JP2014162177A - 配線回路および液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板面積のさらなる縮小化を実現する。
【解決手段】第1電子部品が接続される第1端子群と、第2電子部品が接続される第2端子群と、上記第1端子群を構成する各端子に接続する各配線を有する第1層と、上記第1層と積層し、上記第2端子群を構成する各端子に接続する各配線を有する第2層と、上記第1層の各配線と上記第2層の各配線とを接続する第3端子群とを備え、上記第1端子群を構成する端子の間隔は、上記第3端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、上記第3端子群を構成する端子の間隔は、上記第2端子群を構成する端子の間隔よりも狭い、配線回路。
【選択図】図1
【解決手段】第1電子部品が接続される第1端子群と、第2電子部品が接続される第2端子群と、上記第1端子群を構成する各端子に接続する各配線を有する第1層と、上記第1層と積層し、上記第2端子群を構成する各端子に接続する各配線を有する第2層と、上記第1層の各配線と上記第2層の各配線とを接続する第3端子群とを備え、上記第1端子群を構成する端子の間隔は、上記第3端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、上記第3端子群を構成する端子の間隔は、上記第2端子群を構成する端子の間隔よりも狭い、配線回路。
【選択図】図1
Description
本発明は、配線回路および液体噴射装置に関する。
積層基板における駆動回路付き配線基板の構造であって、駆動回路からの複数の信号を供給するための複数の配線のうち一部の配線を積層基板の表面層に形成し、この表面層の各配線をスルーホールを介して下面側の複数の接続電極の一部に接続し、駆動回路からの複数の信号を供給するための複数の配線のうち残部の配線を積層基板の内面層に形成し、この内面層の各配線をスルーホールを介して下面側の複数の接続電極の残部に接続した構造が知られている(特許文献1参照)。
上記従来の構成おいては、駆動回路の一つの端子から対応する接続電極までの配線は、基板面に垂直な方向の配線部分(スルーホール)を除いて、全て一つの層内に形成されている。そのため、駆動回路の各端子から各接続電極までを結ぶ各配線を確保するために必要な基板面積が大きくなりがちであり、基板の小型化の点で不十分であった。特に、配線で接続される一方の電子部品側の端子の形成間隔と他方の電子部品側の端子の形成間隔とが異なる場合、配線の太さ確保の必要性や配線同士の間隔確保の必要性などから、一方の端子から他方の端子までの距離(スルーホール部分を除く。)をある程度長く確保する必要があった。そのため、上記のように一方の端子から他方の端子までの配線(スルーホール部分を除く。)を全て一つの層内に形成すると、基板面積の縮小化が困難であった。
本発明は少なくとも上述の課題を解決するためになされたものであり、配線を有する基板面積をより縮小化することが可能な配線回路および、そのような配線回路を搭載した液体噴射装置を提供する。
本発明の態様の一つは、配線回路は、第1電子部品が接続される第1端子群と、第2電子部品が接続される第2端子群と、上記第1端子群を構成する各端子に接続する各配線を有する第1層と、上記第1層と積層し、上記第2端子群を構成する各端子に接続する各配線を有する第2層と、上記第1層の各配線と上記第2層の各配線とを接続する第3端子群とを備え、上記第1端子群を構成する端子の間隔は、上記第3端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、上記第3端子群を構成する端子の間隔は、上記第2端子群を構成する端子の間隔よりも狭い構成としてある。
当該構成によれば、第1電子部品側の第1端子群と、端子の間隔が第1端子群における端子の間隔よりも広い第2電子部品側の第2端子群とを繋ぐ配線を、積層された複数の層に亘って連続して形成しつつ、一方の端子群から他方の端子群に向かって配線の間隔を徐々に広げている(あるいは徐々に狭めている)。そのため、配線を有する基板面積(積層状態の一つの層の面積)を小さくすることができる。
なお、本発明にかかる配線回路は、第1電子部品が接続される第1端子群と、第2電子部品が接続される第2端子群と、1≦n<N(ただしnおよびNは自然数)を満たす条件において、複数の配線を有する第n層と、上記第n層と絶縁層を挟んで積層され、複数の配線を有する第n+1層と、上記第n層の各配線と上記第n+1層の各配線とを接続する第n接続端子群とを備え、第1層の各配線は、上記第1端子群を構成する各端子に接続し、第N層の各配線は、上記第2端子群を構成する各端子に接続し、上記第1端子群を構成する端子の間隔は、第1接続端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、第n接続端子群を構成する端子の間隔は、第n+1接続端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、第N−1接続端子群を構成する端子の間隔は、上記第2端子群を構成する端子の間隔よりも狭い構成であるとも言える。
本発明の態様の一つは、上記第1電子部品は、接続する各端子を介して駆動電圧を供給する駆動回路であり、上記第2電子部品は、接続する各端子を介して供給された駆動電圧に応じて駆動又は発熱する素子であるとしてもよい。
当該構成によれば、駆動回路によって複数の素子を駆動又は発熱させる構成における配線回路の小型化や、これら駆動回路や素子を搭載する部品や製品の小型化が実現化される。
当該構成によれば、駆動回路によって複数の素子を駆動又は発熱させる構成における配線回路の小型化や、これら駆動回路や素子を搭載する部品や製品の小型化が実現化される。
本発明にかかる技術的思想は配線回路という形態のみで実現されるものではなく、他の物によって具現化されてもよい。例えば、上記配線回路を含む部品や製品(液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置など)を一つの発明として捉えることが可能であり、このような部品や製品も基板面積の縮小化に貢献した物である。この場合の一例として、上記配線回路と、上記素子の駆動又は発熱に応じて圧力変化が生じる圧力室と、上記圧力室から排出される液体を外部に噴射するノズルと、を備える液体噴射装置を把握することができる。また、上述した配線回路や配線回路を搭載する部品や製品を製造する製造方法の発明を捉えることも可能である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態にかかる配線回路1の断面図を一例により示している。配線回路1は、積層基板100に形成される。図1は、積層基板100の基板面に垂直な方向(Z方向)の断面を示している。図1では、断面であっても適宜ハッチングを省略して図示を簡略化している。積層基板100は、第1電子部品80を実装する。第1電子部品80には、例えばICやLSI等が該当する。第1電子部品80は、端子81を複数有する。
図1は、本実施形態にかかる配線回路1の断面図を一例により示している。配線回路1は、積層基板100に形成される。図1は、積層基板100の基板面に垂直な方向(Z方向)の断面を示している。図1では、断面であっても適宜ハッチングを省略して図示を簡略化している。積層基板100は、第1電子部品80を実装する。第1電子部品80には、例えばICやLSI等が該当する。第1電子部品80は、端子81を複数有する。
積層基板100は、金属等の導電部材からなる複数の配線を有する配線層と、絶縁部材からなる絶縁層とが交互に積層して構成されている。図1では、第1電子部品80が実装されている側をZ方向上側とすると、Z方向上側からZ方向下側へ順に、配線層101、絶縁層121、配線層102、絶縁層122、配線層103が積層されている(配線層101,102,103については図2参照)。図1では、配線層101に含まれる一本の配線101a、配線層102に含まれる一本の配線102a、配線層103に含まれる一本の配線103aを示している。また図1において、配線101aは、一端で一つの端子81と接続し、他端において接続部111aを介して配線102aと接続している。配線102aは、接続部111aと接続する側と逆側の端部において接続部112aを介して配線103aと接続し、配線103aは、接続部112aと接続する側と逆側の端部において一つの端子91と接続している。本実施形態では、配線回路1によって第1電子部品80と第2電子部品90とを電気的に接続する。第2電子部品90は、端子91を複数有する。第2電子部品90の具体例については後述する。
接続部111aは、例えば、配線層101と配線層102とに挟まれた絶縁層121を貫通するスルーホールであり、配線101aと配線102aとを電気的に接続する。また、接続部112aは、例えば、配線層102と配線層103とに挟まれた絶縁層122を貫通するスルーホールであり、配線102aと配線103aとを電気的に接続する。ただし接続部111a,112aは、スルーホールである必要は無い。接続部111a,112aは、異なる層の配線同士を電気的に接続するものであればよく、例えばそれらの少なくとも一部が積層基板100の外側に設けられてもよい。また、配線101a、配線102a、配線103a、接続部111a,112aは、全て同一の配線であってもよい。
図2の上段は、図1に示した積層基板100における配線を、Z方向上側からの視点により例示している。これは、配線層101,102,103を積層した状態を示しており、Z方向上側から見える配線や実際には見えない配線等も含めて示している。図2の下段では、積層基板100における配線を、配線層101,102,103それぞれに分解してZ方向上側からの視点により示している。ここでは、配線層101を形成する複数の配線101aを実線で、配線層102を形成する複数の配線102aを鎖線で、配線層103を形成する複数の配線103aを二点鎖線で、それぞれ示している。
まず配線層101に注目すると、配線層101には第1電子部品80の端子81が基板面に平行なY方向に沿って所定の間隔P1で複数並んで接続されている。また、基板面と平行であってY方向に直交するX方向における、端子81が接続する側と逆側には、絶縁層121(図2では不図示)に形成された複数の接続部111aがY方向に沿って並んでいる。そして、各配線101aは、端子81と接続部111aとを一対一で接続している。Y方向における接続部111aの間隔は、間隔P1よりも広い。言い換えると、配線101a同士の間隔は、端子81から接続部111aに向かうに連れて拡大していく。なお本明細書において、平行、直交あるいは垂直、等と表現した場合であっても、それらは厳密な平行、直交あるいは垂直のみを意味するのではなく、製品性能上許容される程度の誤差や製品製造時に生じ得る程度の誤差などの、求める効果を発揮できる程度のバラツキも含む意味である。
同様に、配線層102に注目すると、X方向における、接続部111aが接続する側と逆側には、絶縁層122(図2では不図示)に形成された複数の接続部112aがY方向に沿って並んでいる。そして、各配線102aは、接続部111aと接続部112aとを一対一で接続している。Y方向における接続部112aの間隔は、上記接続部111aの間隔よりも広い。つまり、配線102a同士の間隔は、接続部111aから接続部112aに向かうに連れて拡大していく。同様に、配線層103に注目すると、各接続部112aから延伸する配線103aは、X方向における接続部112aと接続する側と逆側で、端子91と一対一で接続する。端子91は、Y方向に沿って所定の間隔P2で複数並んでいる。端子91の間隔P2は、上記接続部112aの間隔よりも広い。つまり、配線103a同士の間隔は、接続部112aから端子91に向かうに連れて拡大していく。
参考までに、図2では鎖線で囲った吹き出し内に、一つの端子81を発端として繋がる配線101a,接続部111a,配線102a,接続部112a、配線103aを例示している。また、図2から判るように、配線101a,102a,103aは多くの場合、X方向と平行ではない。従って、図1に示した配線101a,102a,103aの各断面は、X方向に平行な断面ではなく、配線101a,102a,103aそれぞれに平行な各断面である(図1における、配線101a,102a,103a以外の部分は、X方向に平行な断面である)。
このような配線回路1においては、複数の端子81は第1端子群に該当し、複数の端子91は第2端子群に該当する。また、配線層103を除く配線層101,102の少なくともいずれかは、各端子81に接続する各配線(101a,102a)を有する第1層に該当し得る。また、配線層101を除く配線層102,103の少なくともいずれかは、第1層と積層し各端子91に接続する各配線(102a,103a)を有する第2層に該当し得る。例えば、配線層101が第1層であれば、配線層102,103のいずれか一方あるいは両方が第2層に該当するし、配線層102が第1層であれば、配線層103が第2層に該当する。また、配線層103が第2層であって、配線層101,102の両方が第1層であると捉えてもよい。接続部111aや接続部112aは、第1層の各配線と第2層の各配線とを接続する第3端子群に該当し得る。当該構成においては、第1端子群を構成する端子81の間隔P1は、第3端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、第3端子群を構成する端子の間隔は、第2端子群を構成する端子91の間隔P2よりも狭い。
配線回路1の構成は、以下のように表現することも可能である。
配線回路1の構成は、以下のように表現することも可能である。
図3は配線回路1の断面図の他の例を示している。図3も図1と同様の視点により積層基板100の断面を示している。図3は、図1,2と比較して積層基板100の層数が多いだけであるため、図1,2で説明した事項と共通する事項は説明を適宜省略する。ただし、積層基板100における配線層の数Nは2であってもよい。
図3の説明に関しては、第1電子部品80が実装されている側(Z方向上側)からZ方向下側に向けて数えてn番目の配線層を、第n層(ただし1≦n<N、かつ、2≦N)と表現する。nおよびNは自然数である。図1に示したものは、N=3の場合の例である。図3に示した積層基板100においては、複数の配線層が、配線層間に絶縁層(I1,I2…I N-1)を挟んだ状態で積層されている。つまり、第n層と第n+1層との間に絶縁層が挟まれている。各配線層は、図2の配線層101,102,103と同様にそれぞれ複数の配線を有しており、図3では、第1層の配線L1、第2層の配線L2、第N−1層の配線L N-1、第N層の配線LN等を例示している。
図3の説明に関しては、第1電子部品80が実装されている側(Z方向上側)からZ方向下側に向けて数えてn番目の配線層を、第n層(ただし1≦n<N、かつ、2≦N)と表現する。nおよびNは自然数である。図1に示したものは、N=3の場合の例である。図3に示した積層基板100においては、複数の配線層が、配線層間に絶縁層(I1,I2…I N-1)を挟んだ状態で積層されている。つまり、第n層と第n+1層との間に絶縁層が挟まれている。各配線層は、図2の配線層101,102,103と同様にそれぞれ複数の配線を有しており、図3では、第1層の配線L1、第2層の配線L2、第N−1層の配線L N-1、第N層の配線LN等を例示している。
積層基板100は、第n層の各配線と第n+1層の各配線とをZ方向に一対一で接続する第n接続端子群を備える。図3では、第n接続端子群の例として、第1層の配線L1と第2層の配線L2とを接続する第1接続端子群のうちの一つの端子C1、第2層の配線L2と第3層の配線(不図示)とを接続する第2接続端子群のうちの一つの端子C2、第N−1層の配線L N-1と第N層の配線LNとを接続する第N−1接続端子群のうちの一つの端子C N-1等を例示している。
第n接続端子群を構成する各端子は、接続部111a,112aと同様の構成である。従って、第1層の各配線L1は、一端で各端子81と接続し、他端で各端子C1を介して各配線L2と接続する。また、第N層の各配線LNは、各端子C N-1と接続する側と逆側の端部において各端子91と接続する。当該構成においては、第1端子群を構成する端子81の間隔P1は、第1接続端子群を構成する端子C1の間隔(Y方向における間隔。以下同様。)よりも狭い。また、第n接続端子群を構成する端子の間隔は、第n+1接続端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、第N−1接続端子群を構成する端子の間隔は、第2端子群を構成する端子91の間隔P2よりも狭い。
このように本実施形態によれば、第1電子部品80側の第1端子群を構成する複数の端子81と、第2電子部品90側の第2端子群を構成する複数の端子91とを一対一で接続する場合であって、端子81の間隔P1が端子91の間隔P2よりも狭い場合に、対応し合う端子81と端子91とを繋ぐ配線を積層基板100の複数層に亘って折り返しながら連続して形成しつつ、一方の端子群から他方の端子群に向かって配線の間隔を徐々に広げる(あるいは徐々に狭める)とした。従って、配線を有する基板面積(図2におけるX,Y方向における基板面積)をより小さくすることができ、配線回路1が小型化される。
図4を参照して、本実施形態の効果をさらに説明する。図4では、Y方向に一定間隔で並ぶ端子群(複数の端子81)を実線にて例示している。また、端子81からX方向に距離D1離れた位置にてY方向に一定間隔(端子81の間隔よりも大きい間隔)で並ぶ端子群(複数の端子91)の位置と、各端子81と当該距離D1に在る各端子91とを結ぶ各配線とを、実線で例示している。同様に、端子81からX方向に距離D2(D2<D1)離れた位置にてY方向に一定間隔で並ぶ端子群(複数の端子91)の位置と、各端子81と当該距離D2に在る各端子91とを結ぶ各配線とを、鎖線で例示している。なお、実線で示した各端子91のY方向における位置と鎖線で示した各端子91のY方向における位置とは同じである。
実線で示した端子91の位置と鎖線で示した端子91の位置とを比較した場合、後者の方が端子81と接続する配線と配線との間隔(特に、Y方向の両端近傍において各端子81から延出する配線が集中する場所における配線間隔)が狭い。このように配線同士の間隔が狭いと、一定の太さが要求される各配線を断線やショート等しない程度に適切に配置することが困難となり、回路の機能を正常に担保出来ないというリスクが生じ得る。当該リスクを避けるため、端子81と端子91とはある程度の距離(例えば、距離D1)を確保して配置されることが適切であると言える。しかしながら、単純に基板上で距離D1のように一方の端子群における端子81と他方の端子群における端子91との距離を長く確保すると、それよりも短い距離(例えば距離D2)を採用した場合と比べて、基板の面積が大きくならざるを得ない。
かかる状況に対する解決策として、本実施形態では、一方の端子群における端子81と他方の端子群における端子91との距離を複数の範囲に分割し(例えば、図示するように距離D1をX方向において範囲R1,R2,R3等に分割し)、分割した各範囲に含まれる配線を図1〜3のように積層基板100の各層(配線層)に振り分け、配線層間を接続部(第n接続端子群)で接続する。従って、例えば距離D1を上記のように範囲R1,R2,R3に三分割して積層基板100の各層(配線層)に振り分けた場合、そのような構成を採らない場合と比較して基板面積を三分の一程度とすることができる。すなわち本実施形態によれば、一方の端子群における端子81と他方の端子群における端子91との距離として上記の断線やショート等のリスクを避けるために必要な距離を確保しつつ、同時に、基板の小型化を達成することができる。
図5は、配線回路1を搭載する液体噴射ヘッド10の主要構成の一部を、分解斜視図により例示している。ここでは、液体噴射ヘッド10は、インクを噴射(吐出)するインクジェット式記録ヘッドであるとして説明を行う。液体噴射ヘッド10は、振動板20、流路プレート30、封止プレート40、リザーバープレート50、ノズルプレート60といった各部材を含んで構成される。これら各部材は、セラミックスやシリコン単結晶基板やステンレス鋼等で生成される。また、これら各部材は、それぞれが個別に生成されて積層されるものであってもよいし、それら(あるいはそれらの一部)が一体的に生成されるものであってもよい。
振動板20は、流路プレート30の一方の面に接して当該一方の面を封止する。流路プレート30は、液体の流路31を複数有する。流路31は、例えば長手方向をX方向と平行とした状態で、Y方向に並設されている。流路31と流路31との間には、隔壁36が設けられている。それぞれの流路31は、供給孔32と、圧力室33と、連通孔34とを含んで構成される。圧力室33は、流路プレート30の上記一方の面において開口しており、供給孔32および連通孔34は、流路プレート30の他方の面において開口している。供給孔32は、圧力室33の長手方向における一端側近傍で圧力室33と連通している。連通孔34は、圧力室33の長手方向における他端側近傍で圧力室33と連通している。
振動板20は、流路プレート30側と逆側の面に、圧電素子70(図6参照)を搭載する。圧電素子70は、後述するように、第1電極、一方側において第1電極と接する圧電体層および圧電体層の他方側と接する第2電極を有して構成される圧力発生手段である。図5では、圧電素子70を構成する圧電体層71を例示しており、圧電体層71は、各流路31の圧力室33に対応して配置されている。このような構成において、圧電素子70と、振動板20と、流路プレート30とを含む構成を、アクチュエーター基板11と呼ぶことができる。
ノズルプレート60は、インクを噴射するための貫通孔としてのノズル61を複数有する。流路31毎の各連通孔34は、各圧力室33と各ノズル61とを一対一で連通させる。ただし図5の例では、流路プレート30の上記他方の面と、ノズルプレート60との間には、封止プレート40とリザーバープレート50とが介在する。封止プレート40は、一方の面を、流路プレート30の上記他方の面に対して接する。リザーバープレート50は、一方の面を、封止プレート40の他方の面に対して接する。また、リザーバープレート50は、他方の面を、ノズルプレート60の外部に露出する面(ノズル開口面)と逆側の面に対して接する。本明細書において、物と物とが「接する」とは、物と物との間に接着剤等が介在する状態と、介在する物が無い状態とのどちらをも含む意味である。
図5の例では、ノズルプレート60は、ノズル61がY方向に沿って所定の間隔(ノズルピッチ)で複数形成されたノズル列62を有している。なお、ノズル列62は、複数のノズル61がY方向に沿って形成された複数のノズル列をX方向に並設し、一方のノズル列と他方のノズル列とをY方向においてずらして配置した(いわゆる千鳥配置とした)構成であってもよい。
リザーバープレート50は、複数の第二連通孔51と、リザーバー52とを有する。リザーバー52は、共通インク室とも呼ぶ。第二連通孔51とリザーバー52とは、いずれもリザーバープレート50を貫通する。各第二連通孔51は、各ノズル61に一対一で対応する位置に配置されている。リザーバー52は、ノズル列62のY方向における長さに略対応して、Y方向における長さが確保されている。封止プレート40は、複数の第一連通孔41と、共通供給孔42とを有する。第一連通孔41と共通供給孔42とは、いずれも封止プレート40を貫通する。
各第一連通孔41は、各第二連通孔51と同様に各ノズル61に一対一で対応する位置に配置されている。また、各第一連通孔41は、各連通孔34とも一対一で連通する。共通供給孔42は、リザーバー52と同様にノズル列62のY方向における長さに略対応して、Y方向における長さが確保されている。また、共通供給孔42は、各供給孔32と連通する。リザーバー52は、(後述する外部からのインク供給経路を除いて、)ノズルプレート60と接する側でノズルプレート60により封止され、封止プレート40と接する側で共通供給孔42と相対する箇所を除いて封止プレート40により封止されている。
図6は、液体噴射ヘッド10の断面であって、Y方向に垂直な面を例示している。当該断面は、ノズル61を通過する断面である。図6に示すように、圧力室33は、連通孔34、第一連通孔41および第二連通孔51を介して、ノズル61に連通している。また、振動板20の流路プレート30と接する面と逆側の面には、圧電素子70が圧力室33に対応する位置に接合している。圧電素子70は、第1電極72、圧電体層71および第2電極73が順に積層されて構成される。例えば、第1電極72は、複数の圧電素子70に共通して設けられた(複数の圧電素子70が共有する)共通電極である。一方、第2電極73は、圧力室33に対応する圧電素子70毎に設けられた個別電極である。
液体噴射ヘッド10が配線回路1を搭載する場合、例えば、圧電素子70が第2電子部品90に該当し、圧電素子70毎の個別電極である各第2電極73が第2端子群を構成する複数の端子91に該当する。従って、第1電子部品80側の各端子81は、上述した積層基板100を介して圧電素子70毎の各第2電極73と電気的に接続する。この場合、第1電子部品80は、各圧電素子70を駆動するための駆動電圧を各端子81を介して供給する駆動回路である。
上述したように、ノズル61と圧力室33とは一対一で対応して配置されている。そのため、Y方向における圧力室33の間隔は、ノズルピッチとほぼ等しい。また、圧電素子70も圧力室33毎に対応して配置されている。従って、Y方向における圧電素子70や個別電極としての第2電極73の間隔もノズルピッチとほぼ等しい。例えば、Y方向におけるノズル61の密度が1インチあたり300個であればノズルピッチは約84.7μmであるため、第2電極73の間隔(端子91の間隔P2)も約84.7μmである。一方、IC等である第1電子部品80側の端子81の間隔P1は、例えば、約30μmである。
第2電極73へは、上記駆動回路(80)から駆動電圧が印加される。一方、第1電極72は電位が所定レベル(例えばグラウンドレベル)に保持される。かかる構成により、圧電素子70が駆動電圧に応じて変形する。リザーバー52へは、図示しないインク供給経路を介して、外部からインクが供給される。リザーバー52へ供給されたインクは、共通供給孔42を通過して、各供給孔32から各圧力室33へ供給される。上述のような圧電素子70の変形に伴い振動板20が撓むことにより、圧力室33内で圧力が高まり、かかる圧力の高まりに応じて圧力室33内のインクがノズル61から噴射される。
なお、積層基板100の端子81から最も遠い側の配線層(配線層103や第N層)における配線(配線103aや配線LN)は、端子91(第2電極73)と実質的に一体形成されていてもよいし、パターンやケーブル類を介在させて端子91(第2電極73)と接続していてもよい。また、液体噴射ヘッド10が有する配線回路1の位置も、図6に例示した位置に限られるものではない。配線回路1は、例えば、振動板20上における圧電素子70の配置や形状、上記インク供給経路の配置や形状、その他、周辺の各種部品との位置関係等に応じて最適な位置に配置される。
このように基板の小型化に大きく貢献する配線回路1を液体噴射ヘッド10に搭載することにより、液体噴射ヘッド10の小型化も進み、また、配線回路1周辺の他の部品の配置の自由度が向上する。
このように基板の小型化に大きく貢献する配線回路1を液体噴射ヘッド10に搭載することにより、液体噴射ヘッド10の小型化も進み、また、配線回路1周辺の他の部品の配置の自由度が向上する。
他の実施形態:
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような実施形態も可能である。これまでに述べた実施形態と以下に述べる実施形態とを適宜組み合わせた内容も、本発明の開示範囲に含まれる。
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような実施形態も可能である。これまでに述べた実施形態と以下に述べる実施形態とを適宜組み合わせた内容も、本発明の開示範囲に含まれる。
積層基板100の表面に端子81を設けるものに限られず、積層基板100の表面から積層基板100の外側に配線を行い、積層基板100の外側で第1電子部品80と接続してもよい。なお、第1電子部品80を配線だとしてもよい。
また、全ての配線層で配線を狭めなくてもよい。例えば、積層基板100の一部の配線層で配線が平行であっても、積層基板100の他の一部の配線層で配線を狭めていれば良い。なお、例えば、配線Liと配線Li+1と配線端子Ciとを一つの配線端子として解釈してもよい。
第1電子部品80からの駆動電圧の供給を受けて駆動する圧力発生手段は、図6に示したような薄膜型の圧電素子に限られず、例えば、圧電材料と電極材料とを交互に積層させてなる積層型の圧電アクチュエーターや、縦振動させて各圧力室33に圧力変化を与える縦振動型の圧力発生手段を採用してもよい。また、圧力発生手段として、圧力室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズルから液滴を噴射するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気によって振動板を変形させてノズルから液滴を噴射させるいわゆる静電式アクチュエーター等を使用することができる。
また、全ての配線層で配線を狭めなくてもよい。例えば、積層基板100の一部の配線層で配線が平行であっても、積層基板100の他の一部の配線層で配線を狭めていれば良い。なお、例えば、配線Liと配線Li+1と配線端子Ciとを一つの配線端子として解釈してもよい。
第1電子部品80からの駆動電圧の供給を受けて駆動する圧力発生手段は、図6に示したような薄膜型の圧電素子に限られず、例えば、圧電材料と電極材料とを交互に積層させてなる積層型の圧電アクチュエーターや、縦振動させて各圧力室33に圧力変化を与える縦振動型の圧力発生手段を採用してもよい。また、圧力発生手段として、圧力室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズルから液滴を噴射するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気によって振動板を変形させてノズルから液滴を噴射させるいわゆる静電式アクチュエーター等を使用することができる。
また、液体噴射ヘッド10は、必ずしも封止プレート40およびリザーバープレート50を備える必要は無いし、いわゆるコンプライアンスプレート等の他のプレートを備えてもよい。さらに、これらのプレートが複数のプレートで構成されてもよいし、複数のプレートの機能を一枚のプレートが備えるとしてもよい。ノズルプレート60やコンプライアンスプレートがアクチュエーター基板11へ接合されるとしてもよい。例えば、ノズルプレート60をアクチュエーター基板11に接合する構成においては、流路プレート30が、各圧力室33にインクを供給するためのリザーバーの一部を包含するような構成を採用すればよい。
また、液体噴射ヘッド10は、インクカートリッジ等と連通するインク供給経路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェットプリンター200に搭載される。インクジェットプリンター200は液体噴射装置の一例である。
図7は、インクジェットプリンター200の一例を示す概略図である。インクジェットプリンター200において、複数の液体噴射ヘッド10を有するインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、ヘッドユニット202)には、例えば、インクカートリッジ202A,202B等が着脱可能に設けられる。ヘッドユニット202を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されることで、キャリッジ203はキャリッジ軸205に沿って移動する。
装置本体204にはキャリッジ軸205に沿ってプラテン208が設けられており、図示しないローラー等により供給された印刷媒体Sがプラテン208上を搬送される。そして、搬送される印刷媒体Sに対して、液体噴射ヘッド10のノズル61からインクが噴射され任意の画像が印刷媒体Sに印刷される。なお、インクジェットプリンター200は、ヘッドユニット202が上記のように移動するものだけでなく、例えば、液体噴射ヘッド10が固定されて、印刷媒体Sを移動させるだけで印刷を行ういわゆるラインヘッド型のプリンターであってもよい。
また本発明は、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液体噴射ヘッドとしては、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーやFED(電解放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置にも本発明を適用することができる。
さらに、配線回路1が搭載される物は、液体噴射ヘッドや液体噴射装置に限られない。配線回路1は、端子の間隔が異なる第1電子部品80と第2電子部品90とを含み得るあらゆる物に搭載でき、例えば、プロジェクターやマイクロセンサーや液晶パネルの制御回路など、種々の部品や製品に搭載される。
1…配線回路、10…液体噴射ヘッド、11…アクチュエーター基板、20…振動板、30…流路プレート、31…流路、32…供給孔、33…圧力室、34…連通孔、40…封止プレート、41…第一連通孔、42…共通供給孔、50…リザーバープレート、51…第二連通孔、52…リザーバー、60…ノズルプレート、61…ノズル、62…ノズル列、70…圧電素子、71…圧電体層、72…第1電極、73…第2電極、80…第1電子部品、81…端子、90…第2電子部品、91…端子、100…積層基板、101,102,103…配線層、101a,102a,103a…配線、111a,112a…接続部、200…インクジェットプリンター、C1,C2,C N-1…端子、I1,I2,I N-1…絶縁層、L1,L2,L N-1,LN…配線
Claims (4)
- 第1電子部品が接続される第1端子群と、
第2電子部品が接続される第2端子群と、
上記第1端子群を構成する各端子に接続する各配線を有する第1層と、
上記第1層と積層し、上記第2端子群を構成する各端子に接続する各配線を有する第2層と、
上記第1層の各配線と上記第2層の各配線とを接続する第3端子群と、を備え、
上記第1端子群を構成する端子の間隔は、上記第3端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、
上記第3端子群を構成する端子の間隔は、上記第2端子群を構成する端子の間隔よりも狭い、ことを特徴とする配線回路。 - 第1電子部品が接続される第1端子群と、
第2電子部品が接続される第2端子群と、
1≦n<N(ただしnおよびNは自然数)を満たす条件において、
複数の配線を有する第n層と、
上記第n層と絶縁層を挟んで積層され、複数の配線を有する第n+1層と、
上記第n層の各配線と上記第n+1層の各配線とを接続する第n接続端子群と、を備え、
第1層の各配線は、上記第1端子群を構成する各端子に接続し、
第N層の各配線は、上記第2端子群を構成する各端子に接続し、
上記第1端子群を構成する端子の間隔は、第1接続端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、
第n接続端子群を構成する端子の間隔は、第n+1接続端子群を構成する端子の間隔よりも狭く、
第N−1接続端子群を構成する端子の間隔は、上記第2端子群を構成する端子の間隔よりも狭い、ことを特徴とする配線回路。 - 上記第1電子部品は、接続する各端子を介して駆動電圧を供給する駆動回路であり、上記第2電子部品は、接続する各端子を介して供給された駆動電圧に応じて駆動又は発熱する素子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線回路。
- 上記請求項3に記載の配線回路と、
上記素子の駆動又は発熱に応じて圧力変化が生じる圧力室と、
上記圧力室から排出される液体を外部に噴射するノズルと、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。
Priority Applications (1)
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JP2013037036A JP2014162177A (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 配線回路および液体噴射装置 |
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JP2014162177A true JP2014162177A (ja) | 2014-09-08 |
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JP2020175552A (ja) * | 2019-04-16 | 2020-10-29 | キヤノン株式会社 | 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 |
-
2013
- 2013-02-27 JP JP2013037036A patent/JP2014162177A/ja active Pending
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JP7321751B2 (ja) | 2019-04-16 | 2023-08-07 | キヤノン株式会社 | 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 |
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