JP2016172381A - 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロストークの生じ難い液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置を提供する。【解決手段】液体吐出ヘッドは、複数の吐出孔8、複数の吐出孔8とそれぞれ繋がっている複数の加圧室10、複数の加圧室10から液体を回収する第1共通流路20、および第1共通流路20と複数の加圧室10とをそれぞれ繋いでいる複数の第1個別流路12を有する流路部材4と、複数の加圧室10をそれぞれ加圧する複数の加圧部50とを含んでいる液体吐出ヘッドであって、第1個別流路12に面してダンパ(第1ダンパ28Aあるいは第2ダンパ28B)が配置されている。【選択図】図5

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置に関する。
従来、印刷用ヘッドとして、例えば、液体を記録媒体上に吐出することによって、各種の印刷を行なう液体吐出ヘッドが知られている。液体吐出ヘッドは、例えば、液体を吐出する複数の吐出孔と、複数の吐出孔から液体が吐出されるように液体を加圧する複数の加圧室と、複数の加圧室に液体を供給する共通流路と、共通流路に面しているダンパを備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2009−208461号公報
特許文献1に記載されているような液体吐出ヘッドでは、複数存在する加圧室が共通流路を介して繋がっているため、液体を吐出すると、圧力が液体を介して他の加圧室にまで伝わり、伝わった先の加圧室の液体が振動するので、その加圧室から吐出される液体の吐出量や吐出速度などの吐出特性が変動するクロストークが生じることがあった。特許文献1に記載されているように共通流路に面してダンパを設けることで、クロストークを低減できるが、液体吐出ヘッドの設計によっては共通流路に面してダンパを設けるのが難しいため、クロストークの低減ができなかったり、共通流路に面したダンパだけでは、クロストークの低減が充分でないことがあった。
したがって、本発明の目的は、クロストークの生じ難い液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドは、複数の吐出孔、該複数の吐出孔とそれぞれ繋がっている複数の加圧室、前記複数の加圧室から液体を回収する第1共通流路、該第1共通流路と前記複数の加圧室とをそれぞれ繋いでいる複数の第1個別流路、および前記複数の加圧室に液体を供給する第2共通流路を有する流路部材と、前記複数の加圧室をそれぞれ加圧する複数の加圧部とを含んでいる液体吐出ヘッドであって、前記第1個別流路に面してダンパが配置されていることを特徴とする。
また、本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部を備えていることを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドによれば、クロストークを低減できる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを含む記録装置の側面図であり、(b)は平面図である。 (a)は、図1の液体吐出ヘッドの要部であるヘッド本体の平面図であり、(b)は、(a)から第2流路部材を除いた平面図である。 図2(b)の一部の拡大平面図である。 (a)は、図2(b)の一部の拡大平面図であり、(b)および(c)は、(a)の一部の流路の平面図である。 (a)は、図4のV−V線に沿った部分縦断面図であり、(b)は、図2(a)のヘッド本体の部分縦断面図ある。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッド2を含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタ1(以下で単にプリンタと言うことがある)の概略の側面図であり、図1(b)は、概略の平面図である。プリンタ1は、記録媒体である印刷用紙Pをガイドローラ82Aから搬送ローラ82Bへと搬送することにより、印刷用紙Pを液体吐出ヘッド2に対して相対的に移動させる。制御部88は、画像や文字のデータに基づいて、液体吐出ヘッド2を制御して、記録媒体Pに向けて液体を吐出させ、印刷用紙Pに液滴を着弾させて、印刷用紙Pに印刷などの記録を行なう。
本実施形態では、液体吐出ヘッド2はプリンタ1に対して固定されており、プリンタ1はいわゆるラインプリンタとなっている。本発明の記録装置の他の実施形態としては、液体吐出ヘッド2を、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、例えば、ほぼ直交する方向に往復させるなどして移動させる動作と、印刷用紙Pの搬送を交互に行なう、いわゆるシリアルプリンタが挙げられる。
プリンタ1には、印刷用紙Pとほぼ平行となるように平板状のヘッド搭載フレーム70(以下で単にフレームと言うことがある)が固定されている。フレーム70には図示しない20個の孔が設けられており、20個の液体吐出ヘッド2がそれぞれの孔の部分に搭載されていて、液体吐出ヘッド2の、液体を吐出する部位が印刷用紙Pに面するようになっている。液体吐出ヘッド2と印刷用紙Pとの間の距離は、例えば0.5〜20mm程度とされる。5つの液体吐出ヘッド2は、1つのヘッド群72を構成しており、プリンタ1は、4つのヘッド群72を有している。
液体吐出ヘッド2は、図1(a)の手前から奥へ向かう方向、図1(b)の上下方向に細長い長尺形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。1つのヘッド群72内において、3つの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、例えば、ほぼ直交する方向に沿って並んでおり、他の2つの液体吐出ヘッド2は搬送方向に沿ってずれた位置で、3つの液体吐出ヘッド2の間にそれぞれ一つずつ並んでいる。液体吐出ヘッド2は、各液体吐出ヘッド2で印刷可能な範囲が、印刷用紙Pの幅方向に(印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向に)繋がるように、あるいは端が重複するように配置されており、印刷用紙Pの幅方向に隙間のない印刷が可能になっている。
4つのヘッド群72は、記録用紙Pの搬送方向に沿って配置されている。各液体吐出ヘッド2には、図示しない液体タンクから液体、例えば、インクが供給される。1つのヘッド群72に属する液体吐出ヘッド2には、同じ色のインクが供給されるようになっており、4つのヘッド群72で4色のインクが印刷できる。各ヘッド群72から吐出されるインクの色は、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。このようなインクを、制御部88で制御して印刷すれば、カラー画像が印刷できる。
プリンタ1に搭載されている液体吐出ヘッド2の個数は、単色で、1つの液体吐出ヘッド2で印刷可能な範囲を印刷するのなら1つでもよい。ヘッド群72に含まれる液体吐出ヘッド2の個数や、ヘッド群72の個数は、印刷する対象や印刷条件により適宜変更でき
る。例えば、さらに多色の印刷をするためにヘッド群72の個数を増やしてもよい。また、同色で印刷するヘッド群72を複数配置して、搬送方向に交互に印刷すれば、同じ性能の液体吐出ヘッド2を使用しても搬送速度を速くできる。これにより、時間当たりの印刷面積を大きくすることができる。また、同色で印刷するヘッド群72を複数準備して、搬送方向と交差する方向にずらして配置して、印刷用紙Pの幅方向の解像度を高くしてもよい。
さらに、色の付いたインクを印刷する以外に、印刷用紙Pの表面処理をするために、コーティング剤などの液体を印刷してもよい。
プリンタ1は、記録媒体である印刷用紙Pに印刷を行なう。印刷用紙Pは、給紙ローラ80Aに巻き取られた状態になっており、2つのガイドローラ82Aの間を通った後、フレーム70に搭載されている液体吐出ヘッド2の下側を通り、その後2つの搬送ローラ82Bの間を通り、最終的に回収ローラ80Bに回収される。印刷する際には、搬送ローラ82Bを回転させることで印刷用紙Pは、一定速度で搬送され、液体吐出ヘッド2によって印刷される。回収ローラ80Bは、搬送ローラ82Bから送り出された印刷用紙Pを巻き取る。搬送速度は、例えば、50m/分とされる。各ローラは、制御部88によって制御されてもよいし、人によって手動で操作されてもよい。
記録媒体は、印刷用紙P以外に、ロール状の布などでもよい。また、プリンタ1は、印刷用紙Pを直接搬送する代わりに、搬送ベルトを直接搬送して、記録媒体を搬送ベルトに置いて搬送してもよい。そのようにすれば、枚葉紙や裁断された布、木材、タイルなどを記録媒体にできる。さらに、液体吐出ヘッド2から導電性の粒子を含む液体を吐出するようにして、電子機器の配線パターンなどを印刷してもよい。またさらに、液体吐出ヘッド2から反応容器などに向けて所定量の液体の化学薬剤や化学薬剤を含んだ液体を吐出させて、反応させるなどして、化学薬品を作製してもよい。
また、プリンタ1に、位置センサ、速度センサ、温度センサなどを取り付けて、制御部88が、各センサからの情報から分かるプリンタ1各部の状態に応じて、プリンタ1の各部を制御してもよい。例えば、液体吐出ヘッド2の温度や液体タンクの液体の温度、液体タンクの液体が液体吐出ヘッド2に加えている圧力などが、吐出される液体の吐出特性に影響を与えている場合などに、それらの情報に応じて、液体を吐出させる駆動信号を変えるようにしてもよい。
次に、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッド2について説明する。図2(a)は、図1に示された液体吐出ヘッド2の要部であるヘッド本体2aを示す平面図である。図2(b)は、ヘッド本体2aから第2流路部材6を除いた状態の平面図である。図3および図4(a)は、図2(b)の拡大平面図であり、図4(b)および(c)は、図4(a)の一部の流路の平面図である。図5(a)は、図4のV−V線に沿った縦断面図である。図5(b)は、ヘッド本体2aの第1共通流路20の開口20a付近における、第1共通流路20に沿った部分縦断面図である。
各図は、図面を分かり易くするために次のように描いている。図2〜4では、他のものの下方にあって破線で描くべき流路などを実線で描いている。図2(a)では、第1流路部材4内の流路については、ほとんど省略し、加圧室10の配置のみを示している。
液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2a以外に、金属製の筐体や、ドライバIC、配線基板などを含んでいてもよい。また、ヘッド本体2aは、第1流路部材4と、第1流路部材4に液体を供給する第2流路部材6と、加圧部である変位素子50が作り込まれている圧電アクチュエータ基板40とを含んでいる。ヘッド本体2aは、一方方向に長い平板形状
を有しており、その方向を長手方向と言うことがある。また、第2流路部材6は、支持部材の役割を果たしており、ヘッド本体2aは、第2流路部材6の長手方向の両端部のそれぞれでフレーム70に固定される。
ヘッド本体2aを構成する第1流路部材4は、平板状の形状を有しており、その厚さは0.5〜2mm程度である。第1流路部材4の第1の主面である加圧室面4−1には、加圧室10が平面方向に多数並んで配置されている。第1流路部材4の第2の主面であり、加圧室面4−1の反対側の面である吐出孔面4−2には、液体が吐出される吐出孔8が平面方向に多数並んで配置されている。吐出孔8は、それぞれ加圧室10と繋がっている。以下において、加圧室面4−1は、吐出孔面4−2に対して、上方に位置しているものとして説明をする。
第1流路部材4には、複数の第1共通流路20および複数の第2共通流路24が、第1方向に沿って伸びるように配置されている。また、第1共通流路20と第2共通流路24とは、第1方向と交差する方向である第2方向に交互に並んでいる。なお、第2方向は、ヘッド本体2aの長手方向と同じ方向である。
第1共通流路20の両側に沿って加圧室10が並んでおり、片側1列ずつ、合計2列の加圧室列11Aを構成している。第1共通流路20とその両側に並んでいる加圧室10とは、第1個別流路12を介して繋がっている。
第2共通流路24の両側に沿って加圧室10が並んでおり、片側1列ずつ、合計2列の加圧室列11Aを構成している。第2共通流路24とその両側に並んでいる加圧室10とは、第2個別流路14を介して繋がっている。なお、以下で、第1共通流路20と第2共通流路24とを合わせて、共通流路と言うことがある。
別の表現をすれば、加圧室10は仮想線上に並んで配置されており、仮想線の一方の側に沿って第1共通流路20が伸びており、仮想線の他方の側に沿って第2共通流路24が伸びている。本実施形態では、加圧室10が並んでいる仮想線は直線状であるが、曲線状や折れ線状であってもよい。
以上のような構成により、第1流路部材4においては、第2共通流路24に供給された液体は、第2共通流路24に沿って並んでいる加圧室10に流れ込み、一部の液体は吐出孔8から吐出され、他の一部の液体は、加圧室10に対して第2共通流路24と反対側に位置している第1共通流路20に流れ込み、第1流路部材4の外に排出される。
第1共通流路20の両側に第2共通流路24が配置されており、第2共通流路24の両側に第1共通流路20が配置されていることにより、1つの加圧室列11Aに対して、1つの第1共通流路20および1つの第2共通流路24が繋がっており、別の加圧室列11Aに対して、別の第1共通流路20および別の第2共通流路24が繋がっている場合と比較して、第1共通流路20および第2共通流路24の数を約半分にできるので好ましい。第1共通流路20および第2共通流路24の数が少なくて済む分、加圧室10の数を増やして高解像度化したり、第1共通流路20や第2共通流路24を太くして、吐出孔8からの吐出特性の差を小さくしたり、ヘッド本体2aの平面方向の大きさを小さくすることができる。
第1共通流路20に繋がっている第1個別流路12の第1共通流路20側の部分に加わる圧力は、圧力損失の影響で、第1共通流路20に第1個別流路12が繋がっている位置(主に第1方向における位置)により変わる。第2共通流路24に繋がっている第2個別流路14側の部分に加わる圧力は、圧力損失の影響で、第2共通流路24に第2個別流路
14が繋がっている位置(主に第1方向における位置)により変わる。第1共通流路20の外部への開口20aを第1方向の一方の端部に配置し、第2共通流路24の外部への開口24aを第1方向の他方の端部に配置すれば、各第1個別流路12および各第2個別流路14の配置による圧力の差が打ち消されるように作用し、各吐出孔8に加わる圧力の差を小さくできる。なお、第1共通流路20の開口20a、および第2共通流路24の開口24aはともに、加圧室面4−1に開口している。
吐出しない状態では、吐出孔8には液体のメニスカスが保持されている。吐出孔8において液体の圧力が負圧(液体を第1流路部材4に引き込もうとする状態)になっていることで、液体の表面張力とつり合ってメニスカスを保持できる。液体の表面張力は、液体の表面積を小さくしようとするので、正圧であっても圧力が小さければ、メニスカスを保持できる。正圧が大きくなれば、液体はあふれ出し、負圧が大きくなれば、液体は第1流路部材4内に引き込まれてしまい、液体が吐出可能な状態を維持できない。そのため、第2共通流路24から第1共通流路20に液体を流した際における、吐出孔8での液体の圧力の差が大きくなり過ぎないようにする必要がある。
第1個別流路12に面して、第1ダンパ28Aおよび第2ダンパ28Bが設けられている。第1ダンパ28Aおよび第2ダンパ28Bについては後で詳述する。
第1共通流路20の吐出孔面4−2側の壁面は、第3ダンパ28Cとなっている。第3ダンパ28Cの一方の面は、第1共通流路20に面しており、他方の面は第3ダンパ室29Cに面している。第3ダンパ室29Cがあることにより、第3ダンパ28Cは変形可能になっており、変形することで第1共通流路20の体積を変えることができる。液体を吐出させるために加圧室10内の液体が加圧されると、その圧力の一部は、液体を通じて第1共通流路20に伝わってくる。これにより、第1共通流路20内の液体が振動し、その振動が、元の加圧室10や、他の加圧室10に伝わって、液体の吐出特性を変動させる流体クロストークが生じることがある。第3ダンパ28Cが存在すると、第1共通流路20に伝わってきた液体の振動で第3ダンパ28Cが振動し、減衰することで、第1共通流路20内の液体の振動は持続され難くなるので、流体クロストークの影響を小さくできる。また、第3ダンパ28Cは、液体の給排を安定化させる役目も果たす。
第2共通流路24の加圧室面4−1側の壁面は、第4ダンパ28Dとなっている。第4ダンパ28Dの一方の面は、第2共通流路24に面しており、他方の面は第3ダンパ室29Dに面している。第4ダンパ28Dも、第3ダンパ28Cと同様に、流体クロストークの影響を小さくできる。また、第4ダンパ28Dは、液体の給排を安定化させる役目も果たす。
加圧室10は、加圧室面4−1に面して配置されており、変位素子50からの圧力を受ける加圧室本体10aと、加圧室本体10aの下から吐出孔面4−2に開口している吐出孔8に繋がる部分流路であるディセンダ10bとを含んだ中空の領域である。加圧室本体10aは、直円柱形状であり、平面形状は円形状である。平面形状が円形状であることにより変位素子50が同じ力で変形させた場合の変位量、および変位により生じる加圧室10の体積変化を大きくできる。ディセンダ10bは、直径が加圧室本体10aより小さい、直円柱形状であり、断面形状は円形状である。また、ディセンダ10bは、加圧室面4−1から見たときに、加圧室本体10a内に納まる位置に配置されている。
複数ある加圧室10は、加圧室面4−1において、千鳥状に配置されている。複数ある加圧室10は、第1方向に沿った複数の加圧室列11Aを構成している。各加圧室列11Aでは、加圧室10が、ほぼ等間隔で配置されている。隣り合っている加圧室列11Aに属する加圧室10は、第1方向に前記間隔の約半分ずれて配置されている。別の表現をす
れば、ある加圧室列11Aに属する加圧室10は、その隣に位置する加圧室列11Aに属する、連続する2つの加圧室10に対して、第1方向のほぼ中央に位置している。
これにより、1つ置きの加圧室列11Aに属している加圧室10は、第2方向に沿って配置されることになり、加圧室行11Bを構成している。
本実施形態では、第1共通流路20は51本、第2共通流路24は50本であり、加圧室列11Aは100列である。なお、ここでは、後述のダミー加圧室10Dのみで構成されているダミー加圧室列11Dは、上述の加圧室列11Aの数に含めていない。また、直接的に繋がっているのがダミー加圧室10Dだけである第2共通流路24は、上述の第2共通流路24の数に含めていない。また、各加圧室列11Aには16個の加圧室10が含まれている。ただし、第2方向の端に位置する加圧室列11Aには、8個の加圧室10および8個のダミー加圧室10Dが含まれている。上述のように、加圧室10は千鳥状に配置されているため、加圧室行11Bの行数は、32行である。
複数ある加圧室10は、吐出孔面4−2において、第1方向および第2方向に沿った格子状に配置されている。複数ある吐出孔8は、第1方向に沿った複数の吐出孔列9Aを構成している。吐出孔列9Aと加圧室列11Aとは、ほぼ同じ位置に配置されている。
加圧室10の面積重心と、加圧室10と繋がっている吐出孔8とは第1方向にずらされて配置されている。1つの加圧室列11A内では、ずらされる方向は同じ方向であり、隣り合う加圧室列11Aでは、ずらされる方向は逆方向になっている。これにより、2行の加圧室行11Bに属する加圧室10から繋がっている吐出孔8は、第2方向に沿って配置された1行の吐出孔行9Bを構成している。
したがって、本実施形態では、吐出孔列9Aは100列であり、吐出孔行9Bは16行である。
加圧室本体10aの面積重心と、加圧室本体10aから繋がっている吐出孔8とは、ほぼ第1方向に位置がずれている。ディセンダ10bは、加圧室本体10aに対して、吐出孔8の方向にずれた位置に配置されている。加圧室本体10aの側壁と、ディセンダ10bの側壁とは接するように配置されており、これにより加圧室本体10a内での液体の滞留を起き難くすることができる。
吐出孔8は、ディセンダ10bの中央部に配置されている。ここで中央部とは、ディセンダ10bの面積重心を中心とする、ディセンダ10bの直径の半分の円内の領域のことである。
第1個別流路12と加圧室本体10aとの接続部は、加圧室本体10aの面積重心に対して、ディセンダ10bとは反対側に配置されている。これにより、ディセンダ10bから流れ込んだ液体は、加圧室本体10a全体に広がった後、第1個別流路12に向かうように流れるため、加圧室本体10a内に液体の滞留が生じ難い。
第2個別流路14は、ディセンダ10bの吐出孔面4−2側の面から、平面方向に引き出されて第2共通流路24と繋がっている。引き出される方向は、加圧室本体10aに対して、ディセンダ10bがずらされる方向と同じである。
第1方向と第2方向とが成す角度は直角からずれている。このため、第1方向に沿って配置されている吐出孔列9Aに属する吐出孔8同士は、その直角からのずれた角度の分、第2方向にずれて配置される。そして、吐出孔列9Aが第2方向に並んで配置されるので
、異なる吐出孔列9Aに属する吐出孔8は、その分、第2方向にずれて配置される。これらが合わさって、第1流路部材4の吐出孔8は、第2方向に一定間隔で並んで配置されており、これにより、吐出した液体により形成される画素で所定の範囲を埋めるように印刷ができる。
1つの吐出孔列9Aに属する吐出孔8の配置は、第1方向に沿って完全に一直線上に配置すれば、上述のように所定範囲を埋め尽くすように印刷が可能である。ただし、そのように配置した場合に、プリンタ1に液体吐出ヘッド2を設置する際に生じる第2方向に直交する方向と搬送方向とのずれが、印刷精度に与える影響が大きくなる。そのため、上述の一直線上の吐出孔8の配置から、隣り合う吐出孔列9Aの間で、吐出孔8を入れ替えて配置するのが好ましい。
本実施形態では、吐出孔8の配置は次のようになっている。図3において、吐出孔8を第2方向と直交する方向に投影すると、仮想直線Rの範囲に32個の吐出孔8が投影され、仮想直線R内で各吐出孔8は360dpiの間隔に並ぶ。これにより、仮想直線Rに直交する方向に印刷用紙Pを搬送して印刷すれば、360dpiの解像度で印刷できる。仮想直線R内に投影される吐出孔8は、1列の吐出孔列9Aに属する吐出孔8すべて(16個)と、その吐出孔列9Aの両隣に位置する2つの吐出孔列9Aに属する吐出孔8の半分(8個)ずつである。このような構成にするために、各吐出孔行9Bでは、吐出孔8は、22.5dpiの間隔で並んでいる。これは、360/16=22.5であるからである。
第1共通流路20および第2共通流路24は、吐出孔8が直線状に並んでいる範囲では、直線になっており、直線がずれる吐出孔8の間で平行にずれている。第1共通流路20および第2共通流路24において、このずれる箇所が少ないので、流路抵抗が小さくなっている。また、この平行にずれる部分は、加圧室10と重ならない位置に配置されているので、加圧室10毎に吐出特性の変動を小さくできる。
第2方向の両方の端の1列(すなわち合わせて2列)の加圧室列11Aには、通常の加圧室10とダミー加圧室10Dとが含まれている。そのため、この加圧室列11Aをダミー加圧室列11Dと言うことがある。また、ダミー加圧室列11Dのさらに外側には、ダミー加圧室10Dのみが並んでいる1列(すなわち、両端で合わせて2列)のダミー加圧室列11Dが配置されている。第2方向の両方の端に1本ずつ(すなわち合わせて2本)ある流路は、通常の第1共通流路24と同じ形状をしているが、直接的には加圧室10とは繋がっておらず、ダミー加圧室10Dとしか繋がっていない。
第1流路部材4は、第1共通流路20および第2共通流路24からなる共通流路群の第2方向の外側に位置していて、第1方向に伸びている、端部流路30を有している。端部流路30は、加圧室面4−1に並んでいる第1共通流路20の開口20aのさらに外側に配置されている開口30cと、加圧室面4−1に並んでいる第2共通流路24の開口24aのさらに外側に配置されている開口30dとを繋いでいる流路である。
液体の吐出特性を安定させるために、ヘッド本体2aは、温度を一定にするようコントロールされる。また、液体の粘度が低くなる方が、吐出や液体の循環が安定するため、温度は、基本的には常温以上にされる。そのため、基本的には加熱することになるが、環境温度が高い場合は、冷却することもある。
温度を一定に保つためには、液体吐出ヘッド2にヒータを設けたり、供給する液体を温度調節したものにする。いずれにしても、環境温度と、目標とする温度に差がある場合、ヘッド本体2aの長手方向(第2方向)の端部からの放熱が多くなるため、第2方向の中
央部に位置する加圧室10の中の液体の温度に対して、第2方向の両方の端に位置する加圧室10の温度は低くなりやすい。端部流路30を設けることにより、第2方向の両方の端に位置する加圧室10の温度が下がり難くなり、各加圧室10から吐出される液体の吐出特性のばらつきを小さくでき、印刷精度を向上させることができる。
端部流路30は、第1統合流路22と第2統合流路26とを繋いでいる流路である。端部流路30の流路抵抗は、第1共通流路20および第2共通流路24の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。そのようにすれば、端部流路30に流れる液体の量が多くなり、端部流路30より内側での温度低下をより抑制できる。
端部流路30には、流路の幅が、共通流路の幅よりも広い幅広部30aが設けられており、幅広部30aの加圧室側4−1に面してダンパが設けられている。このダンパは、一方の面が幅広部30aに面しており、他方の面がダンパ室に面していて変形可能になっている。ダンパのダンピング能力は、変形可能な領域の差し渡しが一番狭い部分の影響が大きい。そのため、幅広部30aに面してダンパを設けることで、ダンピング能力の高いダンパとすることができる。幅広部30aの幅は、共通流路の幅の2倍以上、特に3倍以上であるのが好ましい。幅広部30aを設けることで、流路抵抗が低くなり過ぎるようであれば、狭窄部30dを設けて、流路抵抗を調性してもよい。
第2流路部材6は、第1流路部材4の加圧室面4−1に接合されている。第2流路部材6は、第2共通流路24に液体を供給する第2統合流路26と、第1共通流路20の液体を回収する第1統合流路22とを有している。第2流路部材6の厚さは、第1流路部材4よりも厚く、5〜30mm程度である。
第2流路部材6は、第1流路部材4の加圧室面4−1の圧電アクチュエータ基板40が接続されていない領域で接合されている。より具体的には、圧電アクチュエータ基板40を囲むように接合されている。このようにすることで、圧電アクチュエータ基板40に、吐出した液体の一部がミストとなって付着するのを抑制できる。また、第1流路部材4を外周で固定することになるので、第1流路部材4が変位素子50の駆動に伴なって振動して、共振などが生じることを抑制できる。
第1統合流路22を、第1流路部材4とは別の、第1流路部材4より厚い第2流路部材6に配置することで、第1統合流路22の断面積を大きくすることができ、それにより第1統合流路22と第1共通流路20とが繋がっている位置の差による圧力損失の差を小さくできる。第1統合流路22の流路抵抗は、第1共通流路20の1/100以下にするのが好ましい。ここで、第1統合流路22の流路抵抗とは、より正確には第1統合流路22のうちで、第1共通流路20と繋がっている範囲の流路抵抗のことである。
第2統合流路26を、第1流路部材4とは別の、第1流路部材4より厚い第2流路部材6に配置することで、第2統合流路26の断面積を大きくすることができ、それにより第2統合流路26と第2共通流路24とが繋がっている位置の差による圧力損失の差を小さくできる。第2統合流路26の流路抵抗は、第2共通流路24の1/100以下にするのが好ましい。ここで、第2統合流路26の流路抵抗とは、より正確には第2統合流路26のうちで、第1統合流路22と繋がっている範囲の流路抵抗のことである。
第1統合流路22を第2流路部材6の短手方向の一方の端に配置し、第2統合流路26を第2流路部材6の短手方向の他方の端に配置し、それぞれの流路を第1流路部材4側に向かわせて、それぞれ第1共通流路20および第2共通流路24と繋げる構造にする。このような構造にすることで、第1統合流路22および第2統合流路26の断面積を大きくして、流路抵抗を小さくすることができる。また、このような構造にすることで、第2流
路部材6で、第1流路部材4の外周を固定してすることで剛性を高くできる。さらに、このような構造にすることで、信号伝達部60の通る貫通孔6aを設けることができる。
第2流路部材6には、第1統合流路22のうち第2方向に伸びている流路抵抗の低い部分である第1統合流路本体22aとなる第1溝と、第2統合流路26のうち第2方向に伸びている流路抵抗の低い部分である第2統合流路本体26aとなる第2溝が配置されている。第1統合流路22の第2方向の端部には、ヘッド本体2aの上部で外部に開口している開口22cが配置されている。第2統合流路26の第4方向の端部には、ヘッド本体2aの上部で外部に開口している開口26cが配置されている。このような構造をしていることにより、第2流路部材6に設けられている孔は、第2流路部材6を上下に貫通しており、第2流路部材6に設けられている溝は、第2流路部材6の下面に開口している。このような構造をしていることにより、第2流路部材6は、上下に組み合わせる金型などに樹脂を射出成型することで作製することができる。
液体は、第2統合流路26の開口26cから供給され、第1統合流路22の開口22cから回収されるが、これに限らず供給と回収を逆にしてもよい。
第1統合流路22および第2統合流路26には、ダンパを設けて、液体の吐出量の変動に対して液体の供給、あるいは排出が安定するようにしてもよい。また、第1統合流路22および第2統合流路26内に、フィルタを設けることにより、異物や気泡が、第1流路部材4に入り込み難くしてもよい。
第1流路部材4の上面である加圧室面4−1には、変位素子50を含む圧電アクチュエータ基板40が接合されており、各変位素子50が加圧室10上に位置するように配置されている。圧電アクチュエータ基板40は、加圧室10によって形成された加圧室群とほぼ同一の形状の領域を占有している。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の加圧室面4−1に圧電アクチュエータ基板40が接合されることで閉塞される。圧電アクチュエータ基板40は、ヘッド本体2aと同じ方向に長い長方形状である。また、圧電アクチュエータ基板40には、各変位素子50に信号を供給するためのFPCなどの信号伝達部が接続されている。第2流路部材6には、中央で、上下に貫通している貫通孔6aがあり、信号伝達部は貫通孔6aを通って制御部88と電気的に繋がれる。信号伝達部は、圧電アクチュエータ基板40の一方の長辺の端から他方の長辺の端に向かうように短手方向に伸びる形状にし、信号伝達部に配置される配線が短手方向に沿って伸び、長手方向に並ぶようにすれば、配線間の距離をとりやすくなり、好ましい。
圧電アクチュエータ基板40の上面における各加圧室10に対向する位置には個別電極44がそれぞれ配置されている。
流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。流路部材4の加圧室面4−1側から順に、プレート4aからプレート4lまでの12枚のプレートが積層されている。これらのプレートには多数の孔や溝が形成されている。孔や溝は、例えば、各プレートを金属で作製し、エッチングで形成できる。各プレートの厚さは10〜300μm程度であることにより、形成する孔の形成精度を高くできる。プレート4f〜iは、同じ形状のプレートであり、それらは1枚のプレートで構成してもよいが、孔を精度よく形成するため、4枚のプレートで構成している。各プレートは、これらの孔が互いに連通して第1共通流路20などの流路を構成するように、位置合わせして積層されている。
平板状の流路部材4の加圧室面4−1には、加圧室本体10aが開口しており、圧電アクチュエータ基板40が接合されている。また、加圧室面4−1には、第2共通流路24に液体を供給する開口24a、および第1共通流路20から液体を回収する開口20aが
開口している。流路部材4の、加圧室面4−1と反対側の面である吐出孔面4−2には吐出孔8が開口している。なお、加圧室面4−1にさらにプレートを積層して、加圧室本体10aの開口を塞ぎ、その上に圧電アクチュエータ基板40を接合してもよい。そのようにすれば、吐出する液体が圧電アクチュエータ基板40に接する可能性を低減することができ、信頼性をより高くできる。
液体を吐出する構造としては、加圧室10と吐出孔8とがある。加圧室10は、変位素子50に面している加圧室本体10aと、加圧室本体10aより断面積が小さいディセンダ10bから成っている。加圧室本体10aは、プレート4aに形成されており、ディセンダ10bは、プレート4b〜kに形成された孔が重ねられ、さらにノズルプレート4lで(吐出孔8以外の部分を)塞がれて成っている。
加圧室本体10aには、第1個別流路12が繋がっており、第1個別流路12は、第1共通流路20に繋がっている。第1個別流路12は、プレート4bを貫通する円形状の孔と、プレート4cにおいて平面方向に伸びている貫通溝と、プレート4dを貫通する円形状の孔とを含んでいる。第1共通流路20はプレート4f〜iに形成された孔が重ねられ、さらに上側をプレート4eで、下側をプレート4jで塞がれて成っている。
ディセンダ10bには、第2個別流路14が繋がっており、第2個別流路14は、第2共通流路24に繋がっている。第2個別流路14は、プレート4jにおいて平面方向に伸びている貫通溝である。第2共通流路24はプレート4f〜iに形成された孔が重ねられ、さらに上側をプレート4eで、下側をプレート4jで塞がれて成っている。
液体の流れについて、まとめると、第2統合流路26に供給された液体は、第2共通流路24および第2個別流路14を順に通って加圧室10に入り、一部の液体は吐出孔8から吐出される。吐出されなかった液体は、第1個別流路12を通って、第1共通流路20に入った後、第1統合流路22に入り、ヘッド本体2の外部に排出される。
圧電アクチュエータ基板40は、圧電体である2枚の圧電セラミック層40a、40bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層40a、40bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。すなわち、圧電アクチュエータ基板40の圧電セラミック層40aの上面から圧電セラミック層40bの下面までの厚さは40μm程度である。圧電セラミック層40aと圧電セラミック層40bの厚さの比は、3:7〜7:3、好ましく4:6〜6:4にされる。圧電セラミック層40a、40bのいずれの層も複数の加圧室10を跨ぐように延在している。これらの圧電セラミック層40a、40bは、例えば、強誘電性を有する、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系、NaNbO系、BaTiO系、(BiNa)NbO系、BiNaNb15系などのセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータ基板40は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極42およびAu系などの金属材料からなる個別電極44を有している。共通電極42の厚さは2μm程度であり、個別電極44の厚さは、1μm程度である。
個別電極44は、圧電アクチュエータ基板40の上面における各加圧室10に対向する位置に、それぞれ配置されている。個別電極44は、平面形状が加圧室本体10aより一回り小さく、加圧室本体10aとほぼ相似な形状を有している個別電極本体44aと、個別電極本体44aから引き出されている引出電極44bとを含んでいる。引出電極44bの一端の、加圧室10と対向する領域外に引き出された部分には、接続電極46が形成されている。接続電極46は例えば銀粒子などの導電性粒子を含んだ導電性樹脂であり、5〜200μm程度の厚さで形成されている。また、接続電極46は、信号伝達部に設けら
れた電極と電気的に接合されている。
また、圧電アクチュエータ基板40の上面には、共通電極用表面電極(不図示)が形成されている。共通電極用表面電極と共通電極42とは、圧電セラミック層40aに配置された、図示しない貫通導体を通じて、電気的に接続されている。
詳細は後述するが、個別電極44には、制御部88から信号伝達部を通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極42は、圧電セラミック層40aと圧電セラミック層40bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極42は、圧電アクチュエータ基板40に対向する領域内のすべての加圧室10を覆うように延在している。共通電極42は、圧電セラミック層40a上に個別電極44からなる電極群を避ける位置に形成されている共通電極用表面電極に、圧電セラミック層40aを貫通して形成されたビアホールを介して繋がっている。また、共通電極42は、接地され、グランド電位に保持されている。共通電極用表面電極は、複数の個別電極44と同様に、制御部88と直接あるいは間接的に接続されている。
圧電セラミック層40aの個別電極44と共通電極42とに挟まれている部分は、厚さ方向に分極されており、個別電極44に電圧を印加すると変位する、ユニモルフ構造の変位素子50となっている。より具体的には、個別電極44を共通電極42と異なる電位にして圧電セラミック層40aに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部88により個別電極44を共通電極42に対して正または負の所定電位にすると、圧電セラミック層40aの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層40bは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層40aと圧電セラミック層40bとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層40bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
続いて、液体の吐出動作について、説明する。制御部88からの制御でドライバICなどを介して、個別電極44に供給される駆動信号により、変位素子50が駆動(変位)させられる。本実施形態では、様々な駆動信号で液体を吐出させることができるが、ここでは、いわゆる引き打ち駆動方法について説明する。
あらかじめ個別電極44を共通電極42より高い電位(以下、高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極44を共通電極42と一旦同じ電位(以下、低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極44が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層40a、40bが元の(平らな)形状に戻り(始め)、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。これにより、加圧室10内の液体に負圧が与えられる。そうすると、加圧室10内の液体が固有振動周期で振動し始める。具体的には、最初、加圧室10の体積が増加し始め、負圧は徐々に小さくなっていく。次いで加圧室10の体積は最大になり、圧力はほぼゼロとなる。次いで加圧室10の体積は減少し始め、圧力は高くなっていく。その後、圧力がほぼ最大になるタイミングで、個別電極44を高電位にする。そうすると最初に加えた振動と、次に加えた振動とが重なり、より大きい圧力が液体に加わる。この圧力がディセンダ内を伝搬し、吐出孔8から液体を吐出させる。
つまり、高電位を基準として、一定期間低電位とするパルスの駆動信号を個別電極44に供給することで、液滴を吐出できる。このパルス幅は、加圧室10の液体の固有振動周
期の半分の時間であるAL(Acoustic Length)とすると、原理的には、液体の吐出速度
および吐出量を最大にできる。加圧室10の液体の固有振動周期は、液体の物性、加圧室10の形状の影響が大きいが、それ以外に、圧電アクチュエータ基板40の物性や、加圧室10に繋がっている流路の特性からの影響も受ける。
本実施形態では、第1共通流路20に面して第3ダンパ28Cを設けており、第2共通流路24に面して第4ダンパ28Dを設けている。ヘッド本体2aの設計によっては、共通流路に面してダンパを設けるのが難しい場合があり、共通流路に面してダンパを設けてもクロストークの抑制が充分でない場合がある。そもそも、共通流路に面してダンパに設けても、減衰するのは、一旦共通流路内に圧力波が伝わってからになるので、その前に残っている共通流路内の残留振動と重ね合わさることになる。残留振動の振動と重なるタイミングが悪いと、振動が大きくなることがあるので、共通流路に伝わる前に少しでも圧力波を減衰させておくことが必要である。
そこで、本実施形態では、第1個別流路12に面して第1ダンパ28Aおよび第2ダンパ28Bを配置している。第1個別流路の加圧室面4−1側の壁面は第1ダンパ28Aとなっている。なお、第1ダンパ28Aおよび第1ダンパ28Aのうち、どちらか一方だけを設けてもよい。
第1ダンパ28Aは、ダンパプレートであるプレート4bの加圧室面4−1側をハーフエッチングして残った部分であり、ハーフエッチングにより空間となった部分が第1ダンパ室29Aとなっている。第1個別流路12には、加圧室10から第1共通流路20に向かう間の中央に位置している、流路がプレートの積層方向と直交する方向に伸びている水平流路12bと、水平流路12bの両端に位置している、流路がプレートの積層方向に伸びている垂直流路12aとを含んでいる。第1ダンパ室29Aは、水平流路12bとほぼ同じ形状で、第1ダンパ28Aが変形できるようになっている部分と、その部分に繋がっており、その部分と空気が流動するようになっており、最終的には、第1流路部材4の外部にまで繋がっている部分を有している。
第2ダンパ28Bは、ダンパプレートであるプレート4dの吐出孔面4−2側をハーフエッチングして残った部分であり、ハーフエッチングにより空間となった部分が第2ダンパ室29Bとなっている。第2ダンパ室29Bも第1ダンパ室29Aと同様に、最終的には、第1流路部材4の外部にまで繋がっている部分を有している。
第1個別流路12は、液体の循環を行なう際に、加圧室10から液体を回収する個別流路である、個別回収流路として働いている。第1ダンパ28Aは第1回収流路ダンパとして働き、第2ダンパ28Bは第2回収流路ダンパとして働く。液体の循環の方向が逆で、加圧室10から液体を回収する流路が第2個別流路14である場合は、回収流路ダンパは第2個別流路14に面して設ける。
第1個別流路12および第2個別流路14は、加圧室10と共通流路とを繋いでいる個別流路である。加圧室10に加わった圧力が共通流路に伝わると、その分、吐出孔8からの吐出に使われるエネルギーが減る。液体の吐出速度を速く、吐出量を多くするには、共通流路への圧力波の伝達が少なくなるように、第1個別流路12および第2個別流路14は、共通流路と比較して、流路抵抗が高くされる。そのため、第1個別流路12および第2個別流路14の流路の幅は、共通流路と比較すると狭くなり、ダンパとしての効果は低くなり易い。しかし、個別回収流路に第1ダンパ28Aおよび第2ダンパ28Bを配置すると、次のような効果があるので、ダンピング効果を高くできる。
第1ダンパ28Aがない場合は、加圧室10内で発生した圧力P1[Pa](以下で単
位を省略することがある。他の単位についても同様に省略することがある)は第1個別流路12を経て、そのまま第1共通流路20に伝わる。第1ダンパ28Aがある場合、第1ダンパ28Aが圧力P1に応じてΔV[mm]の体積変化が生じる変位をし、圧力はP2に緩和されて、第1共通流路20に伝わる。圧力の低減ΔP(=P1−P2)は第1ダンパ28Aの体積変化ΔVに比例する。
また、第1ダンパ28Aの変位体積Vを、第1ダンパ28Aの変形がない場合を基準とし、その場合の値を0(ゼロ)とすると、P1とVは次のような関係になる。P1の絶対値が小さい場合、P1とVとはほぼ比例する。P1の絶対値が大きくなってくると、それに対するVの変化は小さくなっていき、Vの変化は0(ゼロ)に近づいていく。
これら関係があるため、圧力P1がある程度大きくなると、第1ダンパ28Aの変位体積Vがあまり変わらなくなり、圧力の低減効果が相対的に小さくなる。本実施形態のようなヘッド本体2aが使用されるときには、圧力P1は数十k〜数百kPa程度であり、圧力の低減効果が相対的に小さくなってしまうような領域で使用される。
第1ダンパ28Aは、個別回収流路である第1個別流路12に面して配置されている。これにより、液体の循環が行なわれているときに、第1ダンパ28Aには、液体の循環により大きな負圧が加わっている。吐出孔8においては、液体のあふれ出しや、空気の引き込みが生じないように、吐出孔8における圧力は、ほぼ0(ゼロ)、通常、わずかに負圧にされる。そして、吐出孔8における圧力の絶対値が小さいことにより、吐出孔8における液体の表面張力がその圧力とつり合って、液面が吐出孔8の部分に保持できる。第1個別流路12は、吐出孔8に対して、下流に位置しており、液体が流れることにより圧力損失が生じるので、第1個別流路12では、圧力は負圧になっている。
液体の循環により生じる第1個別流路12の負圧は、マイナス数十kPa程度になる。つまり、絶対値としては上述の吐出の際の圧力よりは小さくなると考えられるが、第1ダンパ28Aのマイナス側への変位体積が相対的に小さくなってしまう圧力となっている。
したがって、液体を循環させつつ、液体の吐出を行なうと、第1個別流路12の状態は次のようになる。液体の吐出が行なわれず、循環のみが行なわれている場合、第1個別流路12には負圧(圧力P0)が加わっており、第1ダンパ28Aは変位体積が−ΔVの状態となっている。吐出を行なう際には、変位素子50の変位により、加圧室10に圧力が加えられる。この圧力が第1個別流路12に伝わってくると、第1個別流路12の圧力は、P0+P1になって、正圧となる。これにより、第1ダンパ28Aの変位体積は+ΔVとなる。なお、負の値であるP0と、正の値であるP0+P1とは、絶対値が等しいとは限らないが、それぞれ、上述のように変位体積の変化が小さくなるような絶対値の大きい値であるので、それにより生じる変位体積の絶対値の差は小さいため、ここでは絶対値を同じΔVで表している。このように、第1ダンパ28Aの変位体積はΔ2V(=ΔV−(−ΔV))になるので、循環を行なっていない場合と比較して、約2倍の圧力緩和効果が得られる。
このような効果を得るためには、第1個別流路12における圧力は、−10kPa以下とするのが好ましい。また、第1個別流路12における負圧を大きくするために、第1個別流路12を通って回収される液体の単位時間当たりの量は、吐出する液体の単位時間当たりの最大量以上にするのが好ましい。
具体的には、例えば、次のようにする。第1個別流路12の水平流路12bは、垂直流路12aと比較して、液体の流れる方向に対する断面積が小さいため、第1個別流路12の流路抵抗は、ほぼ水平流路12bの流路抵抗で決まる。水平流路12bの寸法を、幅2
00μm、厚み15μm、長さ600μm、最大限の吐出を行なう際の吐出量を平均0.1mL(ミリリットル)/分とし、その2倍である0.2mL/分の液体の循環を行なう場合を考える。なお、この場合に最大限の吐出を行なうと、加圧室10に液体を供給している第2個別流路14における流量は平均0.2mL/分、吐出孔8からの吐出は平均0.1mL/分、第1個別流路12における流量、すなわち吐出されずに回収される液体の流量は平均0.1mL/分となる。
そして、吐出孔8の半径(r)を25μmとし、使用する液体として表面張力(σ)が35mN/mのものを用いると、吐出孔8において液面が保持できる範囲は、±σ/r以内、すなわち±1.4kPa以内になる。吐出孔8における圧力がこの範囲になるように液体の循環を制御すると、第1個別流路12と第1共通流路20の境界における圧力は、約−50kPaになる。第1ダンパ28Aは、水平流路12bに沿って設けられるため、平均するとその値の半分程度の圧力が加わっていると考えられるので、第1ダンパ28Aに加わる圧力は約−25kPaとなる。このような状態で吐出を行なうことで、上述のように、約2倍の圧力緩和効果が得られる。
第2ダンパ28Bにおいても同様に、液体の循環を行なっている際には、循環を行なっていない場合の約2倍の圧力緩和効果が得られる。
ここで、循環を行なっていない液体吐出ヘッドとの対比をする。循環を行なっていない液体吐出ヘッドでは、共通流路から加圧室に液体の供給が行なわれ、加圧室で加圧された液体は吐出孔から吐出される。上述の場合と同様に、吐出孔の半径を25μmとし、使用する液体の表面張力を35mN/mとすれば、吐出孔における圧力は±1.4kPa以内にする必要がある。循環を行なわない液体吐出ヘッドでは、一般に、外部から一定の負圧を加えることで、吐出孔における圧力を上述の範囲にする。その場合、液体吐出ヘッド内の液体の圧力は静水圧になり、ほぼ一定になり、−1.4k〜0kPa程度となる。つまり、そのような循環を行なわない液体吐出ヘッドにおいて、共通流路と加圧室とを繋いでいる流路にダンパを設けても、負圧は−1.4kPa程度にしかならない。そして、このような負圧では、上述の循環を行なう液体吐出ヘッド2における第1個別流路12のように、約2倍の圧力緩和効果は得られない。
第1流路部材4は、プレート4a〜4lを積層して構成されている。第1個別流路12の水平流路12bは、流路抵抗が高く、他の流路と比較して、プレートの接着状態の差が吐出特性に影響しやすい。第1ダンパ28Aが変形できるように、第1ダンパ室29Aは、プレート4bに、水平流路12bに沿って配置されている。第1ダンパ室29Aは、第1ダンパ28Aが変形し易いように、あるいは後述のように、内部の圧力を調整できるように、第1流路部材4の外部にまで繋がっている。第1ダンパ室29Aは、必ずしも第1流路部材4の外部にまで繋がっている必要はないが、第1ダンパ室29Aの体積が小さいと、内部の空気により、第1ダンパ28Aの変形が抑制されるおそれがあるので、第1ダンパ室29Aは、第1ダンパ28Aよりも外に広がっていること、すなわち第1個別流路12よりも外に広がっていることが好ましい。
第1ダンパ室29Aが第1個別流路12よりも外に広がっていると、その部分で、プレートを接合する際の圧力が伝わり難くなり、微小な接合不良が生じるおそれがある。接合不良が微小であれば、第1個別流路12が他の流路と繋がることによる吐出不良などは生じないとしても、水平流路12bの周囲のプレートに、微小な接合されていない部分が生じ、流路特性が変わり、吐出特性に影響を与える可能性がある。
そこで、第1ダンパ室29Aが、第1個別流路12よりも外に広がっている部分は、垂直流路12aが配置されている領域に設ける。本実施形態では、第1ダンパ室29Aは、
第1共通流路20側の垂直流路12aが配置されている領域から外に広がっている。そして、水平流路12bが配置されている領域では、第1ダンパ室29Aは、水平流路12bよりも外側に広がっていない(図4(b)、(c)参照)。これにより、水平流路12bの側壁を構成している部分のプレートの接合が強固になり、水平流路12bの流路特性のばらつきを小さくできる。
なお、第1ダンパ室29Aを、プレート4b内で広げずに、他のプレートに設けた空間に繋げて、その空間を水平流路12bから外側に広げるようにしてもよい。そのようにするとしても、その部分が中実でなくなるので、接合の圧力は伝わり難くなる。したがって、水平流路12bから外に広がる部分は、上述の場合と同様にするのが良い。
また、第1ダンパ室29Aは、加圧室10側では、加圧室10と重なる位置までは広がっておらず、第1ダンパ室29Aの端は、加圧室10の手前に配置されている。第1ダンパ28Aが、加圧室10と重なる位置まで伸びていると、第1ダンパ28Aには、加圧室10の圧力が流体を介して伝わってくるのに加えて、第1流路部材4を介して直接伝わってくる圧力に影響が大きくなるおそれがある。第1ダンパ28Aが、加圧室10と重なっていないことにより、加圧室10に加わる圧力が、直接的に伝わり難くなっている。これにより、加圧室10から直接的に伝わってきた圧力が、第1ダンパ28Aを通じて第1個別流路12内の液体に伝わり、クロストークが生じることが抑制できる。また、加圧室10に加わる圧力が逃げて、吐出に使われるエネルギーが少なくなることを抑制できる。
第1ダンパ28Aおよび第2ダンパ28Bは、循環により負圧の加わり方がある程度少なくても圧力緩和効果が高くなるように、あらかめ第1個別流路12側に撓んだ状態にしておいてもよい。これは、例えば、第1ダンパ28Aが配置されているプレート4bの熱膨張係数を、プレート4bに対して、第1個別流路12の水平流路12bと反対側に積層されているプレート4aの熱膨張係数よりも小さくすればよい。第2ダンパ28Bについても同様に、第2ダンパ28Bが配置されているプレート4dの熱膨張係数を、プレート4dに対して、第1個別流路12の水平流路12bと反対側に積層されているプレート4eの熱膨張係数よりも小さくすればよい。ここで、反対側に積層されているとは、プレート4dに対するプレート4fのように、離れて積層されている場合も含まれるが、直接積層されている方が好ましい。また、プレート4dの熱膨張係数が、プレート4e、fの両方の熱膨張係数に対して小さくするのより好ましい。
材質としては、例えば、熱膨張係数が大きいプレートには、熱膨張係数約16ppm/℃のSUS316、熱膨張係数の小さいプレートには、熱膨張係数約10ppm/℃のSUS430を用いることができる。
また、第1ダンパ28Aは、第1ダンパ28Aが配置されているプレート4bの第1個別流路12と反対側の面をハーフエッチングすることで形成されているのは好ましい。そのようにすると、第1ダンパ室29Aとなるプレート4bの溝の深さが、中央部よりも縁で深くなる。そのような形状をしていることにより。プレート4bに圧縮応力が加わった場合に、第1ダンパ28Aが、第1個別流路側に撓み易くできる。第2ダンパ28Bについても同様である。
また、第1ダンパ室29Aおよび第2ダンパ室29B内の圧力を、あらかじめ高くしておくことで、第1ダンパ28Aおよび第2ダンパ28Bを第1個別流路12側に撓ませておいてもよい。そのようにするには、第1ダンパ室29Aおよび第2ダンパ室29Bを第1流路部材4の外部まで繋げておき、空気等を送り込んだ後で、栓をして外部との繋がりを断てばよい。そのようにすれば、ヘッド本体2aに液体を入れない状態における、第1ダンパ室29Aおよび第2ダンパ室29Bの内部の圧力を大気圧より大きくできる。圧力
差は、数十k〜数百kPaとすればよい。
1・・・カラーインクジェットプリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
2a・・・ヘッド本体
4・・・第1流路部材
4a〜4l・・・(第1流路部材の)プレート
4−1・・・加圧室面
4−2・・・吐出孔面
6・・・第2流路部材
6a・・・(第2流路部材の)貫通孔
8・・・吐出孔
9A・・・吐出孔列
9B・・・吐出孔行
10・・・加圧室
10a・・・加圧室本体
10b・・・部分流路(ディセンダ)
10D・・・ダミー加圧室
11A・・・加圧室列
11B・・・加圧室行
11C・・・加圧室配置領域
12・・・第1個別流路
12a・・・垂直流路
12b・・・水平流路
14・・・第2個別流路
20・・・第1共通流路(共通流路)
20a・・・(第1共通流路の)開口
22・・・第1統合流路(第1溝)
22a・・・第1統合流路本体
22c・・・(第1統合流路の)開口
24・・・第2共通流路(共通流路)
24a・・・(第2共通流路の)開口
26・・・第2統合流路(第2溝)
26a・・・第2統合流路本体
26c・・・(第2統合流路の)開口
28A・・・第1ダンパ(第1回収流路ダンパ)
28B・・・第2ダンパ(第2回収流路ダンパ)
28C・・・第3ダンパ
28D・・・第4ダンパ
29A・・・第1ダンパ室(第1回収流路ダンパのダンパ室)
29B・・・第2ダンパ室(第2回収流路ダンパのダンパ室)
29C・・・第3ダンパ室
29D・・・第4ダンパ室
30・・・端部流路
30a・・・幅広部
30b・・・狭窄部
30c、30d・・・(端部流路の)開口
40・・・圧電アクチュエータ基板
40a・・・圧電セラミック層
40b・・・圧電セラミック層(振動板)
42・・・共通電極
44・・・個別電極
44a・・・個別電極本体
44b・・・引出電極
46・・・接続電極
50・・・変位素子(加圧部)
70・・・ヘッド搭載フレーム
72・・・ヘッド群
80A・・・給紙ローラ
80B・・・回収ローラ
82A・・・ガイドローラ
82B・・・搬送ローラ
88・・・制御部
P・・・印刷用紙

Claims (7)

  1. 複数の吐出孔、該複数の吐出孔とそれぞれ繋がっている複数の加圧室、前記複数の加圧室から液体を回収する第1共通流路、該第1共通流路と前記複数の加圧室とをそれぞれ繋いでいる複数の第1個別流路、および前記複数の加圧室に液体を供給する第2共通流路を有する流路部材と、前記複数の加圧室をそれぞれ加圧する複数の加圧部とを含んでいる液体吐出ヘッドであって、
    前記第1個別流路に面してダンパが配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記流路部材は、複数のプレートが積層されて構成されており、
    前記第1個別流路は、液体が前記プレートの積層方向に流れる垂直流路と、液体が前記プレートの積層方向と直交する方向に流れる水平流路とを含んでおり、
    前記流路部材を平面視したとき、
    前記ダンパの前記第1個別流路が面している面と反対側の面に配置されているダンパ室は、前記水平流路のみが配置されている領域では、前記第1個別流路より外に広がっておらず、前記垂直流路が配置されている領域で、前記第1個別流路より外に広がっていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記流路部材は、複数のプレートが積層されて構成されており、前記ダンパが配置されている前記プレートであるダンパプレートの熱膨張係数は、前記ダンパプレートに対して、前記第1個別流路と反対側に積層されている他の前記プレートの熱膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記ダンパは、前記ダンパプレートの前記第1個別流路と反対側の面をハーフエッチングすることで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記流路部材に液体を入れず大気中に置いた場合における、前記ダンパの前記第1個別流路が面している面と反対側の面に配置されているダンパ室の内部の圧力が、大気圧より大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部を備えていることを特徴とする記録装置。
  7. 前記液体吐出ヘッドから前記第1共通流路を通じて回収する液体の単位時間当たりの量が、前記液体吐出ヘッドから吐出する液体の単位時間当たりの最大量以上であることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
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