本発明を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、タッチスクリーンを備える通信装置の例として、スマートフォンについて説明する。
(実施形態)
図1から図3を参照しながら、実施形態に係るスマートフォン1の全体的な構成について説明する。図1から図3に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、スピーカ11と、カメラ13とをバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、コネクタ14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bはそれぞれ略長方形状であるが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの形状はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、それぞれが正方形又は円形等のどのような形状もとりうる。図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは重ねて配置されているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの配置はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、並べて配置されてもよいし、離して配置されてもよい。図1の例では、ディスプレイ2Aの長辺はタッチスクリーン2Bの長辺に沿っており、ディスプレイ2Aの短辺はタッチスクリーン2Bの短辺に沿っているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの重ね方はこれに限定されない。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重ねて配置される場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺がタッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触した位置を検出することができる。以下の説明では、タッチスクリーン2Bに対して接触する指、ペン、又はスタイラスペン等を、「接触オブジェクト」又は「接触物」と呼ぶことがある。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、利用者はスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャは、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトを含むがこれらに限定されない。
「タッチ」は、タッチスクリーン2Bに指が触れるジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに指が接触するジェスチャをタッチとして判別する。「ロングタッチ」は、タッチスクリーン2Bに指が一定時間より長く触れるジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに指が一定時間より長く接触するジェスチャをロングタッチとして判別する。
「リリース」は、指がタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャをリリースとして判別する。「スワイプ」は、指がタッチスクリーン2Bに接触したままで移動するジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーン2Bに接触したままで移動するジェスチャをスワイプとして判別する。
「タップ」は、タッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャをタップとして判別する。「ダブルタップ」は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャをダブルタップとして判別する。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bを介して判別するこれらのジェスチャに従って動作を行う。このため、利用者にとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャに従ってスマートフォン1が行う動作は、ディスプレイ2Aに表示されている画面に応じて異なることがある。以下の説明では、説明を簡単にするために、「タッチスクリーン2Bが接触を検出し、検出された接触に基づいてジェスチャの種別をスマートフォン1がXと判別すること」を、「スマートフォンがXを検出する」、又は「コントローラがXを検出する」と記載することがある。
図4は、スマートフォン1のブロック図である。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12及び13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17とを有する。
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示する。タッチスクリーン2Bは、接触を検出する。コントローラ10は、スマートフォン1に対するジェスチャを検出する。具体的には、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bと協働することによって、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対する操作(ジェスチャ)を検出する。
ボタン3は、利用者によって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタン3に対する操作を検出する。ボタン3に対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、トリプルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュを含むが、これらに限定されない。
ボタン3A〜3Cは、例えば、ホームボタン、バックボタンまたはメニューボタンである。ボタン3Dは、例えば、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。ボタン3E及び3Fは、例えば、音量ボタンである。
照度センサ4は、スマートフォン1の周囲光の照度を検出する。照度は、光の強さ、明るさ、又は輝度を示す。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化または超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、一つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。無線通信規格として、例えば、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。セルラーフォンの通信規格として、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。無線通信規格として、さらに、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
レシーバ7及びスピーカ11は、音出力部である。レシーバ7及びスピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の声を出力するために用いられる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。マイク8は、音入力部である。マイク8は、利用者の音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面を表示させ、タッチスクリーン2Bを介して検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、メールアプリケーション9B、及び設定データ9Zを記憶する。メールアプリケーション9Bは、電子メールの作成、送信、受信、及び表示等のための電子メール機能を提供する。アドレス帳データ9Xは、通信相手に関する各種の情報を含む。設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能は、メールアプリケーション9B等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、及びジャイロスコープ17を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行する。
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影するアウトカメラである。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、地磁気の向きを検出する。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度を検出する。加速度センサ15、方位センサ16及びジャイロスコープ17の検出結果は、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
図4に示したスマートフォン1の構成は例であり、本発明の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。例えば、ボタン3の数と種類は図4の例に限定されない。スマートフォン1は、画面に関する操作のためのボタンとして、ボタン3A〜3Cに代えて、テンキー配列又はQWERTY配列等のボタンを備えていてもよい。スマートフォン1は、画面に関する操作のために、ボタンを1つだけ備えてもよいし、ボタンを備えなくてもよい。図4に示した例では、スマートフォン1が2つのカメラを備えるが、スマートフォン1は、1つのカメラのみを備えてもよいし、カメラを備えなくてもよい。図4に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えるが、スマートフォン1は、このうちいくつかのセンサを備えなくてもよい。あるいは、スマートフォン1は、位置及び姿勢の少なくとも1つを検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。
スマートフォン1は、メールアプリケーション9Bを実行することにより、電子メール機能を実現する。スマートフォン1は、通信ユニット6を介して電子メールを受信し、受信した電子メール(以下、受信メールとも言う)を、ストレージ9の受信フォルダに保持する。スマートフォン1は、受信フォルダの受信メールの表示が指示されると、指示された受信メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する。さらに、スマートフォン1は、通信ユニット6を介して電子メールを送信し、送信した電子メールをストレージ9の送信フォルダに保持する。
次に、図5を参照しながら、アドレス帳データ9Xについて説明する。図5は、アドレス帳データ9Xの例を示す図である。図5に示すように、アドレス帳データ9Xには、通信相手毎に登録情報が記憶される。登録情報は、スマートフォン1を所有する利用者によって登録された情報である。登録情報は、名前と、メールアドレスといった項目を含む。名前は、通信相手の名前を示す。メールアドレスは、通信相手のメールアドレスを示す。
図5に示す例では、アドレス帳データ9Xは、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、「太田四郎」、及び「山田太郎」に対応する登録情報を含む。図5に示す例では、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、「太田四郎」、「山田太郎」のメールアドレスとして、それぞれ、「aaa@aaa.aaa」、「bbb@bbb.bbb」、「ccc@ccc.ccc」、「yyy@yyy.yyy」が設定されている。
登録情報は、図5に示す例に限定されない。例えば、登録情報は、電話番号、住所、位置情報等の他の項目を含んでもよい。
図6を参照しながら、スマートフォン1による受信メールの返信制御の例について説明する。図6は、スマートフォンによる返信制御の例を示す図である。スマートフォン1は、図5に示すアドレス帳データ9Xに基づいて、受信メールの返信を制御する。
スマートフォン1は、ステップS11では、ストレージ9の受信フォルダに保持されている受信メールのうち、利用者によって表示が指示された受信メールのメール画面70をタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示している。
メール画面70は、表示領域71と、ボタン72及び73とを含む。表示領域71は、受信メールのヘッダ及びメッセージ本体の情報を表示する領域である。ボタン72は、返信を利用者に選択させるためのボタンである。ボタン73は、全員に返信を利用者に選択させるためのボタンである。返信とは、受信メールの差出人のメールアドレスに受信メールを返信することである。全員に返信とは、受信メールの差出人及び宛先のメールアドレスに受信メールを返信することである。
図6に示す例では、メール画面70の表示領域71は、受信メールが含む標題、差出人、宛先、メッセージ本体の情報を示している。具体的には、標題の領域は、「確認のお願い」を示している。差出人の領域は、「山田太郎<yyy@yyy.yyy>」を示している。宛先の領域は、「aaa@aaa.aaa」、「bbb@bbb.bbb」、「ccc@ccc.ccc」、「xxx@xxx.xxx」、「zzz@zzz.zzz」を示している。メッセージ本体の領域は、「お疲れ様です。・・・」を示している。
ステップS11では、利用者が「全員に返信」のボタン73をタップしている。スマートフォン1は、ボタン73に対するタップを検出すると、受信メールから差出人及び宛先のメールアドレスを取得する。スマートフォン1は、取得したメールアドレスを、図5に示すアドレス帳データ9Xと照合する。
アドレス帳データ9Xには、利用者と親しい通信相手、又は利用者が過去に通信を行ったことがある通信相手のメールルアドレスが登録されている。このため、返信先のメールアドレスがアドレス帳データ9Xに存在する場合、スマートフォン1は、利用者が知っている通信相手のメールアドレスと判定する。そして、返信先のメールアドレスがアドレス帳データ9Xに存在しない場合、スマートフォン1は、利用者が知らない通信相手のメールアドレスと判定する。
スマートフォン1は、取得したメールアドレスと一致するメールアドレスがアドレス帳データ9Xに存在する場合、返信先のメールアドレスがアドレス帳データ9Xに登録されていると判定する。この場合、スマートフォン1は、返信先のメールアドレスと一致するメールアドレスを含む登録情報から名前の項目の情報を取得する。
図6に示す例では、「yyy@yyy.yyy」、「aaa@aaa.aaa」、「bbb@bbb.bbb」、「ccc@ccc.ccc」のメールアドレスは、図5に示すアドレス帳データ9Xに含まれている。このため、スマートフォン1は、「yyy@yyy.yyy」、「aaa@aaa.aaa」、「bbb@bbb.bbb」、「ccc@ccc.ccc」のメールアドレスに対応した名前の項目の情報として、「山田太郎」、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、「太田四郎」を取得する。
図6に示す例では、「xxx@xxx.xxx」及び「zzz@zzz.zzz」のメールアドレスは、図5に示すアドレス帳データ9Xに一致するメールアドレスが存在しない。しかしながら、「xxx@xxx.xxx」のメールアドレスは、設定データ9Zに「鈴木一郎(本人)」のメールアドレスとして登録されている。このため、スマートフォン1は、「zzz@zzz.zzz」のメールアドレスのみが、アドレス帳データ9Xに未登録であると判定する。
スマートフォン1は、返信先のメールアドレスの照合が終了すると、照合結果に基づいて選択画面80を作成する。ステップS12では、スマートフォン1は、作成した選択画面80をタッチスクリーンディスプレイ2に表示している。選択画面80は、返信先を利用者に選択させるための画面である。選択画面80は、未登録のメールアドレスに返信するか否かを利用者に指示させるための情報を含む。ステップS12では、選択画面80は、メール画面70に重畳表示されている。この場合、スマートフォン1は、選択画面80に対するジェスチャのみを検出し、メール画面70に対するジェスチャは検出しない。
選択画面80は、返信先の項目と、当該返信先の項目に対応したチェックボックスと、確定ボタンと、キャンセルボタンとを含む。返信先の項目には、メールアドレスの照合結果に基づいて、返信先の相手の名前を示す情報又は未登録を示す情報(未登録者)が設定される。具体的には、返信先のメールアドレスがアドレス帳データ9Xに登録されている場合、返信先の項目には、返信先の名前の情報が設定される。さらに、返信先のメールアドレスがアドレス帳データ9Xに登録されていない場合、返信先の項目には、未登録者が設定される。返信先の項目の数は、差出人及び宛先の数と一致している。チェックボックスは、対応する項目の返信先への返信を有効とする場合にチェックされる。確定ボタンは、返信先を確定する場合に選択される。キャンセルボタンは、返信先の選択をキャンセルする場合に選択される。
図6に示す例では、選択画面80は、6つの返信先の項目及びチェックボックスを含んでいる。返信先の項目は、「山田太郎」、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、「太田四郎」、「鈴木一郎(本人)」、及び「未登録者」を示す項目を含む。そして、チェックボックスは、「山田太郎」、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、「太田四郎」に対応したチェックボックスがチェックされ、それ以外のチェックボックスはチェックされていない。すなわち、選択画面80は、「山田太郎」、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、「太田四郎」の返信先が有効となっており、「鈴木一郎(本人)」及び「未登録者」の返信先が無効となっている。
このように、スマートフォン1は、受信メールを返信する場合に、受信メールに含まれているメールアドレスがアドレス帳データ9Xに未登録であることを表示する。これにより、スマートフォン1は、受信メールを返信する場合に、未登録を示す情報を表示することで、アドレス帳データ9Xに含まれていないメールアドレスが返信先に含まれていることを、利用者に気付かせることができる。特に、スマートフォン1は、スマートフォン1の操作に不慣れな人がアドレス帳データ9Xに未登録のメールアドレスに意図せず返信してしまうというおそれを低減することができる。
さらに、スマートフォン1は、受信メールの登録されていないメールアドレスを返信先として表示しない。これにより、送信者は、宛先(To)、カーボンコピー(Cc)、ブラインドカーボンコピー(Bcc)の送り先を使い分けることなく、送りたい複数のメールアドレスを宛先に設定するだけでよくなる。
ステップS12では、利用者が選択画面80の確定ボタンをタップしている。スマートフォン1は、確定ボタンに対するタップを検出すると、選択画面80で選択された返信先の情報を取得する。図6に示す例では、スマートフォン1は、選択画面80のチェックボックスが有効となっている「山田太郎」、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、及び「太田四郎」の名前の情報及びメールアドレスを取得する。そして、スマートフォン1は、取得した情報と受信メールとに基づいて、返信する電子メール(以下、返信メールとも言う)の作成画面90を作成する。
ステップS13では、スマートフォン1は、作成した作成画面90をタッチスクリーンディスプレイ2に表示している。作成画面90は、表示領域91と、ボタン92及び93とを含む。表示領域91は、返信メールのヘッダ及びメッセージ本体に設定する情報を入力するための入力欄を含んでいる。入力欄は、情報の入力、情報の変更が可能なように構成されている。ボタン92は、返信メールの送信を利用者に選択させるためのボタンである。ボタン93は、返信のキャンセルを利用者に選択させるためのボタンである。
図6に示す例では、標題の入力欄には、受信メールの標題の先頭に「Re:」が追加された情報が設定されている。差出人の入力欄には、スマートフォン1を所有する利用者の名前及びメールアドレスが設定されている。宛先の入力欄には、選択画面80で選択された「山田太郎」、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、及び「太田四郎」の名前の情報が設定されている。すなわち、宛先の入力欄には、選択画面80で除外された本人と未登録者が設定されていない。メッセージ本体の入力欄には、オリジナルのメッセージとして受信メールのメッセージ本体の情報が設定されている。
ステップS14では、利用者によってメッセージ本体の入力欄に、返信するメッセージが入力された後、送信のボタン92をタップしている。スマートフォン1は、ボタン92に対するタップを検出すると、作成画面90の入力欄に入力された情報に基づいて、返信メールを作成し、通信ユニット6を介して当該返信メールを返信先に送信する。図6に示す例では、返信メールの宛先に設定されている「山田太郎」、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、及び「太田四郎」のそれぞれのメールアドレスに、スマートフォン1は、返信メールを送信する。
このように、スマートフォン1は、選択画面80によって返信先のメールアドレスがアドレス帳データ9Xに未登録であることを表示し、当該選択画面80で未登録のメールアドレスに返信しないことが指示されると、当該メールアドレスを返信先から除外する。これにより、利用者は、アドレス帳データ9Xに登録されていないメールアドレスを、返信先から容易に除外することができる。
図7を参照しながら、スマートフォン1による返信制御の処理手順について説明する。図7は、スマートフォン1による返信制御の処理手順の例を示すフローチャートである。図7に示す処理手順は、コントローラ10がメールアプリケーション9Bを実行することによって実現される。図7に示す処理手順は、コントローラ10が受信メールを返信又は全員に返信するときに実行される。
図7に示すように、スマートフォン1のコントローラ10は、ステップS101として、返信対象の受信メールのメールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合する。コントローラ10は、メールアドレスがアドレス帳データ9Xに登録されているか否かの照合結果をストレージ9に記憶する。さらに、照合結果が登録されていることを示す場合、コントローラ10は、照合結果として、登録情報の名前の情報をさらに記憶する。
コントローラ10は、ステップS102として、アドレス帳データ9Xに登録されているメールアドレスかを判定する。登録されているメールアドレスである場合(ステップS102,Yes)、コントローラ10は、ステップS103に進む。コントローラ10は、ステップS103として、アドレス帳データ9Xに登録されている名前を示す情報にメールアドレスを置き換え、ステップS105に進む。
登録されていないメールアドレスである場合(ステップS102,No)、コントローラ10は、ステップS104に進む。コントローラ10は、ステップS104として、未登録を示す情報にメールアドレスを置き換え、ステップS105に進む。
コントローラ10は、ステップS105として、受信メールにおいて、返信先となる他のメールアドレスはあるかを判定する。他のメールアドレスがある場合(ステップS105,Yes)、コントローラ10は、ステップS106に進む。コントローラ10は、ステップS106として、次のメールアドレスを受信メールから取得し、ステップS101へ戻る。以降は、コントローラ10は、ステップS101の処理を実行することで、取得したメールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合する。
他のメールアドレスがない場合(ステップS105,No)、すなわち、返信先となるメールアドレスの照合、置き換えが終了した場合、コントローラ10は、ステップS107に進む。コントローラ10は、ステップS107として、メールアドレスに置き換わった情報に基づいて、返信先の選択画面80を作成する。続いて、コントローラ10は、ステップS108として、作成した選択画面80をタッチスクリーンディスプレイ2に表示させる。
続いて、コントローラ10は、ステップS109として、選択画面80において、利用者が確定を選択したかを判定する。コントローラ10は、選択画面80の確定ボタンに対するタップのジェスチャを検出した場合に、利用者が確定を選択したと判定する。
確定が選択された場合(ステップS109,Yes)、コントローラ10は、ステップS110に進む。コントローラ10は、ステップS110として、メール返信処理を実行する。コントローラ10は、メール返信処理が終了すると、図7に示す処理手順を終了する。
確定が選択されていない場合(ステップS109,No)、コントローラ10は、ステップS111に進む。コントローラ10は、ステップS111として、選択画面80において、利用者がキャンセルを選択したかを判定する。コントローラ10は、選択画面80のキャンセルボタンに対するタップのジェスチャを検出した場合に、利用者がキャンセルを選択したと判定する。
キャンセルが選択された場合(ステップS111,Yes)、コントローラ10は、ステップS112に進む。コントローラ10は、ステップS112として、選択画面80をタッチスクリーンディスプレイ2から消去し、図7に示す処理手順を終了する。キャンセルが選択されていない場合(ステップS111,No)、コントローラ10は、ステップS109へ戻る。
本出願の開示する実施形態は、発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
例えば、図4に示した各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと結合されていてもよい。
上記の実施形態では、通信装置の例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る通信装置は、スマートフォンに限定されない。添付の請求項に係る通信装置は、スマートフォン以外の携帯電子機器であってもよい。携帯電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これらに限定されない。添付の請求項に係る通信装置は、据え置き型の電子機器であってもよい。据え置き型の電子機器は、例えば、デスクトップパソコン、自動預入支払機(ATM)、及びテレビ受像器を含むが、これらに限定されない。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、メールアドレスがアドレス帳データ9Xに登録されていない場合に、未登録を示す情報にメールアドレスを置き換える場合について説明した。しかし、メールアドレスが未登録であることの表示態様は、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、未登録を示す情報にメールアドレスを置き換えずに、未登録を示す情報をメールアドレスの前後に追加して表示するように構成されてもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、1つのメールアドレスがアドレス帳データ9Xに登録されていない場合に、未登録を示す情報を表示する場合について説明した。しかし、登録されていないメールアドレスの数は、複数であってもよい。例えば、スマートフォン1は、返信先の3つのメールアドレスがアドレス帳データ9Xに登録されていない場合、未登録を示す情報に識別番号を割り振って、3つの未登録を示す情報を表示してもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、受信メールを全員に返信する場合に、差出人及び宛先のメールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合する場合について説明した。しかし、照合する対象のメールアドレスは、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、受信メールを全員に返信する場合に、宛先のメールアドレスのみをアドレス帳データ9Xと照合するように構成されてもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、受信メールを全員に返信する場合に、メールアドレスを宛先に設定する場合について説明した。しかし、全員に返信する場合のメールアドレスの設定方法は、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、受信メールの差出人のメールアドレスを返信メールの宛先(To)に設定し、受信メールの宛先のメールアドレスを返信メールのカーボンコピー(Cc)に設定してもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、メール画面70において、返信が指示された場合に、返信先のメールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合する場合について説明した。しかし、メールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合するタイミングは、これに限定されず、受信メールの返信に関する操作が可能なタイミングでもよい。受信メールの返信に関する操作が可能なタイミングは、例えば、メール画面70を表示する指示を受けたタイミング、返信メールを送信する指示を受けたタイミング等を含む。
例えば、スマートフォン1は、受信メールの表示を指示された場合に、差出人及び宛先の少なくとも一方のメールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合してもよい。この場合、スマートフォン1は、受信メールのメールアドレスを名前又は未登録を示す情報に置き換えたメール画面70を表示する。
図8は、メールアドレスが未登録であることを示す第1の変形例を示す図である。図8に示す例では、メール画面70は、表示領域71の宛先の項目のみが、図6に示すメール画面70の構成とは異なっている。図8に示す例では、表示領域71の宛先は、「佐藤二郎」、「加藤三郎」、「太田四郎」、「鈴木一郎(本人)」、及び「未登録者」を示している。これにより、利用者は、メール画面70の宛先に未登録を示す情報が含まれているかを確認して、受信メールに返信するかを検討することができる。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、返信先のメールアドレスがアドレス帳データ9Xに登録されていなかった場合に、スマートフォン1の言語環境に合わせて、日本語で表示する場合について説明した。このように、メールアドレスが未登録であることの表示態様は、スマートフォン1の言語環境に合わせて変化させてもよい。
図9は、メールアドレスが未登録であることを示す第2の変形例を示す図である。図9に示す例では、スマートフォン1は、言語環境が英語である場合に、図6に示す選択画面80の表示内容を英語で表示している。図9に示す例では、選択画面80の返信先は、「Taro Yamada」、「Jiro Sato」、「Saburo Kato」、「Shiro Oota」、「Ichiro Suzuki(principal)」、及び「Unknown」を示している。
このように、メールアドレスが未登録であることの表示態様を、スマートフォン1の言語環境に合わせることで、スマートフォン1は、利用者が日本人なら日本語で、未登録を示す情報を表示することができる。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、受信メールを全員に返信する場合に、メールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合する場合について説明した。しかし、メールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合する条件は、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、受信メールを差出人にのみ返信する場合に、メールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合してもよい。この場合、スマートフォン1は、受信メールの差出人のメールアドレスをアドレス帳データ9Xと照合する。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、メールアドレスをストレージ9に記憶されているアドレス帳データ9Xと照合する場合について説明した。しかし、アドレス帳データ9Xがネットワーク上のコンピュータに記憶している場合、スマートフォン1は、インターネットを経由してアドレス帳データ9Xと照合してもよい。あるいは、スマートフォン1は、インターネットを経由して取得したアドレス帳データ9Xと照合してもよい。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。