JP2014162142A - 液体吐出ヘッド用の流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、ならびに記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド用の流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、ならびに記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流路となる孔が、プレート間でずれて配置されている場合でも有効な接着剤の逃がし溝が配置された液体吐出ヘッド用の流路部材を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッド用の流路部材は、液体が流れる流路となる孔を有する複数のプレートが接着積層されている液体吐出ヘッド用の流路部材であって、連続して積層されているプレート間の境界面で繋がって流路となる、第1の開口17e2および第2の開口17f1が、それぞれ一方方向に長くない平面形状であり、第1の開口17e2と第2の開口17f1とは、平面方向にずらして配置されており、流路部材を平面視した場合に、第1の開口17e2と第2の開口17f1とを繋げた形状Sの外形に沿い、かつ離間している、接着剤の逃がし溝が設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、液滴を吐出させる液体吐出ヘッドに用いられる流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、ならびに記録装置に関するものである。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
そこで一方方向の長い液体吐出ヘッドを、共通流路であるマニホールドおよびマニホールドから複数の加圧室をそれぞれ介して繋がる吐出孔を有した、複数のプレートを積層してなる流路部材と、前記加圧室をそれぞれ覆うように設けられた複数の変位素子を有するアクチュエータユニットとを積層して構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この液体吐出ヘッドでは、プレートは接着剤に積層され、流路となる、各プレートの孔の周囲には、当該孔が接着剤で埋まってしまわないように、接着剤の逃がし溝が設けれている。
特開2002−96478号公報
しかしながら、孔が繋がってできる流路が、液体を単にプレートの積層方向や平面方向に流すだけのものでない場合、孔の周囲を逃がし溝で囲むだけでは十分ではないことがあった。すなわち、プレート間で孔を平面方向にずらして配置することで、液体が積層方向に対して斜めの方向に流れるような流路を構成する場合、複数のプレートに含まれる、孔と逃がし溝とを考慮して配置しないと、孔と逃がし溝とが繋がってしまうことで、流路の特性が設計値からずれてしまうことや、孔への接着剤の流れ込みが不均一になることで、所望の吐出特性が得られないことがあった。
したがって、本発明の目的は、流路となる孔が、プレート間でずれて配置されている場合でも有効な接着剤の逃がし溝が配置された液体吐出ヘッド用の流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、ならびに記録装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッド用の流路部材は、液体が流れる流路となる孔を有する複数のプレートが接着積層されている液体吐出ヘッド用の流路部材であって、前記プレートのうち、連続して積層されている第1のプレートと第2のプレートとの間で繋がっている前記流路となる、前記第1のプレートの前記第2プレート側の面の前記孔の開口である第1の開口および前記第2のプレートの前記第1プレート側の面の前記孔の開口である第2の開口が、それぞれ一方方向に長くない平面形状であり、前記第1の開口と前記第2の開口とは、平面方向にずらして配置されており、前記第1の開口の周囲の前記第1のプレート、および前記第2の開口の周囲の前記第2のプレートの少なくとも一方には、前記流路部材を平面視した場合に、前記第1の開口と前記第2の開口とを繋げた形状Sの外形に沿い、かつ離間している、接着剤の逃がし溝が配置されていることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、前記液体吐出ヘッド用の流路部材と、前記流路内の液体を加圧する加圧部とを備えていることを特徴とする。
さらに、本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、流路内に入り込むおそれのある接着剤の量をばらつきが低減でき、流路と接着剤の逃がし溝とが繋がる可能性も低減できることから、液体の吐出特性のばらつきを低減でき、印刷精度を高くできる。
本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッド用を含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成する、本発明の一実施形態に係る流路部材および圧電アクチュエータの平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図3のV−V線に沿った模式的な縦断面図である。 (a)は、図5一部を拡大した断面図であり、(b)はプレートの拡大平面図であり、(c)は、形状Sを説明する平面図であり、(d)本発明の他の実施形態に係る流路部材を部分構成するプレートの部分縦断面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る流路部材を構成するプレートの拡大平面図であり、(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る流路部材を構成するプレートの拡大平面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッド2を含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている液体吐出ヘ
ッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い長尺形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、印刷用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
液体吐出ヘッド2は、下端にヘッド本体2aを有している。ヘッド本体2aの下面は、液体を吐出する多数の吐出孔が設けられている吐出孔面4−1となっている。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた液体吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2には図示しない外部液体タンクから液体が供給される。各液体吐出ヘッド2の液体吐出孔8は、液体吐出孔面に開口しており、一方方向(印刷用紙Pと平行で印刷用紙Pの搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく印刷することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、例えば、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、液体吐出ヘッド本体13の下面と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成するヘッド本体2aから印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
次に、本発明の液体吐出ヘッド2について説明する。図2は、ヘッド本体2aの平面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した平面図である。図4は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため図3とは異なる一部の流路を省略した図である。なお、図3および図4において、図面を分かりやすくするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべきしぼり6、吐出孔8、加圧室10などを実線で描いている。また、図4の吐出孔8は、位置を分かりやすくするため、実際の径よりも大きく描いてある。
図5は、図3のV−V線に沿った縦断面図である。図6(a)は、図5の一部を拡大した断面図である。なお、図5では、逃がし溝は省略して描いている。また、図5は、図6(a)と比較して模式的な図であり、図5では縦断面形状が長方形に描いている流路の孔は、実際に図5(a)ので示す形状をしている。図6(b)はプレート4eの拡大平面図であり、図6(c)は形状Sを説明する平面図である。
液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2a以外にリザーバや、金属製の筐体を含んでいてもよい。また。ヘッド本体2aは、流路部材4と、変位素子(加圧部)30が作り込まれている圧電アクチュエータ基板21とを含んでいる。
ヘッド本体2aを構成する流路部材4は、共通流路であるマニホールド5と、マニホールド5と繋がっている複数の加圧室10と、複数の加圧室10とそれぞれ繋がっている複
数の吐出孔8とを備え、加圧室10は流路部材4の上面に開口しており、流路部材4の上面が加圧室面4−2となっている。また、流路部材4の上面にはマニホールド5と繋がる開口5aを有し、この開口5aより液体が供給されるようになっている。また、流路部材4には、上述の液体が流れる流路以外に、接着剤の逃がし溝18が含まれており、これについては後述する。
また、流路部材4の上面には、変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21が接合されており、各変位素子30が加圧室10上に位置するように設けられている。また、圧電アクチュエータ基板21には、各変位素子30に信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)などの信号伝達部92が接続されている。図2には、2つの信号伝達部92が圧電アクチュエータ基板21に繋がる状態が分かるように、信号伝達部92の圧電アクチュエータ21に接続される付近の外形を点線で示した。圧電アクチュエータ21に電気的に接続されている、信号伝達部92に形成されている電極は、信号伝達部92の端部に、矩形状に配置されている。2つの信号伝達部92は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部にそれぞれの端がくるように接続されている。2つの信号伝達部92は、中央部から圧電アクチュエータ基板21の長辺に向かって伸びている。
ヘッド本体2aは、平板状の流路部材4と、流路部材4上に接続された変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21を1つ有している。圧電アクチュエータ基板21の平面形状は長方形状であり、その長方形の長辺が流路部材4の長手方向に沿うように流路部材4の上面に配置されている。
流路部材4の内部には2つのマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向の一端部側から、他端部側に延びる細長い形状を有しており、その両端部において、流路部材4の上面に開口しているマニホールドの開口5aが形成されている。
また、マニホールド5は、少なくとも加圧室10に繋がっている領域である長さ方向の中央部分が、幅方向に間隔を開けて設けられた隔壁15で仕切られている。隔壁15は、加圧室10に繋がっている領域である長さ方向の中央部分では、マニホールド5と同じ高さを有し、マニホールド5を複数の副マニホールド5bに完全に仕切っている。このようにすることで、平面視したときに、隔壁15と重なるように、吐出孔8および吐出孔8から加圧室10に繋がっている流路13を設けることができる。
図2では、マニホールド5の両端部を除く全体が隔壁15で仕切られている。このようにする以外に、両端部のうちのどちらか一端部以外が隔壁15で仕切られているようにしてもよい。また、流路部材4の上面に開口している開口5a付近のみが仕切られておらず、開口5aから流路部材4の深さ方向に向かう間に隔壁が設けられるようにしてもよい。いずれにしても、仕切られていない部分があることにより、流路抵抗が小さくなり、液体の供給量を多くできるので、マニホールド5の両端部が隔壁15で仕切られていないのが好ましい。
複数に分けられた部分のマニホールド5を副マニホールド5bと呼ぶことがある。本実施例においては、マニホールド5は独立して2本設けられており、それぞれの両端部に開口5aが設けられている。また、1つのマニホールド5には、7つの隔壁15が設けられており、8つの副マニホールド5bに分けられている。副マニホールド5bの幅は、隔壁15の幅より大きくなっており、これにより副マニホールド5bに多くの液体を流すことができる。また、7つの隔壁15は、幅方向の中央に近いほど、長さが長くなっており、マニホールド5の両端において、幅方向の中央に近い隔壁15ほど、隔壁15の端がマニホールド5の端に近くなっている。これにより、マニホールド5の外側の壁により生じる
流路抵抗と、隔壁15により生じる流路抵抗との間のバランスがとれ、各副マニホールド5bのうち、加圧室10に繋がる部分である個別供給流路14が形成されている領域の端における液体の圧力差を少なくできる。この個別供給流路14での圧力差は、加圧室10内の液体に加わる圧力差につながるため、個別供給流路14での圧力差を少なくすれば、吐出ばらつきを低減できる。
副マニホールド5bの中には、幅方向に横切るように支持体17が設けられている。支持体17は、隣接する隔壁15同士を繋ぐか、最も端の隔壁15とマニホールド5の壁とを繋いでいる。詳細は後述するが、流路部材4は、平板状のプレート4a〜lが積層された構造をしており、製造工程において、支持体17は、隔壁15となる仕切り部を支えている。このような構造をしていることにより、プレート4a〜lを積層するだけで、各流路が作り込まれた流路部材4を作製することができる。本実施形態においては、仕切り部は、支持体17がないとプレートから脱落してしまう。また、仕切り部の長さ方向の端部がプレートに繋がっている構造にすれば、仕切り部が脱落することはないが、一方方向に長い副マニホールド5bを仕切る隔壁15となる仕切り部は、支持体17がないと、副マニホールド5bの幅方向に積層ずれを生じ易い。そのため。副マニホールド5bを幅方向に横切るように支持体17を設けることで、流路の製造精度を高くすることができる。
流路部材4は、複数の加圧室10が2次元的に広がって形成されている。加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形あるいは楕円形状の平面形状を有する中空の領域である。
加圧室10は1つの副マニホールド5bと個別供給流路14を介して繋がっている。1つの副マニホールド5bに沿うようにして、この副マニホールド5bに繋がっている加圧室10の列である加圧室列11が、副マニホールド5bの両側に1列ずつ、合計2列設けられている。したがって、1つのマニホールド5に対して、16列の加圧室11が設けられており、ヘッド本体2a全体では32列の加圧室列11が設けられている。各加圧室列11における加圧室10の長手方向の間隔は同じであり、例えば、37.5dpiの間隔となっている。
各加圧室列11の端にはダミー加圧室16が設けられている。このダミー加圧室16は、マニホールド5とは繋がっているが、吐出孔8とは繋がっていない。また、32列の加圧室列11の外側には、ダミー加圧室16が直線状に並んだダミー加圧室列が設けられている。このダミー加圧室16は、マニホールド5および吐出孔8のいずれとも繋がっていない。これらのダミー加圧室により、端から1つ内側の加圧室10の周囲の構造(剛性)が他の加圧室10の構造(剛性)と近くなることで、液体吐出特性の差を少なくできる。なお、周囲の構造の差の影響は、距離の近い、長さ方向に隣接する加圧室10の影響が大きいため、長さ方向には、両端にダミー加圧室を設けてある。幅方向については、影響が比較的小さいため、ヘッド本体21aの端に近い方のみに設けている。これにより、ヘッド本体21aの幅を小さくできる。
1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は、矩形状の圧電アクチュエータ基板21の各外辺に沿った行および列をなす格子上に配置されている。これにより、圧電アクチュエータ基板21の外辺から、加圧室10の上に形成されている個別電極25が等距離に配置されることになるので、個別電極25を形成する際に、圧電アクチュエータ基板21に変形が生じ難くできる。圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを接合する際に、この変形が大きいと外辺に近い変位素子30に応力が加わり、変位特性にばらつきが生じるおそれがあるが、変形を少なくすることで、そのばらつきを低減できる。また、最も外辺に近い加圧室列11の外側にダミー加圧室16のダミー加圧室列が設けられているために、変形の影響をより受け難くできる。加圧室列11に属する加圧室10は等間隔で配
置されており、加圧室列11に対応する個別電極25も等間隔で配置されている。加圧室列11は短手方向に等間隔で配置されており、加圧室列11に対応する個別電極25の列も短手方向に等間隔で配置されている。これにより、特にクロストークの影響が大きくなる部位をなくすことができる。
本実施例では、加圧室10は格子状に配置したが、隣接する圧室列11に属する加圧室10の間に角部が位置するように千鳥状に配置してもよい。このようにすると、隣接加圧室列11に属する加圧室10の間の距離がより長くなるので、よりクロストークを抑制できる。
加圧室列11をどのように並べるかによらず、流路部材4を平面視したとき、1つの加圧室列11に属する加圧室10が、隣接する加圧室列11に属する加圧室10と、液体吐出ヘッド2の長手方向において、重ならないように配置することにより、クロストークを抑制できる。一方、加圧室列11の間の距離を離すと、液体吐出ヘッド2の幅が大きくなるので、プリンタ1に対する液体吐出ヘッド2の設置角度の精度や、複数の液体吐出ヘッド2を使用する際の、液体吐出ヘッド2の相対位置の精度が印刷結果に与える影響が大きくなる。そこで、隔壁15の幅を副マニホールド5bよりも小さくすることで、それらの精度が印刷結果に与える影響を少なくできる。
1つの副マニホールド5bに繋がっている加圧室10は、2列の加圧室列11をなしており、1つの加圧室列11に属する加圧室10から繋がっている吐出孔8は、1つの吐出孔列9をなしている。2列の加圧室列11に属する加圧室10に繋がっている吐出孔8はそれぞれ、副マニホールド5bの異なる側に開口している。図4では隔壁15には、2列の吐出孔列9が設けられているが、それぞれの吐出孔列9に属する吐出孔8は、吐出孔8に近い側の副マニホールド5bに加圧室10を介して繋がっている。隣接する副マニホールド5bに加圧室列11を介して繋がっている吐出孔8と液体吐出ヘッド2の長手方向において重ならないように配置されていると、加圧室10と吐出孔8とを繋ぐ流路間のクロストークが抑制できるので、さらにクロストークを少なくすることができる。加圧室10と吐出孔8とを繋ぐ流路全体が、液体吐出ヘッド2の長手方向において重ならないように配置されていると、さらにクロストークを少なくすることができる。
また、平面視において、加圧室10と副マニホールド5bとが重なるように配置することにより、液体吐出ヘッド2の幅を小さくできる。加圧室10の面積に対する、重なっている面積の割合が80%以上、さらに90%以上にすることで、液体吐出ヘッド2の幅をより小さくできる。また、加圧室10と副マニホールド5bとが重なっている部分の加圧室10の底面は、副マニホールド5bと重なっていない場合と比較して剛性が低くなっており、その差により吐出特性がばらつくおそれがある。加圧室10全体の面積に対する、副マニホールド5bと重なっている加圧室10の面積の割合を、各加圧室10で略同じにすることで、加圧室10を構成する底面の剛性が変わることによる吐出特性のばらつきを少なくすることができる。ここで略同じとは、面積の割合の差が、10%以下、特に5%以下であることを言う。
1つのマニホールド5に繋がっている複数の加圧室10により加圧室群が構成されており、マニホールド5が2つあるため、加圧室群は2つある。各加圧室群内における吐出に関わる加圧室10の配置は同じで、短手方向に平行移動させた配置されている。これらの加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に、加圧室群間などの少し間隔が広くなった部分があるものの、ほぼ全面にわたって配列されている。つまり、これらの加圧室10によって形成された加圧室群は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接合されることで閉塞されて
いる。
加圧室10の個別供給流路14が繋がっている角部と対向する角部からは、流路部材4の下面の吐出孔面4−1に開口している吐出孔8に繋がる流路13が伸びている。流路13は、平面視において、加圧室10から離れる方向に伸びている。より具体的には、加圧室10の長い対角線に沿う方向に離れつつ、その方向に対して左右にずれながら伸びている。これにより、加圧室10は各加圧室列11内での間隔が37.5dpiになっている格子状の配置にしつつ、吐出孔8は、全体で1200dpiの間隔で配置することができる。
これは別の言い方をすると、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出孔8を投影すると、図4に示した仮想直線のRの範囲に、各マニホールド5に繋がっている16個の吐出孔8、全部で32個の吐出孔8が、1200dpiの等間隔となっているということである。これにより、全てのマニホールド5に同じ色のインクを供給することで、全体として長手方向に1200dpiの解像度で画像が形成可能となる。また、1つのマニホールド5に繋がっている1個の吐出孔8は、仮想直線のRの範囲で600dpiの等間隔になっている。これにより、各マニホールド5に異なる色のインクを供給することで、全体として長手方向に600dpiの解像度で2色の画像が形成可能となる。この場合、2つの液体吐出ヘッド2を用いれば、600dpiの解像度で4色の画像が形成可能となり、600dpiで印刷可能な液体吐出ヘッドを用いるよりも、印刷精度が高くなり、印刷のセッティングも簡単にできる。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置には個別電極25がそれぞれ形成されている。個別電極25は、加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有している個別電極本体25aと、個別電極本体25aから引き出されている引出電極25bとを含んでおり、個別電極25は、加圧室10と同じように、個別電極列および個別電極群を構成している。また、圧電アクチュエータ基板21の上面には、共通電極24とビアホールを介して電気的に接続されている共通電極用表面電極28が形成されている。共通電極用表面電極28は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部に、長手方向に沿うように2列形成され、また、長手方向の端近くで短手方向に沿って1列形成されている。図示した、共通電極用表面電極28は直線上に断続的に形成されたものであるが、直線上に連続的に形成してもよい。
圧電アクチュエータ基板21は、後述のようにビアホールを形成した圧電セラミック層21a、共通電極24、圧電セラミック層21bを積層し、焼成した後、個別電極25および共通電極用表面電極28を同一工程で形成するのが好ましい。個別電極25と加圧室10との位置ばらつきは吐出特性に大きく影響を与えこと、個別電極25を形成した後、焼成すると圧電アクチュエータ基板21に反りが生じるおそれがあり、反りが生じた圧電アクチュエータ基板21を流路部材4に接合すると、圧電アクチュエータ基板21に応力が加わった状態になり、その影響で変位がばらつくおそれがあることから、個別電極25は、焼成後に形成される。共通電極用表面電極28も同様に反りを生じされるおそれがあることと、個別電極25と同時に形成した方が、位置精度が高くなり、工程も簡略化できるので、個別電極25と共通電極用表面電極28は同一工程で形成される。
このような圧電アクチュエータ基板21を焼成する際に生じるおそれのある、焼成収縮によるビアホールの位置ばらつきは、主に圧電アクチュエータ基板21の長手方向に生じるので、共通電極用表面電極28が偶数個あるマニホールド5の中央、別の言い方をすれば、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央に設けられており、共通電極用表面電極28が圧電アクチュエータ基板21の長手方向に長い形状をしていることにより、ビアホールと共通電極用表面電極28とが位置ずれにより電気的に接続されなくなることを抑
制できる。
圧電アクチュエータ基板21には、2枚の信号伝達部92が、圧電アクチュエータ基板21の2つの長辺側から、それぞれ中央に向かうように配置され、接合される。その際、圧電アクチュエータ基板21aの引出電極25bおよび共通電極用表面電極28の上に、それぞれ、接続電極26および共通電極用接続電極を形成して接続することで、接続が容易になる。また、その際、共通電極用表面電極28および共通電極用接続電極の面積を接続電極26の面積よりも大きくすれば、信号伝達部92の端部(先端および圧電アクチュエータ基板21の長手方向の端)にける接続が、共通電極用表面電極28上の接続により強くできるので、信号伝達部92が端からはがれ難くできる。
また、吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置されたマニホールド5と対向する領域を避けた位置に配置されている。さらに、吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの吐出孔8は、1つの群として圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子30を変位させることにより吐出孔8から液滴が吐出できる。
ヘッド本体2aに含まれる流路部材4は、複数のプレートが接着剤層介して積層された積層構造を有している。なお、図6(a)などでは、接着剤の層は省略して描いているが、0.5〜3μm程度である。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜j、カバープレート4kおよびノズルプレート4lである。これらのプレートには流路となる多数の孔17が形成されている。各プレートの厚さは10〜300μm程度であることにより、形成する孔17の形成精度を高くできる。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路12およびマニホールド5を構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体2aは、加圧室10は流路部材4の上面に、マニホールド5は内部の下面側に、吐出孔8は下面にと、個別流路12を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、加圧室10を介してマニホールド5と吐出孔8とが繋がる構成を有している。
プレートの積層は、例えば、キャビティプレート4aの下面に接着剤を塗布した後、これにベースプレート4bを積層し、次いで、ベースプレート4bの下面に接着剤を塗布した後、アパーチャプレートを積層し、と繰り返し、ノズルプレート4lまで積層する。積層する際に、接着される部位から溢れた接着剤の一部は、孔17に流れ込む。流れ込む量が多ければ、流路が詰まるおそれがあるし、そこまで多くないとしても、流路の大きさが変わることにより、吐出特性などが変動するおそれがある。そのため、孔17の周囲に、接着剤の逃がし溝18を設ける。接着剤の逃がし溝18については、後で詳述する。
各プレートに形成された孔17について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート4aに形成された加圧室10である。第2に、加圧室10の一端からマニホールド5へと繋がる個別供給流路14を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の入り口)からサプライプレート4c(詳細にはマニホールド5の出口)までの各プレートに形成されている。なお、この個別供給流路14には、アパーチャプレート4cに形成されている、流路の断面積が小さくなっている部位であるしぼり6が含まれている。
第3に、加圧室10の他端から吐出孔8へと連通する流路13を構成する連通孔である。流路13は、吐出孔8側で断面が狭くなっているノズル部13aと、ノズル部13aを除いた部分流路13bとからなる。流路13は、ベースプレート4b(詳細には加圧室1
0の出口)からノズルプレート4l(詳細には吐出孔8)までの各プレートに形成されている。ノズル部13aはノズルプレート4lに形成されており、ノズル部13aの孔は、吐出孔8として流路部材4の外部に開口している径が、例えば10〜40μmのもので、内部に向かって径が大きくなっていくものが開けられている。ノズル部13aの内壁の傾斜は10〜30度とされる。部分流路13bは、最小径と最大径との比が2倍程度の、径の差の大きくない孔が連なっており、その径は50〜200μm程である。
第4に、マニホールド5を構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート4e〜jに形成されている。マニホールドプレート4e〜jには、副マニホールド5bを構成するように隔壁15となる仕切り部が残るように孔が形成されている。各マニホールドプレート4e〜jにおける仕切り部は、ハーフエッチングした支持部17で各マニホールドプレート4e〜jと繋がった状態にされる。
第1〜4の連通孔が相互に繋がり、マニホールド5からの液体の流入口(マニホールド5の出口)から吐出孔8に至る個別流路12を構成している。マニホールド5に供給された液体は、以下の経路で吐出孔8から吐出される。まず、マニホールド5から上方向に向かって、個別供給流路14に入り、しぼり6の一端部に至る。次に、しぼり6の延在方向に沿って水平に進み、しぼり6の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。加圧室10から部分流路13に入った液体は下方に向かいつつ、水平方向にも移動する。水平方への移動は、最初は大きく、吐出孔8に近い部分で小さくなる。液体は、部分流路13bの端から径の小さくなったノズル部13を通り、下面に開口した吐出孔8へと進み、吐出される。
圧電アクチュエータ基板21は、圧電体である2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータ基板21の圧電セラミック層21aの下面から圧電セラミック層21bの上面までの厚さは40μm程度である。圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の加圧室10を跨ぐように延在している。これらの圧電セラミック層21a、21bは、例えば、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極24およびとAu系などの金属材料からなる個別電極25を有している。個別電極25は上述のように圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10と対向する位置に配置されている個別電極本体25aと、そこから引き出された引出電極25bとを含んでいる。引出電極25bの一端の、加圧室10と対向する領域外に引き出された部分には、接続電極26が形成されている。接続電極26は例えばガラスフリットを含む銀−パラジウムからなり、厚さが15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極26は、信号伝達部92に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極25には、制御部100から信号伝達部92を通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極24は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極24は、圧電アクチュエータ基板21に対向する領域内の全ての加圧室10を覆うように延在している。共通電極24の厚さは2μm程度である。共通電極24は、圧電セラミック層21b上に個別電極25からなる電極群を避ける位置に形成されている共通電極用表面電極28に、圧電セラミック層21bに形成されたビアホールを介して繋がっていて、接地され、グランド電位に保持されている。共通電極用表面電極28は、多数の個別電極25と同様に、信号伝達
部92上の別の電極と接続されている。
なお、後述のように、個別電極25に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極25に対応する加圧室10の体積が変わり、加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路12を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ基板21における各加圧室10に対向する部分は、各加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子30に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする圧電アクチュエータである変位素子30が加圧室10毎に、加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極24、圧電セラミック層21b、個別電極25により作り込まれており、圧電アクチュエータ基板21には加圧部である変位素子30が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は1.5〜4.5pl(ピコリットル)程度である。
多数の個別電極25は、個別に電位を制御することができるように、それぞれが信号伝達部92および配線を介して、個別に制御部100に電気的に接続されている。個別電極25を共通電極24と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部100により個別電極25を共通電極24に対して正または負の所定電位にすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極25を共通電極24より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極25を共通電極24と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極25が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが元の形状に戻り、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極25を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが加圧室10側へ凸となるように変形し、加圧室10の容積減少により加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極25に供給することになる。このパルス幅は、圧力波がしぼり6から吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、加圧
室10内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、吐出孔8から連続して吐出される液滴の数、つまり液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する吐出孔8から連続して行なう。一般に、液体吐出を連続して行なう場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。なお、この場合後から吐出される液滴の速度が速くなると考えられるが、その方が複数の液滴の着弾点が近くなり、好ましい。
なお、本実施形態では、加圧部として圧電変形を用いた変位素子30を示したが、これに限られるものでなく、加圧室10の体積を変化させることができるもの、すなわち、加圧室10中の液体を加圧できるものなら他のものでよく、例えば、加圧室10中の液体を加熱して沸騰させて圧力を生じさせるものや、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたものでもよい。
ここでさらに流路部材4における(接着剤の)逃がし溝18について詳述する。逃がし溝18は、流路となる孔17に流れ込む接着剤の量が多くなって、流路をふさぐことや、流れ込む接着剤の量が場所によって異なり、そのため本来同一の寸法に設計されて、同一の吐出特性にすべく設計された流路の特性がばらつくことを抑制できる。逃がし溝18は、基本的には、孔17の周囲に、所定の接着しろの分の距離で離間して配置される。このようにすれば、孔17に流れ込む接着剤の量は、最大でも、孔17からその周囲の逃がし溝18までの面積で余った分量になるので、流れ込む量を抑制できる。余分な接着剤は、逃がし溝18にも流れ込むので、実際に孔17に流れ込む接着剤の量は、孔17からその周囲の逃がし溝18までの面積の約半分の面積で余った接着剤の量となる。
孔17で構成される流路が、図5(a)、(b)の加圧室10から吐出孔8までのように、液体が積層方向に流れるとともに、平面方向に移動するような流路の場合、孔17のプレート間でのずれを考慮した逃がし溝18の配置が必要になる。個別流路12を構成している孔17は、マニホールド5などを構成している孔17と比較して相対的に小さいため、流れ込んだ接着剤による流路特性の変動が相対的に大きくなる。また、もともと、吐出特性には、マニホールド5などよりも個別流路12の流路特性の影響が大きいので、個別流路12となる孔17の周囲の逃がし溝18の配置は重要である。特に、加圧室10から吐出孔8までの個別流路12は、格子状に配置された加圧室10からヘッド本体2aの長手方向にずれて配置されている吐出孔8までを繋ぐため、積層方向に向かいつつ平面方向に移動する流路となるので、プレート間で孔17が大きくずれて配置されているので、周囲の逃がし溝18の配置は重要である。
本実施形態では、ノズルプレート4lに形成されている吐出孔8はパンチングで孔を開け、その際できた突起を研磨して作製している。他のプレートの孔17は、プレートにレジストを付けてエッチングして作製している。その形状について、プレート4eに形成された孔17eを使って説明する。エッチングで作製しているため、孔17は、図5(b)に示すよう深くなるほど幅が狭くなる形状になっている。エッチングは基本的に両面から行われる。片側のエッチングでは、孔17のように平面形状が円形の場合、略半球形の穴であり、反対側からエッチングすることで孔17となる。
この際上下面で平面方向での位置をずらして加工すれば、積層方向に対して斜めの流路をつくることができる。上(加圧室10側)側の開口を17e1と下(吐出孔8)側の開口17e2とをずらす量は、それぞれの開口の面積重心間の平面方向の差を、開口面積の小さい方の面積と同じ面積の円の半径(以下で、これを相当する円の半径と言うことがある)の20〜100%とするのが好ましい。20%以上であることにより、平面方向への移動距離を多くできる。100%にすると、開口面積の小さい側の片面のエッチングでできた略半球形一番底の部分が両面エッチングした後も流路内に残る。この部分は、積層方向に対してほぼ直角になっており液体の流動を妨げる働きをしてしまう。100%を超えると、図6(a)に示すように、上面の開口217e1のエッチングの底部は、主に下方に向かう液体の流れに対して逆方向になる部分まで残されるので、液体が通り難くなり、吐出速度が低くなったり、吐出量が少なくなってしまうので、100%以下にするのが好ましい。
プレート間においても開口の位置をずらすことで、積層方向に対して斜めの流路をつくることができる。このことについて、連続して積層されている第1のプレート4eおよび第2のプレート4fを用いて説明する。上(加圧室10側)側のプレートである第1のプレート4eには、孔17eが形成されており、孔17eのプレート上面の開口が上面の開口17e1、プレート下面の開口が下面の開口17e2である。下(吐出孔8側)側のプレートである第2のプレート4fには、孔17fが形成されており、孔17fのプレート上面の開口が上面の開口17f1、プレート下面の開口が下面の開口17f2である。プレートの間で繋がる2つの開口、第1のプレート4eの下側の開口17e2を第1の開口17e2、第3のプレート4fの上側の開口17f1を第2の開口17f1として説明を続ける。
第1の開口17e2と、第2の開口18f1との平面方向での位置をずらして加工すれば、積層方向に対して斜めの流路をつくることができる。ずらす量は、それぞれの開口の面積重心間の平面方向の差を、開口面積の小さい方の面積に相当する円の半径の20〜100%とするのが好ましい。20%以上であることにより、平面方向への移動距離を多くできる。100%以下にすることで、プレート間で積層ずれが生じても、流路が繋がらなかったり、極端に狭くなることで吐出特性が変動する可能性を低くできる。
そして、いずれかの開口の周囲にプレートの接着剤の逃がし溝18を設ける。具体的には、第1のプレート4eの下(第2のプレート4f側)面の第1の開口17e2の周囲に逃がし溝18eを設けるか、あるいは、第2のプレート4fの上(第1のプレート4e側)面の第2の開口17f1の周囲に逃がし溝18を設ければよい。また、その両方のプレートにそれぞれ設けてもよい。ここでそれぞれ設るとは、ほぼ同じ形状のものを両方に設けてもよいし、異なる形状であって、繋げると1つに繋がるような形状のものを設けてもよい。逃がし溝18eは、流路部材4を平面視した際に、第1の開口17e2と第2開口17f1と繋げた形状Sの外形に沿い、かつ離間させて配置する。別の考え方として、第2の開口71f1の外形に沿い、かつ離間させて配置するといものもあり、積層ずれした場合に、逃がし溝と第2の開口17f1とが繋がりにくいとの利点があるが、第1の開口17e2と第2の開口18e1との平面方向のずれが、小さい方に相当する円の半径の10%以上、特に20%以上である場合は、第1の開口17e2に重なってしまうため、そもそも、そのような逃がし溝を配置することができなかったり、第1の開口17e2と近接し過ぎてしまうため、十分な接着しろがとれなくなってしまう。第1の開口17e2および第2開口17f1と、形状Sとの関係は図6(c)に示した。形状Sは、第1の開口17e2および第2開口17f1と重なるため、図6(c)では、わずかに離して描いている。
図6(b)は、第1のプレート4eの下側から見た平面図である。第2の開口17f1の一点鎖線は、第2のプレート4fが積層した際の第2の開口17f1の位置を示している。孔17eはプレートの中間で径が小さくなっているが、図6(b)では、その部分は描写していない。逃がし溝18eは、形状Sから一定の離間距離を開けて、溝状に設けられている。離間距離は、形状Sの面積に相当する円の半径以下であることが好ましい。そのようにすれば、流路に流れこむ接着剤の量を少なくでき好ましい。上述のように流路に流れ込むおそれのある接着剤は、形状Sから逃がし溝18eの内側までの面積に塗られた接着剤の約半分であり、その面積を少なくすることで流れ込む接着剤の量を少なくできる。
ここで、プレート間で流路となるべく開口している部分の形状は形状Sであるため、離間距離は、この面積と対比して定めるのが有効である。円形で同径の開口がプレート間で繋がっている場合、それらの配置のずれが大きくなるにしたがって形状Sの面積は大きくなる。形状Sの面積が大きくなれば、流れ込む接着剤の量が増えても、それによって形状
Sが変わる(接着剤によって狭まる)影響は小さくなるので、許容可能な接着剤の流れ込み量は増える。したがって、逃がし溝18eまでに離間距離は、同じ径の開口を繋げる場合であっても、開口をどれだけずらすかを考慮して決めるべきであり、上述のように接着剤をどの程度許容しうるかを考慮しできる形状Sの面積と関係付けて、その半径以下にするのが好ましい。また、接着しろが十分でないと、接着が十分でない接着剤層を通じて、逃がし溝18eとが繋がって吐出特性が変動するおそれがあるので、離間距離は20%以上にするのが好ましい。特に望ましい離間距離は30〜45%である。
また、第1の開口17e2と逃がし溝18eとの離間距離(より正確には、形状Sのうち第1の開口17e2で形状が決まっている部分の形状Sから逃がし溝18eまでの離間距離)よりも、第2の開口17f1と逃がし溝18eとの離間距離(より正確には、形状Sのうち第2の開口17f2で形状が決まっている部分の形状Sから逃がし溝18eまでの離間距離)を大きくするのが好ましい。差の差は、形状Sの面積に相当する辺の半径の5%以上にするのが好ましい。プレート間では積層ずれが生じるおそれがあるが、上述のようにすれば、積層ずれした際に、第2の開口18f1と逃がし溝18eが繋がったり、間の接着しろが狭くなりすぎることが生じ難い。
逃がし溝18eは、基本的に形状Sに対して、ほぼ一定の離間距離で設ける。ただし、上述のように、形状Sのうち、第1の開口17e2で規定される部分と第2の開口17f1で規定される部分とでは、離間距離を変えて、それぞれの範囲でほぼ一定の離間距離としてもよい。また図7(a)に示したように、逃がし溝318eのように長円形の形状にしてもよい。
第1のプレートの孔17fの上側の開口17f1を第3の開口17f1とすると、流路部材4を平面視した際に、第3の開口17f1はと逃がし溝18eは重ならないことが好ましい。そのようにすれば、逃がし溝18eの上側のエッチング部分と開口17f1の下側のエッチング部分とを繋がり難くできる。
以上のような設計は、孔17の径が小さく、プレート内を平面方向に流れる流路ではない、主に積層方向に向か流路において必要性が高い。特に個別流路12は、流路の径が小さいために必要性が高く、加圧室10から吐出孔8に向かう流路は、それに加えて、平面方向に移動するように流路を形成する必要があるため、より必要性が高い。別の観点では、第1の開口17e2および第2の開口17f1の開口形状が一方方向に長くない形状である場合に有効な設計である。ここで、一方方向に長くないとは細長くないとい意味であり、円形状や、長方形方、六角形状などの多角形状のうち、アスペクト比が1に近いもののことである。ここで、円形状とは、長軸と短軸の比の小さい楕円形も含み、比は1.5程度以下である。長方形方も同様に、長辺と短辺の比は1.5程度以下であり、他の多角形状についてもアスペクト比は1,5程度以下である。
また、各部の寸法としては、次のような範囲が例示できる。第1の開口17e2などの開口は、100〜300μmである。逃がし溝18eの幅は、第1の開口17e2などの開口の面積に相当する円の半径の60〜140%、より好ましくは80〜120%である。また、逃がし溝18eは、第1の開口17e2と同時に形成される。第1の開口17e2と第3の開口17e1とを繋げるため、それぞれプレートの深さの半部以上になるようにエッチングされうる。第1の開口17e2と逃がし溝18eはエッチングされる部分の幅が異なるために、逃がし溝18eの方が若干深さが低くなる場合もあるが、逃がし溝18eもプレート半分程度の深さとなる。
また、一つのプレートの面に開口している開口が近接して設けられている場合、その間に逃がし溝18eが設けられない場合がある。図7(b)はそのような場合の設計の例で
ある。
第1の開口17e2が離間距離D3[μm]で開口しており、形状Sと逃がし溝318eとの離間距離はほとんどのところでD1a[μm]、逃がし溝318eの幅はほとんどのところでD2[μm]である。D3が2×D1a+D2以下の場合、D1aを一定にするため、逃がし溝318eの幅D2を狭くして形成するのが理想的のように思われる。しかし、逃がし溝318eはエッチングで形成されるため、幅D2を細くしようとしても限界がある。そのような場合、2つの第1の開口17e2を結ぶ線上には逃がし溝318eを形成せず、図7(b)に示すような形状とすればよい。他方、このようにすると、2つの第1の開口17eの間の面積が広くなるので、形状Sに流れ込む接着剤の量が増えるおそれがある。これに対しては、2つの第1の開口17eの間に近い部分の形状Sと逃がし溝318eとの離間距離D1b[μm]を、他の部分の離間距離D1aよりも小さくするのが好ましい。そうすれば、その部分の離間距離が小さい分、形状Sに流れ込む接着剤の量が少なくなるので、前述の分と相殺され、差を小さくできる。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
2a・・・ヘッド本体
4・・・流路部材
4a〜l・・・プレート
4−1・・・吐出孔面
4−2・・・加圧室面
5・・・マニホールド
5a・・・(マニホールドの)開口
5b・・・副マニホールド
6・・・しぼり
8・・・吐出孔
9・・・吐出孔列
10・・・加圧室
11・・・加圧室列
12・・・個別流路
14・・・個別供給流路
15・・・隔壁
16・・・ダミー加圧室
17d、17e、17f、217e・・・(流路となる)孔
17e1、18e1、217e1・・・(流路となる孔の)上面の開口
17e2、18e2、217e2・・・(流路となる孔の)下面の開口
18、18e・・・逃がし溝
21・・・圧電アクチュエータ基板
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
24・・・共通電極
25・・・個別電極
25a・・・個別電極本体
25b・・・引出電極
26・・・接続電極
28・・・共通電極用表面電極
30・・・変位素子(加圧部)
S・・・プレート間における上下の孔の開口を繋げた形状

Claims (10)

  1. 液体が流れる流路となる孔を有する複数のプレートが接着積層されている液体吐出ヘッド用の流路部材であって、
    前記プレートのうち、連続して積層されている第1のプレートと第2のプレートとの間で繋がっている前記流路となる、前記第1のプレートの前記第2プレート側の面の前記孔の開口である第1の開口および前記第2のプレートの前記第1プレート側の面の前記孔の開口である第2の開口が、それぞれ一方方向に長くない平面形状であり、前記第1の開口と前記第2の開口とは、平面方向にずらして配置されており、
    前記第1の開口の周囲の前記第1のプレート、および前記第2の開口の周囲の前記第2のプレートの少なくとも一方には、前記流路部材を平面視した場合に、前記第1の開口と前記第2の開口とを繋げた形状Sの外形に沿い、かつ離間している、接着剤の逃がし溝が配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド用の流路部材。
  2. 前記第1の開口および前記第2の開口の平面形状が、円形状もしくはアスペクト比が1に近い多角形状であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  3. 前記第1の開口の面積重心と、前記第2の開口の面積重心との平面方向の距離が、前記第1の開口および前記第2の開口のうちの面積の小さい方の面積と同じ面積の円の半径の20〜100%であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  4. 前記逃がし溝と形状Sとの離間距離が、形状Sの面積と同じ円の半径以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  5. 前記第1のプレートの前記第2のプレートと反対側の面の前記孔の開口である第3の開口が、一方方向に長くない平面形状であり、
    前記流路部材を平面視した場合に、前記第3の開口は、前記第1の開口に対して、前記第2の開口と反対側に配置されており、前記第3の開口の面積重心と、前記第1の開口の面積重心との平面方向の距離が、前記第3の開口および前記第2の開口のうちの面積の小さい方の面積と同じ面積の円の半径の20〜100%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  6. 前記逃がし溝が前記第1のプレートに配置されており、前記流路部材を平面視した場合、当該逃がし溝と前記第3の開口とが重ならないことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  7. 前記逃がし溝が前記第1のプレートに配置されており、当該逃がし溝と前記第2の開口との離間距離が、当該逃がし溝と前記第1の開口との離間距離より大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  8. 形状Sおよび当該形状Sと隣り合っている他の形状Sのそれぞれの外形に沿い、かつ離間し、かつ当該形状Sおよび前記他の形状Sの全体を囲むように前記逃がし溝が配置されており、
    当該形状Sと前記他の形状Sとの間には、前記逃がし溝が配置されておらず、
    当該形状Sと前記逃がし溝との間の離間距離、および前記他の形状Sと前記逃がし溝との間の離間距離の少なくとも一方が、当該形状Sと前記他の形状Sとの間の前記逃がし溝が配置されていない部位に向かって狭くなっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド用の流路部材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の液体吐出ヘッド用の流路部材と、前記流路内の液体を加圧する加圧部とを備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 請求項9に記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部とを備えていることを特徴とする記録装置。
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