JP2014161870A - レーザ溶接方法、該方法で得られた管構造端子および接続構造体 - Google Patents

レーザ溶接方法、該方法で得られた管構造端子および接続構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接部の板厚の減少を最小限に止め、強度が十分な管が得られるレーザ溶接方法、管構造端子及び接続構造体を提供する。
【解決手段】せん断面表面の算術平均粗さRaを以下の(a)、(b)または(c)のいずれかに調整して、レーザ溶接するレーザ溶接方法、その方法で得られる管構造端子及び接続構造体。(a)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、打ち抜き端面における破断面比率が7.5%以上の場合、せん断面表面の算術平均粗さRaが0.3μm以下(b)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、打ち抜き端面における破断面比率が7.5%未満の場合、せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下(c)対向させる面が、せん断面と破断面、破断面とせん断面である場合、せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下
【選択図】図9

Description

本発明は、レーザ溶接方法、該方法で得られた管構造端子および接続構造体に関する。
さらに詳しくは、対向面同士を突き合わせて接合するレーザ溶接方法、該方法で得られた電気導通を担う部品、特に電線を接続する銅合金端子に有用な管構造端子、および該管構造端子と電線を接続した接続構造体に関する。
従来、自動車用組み電線における電線接続部では、電線導体を端子により圧着する形式が一般的である。通常、組み電線には銅電線が用いられるが、軽量化目的でアルミニウム電線が使われることがある。圧着部では、一般に電線導体が露出する構造となるため、アルミニウム電線またはアルミニウム合金電線(以下、単に「アルミニウム電線」という)を用いた場合には、アルミニウムもしくはアルミニウム導体(以下、単に「アルミニウム導体」という)が露出するため、腐食して欠損してしまう恐れがあった。これを防止するためには、アルミニウム導体を外界から遮断することが望ましい。
その例として、端子の圧着部全体を樹脂によりモールドする方式(例えば、特許文献1参照。)がある。しかし、特許文献1に記載された技術では、モールド部が肥大するため、コネクタハウジングのサイズを大きくする必要が生じ、結果としてコネクタが肥大してしまう。そのため、このコネクタを用いた組み電線(例えば、自動車用ワイヤハーネスなど)全体を高密小型に成形することができなかった。また、モールド成形は圧着後に個々の圧着部に対して処理することが必要であり、組み電線製造の工程数が大きく増してしまい、かつ、個々の作業が煩雑である。
また、金属製キャップを電線導体に被せた後に圧着する手法により、アルミニウム導体を外界から遮断する技術(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。しかし、特許文献2に記載された技術では、圧着前に個々の導体へ金属製キャップを装着する工程が煩雑である上に、また、圧着時にワイヤバレルにより金属製キャップを破壊してしまい浸水経路が生じてしまう恐れがあった。
特開2011−222243号公報 特開2004−207172号公報
本発明者らは、上記のような従来の技術で解決し得なかった問題を解決すべく、種々の検討を行った結果、管状の端子に電線を挿入して圧着する構造を採用することで、管体かしめ部を肥大させずに電線導体を外界から遮断することができた。
そのような管の形成法はいくつかあるが、処理速度とコストの観点から、レーザ溶接が採用されており、特に突合せ溶接によってレーザ溶接することが多く採用されている。
しかしながら、突合せ溶接により管を形成する場合、溶接部の肉厚が減じてしまう、あるいは、ボイドが発生してしまう、といった欠陥が生じやすく、この結果、その後の圧着時に割れを生じてしまうという問題があった。
従って、本発明は、突き合わせ溶接部の板厚の減少を最小限に止め、強度が十分な管が得られるレーザ溶接方法、該方法で得られた管構造端子および接続構造体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、対向面同士を突き合わせる端部の打ち抜き端面形状、特に打抜きプレスでのポンチとダイの形状やポンチとダイのクリアランスにより、打ち抜きかれてなる切断面には、せん断面と破断面が存在することから、対向させる面の形状に大きく影響を受けることを見出した。
しかも、更なる検討の結果、せん断面の算術平均粗さRaが、上記課題の解決に重要な役割を果たしていることを見出した。
しかも、このせん断面の算術平均粗さRaが、対向させる面の形状などによって異なることがわかった。
本発明はこれらの知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、上記課題は以下の手段により解決される。
(1)対向面同士を突き合わせてレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
突き合わせる打ち抜き端面において、対向させる面によって、せん断面表面の算術平均粗さRaを以下の(a)、(b)または(c)のいずれかに調整して、レーザ溶接することを特徴とするレーザ溶接方法。
(a)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、
打ち抜き端面における破断面比率が7.5%以上の場合、
せん断面表面の算術平均粗さRaが0.3μm以下
(b)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、
打ち抜き端面における破断面比率が7.5%未満の場合、
せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下
(c)対向させる面が、せん断面と破断面、破断面とせん断面である場合、
せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下
(2)レーザ溶接後の溶接部の板厚を、レーザ溶接前の板厚の90〜110%とすることを特徴とする前記(1)に記載のレーザ溶接方法。
(3)レーザ溶接後の溶接部において、5μmを超える径のボイドが存在せず、かつ、1μm〜5μmの径のボイドが存在しないか、もしくは存在しても、溶接部の体積1mm当たり25個未満であることを特徴とする前記(2)に記載のレーザ溶接方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法で溶接してなることを特徴とする管構造端子。
(5)前記(4)に記載の管構造端子により圧着接続してなることを特徴とする接続構造体。
(6)レーザ溶接後の溶接部に破壊部が存在しないことを特徴とする前記(5)に記載の接続構造体。
なお、本発明において、算術平均粗さRaとは、JIS B0601−2001で規定された算術平均粗さをいう。
本発明により、溶接部の板厚の減少を最小限に止め、強度が十分な管が得られるレーザ溶接方法、該方法で得られた電気導通を担う部品、特に電線を接続する銅合金端子に有用な管構造端子および接続構造体が提供できる。
本発明の管構造端子の好ましい一実施形態を示した斜視図である。 本発明に係る管構造端子の管体かしめ部の長手方向断面を示した断面図である。 本発明の電線の接続構造体を示した斜視図である。 本発明の管構造端子のレーザ溶接中の一状態を模式的に示した斜視図である。 実施例1で、打抜きプレスして作製した管構造端子の成形前の端子基材の展開した状態を示す平面図である。 実施例1で、管構造端子の成形前の端子基材を成形して管構造に成形した状態の斜視図である。 実施例1で、レーザ溶接後に片端を封止した管構造端子とこれに挿入する電線の模式図である。 実施例1で、電線を挿入し、圧着した状態を模式的に示した斜視図と断面図である。 実施例1で、突合せ溶接する際の端面の対向面の組合せの関係を模式的に示した断面図である。
本発明のレーザ溶接方法は、優れた性能の管構造端子および接続構造体の作製に有用である。
<<レーザ溶接方法>>
本発明のレーザ溶接方法は、対向面同士を突き合わせてレーザ溶接するレーザ溶接方法である。すなわち、C字型断面に成形された一片の対向する端部において、対向させる端面を調整するものである。なお、本発明のレーザ溶接方法において、突き合わせ溶接する端面同士は、後述する端子1を製造する場合は、端子基材32をC字型断面に成形した一片の対向する端部の端面同士であるが、これに限定されない。例えば、独立に存在する二片の端面同士を突き合わせ溶接するのに本発明のレーザ溶接方法を用いることもできる。
具体的には、基材を打抜きプレスすると、その打ち抜き端面はせん断面部分と破断面部分が存在する。このため、端部の2つの打ち抜き端面を突き合わせて溶接する場合、図9に示すように、2つの打ち抜き端面をせん断面同士、破断面同士を対面させて組み合わせる方法とせん断面と破断面を対面させて組み合わせる方法がある。しかも前者の場合、レーザ溶接する際、レーザ光をせん断面同士の対面側から照射して溶接するか、破断面同士の対面側から照射するかも選択できる。
図9では、この関係を模式的に示したものである。図9のAは、2つの打ち抜き端面を、せん断面とせん断面、破断面と破断面に組み合わせたもので、せん断面同士が接触することになり、Aでは接触面積が小さいものを示したものである。ここで、Aでは、レーザ溶接の際のレーザ光はせん断面側(上側)から照射される。Cは、Aの組合せの上下を逆にした組合せで、破断面同士が上側に、せん断面同士が下側に位置し、同じくせん断面同士が接触することになり、Cでは、接触面積が小さいものを示した。一方、図9のBは、左側の片では上側がせん断面、下側が破断面であり、右側の片では上側が破断面、下側がせん断面であり、せん断面と破断面の組合せを示したものであり、Bでは、AやCと比較して、相対的に接触面積が大きくなり、後述のDと比較すると、接触面積は中となる。この場合も、レーザ照射は上側から照射される。図9のDは、2つの打ち抜き端面を磨いた場合の模式図であり、接触面積が大きくなる。
打ち抜き端面は、基材を打抜きプレスする際の、ポンチとダイの形状、特にポンチの形状やクリアランスの調整で変化する。従って、打ち抜き端面における破断面比率や突き合わせる端面の接触面積は、これらの変更で調整することができる。
本発明では、ポンチとダイのクリアランスを狭く設定し、破断面比率を小さくするのが好ましい。クリアランスは、打抜く基板の大きさや基板の厚みにも依存するが、例えば、打抜く基板の大きさが15mm×10mm、基板の厚みが後述する範囲にある場合、特に0.25mmの場合、クリアランスは、0.005〜0.025mmが好ましく、0.01〜0.02mmがより好ましい。
なお、ポンチの形状は特に限定されないが、硬質表面処理された超硬工具を用いることがより好ましい。
1片の両端部の打ち抜き端面を上記のような組合せに調製する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、図5に示されるように、基材を打ち抜いて、長手方向に連なるよう(連鎖型)に管構造端子を平面展開した端子形状の連鎖端子(端子基材ともいう)32を得るには、以下の方法が挙げられる。すなわち、打ち抜く基材に対して、ポンチの駆動方向を、上方から下方、下方から上方のものを連続して備えた型のものを使用し、連鎖端子32の2ピッチ分ずつ基材を搬送して打ち抜きプレスする等、連続した型により成形する方法が好適に挙げられる。また、連鎖端子32間の打抜き操作部において、基材等の材料の送り先端側と後端側とでポンチを二分し、二分したポンチ双方が上下逆動する機構として、打ち抜く方法が好適に挙げられる。この方法であれば、1ピッチ送りにて、互い違いの打ち抜き端面を実現できる。さらに、後述する実施例のように、基材を単位ピッチごとに表裏返して搬送しつつ打ち抜く方法等も挙げられる。
本発明では、突き合わせる打ち抜き端面、具体的には、C字型断面に成形された一片の対向する端部において、対向させる面によって、せん断面表面の算術平均粗さRaを調整してレーザ溶接する。
すなわち、以下のように調整する。
(a)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、
打ち抜き端面における破断面比率が7.5%以上の場合、
せん断面表面の算術平均粗さRaが0.3μm以下
(b)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、
打ち抜き端面における破断面比率が7.5%未満の場合、
せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下
(c)対向させる面がせん断面と破断面、破断面とせん断面である場合、
せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下
端面、特に、2つの打ち抜き端面が接触するせん断面表面の算術平均粗さRaは、打ち抜きプレスの条件や基材の種類によっても変化する。
本発明では、せん断面表面の算術平均粗さRaを、機械研磨、水溶液エッチング、シェービング等により、目的の範囲の算術平均粗さRaとするのが好ましい。
(a)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、打ち抜き端面における破断面比率が7.5%以上の場合、せん断面表面の算術平均粗さRaは0.3μm以下であるが、0.03μm以下が好ましい。
(b)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、打ち抜き端面における破断面比率が7.5%未満の場合、せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下であるが、0.1μm以下が好ましく、0.03μm以下がより好ましい。
(c)対向させる面が、せん断面と破断面、破断面とせん断面である場合、せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下であるが、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。
せん断面表面の算術平均粗さRaは、打ち抜き端面(以下、端面ということがある)のせん断面表面を、レーザ顕微鏡を使用して、測定することができる。
なお、上記(a)〜(c)において、レーザ光照射の方向は、前記(a)、(b)の場合、せん断面同士の対向側の上方からであっても、破断面同士の対向面側の上方からであっても、いずれでもよい。一方、前記(c)の場合、レーザ光照射の方向には、特に制限はない。
<レーザ溶接する基材>
本発明においては、レーザ溶接する基材は、金属材料であれば、特に限定されるものではないが、管構造端子および接続構造体を作製するためには、導電性と強度およびばね性を確保するために、銅もしくは銅合金が好ましく、銅合金が特に好ましい。
銅としては、タフピッチ銅や無酸素銅等が挙げられる。
銅合金の例としては、例えば、黄銅(例えば、CDA(Copper Development Association)のC2600、C2680)、りん青銅(例えば、CDAのC5210)、コルソン系銅合金(Cu−Ni−Si−(Sn,Zn,Mg,Cr)系銅合金)等が挙げられ、この内、コルソン系銅合金が好ましい。
コルソン系銅合金の例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、古河電気工業株式会社製の銅合金FAS−680、FAS−820(いずれも商品名)、三菱伸銅製の銅合金MAX−375、MAX251(いずれも商品名)などを用いることができる。また、CDAのC7025等を用いることもできる。
前記FAS−680の合金組成の一例は、スズ(Sn)を0.15質量%、亜鉛(Zn)を0.5質量%、ニッケル(Ni)を2.3質量%、シリコン(Si)を0.55質量%、およびマグネシウム(Mg)を0.1質量%含有し、残部が銅(Cu)および不可避不純物である。
また、前記FAS−820の合金組成の一例は、スズ(Sn)を0.15質量%、亜鉛(Zn)を0.5質量%、ニッケル(Ni)を2.3質量%、シリコン(Si)を0.65質量%、マグネシウム(Mg)を0.1質量%、およびクロム(Cr)を0.15質量%含有し、残部が銅(Cu)および不可避不純物である。
また、他の銅合金組成の例としては、例えば、Cu−Sn−Cr系銅合金、Cu−Sn−Zn−Cr系銅合金、Cu−Sn−P系銅合金、Cu−Sn−P−Ni系銅合金、Cu−Fe−Sn−P系銅合金、Cu−Mg−P系銅合金、Cu−Fe−Zn−P系銅合金などを挙げることができる。
ここで、以上に記載した必須元素以外に不可避不純物を含んでいても良いことは当然である。
基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.08〜0.64mmが好ましい。
レーザ溶接する場合、少なくともレーザ照射する側の銅もしくは銅合金の表面には、レーザ光の波長にも依存するが、レーザ光を吸収しやすい金属もしくは合金の層を有するのが好ましい。
このような金属もしくは合金としては、スズ、コバルトスズ等のスズ合金が挙げられる。
このような金属もしくは合金の層の形成方法としては、電気めっき、無電解めっき、溶融めっきなどのめっき処理が挙げられる。めっき法以外にも、可能であれば、例えば、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、化学的気相成長法等の種々の皮膜形成技術を採用することができる。本発明では、めっき処理、特にめっき処理後にリフロー処理して設けることが、コストの面で好ましい。
めっき層は基材の厚み100に対して0.2〜1.5が好ましい。
<レーザ光>
レーザ溶接に用いるレーザ光は、この目的に使用できるのであればどのような波長領域のレーザ光でも構わないが、近赤外領域〜赤外領域が好ましく、近赤外領域がさらに好ましく、近赤外線レーザ光を発振するファイバレーザ加工機を使用するのが特に好ましい。
近赤外線レーザ光は、発振波長が700nm〜2.5μmであり、好ましくは1000nm〜2000nmであり、波長1084nm±5nmのレーザ光の発振波長のレーザ光を用いることが特に好ましい。このようなレーザ光としては、イットリビウム(Yt)ドープガラスファイバレーザ光(発振波長1084nm)、エルビウム(Er)ドープガラスファイバレーザ光(発振波長1550nm)等がある。波長が1000nm程度の小さい領域のほうが反射率が低いことから、イットリビウムドープガラスファイバレーザ光がより好ましい。
近赤外レーザ光の発振装置としては、近赤外レーザ光を連続発振するファイバレーザ装置を用いるが、これとは異なるレーザ装置を用いても良い。例えば、連続発振するYAGレーザ光発振装置、ガラスレーザ光発振装置等やパルス発信するレーザ光発振装置等が挙げられ、拡がり角の狭さ、レーザ光のビーム径の細さ、レーザ連続発振の安定性等からファイバレーザ発振器を用いることが好ましい。
ここで、ビーム品質はシングルモードでもマルチモードでも構わない。また、レーザ出力は、ファイバレーザ光Lのエネルギーがあまりに高いと、またはエネルギー密度が低いと、熱影響部が必要以上に広範囲で形成されてしまい、極端な場合には管構造端子全体が軟化してしまう。したがって、ファイバレーザ光Lは100〜400Wの出力で溶接するのが好ましく、300〜400Wの出力で溶接するのがより好ましい。
なお、このような装置としては、例えば、古河電気工業株式会社製のASF1J218シリーズやASF1J221シリーズ(いずれも商品名)が挙げられ、好ましい。
本発明では、レーザ溶接後の溶接部の板厚を、レーザ溶接前の板厚の90〜110%とすることが好ましく、また、レーザ溶接後の溶接部において、5μmを超える径のボイドが存在せず、かつ、1μm〜5μmの径のボイドが存在しないか、もしくは存在しても、溶接部の体積1mm当たり25個未満であることが好ましい。
本発明では、前記のように、C字型断面に成形された一片の対向する端部において、対抗させる打ち抜き端面同士の関係における算術平均粗さRaを上記のように設定することで、レーザ溶接後に得られる板厚が、レーザ溶接前からの変化が少なく、溶接後の溶接部のボイドの発生も低く抑えることができる。
<<管構造端子、接続構造体>>
本発明の好ましい一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す実施形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施形態をとり得る。
各図では、本発明の特に好ましい管構造端子および接続構造体やその作製を示したものであるが、本発明におけるレーザ溶接方法は、必ずしも管構造端子および接続構造体に限定されるものではなく、平面状の基材を含めた各種形状のレーザ溶接に適用されるものである。
図1は本発明のレーザ溶接方法で製造された管構造端子1の好ましい一実施形態である。この管構造端子(以下、単に端子ということがある)1は、雌型端子のボックス部20と、アルミニウム電線(以下、単に「電線」ということがある。)が挿入された後、圧着によって電線と端子1の基材とを接続する管体かしめ部30を有し、管体かしめ部30とボックス部20を連結するトランジション部40を有する。ここで、溶接部50(図中、斜線で示す部分)は、打ち抜き端面同士を突き合わせてレーザ溶接されている。溶接部50の形状は特に制限はない。溶接部50のように管体かしめ部30の長手方向に帯形状に形成するのが好ましい。
雌型端子1のボックス部20は、例えば雄型端子等の挿入タブの挿入を許容するボックス部である。本発明において、このボックス部の細部の形状は特に限定されない。すなわち、本発明の端子の他の実施形態ではボックス部を有さなくてもよく、例えば、前記ボックス部に替えて雄型端子の挿入タブであっても良い。また他の形態に係る端子の端部であっても良い。本明細書では、本発明の端子を説明するために便宜的に雌型端子の例を示している。どのような接続端部を有する端子であっても、トランジション部40を介し管体かしめ部30を有していれば良い。また、その管体かしめ部30に形成された溶接部50が、管体かしめ部30を構成する基材よりも軟らかいことが好ましい。
管体かしめ部30は、端子1と電線(図示せず)とを圧着接合する部位である。その一端はアルミニウム電線等の電線あるいはその導体を挿入することができる電線挿入口(導体挿入口)31を有し、他端はトランジション部40に接続されている。管体かしめ部30は、そのトランジション部40側で、例えばプレス加工等の潰し加工によって管体かしめ部30の対向する2つの管壁(通常は上下の管壁)を潰した上で、例えばレーザ溶接などの溶接加工によって閉口されて、この閉口部を底部とし前記電線もしくは導体の挿入口31で開口する「缶状」の構造を有している。端子1の基材(銅または銅合金など)とアルミニウム電線との接点に水分が付着すると、両金属の起電力の差からいずれかの金属(合金)が腐食してしまうので、管体かしめ部30は外部より水分等が侵入しないような管体構造となっている。本発明の端子のかしめ部は、管体であれば腐食に対して一定の効果が得られる為、必ずしも長手方向に対して断面が円筒である必要はなく、場合によっては断面が楕円筒や矩形筒の管体であっても良い。また、断面の径が一定である必要はなく、長手方向で断面の径が変化していても良い。
この端子1を用いれば、管体かしめ部30が管体であることにより、アルミニウム電線と端子1の基材の接点に外部からの水分の付着がなされにくくなっている。
管体かしめ部30では、管体かしめ部30を構成する端子基材32とアルミニウム(アルミニウム合金)電線とが機械的に圧着接合されることにより、同時に電気的な接合を確保する。かしめ接合は、端子材32や電線(芯線)の塑性変形によって接合が行われる。したがって、管体かしめ部30は、かしめ接合をすることができるように肉厚を設計される必要があるが、人力加工や機械加工等で接合を自由に行うことができるので、特に限定されるものではない。
本発明の管体かしめ部30は、端子基材32の板状の管展開部30aが突き合わされて構成されており、その突き合わせた部分(「突き合わせ部」ともいう。)36を接合してなる溶接部50を有する。すなわち、溶接部50は、管体かしめ部30の突き合わせた部分に沿って長手方向に連続的に設けられている。そして、トランジション部40から電線挿入口31にかけて直線状領域として設けられている。
管体かしめ部30の長手方向の断面図の一部を図2に示す。この図2では溶接部50の表記を省略した。
管体かしめ部30は、図2に示すように、端子基材32の内壁面33に、電線60、好ましくは絶縁被覆を剥いだ導体群63(樹脂被覆された導体62の複数の導体群)との接触圧を保つための、電線係止溝34aもしくは34bを有していてもよい。電線の芯線であるアルミニウムおよびアルミニウム合金は、銅合金と比較すると銅の酸化膜より高い絶縁性を持つ酸化膜を表面に持つため、接続に不安がある。そこで、このような溝を設けることで、溝の山によって接圧を大きくすることが行われる。このような電線係止溝を設けることで、溝の山によって接圧を大きくすることが行われる。図2において、電線係止溝34aは矩形断面の溝であり、電線係止溝34bは半円形断面の溝である。このような電線係止溝は、管体かしめ部30を形成する前に、基材そのものに加工を施しておくと設けやすく、端子1を効率よく生産することができる。後述するファイバレーザや機械による切削加工等で設けることができる。
管体かしめ部30には電線挿入口31からアルミニウム電線あるいはその導体が挿入されるので、電線係止溝34aや34bはアルミニウム芯線と接触する位置に設けられることが好ましい。アルミニウム電線は、通常アルミニウム芯線(導体)とこれを覆う絶縁被覆とからなっている。そして、電線と端子の電気的接合は、先端の絶縁被覆部を除去(皮むき)したアルミニウム芯線が端子の管体かしめ部30と圧着接合されることで行われる。したがって接圧を十分に確保することが、電気的性能の維持に繋がるので、電線係止溝のような溝が必要となる。このような溝はセレーションとも呼ばれる。
そして、少なくとも一本以上の電線係止溝が管体かしめ部30の内面に設けられることで、端子1とアルミニウム電線とが確実に圧着されるので、長期信頼性により優れるものとすることができる。
管体かしめ部は、本発明においては、好ましくは、図3に示すように、弱かしめ部30aと強かしめ部を有し、強かしめ部は圧縮率が異なる複数の領域からなるのが好ましい。図3では、本発明で特に好ましい第一の強かしめ部30bと第二の強かしめ部30cを有するものを示した。
通常、圧着接合すると、管体状の弱かしめ部30aは塑性変形を起こして、元の径よりも縮径されることで、電線60との圧着接合をなす。図3に示した例では、第二の強かしめ部30cが、縮径率が一番高くなっている部分である。このように、端子1は、アルミニウム電線の圧着接合を、弱かしめ部30a、第一の強かしめ部30bおよび第二の強かしめ部30cの3段階の縮径で行っている。なお、本発明の端子において、アルミニウム電線の圧着接合は、2段階の縮径で行ってもよく、また4段以上の縮径で行ってもよい。
なお、電線60は、絶縁被覆61と図示しないアルミニウムまたはアルミニウム合金電線の芯線とからなっている。電線60は裸線であっても良いが、防食の観点から通常は絶縁被覆された電線を用いる。
図3は、管構造端子1に、絶縁被覆61された電線60の絶縁被覆を剥がした(皮むきした)導体(芯線)が挿入された接続構造体(終端接続構造体ともいう)10を示す。電線60は、絶縁被覆61と図示しない電線の芯線とからなっている。電線60は裸線であってもよいが、防食の観点から通常は絶縁被覆された電線を用いる。
この接続構造体10は、管体かしめ部30内に電線60あるいはその導体を挿入し、管体かしめ部30を上述のように3段の縮径によりかしめることで、電線60が管体かしめ部30内に圧着接続されている。この接続構造体10は、端子1と電線60が管体かしめ部30によって圧着接続されている。通常、圧着接続すると、管体かしめ部30は塑性変形を起こして、元の径よりも縮径されることで、電線60との圧着接続をなす。圧着の様態は上述した通りである。
本発明の接続構造体は、アルミニウム系材料からなる電線60と銅系材料からなる端子1の基材との異種金属間腐食の防止に寄与する。また、溶接部50が基材よりも柔らかい焼きなまし部ともすることができるため、電線60と端子1の圧着箇所のスプリングバックを防ぐことができ、この点からも長期信頼性に優れる。
上記スプリングバックとは、加工部分が元の形状に戻ろうとする現象である。すなわち、電線(図示せず)と圧着接合させた管体かしめ部30の変形部分が弾性力等でもとの形状に戻ろうとするため、管体かしめ部30の内面と電線との間に隙間ができてしまう。このようなスプリングバックが端子1の管体かしめ部で起こると、電線60と端子1との接点不良を招くことは勿論、間隙に水分の侵入を許しやすくなり腐食の原因となるおそれがある。
本発明の接続構造体を製造する場合、管体かしめ部30の溶接部50を積極的に塑性変形させる圧着接合が好ましい。端子1の管体かしめ部30と電線60とを圧着する場合は、専用の治具やプレス加工機等で行う。このとき、管体かしめ部30の全体を縮径させても良いが、管体かしめ部30を凹型のように部分的に強加工して圧着する場合もある。このときは、溶接部50の塑性変形量が大きくなるように位置を調整すると良い。すなわち、溶接部50の直上(外側)にプレス加工時の凸部先端があたるように調整すると、溶接部50の変形量が大きくなる。このようにすると、比較的軟らかい溶接部50が塑性変形の多くを担うことができるために、スプリングバックの低減に寄与することができる。
次に、端子1の製造方法について説明する。本発明の端子1は管体かしめ部30を有し、この管体かしめ部30に溶接部(前記図1参照。)を有する端子であるので、この構成を達成し得るならば製造方法は限定されるものではない。
端子1は、例えば、図5に示される連鎖端子32などのように、基材(銅合金など)からなる板材を平面展開した端子形状に打ち抜いた後に、曲げ加工によってボックス部20や管体かしめ部30を設ける。この時、管体かしめ部30は平面からの曲げ加工ではC字型断面となっているので、この開放部分の端面を本発明のレーザ溶接方法で溶接することによって接合し、管体かしめ部30とする。ここで、レーザ溶接する端面30Sの組合せは好ましくは上述の調製方法を採用して調製する。
図4は、本発明の端子1の製造中の一状態を模式的に表した図である。
図4は、本発明のレーザ溶接方法によって、端子基材32の打ち抜き端面30Sを突き合わせた突き合わせ部36をファイバレーザ溶接装置FLでレーザ光Lを照射して、レーザ溶接している状態を模式的に示したものである。管構造端子1は、導電性と強度を確保するために基本的に金属材料(銅合金等)の基材で作製されている。また、溶接部50の形状は特に制限はない。溶接部50のように管体かしめ部30の長手方向に帯形状に形成するのが好ましい。
<電線>
本発明の接続構造体で使用する電線は、特に限定されるものではないが、アルミニウム電線が好ましい。アルミニウム電線60は、一般にアルミニウム芯線64とこれを覆う絶縁被覆61とからなっている。本発明では、樹脂被覆されたアルミニウム芯線の導体62を複数束ねた導体群63を絶縁被覆61されたアルミニウム電線が好ましい。
アルミニウム芯線の合金組成には、特に制限はなく、各種の任意のものを用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
以下のようにして、端子1を作製し、これにアルミニウム電線を圧着して評価した。
(1)プレス
厚み0.25mmのリフロースズめっき銅合金板材5を打抜きプレスして、図5に示されるように、その長手方向に連なるよう(連鎖型)に端子を展開した形状に加工し、複数の端子基材32を作製した。管体かしめ部30の軸方向の長さは8mmである。なお、前記銅合金板材5の材質として、古河電気工業株式会社製のFAS−680(商品名)を使用した。
突き合わせ溶接部(管体かしめ部30の長辺部:8mmの部分)を打抜く時、ポンチとダイのクリアランスを適宜調整して、せん断面比率が20%、10%、5%の各端面30Sを作製した。
突き合わせ部36がせん断面と破断面とを合せる形式については、銅合金板材5を表裏返して打抜くことによって行った。
レーザ顕微鏡を使用して算術平均粗さRaを測定した。端面30Sのせん断面において、せん断面幅内中央部を板長手方向に沿って、290μm長に渡ってレーザをスキャンし、算術平均粗さRa(平均粗さ)を測定した。その結果、算術平均粗さRaは0.3μmであった。この端面30Sを適宜、各種粗度のエメリー研磨紙を用いて、手で研磨し、算術平均粗さRaを0.01μm、0.03μm、0.10μm、0.50μm、1.00μmおよび3.00μm(表4および表5)に調整した。
(2)突き合わせ溶接
図6に示すように、展開状態の管体かしめ部を円形(筒状)に成形し、管体かしめ部30を作製した。そして、前記図4を参照して説明したように、その突き合わせ部分に沿ってその両側に近赤外線レーザ光を照射するレーザ溶接で8mmの長さを貫通溶接することで接合し、管体かしめ部30を作製した。また、この溶接により、管体かしめ部に焼きなまし部も得た。
レーザ溶接条件は下記の通りである。
(1)レーザ溶接装置:古河電気工業株式会社製 シングルモードファイバレーザ ASF1J221(商品名)
レーザ光の光源:Ybドープガラスファイバレーザ発振器
レーザ光発振波長:1084±5nm
レーザ光最大出力:500W(連続発振)
(2)レーザ光照射条件
レーザ光出力:400W(連続発振で使用)
レーザ光掃引速度:150mm/sec
レーザ光掃引距離:8mm
全条件ジャストフォーカスでレーザ光照射(照射位置のスポット径サイズ:20μm)
(3)端子成型
さらに、図7に示すように、管体かしめ部30のトランジション部40の片端を平らに潰して成形し、レーザ溶接によって封じて、管構造端子を作製した。
(4)圧着
図8に示すように、電線を管構造端子へ挿入し、上/下方向からクリンパ/アンビルによりかしめて圧着し、接続構造体を作製した。
上記(4)の圧着前の溶接管の溶接部に対して、以下の評価を行った。
(板厚の測定)
管体かしめ部30の輪切り断面を研磨して観察し、板厚(肉厚)を測定した。
レーザ溶接前の板厚を基準にして、レーザ溶接後の溶接部(突き合わせ溶接部)50の板厚の最小の厚みの増減率を、以下の式で求めた。
増減率=[(レーザ溶接後の溶接部の最小の厚み−レーザ溶接前の板厚)÷レーザ溶接前の板厚]×100
この増減率を下記の評価基準で評価した。
◎:−3%を超え、+10%以下
○:−10%以上−3%未満
×:−10%未満
(ボイドの測定)
透過X線により、観察して計測した。
突き合わせ溶接部50全域において、以下の基準で評価した。
◎:5μmを超える径のボイドが存在せず、
かつ、1μm以上5μm以下の径のボイドも存在しない
○:5μmを超える径のボイドが存在せず、
かつ、1μm以上5μm以下の径のボイドが10個未満存在
△:5μmを超える径のボイドが1〜10個存在、または、1μm以上5μm以下の径のボイドが10個以上存在
×:5μmを超える径のボイドが10個以上存在
なお、管体かしめ部30の突き合わせ溶接部50は、板厚0.25mm×溶接部幅0.2mm×長さ8mmであり、溶接部の体積は0.4mmである。上記はこの0.4mmの中に存在するボイドの数である。
上記(4)の圧着後の管体かしめ部30の溶接部50に対して、以下の評価を行った。
(塩水噴霧試験による腐食試験後の外観評価)
圧着後、JIS Z2371に規定の塩水噴霧試験を100時間実施し、該試験後、溶接部をマイクロスコープで外観検査した。
◎:圧着および塩水噴霧によっても、突き合わせ溶接部が健全なもの
○:圧着および塩水噴霧により、突き合わせ溶接部の破壊はないが、内部までは貫通しない、微細なクラックが観察されたもの
△:圧着および塩水噴霧により、突き合わせ溶接部の破壊はないが、管体かしめ部30内部まで貫通したクラックが観察されたもの
×:圧着および塩水噴霧により、突き合わせ溶接部が破壊したもの
(塩水噴霧試験による腐食試験後の電気抵抗評価)
上記塩水噴霧試験後、さらに電気抵抗を測定して評価した。
○:2mΩ未満
△:2mΩ以上5mΩ未満
×:試験後、電気抵抗を計測し、管体かしめ部30抵抗が試験前と比べて、5mΩ以上上昇
これらの結果をまとめて、下記表1〜5に示す。
表1は、打ち抜き端面30Sの破断面積比率が20%で、端面30Sを、円形に成形した管体かしめ部30の円の中心から外側方向にせん断面とせん断面、内側方向に破断面と破断面で対向させたもの(図9のA参照)である。
表2は、打ち抜き端面30Sの破断面積比率が10%で、端面30Sを、円形に成形した管体かしめ部30の円の中心から外側方向に破断面と破断面、内側方向にせん断面とせん断面で対向させたもの(図9のC参照)である。
表3は、打ち抜き端面30Sの破断面積比率が5%で、端面30Sを、円形に成形した管体かしめ部30の円の中心から外側方向にせん断面とせん断面、内側方向に破断面と破断面で対向させたもの(図9のA参照)である。
表4は、打ち抜き端面30Sの破断面積比率が20%で、端面30Sを、円形に成形した管体かしめ部30の円の中心から外側方向にせん断面と破断面、内側方向に破断面とせん断面で対向させたもの(図9のB参照)である。
表5は、打ち抜き端面30Sの破断面積比率が5%で、端面30Sを、円形に成形した管体かしめ部30の円の中心から外側方向にせん断面と破断面、内側方向に破断面とせん断面で対向させたもの(図9のB参照)である。
Figure 2014161870
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上記表1〜5から明らかなように、本発明のレーザ溶接方法で溶接した試料はいずれも、肉厚の変化率、ボイドの発生が少なく、圧着評価、腐食試験の評価においても、優れていることがわかった。
1 管構造端子(端子)
5 銅合金板材
10 接続構造体(終端接続構造体)
20 ボックス部
30 管体かしめ部
30a 弱かしめ部
30b 第一の強かしめ部
30c 第二の強かしめ部
30S 打ち抜き端面(端面)
31 電線挿入口
32 連鎖端子(端子基材)
33 管体かしめ部の内壁面
34a,34b 電線係止溝
36 突き合わせ部
40 トランジション部
50 溶接部(突き合わせ溶接部)
60 電線
61 絶縁被覆
62 導体
63 導体群
64 芯線(裸線導体)
FL ファイバレーザ溶接装置
L レーザ光

Claims (6)

  1. 対向面同士を突き合わせてレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    突き合わせる打ち抜き端面において、対向させる面によって、せん断面表面の算術平均粗さRaを以下の(a)、(b)または(c)のいずれかに調整して、レーザ溶接することを特徴とするレーザ溶接方法。
    (a)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、
    打ち抜き端面における破断面比率が7.5%以上の場合、
    せん断面表面の算術平均粗さRaが0.3μm以下
    (b)対向させる面が、せん断面とせん断面、破断面と破断面であり、かつ、
    打ち抜き端面における破断面比率が7.5%未満の場合、
    せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下
    (c)対向させる面が、せん断面と破断面、破断面とせん断面である場合、
    せん断面表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下
  2. レーザ溶接後の溶接部の板厚を、レーザ溶接前の板厚の90〜110%とすることを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. レーザ溶接後の溶接部において、5μmを超える径のボイドが存在せず、かつ、1μm〜5μmの径のボイドが存在しないか、もしくは存在しても溶接部の体積1mm当たり25個未満であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法で溶接してなることを特徴とする管構造端子。
  5. 請求項4に記載の管構造端子により圧着接続してなることを特徴とする接続構造体。
  6. レーザ溶接後の溶接部に破壊部が存在しないことを特徴とする請求項5に記載の接続構造体。
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