JP2010269339A - レーザー溶接方法及び接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】より低いエネルギー密度でレーザー光を照射することでスパッタや金属蒸気の発生を防止しつつ、効率的にレーザー溶接を実施することが可能なレーザー溶接方法を提供する。
【解決手段】レーザー溶接方法が、表面粗さRaが1.0μm以上の面を含む金属部材の前記面上にレーザー光を集光して照射スポットを形成し、照射スポットにおいて前記面を溶融させる工程102と、溶融した前記面に被着体の所定表面を接触させて、金属部材と被着体とを接合する工程103、を含む。
【選択図】図7
【解決手段】レーザー溶接方法が、表面粗さRaが1.0μm以上の面を含む金属部材の前記面上にレーザー光を集光して照射スポットを形成し、照射スポットにおいて前記面を溶融させる工程102と、溶融した前記面に被着体の所定表面を接触させて、金属部材と被着体とを接合する工程103、を含む。
【選択図】図7
Description
本発明は、金属部材をレーザー光により溶接して被着体と接合するレーザー溶接方法、及び、前記溶接方法により製造される接合体に関する。
従来、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属部材を溶接する際に、レーザー光を利用したレーザー溶接法が利用されている。この溶接法では、レーザー発振器で発振されたレーザー光線を集光レンズで適切なサイズに集光してエネルギー密度を高めることで、金属部材を溶融して溶接を行う。
金属部材を効率よく溶融するために、レーザー光の照射点におけるエネルギー密度は一定の数値以上に調節する必要があり、具体的には、30kW/cm2以上、又は、300kW/cm2以上といった数値が報告されている(特許文献1及び2を参照)。
しかしながら、前述した30kW/cm2以上という高いエネルギー密度でレーザー光を金属部材に照射すると、溶融した金属が周囲に飛散していわゆるスパッタが生じたり、金属が蒸発して金属の蒸気が生じる恐れが非常に高い。
スパッタが生じると、飛散した材料によって集光レンズ等の集光光学系に汚損や損傷を招いたり、得られた接合体に飛散物が付着してしまうという問題が生じる。特に、得られた接合体を電気やコンデンサ等の蓄電素子の部品として使用する場合、スパッタによる飛散物が当該蓄電素子の内部に混入すると、短絡やサイクル特性の劣化を引き起こすことになり好ましくない。
また、金属の蒸気が生じると、当該蒸気でレーザー光のエネルギーが吸収されてしまい、溶融のためのエネルギーが不足する恐れがある。
さらには、前述した30kW/cm2以上という高いエネルギー密度を達成するには、出力の大きいレーザー発振器を用いる方法や、焦点距離の短い集光光学系を用いて集光スポットの径を小さくする方法などが考えられるが、前者の方法は、エネルギーの利用量が増大するため経済的に好ましくなく、後者の方法は、焦点距離が短くなるため、スパッタによる集光光学系の汚損や損傷の危険性が高まる。
以上のとおり、レーザー溶接を行うには、照射点におけるレーザー光のエネルギー密度をできるだけ低減することが望まれていた。
しかしながら、当該エネルギー密度が低すぎると、金属部材が溶融しにくくレーザー溶接を効率的に実施できないという課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、より低いエネルギー密度でレーザー光を照射することでスパッタや金属蒸気の発生を防止しつつ、効率的にレーザー溶接を実施することが可能なレーザー溶接方法、並びに、当該溶接方法により製造される接合体、及び、当該接合体を用いた蓄電素子を提供することを目的とする。
本発明者らが検討したところ、金属部材の表面を粗面化すると、照射点におけるレーザー光のエネルギー密度が低くても、金属部材が効率よく溶融することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、表面粗さRaが1.0μm以上の面を含む金属部材の前記面上にレーザー光を集光して照射スポットを形成し、前記照射スポットにおいて前記面を溶融させる溶融工程と、溶融した前記面に被着体の所定表面を接触させて、前記金属部材と前記被着体とを接合する接合工程、を含む、レーザー溶接方法である。
金属部材の表面を粗面化することで効率の良いレーザー溶融が可能になった理由は定かでないが、表面の微細な突起間でレーザー光が反射し表面近傍でエネルギーが増幅することに起因するものと推測される。
また本発明は、前記レーザー溶接方法により形成された接合体、及び、前記接合体を含んで構成された蓄電素子にも関する。
本発明のレーザー接合方法によれば、レーザー光が照射される金属部材表面の表面粗さRaを1.0μm以上に予め調整しておくことによって、照射スポット内でのレーザー光のエネルギー密度が、例えば30kW/cm2未満と極めて低いものであっても、効率よく金属部材の表面を溶融し、効率的なレーザー接合を実現することができる。これにより、スパッタや金属蒸気の発生を抑制することができるので、レーザー溶接装置の集光光学系に汚損や損傷が生じる問題や、溶融のためのレーザーエネルギーが不足する問題を回避することができる。
特に、得られた接合体を電池やコンデンサ等の蓄電素子の部品として使用する場合、スパッタによる飛散物が当該蓄電素子の内部に混入する可能性が低減されるので、それによる短絡やサイクル特性の劣化が発生しにくく、信頼性の高い蓄電素子を提供することが可能になる。
図7に基づいて本発明のレーザー溶接方法を具体的に説明する。図7は、本発明のレーザー溶接方法の手順を示すフローチャートである。
本発明のレーザー溶接方法では、まず、準備工程101で、表面粗さRaが1.0μm以上の面を含む金属部材を準備する。
金属部材は、レーザー光を照射することで表面を溶融するための部材であり、少なくとも被着体と接合される表面が、金属から構成されていれば特に限定されない。レーザー溶接に適した金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼鉄等が挙げられる。好ましくは、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成される部材である。
上記アルミニウム合金は特に限定されないが、JIS1000系、JIS3000系、JIS5000系又はJIS6000系のいずれかが好ましい。前記金属部材にアルミニウム合金を使用すると、レーザー溶接時にスパッタや金属蒸気が発生しやすいため、本発明のレーザー溶接方法を適用し、低いエネルギー密度のレーザー光を用いて溶接する意義が特に大きい。
金属部材において、少なくとも、レーザー光を照射して被着体と接触させるべき面を、表面粗さRaが1.0μm以上に調節する。前記面以外の表面粗さについて限定せず、1.0μm以上でもよいし、1.0μm未満でもよい。なお、Raの測定機器については後述する。
前記面の表面粗さが1.0μm未満であると、例えば30kW/cm2未満というような低いエネルギー密度では、効率的に金属表面を溶融させることができない。
表面粗さRaの上限は特に限定されないが、Raがあまり大きくなると、特に金属部材が薄物である場合に、金属表面が溶融した際に金属部材の変形や欠損等の問題が生じる恐れがあるので、例えば50μm以下程度が好ましい。
なお、表面粗さはRzで表示することもできる。RaとRzには相関関係があり、Raが1.0μm以上10μm以下の場合、Rzは概ね10μm以上50μm以下である。
通常の平滑な金属表面の表面粗さRaは0.3〜0.5μm程度なので、本発明では、金属部材の表面粗さRaが1.0μm以上になるように、金属部材の表面を粗くする前処理を行う。そのような処理としては、ブラスト処理が簡便で好ましいが、これに限定されない。通常の研磨処理を適用することもできる。ブラスト処理は、無機物等の微粒子を部材表面に吹き付けて、部材表面を粗くする方法である。
次に、溶融工程102で、表面粗さRaが1.0μm以上の面にレーザー光を集光して照射スポットを形成し、前記照射スポットにおいて前記面を溶融させる。
レーザー溶接で使用されるレーザー光としては、半導体レーザー光、YAGレーザー光、炭酸ガスレーザー光等が挙げられるが、スパッタの発生量が少ないため半導体レーザー光が好ましい。金属部材を構成する金属がアルミニウムやアルミニウム合金である場合には、半導体レーザーが適しており、鉄や鋼鉄の場合には、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーが適している。
溶融する金属表面がアルミニウム又はアルミニウム合金から構成される場合、上記半導体レーザー光の波長は700nm以上1000nm以下が好ましい。この波長域では、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる表面での光吸収率が高いため、効率良くレーザー溶接を実施することができる。より好ましい波長域は、800nm以上950nm以下である。
溶融する金属表面が鉄から構成される場合、レーザー光は、半導体レーザー光又はYAGレーザー光が好ましい。加工性の点では、波長1.1μm程度のYAGレーザー光が特に好ましい。
レーザー溶接では、金属表面が溶融するよう照射スポット内においてレーザー光のエネルギー密度を十分高める必要があるが、照射スポット内でのエネルギー密度が高すぎると、溶融時のスパッタや金属蒸気が発生しやすく、それによりレーザー溶接装置の集光光学系の汚損又は損傷が生じたり、溶融のためのエネルギーが不足する恐れがある。また、得られた接合体を電池やコンデンサ等の蓄電素子に使用する場合、スパッタによる飛散物の混入を原因とする短絡やサイクル特性の劣化が生じる可能性も高い。本発明では、金属部材の表面を粗くすることで、照射スポット内でのエネルギー密度が例えば30kW/cm2未満と従来法よりも低い場合であっても、効率的に金属表面を溶融することができ、上述した不具合を回避することができる。しかも、低エネルギーでの溶融が可能になるので、エネルギーコストの観点からも好ましい。
照射スポット内でのエネルギー密度の下限は、レーザー光の波長や金属部材表面の組成、あるいは照射時間等により影響され得るが、例えば10kW/cm2以上であれば、本発明のレーザー溶接方法を実施することが可能である。好ましくは、20kW/cm2以上である。
金属表面を溶融させる際には、次の接合工程が速やかに実施できるよう、図2で示すように金属表面に被着体を接触させておくか、又は、近接させておくことが好ましい。
次に、接合工程103では、溶融した前記面に被着体の所定表面を接触させて、前記金属部材と前記被着体とを接合する。これにより接合体が製造される。
使用する被着体は、金属部材の表面と接触させる前記所定表面が金属から構成されるものがよい。特に金属部材がアルミニウム又はアルミニウム合金から構成される時には、被着体の所定表面もアルミニウム又はアルミニウム合金から構成されることが、接合強度が向上するため好ましい。各々のアルミニウム又はアルミニウム合金は同一の組成を持つものでもよいし、異なる組成を持つものでもよい。
特に、被着体は、金属箔体であることが好ましい。金属箔体は、金属のみから構成されるフィルムであってよいし、支持体である樹脂フィルムの片面又は両面に金属層が形成された積層フィルムであってもよい。金属箔体の厚みは特に限定されないが、およそ6μm〜100μm程度であってよい。
本発明の溶接方法により得られた接合体では、金属部材と被着体との接合部Jの周囲において金属部材表面の表面粗さが1.0μm以上であるので、従来の接合方法により得られた接合体と区別することができる。
以上により得られた接合体を、蓄電素子の部品として使用する場合の実施形態を以下に説明する。
本実施形態における接合体では、被着体として金属箔体を使用し、金属箔体の端縁を金属部材に接合する。図1は、金属部材5、6の表面に、被着体である金属箔体2、3の端縁を接合した状態を示した拡大断面図である。金属部材5、6は、アルミニウム合金からなる集電板であり、金属箔体2、3は、アルミニウム合金箔からなる集電体である。
図2は、レーザー溶接を行う際のレーザーの入射方向を示した拡大断面図である。レーザー光は、金属部材5の接合表面5Aに対し反対の面5B側から照射し、接合表面5B上で照射スポットを形成する。
以下は蓄電素子がコンデンサである場合について説明する。図3は、アルミニウム箔からなる一対の電極2、3の構成を示す平面図である。図4は、コンデンサ中の巻回した電極群を示す斜視図で、図5は、図4に示すIb領域における縦断面図である。図6は、金属部材5である集電板の構成を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
本実施形態に係るコンデンサは、アルミニウム箔からなる一対の電極2、3を捲回することにより構成される。図3に示すように、電極2、3の両面の幅方向一端には、活性炭とバインダーを主体とした分極性電極層22、32が塗布され、他端には、アルミニウム箔の露出領域21、31が形成されている。一対の電極を積層する際には、電極2の上面、及び、電極2と電極3との間にセパレータ4を配置し、さらに、電極2におけるアルミニウム箔の露出領域21と、電極3におけるアルミニウム箔の露出領域31はそれぞれ上方向又は下方向を向く方向で、分極性電極層32、22とは重ならないように積層される。この積層体を捲回することにより図4及び5に示す捲回体が形成される。図4において電極群1の上部は陽極たる電極2のアルミニウム箔の露出領域21から構成され、電極群1の下部は陰極たる電極3のアルミニウム箔の露出領域31から構成される。セパレータ4としてはポリプロピレンやクラフト紙等を使用できる。
本実施形態に係るコンデンサでは、電極群1の上部の端面と下部の端面それぞれに、図6に示すような、円板状のアルミニウム合金からなる集電板5、6が接合される。図1に示すとおり、陽極たる電極2の集合体の端面と集電板5が接合しており、陰極たる電極3の集合体の端面と集電板6が接合している。
電極群1は捲回体でなく、所定のサイズとした第一の電極、セパレータ、第二の電極、及び、セパレータを複数組積層した積層体でもよい。この場合のアルミニウム集電板の形状は円板状ではなく、積層体の端面形状に合わせて、例えば長方形とすることができる。
図6に示すようにアルミニウム集電板5には、上下に貫通する孔が開いていてもよい。また、多数の孔が開いていてもよい。よって、アルミニウム集電板はパンチングメタルやラスメタルでもよい。更に、アルミニウム箔21、31や分極性電極層22、32を形成した電極層そのものに、1個又は多数の孔を開けることもできる。いずれも、電極群1と集電板5、6とを接合した後に、電解液が電極群に充分浸透することを目的とするものである。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下では、アルミニウム集電板の表面を半導体レーザー光を用いて溶融した場合の実験例を示す。アルミニウム集電板としては、表面加工処理を施して表面粗さRaが1.0μm以上に調節したものと、表面粗さRaが1.0μm未満のものとを使用し、両アルミニウム集電板表面の溶融量が一定量に達するのに要した、半導体レーザー光のエネルギー密度を比較した。アルミニウム集電板5の溶融量が一定量に達したか否かは、レーザーが入射する側の面5Bとは反対の集電板裏面5Aに形成される溶融部を観察し、その形状から決定した。更に、当該溶融部によりアルミニウム集電板の裏面と集電箔の端縁との接合が可能であることを確認して決定した。レーザー照射後の集電板裏面を撮影した写真を図8に示す。図8で示されるように集電板裏面に溶融部が形成される。具体的な手順を以下で説明する。
アルミニウム集電板5は、アルミ1050合金製からなり、直径28mm、厚み0.8mmの円形の板であり、中央に直径6mmの孔が開いている(図6)。このアルミニウム集電板5に対してブラスト処理を行い、表面粗さRaを1μm(Rzが10μm)、2μm(Rzが20μm)、3μm(Rzが30μm)、又は、10μm(Rzが50μm)に調整して4種類の集電板を作製した。なお、未処理のアルミニウム集電板として、表面粗さRaが0.3μm(Rzが3μm)、又は、0.5μm(Rzが5μm)のものを使用した。
アルミニウム集電板の表面粗さRa及びRzは、下記測定装置及び測定ソフトを使用して測定した。Raは算術平均粗さにより算出した値であり、Rzは十点平均粗さにより算出した値である。
測定装置:株式会社キーエンス製 超深度形状測定顕微鏡VK−8500
測定ソフト:同社製 画像計測・解析ソフトVK−H1W
これらのアルミニウム集電板に対し、エンシュウ株式会社製の半導体レーザー装置L1システムを用いて、波長940nmの半導体レーザー光を集電板表面に照射した。半導体レーザーのレーザー出力を1.8kW〜0.4kWまで展開させ、集電板裏面に一定量の溶融部を形成できたレーザー出力の最低値を決定した。なお、レーザー光の照射時間は0.4秒に設定した。
測定装置:株式会社キーエンス製 超深度形状測定顕微鏡VK−8500
測定ソフト:同社製 画像計測・解析ソフトVK−H1W
これらのアルミニウム集電板に対し、エンシュウ株式会社製の半導体レーザー装置L1システムを用いて、波長940nmの半導体レーザー光を集電板表面に照射した。半導体レーザーのレーザー出力を1.8kW〜0.4kWまで展開させ、集電板裏面に一定量の溶融部を形成できたレーザー出力の最低値を決定した。なお、レーザー光の照射時間は0.4秒に設定した。
(評価)
決定したレーザー出力値と照射スポットの面積から、照射スポット内におけるエネルギー密度を算出し、このエネルギー密度と集電板の表面粗さRa及びRzの関係をそれぞれ、図9及び図10に示した。
決定したレーザー出力値と照射スポットの面積から、照射スポット内におけるエネルギー密度を算出し、このエネルギー密度と集電板の表面粗さRa及びRzの関係をそれぞれ、図9及び図10に示した。
さらに、この溶融部に集電箔の捲回体の端縁を溶接して、集電体と集電箔が接合することを確認した。なお、集電箔は、アルミ1085合金製で、厚み15μm、幅124mm、長さ1mに調整して使用した。その集電箔上に、厚み308μm、幅110mm、長さ1mに調整したタピルス株式会社製のポリプロピレン製の不織布(品番:P040SW−OCS)を重ね、それを巻いて巻回体を作製した。巻回体の両端部は、不織布が露出せず集電箔のみで構成されるように作製した。この巻回体は、捲回式の蓄電素子を想定したものであり、この捲回体の端縁と集電体を接合した。
図9より、集電板の表面粗さRaが1.0μm以上であると、照射スポット内におけるエネルギー密度が30kW/cm2未満でレーザー溶接が可能であるが、逆にRaが1.0μm未満であると、レーザー溶接を行うのに格段に大きいエネルギー密度が必要であることが分かる。
以上により、表面を粗面化した金属部材にレーザー光を照射すると、表面加工処理を施さない金属部材を用いた従来法と比較して、より低いエネルギー密度を持つレーザー光によりレーザー溶接を実現できることが確認された。低いエネルギー密度を適用すると、溶融時のスパッタや金属蒸気の発生を防ぐことができるため、レーザー溶接装置の集光光学系に汚損又は損傷が生じたり、溶融のためのレーザーエネルギーが不足する恐れがない経済的に好ましいレーザー溶接方法を提供することができる。
また、上記レーザー溶接方法を電池やコンデンサ等の蓄電素子の製造時に使用する場合、スパッタによる飛散物の混入を原因とする短絡やサイクル特性の劣化を引き起こさない、信頼性の高い蓄電素子を提供できる。
本発明は、レーザー溶接一般に使用することができるが、特に、リチウムイオン二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタ、アルミ電解コンデンサの製造時に適用できる。
1 電極群
2 第一の電極
3 第二の電極
4 セパレータ
5 第一の集電板または金属部材
6 第二の集電板
7 レーザー光
2 第一の電極
3 第二の電極
4 セパレータ
5 第一の集電板または金属部材
6 第二の集電板
7 レーザー光
Claims (9)
- 表面粗さRaが1.0μm以上の面を含む金属部材の前記面上にレーザー光を集光して照射スポットを形成し、前記照射スポットにおいて前記面を溶融させる溶融工程と、
溶融した前記面に被着体の所定表面を接触させて、前記金属部材と前記被着体とを接合する接合工程、を含む、レーザー溶接方法。 - 前記レーザー光が、半導体レーザー光である、請求項1に記載のレーザー溶接方法。
- 前記照射スポット内において、前記レーザー光のエネルギー密度が30kW/cm2未満である、請求項1又は2に記載のレーザー溶接方法。
- 前記金属部材の前記面が、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー溶接方法。
- 前記被着体が金属箔体であり、前記所定表面が前記金属箔体の端縁である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー溶接方法。
- 前記金属箔体の所定表面が、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成される、請求項5に記載のレーザー溶接方法。
- 前記金属箔体が、樹脂フィルムと、その表面に形成された金属層とからなる積層体である、請求項5又は6に記載のレーザー溶接方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザー溶接方法により形成された接合体。
- 前記接合体を含んで構成された蓄電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009123022A JP2010269339A (ja) | 2009-05-21 | 2009-05-21 | レーザー溶接方法及び接合体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014161870A (ja) * | 2013-02-24 | 2014-09-08 | Furukawa Electric Co Ltd:The | レーザ溶接方法、該方法で得られた管構造端子および接続構造体 |
-
2009
- 2009-05-21 JP JP2009123022A patent/JP2010269339A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014161870A (ja) * | 2013-02-24 | 2014-09-08 | Furukawa Electric Co Ltd:The | レーザ溶接方法、該方法で得られた管構造端子および接続構造体 |
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