピュータが適用できる。また、このプログラムは、可搬の記録媒体を介して流通させるに限らず、インターネット等のネットワークを介して、また放送波を介して流通させることもできる。ネットワークを介して受信するとは、外部サーバの記憶装置などに記録されたプログラムを受信することを指す。
以上説明したように、本発明に係る放送受信装置は、デジタル放送サービスのデジタル放送信号を受信する第1受信部と、該第1受信部で受信したデジタル放送信号から指定のサービスを分離すると共にサービスの情報を取得する分離部と、該分離部で指定したサービスのAV(Audio Visual)データを復号して出力するAVデータ出力部と、前記第1受信部と前記分離部及び該AVデータ出力部の制御を行う制御部と、前記第1受信部での受信対象となるデジタル放送サービスより低画質な、少なくとも1つの特定サービスのデジタル放送信号を受信する第2受信部と、を備えた放送受信装置であって、前記制御部は、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知された場合、(a)前記特定サービスと同一の物理チャンネルを、前記第1受信部にて選局させ、(b)該選局された物理チャンネルのデジタル放送信号の中から、そこに含まれる1サービスの情報を前記分離部にて取得し、(c)前記(b)で得られたサービスの情報に緊急情報記述子が見つかるまで、前記(a)及び前記(b)の処理を繰り返し、前記緊急情報記述子が見つかった時点で、前記緊急情報記述子が示すサービスのAVデータを前記分離部にて出力させ、(d)前記分離部で分離された緊急警報放送のAVデータを復号して出力するよう、前記AVデータ出力部を制御することを特徴としたものである。これにより、低解像度受信サービスで緊急警報放送を検知した際に、同一の物理チャンネル内に複数の高解像度受信サービスが含まれ且つそのうち緊急警報放送を実施していない高解像度受信サービスが存在する場合にも、緊急警報放送の高解像度受信サービスを確実に選局することが可能になる。
また、前記制御部は、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知された場合、前記特定サービスと同じ放送事業者が実施するサービスから、前記(a)の処理を開始することが好ましい。これにより、緊急警報放送を行っている高解像度受信サービスを検索する時間が短縮でき、視認性の高い緊急警報放送の映像・音声を出力するまでの時間が短縮できる。
また、前記放送受信装置は、前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源供給を制御する電源制御部を、さらに備え、該電源制御部は、前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源が供給されていなかった場合、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知されたときに、前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源供給を開始することが好ましい。これにより、待機状態では前記制御部等を停止して低消費電力で緊急警報放送を受信できるだけでなく、待機状態で緊急警報放送を検知した際にも、検知後に、高解像度受信サービスで提供している映像データ及び音声データの出力が可能となる。
さらに、前記第2受信部は、緊急警報放送の検知用として専用に設けられていることが好ましい。これにより、待機状態における消費電力を低減することができる。
1…放送受信装置、11…第1受信部、11a…チューナ部、11b…復調部、12…分離部、13…AVデータ復号部、14…AVデータ出力部、14a…表示パネル、14b…スピーカ、16…メインコントローラ、17…第1サブコントローラ、18…電源回路、19…第2受信部、19a…第2受信部のチューナ部、19b…第2受信部の復調部、19c…第2サブコントローラ、20…物理チャンネル、21,22,23…SD画質用のサービス、24…QVGA画質用のサービス、30…緊急情報記述子、50…BIT。

Claims (4)

  1. デジタル放送サービスのデジタル放送信号を受信する第1受信部と、該第1受信部で受信したデジタル放送信号から指定のサービスを分離すると共にサービスの情報を取得する分離部と、該分離部で指定したサービスのAV(Audio Visual)データを復号して出力するAVデータ出力部と、前記第1受信部と前記分離部及び該AVデータ出力部の制御を行う制御部と、前記第1受信部での受信対象となるデジタル放送サービスより低画質な、少なくとも1つの特定サービスのデジタル放送信号を受信する第2受信部と、を備えた放送受信装置であって、
    前記制御部は、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知された場合、
    (a)前記特定サービスと同一の物理チャンネルを、前記第1受信部にて選局させ、
    (b)該選局された物理チャンネルのデジタル放送信号の中から、そこに含まれる1サービスの情報を前記分離部にて取得し、
    (c)前記(b)で得られたサービスの情報に緊急情報記述子が見つかるまで、前記(a)及び前記(b)の処理を繰り返し、前記緊急情報記述子が見つかった時点で、前記緊急情報記述子が示すサービスのAVデータを前記分離部にて出力させ、
    (d)前記分離部で分離された緊急警報放送のAVデータを復号して出力するよう、前記AVデータ出力部を制御することを特徴とする放送受信装置。
  2. 前記制御部は、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知された場合、前記特定サービスと同じ放送事業者が実施するサービスから、前記(a)の処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
  3. 前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源供給を制御する電源制御部を、さらに備え、
    該電源制御部は、前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源が供給されていなかった場合、前記特定サービスで緊急警報放送がなされていることが前記第2受信部で検知されたときに、前記制御部、前記第1受信部、前記分離部、及び前記AVデータ出力部への電源供給を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の放送受信装置。
  4. 前記第2受信部は、緊急警報放送の検知用として専用に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放送受信装置。
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