JP2014165658A - Ad変換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】チップ面積の増大を抑制しつつオフセット起因の不要波成分を低減することができる、AD変換器を提供する。
【解決手段】所定の間隔で順次動作する複数のAD変換部2〜4を備えており、AD変換部2〜4は、アナログ信号をデジタル信号に変換して出力するADC23と、基準電圧のアナログ信号をADC23でデジタル変換して得られる信号の極性を固有極性値として記憶するメモリ26と、固有極性値と予め設定された極性である設定極性値とに基づいて、アナログ信号の極性を反転させるアナログ極性変換回路21と、固有極性値と設定極性値とに基づいて、デジタル信号の極性を反転させるデジタル極性変換回路24と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】所定の間隔で順次動作する複数のAD変換部2〜4を備えており、AD変換部2〜4は、アナログ信号をデジタル信号に変換して出力するADC23と、基準電圧のアナログ信号をADC23でデジタル変換して得られる信号の極性を固有極性値として記憶するメモリ26と、固有極性値と予め設定された極性である設定極性値とに基づいて、アナログ信号の極性を反転させるアナログ極性変換回路21と、固有極性値と設定極性値とに基づいて、デジタル信号の極性を反転させるデジタル極性変換回路24と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本実施形態は、AD変換器に関する。
近年、デジタル技術の発達は目覚ましく、これに伴いアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器の低電力化、高速化、そして高精度化が求められている。AD変換器を低電力かつ高速に動作させるための技術として、複数(M個)のAD変換ユニットを並列に配置し、これらのAD変換ユニットを時分割で順番にアナログ信号をデジタル信号に変換させる、タイムインターリーブ方式が着目されている。
このタイムインターリーブ方式のAD変換器では、サンプリング周波数fsのAD変換ユニットをM個順次動作させることで、等価的にfs×Mのサンプリング周波数を持つAD変換器を実現させることができるため、低電力のAD変換ユニットで高サンプリング周波数のAD変換器を構成することが可能である。
このタイムインターリーブ方式のAD変換器の場合、並列に配置された複数のAD変換ユニット間の特性のミスマッチが、不要波(スプリアス)や誤差を生成し、AD変換特性が劣化してしまう。中でも、個別のAD変換ユニットにおいて、素子特性(トランジスタの閾値電圧、抵抗、キャパシタンスなど)のランダムな誤差に起因するAD変換特性の劣化(特に、入力と出力との間で生じるずれ(以下、オフセットと示す)に起因する不要波成分の増加)は、AD変換器全体としての変化精度特性を著しく劣化させるため、改善する必要性が高い。
従来のAD変換器では、AD変換ユニットの素子サイズを大きくすることにより、このようなオフセット起因の不要波成分を低減させる方法が用いられていた。例えば、素子サイズを4倍にすることにより、オフセット起因の不要波成分を約半分(=1/√4)に低減させることが理論的には可能である。しかしながら、素子サイズを拡大すると、全体としてのチップ面積が増大してしまうという問題があった。
そこで、本実施形態は、以上の点に鑑みてなされたもので、チップ面積の増大を抑制しつつオフセット起因の不要波成分を低減することができる、AD変換器を提供することを目的とする。
本実施形態のAD変換器は、所定の間隔で順次動作する複数チャネルのAD変換部を備えたAD変換器であって、データ変換部と、メモリと、アナログ極性変換回路と、デジタル極性変換回路を有する。データ変換部は、アナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。メモリは、基準電圧のアナログ信号を前記データ変換部でデジタル変換して得られる信号の極性を固有極性値として記憶する。アナログ極性変換回路は、前記固有極性値と予め設定された極性である設定極性値とに基づいて、前記アナログ信号の極性を反転させる。デジタル極性変換回路は、前記固有極性値と前記設定極性値とに基づいて、前記デジタル信号の極性を反転させる。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係わるAD変換器1の構成の一例を説明するブロック図である。本実施形態のAD変換器1は、複数のAD変換部を入出力信号に対して並列に配置して構成されるタイムインターリーブ方式のAD変換器である。例えば、図1に示すように、実質的に同一の構造である4個(4チャネル)のAD変換部2、3、4、5から構成されている。なお、AD変換部2〜5には、位相がそれぞれ所定位相ずつ異なるサンプリングクロックが与えられる。それぞれのAD変換部2〜5は、上記サンプリングクロックに応じたタイミングにおけるアナログ入力信号の振幅値をデジタル化した信号を個別に出力する。
図1は、第1の実施形態に係わるAD変換器1の構成の一例を説明するブロック図である。本実施形態のAD変換器1は、複数のAD変換部を入出力信号に対して並列に配置して構成されるタイムインターリーブ方式のAD変換器である。例えば、図1に示すように、実質的に同一の構造である4個(4チャネル)のAD変換部2、3、4、5から構成されている。なお、AD変換部2〜5には、位相がそれぞれ所定位相ずつ異なるサンプリングクロックが与えられる。それぞれのAD変換部2〜5は、上記サンプリングクロックに応じたタイミングにおけるアナログ入力信号の振幅値をデジタル化した信号を個別に出力する。
このような構成により、サンプリングクロックの周波数より高速のサンプリング周波数で、入力信号をサンプリングすることができる。例えば、それぞれのAD変換部2〜5のサンプリング周波数がfs(すなわち、サンプリング周期が1/fs)の場合、それぞれのサンプリングクロックの位相を1/4・fsずつずらして与える。その結果、AD変換器1全体として入力信号をサンプリングする周波数を等価的に4・fsにすることができる。
なお、入力端子1aと、各AD変換部2〜5の入力端子2a、3a、4a、5aとは、サンプリングのタイミングに合わせて切り替えて接続するロータリースイッチとして構成してもよい。または、アナログ入力信号が各AD変換部2〜5の入力端子2a、3a、4a、5aに並列に入力されるように並列接続してもよい。同様に、出力端子1bと、各AD変換部2〜5の出力端子2b、3b、4b、5bとは、サンプリングのタイミングに合わせて切り替えて接続するロータリースイッチとして構成してもよいし、直接接続してもよい。(ただし、直接接続する場合には、いずれか一つの出力以外はハイインピーダンス状態に制御する。)
以下、図1に示すAD変換部2の詳細な構成について、図2を用いて説明する。なお、AD変換部3〜5は、図2を用いて説明するAD変換部2と同一の構成であるので、説明を省略する。図2は、第1の実施形態に係わるAD変換部2の構成の一例を説明するブロック図である。
以下、図1に示すAD変換部2の詳細な構成について、図2を用いて説明する。なお、AD変換部3〜5は、図2を用いて説明するAD変換部2と同一の構成であるので、説明を省略する。図2は、第1の実施形態に係わるAD変換部2の構成の一例を説明するブロック図である。
図2に示すように、差動入力信号を変換するAD変換部2は、アナログ極性変換回路21と、レベル設定回路22と、ADC(データ変換部)23と、デジタル極性変換回路24とを有する。アナログ極性変換回路21は、入力される差動アナログ信号の極性を変換して出力する機能を有する。レベル設定回路22は、基準電圧として0[V]の差動アナログ信号を生成して出力する。ADC23は、入力される差動アナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。デジタル極性変換回路24は、ADC23から出力されるデジタル信号の極性を変換して出力する機能を有する。なお、ADC23は差動アナログ入力信号をデジタル信号に変換する。従って、アナログ極性変換回路21、レベル設定回路22、ADC23の各部に入力される2本の信号線は、差動信号である。
また、AD変換部2は、さらに、極性判定回路25と、メモリ26と、制御回路27を有する。極性判定回路25は、基準電圧の差動アナログ信号を入力した場合にADC23から出力されるデジタル信号の極性を判定する。メモリ26は、極性判定回路25から出力される判定結果を格納する。制御回路27は、メモリ26に格納された判定結果などに従って、アナログ極性変換回路21及びデジタル極性変換回路24の動作を制御する。
アナログ極性変換回路21の具体的な構成の一例を図3に示す。図3は、アナログ極性変換回路21の一例を示す回路図である。図3に示すように、例えばアナログ極性変換回路21には、差動入力信号線i1、i2と、4つの入力端子21a、21b、21c、21dと、差動出力信号線o1、o2と、2つの出力端子21e、21fとが設けられている。差動入力信号線i1、i2は、それぞれ2つの入力端子に接続されている。具体的には、第1の入力信号線i1は入力端子21a、21cに接続されており、第2の入力信号線i2は入力端子21b、21dに接続されている。また、出力端子21eは第1の出力信号線o1に接続されており、出力端子21fは第2の出力信号線o2に接続されている。
入力端子21a、21b、及び出力端子21eは3路スイッチ211として構成されている。3路スイッチ211は、入力信号の極性を変換せずにそのまま出力する場合は、入力端子21aと出力端子21eとが接続されるようにスイッチが切り替えられる。また、入力信号の極性を逆の極性に変換して出力する場合は、入力端子21bと出力端子21eとが接続されるようにスイッチが切り替えられる。
また、入力端子21c、21d、及び出力端子21fも3路スイッチ212として構成されている。3路スイッチ212は、入力信号の極性を変換せずにそのまま出力する場合は、入力端子21dと出力端子21fとが接続されるようにスイッチが切り替えられる。また、入力信号の極性を逆の極性に変換して出力する場合は、入力端子21cと出力端子21fとが接続されるようにスイッチが切り替えられる。
すなわち、アナログ極性変換回路21への入力信号を、極性を変換せずにレベル設定回路22へ出力する場合、スイッチ211によって第1の入力信号線i1と第1の出力信号線o1とが接続され、スイッチ212によって第2の入力信号線i2と第2の出力信号線o2とが接続される。一方、アナログ極性変換回路21への入力信号を、極性を逆の極性に変換してレベル設定回路22へ出力する場合、スイッチ211によって第2の入力信号線i2と第1の出力信号線o1とが接続され、スイッチ212によって第1の入力信号線i1と第2の出力信号線o2とが接続される。
アナログ極性変換回路21に入力される差動アナログ信号の電圧レベルは、第1の入力信号線i1の電圧(=Vi1)から第2の入力信号線i2(=Vi2)の電圧を減じた値であり、アナログ極性変換回路21から出力されるアナログ信号の電圧レベルは、第1の出力信号線o1の電圧から第2の出力信号線o2の電圧を減じた値である。極性を変換しない場合、第1の出力信号線o1の電圧は第1の入力信号線i1の電圧(=Vi1)となり、第2の出力信号線o2の電圧は第2の入力信号線i2の電圧(=Vi2)となる。従って、入力されるアナログ信号の電圧レベルも、出力されるアナログ信号の電圧レベルも、共にVi1−Vi2である。一方、逆の極性に変換する場合、第1の出力信号線o1の電圧は第2の入力信号線i2の電圧(=Vi2)となり、第2の出力信号線o2の電圧は第1の入力信号線i1の電圧(=Vi1)となる。従って、入力されるアナログ信号の電圧レベルはVi1−Vi2であるが、出力されるアナログ信号の電圧レベルは−(Vi1−Vi2)となる。
なお、3路スイッチ211、212の切り替えは、制御回路27からの指示に従って行われる。
次に、レベル設定回路22の具体的な構成の一例を図4に示す。図4は、レベル設定回路22の一例を示す回路図である。レベル設定回路22は、入力される差動入力信号線l1、l2の両方に対し、予め設定された基準電圧Vcmを印加し、出力電圧が0になるように設定する回路である。例えば図4に示すように、予め電圧Vcmに設定された2本の信号線の基準電圧入力端子22a、22bを、それぞれ出力端子22c、22dを介して差動入力信号線l1、l2に接続可能にするスイッチ221、222を有している。具体的には、スイッチ221をONにすることで基準電圧入力端子22aと出力端子22cとが接続される。スイッチ222をONにすることで基準電圧入力端子22bと出力端子22dとが接続される。すなわち、スイッチ221、222を同時にONにすることで、差動入力信号線l1、l2の電圧が基準電圧Vcmになされる。レベル設定回路22からの出力電圧は、差動入力信号線の一方l1の電圧と差動入力信号線の他方l2の電圧との差分であるので、Vcm−Vcm=0となる。
デジタル極性変換回路24は、例えば、ADC23からの出力信号のビット数分のexclusive OR回路(以下、XOR回路と示す)から構成される。各XOR回路には、ADC23からの出力信号のうち所定ビットの信号と、制御回路27から出力される制御信号との、2つの信号が入力される。例えば、ADC23からの出力信号が8ビットである場合、デジタル極性変換回路24は8個のXOR回路で構成され、ビット列の各桁の値はそれぞれ別のXOR回路に入力される。
デジタル極性変換回路24に入力される信号の極性を変えずにそのまま出力する場合、全てのXOR回路に対し、制御回路27から値が“0”の1ビットの制御信号が入力される。この場合、ADC23から入力される値と制御信号である“0”との排他的論理和が各XOR回路から出力されるため、ADC23から入力される値がそのまま出力される。一方、デジタル極性変換回路24に入力される信号の極性を反転して出力する場合、全てのXOR回路に対し、制御回路27から値が“1”の1ビットの制御信号が入力される。この場合、ADC23から入力される値と制御信号である“1”との排他的論理和が各XOR回路から出力されるため、ADC23から入力される値が“0”の場合は“1”が出力され、ADC23から入力される値が“1”の場合は“0”が出力される。各XOR回路から出力される値は、元のビット列の桁位置に配置され、出力される。
極性判定回路25は、レベル設定回路22によってADC23に基準電圧のアナログ信号が入力された場合における、ADC23からのデジタル出力信号の極性を判定する回路である。すなわち、ADC23のオフセットの極性を判定する回路である。基準電圧として0[V]のアナログ信号が入力される場合、デジタル信号ではMSB(最上位ビット)がその極性を示す。具体的には、デジタル出力信号が2の補数表現されている場合において、MSBが“0”であれば当該デジタル信号の極性は正であり、MSBが“1”であれば当該デジタル信号の極性は負である。従って、極性判定回路25は、ADC23からのデジタル出力信号のMSBの値(0または1)を極性判定結果としてメモリ26に出力する。
なお、極性判定結果の精度を向上させるために、極性判定を複数回行って平均化したものを判定結果してもよい。この場合、例えば、平均化のために極性判定を行う回数の2倍の数までカウントすることが可能なアップダウンカウンタを設けることで、平均化を実現することができる。
デジタル出力信号が2の補数表現されている場合の平均化について、具体的に説明する。まず、最初の極性判定を行う前に、該アップダウンカウンタにリセット信号を印加して、中点に値をリセットしておく。そして、ADC23からのデジタル出力信号が極性判定回路25に入力される都度、当該出力信号のMSBの値をアップダウンカウンタに入力し、カウントアップ/ダウンを行う。すなわち、MSBの値として“0”が入力された場合はカウントアップし、“1”が入力された場合はカウントダウンする。平均化を行うための最後の極性判定が終了したら、その時点におけるアップダウンカウンタのMSBの値を、極性判定結果としてメモリ26に出力する。
メモリ26は、極性判定回路25から出力された極性判定結果を格納するものであるので、“0”または“1”の1ビットの値が保持できるメモリである。従って、例えば、1ビットのフリップフロップ(D−FFなど)で構成される。
制御回路27は、オフセットの極性が予め設定された極性になるように、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24とを制御する回路である。極性判定回路25での判定結果と上述の設定された極性とが反対極性である場合(極性判定回路25での判定結果が“1”、すなわちデジタル出力信号の極性が負であって、設定された極性が正である場合、又は、極性判定回路25での判定結果が“0” 、すなわちデジタル出力信号の極性が正であって、設定された極性が負である場合)、制御回路27はアナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24とに対し、極性変換を行う旨の制御信号を出力する。
次に、上述のように構成されたAD変換部2におけるAD変換の手順について、図5A及び図5Bのフローチャートを用いて説明する。図5A及び図5Bは、AD変換部2におけるAD変換の手順を説明するフローチャートであり、図5Aは、ADC23のオフセットの極性を判定する手順を示しており、図5Bは、通常のAD変換を行う手順を示している。なお、AD変換部3〜5におけるAD変換の手順は、AD変換部2と同様であるので説明を省略する。
まず、ADC23のオフセットの極性を判定する手順を、図5Aを用いて説明する。初期準備作業として、ADC23のオフセットの極性を判定し(ステップS1)、結果をメモリ26に格納する(ステップS2)。ステップS1では、レベル設定回路22のスイッチ221,223をオンさせて、ADC23への入力信号の電圧を0[V]にする。この状態で、ADC23からの出力信号の極性を、極性判定回路25で判定する。極性判定回路25で判定された出力信号の極性、すなわちADC23のオフセットの極性を、ステップS2においてメモリ26に格納する。
このようにして得られたオフセットの極性判定結果を用い、図5Bに示す手順に従い通常のAD変換作業を行う。本実施形態のAD変換器1は、AD変換部2〜5を構成するすべてのADCのオフセットの極性を、正または負のいずれか一方に統一することによって、オフセットの分布を低減し、スプリアスを低減させる。このため、AD変換部2〜5を構成するすべてのADCで統一するオフセットの極性を決定する。統一するオフセットの極性は、予め制御回路27などに設定しておいてもよいし、すべてのADCの極性判定を行ってからその結果を参照して設定してもよい。
すべてのADCのオフセットの極性を正に統一する場合(ステップS3、Yes)、メモリ26に格納されているADC23の極性判定結果を参照する。極性判定結果が“0”、すなわちADC23のデジタル出力信号の極性が正である場合(ステップS4、No)、ステップS8に進み、アナログ極性変換回路21において、入力されるアナログ信号の極性を反転させずにそのまま出力する。なお、AD変換時はレベル設定回路22のスイッチ221、222をオフとし、入力される差動アナログ信号をそのままのレベルでADC23に出力する。ADC23では入力される差動アナログ信号をデジタル変換してデジタル極性変換回路24へ出力する。デジタル極性変換回路24は、入力されるデジタル信号の極性を反転させずにそのまま出力する(ステップS9)。
一方、極性判定結果が“1”、すなわちADC23のデジタル出力信号の極性が負である場合(ステップS4、Yes)、ステップS5に進み、アナログ極性変換回路21において、入力される差動アナログ信号の極性を反転する。ADC23では入力される差動アナログ信号をデジタル変換してデジタル極性変換回路24へ出力する。デジタル極性変換回路24は、入力されるデジタル信号の極性を反転して出力する(ステップS6)。
また、すべてのADCのオフセットの極性を負に統一する場合(ステップS3、No)、メモリ26に格納されているADC23の極性判定結果を参照する。極性判定結果が“1” すなわちADC23のデジタル出力信号の極性が負である場合(ステップS7、Yes)、ステップS8に進み、アナログ極性変換回路21において、入力されるアナログ信号の極性を反転させずにそのまま出力する。デジタル極性変換回路24は、入力されるデジタル信号の極性を反転させずにそのまま出力する(ステップS9)。
一方、極性判定結果が“0”、すなわちADC23のデジタル出力信号の極性が正である場合(ステップS7、No)、ステップS5に進み、アナログ極性変換回路21において、入力される差動アナログ信号の極性を反転する。ADC23では入力される差動アナログ信号をデジタル変換してデジタル極性変換回路24へ出力する。デジタル極性変換回路24は、入力されるデジタル信号の極性を反転して出力する(ステップS6)。
このように、ADC23のオフセットの極性判定結果が、すべてのADCで統一するオフセットの極性と異なる場合(反対の場合)は、アナログ極性変換回路21、デジタル極性変換回路24共に、入力される信号の極性を反転させることで、入力される差動アナログ信号に対しては極性を変えることなく出力し、ADC23内部で発生するオフセットのみ極性を変換(反転)させることができる。すべてのADCでオフセットの極性を同じ方向に揃えることで、チャネル間オフセットの分布を低減させることができる。
オフセットの低減効果について、図6、図7を用いて説明する。図6は、オフセットの極性を統一する前後におけるチャネル間のオフセット分布の一例を示す図である。また、図7は、オフセット起因の成分に関する低減量の周波数特性の一例を示す図である。
図6には、4つのAD変換部2〜5をそれぞれチャネル1〜4とした場合の、各チャネルのADCのオフセットを電圧で示している。まず、オフセットの極性を統一しない場合について説明する。例えば、チャネル1とチャネル2のADCのオフセット電圧(V01、V02)は共に極性が正であり、また、チャネル3とチャネル4のADCのオフセット電圧(V03、V04)は共に極性が負であるとする。この場合、4つのチャネルのADCのオフセット電圧はV02からV04の範囲に分布していることになり、その幅はV0bとなる。これに対し、オフセットの極性を統一する場合、例えば正の極性に統一する場合、チャネル3とチャネル4のADCのオフセット電圧は、それぞれV03´(=−V03)、V04´(=−V04)となる。この場合、4つのチャネルのADCのオフセット電圧はV02からV03´の範囲に分布することになり、その幅はV0aとなる。
図6からも明らかなように、オフセットの極性を統一しない場合、4つのチャネルのADCのオフセットは0を中心として正負両側に分布するが、オフセットの極性を正負どちらかに一方向に統一することで、4つのチャネルのADCのオフセットは0から正(または負)の片側にのみ分布することになる。従って、平均的にはオフセット分布の幅は約半分に低減することになる。
すべてのチャネルのADCのオフセットの極性を正または負に統一することは、オフセットに起因する成分に対して以下の(1)式に示すフィルタH(Z)をかけることと等価である。
H(Z)=V01+V02・Z-1+V03´・Z-2+V04´・Z-3 …式(1)
各チャネルのADCのオフセットが全て等しい場合、すなわち、V01=V02=V03´=V04´の場合、フィルタH(Z)は移動平均フィルタと同じ振る舞いとなる。すなわちフィルタH(Z)は、図7の点線に示す特性50を有しており、fs/4をノッチとして、ADCのオフセット起因の不要波成分のうち、0以外の周波数の成分を低減する効果がある。
各チャネルのADCのオフセットが全て等しい場合、すなわち、V01=V02=V03´=V04´の場合、フィルタH(Z)は移動平均フィルタと同じ振る舞いとなる。すなわちフィルタH(Z)は、図7の点線に示す特性50を有しており、fs/4をノッチとして、ADCのオフセット起因の不要波成分のうち、0以外の周波数の成分を低減する効果がある。
タイムインターリーブ方式のAD変換器において、オフセット起因の不要波成分は、サンプリング周波数をチャネルの個数で除した値を整数倍した周波数にあらわれる。従って、AD変換器1では、オフセット起因の不要波成分はfs/4の整数倍の周波数にあらわれる。一方、信号を標本化する場合、ナイキスト周波数(=fs/2)が再生限界であるので、AD変換器1ではfs/2よりも小さい周波数成分が変換対象となる。以上より、AD変換器1においてオフセット起因の不要波成分があらわれる周波数は、0、fs/4、fs/2となる。
このように、すべてのチャネルのADCのオフセットの極性を統一した場合、オフセット起因の不要波成分があらわれる周波数fs/4、fs/2において、その成分が低減される。なお、チャネル間でADCのオフセットが異なる場合でも、ノッチの減衰量が異なるものの、図7に示す特性50と類似した特性が得られる。従って、オフセット起因の不要波成分の低減効果が得られる。
上述のように、本実施形態によれば、AD変換器1を構成するすべてのAD変換部2〜5のADCについて、事前にオフセットの極性を判定しておく。アナログ信号のデジタル変換を行う際には、すべてのAD変換部2〜5のADCのオフセットの極性を、予め設定された正または負のどちらか一方の極性に統一する。すなわち、統一された極性と異なる極性のオフセットを有するADCは、ADCに入力される差動アナログ信号の極性と、ADCから出力されるデジタル信号の極性の両方を変換(反転)されることにより、入出力信号の極性には影響を与えずにオフセットの極性のみを変換させる。これによって、比較的面積が小さい簡単な構成の回路を付加するだけで、AD変換器1を構成するADCのオフセットの分布範囲を約半分に縮小することができ、チップ面積の増大を抑制しつつオフセット起因の不要波成分を低減することができる。
なお、上述した一例では、メモリ26とデジタル極性変換回路24との間に制御回路27を配置しているが、ADC23と極性判定回路25との間、極性判定回路25とメモリ26との間に配置してもよい。すなわち、すべてのADCで統一する極性を識別し、極性判定回路25における判定結果を用いて、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24とにおける極性反転制御を行えるように制御回路27を配置し、必要な要素と配線すればよい。
また、アナログ極性変換回路21は、図2に示すような構成でなくてもよく、入力信号の極性を反転させることを選択できる機能を有する構成であればよい。同様に、レベル設定回路22の構成も、図3に示すような構成でなくてもよく、出力される2本の信号線のレベル差を0にする機能を有する構成であればよい。更に、デジタル極性変換回路24も、上述したようなビット数分のXOR回路で構成するのではなく、ADC23から出力されるデジタル信号の全ビットを反転させることを選択できる機能を有する構成であればよい。
(変形例)
第1の実施形態の変形例について説明する。本変形例では、アナログ入力信号と出力デジタル信号の極性を疑似ランダムに変換するチョッパ回路を追加し、オフセットに起因する不要波成分を拡散する点が、第1の実施形態と異なっている。本変形例におけるAD変換部2´は、アナログ極性変換回路21aとデジタル極性変換回路24a、疑似ランダム信号生成回路30以外の構成要素は第1の実施形態と構成要素が同じであるので、同じ符号を付して説明は省略する。
第1の実施形態の変形例について説明する。本変形例では、アナログ入力信号と出力デジタル信号の極性を疑似ランダムに変換するチョッパ回路を追加し、オフセットに起因する不要波成分を拡散する点が、第1の実施形態と異なっている。本変形例におけるAD変換部2´は、アナログ極性変換回路21aとデジタル極性変換回路24a、疑似ランダム信号生成回路30以外の構成要素は第1の実施形態と構成要素が同じであるので、同じ符号を付して説明は省略する。
図8に、第1の実施形態の変形例に係わるAD変換部2´の構成の一例を説明するブロック図を示す。本変形例におけるAD変換部2´は、図8に示すように、上述した第1の実施形態のAD変換部2の入力側にアナログ極性変換回路21aを追加し、出力側にデジタル極性変換回路24aを追加した構成を有している。また、疑似ランダム信号を生成して、アナログ極性変換回路21aとデジタル極性変換回路24aに入力する、チョッパ回路としての疑似ランダム信号生成回路30を設けている。
本変形例のAD変換器は、疑似ランダム信号生成回路30からアナログ極性変換回路21aとデジタル極性変換回路24aに対し、疑似ランダム信号を出力する。アナログ極性変換回路21aは、同信号に従って、入力される差動アナログ信号の極性を疑似ランダムに変換する。また、デジタル極性変換回路24aも、同じ信号に従って、入力されるデジタル信号の極性を疑似ランダムに変換して出力する。
このようにして入力されるアナログ信号の極性を疑似ランダムに散らすことで、オフセットに起因するトーンを拡散することができ、スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)を改善することができる。
なお、疑似ランダム信号生成回路30は、複数あるAD変換部のそれぞれについて、個別に設けるようにしてもよいし、全てのAD変換部で共通に用いるものを1つだけ設けるようにしてもよい。全てのAD変換部で1つの疑似ランダム信号生成回路30を共通に用い、同じ疑似ランダム信号を用いた場合、疑似ランダム信号によって分散されたオフセットの成分に対し、等価的に移動平均フィルタに類似したフィルタがかかるため、拡散されたオフセット起因の不要波成分を低減する効果がより得られる。
また、アナログ極性変換回路21aはアナログ極性変換回路21と共通化可能であり、デジタル極性変換回路24aはデジタル極性変換回路24と共通化可能である。すなわち、アナログ極性変換回路21aとデジタル極性変換回路24aを設けず、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24は、疑似ランダム信号生成回路30から出力される疑似ランダム信号と制御回路27から出力される極性変換の制御信号とに基づき、入力信号の極性変換を行う。
例えば、疑似ランダム信号生成回路30から制御回路27に対して疑似ランダム信号を出力する構成にする。そして、ADC23のオフセットの極性判定結果が、すべてのADCで統一するオフセットの極性と同じ場合でも、疑似ランダム信号によって極性変換が指示される場合は、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24とに対し、制御回路27から極性変換を行う旨の制御信号を出力する。またADC23のオフセットの極性判定結果がすべてのADCで統一するオフセットの極性と異なる場合(反対の場合)でも、疑似ランダム信号によって極性変換が指示される場合は、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24とに対し、制御回路27から極性変換の指示は行わない。
このように、上述した第1の実施形態のAD変換器1の構成要素に対して疑似ランダム信号生成回路30を付加するだけで、オフセット起因の不要波成分を更に低減することができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態のAD変換器1では、すべてのAD変換部2〜5のオフセットの極性が同じ方向に統一されるよう極性を制御していた。しかし、本実施形態においては、隣接するチャネル間でオフセットの極性が反対方向になるように制御する点が異なっている。本実施形態のAD変換器の構成は、図1〜図4を用いて説明した第1の実施形態のAD変換器と同様であるので、同じ図面を用いて説明し、同じ構成については説明を省略する。以下、第1の実施形態のAD変換器と異なっている点、すなわち、AD変換部2の制御回路27によるアナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24の制御方法について説明する。
上述した第1の実施形態のAD変換器1では、すべてのAD変換部2〜5のオフセットの極性が同じ方向に統一されるよう極性を制御していた。しかし、本実施形態においては、隣接するチャネル間でオフセットの極性が反対方向になるように制御する点が異なっている。本実施形態のAD変換器の構成は、図1〜図4を用いて説明した第1の実施形態のAD変換器と同様であるので、同じ図面を用いて説明し、同じ構成については説明を省略する。以下、第1の実施形態のAD変換器と異なっている点、すなわち、AD変換部2の制御回路27によるアナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24の制御方法について説明する。
まず、初期準備作業として、第1の実施形態同様に、AD変換器1を構成する全てのAD変換部2〜5についてADC23のオフセットの極性判定を行い、結果をメモリ26に格納する。次に、各AD変換部2〜5についてオフセットの極性を制御する方向を決定し、各AD変換部2〜5の制御回路27に設定する。
図1に示す4つのAD変換部2〜5をそれぞれチャネル1〜4とすると、奇数チャネルであるチャネル1(AD変換部2)、チャネル3(AD変換部4)は、オフセットの極性を同じ方向に統一する。また、偶数チャネルであるチャネル2(AD変換部3)、チャネル4(AD変換部5)も、オフセットの極性を同じ方向に統一する。このとき、偶数チャネルのオフセットの極性は、奇数チャネルのオフセットの極性と反対方向になるように設定する。例えば、奇数チャネルのオフセットの極性を正の方向に統一するように設定する場合、偶数チャネルのオフセットの極性は負の方向に統一するように設定する。
オフセットの極性判定結果と、オフセットの極性の設定とが異なる方向であるチャネルは、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24とに信号が入力されると、その極性を反転させて出力する。すなわち、アナログ極性変換回路21では、入力される差動アナログ信号の極性を反転させて出力し、デジタル極性変換回路24では、ADC23においてデジタル変換された信号の極性を反転させて出力する。オフセットの極性判定結果と、オフセットの極性の設定とが同じ方向であるチャネルは、アナログ極性変換回路21もデジタル極性変換回路24も共に極性を変えず、入力される信号の極性を変えずにそのまま出力する。
このように、隣接するチャネルのオフセットの極性が反対方向になるように制御することは、オフセットに起因する不要波成分に対し、第1の実施形態において説明した(1)式において、2項目と4項目の係数(V02、V04´)が負であるようなフィルタH(Z´)をかけることと等価となる。すなわち、フィルタH(Z´)は、移動平均フィルタの特性を周波数軸で反転させた特性(図7の実線に示す特性60)を有しているので、ADCのオフセット起因の不要波成分のうち、ナイキスト周波数(=fs/2)以外の周波数の成分を低減する効果がある。
タイムインターリーブ方式のAD変換器において、オフセット起因の不要波成分は、サンプリング周波数をチャネルの個数で除した値を整数倍した周波数にあらわれる。従って、AD変換器1では、オフセット成分はfs/4の整数倍の周波数にあらわれる。一方、信号を標本化する場合、ナイキスト周波数(=fs/2)が再生限界であるので、AD変換器1ではfs/2よりも小さい周波数成分が変換対象となる。以上より、AD変換器1においてオフセット成分があらわれる周波数は、0、fs/4、fs/2となる。すなわち、隣接するチャネルのオフセットの極性が反対方向になるように制御した場合、オフセット成分があらわれる周波数0、fs/4において、その成分が低減される。
このように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同一の構成のAD変換器1を用い、隣接するチャネルでオフセットの方向が逆方向になるように入力信号の極性を制御しているので、チップ面積の増大を抑制しつつナイキスト周波数以外の周波数成分のオフセット起因の不要波成分を低減することができる。
なお、第1の実施形態と同様に、制御回路27は、ADC23と極性判定回路25との間、極性判定回路25とメモリ26との間、メモリ26とデジタル極性変換回路24との間、のいずれに配置してもよい。すなわち、極性判定回路25における判定結果を用いて、オフセットの極性を設定された方向に制御すべく、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24とにおける極性反転制御を行えるように制御回路27を配置し、必要な要素と配線すればよい。
また、図2に示す構成のAD変換部2だけでなく、図8に示す第1の実施形態の変形例であるAD変換部2´に対しても、本実施形態によるオフセットの極性の制御方法を適用することができる。すなわち、疑似ランダム信号を発生させ、入力されるアナログ信号の極性を疑似ランダムに散らすことで、オフセットに起因するトーンを拡散することができ、スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)を改善することができる。
(第3の実施形態)
上述した第1及び第2の実施形態のAD変換器1では、初期準備作業として、極性判定回路25を用いてAD変換部2〜5のオフセットの極性を判定していた。しかし、本実施形態においては、事前にオフチップで上記極性判定を行い、判定結果を内部メモリなどに記憶させておく点が異なっている。本実施形態のAD変換器1の構成は図1を用いて説明した第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
上述した第1及び第2の実施形態のAD変換器1では、初期準備作業として、極性判定回路25を用いてAD変換部2〜5のオフセットの極性を判定していた。しかし、本実施形態においては、事前にオフチップで上記極性判定を行い、判定結果を内部メモリなどに記憶させておく点が異なっている。本実施形態のAD変換器1の構成は図1を用いて説明した第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図9は、第3の実施形態に係わるAD変換部2”の構成の一例を説明するブロック図である。すなわち、極性判定回路25のかわりにオフチップで極性判定を行う装置(例えばテスタ100など)を用いる点と、判定結果を記憶させるメモリとして不揮発性メモリ29を用いている点が、第1の実施形態と異なる。AD変換部のその他の構成要素は、図2を用いて説明した第1の実施形態のAD変換器と同様であるので、同じ符号を付して説明は省略する。
上述のように構成されたAD変換部におけるADC23の極性判定方法、及びAD変換時における極性制御方法について説明する。
本実施形態のAD変換器1では、例えば製造工程における出荷前テスト時において、オフチップでAD変換部2”の極性判定を行う。AD変換部2”とテスタ(検査装置)100とを接続し、レベル設定回路22のスイッチ221,222をオンさせてADC23への入力信号の電圧を基準電圧(例えば0[V])にする。この状態で、ADC23からの出力信号の極性をテスタ100で判定する。判定した各ADC23の極性を不揮発性メモリ29に記憶させる。なお、極性判定時には、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24共に極性を変えず、入力された信号の極性をそのままの状態で出力する。また、テスタ100による極性判定は、第1の実施形態と同様に、1回のみ行ってもよいし複数回行って平均をとってもよい。テスタ100による極性判定結果、すなわちADC23のオフセットの極性は、不揮発性メモリ29に記憶される。AD変換器1を構成する他のAD変換部おける極性判定方法は、AD変換部2”と同様であるので説明を省略する。
極性判定が終了すると、テスタ100とAD変換部2”との接続を切り離す。AD変換部2”を用いてAD変換を行う際には、制御回路27は、不揮発性メモリ29に記憶された極性判定結果と、予め設定されているADC23のオフセットの極性制御方向とに基づき、アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24との動作を制御する。なお、各AD変換部2〜5のオフセットの極性は、第1の実施形態と同様に、すべてのチャネルで同じ方向に揃えるように設定してもよいし、第2の実施形態と同様に、隣接するチャネル間で反対方向になるように設定してもよい。アナログ極性変換回路21とデジタル極性変換回路24との動作を制御する具体的な手順は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、本実施形態においては、テスタ100など他の装置で極性判定を行うことにより、AD変換器内部に極性判定回路を構成しなくてもよいため、オフセット起因の不要波成分の低減効果は保ちつつチップ面積を低減することができる。
なお、本実施形態のAD変換器にも、第1の実施形態の変形例と同様に、疑似ランダム信号生成回路30を設けてもよい。すなわち、疑似ランダム信号を発生させ、入力されるアナログ信号の極性を疑似ランダムに散らすことで、オフセットに起因するトーンを拡散することができ、スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)を改善することができる。
(第4の実施形態)
上述した第1〜第3の実施形態AD変換器1は、電圧値が既知の信号源として基準電圧(例えば0[V])の信号を入力した場合のオフセットの極性を判定し、チャネルごとに極性を制御することでオフセット起因の不要波成分の低減を実現していた。しかし、AD変換器では、オフセット起因の不要波成分の低減だけでなく、他の変換特性、とくに直線性についても特性を改善することが必要である。
上述した第1〜第3の実施形態AD変換器1は、電圧値が既知の信号源として基準電圧(例えば0[V])の信号を入力した場合のオフセットの極性を判定し、チャネルごとに極性を制御することでオフセット起因の不要波成分の低減を実現していた。しかし、AD変換器では、オフセット起因の不要波成分の低減だけでなく、他の変換特性、とくに直線性についても特性を改善することが必要である。
AD変換器において直線性をキャリブレーションする場合、特性が既知である信号源を入力し、出力される信号の値が理想とされる値に一致するように調整するのが一般的である。この場合、キャリブレーションの精度は信号源の特性(純度)に大きく依存する。しかしながら、オンチップでキャリブレーションを行う場合、特性が既知で十分な純度を持った信号源を構成することは極めて困難である。このため、オンチップではキャリブレーションによって直線性の改善を行うことは非常に難しいという問題があった。
そこで、従来のAD変換器では、AD変換ユニットの素子サイズを大きくすることにより、このような直線性の誤差を低減させる方法が用いられていた。例えば、素子サイズを4倍にすることにより、誤差を約半分(=1/√4)に低減させることが理論的には可能である。しかしながら、素子サイズを拡大すると、全体としてのチップ面積が増大してしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、チップ面積の増大を抑制しつつ、オフセット起因の不要波成分を低減し、かつ、直線性を改善することができる、AD変換器を提供することを目的とする。
図10は、第4の実施形態に係わるAD変換器の構成の一例を説明するブロック図である。図10に示すように、本実施形態のAD変換器は、複数のADCを入出力信号に対して並列に配置して構成されるタイムインターリーブ方式のAD変換器である。例えば、図10に示すように、実質的に同一の構造である4個(4チャネル)のADC42a、42b、42c、42dから構成されている。(以下、ADC42aをチャネル1、ADC42bをチャネル2、ADC42cをチャネル3、ADC42dをチャネル4とする。)
なお、ADC42a〜42dには、位相がそれぞれ所定位相ずつ異なるサンプリングクロックが与えられる。それぞれのADC42a〜42dは、上記サンプリングクロックに応じたタイミングにおける差動アナログ入力信号の振幅値をデジタル化した信号を個別に出力する。
なお、ADC42a〜42dには、位相がそれぞれ所定位相ずつ異なるサンプリングクロックが与えられる。それぞれのADC42a〜42dは、上記サンプリングクロックに応じたタイミングにおける差動アナログ入力信号の振幅値をデジタル化した信号を個別に出力する。
このような構成により、サンプリングクロックの周波数より高速のサンプリング周波数で、入力信号をサンプリングすることができる。例えば、それぞれのADC42a〜42dのサンプリング周波数がfs(すなわち、サンプリング周期が1/fs)の場合、それぞれのサンプリングクロックの位相を1/4・fsずつずらして与える。その結果、AD変換器1全体として入力信号をサンプリングする周波数を等価的に4・fsにすることができる。
また、図1に示すように、本実施形態のAD変換器は、ADC42a〜42dと、入力信号切替回路41と、補正制御部44と、加算器43a〜43dと、補正信号生成回路45と、出力端子46とを有する。入力信号切替回路41は、ADC42a〜42dに入力する信号を切り替えるスイッチ部である。補正制御部44は、ADC42a〜42dのそれぞれについて、直線性に関する補正の制御を行う。加算器43a〜43dは、補正制御部44から出力される補正値をそれぞれのADC42a〜42dに加算する。補正信号生成回路45は、補正値算出時においてADC42a〜42dに入力する補正信号を生成する。出力端子46は、補正処理が施されたデジタル信号を出力する。
入力信号切替回路41は、入力端子41a、41c、及び出力端子41bからなる3路スイッチとして構成されている。差動アナログ入力信号を各ADC42a〜42dに入力する場合は、入力端子41aと出力端子41bとが接続されるようにスイッチが切り替えられる。また、後述する補正信号生成回路45から出力される補正信号を各ADC42a〜42dに入力する場合は、入力端子41cと出力端子41bとが接続されるようにスイッチが切り替えられる。入力信号切替回路41のスイッチ制御は、補正制御部44によって行われる。
入力信号切替回路41の出力端子41bと各ADC42a〜42dの入力端子421a、421b、421c、421dとは、差動アナログ入力信号が各ADC42a〜42dの入力端子421a、421b、421c、421dに並列に入力されるように並列接続されている。
入力端子41cと出力端子41bとが接続されており、補正信号が入力される補正値算出時において、各ADC42a〜42dが同時に信号をサンプリングするようなクロックが供給される。一方、入力端子41aと出力端子41bとが接続されており、差動アナログ入力信号が入力される通常のAD変換動作時は、上述のように、サンプリングの位相を1/4・fsずつずらしたクロックが、各ADC42a〜42dに供給される。
なお、通常のAD変換動作時は、出力端子41bと各ADC42a〜42dの入力端子421a〜421dとは、サンプリングのタイミングに合わせて切り替えて接続するロータリースイッチとして構成してもよい。同様に、出力端子46と、加算器43a〜43dの出力端子431a、431b、431c、431dとは、サンプリングのタイミングに合わせて切り替えて接続するロータリースイッチとして構成してもよいし、直接接続してもよい。(ただし、直接接続する場合には、いずれか一つの出力以外はハイインピーダンス状態に制御する。)
加算器43a〜43dでは、差動アナログ入力信号が入力される通常のAD変換動作時において、各ADC42a〜42dから出力されるデジタル変換された信号に対し、後述する補正制御部44から出力される補正値が加算される。
加算器43a〜43dでは、差動アナログ入力信号が入力される通常のAD変換動作時において、各ADC42a〜42dから出力されるデジタル変換された信号に対し、後述する補正制御部44から出力される補正値が加算される。
補正制御部44では、ADC42a〜42dの直線性の補正に用いる補正値の算出が行われる。また、通常のAD変換動作時は、ADC42a〜42dから出力されるデジタル信号に対する補正処理の制御を行う。補正制御部44は、平均値演算回路441と、メモリ442と、制御回路443とから構成されている。平均値演算回路441は、補正値算出時において、各ADC42a〜42dから出力されるデジタル信号を取り込んで、4チャネルの平均値を算出する。また、算出された全チャネルの平均値と個々のADC42a〜42dの出力値との差分を算出する。更に、ADC42a〜42dからの出力値と、全チャネルの平均値との差分とを用いて、補正値を算出する。補正値の算出方法については、後に詳述する。
メモリ442は、DRAM、Flashメモリ、フリップフロップなどで構成されており、平均値演算回路441で算出された補正値を格納する。制御回路443は、入力信号切替回路41を制御して、補正値算出モードと(通常の)AD変換モードとの切り替えを行う。また、制御回路443は補正値算出時において、補正信号生成回路45に対して補正信号生成の指示を行ったり、平均値演算回路441への信号の入出力を制御したりする。更に、制御回路443は、通常のAD変換動作時において、ADC42a〜42dとメモリ442と加算器43a〜43dとの間の信号の入出力の制御を行う。
補正信号生成回路45は、補正対象とするデジタル出力信号が得られる範囲のアナログ信号を生成する回路であり、例えば図11に示すような回路で構成される。図11は、補正信号生成回路45の一例を説明する回路図である。
図11に示すように、補正信号生成回路45は、電源電圧VDDと基準電圧VSSとの間に、定電流源451とコンデンサ452とを直列に接続し、定電流源451とコンデンサ452との間から出力信号を得る。このような構成にすることで、経時的に電圧が増加(または減少)する信号を生成し、出力することができる。なお、容量452と並列にリセットスイッチ453が設けられており、リセットスイッチ453をオンからオフに切り替えられた時点から補正信号の生成が開始される。このリセットスイッチ453の切り替え制御は、補正制御部44の制御回路443によって行われる。
なお、補正信号生成回路45は、図11に示す構成に限定されるものでなく、補正対象とするデジタル出力信号が得られる範囲のアナログ信号を生成する回路であって、経時的に電圧が増加(または減少)する信号を生成可能な回路であればよい。例えば、DAコンバータで構成したり、任意の構成の発振器で構成したりしてもよい。
上述のように構成されたAD変換器の動作について説明する。本実施形態のAD変換器は、通常のAD変換動作に先立ち、各ADCからの出力信号に対する補正値を算出する。以下、補正値を算出する動作(補正値算出モード)について説明し、次に通常のAD変換動作(AD変換モード)について説明する。
まず、補正値算出モードにおけるAD変換器の動作について説明する。最初に、補正制御部44の制御回路443から入力信号切替回路41と補正信号生成回路45とに制御信号が出力される。入力信号切替回路41では、入力端子41cと出力端子41bとが接続されて、補正信号生成回路45から出力される制御信号がADC42a〜42dに供給されるようにスイッチが切り替えられる。補正信号生成回路45では、例えば図11に示すリセットスイッチ453がオンからオフに切り替えられて、補正信号の生成・出力が開始される。
また、補正制御部44の制御回路443は、ADC42a〜42dに対し、同時に信号をサンプリングするようなクロック(すなわち、サンプリングの周波数及び位相が等しいクロック)を供給する。ADC42a〜42dは、入力された補正信号をクロックに従いデジタル変換し、出力する。補正制御部44は、ADC42a〜42dから出力されたデジタル信号を取り込み、平均値算出回路441において全チャネルの平均値を算出する。
具体的には、補正制御部44にデジタル信号が取り込まれるごとに、各ADC42a〜42dから出力されるデジタル信号の電圧の総和を、AD変換器を構成するADCの数(この場合は4)で除することにより、全チャネルの平均値を算出する。また、チャネルごとに、デジタル出力信号の値と、全チャネルの平均値との差分を算出する。
全チャネルの平均値算出、及び各チャネルにおける平均値との差分算出の演算は、補正制御部44にデジタル信号が取り込まれるごとに行われる。そして、補正対象となるデジタル出力信号のすべての範囲に関してサンプリング及び演算が終了すると、続いて補正値の算出が行われる。補正値は、チャネルごと、及びデジタル出力信号の値ごとに1つ算出される。補正値の算出方法を、図12を用いて説明する。
図12は、入力される補正信号と出力されるデジタル出力信号の関係の一例を示すグラフである。図12において、点線で示す特性70は、全チャネルの平均値をあらわしており、実線で示す特性80は、個別の1チャネルのデジタル出力信号の値を示している。図12に示すように、全チャネルの平均値も、個別の1チャネルの出力値も、補正信号の値が増加するに従い階段状に増加している。しかしながら、全チャネルの平均値と、個別の1チャネルの出力値では、そのレベルや段差位置が異なる。
個別の1チャネルにおいて、変換結果が等しい(デジタル出力信号の値が等しい)入力信号の領域に着目した場合、図12に示す一例では、補正信号の値がA2以下の領域では出力信号の値が6、補正信号の値がA2〜A3の領域では出力信号の値が7、補正信号の値がA3〜A5の領域では出力信号の値が8、補正信号の値がA5〜A7の領域、補正信号の値がA7以上の領域では出力信号の値が9、となっている。このように、変換結果が等しい領域における出力値と平均値との差分を、当該チャネルの当該出力値に関する補正値とする。
例えば、補正信号の値がA2〜A3の領域(出力信号がの値7である領域)は、デジタル出力信号の値が7、全チャネルの平均値が8であるので、差分は−1となる。従って、このチャネルの出力信号の値が7である領域に関する補正値は−1と算出される。
しかし、全チャネルの平均値の特性70と個別の1チャネルの出力値の特性80とでは、段差位置が異なるため、個別の1チャネルにおいて変換結果が等しい入力信号の領域において、平均値と1チャネルの出力値との差分が単一の値になるとは限らない。例えば、図12において、補正信号の値がA2以下の領域(出力信号の値が6である領域)には、個別の1チャネルの出力値と全チャネルの平均値との差分が−1である領域と−2である領域とが存在する。また、補正信号の値がA3〜A5の領域(出力信号の値が8である領域)や、補正信号の値がA5〜A7の領域(出力信号の値が9である領域)にも、個別の1チャネルの出力値と全チャネルの平均値との差分が−1である領域と−2である領域とが存在する。この場合の補正値は、例えば以下のように算出される。
一つ目の方法は、個別の1チャネルにおける(補正前の)デジタル出力信号の値が等しい範囲について、当該デジタル信号の出力値と全チャネルの平均値との差分の平均値を算出し、補正値とする方法である。また、二つ目の方法は、個別の1チャネルにおける(補正前の)デジタル出力信号の値が等しい範囲について、当該デジタル信号の出力値と全チャネルの平均値との差分の頻度最大の値を補正値とする方法である。
二つ目の方法による補正値の算出方法の具体的な一例を、図12を用いて説明する。図12において補正信号の値がA3〜A5の領域(出力信号の値が8である領域)では、1チャネルの出力値と全チャネルの平均値との差分が−1である領域と−2である領域とが存在する。このうち、補正信号の値がA3〜A4の領域は差分が−1であり、補正信号の値がA4〜A5の領域は差分が−2である。補正信号の値がA3〜A4の領域のほうが補正信号の値がA4〜A5の領域よりも広いため、当該領域(出力信号の値が8である領域)の補正値は−1と算出される。
平均値演算回路441で算出された補正値は、チャネル及びデジタル出力電圧の値と1対1に関連付けられてメモリ442に格納される。以上で補正値算出モードを終了する。なお、補正値の方法は上述の2つの方法に限定されるものでなく、AD変換器の特性や用途、設計などに応じて最適な算出方法を用いることができる。
次に通常のAD変換動作(AD変換モード)について説明する。まず、補正制御部44の制御回路443から入力信号切替回路41と補正信号生成回路45とに制御信号が出力される。入力信号切替回路41では、入力信号切替回路41の入力端子41aと出力端子41bとが接続されて、差動アナログ入力信号がADC42a〜42dに供給されるようにスイッチが切り替えられる。補正信号生成回路45では、例えば図11に示すリセットスイッチ453がオフからオンに切り替えられて、補正信号の生成が停止始される。
また、補正制御部44の制御回路443は、ADC42a〜42dに対し、周波数が等しく、位相を1/4・fsずつずらしたサンプリングのクロックを供給する。ADC42a〜42dは、入力された差動アナログ入力信号をクロックに従いデジタル変換し、出力する。補正制御部44は、ADC42a〜42dからのデジタル出力信号を取り込み、チャネルごとに補正値をメモリ442から読み出して加算器43a〜43dに出力する。すなわち、メモリ442に格納されている補正値のうち、チャネルとデジタル出力電圧の値をキーとして、関連づけられている補正値を読み出す。
読み出された4つの補正値は、対応するチャネルのデジタル出力信号が入力される加算器に出力される。すなわち、チャネル1の補正値は加算器43aに出力される。同様に、チャネル2、3、4の補正値は、加算器43b、43c、43dにそれぞれ出力される。加算器43a〜43dでは、ADC42a〜42dから入力されたデジタル出力信号に、補正制御部44から入力された補正値を加算し、出力する。
上述のように、本実施形態によれば、AD変換器を構成する複数のADCのデジタル出力信号の平均値と、個別のADCのデジタル出力信号の差分とを用いて直線性に関する補正値を算出し、キャリブレーションを行う。従って、キャリブレーションのために特性が既知で十分な純度をもった信号源を用いる必要がないため、簡便に直線性を改善することができる。また、チップ面積を数倍にすることなく、比較的面積が小さい簡単な構成の回路を付加するだけで直線性の改善のための機能を付加することができるため、チップ面積の増大を抑制しつつ、オフセット起因の不要波成分を低減し、かつ、直線性を改善することができる。
なお、上述した一例では、例えば、補正信号生成回路25や平均値演算回路441などの補正値算出モードのみに用いる部位もAD変換器に組み込んでいるが、テスタなどオフチップの別の装置に分離してもよい。この場合、チップ面積の更なる低減を図ることができる。
本明細書における各「部」は、実施の形態の各機能に対応する概念的なもので、必ずしも特定のハードウェアやソフトウエア・ルーチンに1対1には対応しない。従って、本明細書では、実施の形態の各機能を有する仮想的回路ブロック(部)を想定して実施の形態を説明した。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
21…アナログ極性変換回路、22…レベル設定回路、23…ADC、24…デジタル極性変換回路、25…極性判定回路、26…メモリ、27…制御回路、
Claims (7)
- 所定の間隔で順次動作する複数チャネルのAD変換部を備えたAD変換器であって、
前記AD変換部は、
アナログ信号をデジタル信号に変換して出力するデータ変換部と、
基準電圧のアナログ信号を前記データ変換部でデジタル変換して得られる信号の極性を固有極性値として判定する極性判定回路と、
前記固有極性値を記憶するメモリと、
前記固有極性値と、予め設定された設定極性値が異なる場合、前記アナログ信号の極性を反転させ、前記データ変換部に出力するアナログ極性変換回路と、
前記データ変換部の出力信号を入力し、前記アナログ極性変換回路と連動して動作し、前記固有極性値と前記設定極性値が異なる場合、前記デジタル信号の極性を反転させるデジタル極性変換回路と、
を有することを特徴とする、AD変換器。 - 所定の間隔で順次動作する複数チャネルのAD変換部を備えたAD変換器であって、
前記AD変換部は、
アナログ信号をデジタル信号に変換して出力するデータ変換部と、
基準電圧のアナログ信号を前記データ変換部でデジタル変換して得られる信号の極性を固有極性値として記憶するメモリと、
前記固有極性値と予め設定された極性である設定極性値とに基づいて、前記アナログ信号の極性を反転させる機能を有するアナログ極性変換回路と、
前記固有極性値と前記設定極性値とに基づいて、前記デジタル信号の極性を反転させる機能を有するデジタル極性変換回路と、
を有することを特徴とする、AD変換器。 - 前記アナログ極性変換回路と前記デジタル極性変換回路とは、連動して動作することを特徴とする、請求項2に記載のAD変換器。
- 前記AD変換部は、前記固有極性値を判定する極性判定回路を更に有することを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載のAD変換器。
- 前記複数チャネルのAD変換部における前記設定極性値が、全て同一の極性であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4に記載のAD変換器。
- 前記複数チャネルのAD変換部において、隣接する前記AD変換部の前記設定極性値が互いに異なる極性であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4に記載のAD変換器。
- 前記アナログ極性変換回路に入力されるアナログ信号及び前記デジタル極性変換回路から出力されるデジタル信号に対し、同一の疑似ランダム信号によって極性を変換させることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載のAD変換器。
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