JP2014162178A - 流路部材および液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の電位を的確に制御することが可能であり、また、製品の小型化やコストダウンに貢献することが可能な構成を提供する。
【解決手段】液体を収容する圧力室と、上記圧力室の側面を形成する振動板と、上記振動板の上記圧力室側と逆側に設けられた第一電極、第一電極の上記圧力室側と逆側に設けられた圧電体層および圧電体層の上記圧力室側と逆側に設けられた第二電極を有する圧電素子とを備え、上記振動板は、上記圧力室に面し導電性を有する導電膜と、当該導電膜よりも導電性が低く且つ当該導電膜よりも上記圧電素子側の層を形成する基材と、当該基材の粒界に入り込み当該導電膜と同一素材によって形成された導電路とを有し、上記導電路は、上記導電膜と上記第一電極とを電気的に接続する。
【選択図】図3

Description

本発明は、流路部材および液体噴射装置に関する。
インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドは、ノズルに連通する流路内のインクを、ノズルを介して外部に噴射する。このとき、流路内のインクが帯電していると、例えば、印刷媒体側の帯電(静電気)の状態によってインク滴の飛翔方向が変化するなどし、記録品質に影響が出るおそれがあった。従来、インクは、ノズルを有する導電性のノズルプレートと、ノズルプレートと接触する金属部品であり接地(アース)されているヘッドカバーとを介して、接地されていた(特許文献1参照)。
特開2011‐778号公報
従来の構成おいては、ノズルプレートを絶縁体で作る場合や、ノズルプレートとヘッドカバーとの接触が不完全な場合や、ノズルプレートとヘッドカバーを構造上の理由から接触させられない場合には、インクを接地することができず、インクの帯電に起因して記録品質に影響が生じるおそれがあった。また、ヘッドカバーを介して接地する構成であるため、ヘッドカバーを省略することができず、そのことが製品の小型化やコストダウンの妨げに成り得た。さらに、インクを接地するだけでなく、インクを帯電させてインクの電位をグラウンドレベルではない所望の電位としたいという要望がある場合に、従来の構成ではそのような要望に的確に応えることができなかった。
本発明は少なくとも上述の課題を解決するためになされたものであり、液体の電位を的確に制御することが可能であり、また、製品の小型化やコストダウンに貢献することが可能な流路部材および液体噴射装置を提供する。
本発明の態様の一つは、流路部材は、液体を収容する圧力室と、上記圧力室の側面を形成する振動板と、上記振動板の上記圧力室側と逆側に設けられた第一電極、第一電極の上記圧力室側と逆側に設けられた圧電体層および圧電体層の上記圧力室側と逆側に設けられた第二電極を有する圧電素子とを備え、上記振動板は、上記圧力室に面し導電性を有する導電膜と、当該導電膜よりも導電性が低く且つ当該導電膜よりも上記圧電素子側の層を形成する基材と、当該基材の粒界に入り込み当該導電膜と同一素材によって形成された導電路とを有し、上記導電路は、上記導電膜と上記第一電極とを電気的に接続する。
当該構成によれば、流路部材内の液体は、圧力室の側面を形成する振動板(導電膜および導電路)を介して第一電極と電気的に接続する。従って、第一電極の電位を設定することにより、液体の電位を的確に制御することが可能となる。また、従来のようにヘッドカバーを介して接地する構成ではないため、ヘッドカバーとの電気的接触の不具合等に起因する液体の接地失敗が無く、また、ヘッドカバーを省略して製品の小型化やコストダウンに貢献することも可能である。
本発明の態様の一つは、上記第一電極は、所定電位に維持されているとしてもよい。例えば、第一電極は接地される。
当該構成によれば、流路部材内の液体は、振動板(導電膜および導電路)を介して第一電極と電気的に接続するため、確実に所定電位に維持される。例えば、第一電極を接地させることにより流路部材内の液体は接地され、液体が帯電することによる記録品質への悪影響を無くすことができる。
本発明にかかる技術的思想は流路部材という形態のみで実現されるものではなく、他の物によって具現化されてもよい。例えば、流路部材を含む液体噴射ヘッドや、さらに当該液体噴射ヘッドを搭載した装置(液体噴射装置)を一つの発明として捉えることが可能である。また、上述した流路部材を製造する製造方法の発明を捉えることも可能である。
液体噴射ヘッドの主要構成の一部を例示する分解斜視図である。 ノズルを通過する断面を例示する断面図である。 液体噴射ヘッドの一部範囲を拡大的かつ模式的に例示する断面図である。 インクジェットプリンターの一例を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態にかかる液体噴射ヘッド10の主要構成の一部を、分解斜視図により例示している。液体噴射ヘッド10は、本発明にかかる流路部材を含んで構成される。ここでは、液体噴射ヘッド10は、インクを噴射(吐出)するインクジェット式記録ヘッドであるとして説明を行う。液体噴射ヘッド10は、振動板20、流路プレート30、封止プレート40、リザーバープレート50、ノズルプレート60といった各部材を含んで構成される。これら各部材は、それぞれが個別に生成されて積層されるものであってもよいし、それら(あるいはそれらの一部)が一体的に生成されるものであってもよい。
振動板20は、流路プレート30の一方の面を封止する。流路プレート30は、液体の流路31を複数有する。流路31は、その長手方向を第一方向と平行とした状態で、第一方向に直交する第二方向に並設されている。流路31と流路31との間には、隔壁36が設けられている。本明細書において、液体噴射ヘッド10の各構成の方向や位置や距離等について、平行、直交あるいは同一、等と表現した場合であっても、それらは厳密な平行、直交あるいは同一のみを意味するのではなく、製品性能上許容される程度の誤差や製品製造時に生じ得る程度の誤差も含む意味である。また、本明細書において、物と物とが「接する」とは、物と物との間に接着剤等が介在する状態と、介在する物が無い状態とのどちらをも含む意味である。
それぞれの流路31は、供給孔32と、圧力室33と、連通孔34とを含んで構成される。圧力室33は、流路プレート30の上記一方の面において開口しており、供給孔32および連通孔34は、流路プレート30の他方の面において開口している。供給孔32は、圧力室33の長手方向における一端側近傍で圧力室33と連通している。連通孔34は、圧力室33の長手方向における他端側近傍で圧力室33と連通している。
振動板20は、流路プレート30側と逆側の面に、圧電素子80(図2参照)を搭載する。圧電素子80は、後述するように、第一電極、一方側において第一電極と接する圧電体層および圧電体層の他方側と接する第二電極を有して構成される圧力発生手段である。図1では、圧電素子80を構成する圧電体層81を例示しており、圧電体層81は、各流路31の圧力室33に対応して配置されている。振動板20や流路プレート30は、例えば、セラミックスやシリコン単結晶基板等で生成されるが、本実施形態では、振動板20および流路プレート30は、セラミックスの一種としてのジルコニアを焼成することにより一体生成されているものとする。
ノズルプレート60は、インクを噴射するための貫通孔としてのノズル61を複数有する。流路31毎の各連通孔34は、各圧力室33と各ノズル61とを一対一で連通させる。ただし図1の例では、流路プレート30の上記他方の面と、ノズルプレート60との間には、封止プレート40とリザーバープレート50とが介在する。封止プレート40は、一方の面を、流路プレート30の上記他方の面に対して接する。リザーバープレート50は、一方の面を、封止プレート40の他方の面に対して接する。また、リザーバープレート50は、他方の面を、ノズルプレート60の外部に露出する面(ノズル開口面)と逆側の面に対して接する。
図1の例では、ノズルプレート60は、ノズル61が第二方向に沿って所定の間隔で複数形成されたノズル列62を有している。なお、ノズルプレート60は、複数のノズル61が第二方向に沿って形成された複数のノズル列を第一方向に並設し、一方のノズル列と他方のノズル列とを第二方向においてずらして配置する(いわゆる千鳥配置とする)構成を採用してもよい。
リザーバープレート50は、複数の第二連通孔51と、リザーバー52とを有する。リザーバー52は、共通インク室とも呼ぶ。第二連通孔51とリザーバー52とは、いずれもリザーバープレート50を貫通する。各第二連通孔51は、各ノズル61に一対一で対応する位置に配置されている。リザーバー52は、ノズル列62の第二方向における長さに略対応して、第二方向における長さが確保されている。封止プレート40は、複数の第一連通孔41と、共通供給孔42とを有する。第一連通孔41と共通供給孔42とは、いずれも封止プレート40を貫通する。
各第一連通孔41は、各第二連通孔51と同様に各ノズル61に一対一で対応する位置に配置されている。また、各第一連通孔41は、各連通孔34とも一対一で連通する。共通供給孔42は、リザーバー52と同様にノズル列62の第二方向における長さに略対応して、第二方向における長さが確保されている。また、共通供給孔42は、各供給孔32と連通する。リザーバー52は、(後述する外部からのインク供給経路を除いて、)ノズルプレート60と接する側でノズルプレート60により封止され、封止プレート40と接する側で共通供給孔42と相対する箇所を除いて封止プレート40により封止されている。封止プレート40やリザーバープレート50やノズルプレート60は、例えば、セラミックスやシリコン単結晶基板やステンレス鋼等で生成される。
このような液体噴射ヘッド10において、振動板20と、圧力室33を有する流路プレート30と、振動板20に形成される圧電素子80とを含む構成は、特許請求の範囲における流路部材の一例に該当する。以下では、一体生成された振動板20および流路プレート30を第一流路基板11と呼ぶこともある。また、圧電素子80を搭載する第一流路基板11を、アクチュエーター基板と呼ぶこともできる。また、以下では、封止プレート40、リザーバープレート50およびノズルプレート60をまとめて第二流路基板13と呼ぶこともある。なお、液体噴射ヘッド10は、図1に図示した部材の一部を有さない構成であってもよいし、図1に図示した部材以外の部材を含む構成であってもよい。例えば、第二流路基板13は、封止プレート40、リザーバープレート50およびノズルプレート60の全てを含むものでなくても良く、また、封止プレート40、リザーバープレート50およびノズルプレート60以外の部材(層)を含むものであってもよい。
図2は、液体噴射ヘッド10の断面であって、第二方向に垂直(第一方向に平行)な面を例示している。当該断面は、ノズル61を通過する断面である。図2に示すように、圧力室33は、連通孔34、第一連通孔41および第二連通孔51を介して、ノズル61に連通している。また、振動板20の流路プレート30と接する面と逆側の面には、圧電素子80が圧力室33に対応する位置に接合している。圧電素子80は、圧力室33に近い側から順に第一電極82、圧電体層81および第二電極83が積層されて構成される。例えば、第一電極82は、複数の圧電素子80に共通して設けられた(複数の圧電素子80が共有する)共通電極である。一方、第二電極83は、圧力室33に対応する圧電素子80毎に設けられた個別電極である。
第二電極83には、パターンやケーブル類(フレキシブル基板等)90を介して制御回路基板100が接続され、制御回路基板100から駆動電圧が印加される。一方、第一電極82は電位が所定レベル(例えばグラウンドレベル)に保持される。第一電極82は、それが接地される場合、例えば、パターンやケーブル類(フレキシブル基板等)90を介して制御回路基板100へ接続され、制御回路基板100あるいは制御回路基板100の更に先に設けられた接地点と接続されることにより、接地される。あるいは、第一電極82は、制御回路基板100側ではない任意の接地点に接続されるとしてもよい。かかる構成により、圧電素子80が駆動電圧に応じて変形する。
リザーバー52へは、図示しないインク供給経路を介して、外部からインクが供給される。リザーバー52へ供給されたインクは、共通供給孔42を通過して、各供給孔32から各圧力室33へ供給される。上述のような圧電素子80の変形に伴い振動板20が撓むことにより、圧力室33内で圧力が高まり、かかる圧力の高まりに応じて圧力室33内のインクがノズル61から噴射される。ここで、本実施形態ではインクを第一電極82と導通させることによりインクを接地する。具体的には、振動板20は、圧力室33に面し導電性を有する導電膜22と、導電膜22よりも導電性が低く且つ導電膜22よりも圧電素子80側の層を形成する基材21と、基材21の粒界に入り込み導電膜22と同一素材によって形成された導電路23とを有する。そして、導電路23は導電膜22と第一電極82とを電気的に接続する。
図3は、振動板20、圧力室33および第一電極82を含む一部範囲を、図2と同様の視点により拡大的かつ模式的に例示している。図3では、部材の断面を表すハッチングの一部を省略して図示を簡略化している。図3に示すように、圧力室33にはインクIkが満たされている。基材21は、振動板20の基材であり、上述したように一例としてジルコニアにより生成されている。一方、導電膜22は、基材21よりも高い導電性を有し、例えば、タンタルやアルミニウムやニッケル等の金属素材や、その他の導電性部材により生成されている。
本実施形態では、基材21を形成する結晶の粒子Gは、導電膜22を形成する結晶の粒子よりも大きい。例えば、基材21の粒子Gの径が0.1〜1.0μm程度であれば、導電膜22の粒子の径は、その10分の1から100分の1程度の大きさである。導電膜22の粒子は、基材21の粒子間(粒界GB)に入り込むことが可能な程に小さい。言い換えると、このような粒子の大小関係を満たす各素材で基材21と導電膜22とを生成する。そのため、導電膜22が基材21の面に成膜されるときに、導電膜22の一部が基材21の粒界GBに入り込み、反対側(第一電極82が搭載される側)まで達する。このような、導電膜22の一部であって基材21の粒界GBに入り込み反対側まで達した部分が、導電路23である。従って、導電路23は、導電膜22と第一電極82とを電気的に接続する役割を果たし、その結果、インクIkが導電膜22、導電路23および第一電極82を介して接地される。
このように本実施形態によれば、液体噴射ヘッド10は、流路内のインクを確実に接地することができる。従って、帯電したインクがノズル61から噴射されることを防止し、インクが帯電していることによる記録品質への悪影響を無くすことができる。また、従来のようにヘッドカバーを介してインクを接地する構成ではないため、ヘッドカバーとの電気的非接触に起因するインクの接地失敗が無く、またヘッドカバーを省略することができるため、製品の小型化やコストダウンに貢献する。
振動板20は、その厚みが数μmと非常に薄い部材であり、圧電素子80の変形を受けて撓むものでもあるため、ひび割れ等を起こし易い。また、当該ひび割れで生じたクラックを介してインクが圧力室33から外部へ漏れるという不具合も生じかねない。このような状況において、導電膜22は、基材21の表面の耐久性を向上させる保護膜としても機能する。つまり本実施形態によれば、振動板20の強度を向上させ、インク漏れ等を防止することもできる。なお、振動板20が基材21および導電膜22を含むと解してもよいし、基材21を振動板20そのものと捉えて、振動板20(基材21)の圧力室33側を向く面20a(図2参照)に、導電膜22が成膜されていると解してもよい。
以下に、導電膜22および導電路23を生成する工程を含む液体噴射ヘッドの製造方法の一例を簡単に説明する。
第一流路基板11における振動板20(基材21)の面20aに導電膜22を成膜するに際し、面20aとは反対側の面に、帯電した物体(例えば、帯電した第一電極82)を置いた状態とする。かかる状態で、第一流路基板11の、第二流路基板13側を向く開口(供給孔32の開口や連通孔34の開口)から圧力室33内へ、導電膜22および導電路23となる素材を注入する。このとき、当該素材については、上記帯電した物体とは逆の極性に帯電させておくことが望ましい。これにより、当該素材は面20a側に引き寄せられて面20aに対して定着し、導電膜22が形成される。これは、面20aがメッキ処理されたとも言える。また、当該素材の一部が、基材21の粒界GBに進入し、導電路23が形成される。その後は、第一流路基板11と第二流路基板13との接合や、(振動板20上への圧電素子80の形成が未実施であれば)振動板20上への圧電素子80の形成や、制御回路基板100との接続等を行うことにより、液体噴射ヘッド10の製造が終了する。
他の実施形態:
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような実施形態も可能である。これまでに述べた実施形態と以下に述べる実施形態とを適宜組み合わせた内容も、本発明の開示範囲に含まれる。
インクは、接地されるものに限られず、所定電位に保たれるものであればよい。例えば、第一電極82が、接地されずに、パターンやケーブル類(フレキシブル基板等)90を介して所定の電圧が印加されることで、インクの電位を所定電位とすることができる。この場合、例えば、インクをプラス(あるいはマイナス)に帯電させ、一方、インクの噴射を受ける印刷媒体をインクとは逆の極性に帯電させておくことで、印刷媒体へのインクの付着を安定させる、といったことも可能である。
また、第二流路基板13は、必ずしも封止プレート40およびリザーバープレート50を備える必要は無く、いわゆるコンプライアンスプレート等の他のプレートを備えてもよい。さらに、これらのプレートが複数のプレートで構成されてもよいし、複数のプレートの機能を一枚のプレートが備えるとしてもよい。例えば、第二流路基板13は、ノズルプレート60のみであったり、いわゆるコンプライアンスプレートとノズルプレート60とを積層したものであったりしてもよく、ノズルプレート60やコンプライアンスプレートが第一流路基板11へ接合されるとしてもよい。例えば、第二流路基板13としてのノズルプレート60を第一流路基板11に接合する構成においては、流路プレート30が、各圧力室33にインクを供給するためのリザーバーの一部を包含するような構成を採用すればよい。
また、液体噴射ヘッド10は、インクカートリッジ等と連通するインク供給経路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェットプリンター200に搭載される。インクジェットプリンター200は液体噴射装置の一例である。
図4は、インクジェットプリンター200の一例を示す概略図である。インクジェットプリンター200において、複数の液体噴射ヘッド10を有するインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、ヘッドユニット202)には、例えば、インクカートリッジ202A,202B等が着脱可能に設けられる。ヘッドユニット202を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されることで、キャリッジ203はキャリッジ軸205に沿って移動する。
装置本体204にはキャリッジ軸205に沿ってプラテン208が設けられており、図示しないローラー等により供給された印刷媒体Sがプラテン208上を搬送される。そして、搬送される印刷媒体Sに対して、液体噴射ヘッド10のノズル61からインクが噴射され任意の画像が印刷媒体Sに印刷される。なお、インクジェットプリンター200は、ヘッドユニット202が上記のように移動するものだけでなく、例えば、液体噴射ヘッド10が固定されて、印刷媒体Sを移動させるだけで印刷を行ういわゆるラインヘッド型のプリンターであってもよい。
また本発明は、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液体噴射ヘッドとしては、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーやFED(電解放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置にも本発明を適用することができる。
10…液体噴射ヘッド、11…第一流路基板、13…第二流路基板、20…振動板、21…基材、22…導電膜、23…導電路、30…流路プレート、31…流路、32…供給孔、33…圧力室、34…連通孔、40…封止プレート、41…第一連通孔、42…共通供給孔、50…リザーバープレート、51…第二連通孔、52…リザーバー、60…ノズルプレート、61…ノズル、62…ノズル列、80…圧電素子、81…圧電体層、82…第一電極、83…第二電極、90…ケーブル類(フレキシブル基板)、100…制御回路基板、200…インクジェットプリンター

Claims (3)

  1. 液体を収容する圧力室と、
    上記圧力室の側面を形成する振動板と、
    上記振動板の上記圧力室側と逆側に設けられた第一電極、第一電極の上記圧力室側と逆側に設けられた圧電体層および圧電体層の上記圧力室側と逆側に設けられた第二電極を有する圧電素子と、を備え、
    上記振動板は、上記圧力室に面し導電性を有する導電膜と、当該導電膜よりも導電性が低く且つ当該導電膜よりも上記圧電素子側の層を形成する基材と、当該基材の粒界に入り込み当該導電膜と同一素材によって形成された導電路と、を有し、
    上記導電路は、上記導電膜と上記第一電極とを電気的に接続する、ことを特徴とする流路部材。
  2. 上記第一電極は、所定電位に維持されていることを特徴とする請求項1に記載の流路部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流路部材を搭載した液体噴射装置。
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