JP2014159768A - 多翼遠心ファン及びこれを備えた多翼遠心送風機 - Google Patents

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普道 青木
Hidetada Yamato
秀肇 大和
Yudai Ozaki
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Abstract

【課題】部品点数を増やすことなく騒音の発生を抑制する多翼遠心ファン及びこれを備えた多翼遠心送風機を提供する。
【解決手段】駆動軸2aを有するモータ2に接続される多翼遠心ファン100であって、外周部が円形のハブ4と、ハブ4の中央部4aに形成され、駆動軸2aが挿入される駆動軸穴3aを有するボス部3と、ハブ4の外周部に間隔を置いて設けられ、駆動軸2aの軸方向に起立する複数のブレード5aと、複数のブレード5aとは別部品で構成される中空円板の部材であり、隣接するブレード5aを連結する防振ブリッジ10とを備えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、多翼遠心ファン及びこれを備えた多翼遠心送風機に関する。
従来、モータなどの駆動軸に取付けられて回転駆動されるハブと、このハブの外周部に等間隔に設けられた多数枚の細長のブレードを備えた翼部と、この翼部の端部に設けられ、ブレード間の間隔を保って補強するリングとを備えた多翼遠心ファンがあった。
しかしながら近年、モータの電磁振動が多翼遠心ファンに伝わって多翼遠心ファンの固有周波数と一致することで共振し、これにより発生する電磁振動音による騒音が問題となっていた。
このような問題を背景として、ゴムを挟んだ2枚の板材からなる防振部材で、モータの駆動軸が嵌入される駆動軸穴を有するボス部を挟んで支持し、モータの電磁振動が多翼遠心ファンへ伝播することを抑制する空調機用ファンが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平7−103191号公報([0008]、図2)
しかしながら、特許文献1の空調機用ファンの防振部材の構造は、部品点数が多く複雑でコスト高になるという課題があった。また、特許文献1の空調機用ファンでは、防振ゴムの経年劣化によって、電磁振動音の発生を抑制する効果が目減りするという課題があった。
本発明は、上述したような課題を背景としてなされたものであり、複雑な構造を設けることなく騒音の発生を抑制する多翼遠心ファン及びこれを備えた多翼遠心送風機を提供することを目的とする。
本発明に係る多翼遠心ファンは、駆動軸を有するモータに接続される多翼遠心ファンであって、外周部が円形のハブと、前記ハブの中央部に形成され、前記駆動軸が挿入される駆動軸穴を有するボス部と、前記ハブの外周部に間隔を置いて設けられ、前記駆動軸の軸方向に起立する複数のブレードと、前記複数のブレードとは別部品で構成される中空円板の部材であり、隣接する前記ブレードを連結する防振ブリッジとを備えたものである。
本発明に係る多翼遠心送風機は、本発明の多翼遠心ファンを備えたものである。
本発明によれば、隣接するブレードが、複数のブレードとは別部品で構成される中空円板の防振ブリッジを介して連結されるため、複雑な構造を設けることなく騒音の発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る多翼遠心送風機の縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る多翼遠心送風機の横断面図である。 本発明の実施の形態1に係る多翼遠心ファンの斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る多翼遠心ファンの部分縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る多翼遠心ファンの防振ブリッジの斜視図である。 図5の部分拡大図である。
以下に、本発明に係る多翼遠心ファン100及び多翼遠心送風機300を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る多翼遠心送風機300の縦断面図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る多翼遠心送風機300の横断面図である。
図1、図2に示されるように、多翼遠心送風機300は、スクロールケーシング1と、モータ2と、多翼遠心ファン100とを備える。
スクロールケーシング1は、多翼遠心送風機300の外壁を構成している。スクロールケーシング1の上壁には、ベルマウス1aが設けられ、円形の空気吸込口1bが形成されている。空気吸込口1bは、多翼遠心送風機300の外部の空気を多翼遠心送風機300の内部に導入するための開口である。スクロールケーシング1の側壁には、空気吹出口1cが形成されている。空気吹出口1cは、多翼遠心送風機300の内部に導入された空気を多翼遠心送風機300の外部に排出するための開口である。空気吸込口1bは、多翼遠心ファン100の吸引側と対向して形成されている。
多翼遠心ファン100は、駆動軸2aを有するモータ2が接続されるボス部3と、ハブ4と、ブレード5aを有する翼部5と、リング6とを備え、例えば、樹脂あるいは金属で成形されている。多翼遠心ファン100は、スクロールケーシング1内に収容されている。
ボス部3は、駆動軸2aが挿入される駆動軸穴3aを有し、モータ2の回転により回転駆動されるものであり、ハブ4と一体的に形成されている。ハブ4は、ボス部3近傍で軸方向に突出する中央部4aと、中央部4aから径方向外側に向かって延びる円板状の平板部4bとを備えた、例えば外周部が円形のものである。中央部4aの中央には、駆動軸穴3aが位置している。なお、ボス部3及びハブ4は別体で構成されていてもよい。また、中央部4aはボス部3近傍で軸方向に突出しない平坦な形状となっていてもよい。
図2に示されるように、翼部5は、細長で湾曲した形状のブレード5aを複数枚備えている。複数のブレード5aは、その長尺方向が駆動軸2aの軸方向と同一方向となる向きで、例えばハブ4の外周部に略等間隔離れて設けられている。ブレード5aは、ブレード5aの回転時に外周流路1d側に空気を吹き出すように径方向に傾いた状態となっている。リング6は、翼部5の空気吸込口1b側(上端側)に設けられ、複数のブレード5aを外側から囲う中空円板の形状(環状の平板)のものであり、ブレード5a端部の間隔を保持して補強する。これにより、各ブレード5aはリング6を介して連結される。なお、ブレード5aの傾き方向は、上述したような径方向に限定されず、軸方向でもよい。
以下に、多翼遠心送風機300の動作について説明する。
モータ2の駆動により多翼遠心ファン100が回転すると、図1の矢印Aで示されるような空気の流れが発生する。
具体的には、多翼遠心ファン100の回転により、外部の空気は、空気吸込口1bを介してスクロールケーシング1内に導入され、駆動軸2a方向に吸い込まれ、ブレード5aの湾曲する圧力面により速度及び圧力が付与される。このように速度及び圧力が付与された空気は、隣り合うブレード5a間から遠心方向に吹き出され、外周流路1dに流入し、外周流路1dで運動エネルギーを静圧として回収しながら、空気吹出口1cを介してスクロールケーシング1の外部に吹き出される。なお、図1のαは、ブレード5a間を通過する風が流れ込む角度を示す。
図3は、本発明の実施の形態1に係る多翼遠心ファン100の斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る多翼遠心ファン100の部分縦断面図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る多翼遠心ファン100の防振ブリッジ10の斜視図である。図6は、図5の部分拡大図である。
図3,図4に示されるように、ブレード5a間には防振ブリッジ10が設けられ、隣接するブレード5aが、ブレード5aとは別部品の防振ブリッジ10を介して連結されている。防振ブリッジ10は、図5に示されるように中空円板の形状(環状の平板)であり、例えば、金属、樹脂、ゴム、パルプ等の材料で構成される。防振ブリッジ10の外径は、リング6の内径およびブレード5aの外周径よりも小さく、ブレード5aの内周径よりも大きい。防振ブリッジ10の内径はブレード5aの内周径よりも小さい。図6に示されるように、防振ブリッジ10には、外周縁10cから内周側に向かって切り欠かれた溝10aが複数形成されている。複数のブレード5aが防振ブリッジ10を介して連結されると、ねじり振動の固有周波数をずらすことができる。また、ブレード5aの振幅を抑えることができる。
防振ブリッジ10は、例えばブレード先端部5a−1(図4)側からブレード根元部5a−2(図4)側に向かって押し込まれて、図3に示されるような、複数のブレード5aが防振ブリッジ10を介して連結された状態となる。ここで、ブレード5aは、ブレード根元部5a−2側からブレード先端部5a−1側に向かって板厚が薄くなるテーパ形状となっている。すなわち、ブレード5aは、起立する方向に向かって板厚が薄くなるテーパ形状となっている。このため、ブレード先端部5a−1側からブレード根元部5a−2側に向かって防振ブリッジ10を押し込むと、ブレード先端部5a−1側からブレード根元部5a−2側への防振ブリッジ10の押し込みは次第に規制され、防振ブリッジ10の溝10aにブレード5aが圧入されて嵌め込まれる。こうして、隣接するブレード5aが防振ブリッジ10を介して連結される。なお、ブレード5aの板厚に合わせて溝10aの幅を変えると、防振ブリッジ10を所望の位置に配置することができる。防振ブリッジ10の配置位置は、振動モードに応じて変更することが有効であるが、概ねブレード5aの長尺方向の中央付近に設けられる。
隣接するブレード5aが防振ブリッジ10を介して連結された状態で、防振ブリッジ10をブレード先端部5a−1側に力を加えると、防振ブリッジ10はブレード5aから脱離する。このように、防振ブリッジ10はブレード5aに着脱自在に設けられているため、別の防振ブリッジと容易に交換することができる。例えば、固有周波数をずらす量に合わせて、異なる材料(例えば金属、樹脂、ゴム、パルプ等)及び異なる形状の防振ブリッジに交換するときに有用である。このため、種々の材料からなる防振ブリッジを用意しておくことで、多様な周波数に対応することができる。したがって、多様な使用環境でも騒音の発生を抑制できる。なお、防振ブリッジ10の形状を変えた例としては例えば、ブレード5a間を流れる空気の上流側に位置する丸みを帯びた前縁部から、ブレード5a間を流れる空気の下流側に位置する後縁部に向かって次第に細くなる形状を採用できる。
なお、防振ブリッジ10がブレード5aから誤って抜け落ちないように、例えば防振ブリッジ10の溝10aに突起10bを設けるとよい。このようにすれば、圧入で防振ブリッジ10の溝10aに嵌め込まれたブレード5aの抜け止めとして突起10bが機能するため、防振ブリッジ10がブレード5aから誤って抜けることを抑制できる。ここで突起10bは、例えば0.1mm程度の半円形状のもので構成されるが、防振ブリッジ10がブレード5aから誤って抜けてしまうこと及び位置決めを行うことができればよく、突起10bの大きさ及び形状はこれに限定されない。
以上のように、本実施の形態1に係る多翼遠心ファン100は、隣接するブレード5aが、複数のブレード5aとは別部品で構成される中空円板の防振ブリッジ10を介して連結される。このため、ねじり振動の固有周波数をずらすことができ、ブレード5aの振幅を抑えることができる。したがって、複雑な構造を設けることなく騒音の発生を抑制することができる。
以上の本発明の実施の形態1に係る多翼遠心ファン100は、ダクト用換気扇や全熱交換型換気機器等に用いる多翼遠心ファンに有用であり、特に、スクロールケーシング及びモータとともに送風機を構成する多翼遠心ファンに適している。
1 スクロールケーシング、1a ベルマウス、1b 空気吸込口、1c 空気吹出口、1d 外周流路、2 モータ、2a 駆動軸、3 ボス部、3a 駆動軸穴、4 ハブ、4a 中央部、4b 平板部、5 翼部、5a ブレード、5a−1 ブレード先端部、5a−2 ブレード根元部、6 リング、10 防振ブリッジ、10a 溝、10b 突起、10c 外周縁、100 多翼遠心ファン、300 多翼遠心送風機、A 空気の流れ、α ブレード間を通過する風が流れ込む角度。

Claims (7)

  1. 駆動軸を有するモータに接続される多翼遠心ファンであって、
    外周部が円形のハブと、
    前記ハブの中央部に形成され、前記駆動軸が挿入される駆動軸穴を有するボス部と、
    前記ハブの外周部に間隔を置いて設けられ、前記駆動軸の軸方向に起立する複数のブレードと、
    前記複数のブレードとは別部品で構成される中空円板の部材であり、隣接する前記ブレードを連結する防振ブリッジとを備えた
    ことを特徴とする多翼遠心ファン。
  2. 前記複数のブレードを外側から囲う中空円板のリングを備え、
    前記防振ブリッジの外径は前記リングの内径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1記載の多翼遠心ファン。
  3. 前記防振ブリッジは、前記複数のブレードに着脱自在に設けられる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多翼遠心ファン。
  4. 前記防振ブリッジは、該防振ブリッジの外周縁から内周側に向かって切り欠かれた溝を有し、該溝に前記ブレードが嵌め込まれる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の多翼遠心ファン。
  5. 前記複数のブレードは、
    起立する方向に向かって板厚が薄くなるテーパ形状である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の多翼遠心ファン。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の多翼遠心ファンを備えた
    ことを特徴とする多翼遠心送風機。
  7. 前記多翼遠心ファンが収容されるスクロールケーシングと、
    前記駆動軸穴に挿入される駆動軸を有するモータとを備えた
    ことを特徴とする請求項6記載の多翼遠心送風機。
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