JP2014162506A - 窓付き封筒 - Google Patents

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裕史 西端
Takuo Ohata
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Abstract

【課題】
窓付き封筒を用いて、親展書類を送付する場合や、それらの書類を封筒に封入して郵送したり、ダイレクトメールを、特定の顧客に直接送付することが、さかんに行われているため、各顧客のポストには、1日に多数の郵便物や配送物が投函され、その多数の郵便物や配送物のなかから、各人が必要な郵便物や配送物を選択し、その選択された郵便物や配送物のみ開封され、他の郵便物や配送物は開封もされず廃棄されることが多かった。
【解決手段】
窓付き封筒の窓の部分に着色パターン入り透明レリーフホログラムシートを貼着して、他の郵便物や、配送物との差別化を図る。しかも、その着色パターンに独特の視認性を付与し、且つ、その「色」を呈する印刷層や、同様の着色パターンを内包するホログラム形成部を設けることで、より確実な開封率向上を図れる窓付き封筒とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、封筒の一部に情報が目視可能な透明な窓を設けた窓付き封筒において、特にその窓にホログラムを有する窓付き封筒に関するものである。
本発明の「着色パターン層Aと透明着色パターン層Bとが、同一の色を呈し、その色で形成された一つのパターンCとして視認される」とは、視認性の異なる2種類のパターン、すなわち、着色パターン層Aと透明着色パターン層Bによって表されるそれぞれの「パターン」が、通常の観察角度においては、同一の色を呈する「あたかも一つのパターン」として観察されることを意味し、このときには、その2つの「パターン」を「合体させたパターン」が「パターンC」として認識できるように形成されていることを意味する。
そして、所定の観察条件においてのみ、その2つのパターンが別々のパターンとして視認でき、その意匠性に加えて、意外性をも付与するものである。
本発明におけるホログラム形成部とは、窓に設けるホログラムと同一のホログラムデザイン、もしくは、そのデザインを縮小拡大したものを用いてもよいし、また、全く異なるホログラムデザインを採用してもよい。
また、そのホログラム形成部は、封筒上に直接形成したものであってもよいし、剥離性を有する転写箔用基材上に、ホログラム層、反射層、及び接着層を設けたホログラム転写箔を用いて転写形成するか、ラベル基材上に、ホログラム層、反射層、及び接着層(この場合には、接着層が粘着層の役割を担う。)を設けたホログラムラベルを封筒上に貼着して設けてもよい。
本明細書において、配合を示す「部」は特に断わらない限り質量基準である。また、 「ホログラム」はホログラムと、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
また、「ヘーズ(曇価ともいう。)」とは、JIS K 7136「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に準じて求められるものであって、「試験片を透過する透過光のうち、前方散乱によって入射光から2.5°以上それた透過光の百分率」であり、「全光線透過率(平行透過率+拡散透過率)に対する拡散透過率の比」として定義されるものである。
(主なる用途)本発明の窓付き封筒の主なる用途としては、
長形、角形、洋形封筒であって、定形郵便物や定形外郵便物の大きさの封筒、
第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物、第四種郵便物、市内特別郵便物、異種合装等の通常郵便物、及び小包郵便物等に用いられる封筒、
書留、速達、引受時刻証明、配達証明、内容証明、代金引換特別送達、年賀特別郵便、翌朝郵便、新超特急郵便、配達日指定郵便、巡回郵便、新特急郵便、配達記録郵便、保冷郵便、本人限定受取郵便等に用いられる封筒、
郵便規則(平成一四年最終改正)第二章第一節第七条における「窓のある封筒及び袋は、当該窓を薄い透明物又はこれに類するもので密着させて閉じたものに限り、これを郵便物の包装に使用することができる」とするものに対応する封筒、
同規則第二章第二節第一款第十一条における、「定形郵便物について郵便法第二十一条第二項第一号に掲げる厚さ及びその他の形状の基準を満足するものであって、表面に窓を設けたものにあつては、(イ)郵便物のあて名を記載した部分又は第九条第一項ただし書の規定によりあて名を透視できるようにした部分の下部(横に長いものにあつては、左側部)に窓を設けたもの(ロ)横に長いもので、長さ六センチメートル、幅三センチメートルを超えない大きさの窓一か所を第九条第一項ただし書の規定によりあて名を透視できるようにした部分の右側部に設けたもの(ハ)ビニール樹脂、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂を主たる材料とする封筒若しくは袋を包装に使用したもの又は第七条第一項ただし書の規定により包装を省略したもので当該合成樹脂を主たる材料としたものにあつては、別に告示する形状のものであること、のいずれかに該当するものであること」とするものに対応する封筒など。
また、中貼、左横貼、右横逆貼、内カマス貼、外カマス貼、ダイヤ貼の封筒、
窓付き封筒として窓の素材、あて名用窓の大きさが郵便規則に準拠しているもの、すなわち、「セロファンのように透明度の高いもの(JIS P 8138試験による不透明度が20%以下のもの)及び、あて名用窓の大きさが短辺45mm以上、長辺80mm以上のもの」に対応するものであって、その多くは、郵便区分機等による仕分け処理に対応している封筒、
もしくは、運送会社による宅配配送物の中から、「紛失時の損害額の減額」,「小サイズに限定」,「ポストインで判取り不要」を条件に、配送伝票のコストダウンを図り、バーコード追跡システムを維持しつつ配送費用のコストダウンを実現した「メール便」と呼ばれる宅配サービスにおいて、郵便規則等の制限なく用いられる封筒、
また、各種の通知や案内状又は請求書などの書面を送付する手段として、さらには、親展書類等を送付する手段として利用され、その内の一つの形態として封筒本体に窓部を有してその窓部を透明なフィルムで覆って封筒本体の内部を見ることができる窓開き封筒であって、書面の方に受取人住所氏名を印字して封筒本体内に入れることで、その受取人住所氏名が窓部を通して外から確認することができ、封筒本体の表面に受取人住所氏名の記載、印字を行なう手間を無くす利点があり、各種の会社が顧客宛への書面送付などに際して利用する封筒、
主に過去に利用したことのある小売店や、入会しているクレジットカード会社などの顧客情報のデータベースから購入頻度などの属性で抽出され、郵便やメール便を利用して届けられるダイレクトメールとして、銀行、証券会社、クレジットカード会社、百貨店、量販店などが、大量に顧客に送付しているもの等であって、多くは自動封入封緘機によりその封筒への封入物の挿入・封緘が行われる封筒など。
さらに、各種の商品、商品見本、おまけ、割引券、さらには、商品券、手形、小切手等の各種金券の封入物を封入するもの、商品やサービスの宣伝であるが、通信販売では定期的にカタログが最新のものとして送られて来て、消費者はこれを見て商品やサービスを購入することが出来き、また、これら通信販売の楽しみ方として、定期的に送られてくるカタログを眺めることを HYPERLINK "http://ja.wikipedia.org/wiki/e¶£a'3" \o "趣味" 趣味とするなど、一定のメディアとしての機能も持ち、通信販売会社側では読まれたらすぐに捨てられるカタログではなく、一種の雑誌として編集、情報価値をもたせる封筒、
さらには、書類、冊子、カタログ、ポスター、カレンダーやパンフレット、Tシャツなどをメール便で送る、メール便用板紙封筒、耐ショック構造で書籍・書類等の内容物をしっかり保護する再生紙使用の板ボール製小包ケース、ダンボールの目を利用してフリーサイズで折込が可能なダンボール製ケース、ワンタッチで組立が出来、底貼り作業不要なダンボール製組函ケース、再生紙使用の板ボール製冊子小包用封筒、エアクッション入封筒、再生紙使用の板ボール製マチ付封筒、片面ダンボール製封筒、透明度抜群のOPP規格袋等、
飲食店、通信販売、貸金業、不動産会社などにおいて、広告・宣伝を目的に、ビラやチラシを、各個宅の郵便受けへ直接投入する行為に用いられるものや、商業目的ではない公共性を有する例として、地方自治体(地域限定の行事案内やお知らせ)や水道局(主に工事による断水やにごり水、交通規制のお知らせ)によって行われる場合に用いられる封筒等、市場において流通する全ての窓付き封筒に用いられる。
これらの中には、あらかじめ封筒を展開した形状に仕上げ、封筒製袋機にて窓用フィルムを供給しつつ貼付し製袋するもの、及び、連続帳票を印刷・加工し、その工程内にて窓用フィルムを供給、貼着して、窓付き封筒として仕上げるもの、さらには、銀行等の各種預金口座、公共料金自動払い、カード発行等の申込みや、各種会員制組織への入会等のための申込書等のごとく、申込者が必要事項記入後に自ら製袋するもの等がある。
以上の分野の中でも、特に、意匠性に優れ、且つ、その開封率を高める必要のある分野に好適である。
(先行技術)
近時、透視窓に透明フィルムを貼着した、紙製の透視窓付きの郵便封筒などが、広く使われている。それは、ラインプリンター等で請求書等を作成する際に、その請求書等の一部に送付先の住所・氏名等を印字して窓付封筒の窓から見えるようにすれば、封筒に送付先の住所・氏名等を印字する手間が省け、事務能率を大巾に向上することが出来るからである。かかる窓付封筒に関する文献として、特開昭57−28756号公報、実開昭60−161045号公報、及び、実開昭61−40338号公報等が挙げられる。特開昭57−28756号公報の窓付き連続封筒およびその製造装置は、透明窓を有する封筒体形成連続紙と中入れ用連続紙とをそれぞれバーストして封筒単位の封筒体形成片と中入れ片とし、封筒体形成片を二つ折りする際に中入れ片を封筒体形成片内に挿入し、次いで封筒体形成片の周縁を封閉接着するものであり、中入れ片を封筒体内にフリーな状態で納め、封筒の表層用連続紙,通信文等の連続紙,封筒の裏層用連続紙を連続紙のまま重ね合わせ、封筒単位毎に縁辺を接着した後、連続紙をバーストしている、それまでの連続封筒では、通信文等の縁辺が封筒体の表裏の縁辺に貼着され、封筒体の一部を開封しただけでは通信文を取り出すことが出来なかった点を改良している。
また、実開昭60−161045号公報の窓つき封筒は、窓つき封筒の裏側用紙部にその上縁又は下縁から窓に向かって突出する切欠きを設け、その切欠きから露出する表側用紙部の一部に封緘用舌片の一部を貼着するもので、封筒内で伝票ががさつくのを防止するものである。
この透視窓に貼着する透明フィルムとしては、強度と透明度とが優れた、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムなどの、プラスチックフィルムが用いられているものである。
このような窓付き封筒を用いて、上記したように、受取人以外にその内容を知られたくない親展書類を送付する場合や、葉書には書ききれない多量の情報などの複数枚におよぶ書類を送付する場合に、それらの書類を封筒に封入して郵送したり、また、バーゲン情報や新装開店の情報、通信販売のカタログなどを封筒に封入したダイレクトメールを、特定の顧客に直接送付することが、さかんに行われているため、各顧客のポストには、1日に多数の郵便物や配送物が投函され、その多数の郵便物や配送物のなかから、封筒送付人や、その窓から確認できる範囲で、各人が必要な郵便物や配送物を選択し、その選択された郵便物や配送物のみ開封され、他の郵便物や配送物は開封もされず廃棄されることが多かった。
これに対処すべく、例えば、ダイレクトメールの開封率の向上をはかるために、本来の郵送・配送目的である「広告」のほかに、商品見本や、おまけ、若しくは割引券などの「封入物」を封筒に封入することが行われており、「封入」される帳票(書面)には、所定窓部用の宛名等の印字に加えて、例えば、郵便の場合には(郵便法や、郵便規則等の制限あり。)、郵便法等で認められる範囲で、他の窓を設け、この窓から、封筒内部の帳票に印刷された内容の一部や、同封された景品等の内容が見えるようにして、封筒の開封率を高める工夫がなされている。(例えば、特許文献1:特開平8−282678公報参照。)
さらには、封筒部材に宛名部ではなく、「別の窓」を新たに設け、その位置に光回折パターンを設けて、他の郵便物に対して、封筒の外観の差別化を行い、もって、封筒の開封率の向上を図る工夫もなされている。(例えば、特許文献2:特開平8−175546公報参照。)
しかしながら、多量に且つ、多数回送付するものに、毎回、高価な景品等を封入することはできず、また、封筒の窓として、所定の位置に大きいサイズを確保できる宛名用の窓部ではなく、別途窓を設けて、その位置に合わせて光回折パターンを形成しただけでは、他の封筒との差別化の効果も薄く、また、その封筒の外観を視認するだけで、その「光回折パターンのデザイン」を確認できるため、特に開封する必要もなく、「直接的に開封率を向上する」という効果の小さいものであった。
さらに、「封入物」そのものに光回折パターンを設け、やはり宛名用の窓部以外の別に設けた窓から覗けるように配置する方法も、個別情報を印字する帳票等に個々に光回折等の特殊加工を施すことが求められ、煩雑であるとともに、やはりコストのかかるものとなっていた。
その上、得意先毎に、さらには、送付する目的ごとに、封筒の宛名用窓部以外の所に別途開口部(別の窓)を設け、その位置に合わせて、光回折パターンを設けたシートを貼付する工程は、その検査工程をも含め、多品種、小ロット生産が求められる今日においては、煩雑そのものであり、効率が低く、量産性に欠けるものであった。
以上のことを考慮し、本出願人は、窓付き封筒において、大きい領域を確保可能な「窓」部に、すなわち、受取人が本人なのか若しくは家族等であるのかを確認するため、必ず視認する宛名用窓部に、その下にある宛名等の印字を目視にて十分視認でき、及び/又は、郵便区分け機等の光学的機械読み取りに支障なく認識可能である、透明レリーフホログラムシートを設けることにより、封筒における所定の一つの位置に十分な大きさを確保でき、且つ、顧客の注意を十分に喚起して、その開封率を向上し、さらに、量産性に優れる、窓付き封筒を提案している。(特許文献3:特開2011−225258公報参照。)
しかしながら、その透明レリーフホログラムシートは、まさに透明なシートであって、封筒を一瞥しただけでは、そのホログラムの存在に気づかず、また、注意を喚起するコメントにも気づかない場合があり、結局、封筒を開封せず、そのまま廃棄してしまうこととなり、開封率を向上する手段としてはまだ十分とは言えないものであった。
特開平8−282678公報 特開平8−175546公報 特開2011−225258公報
本発明は、上記した問題を解決すべく、封筒の窓部に設ける透明レリーフホログラムシートの上下面に、所定の光学特性を有する着色パターン層を設けて、さらなる注意喚起を図るとともに、その着色パターン層と同一の色を呈する印刷層を封筒上に設けたり、同一の色の別の着色パターン層を有するホログラム形成部を設け、それらの色の統一性や、視認性に優れるホログラム形成部をも連携させて、顧客に対する注意喚起を十分なものとし、
量産性に優れ、且つ、開封率を向上できる、窓付き封筒を提供する。
また、この透明レリーフホログラムシートを生分解性プラスチックで構成することにより、環境負荷を低減可能なこともアピールし、窓付きフィルムを剥して観賞用に保管する等の行為を促進し、より開封率を向上できる窓付き封筒を提供する。
上記の課題を解決するために、
本発明の窓付き封筒の第1の態様は、
前記透明な窓が、前記封筒の内側に向かう第一面と、前記封筒の外側に向かう第二面を有する透明樹脂層からなり、且つ、前記第一面にはホログラムレリーフ及び、前記ホログラムレリーフを埋めるように着色パターン層Aが形成され、前記第二面には透明着色パターン層Bが形成されている透明レリーフホログラムシートで構成される窓付き封筒であって、
前記封筒を観察した際に、前記着色パターン層Aと、前記透明着色パターン層Bとが、同一の色を呈し、前記色で形成された一つのパターンCとして視認されることを特徴とするものである。
上記第1の態様の窓付き封筒によれば、
前記透明な窓が、前記封筒の内側に向かう第一面と、前記封筒の外側に向かう第二面を有する透明樹脂層からなり、且つ、前記第一面にはホログラムレリーフ及び、前記ホログラムレリーフを埋めるように着色パターン層Aが形成され、前記第二面には透明着色パターン層Bが形成されている透明レリーフホログラムシートで構成される窓付き封筒であって、
前記封筒を観察した際に、前記着色パターン層Aと、前記透明着色パターン層Bとが、同一の色を呈し、前記色で形成された一つのパターンCとして視認されることを特徴とする窓付き封筒を提供することができ、窓フィルムとなる透明レリーフホログラムシートに、視認性が高く、且つ、意外性のある見え方を有する着色パターンを設けたことで、開封率をより向上させることができる。
本発明の窓付き封筒の第2の態様は、
第1の態様の窓付き封筒の前記透明な窓以外の部分に、前記色で形成された印刷層が設けられていることを特徴とするものである。
上記第2の態様の窓付き封筒によれば、
第1の態様の窓付き封筒の前記透明な窓以外の部分に、前記色で形成された印刷層が設けられていることを特徴とする窓付き封筒を提供することができ、窓フィルムの着色パターンと印刷層が同一の色を呈するものの、観察する角度を変えると、窓フィルムの着色パターンに異なるパターンが出現するという意外性を付与して、開封率をさらに向上させることを可能とする。
本発明の窓付き封筒の第3の態様は、
第1の態様の窓付き封筒の前記透明な窓以外の部分に、または、第2の態様の窓付き封筒の前記透明な窓以外で、且つ、前記印刷層が形成された部分以外の部分に、少なくともホログラム層、反射層、及び接着層からなるホログラム形成部が設けられており、前記ホログラム形成部が着色パターン層Dを有し、且つ、前記着色パターン層Dが前記色を呈することを特徴とすることを特徴とするものである。
上記第3の態様の窓付き封筒によれば、
第1の態様の窓付き封筒の前記透明な窓以外の部分に、または、第2の態様の窓付き封筒の前記透明な窓以外で、且つ、前記印刷層が形成された部分以外の部分に、少なくともホログラム層、反射層、及び接着層からなるホログラム形成部が設けられており、前記ホログラム形成部が着色パターン層Dを有し、且つ、前記着色パターン層Dが前記色を呈することを特徴とする窓付き封筒を提供することができ、非常に視認性に優れるホログラム形成部が追加され、且つ、そのホログラム形成部内に、窓フィルムや印刷層と同一の色を呈する着色パターンを設けることで、その視認性や意外性を高め、その開封率の著しい向上を可能とする。
本発明の窓付き封筒の第4の態様は、
前記透明樹脂層、及び、前記透明着色パターン層Bのヘーズが、いずれも10%以下であることを特徴とするものである。
上記第4の態様の窓付き封筒によれば、
前記透明樹脂層、及び、前記透明着色パターン層Bのヘーズが、いずれも10%以下であることを特徴とする第1〜3のいずれかの態様の窓付き封筒を提供することができ、透明着色パターン層の視認性をより明確なものとして、その意外性をさらに高めることができる。
本発明の窓付き封筒の第5の態様は、
前記透明樹脂層の屈折率と、前記着色パターン層Aの屈折率が同一、若しくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とするものである。
上記第5の態様の窓付き封筒によれば、
前記透明樹脂層の屈折率と、前記着色パターン層Aの屈折率が同一、若しくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とする第1〜4のいずれかの態様の窓付き封筒を提供することができ、着色パターンBによる、ホログラムレリーフを消失させる効果をより明確なものとして、その意外性をより確実なものとすることができる。
本発明の窓付き封筒の第6の態様は、
前記透明レリーフホログラムシートが生分解プラスチックからなることを特徴とするものである。
上記第6の態様の窓付き封筒によれば、
前記透明レリーフホログラムシートが生分解プラスチックからなることを特徴とする第1〜5のいずれかの態様の窓付き封筒を提供することができ、窓フィルムを保存する意欲をさらに高めることが可能となる。
封筒に用いられる紙、若しくは板紙は、一般的には、その使用目的により、印刷用紙・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙、若しくは、段ボール原紙、紙器用板紙に大別される。
さらに小分類としては、
上質紙、中質紙、色上質紙、アート紙、コート紙、マットコート紙、ミラーコート紙、アートポスト、ケント紙、更紙、ノーカーボン紙、模造紙、グラシン紙、再生紙、白板紙、色板紙、加工紙、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、微塗工紙、軽量コート紙、インクジェット用紙、POD用紙、昇華熱転写用紙等のプリンター用紙、フォーム用紙、ノーカーボン紙、感熱紙、OCR用紙、OMR用紙、磁気記録紙等(情報用紙)、未晒クラフト紙・半晒クラフト紙、塗工晒クラフト紙、再生可能防湿紙等(包装用紙)、表面に様々なエンボス加工を加えた紙、他の素材を混ぜ合わせた紙、風合いを出した紙、パール加工紙、ライナー、中芯原紙等(段ボール原紙)、表面に顔料が塗られていないもので、木材(原料)を化学処理した化学パルプと、木材(原料)をほぐしただけの機械パルプを混ぜた、非塗工紙、上質紙、中質紙をベースに片面または両面に塗料を塗って、圧力をかけたロールの間を通し光沢を出した、塗工紙等、木材パルプを原料とし、機械により大量生産された洋紙に対して、楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)、雁皮(ガンピ) 、麻、檀(まゆみ)等を原料とした和紙等がある。
封筒に用いられる素材としては、上記の他に、樹脂含浸紙、合成紙、樹脂フィルム等も用いられる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル等が用いられる。
これらの紙、若しくは板紙、さらには、樹脂フィルムを用いて、上記した様々な用途に用いられる「窓付き封筒」を、枚葉製袋機や、窓貼装置・口糊付装置を組み込んだ輪転製袋機、各種のフォーム印刷加工機等を用いることにより作製することができる。
これら製袋機は、作製する封筒の名称を用いて、平盤製袋機ガゼット製袋機、縦型封筒用洋封筒製袋機、横型封筒用製袋機、若しくは、外カマス製袋機枚葉型角底製袋機等とも呼ばれるものである。
窓付き封筒は、菊判や四六判等の平判の枚葉用紙を、断裁機、若しくは所定の形に打ち抜くことが可能な型抜き刃を有する型抜き機等を用いて、所定の形(封筒を展開した形。所定の位置に窓としての開口を設けておくことができる。)とし、この1片1片を、製袋機によって、窓用フィルムを貼りながら、所定の箇所を糊付けして、作製することができる。
この時、製袋用の糊と、封筒封緘用の糊とは別のものとし、製袋用の糊は、乾燥することで固着する水系アクリルエマルジョン接着剤や、部分的に加圧することで接着する感圧接着剤・粘着剤、加熱により固化反応が促進される感熱接着剤・粘着剤、さらには、高周波乾燥性の接着剤等、窓付き封筒に用いられる封筒素材に対応して、種々のものを用いることができる。
封筒封緘用の糊は、封筒封緘部にアラビア糊等の再湿性の糊を設けておき、封緘時に水等を付着し、封緘するものや、両面テープ方式のもの、さらには、封筒封緘部の「フタ」の部分と「折り返し」部分の両方に糊を設けておく、アドヘアタイプが用いられる。
また、窓用フィルムに用いられる接着剤や粘着剤も上記のものなどを適用することができるが、本発明の透明な窓に用いられる窓用フィルムには、その一方の面にレリーフホログラムが形成され、且つ、着色パターン層A、及びBが設けられた透明レリーフホログラムシートを用いるため、この透明レリーフホログラムシートと、封筒用紙との接着が可能な接着剤を選定する。
特に、この透明レリーフホログラムシートを、その窓付き封筒開封後に、封筒用紙から剥して、鑑賞用として保管する場合に、その「接着剤・粘着剤の跡」(接着・粘着残渣を意味する。)が残らない、「再剥離性」を有するものを使用することが好適である。
窓付き封筒は、封筒本体の片面に窓部を備えてその窓部の周辺に透明なフィルムの辺部を貼着することでその窓部を覆った基本構造を有する。
封筒本体は、例えば、窓部を有する封筒上紙とこの封筒上紙に重ね合わせる封筒下紙とからなり、相対する四辺に設けた接着手段を介して四方が封着されたものからなる。
この形状の窓付き封筒は、ロール状の封筒上しとロール状の封筒下紙に、用紙送りのためのマージナルパンチ部を設け、それらを分離された状態で準備し、さらに複数枚の封筒上紙が切り取りミシン目を介して連続しているとともに、複数枚の封筒下紙も切り取りミシン目を介して連続していて、一枚ずつ封筒上紙と、窓用の透明なフィルム片とを対応させ、封筒上紙の窓用開口部のその開口より少し内側に感圧接着剤をパターン状に設け、その上にその透明なフィルムを重ねて、四方を圧着して、透明なフィルムを封筒上紙に接着し、そして、再度、一枚ずつの封筒上紙と封筒下紙とを対応させて、四方を封着することで複数単位の窓付き封筒を分離可能にして、連続して得ることができるものである。
封筒本体を構成している封筒上紙と封筒下紙とは、フォーム上質紙等からなるものである。
封筒下紙の重ね合わせ面には封筒上紙の窓部に対応する位置に宛名部が設けられているとともに、封着部分に囲まれた内部領域であってその窓部に対応しない位置に情報記録部が設けられていて、この宛名部と情報記録部とは、予め、フォーム印刷用インキ等を用いて、所要情報、罫線、図柄などの印刷すべき事項が印刷形成され、さらに、宛て名人毎の個別情報等をノンインパクト・プリンター等により印字形成し、また、封筒上紙の重ね合わせ面に地紋等が印刷されていて、情報記録部側に表示する情報を外部から見えないようにしたりして、一体の窓付き封筒とする。
また、例えば、郵便物として郵送する場合には、封筒上紙の外表面(封筒本体としての外面)には郵便料金前納表示マークが印刷され、封筒上紙のマーク以外の領域と封筒下紙の外表面(封筒本体としての外面)にも必要に応じて印刷すべき事項を設ける。
このようにして、所定の印刷が行なわれた後に各種の個別可変情報の印字がなされ、そして、封筒上紙と封筒下紙とが重ね合わされて四方が封着されることで、複数単位が連続している窓付き封筒が得られ、この後、切り取りミシン目から分離して一単位としての窓付き封筒が得られる。
この場合にも、その窓部に、その一方の面にレリーフホログラムが形成され、且つ、着色パターン層A、及びBが設けられた透明レリーフホログラムシートを用いるため、上記同様に、この透明レリーフホログラムシートと、封筒用紙との接着が可能な接着剤を用いる。
但し、上記加工は、高速、且つ、連続処理により行われるため、一方の面にレリーフホログラムが形成され、且つ、着色パターン層A、及びBが設けられた透明レリーフホログラムシートが貼着された状態で、多数の搬送用ガイドロール(フォーム印刷加工機等の金属ガイドロールを意味する。)にその上面及び下面が接触することになる。
従って、この接触によって、そのレリーフホログラムのレリーフが傷ついたり、そのレリーフが変形されることのないよう、十分な表面硬度を有する、透明レリーフホログラムシートを用いることが好適である。
このことから、透明レリーフホログラムを形成する材料として、電離放射線硬化タイプのものを使用することはさらに望ましい。透明レリーフホログラムシートが多層構成であるならば、少なくともそのレリーフホログラムが形成されている層において使用する。
また、返信用封筒を内臓する、窓付き封筒としては、例えば、
上記の様にして作成した、宛名用の窓部を有する窓付き封筒内に、新たに、返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の対向面の封着すべき三周縁は剥離困難に、他の部分は剥離可能に接着し、宛名情報を印字した一辺開口型の返信用封筒を、その宛名情報が、窓付き封筒のその窓部と対応位置するように封入することで作成することができる。
その返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の対向面の封着すべき三周縁は剥離困難に、他の部分は剥離可能に接着する構成として、例えば、対向面の一方の全面に接着後に剥離可能な感圧性接着剤による接着剤層を設け、対向面の他方の三周縁にその感圧性接着剤の接着力を増強する接着力増強層を設ける構成を挙げることができる。接着力増強層としては、平均粒子系の小さい微細シリカ粉末をポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、でんぷん、及びその誘導体、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴムアルキネート類、ポリアクリルアミド、または、ポリビニルピロリドン、あるいはこれらの混合物等からなる樹脂組成物と等量以上混合したものを数μmの厚さで所定のパターン状に形成することで得られる。
この様な返信用封筒は、返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の対向面が剥離可能に接着されるので、返信用封筒面上等へのノンインパクト・プリンター印字等による隙間発生がなく、返信用封筒表面を適正な電荷状態とでき、ドラムとの接触状態も適正なものとなり、確実な印字が可能となる。また、返信用封筒はあたかも1枚のシートのようになるので、窓付き封筒に挿入する作業が容易であって、返信時には、返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の剥離可能な接着面を剥離して、申込書等の各種書面を封入することができるものとなる。
さらに、例えば、窓付き封筒は、1枚のシートを折って糊代部を接着してなる通常の封筒であり、開口部を透明フィルムで閉塞して窓部を形成している。そして、この窓付き封筒内に返信用封筒と申込書とを封入することもできる。申込書は、例えば、切り用ミシン目を境として入会申込書と入会案内書とに区分けされ、その入会申込書には表面に「入会申込書」なる表題のほか、入会申込文、申込年月日記入欄、入会者住所氏名記入欄、捺印欄等が印刷される一方、入会案内書には表面に「○○会へ入会のご案内」なる表題と入会案内文が、裏面に返信用封筒の使用説明文が、それぞれ印刷される。
返信用封筒は、宛名情報印字部を表面に有する返信用封筒上紙と表面が返信先情報印字部となった返信用封筒下紙からなり、宛名情報印字部は窓付き封筒に返信用封筒を封入した際に、窓部に対応する位置に設けられている。封筒上紙の裏面である封筒下紙との対向面には、接着後に剥離可能な感圧性接着剤が全面的に塗布されてなる接着剤層が設けられ、封筒下紙の裏面である封筒上紙との対向面には、封着すべき三周縁に接着力増強層が設けられている。
返信用封筒は当初、折り兼切り用ミシン目を介して単位封筒が連接された連続状態にあり、返信用封筒上紙の右端と封筒下紙の左右端には、それぞれ切り用ミシン目が設けられ、これら切り用ミシン目を境として移送孔を設けた用紙搬送用のマージナル部が形成されている。
接着後に剥離可能な感圧性接着剤としては、また、天然ゴムに、スチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合させた天然ゴムラテックスにテルペン樹脂系等の粘着付与剤等を添加したものも用いることができる。
返信用封筒上紙と返信用封筒下紙とは、感圧性接着剤の接着条件である所定の圧を加えることにより、封着すべき三周縁では接着力増強層に感圧性接着剤が浸透して接着力が増強されることによって剥離困難に強接着し、他の部分においては剥離可能に弱接着している。このようにして、返信用封筒は、返信用封筒上紙と返信用封筒下紙の対向面が密着したシート状態となっている。
従って、この連続状態にある返信用封筒を、各移送マージナル穴を利用してトラクタ装置により移送しながら、ノンインパクト・プリンターにかけても、封筒上紙と封筒下紙との間に隙間を生じないので、適正状態で電荷がかかり、また、適正状態でドラムと接触するので、返信用封筒上紙の宛名情報印字部に対する宛名情報がカスレ等なく確実になされる。
同様にして、返信用封筒下紙の表出面に印字する返信先情報もカスレ等なく確実になされる。なお、この返信先情報は全ての返信用封筒に共通の不変情報であるから、あらかじめ印刷しておいてもよい。
そして、印字後の連続状態にある返信用封筒は、封筒ごとに切り用ミシン目で分離され、各宛名情報が窓付き封筒の窓部に対応位置するようにして、申込書とともに、窓付き封筒内に封入・封緘装置等を用いて封入・封緘される。この封入・封緘作業は、返信用封筒が1枚のシート状になっているので、円滑かつ確実になされる。
但し、窓付き封筒には、既に、窓用フィルムとして、透明レリーフホログラムシートが貼着されているため、この挿入時に、返信用封筒等が、この透明レリーフホログラムシートの透明樹脂層、着色パターン層A、または、Bに引っ掛かって折れ曲がったり、逆に透明レリーフホログラムシートを封筒面から剥離することの無いよう(元々、剥離可能な程度の接着力しか持たないため。)、その挿入時に衝突防止用の「ガイド」(薄く平坦な金属へらを、透明レリーフホログラムシートの上にあてておく等の処理を行うという意味。このとき、このガイドが透明レリーフホログラムシートの着色パターン層A、やBに傷をつけないよう配慮する必要がある。)を用いることも好適である。
以上の工程によって、窓付き封筒は、一般の封筒と同様に投函可能となって、宛て名人に対して郵送若しくは配送される。
この窓付き封筒を受け取った宛て名人(受取人)は、その窓部に設けられている「宛名」を確認し、自分宛のものか、若しくは、家族宛のものか、さらには、全く他人宛の誤配送のものか等を、確認するが、その時に、その窓部にある「着色パターン層A、及びB」(すなわち、パターンC)を確実に視認し、それに続いて、その窓部にある「ホログラム」をも確実に視認し、その「ホログラムデザイン」を高い確率で「鑑賞」することになる。そして、その窓付き封筒を傾けることにより、パターンCが、二つの着色パターン層AとBに由来する、二つの着色パターンに分かれることを認識することとなる。
もしくは、その窓部にある「着色パターン層AとB」及び、封筒上に同一の色で設けられた印刷層、さらには、封筒上の別の部分に設けられた「ホログラム形成部のホログラムデザイン」及び着色パターン層Dを確実に視認し、それに続いて、その窓部にある「ホログラム」、そして、上記した二つの着色パターンに分かれる現象と、「透明レリーフホログラムシートのホログラムデザイン」をほぼ100%の確率で「鑑賞」することになる。
もちろん、その宛名が家族もしくはその他の人のものであったならば、その窓付き封筒は、いずれ、その「該当者」に渡され、その際、再び、その「該当者」が、高い確率、乃至は、ほぼ100%の確率で、「鑑賞」することになる。
この「鑑賞」率の高さが、すなわち、開封率向上に寄与することは言うまでも無い。
その後、開封して返信用封筒及び申込書を取り出し、この入会案内書の案内文及び説明文を読み、入会を希望する場合には、入会申込書の各記入欄に所定事項を記入したうえ、捺印欄に自己の印鑑を捺印し、さらに、切り用ミシン目を破断して入会申込書と入会案内書を分離する。そして、返信用封筒の封筒上紙と封筒下紙の剥離可能な接着部分を離反し、入会申込書を挿入したうえ、糊付けして封緘する。これによって、返信用封筒は一般の封筒と同様な投函可能状態となり、返信先に対して郵送される。
そして、窓付き封筒そのもの、若しくは、透明レリーフホログラムシートを、窓付き封筒の封筒本体より分離し、個人の鑑賞用として保管することもできる。
この際、「透明レリーフホログラムシートのホログラムデザイン」のみならず、パターンCが、二つの着色パターンに分かれる現象をも十分に楽しむことができる。
さらに、透明レリーフホログラムシートは、通過する光を回折する機能を持つため、その透明レリーフホログラムシートの直下にある「宛名等の情報」を、斜め上方から視認する行為に対して、その視認性を低下させる効果を有し、着色パターン層AやBはその効果を助長する。
窓付き封筒の宛名等は、「個人情報」として保護すべき対象であって、不要な開示を避ける必要があるが、宛名等の上に、透明レリーフホログラムシートを設けることで、斜めからの不要な視認(本人の横又は後ろから覗き見したり、封筒を離れた位置から見ようとするなど。)を抑制することができる。特に、メール便等への対応限定となるが、形成するホログラムの回折効率を高いものとしたり、着色パターン層AやBの透明レリーフホログラムシート全体の面積に占める割合を大きくして(面積比で50%〜90%としてもよい。宛名等の配達時に必要な情報以外をほぼ覆い隠すパターンとしてもよい。)、悪意を持った宛名部分の複写等(コピー機や、デジタルカメラ等での光学的な複写を意味する。)までをも抑制することが可能となる。
なお、例えば、返信用封筒の封筒上紙と封筒下紙を剥離可能に接着する構造として、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、合成ゴム系樹脂をベースにした感圧性接着剤を用いてもよい。また、返信用封筒の封緘は糊付けによるほか、あらかじめ両面接着テープを設けて、一方を剥離紙で被覆保護するよう構成してもよい。さらに、返信用封筒は連続状態ではなく、当初から単位状態にあってもよい。この場合には、移送用マージナル穴を有するマージナル部は不要になる。
また、この窓付き封筒に封入するものとしては、返信用封筒と申込書の組合わせに限らず、返信用封筒は必須要件であるが、申込書に加えて関連する他の文書類を同封したり、申込書に換えて、残高通知等に対する確認書等を同封することもできる。さらに、返信用封筒の宛名情報と返信先情報を同一面に印字してもよい。
透明レリーフホログラムシートに用いられる透明樹脂層の第一の面にレリーフホログラムを形成するには、透明なフィルムそのもの(これが透明樹脂層となる。)を、ホログラムレリーフを有する「ホログラム形成層」とする方法、または、透明基材の少なくともその一方の面に、透明な樹脂をコーティングして、ホログラムレリーフを有する「ホログラム形成層」を設けた積層体(これが透明樹脂層となる。)とする方法により得られる。
前者の方法においては、ホログラム形成層は、透明な樹脂材料または、透明な樹脂フィルム(以下、総称して「樹脂」とも称する。)で構成される。
その透明な樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂等の各種の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、もしくはエポキシアクリレート等の電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
上記の樹脂を用いてホログラム形成層を形成するには、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面(ホログラムレリーフをその表面に有する。)を上記の樹脂に押し付けることにより、賦型を行なう。
若しくは、成形用型に上記ホログラムレリーフを形成し、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、カレンダー加工法等の各種成形方法により、樹脂を成形すると同時にホログラムレリーフを形成して、ホログラム形成層とすることもできる。
そのホログラム形成層の厚さは、5μm〜200μmとする。好適には、20μm〜50μmである。もちろん、この厚さは薄い方がコスト面や、透明性を確保するためには有利であるが、5μm未満では、シートとしての強度が不十分で封筒加工適正や、郵送や配送適正に欠け、200μmを超えると、窓部とその他の部分とに大きな段差が生じ、封筒加工時に引っ掛かりが起きる等、封筒加工適正や、郵送や配送適正に欠けるものとなる。
以上の方法は、樹脂を担持するための透明基材を介することなく、直接、樹脂から形成することができるため、あらかじめ透明基材に樹脂をコーティングしておく工程が不要となり、コスト面及び、管理面において優れる。
また、後者の方法においては、その透明基材として、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、透明レリーフホログラムシートを製造する際の処理や加工、さらには、窓付き封筒加工時の封筒用紙との接触や、各種加工機の搬送用ガイドロールとの接触に対する耐磨耗性等が高く、それらの処理や、加工に適した耐溶剤性、耐熱性及び耐摩耗性等を有するものであって、封筒に用いる材料との適度な接着性および再剥離性を有する、透明基材を用いることが好ましい。
その加工方法にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
透明基材の厚さは、通常5〜100μmであるが、その取り扱い適正から25〜100μmとすることが望ましい。
この透明基材上にコーティングした透明な樹脂に、上記と同様な手法を用いてホログラムレリーフを形成することができる。
ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、イメージホログラム及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し所定の情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
但し、マシンリーダブルホログラムを採用する場合には、着色パターン層AやBが、そのホログラム再生の阻害とならないように、その着色パターン層AやBの形成位置や、形成する大きさを考慮する必要がある。さらには、「ホログラム再生における冗長性」を利用する意味において、その着色パターン層AやBを形成する際に、網点直径を50μm〜300μmとし、網点率を30%〜70%とする網点状で形成することも好適である。
但し、ホログラム形成層上にその中心を置き、その前後に像を再生するイメージホログラムや、ホログラムとしての再生効率が高いものは、ホログラム形成層中での光の屈折・散乱もしくは光を反射する率が高く、透明レリーフホログラムシートを通過して、その下にある宛名情報等を光学的に認識する場合には不向きであるため、上記した郵便規則で定められている光学的特性を満足するものとするためには、ホログラム再生像の再生する位置(結像位置)を、そのホログラム形成面から2.0mm〜20mmの距離とした、レーザ再生ホログラム、白色光再生ホログラム、カラーホログラム、CGH及びマシンリーダブルホログラムとする。また、回折格子であっては、その回折効率が、1%〜10%のものとする。1%未満では、ホログラムそのものを認識し難く、10%を超えると、その光の回折により、0次回折光(これが宛名等の光学的読み取りに寄与する。)の強度を低下させ、上記した郵便規則を満足しなくなる。
もちろん、郵便によらず、直接配送を行う場合には、この制限がないため、あらゆるホログラムが使用できるが、あくまで宛名等を視認する必要があることから、その回折効率は、20%以下とする。回折効率が20%を超えると、その0次回折光が、透明レリーフホログラムシートを通過して、その下に配置された宛名等の情報記録面で反射され、再び、透明レリーフホログラムシートを通過して戻ってくるときには、その光の強度は、最初の通過時に±1次回折(例えば、その2つの回折光が均等に存在する場合。)により0次回折光が60%となり、情報記録面において、光の吸収・散乱により、さらに低下し、例えば、50%程度となり、そして、2度目の通過で、30%以下となって、情報そのものを視認することが難しくなる。
窓付き封筒に封入された書面等の上に記録された宛名等の情報は、その封筒に封入された状態において、その宛名等と透明レリーフホログラムシートのホログラムレリーフ面とは、通常、ほぼ接しているか、透明レリーフホログラムシートの厚さ分だけ離れているのみであるため、ホログラム結像位置が、ホログラム形成面(ホログラムレリーフ面)から、2.0mm以上離れていることで、その光学的読み取りへの影響を抑制することができる。また、レリーフホログラムにおいて、その結像位置が、20mm以上離れるとその再生像の視認性が低下する。特に、3.0mm〜5.0mmが最適である。
そして、このようにホログラム結像位置がホログラム形成面から離れていることで、ホログラム再生像が、観察角度に応じて左右上下に移動し、着色パターン層AやBの背後に隠れたり、その上に乗っかっているように観察されるように設定でき、その意匠性や意外性を高めることを可能とする。
また、上記した意味において、リップマンホログラム等の体積ホログラムは不適当であって、本発明の対象を、透明性に優れ、通過する光の散乱性の低い、「レリーフホログラム」とする。
ところで、レリーフホログラムは、その微細な凹凸によって、それを通過する光、もしくはそれによって反射する光に位相差を与え、この位相差がホログラムを再生するものである。以下、一方の面にのみホログラムレリーフを形成した例について説明するが、透明な樹脂フィルムの両面に形成してもよいし、積層体とする場合には、透明基材の両面にホログラム形成層を設けてもよい。
位相差は、通過する場合は、単純に凹凸深さをdとし、構成する樹脂の屈折率をnとして、単純に、樹脂を通過する場合のn×dから、空気(屈折率=1)を通過する場合の1×dを差し引いたもの、すなわち、位相差=(n−1)d となる。
しかし、反射する場合には、その状況がより複雑であって、その凹凸が接している「空気」との界面において反射が起きる為、例えば、その凹凸面側から光を照射し、樹脂に光が入る前に、その「空気と樹脂との界面(ここに凹凸が存在する。)」にて反射する場合には、空気の屈折率が1であるため、位相差は2d(位相差=2d)となる。
もしくは、その樹脂面から光を照射し、樹脂中を光が通過し、その光が樹脂を出る前に、その「空気と樹脂との界面(ここに凹凸が存在する。)」にて反射する場合には、樹脂の屈折率がnであるため、その位相差は2nd(位相差=2nd)となる。
ホログラムの再生効率を、回折格子の回折効率、例えば、最も単純化して、微細凹凸の深さをhとした、樹脂屈折率n=1.5のラミナー格子において、説明すると、以下の様になる。
・入射光の波長λ、入射光の入射角α、回折光の回折角βとすると、その回折効率が最大となる「h」の最適値(最適深さ)は、
・空気側からの入射: 最適深さh1=λ/2(cosα+cosβ)
・樹脂側からの入射: 最適深さh2=λ/2×1.5(cosα+cosβ)
従って、樹脂側からの入射時の最適深さを基準とすると、空気側からの入射時の最適深さは、その1.5倍の深さとなる。
例えば、透明レリーフホログラムシートの裏面にホログラムレリーフを設けた場合、電子線レジストやフォトレジストの現像において、現像時間を調整し、その深さを、裏面鑑賞用に調節する(空気側からの入射を最適化。)と、裏面からは鮮明なホログラム再生像を視認でき、表(おもて)面からは、その深さが最適値に対して2/3(約7割)しかない深さを持つホログラムレリーフに相当することになり、その回折効率は大きく低下して、不鮮明、且つ、暗いホログラムしか見ることができないものとなる。
樹脂の屈折率(最大で2.1程度)、若しくは、このホログラム形成部分を透明な無機材料としてさらにその屈折率を大きく(最大で3.0程度)すると、その傾向はより顕著なものとなる。
以上のごとく、ホログラム再生像の鮮明度は、参照する光に与える位相差にによって大きく影響を受け、理論的には、参照光と物体光が形成した「光の干渉縞」領域におけるここの微細領域における微細な「位相分布」に等しい「位相差」を与えるものが、歪みやボケの無い、最も鮮明な再生像を与え、この「位相分布」から外れた「位相差」を与えた場合には、再生像の鮮明性が著しく劣化する。
このことは、透明レリーフホログラムシートを封筒の窓に貼着し、その封筒を開封する前に反射光にてホログラムを観察する場合(表からの観察)と、開封後にやはり反射方式にてホログラムを観察する場合(裏からの観察)とにおいて、上記した「位相差」に樹脂の屈折率n倍の差が存在することを意味しており、本発明においては、いずれの場合も設定可能であるが、以下の説明においては、「裏からの観察」に合わせて、その微細凹凸(すなわち、ホログラムレリーフ)の深さを調整する。
これにより、窓付き封筒を開封する前には、ホログラムの存在は判別できるものの、その鮮明さに劣るものしか視認できず、その封筒上などに記載したメッセージ、例えば、「ホログラムは裏面よりご鑑賞下さい。」との説明書きにより、受取人は、窓付き封筒を開封する意欲を喚起され、開封後に視認することで、本来の鮮明なホログラムを見ることができるように構成することができ、窓付き封筒の「開封率」を大きく改善することが可能となる。もちろん、このメッセージを着色パターン層AとBによるパターンCとして表してもよいし、封筒上に設ける「定められた色で形成された印刷層」や、ホログラム形成部に設ける着色パターン層Dで表してもよい。
このため、上記したラミナー格子を想定した場合には、その屈折率nは、1.3以上、さらには1.5以上であることが好ましい。また、上記したように屈折率が大きくなりすぎると、表(おもて)面から観察した時のホログラム再生像が暗くなりすぎるため、その屈折率nは、1.8以下であることが好ましい。
もちろん、「開封しなければ見ることができない」、すなわち、「開封してその透明レリーフホログラムシートをその封筒から剥して、そして、照明光源にそのシートをかざすことによってしかみることができない」、「透過光によるホログラム鑑賞」を、その最大回折(再生)効率のものとして、「開封を促す」ことも好適である。
このようにして、透明レリーフホログラムシートを「裏面」から観察する際に現れるホログラム再生像と、パターンCとが、融合して一つのデザインとして観察できるように設けたり、そのホログラム再生像とパターンCとが、配置面や、その意味するところにおいて関連性のあるものとすることはその意外性や意匠性を高め、結果として窓付き封筒の開封率を向上させることにつながるため非常に好ましい。
また、微細な凹凸を精密に作成するために、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。このレリーフ形状は、ホログラムを再現もしくは再生する光もしくは光源の波長(域)と、再現もしくは再生する方向、及び強度によって、そして上記の設定条件を加味して、その凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。凹凸のピッチ(周期)は再現もしくは再生角度に依存するが、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再現もしくは再生強度に大きな影響を与える要素であるが、通常0.1μm〜1μmである。
さらに、ホログラムレリーフ界面における反射率を向上するため、このホログラムレリーフに追従して、透明金属化合物薄膜等の透明性と反射性を兼ね備えた薄膜を適宜形成することも好適である。
本発明の透明レリーフホログラムシートは、透明樹脂層の第一面に形成したホログラムレリーフ面を反射面とし、透明樹脂層の第二面の方から、参照光(照明光を意味する。)を入射させ、「透明樹脂層からなるホログラム形成層」(以下、ホログラム形成層と称する。)を透過して、そのホログラムレリーフ面(反射面)で反射した光(3次元物体の情報を含んでいる光となっている。)が、再び、ホログラム形成層を透過して、参照光入射側に戻ってくる光によって、ホログラム再生像を視認する。
また、本発明の透明レリーフホログラムシートは、ホログラム形成層の第二面(ホログラムレリーフを形成していない面)に、透明着色パターン層Bが形成され、その透明着色パターン層Bが表している「パターン」(パターンb)が、その透明着色パターン層Bと「同色」の「パターン」(パターンb)として、視認される。
さらに、本発明の透明レリーフホログラムシートには、ホログラム形成層のホログラムレリーフを埋めるように形成された着色パターン層Aが形成され、その着色パターン層Aが表している「パターン」(パターンa)が、着色パターン層Aと「同色」の「パターン」(パターンa)として、視認される。
そして、透明着色パターン層Bの「パターンb」と、着色パターン層Aの「パターンa」とが、「一つの色を有する一つのパターンC」を構成するように形成されているため、この「色」の同一性により、本発明の透明レリーフホログラムシート上には、一つの「パターンC」が形成されているように観察される。
そもそも、「色」とは、「物体」からの反射光を、色相(色合い)、彩度(鮮やかさ)、明度(明るさ)の3つの要素で認識した(視認される)「情報」である。
そして、「色調」とは、色の濃淡・明暗・強弱などのぐあい、すなわち、色合いを意味し、「彩度」と「明度」を複合した概念であって、色彩の強弱及び、濃淡の調子のことを意味する。
従って、ここでいう「同色」とは、二つ以上の「物体」が、「同一の色を呈する」ことであって、それらが、「同一の色相」及び「同一の色調」を有していることを意味し、それらを視認したときに、それらが「同じ色」と認識されることをいう。
すなわち、透明着色パターン層Bや、着色パターン層Aは、透明性を有する樹脂に、染料や顔料を分散・溶解したものを用いるが、染料や顔料の種類、その分散性・溶解性、顔料粒子の大きさや、形状、その表面状態、その他の添加剤、そして、形成方法や、形成時の乾燥条件、硬化条件、さらには、その厚さや、界面の状態により、色相、彩度、明度が決まり、そして「色」が定まることとなる。
しかし、この透明着色パターン層Bや、着色パターン層Aの裏面に、反射面が存在したり、反射層を設けて、透過した光を反射させた場合には、その光の波長や、光の強度によって、上記の3要素が変化し、結果として、視認される「色」が異なることとなる。
以上のように、本発明における「同一の色」とは、この視認される「色」のことを意味する。
従って、その透明着色パターン層Bにおいて視認される「色」は、上記したホログラム再生像により影響を受けることなる。
すなわち、ホログラム形成層の第一面にホログラムレリーフを形成した透明レリーフホログラムシートに、ホログラム形成層の第二面から入射した参照光は、透明着色パターン層Bの領域及び、その他の領域から、ホログラム形成層を透過し、ホログラムレリーフ面で反射すると同時に、ホログラム再生像の情報を含み、再び、ホログラム形成層を透過し、さらに、透明着色パターン層Bの領域においては、透明着色パターン層Bをも透過し、その他の領域においては、そのまま、観察者側に戻ってくる。
この際、ホログラム再生像を含んだ反射光は、上記したように、「物体光の位相や、振幅の情報」を含んでいるため、透明着色パターン層Bの領域、すなわち、「パターンb」の領域の「色」に、僅かではあるが「変化」を与えることになる。
これに対して、着色パターン層Aの視認性は、上記したホログラム再生像によっては影響を受けない。
すなわち、着色パターン層Aは、ホログラム形成層のホログラムレリーフを埋めるように形成されており、従って、着色パターン層Aが形成する「パターンa」の領域内においては、ホログラムレリーフ面(界面)にて、ホログラム形成層を構成する透明樹脂と、着色パターン層Aを構成する樹脂が、直接、「接着」しているため、この界面での反射が抑制され、この界面に入射する光は、この界面を単に「透過」してしまうこととなる(ホログラム情報を含まず、「素通り」するという意味。)。
従って、ホログラム形成層の第一面にホログラムレリーフを形成した透明レリーフホログラムシートに、ホログラム形成層の第二面から入射した参照光は、ホログラム形成層を透過し、着色パターン層Aの領域、すなわち、「パターンa」の領域においては、ホログラムレリーフ面(界面)を透過(素通り)して着色パターン層Aに入射し、着色パターン層Aを透過して、または、着色パターン層Aの領域以外の領域においては、直接、反射面(ここでは、着色パターン層Aのホログラムレリーフと接している面とは反対の面と、ホログラム形成層のホログラムレリーフ面を意味する。)、もしくは、反射性薄膜層をその反射面を覆うように設けてある場合には、その反射性薄膜層に到達することとなる。
そして、着色パターン層Aの、ホログラムレリーフと接している面と反対側の面は、「平坦な面」となっており、この「平坦な面」と空気の屈折率差によって生じる「光の正反射光」となる。また、この「平坦な面」に追従して、反射性薄膜層が接着している場合には、この領域での「光の反射」は、この反射性薄膜層による「光の全反射光」となる。
この光の正反射光や全反射光は、ホログラム再生像の情報を持たず、「パターンaの形」をその情報として、反射方向へ進み、再び、着色パターン層A及びホログラム形成層を「透過」して、その観察側に戻ってくるため、観察側において「パターンa」をその「色」において鮮明に視認することとなる。
すなわち、この「パターンa」の領域には、ホログラム再生像が視認されず、形成した「色」そのものを確認することができる。
このような「視認性の違い」(「パターンb」、及び「パターンa」の各パターンの「見え方」が、「色の違い」を根拠として、「異なるもの」として認識されることを意味する。)を有する、透明着色パターン層Bの「パターンb」と、着色パターン層Aの「パターンa」とが、「同一の色を有する一つのパターンC」を構成するように形成されているため、ホログラム再生像の光が進む方向以外の観察角度においては、この「色」の同一性により、本発明の透明レリーフホログラムシート上には、単に、「一つの色を有する、一つのパターンC」が形成されているように観察される。
しかし、ホログラム再生像が発現する方向(角度)において、観察すると、全く「色」に変化を生じない「パターンa」と、僅かに「色」に変化を生じる「パターンb」とで、確実に判別可能な「色差」が発生し、「パターンC」が、単一の「一つのパターン」ではなく、2種類の「パターン」で構成されていることが判読されることとなる。
この「視認性の違い」は、一方のパターンが、観察角度に依存せず、一定の色にて、「安定」して視認できるものとして認識され、他方のパターンが、観察角度を変えたとき(透明レリーフホログラムシートをそのシート平面内において回転させる等により、ホログラム再生像の再生方向を変え、相対的に、その観察角度を変えることができる。)、その「色」が、いわば「不安定」なものとして認識されることを意味する。
ここでいう「色差」とは、例えば、L*a*b*色度図(LAB表色系)における△E{=(△a2+△b2+△L21/2)}で表される「色差」であって、「同色」とは、この「色差」が、0.5以下となることを意味する。
国際照明委員会(CIE)が提唱する表色系には、その他RGB系、XYZ系(Yxy系)、UVW系(Luv系)等があるが、これらは相関しており、容易に換算が可能であって、その換算値を用いることもできる。
そして、「色」の変化は、この△Eが0.5を超えると「差があるもの」として認識され(SLIGHT:差がわずかに感じられる。)、1.5を超えると明確にその「違い」を視認できる(NOTICEABLE:差がかなり感じられる。)。
本発明の透明レリーフホログラムシートを観察する一般的環境は、前述した種々の用途において、本発明の窓付き封筒を使用する環境であって、主として、郵便物や配送物を受け取って確認する場面における家庭内環境であり、場合によっては、屋外で受け取る場合の太陽光線、もしくは、太陽光線が建物等で反射した光が入射光となる環境である。
家庭内環境においては、一般家庭内の照明である蛍光灯等が光源となって、その蛍光灯等が発する光が入射光となるため、その角度は、複数、且つ、様々であり、それら多数の入射光によって、個々に対応するホログラム再生像が発現する。屋外においても、直接、太陽光線下で観察しない限り、同様である。
従って、この透明着色パターン層Bの「パターンb」は、それら対応する複数のホログラム再生像が発現する角度において、その度に、その「色」を変化させることとなり、他方、着色パターン層Aの「パターンa」の領域は、一つの「色」を常に呈することとなる。
このように、「パターンa」が「一定」の色を呈することは、この「色」を基準として、僅かに色が変化する「パターンb」を「対比する」ことを可能としており、この「対比」により、その意匠性や意外性を高めている。
この対比は、本発明の窓付き封筒の透明な窓以外の部分に、その「色」、すなわち、「パターンCとして認識される色」(これは、透明な窓の「パターン層A」の部分を視認した際の、そのほぼ変化しない「色」を意味する。)を呈する「印刷層」(「その『色』で形成された印刷層」を意味する。)を適宜な印刷デザインを用いて設けることにより、より強調され、「対比の基準となる色」の認識性を高めて、その「対比」をし易くし、「対比」による意外性をさらに高めることができる。
この「印刷層」は、適宜な印刷方法を用いて、適宜な印刷デザインにより、本発明の窓付き封筒の透明な窓以外の部分に設けることができる。
また、封筒に封入する封入物の窓部から視認できる領域に、設けることも好適である。この場合には、窓部に設けた「パターンa」や「パターンb」、そして「パターンC」と比較的近い位置に、もしくは、「パターンC」の延長と思われる位置に設けることができ、「対比の基準」を増すことができるため好適である。
但し、この「印刷層」は、窓付き封筒の封筒上、すなわち、封筒に用いた素材上の形成することとなるため、その素材の表面性、例えば、表面粗さ、白色度、光沢度、さらには、その表面を形成している樹脂材料や各種添加剤等の性質、を考慮して、それらに適した印刷層形成用のインキを選定し、酸化重合や紫外線硬化等の適宜な乾燥手法を用いて、オフセット印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷等により、適宜な厚さに形成する。また、封入物の上に設ける場合も同様の配慮が必要となるが、この場合には、さらに、その「印刷層」を、透明レリーフホログラムシートを通して観察することとなるため、この影響を考慮した上で、同一の「色」を作りだず必要がある。
その「印刷層」の厚さは、上記した「色」に合わせることを前提として、1.0μm〜20μmの範囲内で調整する。
さらに、その窓付き封筒の透明な窓以外の部分に、少なくともホログラム層、反射層、及び接着層からなるホログラム形成部を設け、且つ、そのホログラム形成層上、または、ホログラム形成層と反射層との間に、やはり、上記した「色」、すなわち、「パターンCとして認識される色」を呈する「着色パターン層D」(「着色パターン層Dがその『色』を呈する」ことを意味する。)を適宜なパターン(「パターンd」とする。)を用いて設けることにより、ホログラム層により再生される鮮明なホログラム再生像で非常に強い注意喚起を促し、且つ、その中にある「パターンd」を表す「色」によって、上記した「対比」を促し、その「対比の基準となる色」の視認性を高めて、「対比」による意外性をさらに高めて、その開封率の著しい向上を可能とする。
この際、着色パターン層Dは、上記した現象と同様の効果によって、その反射層から生成される「ホログラム層に記録したホログラムの再生像」によって裏面から照明されるため、「パターンCとして認識される色」と「パターンdとして認識される色」とを同一の「色」とするためには、「ホログラムレリーフ面からのホログラム再生像による着色パターン層Bの見え方」と「ホログラム層からのホログラム再生像による着色パターン層Dの見え方」とを同様のものとすることが望ましい。(例えば、その2つのホログラム再生像の再生方向を同様の方向とするなどの手法をとること意味する。)
そして、この反射層として、アルミニウム等の金属を用いず、TiOx等の金属化合物を用いた透明性を有する反射層を用いた場合には、上記した「着色パターン層D」は、さらに、反射層と接着層との間、さらには、接着層上に設けることができる。
但し、この場合には、「着色パターン層D」を視認する際に、反射層や接着層までをも透過した光で観察することとなるため、「色」を同一とするための調整がかなり困難を伴うものとなる。
また、そのホログラム形成部は、封筒上に直接形成したものであってもよいし、剥離性を有する転写箔用基材上に、ホログラム層、反射層、及び接着層を設けたホログラム転写箔を用いて、窓付き封筒の封筒面上の所定の位置に転写形成するか、ラベル基材上に、ホログラム層、反射層、及び接着層(この場合には、接着層が粘着層の役割を担う。)を設けたホログラムラベルを同様にその封筒面上に貼着して設けてもよい。
そして、ここで用いられるホログラム層、反射層、及び接着層、さらには、剥離性を有する転写箔用基材、もしくは、ラベル基材は、一般的なホログラムラベルや、ホログラム転写箔として通常用いられている材料の中から適宜選択することができる。
また、透明着色パターン層Bを、透明性を有しながら、ホログラム再生像を発現する反射光を僅かに透過するものとし(透過後のホログラム再生像のホログラム再生効率を回折格子換算の回折効率で表して、1〜5%とすることを意味する。)、そして、着色パターン層Aを隠ぺい性の高いものとすると、透明レリーフホログラムシートを一瞥したのみでは、上記した「視認性の差」を「認識し難いもの」とすることができ、この僅かな「視認性の差」が存在することを知りうる者(正当な権利を有する者を意味する。)のみが、その「差」を判読し、判定することができるようになる。
このようにして、本発明の窓付き封筒を受け取る者が、確かに自分宛ての郵便物、もしくは、配送物であることを確認できるようにすることも好適である。
すなわち、ホログラム再生像を発現しない方向から観察した場合には、「パターンb」及び「パターンa」は、いずれも、その背後の反射面、もしくは、反射性薄膜層からの反射光を受けて、その領域の隅々まで一様な明るさを付与された、同一の「色」として観察されることとなる。
この反射光は、「パターンb」においては、ホログラムレリーフ面、もしくは、その面に追従して形成されている反射性薄膜層からの「0次回折光」であって、その反射角度は、「正反射光」と同一の角度となる。そして、「パターンa」における反射光は、着色パターン層Aの下の「平坦な面」、もしくは、その面に追従して形成されている反射性薄膜層からの「正反射光」となる。
このように、いすれの領域における反射光も、同一角度に反射する光となる。
そして、その反射光の強度は、「パターンa」の方が大きくなるため(0次回折光は、入射光強度から、±1次〜高次回折光の光の強度を差し引いた強度となる。)、着色パターン層Aの光透過性を、透明着色パターン層Bの光透過性より低下させて(層の厚さを厚くするなどの方法により、隠ぺい性を持たせるという意味。)、それらの視認性を同一とすることが好ましい。(ここでいう「視認性が同一」とは、それらの反射光を色差計等により光学的に測定した場合に、「同一の色」となることを意味することは言うまでもない。)
例えば、「パターンa」の反射光と、「パターンb」の反射光との比が、1.5/1の時には、着色パターン層Aと透明着色パターン層Bに、同一の透明樹脂、同一の染料または顔料を用い、その厚さの比を1.5/1とする。
もしくは、着色パターン層Aの方に、透過する光を散乱させる効果を有する、シリコン樹脂等の透明な微粒子を添加することも、その調整が容易であるため好適である。
また、透明着色パターン層Bの透明性を高いものとすると(透過後のホログラム再生像のホログラム再生効率を回折格子換算の回折効率で表して、10〜30%とすることを意味する。)、上記したホログラム再生像が発現する角度において、透明着色パターン層Bの「パターンb」の領域と、その領域の周辺領域とのコントラスト(明るさの差)が小さくなり、あたかも「パターンb」が消失したように視認されるため、このように「消失」する部分を混入させることも、その意匠性や意外性を高めるためには好適である。
尚、回折効率は、光源として、半導体レーザー(例えば、キコー技研 MLX標準コリメートレーザー:電圧DC4.8〜6.5V・平行光時ビーム径拡大6mm)を用い、入射光強度に対する反射光強度の割合(%)で求めることができる。
透明着色パターン層Bと、着色パターン層Aとを、いずれも透明性の高いものとすると、「パターンb」においては、全反射光が強くなり、「パターンa」においては、ホログラムレリーフの0次回折光が、正反射光(すなわち、全反射光と同一の角度に進む光を意味する。)として強く反射し、いずれも明るい色を有する領域となって、その視認性を高めることができ、また、「視認性の差」を僅かなものとすることもできる。
これらの効果は、透明着色パターン層Bと、着色パターン層Aとを、いずれも透明性の高いものとしたときには、透明樹脂層の屈折率が高く、且つ、着色パターン層Aの屈折率も同様に高い場合(いずれもその屈折率が1.8以上とした場合。)や、反射性薄膜層の光の反射率が高い場合(照明光となる可視光線の反射率が70%以上の場合。)に顕著に表れる。
逆に、透明着色パターン層Bを、透明性を有しながら、ホログラム再生像を発現する反射光を僅かに透過するものとし、着色パターン層Aを隠ぺい性の高いものとしたときには、明樹脂層の屈折率が低く、且つ、着色パターン層Aの屈折率も同様に低い場合(いずれもその屈折率が1.3以下とした場合。)や、反射性薄膜層そのものの光の反射率が低い場合(照明光となる可視光線の反射率が30%以下の場合。)に顕著に表れる。
以上のように、透明着色パターン層Bの上下の面、及び、着色パターン層Aの下の面、の形成形状は、透過乃至は反射する光に対して、散乱性を持たず、透明樹脂層の第二面に平行な「平坦な面」(「鏡面」に近いものを意味する。)とする必要があり、ステンレススクリーン印刷方式、凹版方式、レジスト処理方式、さらには、着色層転写方式を用い、インキとしては、透明な樹脂に、その樹脂に溶解性の高い染料を混入させるか、若しくは、透明な樹脂に、粒径の小さい顔料を混入させ、その顔料が二次凝集しないように、ボールミルや、ニーダー等を用いて、顔料を樹脂中に十分に分散させたものを用いることが好ましい。
また、オフセット印刷方式や、グラビア印刷方式、シルクスクリーン方式を用いる場合には、形成時のインキの粘度調整、及び、乾燥条件の管理により、上記のような「平坦な面」を実現する必要がある。
透明着色パターン層Bの厚さは、2.0μm〜20μmであり、その平坦性は、表面粗さRaで、可視光の波長以下、すなわち、0.1μm〜0.5μmとする。
2.0μm未満では、安定した「色」を呈することができず、20μmを超えると、その断面が視認できるようになるため不都合である。
また、平坦性は、0.5μmを超えると光の散乱性が高くなり、その界面での光の反射が多くなって、その界面の視認性と、着色パターン層Aの視認性との間に、大きな差を生じることとなるため不都合である。平坦性は、もちろん、0.1μm未満とすることが好ましいが、印刷方式や、レジスト処理方式等において形成する場合には、物理的な困難性を伴うものとなる。
ホログラムレリーフ面は、その凹凸の形状そのものが、「3次元物体」の立体形状(位相)や、立体表面の反射強度(強度)を再現して、ホログラム再生像を結像し、その凹凸形状の精密性が、再現するホログラムの鮮明性に直結している。
ホログラムは、ホログラム再生の冗長性から、ホログラムレリーフの一部を消失(ホログラム再生像が結像する方向へ光が進行しない部分を設けるという意味。)しても、その鮮明性には影響を及ぼさないという性質を持つものの、それは、不要な光の成分が加わらないことによることを意味し、例えば、その凹凸形状に変形を加えた場合は、ホログラム再生像を形成する光の位相や強度を歪めることから、その変形が僅かであっても、ホログラム再生像の鮮明性を低下させることとなる。
従って、そのホログラムレリーフ面に、0.01μm厚さの僅かな油等の汚れが付着したり、微細な傷や凹みがついたり、僅かであっても凹凸が歪むような圧力が加わったりすると、その鮮明性の低下を招き、その真正性の判定を不安定なものとする。
このため、着色パターン層Aをホログラムレリーフ面上に形成する際には、細心の注意が必要であり、着色パターン層Aを設ける領域以外の凹凸面には、何らの作用も生じない方法を用いる。
このことから、オフセット印刷方式や、グラビア方式は、その原理から、着色パターン層A形成領域以外の凹凸面に、版胴が押し付けられ、その圧力のみならず、溶剤や湿し水が付着するという課題を有する。
従って、原理的に、着色パターン層Aを設ける領域のみに作用する方式である、ステンレススクリーン方式や、あらかじめパターン状に着色層を形成した転写シートを用いて、その着色層部分のみを転移させる着色層転写方式が好ましい。
もちろん、ホログラムレリーフに使用される透明樹脂をその表面強度の大きい電離放射線硬化タイプとして、ホログラムレリーフ形成後に十分硬化させ、且つ、着色パターン層Aを形成する際には、そのホログラムレリーフに全く影響を及ぼさない純度の高い溶剤や、純度の高い水(純水等。)を用いて、余分な付着物を後処理において除去可能とするなどの手法も好適である。
着色パターン層Aの厚さは、透明着色パターン層Bの厚さに対応して決められるが、少なくとも、ホログラムレリーフを埋めることが可能であって、且つ、第一面が「平坦な面」となるのに十分な厚さが必要であり、2.0μm〜10μmとする。その平坦性は、0.1μm〜1.0μmとする。
ホログラムレリーフの凹凸深さは、0.1μm〜2.0μmであるため、その厚さは、2.0μm以上とし、その段差を目立たなくするため、10μm以下とする。平坦性については、その面が、着色パターン層Aの下となって目立たなくなるため、透明着色パターン層Bよりやや粗いものであっても、その視認性には影響しない。
「パターンb」や、「パターンa」そして、それらが一つとなった「パターンC」としては、文字、図形、記号、及びそれらの組み合わせを用いることができる。
特に、ブランド、メーカー等が使用している「ロゴ」のように、互いに離間している(接していないという意味。)、複数の文字から構成されるものが好適であって、文字毎に、透明着色パターン層Bろ着色パターン層Aとを繰り返し変化させても良いし、複数の文字の「一文字」のみを着色パターン層Aとし、残りの文字を全て透明着色パターン層Bとするものであっても良い。
これは、「視認性」の変化が、「一文字」の中の一部のみで発生し(透明着色パターン層B)、他の部分は変化しないもの(着色パターン層A)とした場合の方が、その意匠性や意外性が高いためであり、また、上記したようにその判定する者が、その「変化」を判定する際に、「意図して設けられたもの」か、「単なる印刷ムラ」なのかを判別することが容易となるためであり、「一文字」全体が、「一様に変化」するか、「一様に変化しない」かを見分け易くするためである。
また、透明着色パターン層B(「パターンb」)と、着色パターン層A(「パターンa」)とを接して形成し、それを合体したものを「パターンC」とすると、「パターンC」内に、その境界線が発生して、その境界線上で二つの領域を見比べることを可能とし、その対比を強調することが可能となり、好適である。
但し、その境界線領域において、透明着色パターン層Bと着色パターン層Aとが、部分的に重なった場合には、その境界線領域が別の「色」を呈し、その意匠性や意外性を損なうこととなる。
さらに、透明着色パターン層B(「パターンb」)と、着色パターン層A(「パターンa」)の占める領域の大きさは、上記した「ロゴ」等の大きさ(例えば、ロゴを表す線の線幅が2mm。)であれば十分であるが、上記したそれぞれの層の効果を十分に引き出すためには、少なくとも、100μm以上の線幅を有することが必要である。
この線幅は、例えば、「文字を表す画線の内の一つの画線の幅」を意味し、これが、100μm未満であると、反射面や反射性薄膜層からの反射光に埋もれて、その「色」の変化を判読し難くなる。
ホログラム形成層を形成するには、透明樹脂層にあたる、透明性を有する感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を上記の樹脂材料からなる透明樹脂層に押し付けることにより、賦型を行なうか、もしくは、射出形成や、押し出し成型の型を上記の複製用型として用い、成形と同時に形成することも好適である。
ホログラムとしては、レインボーホログラム等を用いることができるが、「パターンC」や、「印刷層のデザイン」、もしくは、「パターンd」と同様のデザインの回折格子パターンとすることも、その意匠性や意外性を高めることができ、好適である。
このレインボーホログラムや、回折格子パターンは、一つの光源からの光に対する再生方向(回折方向)が、「光」の波長成分に依存して異なり、一つの角度ではなく、比較的広い角度へと再生像が発現する(回折光が進む。)ため、安定して、「パターンb」や「パターンd」の変化を視認することができ、好適である。
この第一面(ホログラムレリーフ形成面)、及び第二面にそれぞれ、着色パターン層A及び、透明着色パターン層Bを上記したように形成し、さらに、その着色パターン層A上と、その着色パターン層Aを形成しておらずホログラムレリーフ面が露出している領域上に、それらの面形状に追従するように、反射性薄膜層を形成することができる。
反射性薄膜層には、アルミニウム等の金属薄膜や、TiOx等の金属酸化物薄膜、さらには、金属窒化物薄膜を用い、真空蒸着法等の物理的形成方法、若しくは、CVD(化合気相成長)法等により形成することができる。
この反射性薄膜層を形成した際に、着色パターン層Aの端部に存在する「段差」(10μm厚さで形成すると、10μmの段差となる。)が、薄膜層の付着ムラや、薄膜材料の変質等により、その光反射性にムラを生じて(目立って)、透明着色パターン層Bの段差と、「明らかな差(視認性の差)」を生じないように、「パターンa」領域の端部(境界領域)の5μm〜20μmに「階調(グラデーション)」を設け、且つ、同様の「階調」を「パターンb」の端部にも設ける等の工夫を施すことは、意匠性や意外性を高くするためにも好適である。
その「階調」を施す方法としては、その厚さを10μm、5μm、1μmと徐々に小さくするか、もしくは、厚さ1μmの網点状として、その段差を小さくする方法が好適である。
また、観察者が、「パターンb」領域の色と、「パターンa」領域の色を視認する場合、単純には、「透明着色パターン層Bで反射する光」と、「一旦、ホログラム形成層を通過し、着色パターン層Aで反射して、再び、ホログラム形成層を通過して戻ってくる光」とを比較するため、その色差を小さくするために、ホログラム形成層の透明性は高いことが望ましく、その透明性を示す指標である、「ヘーズ」として10%以下とする。さらには、「ヘーズ」を1%以下とすることがより好適である。
観察者は、上記の比較に加えて、着色パターン層Aの隠ぺい性が高い場合を想定すると、
「パターンb」領域の色を視認する際には、「観察側から入射する光が、透明着色パターン層Bとホログラム形成層を通過し、反射面や反射性薄膜層で反射して、再び、ホログラム形成層と透明着色パターン層Bを通過して戻ってくる光」を視認し、「パターンa」領域の色を視認する際には、「観察側から入射する光が、ホログラム形成層を通過し、着色パターン層Aで反射して、再び、ホログラム形成層を通過して戻ってくる光」とを視認して、その両者を「対比」することになるので、その色差を小さくするために、透明着色パターン層Bの透明性は高いことが望ましく、その透明性を示す指標である、「ヘーズ」として、10%以下とする。より好適には、「ヘーズ」を1%以下とすることが望ましい。
また、着色パターン層Aの透明性が高い場合を想定すると、
観察者は、「パターンb」領域の色を視認する際には、「観察側から入射する光が、透明着色パターン層Bとホログラム形成層を通過し、反射面や反射性薄膜層で反射して、再び、ホログラム形成層と透明着色パターン層Bを通過して戻ってくる光」を視認し、「パターンa」領域の色を視認する際には、「観察側から入射する光が、「ホログラム形成層と着色パターン層Aを通過し、反射面や反射性薄膜層で反射して、再び、着色パターン層Aとホログラム形成層を通過して戻ってくる光」とを視認して、その両者を「比較」することとなる。
いずれにしても、これらの光の透過や、反射の状況に応じて、その顔料や、染料の含有量や、形成厚さを設定する。
「ヘーズ」を、10%以下に抑えるためには、
ホログラム形成層においては、ホログラム形成層となる透明樹脂層に「ヘーズ」が10%以下の透明な樹脂を用い、透明着色パターン層Bにおいては、「ヘーズ」が5%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に相溶する染料を1%〜10%添加したものを用いるか、「ヘーズ」が2%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に分散性の良い微粒子有機顔料若しくは、微粒子有機顔料を、1%〜5%添加したものを用いる。
これにより、透明着色パターン層Bの視認性をより明確なものとし、その意匠性や意外性をさらに高めることができる。
また、上記したように、着色パターン層Aが透明であって、ホログラム形成層のホログラムレリーフを埋めるように形成されている場合には、そのホログラム形成層と着色パターン層Aが形成している「界面」を、透明レリーフホログラムシートに入射した「光」が通過(透過)する際に、その「光」が、不要な「位相」変化や、「強度」変化を受けないことが望ましい。
そのために、ホログラム形成層の屈折率と、着色パターン層Aの屈折率を同一、若しくは、その屈折率差を0.1以下とする。
その屈折率差が「0」の場合には、その「界面」そのものが存在しないように「光」が透過し、屈折率差が存在したとしても、その屈折率差が「0.1以下」の場合には、その「光」に対する不要な「位相」変化や、「強度」変化を十分に抑制することができ、着色パターン層Aによる、ホログラムレリーフを消失させる効果をより明確なものとして、その意匠性や意外性をさらに高めることができる。
ここで、透明な樹脂の屈折率は、例えば、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)、ポリスチレン(n=1.60)、ポリエチレンテレフタレート(n=1.64)、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ樹脂(n=1.61)、フェノール樹脂(n=1.60)等であり、これらの樹脂単独、もしくは、この混合体等を適宜用いることができ、ホログラム形成層の屈折率に対して、所定の屈折率差の透明な「層」を設けることができる。
また、透明な樹脂の屈折率を大きくするために、比較的屈折率の高い樹脂の高分子構造の中に、原子屈折率の高い「硫黄原子」や、塩素原子やフッ素原子等の「ハロゲン成分」、さらには、高屈折率構造を持つ「芳香環基」を分子レベルで導入する方法や、TiOxやZrOx等の高屈折率金属酸化物の超微粒子(平均粒径:0.0003μm〜0.03μm)を樹脂材料に高度に分散させる方法、さらには、高分子材料の分子構造の中に、所定の金属塩を取り込ませる方法等によって、屈折率n=1.9を超えるものとすることができる。
例えば、透明な樹脂の屈折率を大きくするために添加する微粒子透明顔料や超微粒子顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、カオリン、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、珪藻土、石膏、タルク、珪石粉等の体質顔料を細かく粉砕したものや、マイクロシリカ等の無機微粒子、シリコン樹脂やフッ素樹脂粉末等の微粒子樹脂紛体、その他、平均粒径で、0.1μm〜0.01μmとした微粒子顔料や、0.01μm以下とした超微粒子顔料を使用する。
また、天然に産する方解石、氷州席、アラゴナイト、石灰岩、大理石、貝殻、チョーク、重晶石、石膏、ギブス石などを微粉砕したものや、その合成物において平均粒径を調整したもの、もしくは、一般的に用いられる無機顔料、や有機顔料においても、超微粒子酸化チタンや超微粒子酸化ジルコニウム等、その平均粒径を、0.01μm以下としたもの等は、適宜な樹脂材料との混合において、透明となるため、好適である。特に、顔料そのものの屈折率が2.0〜3.0であるものが好ましい。この屈折率が3.0を超えるものは、金属光沢が発現し始めるため、その透明性に欠けるものとなるため好ましくない。
より具体的には、超微粒子酸化チタン(石原産業株式会社製TTO−55N:屈折率n=2.4)を適宜な樹脂に分散した場合に、その屈折率は、1.9〜2.0であり、また、超微粒子酸化ジルコニウム(動的光散乱法における平均粒径0.0001μm〜0.05μm)を適宜な樹脂に分散した場合の屈折率は、1.7〜1.9である。
さらに、最も受取人の注意をひくことができる、「環境対応を施した製品」とするため、窓付き封筒そのものを環境にやさしい材料で構成することで、受取人に好感をもたせるとともに、他の郵便物・配送物との差別化を図る。
このために、透明レリーフホログラムシートを生分解プラスチックで構成する。
生分解性プラスチックとは、1種類の生分解性プラスチック単独であることのみならず、1種類の生分解性プラスチックに澱粉を混ぜたもの、あるいは複数種類の生分解性プラスチックの混合物、あるいはこれらの混合物に可塑剤が添加された組成物等をも包含する。
一方の面にレリーフホログラムが形成され、且つ、着色パターン層A、及びBが設けられた透明レリーフホログラムシートとして、透明なフィルムそのものを、ホログラムレリーフを有する「ホログラム形成層」とする方法においては、「ホログラム形成層」及び、「着色パターン層AとBを構成する樹脂材料」を生分解性プラスチックとし、、
または、透明基材の少なくともその一方の面に、透明な樹脂をコーティングして、ホログラムレリーフを有する「ホログラム形成層」を設けた積層体とする方法においては、その透明基材とその透明な樹脂、及び、「着色パターン層AとBを構成する樹脂材料」を生分解性プラスチックとする。
以上のごとく、一方の面にレリーフホログラムが形成され、且つ、着色パターン層A、及びBが設けられた透明レリーフホログラムシートとして、窓付き封筒に設けられるシートの全てを生分解性プラスチックで構成するものとする。
もちろん、この透明レリーフホログラムシートを窓付き封筒に貼着する接着剤も可能な限り、生分解性プラスチックとする。
さらには、封筒本体を構成している封筒上紙と封筒下紙等を非木材紙から構成することも好適である。
非木材紙の原料には農産廃棄物、草木類、繊維作物などが利用でき、
例えば農産廃棄物としては、さとうきびの糖汁を搾り取った後のカス(バガス)、麦わら、稲わら、パーム椰子(パーム油抽出後に廃棄される房の部分)、バナナ(収穫後の幹の部分)など、
草木類としては、竹、葦、エスパルト(北アフリカ、南スペインが主生育地で固く強い草)、雑草など、
さらには、繊維作物としてケフナ、アバカ、サイザル、ジュート、亜麻、コットンリンター、こうぞ、雁皮、みつまたなど用いることができる。
この窓付き封筒を湿性の土中に埋めることで、封筒全体も分解できるようになるものである。
上記したように、封筒下紙の重ね合わせ面には封筒上紙の窓部に対応する位置に宛名部が設けられているとともに、封着部分に囲まれた内部領域であってその窓部に対応しない位置に情報記録部が設けられているが、この宛名部と情報記録部とは、大豆油を溶剤として含有する大豆油インキを用いて所要な情報、罫線、図柄など、印刷すべき事項や、地紋等が印刷されており、また、封筒上紙の外表面(封筒本体としての外面)には郵便料金前納表示マーク等が印刷されていて、これらの印刷を大豆油インキにて印刷形成することがまた好適である。
さらに封筒上紙のマーク以外の領域と封筒下紙の外表面(封筒本体としての外面)にも必要に応じて印刷すべき事項を設けることができ、その場合にも大豆油インキを用いて印刷することができる。
この印刷に際して、大豆油インキはインキ皮膜の硬度が高いので、耐熱性、耐摩擦性に優れ、印字装置の搬送部やトナー定着部(ノンインパクトプリンタの場合)、印字ヘッド(感熱プリンタの場合)へのインキの付着による汚れが生じ難く、この汚れに伴う封筒側への転移も生じないようになり、連続して大量の印字動作が可能となる。
従って、使用後の窓付き封筒は、土壌中あるいは堆肥中に廃棄することで加水分解あるいは/および微生物により炭酸ガスと水に分解され、ゴミとして自然界に残留することがなく、景観悪化や環境破壊が抑制される。また、窓付き封筒や、その印刷インキのみが生分解性プラスチックで、透明レリーフホログラムシートが通常の透明な樹脂(もしくは、透明基材上に透明な樹脂を設けた積層体。)にて形成されていれば、窓付き封筒から個々に、透明レリーフホログラムシートを剥がして分別処理しなければならないが、本発明ではそのような手間もかからないので、窓付き封筒の回収、処理が容易である。
本発明において、生分解性プラスチックとして、
脂肪族ポリエステル系の生分解性プラスチックが使用され得る。
脂肪族ポリエステル系の生分解性プラスチックとしては、ラクトン系樹脂あるいはポリブチレンサクシネート系樹脂あるいはポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート共重合体を挙げることができる。
ラクトン系樹脂とポリブチレンサクシネート系樹脂と生分解性の可塑剤との混合物、またはポリ乳酸系樹脂と生分解性の可塑剤との混合物、またはポリ乳酸系樹脂と澱粉との混合物、あるいは変性ポリビニルアルコールと澱粉と脂肪族ポリエステル系樹脂との混合物から形成されてなるものが好ましく、それによって押出成形が容易で、使用時の物性、廃棄後の生化学的分解性等においてバランスがとれた透明レリーフホログラムシートを提供することができる。
ラクトン系樹脂は、生分解性であり、具体的には、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンの単独重合体またはこれら2種以上のモノマーの共重合体、これらの単独または共重合体の混合物が挙げられる。これらの重合体または共重合体は、常温で軟化しないものが好ましく、この観点から、高分子量であって融点が60℃以上で、安定した性質を有するものが適当である。中でも、数平均分子量が10,000〜200,000程度のポリカプロラクトンが好ましい。以下、単に脂肪族ポリエステル系樹脂と呼ぶ場合は、ラクトン系樹脂以外の脂肪族ポリエステル樹脂を意味するものとする。
また、脂肪族ポリエステル樹脂は、例えば、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の生分解性のポリエステル樹脂(ポリブチレンサクシネート系樹脂としては、昭和高分子株式会社のビオノーレに代表される低分子量脂肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成されるポリエステル樹脂を例示することができる)、特開平9−235360号、同9−233956号公報記載の三元共重合体の脂肪族ポリエステル、特開平7−177826号公報記載の乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、また、特開平11−275987号公報記載のε−カプロラクトンとε−カプロラクタムより合成されるポリアミドエステル樹脂、ポリアミノ酸樹脂等が挙げられる。
なお、脂肪族ポリエステル樹脂は、特開平9−67513号公報記載の低分子量の脂肪族ポリエステルに脂肪族イソシアネートを添加、反応させてウレタン結合により高分子量化したものでもよい。脂肪族ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル{OCN‐(CH2)4‐CH(‐NCO)(‐COOCH3)}、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、中でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。ウレタン結合を含む脂肪族ポリエステル樹脂は、数平均分子量が20,000以上のものが好ましい。また、特開平9−67513号公報に記載されているようなコハク酸と1,4−ブタンジオールとから得られるポリエステル樹脂、コハク酸とエチレングリコールとから得られるポリエステル樹脂、シュウ酸とネオペンチルグリコールとから得られるポリエステル樹脂、シュウ酸と1,4−ブタンジオールとから得られるポリエステル樹脂、シュウ酸とエチレングリコールとから得られるポリエステル樹脂等が例示できる。これらの脂肪族ポリエステル樹脂としては、GPCによる標準ポリスチレン換算で数平均分子量が20,000以上200,000以下、好ましくは40,000以上200,000以下のものが使用できる。
生分解性可塑剤としては、例えば、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノオレート、グリセリンモノアセトモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステルを単独または組み合わせて、好適に使用することができる。また、この可塑剤に加えて、生分解性を有する滑剤を使用してもよい。そのような滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸等の単独または混合物が挙げられる。
生分解性プラスチックとしては、ラクトン系樹脂とポリブチレンサクシネート系樹脂との混合物に対して、可塑剤を、2〜20/105〜150程度、さらに2〜12/105〜150程度、2〜8/105〜150程度の重量比で添加することがネット成形時の安定性や成形されたネット袋体の柔らかさにおいて好ましい。また、ラクトン系樹脂とポリブチレンサクシネート系樹脂は、5〜50:100程度の重量比が適当である。したがって、本発明の生分解性プラスチック(組成物)においては、ラクトン系樹脂:ポリブチレンサクシネート系樹脂:可塑剤が5〜50:100:2〜20程度の重量比で混合されていることが好ましい。
さらに、透明レリーフホログラムシート等に用いられる生分解プラスチックは、低温処理に適するものもより好適であって、
化学合成系として、ラクトン系樹脂:εーカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、βープロピオラクトン、γーブチロラクトン、δーバレロラクトン、エナントラクトンの単独重合体またはこれら2種以上のモノマーの共重合体、これらの混合物融点60℃〜100℃、ポリカプロラクトン(融点60℃)、もしくは、ポリブチレンサクシネート系樹脂:ポリブチレンサクシネート・アジペート(融点95℃)、ポリブチレンサクシネートとポリカプロラクトンとの混合物(融点65℃〜110℃)、ポリブチレンサクシネートとポリブチレンサクシネート・アジペートとの混合物(融点95℃〜110℃)、ポリブチレンサクシネート・アジペートとポリ乳酸との混合物(融点95℃〜110℃)、もしくは、ポリ乳酸、ポリ乳酸とD−乳酸との混合物などにおいて融点が55℃〜110℃のもの、もしくは、低分子量脂肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成したポリエステル樹脂、例えばコハク酸とブタンジオール、エチレングリコールとの組み合わせや、シュウ酸とネオペンチルグリコール、ブタンジオール、エチレングリコールとの組み合わせなど、変性ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステル樹脂と澱粉の混合物、低分子量脂肪族ポリエステルに脂肪族イソシアネートを添加して重合させたものなどの中で、融点が55℃〜110℃のものが好適である。
また、天然物系として、ゼラチンなどの動物性天然物質、セルロースなどの植物性天然物質など:澱粉脂肪酸エステル、澱粉キトナン・セルロースなど、微生物生産系として、ポリヒドロキシブチレートや、ポリエステル系:炭素源として3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、γ―ブチロラクトンをベースとするP(3HB−CO―4HB)、炭素源としてプロピオン酸、吉草酸をベースとしたP(3HB−CO―3HV)などの中で融点が比較的低いものが好適である。
これらの生分解プラスチックは、ポリ乳酸(融点180℃)、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート共重合体(融点190℃)、分子量が数十万を越えるポリエステル系樹脂(融点160℃以上)、菌体内にポリ(3−ヒドロキシ酪酸)ホモポリマーを顆粒状態で蓄積しこれを取り出した高結晶性ポリエステル(融点180℃)などより生分解性に優れるという特徴を有する。
透明レリーフホログラムシート等に用いられる生分解プラスチックの層構成、やそれぞれの厚さは、上記した厚さと同様とする。但し、透明性が若干劣る場合には、その範囲の内、より薄いものを用いる。
但し、その厚さが小さいと、熱処理による歪み、変形の影響を受けやすくなるため、また、環境に配慮して使用材料を削減するためにも、エネルギー使用量を低減するためにも、ホログラム形成層や、その上のホログラムレリーフを形成する際、また、着色パターン層AやBを設ける際にも、より低温処理とすることがさらに望ましい。そのため、上記材料や、処理方法のうち、可能な限り、低温処理可能な材料や、処理方法を採用することが好適である。
本発明の透明レリーフホログラムシートを、窓フィルムとして設けた窓付き封筒を蛍光灯下で観察したところ、その透明レリーフホログラムシートのホログラム再生像が発現しない方向においては、透明着色パターン層Bの領域である「パターンb」も、着色パターン層Aの領域である「パターンa」も、同一の「色」に見え、一つの「色」からなる「一つのパターンC」として認識できた。
さらに、その窓付き封筒の透明な窓以外の部分に設けた「印刷層」も、また、それらの部分以外の部分に設けたホログラム形成部が有する「着色パターン層D」もそのホログラム層のホログラム再生像が発現しない方向においては、その「色」と同一の「色」に見えた。
この窓付き封筒を、すなわち、透明レリーフホログラムシートを、その透明レリーフホログラムシート面内において、所定角度回転させ、且つ、観察する方向を所定の方向へと少し変えたところ、その透明レリーフホログラムシートのホログラム再生像が発現する方向となり、「パターンb」のみ「色」に変化が生じて、その「対比」を容易に視認することができた。
本発明によれば、窓付き封筒において、大きい領域を確保可能な、宛名等に割り当てられた「窓」部に、すなわち、受取人が本人なのか若しくは家族等であるのかを確認するため、必ず視認する宛名用窓部に、その下にある宛名等の印字を目視にて十分視認でき、及び/または、郵便区分け機等の光学的機械読み取りに支障なく認識可能である、着色パターン層A及びBを有する透明レリーフホログラムシートを設けることにより、また、封筒上に所定の色の印刷層を設けることにより、さらには、封筒上にホログラム形成部を設けることにより、封筒における所定の一つの位置に十分な大きさを確保でき、且つ、顧客の注意を十分に喚起して、その開封率を向上し、さらに、量産性に優れる、窓付き封筒を提供することができる。
また、これらの窓付きフィルムを生分解性プラスチックで構成することにより、環境負荷を低減可能なこともアピールし、窓付きフィルムを剥して観賞用に保管する等の行為を促進し、より開封率を向上できる窓付き封筒を提供することができる。
本発明の一実施例を示す窓付き封筒の加工中の図である。 本発明の一実施例を示す窓付き封筒(封緘前)である。 本発明の別の実施例を示す窓付き封筒である。 本発明の一実施例に用いられる透明レリーフホログラムシートの断 面図を示す図(その第一面にホログラムレリーフ、及び、そのホロ グラムレリーフを埋めるように着色パターン層Aが形成され、その 第二面には、透明着色パターン層Bが形成されている例。)である 。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(窓付き封筒、封筒本体)
本発明の窓付き封筒1は、上記したように、種々の製袋機を用いて、加工可能であるが、その一例としては、封筒本体2の窓部3に、透明レリーフホログラムシート4(この透明レリーフホログラムシート4の断面図を表す場合には、図4に示すように、「透明ホログラムシートH」と称す。)を上記した適宜な接着剤(図示せず。)を用いて、貼着したものとする。(図1〜図4参照。)
但し、この接着剤は、一般的な粘着剤や接着剤を用いることができるが、特に、「再剥離性」を有することが好ましい。
接着剤には、エポキシ・変成シリコーン樹脂系等の弾性系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、オレフィン樹脂系、EVA系などのホットメルト系接着剤、酢酸ビニル系、EVA系、アクリル系などのエマルジョン系接着剤、エラストマー系接着剤、熱硬化性樹脂系接着剤、アルキル-α-シアノアクリレート系等の瞬間系接着剤、粘着・接着形接着剤、ゴム系接着剤、一液形接着剤、二液混合形接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、反応形アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系、ニトロセルロース系などの樹脂系溶剤形接着剤、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、SBRゴム系などのゴム系溶剤形接着剤、エポキシ変性、ポリビニルアセタール変性、ニトリルゴム変性などのフェノール樹脂、ポリ乳酸系接着剤(環境配慮)、さらには、再湿接着剤(水分を加えることで接着性を復活させるもの)等を用いることができる。
粘着剤には、天然ゴム系、合成ゴム系、熱可塑性エラストマー系などのゴム系粘着剤、溶剤型アクリル系、エマルション型アクリル系、、液状紫外線硬化型、電子線硬化型などのアクリル系粘着剤、過酸化物硬化型シリコーン系、付加型シリコーン系などのシリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等に、適宜、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系などの粘着付与剤を添加したものや、これらのエマルション型やホットメルト型等、さらに、再剥離型アクリル系粘着剤、微粘着型シリコーン系粘着剤、ポリ乳酸系粘着剤(環境配慮)、さらには、再湿粘着剤(水分を加えることで粘着性を復活させるもの)等を用いることができる。
また、これらの混合系を用いることができ、さらに、種々の添加剤、すなわち、マイクロシリカ、炭酸カルシウム等の体質顔料など、種々の通常用いられる添加剤も用いることができ、本発明においても、用途に応じ、これらを適宜入れ替えたり、混合したりして用いることができる。
これらは、処理する方法により、例えば、圧力を掛けて処理する場合には、感圧接着剤・粘着剤と呼ばれ、加熱処理する場合には、感熱接着剤・粘着剤と呼ばれる。
その形成厚さは、「紙」の上に適用する場合は、「紙」への浸透を考慮し、3μm〜10μmの厚さで、「フィルム」の上に適用する場合には、その浸透がないため、薄くすることができ、0.5μm〜3μmの厚さで形成する。
もちろん、これら材料をパターン印刷処理する代わりに、適宜な幅の両面テープを適用して接着(粘着)させることも好適である。特に、受取人に封緘処理をさせる場合などは、その封緘部分に両面テープを剥離紙を残したまま適用する。(再湿接着剤や再湿粘着剤も用いうる。)
一般的には、封筒上紙の開口部の開口位置から数mmの位置に、幅1mm程度で、厚さ5μm程度のパターン状に形成され、透明レリーフホログラムシート4をその上に載せた後、透明レリーフホログラムシート4全体に圧力を掛け、接着剤形成部にて圧着されることで、透明レリーフホログラムシート4を固定する。(図3参照。接着剤形成部は図示せず。)
このとき、ホログラムレリーフ形成面(図4においては、「透明レリーフホログラムシートのホログラムレリーフ」14の面。以下、略して、「ホログラムレリーフ14面」とも称す。)は、表側にあっても、裏側(封筒内部側)にあってもよいが、開封率を向上させるために、ホログラムレリーフ14深さを調節する場合は、裏側を向いていた方が設計が容易である。その上、郵送、乃至は、配送される際にそのホログラムレリーフ14面が他の郵便物や、配送物等と接触しないため、損傷を受けにくいという利点を有する。
特に、本発明の透明レリーフホログラムシート4における、着色パターン層Aと着色パターン層Bの設計については、そのホログラムレリーフ形成面が、裏側(封筒内部側)にあるものとして詳述している。
もちろん、そのホログラム形成面を表側としても、同様の原理に基づいて、それぞれ、着色パターン層Aや着色パターン層Bの材料組成や厚さ等を設計することができることは言うまでもなく、その場合においても、ホログラムレリーフ14のホログラム再生像によって、その「色」に変化を生じるのは、着色パターン層Aである。
封筒本体2は、封筒上紙5と、封筒上紙6とを製袋処理ユニットをセットした、一般的なフォーム印刷機等を用いて、上記した適宜な接着剤から選択した、封筒製袋用の接着剤11により製袋され、バースト処理されて、個々の封筒となる。封筒上紙5には、必要に応じ所定のマーク10(郵便マーク等)が印刷されている。
封筒本体2、封筒上紙5と、封筒上紙6には、その用途の応じ、封筒に用いられる紙、若しくは板紙は、一般的には、印刷用紙・情報用紙、包装用紙、雑種紙、若しくは、段ボール原紙、紙器用板紙等を適宜選択し用いる。その厚さは、用途により適宜選択するが、例えば、連量が45kg/四六判(メートル坪量52.3g/m2)〜180kg/四六判(メートル坪量209.3g/m2)の上質紙等を用いる。
この個々の封筒本体2には、一般的な封入・封緘機を用いて、別途準備した、所定の位置に印字された宛名部8や、その他の部分に印字された情報記録部9をその表面に持つ、書面等12からなる封入物が挿入され、封緘されて、郵便物もしくは配送物となって、郵便配達乃至は、宅配配送される。郵便物の場合には、郵便法及び郵便規則に準拠して、材料選択及び加工処理される。(図1、図2及び図3参照。)
製袋加工時や、封入・封緘時に貼着されている透明レリーフホログラムシート4のホログラムレリーフ14面や、着色パターン層Aが損傷を受けないよう配慮することが必要である。もちろん、その反対面、または着色パターン層Bが傷ついた場合にも、その透明性や外観が劣化するため、いずれの面も擦り傷等の損傷を受けないよう十分な配慮が必要となる。
(透明レリーフホログラムシート、ホログラム形成層、着色パターン層A、着色パターン層B及び透明基材)
透明レリーフホログラムシート4(以下、透明レリーフホログラムシートHとも称す。)に用いる「透明樹脂層」は、「透明レリーフホログラムシートHを構成するホログラム形成層」(以下、略して「ホログラム形成層13」とも称す。)単独構成、もしくは、「透明レリーフホログラムシートHを構成する透明基材」(以下、略して「透明基材」とも称す。)と、ホログラム形成層13との2層(図示せず。)、さらには、それらのホログラムレリーフ14面に追従するように設ける金属化合物材料からなる反射性透明薄膜(図示せず。)や、その上にさらに適宜な透明性を有する樹脂からなる保護層(図示せず。)や、透明基材のホログラム形成層13とは反対の面に、耐擦傷性の離型処理層(図示せず。)等を設けたものを用いることができる。それぞれの層は一般的に用いられる方法を用いて、適宜な厚さに形成される。そして、「透明樹脂層」の第一面にホログラムレリーフ14を有し(これがホログラム形成層13となる。)、そのホログラムレリーフ14の一部を覆うように「着色パターン層A」15が設けられ、さらに、「透明樹脂層」の第二面に、「透明着色パターン層B」16が設けられている。(図4参照。)
ホログラム形成層13は、透明な樹脂材料または、透明な樹脂フィルムで構成される。
その透明な樹脂材料または、樹脂フィルムとしては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
さらに、環境に配慮して、上記した生分解プラスチックをホログラム形成層13として用いることができる。
上記の樹脂材料を用いてホログラム形成層13を形成するには、直接的に形成することもできるが、複製用型を用い、賦型を行なうこともできる。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造として使用できる。
若しくは、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、カレンダー加工法等の各種成形方法により、樹脂を成形すると同時にホログラムレリーフを形成して、ホログラム形成層とすることもできる。
ホログラムは、レーザ再生ホログラム、白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子、複合回折格子で構成されるホログラムや、マシンリーダブルホログラムなどを用いることができる。
本発明において、「ホログラム」を鑑賞用とし、「開封率向上」をその目的として設けているが、その窓付き封筒が信頼できる送付人から送られてきたことを示すという、いわゆる、「真正性判定機能」を併せ持つことも好適である。例えば、送付人が窓付き封筒を送付した後、受け取り人が、その中にある申込書等に所定の個人情報等を記入して、同封されている返信用封筒をその送付人に送付する際に、その申込書が正しい送付人に送付されるものであることを保証するような目的で使われることも好適である。
但し、宛名情報等を光学的に認識する場合には、上述したように、所定の条件を満足したホログラムとすることが必要である。
凹凸のピッチ(周期)は、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、通常0.1μm〜1μmである。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、画像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再現もしくは再生画像が鮮明となる。
レリーフ形状を賦形(複製ともいう)する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記ホログラム形成層13上に、その原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製し、ホログラムレリーフ14とすることができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温・高圧下で複製を行う。
従って、生分解性プラスチックも、低温処理の可能なもの、すなわち、その融点が低いものが好ましく、その融点が110℃以下のものは特に好ましい。
原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCr、Ni薄膜を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μm形成した後、金属を剥離することで作ることができる。
高圧回転式の複製に用いるためには、このNi層の厚み精度を高くする必要があり、通常±10μm、好ましくは、±1μmとする。このため、裏面の研磨や、平坦化方法を用いてもよい。
複製方式は、高圧とするため、平板式でなく、回転式を用い、線圧0.1トン/m〜10トン/m、好ましくは、5トン/m以上とする。複製用シリンダーは、その直径が小さいとレリーフの再現性が低下するため、複製シリンダー直径は大きい方が好ましく、通常、直径0.1m〜2.0m、好ましくは、1.0m以上の弧を使用する。
例えば、適宜な「透明基材」上に設けたホログラム形成層13をこの複製用シリンダーに沿って押し当て、裏面より(「透明基材」側から)金属製シリンダーにより上記圧力にて複製を実施する。複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小限とするためには、「透明基材」全体を加熱するのではなく、ホログラム形成層13面側の一部のみを加熱する方法が望ましい。通常60℃〜110℃に加熱する。さらには、裏面の金属製シリンダーを常温に保つ、もしくは冷却することで、さらにその精度を向上させることができる。
「透明基材」は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、透明レリーフホログラムシートHを製造する際の処理や加工に適した耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
さらに、環境に配慮して、上記した生分解プラスチックを透明な基材として用いることも好適である。
本発明の透明レリーフホログラムシートHでは、透明樹脂層の第一面にホログラムレリーフ14が設けられたホログラム形成層13の、そのホログラムレリーフ14を埋めるように「着色パターン層A」15を形成し、そして、その透明樹脂層の第二面に「透明着色パターン層B」16を形成する。(図4参照。)
「透明着色パターン層B」16に用いられる顔料としては、
有機顔料として、キナクリドン系レッド・マゼンタ、アンスラキノン系レッド・イエロー、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー・オレンジ、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型)、銅フタロシアニングリーン、異種金属フタロシアニンブルー、スレン系ブルー、アゾ系顔料として、溶性アゾ顔料(カーミン6B、パーマネントレッド2B他)、不溶性アゾ顔料(ジスアゾ系、モノアゾ系他)、不溶性多環式顔料(赤:キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、橙:ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、黄:キノフタロン、イソインドリノン、緑:フタロシアニン、青:フタロシアニン、インダンスレン、紫:ジオキサジン他)、不溶性レーキ顔料(赤:レーキレッドC、ウォチュングレッド他)などがある。
特に、不溶性アゾ顔料、不溶性多環式顔料、不溶性レーキ顔料は、着色力が強く、鮮明な色相を有し、透明性が高いため好適である。
無機顔料としては、複合酸化物系顔料、微粒子複合酸化物系顔料、紺青、ハイブリッド型顔料等があるが、さらに、弁柄、モリブデンレッド、HYPERLINK "http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%AB%E3%83%89%E3%83%9F%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89/" カドミウムレッド、HYPERLINK "http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%89%9B%E4%B8%B9/" 鉛丹(以上、赤色。)、黄鉛(HYPERLINK "http://100.yahoo.co.jp/detail/%E8%B5%A4%E5%8F%A3/" 赤口)、モリブデンオレンヂ(橙色)、カドミウムオレンジ(橙色)、群青(ウルトラマリンブルー)、紺青(プルシアンブルー)、コバルトブルー、セルリアン、マンガン青(以上、青色。)、アンバー(茶色。)、黄鉛、カドミウムイエロー、チタン黄、黄色酸化鉄(以上、黄色。)、酸化クロム、コバルトグリーン、ビリジアン、ピーコック(以上、緑色。)、マルス紫、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット(以上、紫色。)その他、体質顔料、金属粉顔料等が用いられる。
顔料の粒径は、「透明着色パターン層B」16の透明性を確保するため、0.01〜0.1μmのもの(微粒子顔料)とする。但し、この粒径のものは、二次凝集しやすく、再分散処理等を施す必要がある。添加量は、用いる形成方法において、形成する厚さとのバランスで決められるが、通常1%〜20%添加が好適であり、適宜な溶剤または水に溶かして、2〜20μm厚さに形成する。
形成方法は、「透明着色パターン層B」16の平坦性を、表面粗さRaで、0.1μm〜0.5μmとするため、ステンレススクリーン印刷方式、凹版方式、レジスト処理方式、さらには、着色層転写方式が好ましい。
さらに、「透明着色パターン層B」16の「ヘーズ」を、10%以下に抑えるためには、「ヘーズ」が2%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に分散性の良い微粒子有機顔料若しくは、微粒子有機顔料を、1%〜5%添加したものを用いる。
アクリル樹脂(ヘーズ2%以下)、ポリカーボネート樹脂(同2%以下)等に、上記微粒子顔料を1%〜5%添加し、ホログラム形成層13に対する溶解性の小さい溶剤系を用いて、固形分30%〜50%として形成する。
このとき、溶剤系に乾燥速度の比較的遅いもの(沸点100°以上、好ましくは、沸点130°以上のもの。)を溶剤成分の10%〜20%混入させ、その乾燥中に、「透明着色パターン層B」16の最表面のレベリングを促進することも好適である。
「透明着色パターン層B」16に用いられる染料としては、天然染料、及び合成染料があり、ダイレクトレッド2、ダイレクトレッド28(コンゴレッド)などの直接染料、オレンジ2などの酸性染料、メチレンブルーなどの塩基性染料、カチオン染料、アリザリンなどの媒染染料、モーダントブラック3などの酸性媒染染料、硫化染料、インディゴなどの建染染料、ナフトール染料、ディスパースイエロー7、ディスパースオレンジ3、ディスパースレッド17、1、4−ジアミノアンスラキノンなどの分散染料、レアクティブレッド1などの反応染料等を用いることができる。
これら染料を、相溶性の高い透明樹脂に溶解させることで、鮮明な色相と、高い透明性を得ることができるため、その添加量は、1%〜30%とする。また、染料系を用いた場合は、顔料系よりも形成時のレンズベリング性や、表面平滑性に優れるため、より「平坦な面」を実現することができる。
固形分及び、形成方法は顔料系と同様である。
さらに、「透明着色パターン層B」16の「ヘーズ」を、10%以下に抑えるためには、「ヘーズ」が5%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に相溶する染料を1%〜10%添加したものを用いる。
また、「透明着色パターン層B」16に使用される樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ、ホログラム形成層13との接着性の良好なもの、顔料や染料の分散性・相溶性の良いものが使用できる。
さらに、これらの顔料や、染料に加えて、「色」を調整するため、粒径0.1μm〜1.0μmの炭酸カルシウム等の透明体質顔料や、透明性を有しながら光散乱性を有するシリコンパウダー等の高屈折率透明樹脂粒子を使用することもできる。
これら体質顔料や、透明樹脂粒子は、「透明着色パターン層B」16の光透過性を抑制する効果を持ち、その添加量は、固形分比1%〜10%とする。1%未満では、添加した効果が表れず、10%を超えると、インキとしてのレベリング性や、分散性に悪影響を及ぼすことになる。
「着色パターン層A」15用いられる樹脂、顔料、及び染料としては、上記したものにおいて、ホログラム形成層13との接着性の良好なもの、顔料や染料の分散性・相溶性の良いものが使用でき、「透明着色パターン層B」16と同様の透明性を付与する場合には、その配合も「透明着色パターン層B」16と同様とするが、「透明着色パターン層B」16とは異なり、隠ぺい性を付与する場合には、隠ぺい性に優れるチタン白、鉛白等の顔料を用いることになる。
また、その形成時に、ホログラム形成層13のホログラムレリーフ14の面の形状や性質に影響を及ぼさないようにするため、その溶剤系や、形成方法を選択する。特に、その形成プロセスにおいて、「着色パターン層A」15を形成する領域(「パターンb」の領域。)以外の領域にあるホログラムレリーフ14面には、一切、物理的、化学的な接触の無い方法が望ましい。
また、「着色パターン層A」15が設けられている領域における、ホログラムレリーフ14界面(ホログラム形成層13と「着色パターン層A」15との界面。)において、その界面での反射率をほぼ「0%」とするために、ホログラム形成層13に使用する透明樹脂層の屈折率と、「着色パターン層A」15に使用する樹脂の屈折率を同一とするか、その屈折率差を0.1以下とするように、「着色パターン層A」15に使用する樹脂を選定することができる。
例えば、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができ、熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、ニトロセルロース樹脂(n=1.54)、酢酸ビニル樹脂(n=1.47)、もしくは、ポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、ウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、もしくはフェノール樹脂(n=1.60)等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができ、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート(n=1.55)、ウレタンアクリレート(n=1.54)、アクリル変性ポリエステル(n=1.64)等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
また、「着色パターン層A」15の屈折率を大きくするために、上記した「透明な樹脂」に用いることができる屈折率の高い材料を使用することができる。その場合の「着色パターン層A」15の屈折率は、1.7〜1.9とすることができる。
さらに、環境に配慮して、生分解プラスチックを用いることもできる。
もちろん、これらの樹脂を、「透明着色パターン層B」16にも使用し、その耐久性や、物理特性の高いものとすることも好適である。
また、透明レリーフホログラムシートHの「着色パターン層A」15と、ホログラムレリーフ14を覆うように反射性薄膜層(図示せず。)を形成することができ、これにより、ホログラム再生像の視認性、特に、「着色パターン層A」15の形成してある側からホログラムレリーフ14を観察する際のホログラム再生像の視認性を向上させることができる。
この反射性薄膜層は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層13よりも高い屈折率を有する透明性薄膜であれば、特に限定されない。
例えば、ホログラム形成層13よりも光屈折率の高い透明性薄膜、具体的には、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなどがある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したものなどが例示できる。またアルミニウムなどの一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出て使用できる。
反射性薄膜層は、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(化合気相成長)法などの真空薄膜法などにより設ければよい。特にCVD法はホログラム形成層13への熱的ダメージが少ない。また、他の薄膜形成法を用いても、形成する薄膜層を薄くしておくと、その熱的ダメージを少なくすることができる。例えば、アルミニウム蒸着層であれば、形成条件によるが、ほぼ20nmが透明性が無くなり全反射性を出現する臨界点である。この厚さは薄膜材料、形成方法、加熱温度・真空度等の形成条件により異なる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
図1のごとく、封筒上紙5と、封筒下紙6に、連量が70kg/四六のロール状の上質紙を用い、フォーム輪転印刷機を用いて、マージナル部7の加工や、ミシン加工その他の加工、及び、窓部3(宛名部8用開口部、55mm×90mm)の開口処理をしながら、通常の印刷用インキ、及び通常用いる接着剤11(封筒製袋用糊)等にて、マーク10を含む所定の固定情報の印刷加工や糊加工を行った。
その後、インクジェットプリンターにて、宛名部8や、情報記録部9に個別情報や、追加の固定情報を印字した後、製袋ユニット及び窓加工部を有する連続製袋機にて、長形3号(235mm×120mm)の封筒本体2を作製し、別途作製した書面等12の所望の封入物を封入して、実施例1の窓付き封筒1とした。
この時、窓用フィルムとして、透明レリーフホログラムシート4(H)をタテ65mm×ヨコ100mmにカットしたものを準備した。(図1〜3においては、「透明レリーフホログラムシート4」であり、図4においては、「透明レリーフホログラムシートH」である。)(図1〜図4参照。)
これに用いたホログラムは、レーザー光学系を用いて、30mm×70mmサイズの「絵画モチーフ」をレインボーホログラムとして、その結像位置を、記録面から5mmの位置として撮影し、現像処理してレリーフホログラムとし、そのホログラムレリーフ面を型取りしたNi原盤によって、回転方式にて、線圧1トン/m、150℃にて、「透明樹脂層」(ホログラム形成層13となる。)である30μmの透明な無延伸ポリエチレンフィルムの第一面にエンボス加工して、ホログラムレリーフ14を設けたものを使用した。
そして、この「透明樹脂層」(ホログラム形成層13)の第二面に、下記組成の「透明着色パターン層B」16を、ステンレススクリーン方式を使用して、厚さ5μmの赤色の文字(ロゴ)「BR ND」として形成した。
この文字サイズは、5mm×5mmの文字とし、一つのブランクを含む5文字を繰り返えして左右に配置したデザイン(左右方向に、3mmの隙間を設けた。)とし、タテ65mm×ヨコ100mmサイズの透明レリーフホログラムシート4(H)の、下辺から5mm〜10mmの位置に横一列となるように設けた。(従って、窓付き封筒1を外側から観察すると、窓部3の下辺にほぼ接して、横横一列に文字が並んでいるように観察される。)
「BR ND」の文字の画線幅は、ほぼ300μmであった。(このデザインが、「パターンb」に相当する。)
その乾燥条件は、緩やかなものとし、文字表面の平滑性を高めた。
・<透明着色パターン層B用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
さらに、このホログラム形成層13のホログラムレリーフ14面上に、そのホログラムレリーフ14を埋めるように、「透明着色パターン層B」16と同一組成の「着色パターン層A」15を、ステンレススクリーン方式を使用して、厚さ7μmの赤色の文字(ロゴ)「 A 」として形成し、透明レリーフホログラムシート4(H)(図4参照。)として、実施例1の窓付き封筒1に用いられる窓用フィルムとした。
このとき、このロゴ「 A 」は、4つのブランクと一つの文字からなり、その「A」の位置が、ちょうど、「透明着色パターン層B」16の(ロゴ)「BR ND」の中央に位置するように配置した。「 A 」の文字の画線幅も、ほぼ300μmであった。(このデザインが、「パターンa」に相当する。「パターンa」、「パターンb」そして、「パターンC」は図示せず。)
そのホログラムレリーフ14の回折効率(入射光に対する反射回折光の強度。)は5%とし、ホログラムレリーフ14を窓付き封筒1の内側に向くようにした。
透明レリーフホログラムシート4(H)用の粘着剤(図示せず。)は、微粒子マイクロシリカを混入させたゴム系(再剥離性を有する。)とし、2mm幅で厚さ5μmの開口部より一回り大きい長方形のパターンとした。
封入物は別途印刷加工し、所望の印刷及び宛名等、個別情報印字をして、A4サイズの3つ折とし、書面等12としたものを、その宛名等が、窓付き封筒1の窓部3の位置に合うよう調整して、封入し、実施例1の窓付き封筒1を作製し、その後、封緘した。
この実施例1の窓付き封筒1を封緘した郵便物は、通常郵便物第一種郵便物(封書)に準拠しており、郵送時、郵便区分け機による光学的宛名読み取りに支障のないものであった。
この郵便物の窓部を視認すると、「絵画モチーフ」を鑑賞することができ、「透明着色パターン層B」16と「透明着色パターン層A」15とからなる「・・・BRANDBRAND・・・」の文字を同一の「色」からなる一つの「パターンC」として、認識できた。
そして、この郵便物を傾けると、「パターンb(「BR ND」)」の「色」のみが変化し、「一つのパターンC」と認識していた文字列が、実際には、「パターンa(「 A 」)」と、「パターンb(「BR ND」)」の2つのパターンから構成されていることに気づき、高い意匠性と意外性を有することを認識できた。(図示せず。)
また、この郵便物を開封し、その窓部3から、透明レリーフホログラムシート4(H)を剥したところ、粘着残渣は全く無く、観賞用として適し、且つ、より鮮明な「絵画モチーフ」のホログラムを鑑賞することができた。(図示せず。)
(実施例2)
実施例1の窓付き封筒1の窓部3以外の部分(封筒上紙5の裏面にあたる部分)に、一つの「パターンC」として認識される「色」と同一の「色」を呈する、「印刷層」(図示せず。)を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の窓付き封筒1を得た。(図1〜4参照。但し、「印刷層」は、図示せず。)
このとき、「印刷層」は、「印刷層」用インキ組成物として、下記組成のインキ組成物を用い、シルクスクリーン方式を用いて、厚さ4μmの赤色の文字(ロゴ)とし、窓部3の下の辺から下方に10mm離れた位置に、「パターンC」と同一大きさ、且つ、同一配列で、平行に並ぶように設けた。(図示せず。)

・<「印刷層」用インキ組成物>
メラミン樹脂 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
酢酸エチル 20質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 1 5質量部
この実施例2の窓付き封筒1を実施例1と同様にして封入封緘した郵便物を、観察したところ、「対比の基準となる色」の認識性が高まり、その「対比」がし易くなり、その結果「対比」による意外性がさらに高まったこと以外は、実施例1と同様の好適な結果を得た。
(実施例3)
50μm厚さの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、メラミン樹脂からなる5μm厚さのホログラム層(20mm×20mmサイズの「絵画モチーフ2」をレインボーホログラムとして記録したもの。)を設け、その上に、「着色パターン層D」を設けた後、そのホログラム層と「着色パターン層D」を覆うように、200nm厚さのアルミニウム蒸着層を形成した後、適宜な粘着剤を20μm厚さで設け、直径30mmで打ち抜いて、「着色パターン層D」入りホログラムラベルを作製し(図示せず。)、このホログラムラベルを、実施例1の窓付き封筒1の窓部3以外の部分(封筒上紙5の裏面にあたる部分)に貼着したこと(これが、ホログラム形成部となる。図示せず。)、及び、「着色パターン層D」を視認したときの「色」を、実施例1の「透明着色パターン層B」16に用いたものと同様の組成物を用いて、一つの「パターンC」として認識される「色」と同一の「色」を呈するように調整しつつ形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の窓付き封筒1を得た。
このとき、「着色パターン層D」は、「印刷層」用インキ組成物として、下記組成のインキ組成物を用い、シルクスクリーン方式を用いて、厚さ4μmの赤色の文字(ロゴ)とし、その文字サイズ及び配列を「パターンC」と同様とした。(図示せず。)
この実施例3の窓付き封筒1を実施例1と同様にして封入封緘した郵便物(図1〜図4参照。)を、観察したところ、まず、「絵画モチーフ2」の鮮明なレインボーホログラムを視認し、且つ、その中にある、「着色パターン層D」である「BRAND・・・」の赤い文字列を認識し、次いで、その「絵画モチーフ」と、その「着色パターン層D」と同一の「色」からなる一つの「パターンC」を認識した。
その結果、実施例3の窓付き封筒1に対する注意喚起が十分となる上、「対比の基準となる色」の認識性が高まり、その「対比」がし易くなり、その結果「対比」による意外性がさらに高まると思われた。
(実施例4)
ホログラム形成層13を構成する「透明樹脂層」として、アクリル樹脂(ヘーズ2%)を用い、「透明着色パターン層B」16に、下記組成のインキを用いたこと(従って、「着色パターン層A」15も下記組成のインキを用いることとなる。)以外は、実施例1と同様にして、実施例4の窓付き封筒1及び郵便物を得た。(図1〜図4参照。)
・<透明着色パターン層B用組成物>
アクリル樹脂アクリル樹脂(ヘーズ2%) 30質量部
レイキッドC微粒子有機顔料 1質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 3 4質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
この郵便物を、実施例1と同様に評価したところ、「透明着色パターン層B」16の「色」(青色)の変化が、より明確に視認されたこと以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
(実施例5)
ホログラム形成層13を構成する「透明樹脂層」として、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)を用い、「着色パターン層A」15と「透明着色パターン層B」16に、下記組成のインキを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の窓付き封筒1及び郵便物を得た。(図1〜図4参照。)
・<着色パターン層A及び透明着色パターン層B用組成物>
アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
この郵便物を、実施例1と同様に評価したところ、「着色パターン層A」15の領域におけるホログラムレリーフ14の消失効果がより強く感じられたこと(観察角度を変えても、その「色」が変化しないことを意味する。)以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
(実施例6)
実施例5の「着色パターン層A及び透明着色パターン層B用組成物」として、下記組成物を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、実施例6の窓付き封筒1及び郵便物を得た。(図1〜図4参照。)
・<着色パターン層A及び透明着色パターン層B用組成物>
エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
この郵便物を、実施例1と同様に評価したところ、「着色パターン層A」15の領域におけるホログラムレリーフ14の消失効果が、強く感じられたこと(観察角度を変えても、その「色」が変化しないことを意味する。)以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。


(実施例7)
ホログラムを電子線描画方式で同様の「絵画モチーフ」のホログラムレリーフを電子線レジストに露光し、その現像処理において、凹凸形状の深さを、「空気」とホログラム形成層13との界面において、空気側から観察した時が、最大回折効率となるようその現像時間を調整したこと以外は、実施例1と同様として、実施例7の窓付き封筒1、そして、そのメール便配送物を得た。(図1〜図4参照。)
透明レリーフホログラムシート4(H)をその封筒への加工前に観察したところ、ホログラム形成面から観察した際には、光学式撮影方式で撮影したものより鮮明なホログラムが観察できたが、その反対面である透明基材14側から観察した際には、ホログラム再生像があることは判別できたが、明るさ及び鮮明度に劣るホログラムしか再生しなかった。
このことをもとに、窓付き封筒1の表面に、「ホログラムは、裏面より観察願います。」との文言を加えることで、この窓付き封筒1を受け取った人が、この窓付き封筒1を開封する率が大幅に向上し、且つ、その鮮明さの差を実感するものと思われた。
(実施例8)
三菱樹脂製エコロージュ(ポリ乳酸フィルム)25μmにエンボス加工して、透明レリーフホログラムシート4(H)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8の窓付き封筒1、そして、そのメール便配送物を得た。(図1〜図4参照。)
実施例1と同様に観察したところ実施例1と同様の良好な結果を得た。
また、窓付き封筒1の表面に、「ホログラムは、環境にやさしい材料により作製されています。」との文言を加えることで、この窓付き封筒1を受け取った人の注意を惹くとともに、このことにより、この窓付き封筒1を開封する率が大幅に向上し、且つ、このホログラムを剥して手元に保管し易くなるものと思われた。
(比較例)
(比較例1)30μmの透明な無延伸ポリエチレンフィルムにホログラムレリーフをエンボス加工しないこと以外は、実施例1と同様にし、比較例1の窓付き封筒を得た。
この窓付き封筒を実施例1と同様に評価したところ、なんら特徴がなく、受け取り人の注意も惹かず、開封率の向上は見込めないものと思われた。
[回折効率測定方法]
:光源:半導体レーザー:キコー技研 MLX標準コリメートレーザー
:電圧DC4.8〜6.5V・平行光時ビーム径拡大6mm
:効率:反射光強度/入射光強度*100(%)
H 透明レリーフホログラムシート(断面図)
1 窓付き封筒
2 封筒本体
3 窓部
4 透明レリーフホログラムシート
5 封筒上紙
6 封筒下紙
7 マージナル部
8 宛名部
9 情報記録部
10 マーク
11 接着剤(封筒製袋用糊)
12 書面等
13 透明レリーフホログラムシートを構成するホログラム形成層
14 透明レリーフホログラムシートのホログラムレリーフ
15 着色パターン層A
16 透明着色パターン層B

Claims (6)

  1. 透明な窓を有する窓付き封筒において、
    前記透明な窓が、前記封筒の内側に向かう第一面と、前記封筒の外側に向かう第二面を有する透明樹脂層からなり、且つ、前記第一面にはホログラムレリーフ及び、前記ホログラムレリーフを埋めるように着色パターン層Aが形成され、前記第二面には透明着色パターン層Bが形成されている透明レリーフホログラムシートで構成される窓付き封筒であって、
    前記封筒を観察した際に、前記着色パターン層Aと、前記透明着色パターン層Bとが、同一の色を呈し、前記色で形成された一つのパターンCとして視認されることを特徴とする窓付き封筒。
  2. 請求項1に記載の窓付き封筒の前記透明な窓以外の部分に、前記色で形成された印刷層が設けられていることを特徴とする窓付き封筒。
  3. 請求項1に記載の窓付き封筒の前記透明な窓以外の部分に、または、請求項2に記載の窓付き封筒の前記透明な窓以外で、且つ、前記印刷層が形成された部分以外の部分に、少なくともホログラム層、反射層、及び接着層からなるホログラム形成部が設けられており、前記ホログラム形成部が着色パターン層Dを有し、且つ、前記着色パターン層Dが前記色を呈することを特徴とする窓付き封筒。
  4. 前記透明樹脂層、及び、前記透明着色パターン層Bのヘーズが、いずれも10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窓付き封筒。
  5. 前記透明樹脂層の屈折率と、前記着色パターン層Aの屈折率が同一、若しくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窓付き封筒。
  6. 前記透明レリーフホログラムシートが生分解プラスチックからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の窓付き封筒。
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