JP2014162124A - 伸縮性基板、その製造方法、及び伸縮性基板を備える電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 伸縮性を有する材料からなる基材と、前記基材よりもヤング率の大きい材料からなるアイランドとを具備し、前記アイランドが、前記基材の一方の主面に露出した状態で、前記基材に埋め込まれていることを特徴とする伸縮性基板。この伸縮性基板上に、素子及び/又は配線が形成された電子部品。
【選択図】図1
Description
従来のフレキシブル基板では、基板自体がフレキシブルではあっても伸縮性を有していないため、人体に密着して配置され、人体の動作に追随させる用途や、複雑な形状の物体の表面を覆うように配置される用途に用いることは困難であった。
しかし、従来技術による構造では各アイランドが基板表面から突出しているため、配線がアイランドと基板表面との境界を跨ぐように形成されている場合、アイランドと基板表面との段差部分において配線の一部が垂直方向に形成されることになる。そのため、基板の伸縮を繰り返すうちに段差部分で配線の断線が生じやすいという問題がある。
以上のように構成される伸縮性基板において、アイランドを、その表面と基材の一方の主面との境界に段差が形成されることなく平坦になるように基材内に埋め込んだ構成とすることができる。
基材よりもヤング率の大きい材料として、基材を構成するエラストマーと同一のエラストマーを主成分として含むものを用いることができる。この場合、基材よりもヤング率の大きい材料として、基材を構成するエラストマーと同一のエラストマーにフィラーを添加したものを用いることができる。フィラーとしては、シリカ粉末を用いることができる。
本発明の第2の態様は、上述した本発明の第1の態様に係る伸縮性基板を製造する方法であって、前記基材よりもヤング率の大きい材料からなるアイランドを形成する工程と、伸縮性を有する材料からなる基材の一方の主面に露出するように、前記基材に前記アイランドを埋め込む工程を具備することを特徴とする伸縮性基板の製造方法を提供する。
下地基板上へのアイランドの形成を、印刷により行うことができる。この場合、印刷として、メタルマスク印刷又はスクリーン印刷を用いることができる。
以上のように構成される電子部品において、素子をアイランド上に形成することができる。また、前記配線を、前記アイランドと基材の境界を跨ぐように形成することができる。この場合、配線として伸縮性配線を用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る伸縮性基板1を示す断面図である。図1に示す伸縮性基板1は、基材2と、その表面内部に埋め込まれたアイランド3a,3bとから構成されている。アイランド3a,3bは、その上面が基材2の一方の主面に露出するように、かつ、アイランド3a,3bの上面と基材2の一方の主面とが段差がないように埋め込まれていることが好ましい。なお、完全に段差がない場合に限らず、配線の接続に影響がない範囲で、多少の段差の存在は許容される。
アイランド3a,3bを構成する材料は、基材2を構成する材料よりもヤング率の大きい材料であればよく、特に限定されない。エラストマー、樹脂、セラミック等を用いることができる。導電性を有していてもよい用途では、金属を使用することも可能である。
図3は、本発明の他の実施形態に係る伸縮性基板の製造方法を工程順に示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、下地10上にアイランド13を形成する。図3では、1個のアイランドを形成した例を示すが、上述したように、アイランドの数及びその配置は任意であり、適宜選択することができる。
下地10の材質は、特に限定されず、その上にアイランド13が形成できればよく、たとえば、ガラス基板、金属基板、樹脂基板等を用いることができる。
次いで、図3(b)に示すように、アイランド13が形成された下地10を容器20内に収容し、その中に液状の基材用材料22を流し込む。基材用材料22としては、上述した基材2を構成するエラストマーの硬化前の液状エラストマーを用いることができる。その後、常温で放置あるいは加熱することにより、液状エラストマーを硬化させる。
なお、以上の実施形態では、液状の基材用材料、例えば液状エラストマーを用い、アイランド13が形成された下地10を収容する容器内に注入したが、必要に応じて、液状エラストマー以外のエラストマーを用いることも可能である。例えば、金型内にアイランドと架橋剤を配合した原料エラストマーを圧入し、加硫成型処理を行うことによっても、基材内にアイランドが埋め込まれた伸縮性基板を得ることができる。
実施例1
まず、アイランド材料を調製する。アイランド材料は、フィラーを含む液状エラストマーからなり、フィラーとして下記のシリカ粉末を、液状エラストマーとして下記の液状シリコーンゴムを用いた。
シリカ粉末:Carplex CS-7(商品名、DSLジャパン社製)
Sylgard 184は、主剤と硬化剤からなる2液式の液状シリコーンゴムであり、主剤と硬化剤を混合することにより硬化が進行する。硬化前は常温で液状であり、硬化により伸縮性を有するシリコーンゴムとなる。
以上のように調製したアイランド材料を、図3(a)に示すように、寸法4×4cmのガラス基板10のほぼ中央に印刷し、1個のアイランド13を形成した。印刷方法は、厚さ0.2mmのメタルマスクを用いた印刷であり、アイランド13の形状は、直径5mmの円形とした。なお、厚さ0.4mmのメタルマスクを用いてもよく、またアイランド13の形状を、直径8mmの円形、5mm角又は8mm角の正方形としてもよい。
その後、硬化したSylgard 184の不要部分を除去し、ガラス基板10から剥離することにより、図3(c)に示すように、基材12内にアイランド13が埋め込まれた伸縮性基板11が完成した。
実施例1では、ガラス基板上にシリカ粉末を含むSylgard 184を印刷し、硬化させてアイランド13を形成したが、本実施例では、あらかじめチップ状に成型し、硬化させた後のアイランド13をガラス基板10上に張り付けることによりアイランド13を形成した。
即ち、実施例1で用いたのと同様のアイランド材料を型に注入し、加熱硬化させた後、型から取り出し、ガラス基板10に張り付けた。
実施例1では、アイランド材料として、シリカ粉末を添加したSylgard 184を用いたが、本実施例では、シリカ粉末を添加せず、基材材料としてのSylgard 184よりも硬化剤の配合比を多くしたSylgard184を用い、基材よりも高いヤング率のアイランド13を形成した。
なお、硬化後のアイランド13のヤング率は1.5MPa、硬化後の基材12のヤング率は0.57MPaであった。
2,12…基材
3a,3b,13…アイランド
4…電子部品
5a,5a…素子
6…配線
10…ガラス基板
20…容器
22…基材用材料。
Claims (16)
- 伸縮性を有する材料からなる基材と、前記基材よりもヤング率の大きい材料からなるアイランドとを具備し、前記アイランドの上面が前記基材の一方の主面に露出した状態で、前記アイランドが前記基材に埋め込まれていることを特徴とする伸縮性基板。
- 前記アイランドは、その表面と前記基材の一方の主面との境界に段差が形成されることなく平坦になるように前記基材に埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の伸縮性基板。
- 前記伸縮性を有する材料が、エラストマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮性基板。
- 前記エラストマーが、シリコーンゴムである請求項3に記載の伸縮性基板。
- 前記基材よりもヤング率の大きい材料が、前記基材を構成するエラストマーと同一のエラストマーを主成分として含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の伸縮性基板。
- 前記基材よりもヤング率の大きい材料が、前記基材を構成するエラストマーと同一のエラストマーにフィラーを添加してなることを特徴とする請求項5に記載の伸縮性基板。
- 前記フィラーはシリカ粉末であることを特徴とする請求項6に記載の伸縮性基板。
- 前記基材よりもヤング率の大きい材料が、前記基材を構成するエラストマーに用いたよりも多い配合比の架橋剤又は硬化剤を用いて調製されたものであることを特徴とする請求項5に記載の伸縮性基板。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の伸縮性基板を製造する方法であって、
前記基材よりもヤング率の大きい材料からなるアイランドを形成する工程と、
伸縮性を有する材料からなる基材の一方の主面に露出するように、前記基材に前記アイランドを埋め込む工程
を具備することを特徴とする伸縮性基板の製造方法。 - 前記アイランドは下地基板上に形成され、前記基材に前記アイランドを埋め込む工程は、前記アイランドが形成された下地基板の周囲に液状基材材料を注型した後、硬化させ、次いで前記アイランドが露出するように前記下地基板を除去することにより行うことを特徴とする請求項9に記載の伸縮性基板の製造方法。
- 前記下地基板上へのアイランドの形成は、印刷により行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の伸縮性基板の製造方法。
- 前記印刷は、メタルマスク印刷又はスクリーン印刷であることを特徴とする請求項11に記載の伸縮性基板の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の伸縮性基板上に、素子及び/又は配線が形成されてなることを特徴とする電子部品。
- 前記素子は、アイランド上に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の電子部品。
- 前記配線が、前記アイランドと基材の境界を跨ぐように形成されていることを特徴とする請求項14に記載の電子部品。
- 前記配線は伸縮性配線であることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の電子部品。
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