JP2014159344A - 水素発生装置及びこれを備える燃料電池システム、並びに、水素発生方法 - Google Patents

水素発生装置及びこれを備える燃料電池システム、並びに、水素発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な機構及び工程で所定量の水素ガスを発生させる水素発生装置及びこれを用いた燃料電池システム、並びに、水素発生方法を提供する。
【解決手段】水素発生装置10では、アルミニウムを主成分とする水素発生剤34が吊下げられて反応容器30内に収容される。反応容器30内で水素発生剤34とアルカリ金属水酸化物の水溶液を含む反応溶液35とが反応して水素ガスが発生する。この時、反応溶液35中のアルカリ金属水酸化物の濃度を所定濃度内に管理すると共に、反応溶液35の温度を所定値に制御して、アルカリ金属を含む反応副生成物の生成を防止して、アルカリ金属を含まない反応副生成物を反応容器30の底部に析出させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池システムの水素供給源である水素発生装置、及び、当該水素発生装置を用いた水素発生方法に関する。
水中で使用されるロボットや海中でデータを収集する観測装置などには、電源装置が搭載される。電源装置の1つの方式に燃料電池がある。燃料電池には、酸素供給源と、水素供給源とされる水素発生装置が必要である。
水素発生装置は、反応容器内で水素発生剤と水素発生促進剤とを接触させて水素ガスを発生させる。水素発生剤は、NaBH,LiBH,LiH,NaH,MgH,AlHなどの金属水素化物や、Na,Li,Mg,K,Alなどの金属があり、単体もしくはそれらを組合せたもので構成される。水素発生促進剤は、水やアルコールなどとされる。
特許文献1及び特許文献2は、金属アルミニウムとアルカリ金属水酸化物(例えばNaOH)とを反応させて水素を発生させる装置を開示する。
特許文献3は、水素を燃料とする燃料電池に水素を供給する水素燃料発生装置を開示する。
特開2007−320792号公報 特表2004−504243号公報 特許第4719838号公報
燃料電池の水素発生装置には、以下の要件が求められる。
(1)容積が小さいとともに、容積の単位体積当たりの水素ガス発生量が大きいこと。(水素ガス発生機構が簡素であること。)
(2)室温でも起動が容易であること。
(3)反応温度の制御が容易であること。
(4)出力幅(水素ガスの発生速度)を広く取ることができ、制御性に優れ、作動中の停止や再起動を繰り返すことができること。
(5)燃料や酸化剤が特殊なものでなく、運用コストが安価であること。
特許文献1に記載される装置では、金属アルカリ含有物の投入及び反応容器からの反応生成物除去の必要があり、水素ガス雰囲気中に投入量制御用機構(符号8)や固形物排出手段(符号19)が設置されている。これらの機構は、水素漏れの原因となる他、反応状況次第では固形物の固着等の現象が付随するため排出が困難になるなど不具合原因となり得るとの問題があった。
特許文献2及び特許文献3に記載される装置では、アルミニウムの小片を水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液と反応させて水素を発生させている。この方式ではアルミニウムの投入機構が必要である。また、反応によりNaOHが消費されるので、反応を継続させるためには大量のNaOH水溶液を供給する必要があり、容積が大きい反応容器やNaOH供給源が必要である。このため、装置が複雑で大きくなるという問題があった。
本発明は、簡易な機構及び工程で水素発生剤と水素発生促進剤を接触させて、所定量の水素ガスを発生させる水素発生装置及びこれを用いた燃料電池システム、並びに、水素発生方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、アルミニウムを主成分とする水素発生剤を収容し、底部に前記水素発生剤と反応可能であり、アルカリ金属の水酸化物を含む反応溶液を収納可能である反応容器と、前記水素発生剤を前記反応容器の上部から吊下げ支持可能とする支持部と、前記水素発生剤と前記反応溶液との反応により生成した水素ガスを前記反応容器から排出するための水素排出部と、前記反応容器の上部から、前記反応で消費された水を前記反応容器内に供給する反応溶液供給部と、前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度を所定濃度内に管理すると共に、前記反応溶液の温度を所定値に制御する制御部とを備え、前記水素発生剤の下端部の所定領域を前記反応溶液と接触させて、前記水素発生剤と前記反応溶液とを反応させて所定量の前記水素ガスを発生させるとともに、前記アルカリ金属を含まない反応副生成物を前記反応容器の底部に堆積させる水素発生装置である。
本発明の第2の態様は、アルミニウムを主成分とする水素発生剤を反応容器の上部から吊下げて前記反応容器)内に収納する収納工程と、アルカリ金属の水酸化物を含む反応溶液が前記反応容器内で所定の液面の高さになるまで、前記反応容器内に水を供給する反応溶液供給工程と、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とが接触し、前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度を所定濃度内に管理されると共に、前記反応溶液の温度が所定値に制御されて、前記水素発生剤と前記反応溶液との反応により所定量の水素ガスが発生するとともに、前記アルカリ金属を含まない反応副生成物が前記反応溶液の底部に堆積する反応工程と、前記水素ガスが前記反応容器から排出される排出工程とを含む水素発生方法である。
本発明では、反応容器内に水素発生剤(アルミニウム)を吊下げて収納し、外部から水を供給する装置構成とした。水素発生剤を反応溶液に投入する特別な機構が無い。本発明の水素発生装置は上記特許文献と比較して簡素な構成で、反応溶液と水素発生剤とを接触できる。
また、水素発生剤と反応する反応溶液中のアルカリ金属の水酸化物の濃度及び反応溶液の温度を管理して、アルカリ金属を含まない反応副生成物が生成する条件で反応を実施する。こうすることにより、水素発生量の制御が容易となる。更には、水素発生反応ではアルミニウムと水のみが消費され、アルカリ金属水酸化物はあたかも触媒のような働きをして反応では消費されないことになる。従って、反応で消費される分の外部からアルカリ金属水酸化物を供給する必要がなくなる。本発明は、装置容積を小さくすることができるとともに、運用コスト及び装置メンテナンス費用を大幅に削減することができるので有利である。
第1の態様において、前記制御部が、前記水素排出部から排出された前記水素ガスの圧力及び温度に基づいて、前記反応容器中に収納される前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度を1mol/L以上14mol/L以下に管理すると共に、前記反応溶液の温度を50℃以上150℃以下に制御することが好ましい。
第2の態様では、前記反応工程において、前記反応容器中に収納される前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度が、1mol/L以上14mol/L以下に管理されると共に、前記反応溶液の温度が50℃以上150℃以下に制御されることが好ましい。
上記濃度及び温度に管理することにより、高い反応速度を確保しつつ、アルカリ金属を含む反応副生成物の生成を確実に防止することができる。
第1の態様において、前記反応容器の断面積に対する前記水素発生剤の断面積の比率が5倍以上15倍以下であることが好ましい。
第2の態様において、前記反応容器の断面積に対する前記水素発生剤の断面積の比率が5倍以上15倍以下である前記水素発生剤が前記反応容器内に収容されることが好ましい。
上記比率とすると、反応溶液供給部からの水の供給により反応溶液が増加した分だけ水素発生剤が溶解することになる。この結果、アルカリ金属を含む反応副生成物の生成を防止することが可能となる。
第1の態様において、上端が前記反応容器の底部の壁と連結され上部の壁と離間して設置される第1隔壁が、前記反応容器の内部空間を複数の第1反応室に区切り、前記第1反応室内の各々が前記水素発生剤を収容し、前記反応溶液供給部が前記第1反応室の一室の上部に設けられ、前記反応溶液供給部が前記第1反応室の一室に前記水を供給し、前記第1隔壁と前記反応容器の上部の壁との間の空間を介して前記第1反応室の一室内の前記反応溶液が隣接する前記第1反応室の他の一室に流入可能であっても良い。
第2の態様では、前記収納工程において、上端が前記反応容器の上部の壁と離間して設置される第1隔壁により前記反応容器の内部空間が複数に区切られた第1反応室内の各々に、前記水素発生剤が収納され、前記反応溶液供給工程において、前記第1反応室の一室に前記水が供給され、前記反応工程において、前記第1反応室の一室で前記アルカリ金属の水酸化物を含む前記反応溶液と前記第1反応室の一室内の前記水素発生剤とが接触して前記水素ガスが発生し、前記第1反応室の一室が前記反応溶液で満水になった後、前記反応溶液を収容する前記第1反応室の一室に隣接する前記第1反応室の他の一室に、前記反応溶液が流入しても良い。
反応容器内に複数の水素発生剤を収容すると、1つの水素発生装置での水素発生量が増大する。この時、反応容器内を複数の反応室に区切って、各反応室で順次水素を発生させるようにすれば、水素の発生量のコントロールが容易であり、長時間の水素発生が可能となる。
第1の態様において、前記反応容器の底部の壁と上部の壁とに連結する第2隔壁が、前記反応容器の内部空間を複数の第2反応室に区切り、前記第2反応室の各々が前記水素発生剤を収容し、アルミニウムを主成分とする仕切りが前記第2隔壁の上部に設置され、前記反応溶液供給部が前記第2反応室の一室の上部に設けられ、前記反応溶液供給部が前記第2反応室の一室に前記水を供給し、前記反応溶液が前記仕切りを溶解させて、前記仕切りが設置された空間を介して前記第2反応室の一室内の前記反応溶液が隣接する前記第2反応室の他の一室に流入可能であっても良い。
この場合、前記第2反応室の他の一室が前記水を収容し、前記他の第2反応室と前記反応溶液供給部とが配管を介して連結し、前記配管に設置されたポンプが、前記他の第2反応室内の前記水を前記第2反応室の一室に搬送することが好ましい。
第2の態様では、前記収納工程において、前記反応容器の底部の壁と上部の壁とに連結し、前記上部の壁側にアルミニウムを主成分とする仕切りが設置された第2隔壁により前記反応容器の内部空間が複数に仕切られた前記第2反応室内の各々に、前記水素発生剤が収納され、前記反応溶液供給工程において、前記第2反応室の一室に前記水が供給され、前記反応工程において、前記第2反応室の一室で前記アルカリ金属の水酸化物を含む前記反応溶液と前記第2反応室の一室内の前記水素発生剤とが接触して前記水素ガスが発生し、前記仕切りと前記第2反応室内の前記反応溶液とが接触して反応し、前記仕切りが前記反応溶液に溶解し、前記反応溶液を収容する前記第2反応室の一室に隣接する前記第2反応室の他の一室に、前記仕切りが設置されていた空間を通じて前記反応溶液が流入しても良い。
この場合、前記収納工程において、前記第2反応室の一室以外の前記第2反応室の他の一室に前記水が収納され、前記反応工程において、前記収納工程で収納された前記水が、前記第2反応室の一室に搬送されることが好ましい。
上述のように、反応容器内に複数の水素発生剤を収容すると、1つの水素発生装置での水素発生量が増大する。複数の反応室で順次水素を発生させるようにすれば、水素の発生量のコントロールが容易であり、長時間の水素発生が可能となる。
上記態様では、起動時に反応が行われる反応室以外の反応室に水が収容されており、この水が反応溶液供給部から反応容器に供給される。この構成とすることで、外部からに水供給量を低減させることができる。従って、水素発生装置の外部に設置される水供給源の容積が小さくて済み、装置容積を大幅に縮小することができる。
第1の態様において、前記制御部が、前記水の供給を停止させて前記水素ガスの発生を停止させるとともに、前記水の供給を再開して前記水素ガスの発生を再開させても良い。あるいは、前記反応容器の上部に、前記支持部を上下に移動可能な支持部可動装置を更に備え、前記制御部が前記支持部可動装置を駆動して、前記水素発生剤を上昇させて前記水素ガスの発生を停止させるとともに、前記水素発生剤を下降させて前記水素ガスの発生を再開させても良い。
第2の態様において、前記反応工程が、前記水の供給が停止される、あるいは、前記水素発生剤を上昇させることによって、前記水素ガスの発生を停止させる停止工程と、前記水の供給を再開する、あるいは、前記水素発生剤を下降させることによって、前記水素ガスの発生を再開させる再開工程とを更に含んでいても良い。
本態様の水素発生装置及び水素発生方法では、上述のように簡易な方法によって、反応途中での水素の発生の停止及び再開をすることができる。特に、支持部可動装置を設けて水素発生剤を上昇・下降させる場合は、水素発生剤と反応溶液との離間及び接触を迅速に行うことができる。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様の水素発生装置を備える燃料電池システムである。当該燃料電池は、装置容積が小さく運用コスト及びメンテナンスも安価であるので有利である。
本発明の水素発生装置及び水素発生方法では、アルカリ金属を含む反応副生成物を生じさせず、見かけ上はアルミニウム(燃料)と水(酸化剤)との反応により水素ガスが発生される。アルカリ金属水酸化物は反応によって消費されないので、アルカリ金属水酸化物の使用量が少なくて済み、安価な運用コストで単位体積当たりの水素ガス発生量を大きくすることができる。
本発明の水素発生装置及び水素発生方法は、水素発生剤の下端部から反応させているので、複雑な機構が無くても水素発生剤と反応溶液との接触を確保することができ、反応途中での水素ガスの発生停止及び再開を容易に行うことができる。
NaOH濃度28mol/Lにおいて反応温度及びNa/Al比を変えたときに析出する固形物濃度を示すグラフである。 NaOH濃度14mol/Lにおいて反応温度及びNa/Al比を変えたときに析出する固形物濃度を示すグラフである。 NaOH濃度7mol/Lにおいて反応温度及びNa/Al比を変えたと 燃料電池システムの一実施形態の概略図である。 第1実施形態の水素発生装置及びこれを用いた水素発生方法を説明する概略図である。 水素発生剤の断面形状の一例の概略図である。 第2実施形態の水素発生装置及びこれを用いた水素発生方法を説明する概略図である。 第3実施形態の水素発生装置及びこれを用いた水素発生方法を説明する概略図である。 第4実施形態の水素発生装置及びこれを用いた水素発生方法を説明する概略図である。 調温調湿度タンクの概略図である。
本発明の水素発生装置及び水素発生方法は、アルミニウムを燃料、水を酸化剤として水素ガスを発生させる。この反応の助剤として、アルカリ金属の水酸化物を用いる。反応式は以下のとおりである。
Al+MOH+3HO→MAl(OH)+1.5H …(1)
(M:Li,Na,K)
式(1)で生成するMAl(OH)は水に可溶であるが、反応容器内中に収納される反応溶液の温度、反応溶液の濃度、水素発生剤におけるアルカリ金属とAlのモル比(アルカリ金属/Al比)に応じて、Al(OH)、AlO(OH)、MO・Al・2.5HOが反応副生成物として析出する。
式(1)で生成したMAl(OH)からアルカリ金属を含む反応副生成物(MO・Al・2.5HO)を析出させない条件とした場合、式(2)のようにMAl(OH)からアルカリ金属水酸化物が生成する。
MAl(OH)(+nHO)→MOH+Al(OH)(+nHO) …(2)
(M:Li,Na,K)
従って、アルカリ金属を含む反応副生成物を生成させなければ、式(3)に示すように、見かけ上はアルミニウムと水のみから水素ガスを発生させることができ、アルカリ金属水酸化物は水素発生反応で消費されない。
Al+3HO→Al(OH)+1.5H …(3)
以下では、アルカリ金属がNaの場合を例に挙げて、反応副生成物の析出条件を説明する。図1乃至図3は、NaOH水溶液の各濃度において、反応温度及びNa/Al比を変えたときに析出する固形物濃度のシミュレーション結果である。シミュレーションは、OLI System社の水溶液系平衡計算ソフトを使用して行った。図1はNaOH濃度:28mol/L、図2はNaOH濃度:14mol/L、図3はNaOH濃度7mol/Lの時を示している。図1乃至図3において、横軸はNa/Al比、縦軸は析出した固形物濃度(質量%)である。
NaOH濃度28mol/L(図1)は、20℃におけるNaOH飽和水溶液の濃度と略同一である。この濃度では、Na/Al比が1〜10の範囲で25℃、50℃、80℃のいずれにおいても、NaO・Al・2.5HOが析出する。析出する固形物量も10%程度から40%程度と高い割合となっている。
NaOH濃度14mol/L(図2)は、20℃におけるNaOH飽和水溶液の濃度の1/2の濃度と略同一である。この濃度の場合、NaO・Al・2.5HOの析出量は低下する傾向にある。図2に示すように、25℃ではNaO・Al・2.5HOは析出する。しかし、50℃以上かつNa/Al比3以上とすると、NaO・Al・2.5HOの析出を抑制することができる。
NaOH濃度7mol/L(図3)は、20℃におけるNaOH飽和水溶液の濃度の1/4の濃度と略同一である。この濃度の場合、NaO・Al・2.5HOは析出しない。
図1乃至図3から、反応溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度が、14mol/l以下、あるいは、飽和水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度の1/2以下の濃度とし、反応温度を50℃以上とすれば、アルカリ金属を含む反応副生成物を生成させることなく式(3)により水素ガスを発生させることができる。
反応速度を考慮すると、アルカリ金属水酸化物の濃度は1mol/l以上(飽和溶液の1/30程度)が必要である。
反応温度が高すぎると、反応中の反応溶液の温度を管理が困難となる。このため、反応溶液を150℃以下として反応させることが好ましい。
本発明の水素発生装置の実施形態を、図面を参照して以下で説明する。
水素発生装置は、例えば水中ロボットや水中観測装置に搭載される燃料電池システムに適用される。図4は、燃料電池システムの一実施形態の概略図である。燃料電池システム1は、燃料電池2、酸素発生装置5、及び水素発生装置10を備える。燃料電池2は、リチウム2次電池3に接続され、リチウム2次電池3は負荷4に接続される。
燃料電池2は酸素供給部6を介して酸素発生装置5と接続される。酸素発生装置5は、内部に液体酸素を収納する容器を備える。液体酸素を収納する容器は、高圧酸素を封入したボンベであってもよい。
水素発生装置10は、燃料として水素発生剤を収容する。水素発生装置10は、上部に設けられた水素排出部32から水素供給部7を介して燃料電池2と接続される。水素供給部7に調圧弁8が設けられ、調圧弁8により水素発生装置で発生した水素ガスが燃料電池2に供給される流量が調節可能となっている。水素発生装置10は、反応溶液を冷却する第1冷却器15を備える。
酸素供給部6及び水素供給部7には、酸素及び水素が燃料電池2に流入する直前において、熱交換器9が設置される。熱交換器は高温の水素ガスの熱を低温の酸素に伝えるものである。また、熱交換器を設置せずに、別の手段により酸素の加熱と水素ガスの冷却を行う装置を設置しても良い。
タンク11は配管を介して燃料電池2と接続される。この配管には、燃料電池からの水を冷却するための第3冷却器17が設置される。燃料電池2から排出された水は、酸化剤としてタンク11に貯留される。
水素発生装置10とタンク11とは、反応溶液供給配管12により連結される。反応溶液供給配管12はポンプ13及び第2冷却器16を備える。反応溶液供給配管12は、ポンプ13の下流側(水素発生装置10側)に起動装置14を備えていても良い。起動装置14内には、水素発生装置10内の燃料と酸化剤との反応を開始させるためのアルカリ金属の水酸化物(固体または水溶液)が収納されている。アルカリ金属の水酸化物は、具体的にNaOH、LiOHまたはKOHである。なお、燃料電池システム1において起動装置14は設置されなくても良い。
水素発生装置10は、制御部20を含む。制御部20は、水素供給部7に設置される温度計21及び圧力計22と接続する。温度計21及び圧力計22は、調圧弁8の水素ガス上流側に設置される。制御部20は、第1冷却器15のポンプ18、第2冷却器16のポンプ19、及び、ポンプ13と接続する。
<第1実施形態>
図5は、第1実施形態に係る水素発生装置の概略図である。水素発生装置10は、反応容器30、支持部31、水素排出部32、及び、反応溶液供給部33を備える。
反応容器30は、内部に水素発生剤34を収容する。反応容器30は耐圧容器であるとともに、上記アルカリ水溶液に対する耐腐食性がある材質のものが選定される。なお、図5では第1冷却器は省略されている。
本実施形態において、水素発生剤34はアルミニウムを主成分とする。本実施形態で使用できるアルミニウムの純度は、好ましくは99%以上、更に好ましくは99.9%以上である。反応容器30の上部の壁に支持部31が設置され、支持部31が水素発生剤34を鉛直方向に吊下げて支持する。図5では1つの反応容器30内に支持部31及び水素発生剤34がそれぞれ1つ設置されているが、複数の水素発生剤34が複数の支持部31に支持される構成としても良い。
図5において、支持部31は反応容器30の上部の壁から突出する治具である。あるいは、支持部31としてネジを用い、反応容器30の上部の壁に水素発生剤34を直接固定しても良い。または、支持部31として反応容器30の上部の壁に段差を設け、水素発生剤34をこの段差に引掛ける構成としても良い。
反応容器30が、底面の方が上面よりも面積が小さくなるように斜めの側壁を有する形状とすることにより、例えば支持部31から水素発生剤34が脱落した場合でも底部にずり落ちることを防止できる。
水素発生剤34は、円柱、角柱などの柱状のアルミニウム棒が使用できる。柱状の水素発生剤は製造が容易である。また、反応溶液との接触面積を小さくすることができ、反応制度の制御性に優れる。一方で、柱状の場合は反応副生成物が水素発生剤34下方の限定された領域に堆積しやすい。
あるいは、図6に示すように、水素発生剤40は断面が格子状になるようにアルミニウム板を組み合わせた物を使用しても良い。図6の水素発生剤40は反応溶液との接触面積が大きいため、反応速度(単位時間当たりの水素ガス発生量)を増大させることができる。また、反応副生成物の堆積領域を均一化することができる。
水素発生剤34は、反応容器30の断面積に対する断面積が5倍以上15倍以下とされる。これは、水素発生剤34が反応して、アルカリ金属を含まない反応生成物を発生させる場合の体積膨張の倍数に対応したものである。この範囲にすることにより、後述するように水素発生剤34と反応容器30内の反応溶液とが接触して反応する際に、反応溶液面の増分だけ水素発生剤(アルミニウム)34を溶解させることができる。
水素排出部32及び反応溶液供給部33は、反応容器30において、支持部31により支持された水素発生剤34の上端よりも上部に設置される。水素排出部32は、水素供給部7と連結する。反応溶液供給部33は、反応溶液供給配管12に接続する。
高い水素発生量を確保するために、燃料電池システム1は図5の水素発生装置10を複数備えることができる。
第1実施形態の水素発生装置10を用いた水素発生方法を図5を用いて説明する。
<収納工程>
水素発生剤34を反応容器30内の上部の壁に設置された支持部31によって鉛直方向に吊下げて収納する。起動装置14を設置しない場合は、反応容器30内にアルカリ金属の水酸化物(NaOH、LiOHまたはKOH)の固体または水溶液が収納される。このとき、アルカリ金属の水酸化物と水素発生剤34とは接触させないようにする。
<反応溶液供給工程(図5(a))>
ポンプ13が作動し、タンク11内の水が反応容器30に向かって搬送される。図4のように起動装置14を設置する場合、水が起動装置14内のアルカリ金属水酸化物と混合する。そして、アルカリ金属水酸化物の水溶液が、反応溶液として起動装置14から反応溶液供給部33を通じて反応容器30内に供給される。起動装置14内が水で置換された後は、反応溶液として水が反応容器30内に供給される。
起動装置を設けない場合は、タンク11内の水がポンプにより反応溶液供給部33から反応容器30内に供給される。反応容器30内で、水とアルカリ金属水酸化物とが混合し、反応溶液が生成する。
<反応工程(図5(a))>
反応容器30に蓄積された反応溶液35と水素発生剤34とが接触して反応し、水素ガスが発生する。これにより、水素発生装置10が起動される。
反応が継続すると、水素発生剤34が消費されて水素発生剤34の下端部が上昇するとともに、反応溶液35の液面が上昇する。水の供給は連続的であっても良いし、間欠的であっても良い。
本実施形態においては、反応工程はアルカリ金属を含む反応副生成物が析出しない条件で、反応溶液35と水素発生剤34とが反応する。すなわち、反応溶液35中のアルカリ金属水酸化物の濃度が1mol/L以上14mol/L以下(または飽和水溶液中のアルカリ金属の水酸化物の濃度の1/2以下の濃度)に管理されるとともに、反応溶液の温度が50℃以上150℃以下に制御される。
上記条件で式(1)〜(3)により生成した反応副生成物のうちAl(OH)、AlO(OH)は、反応容器30底部に堆積し、堆積層37が形成される。
反応溶液35中に堆積される反応副生成物が多くなると、水素発生剤34表面での反応が阻害されて反応速度が低下する。これを防止するために、反応溶液供給部33から供給される水は、反応容器30底部に貯留される反応溶液が攪拌されず、表層にアルカリ金属水酸化物水溶液だけが生成しやすいように供給されることが好ましい。例えば、反応容器30の壁面、もしくは水素発生剤34を伝って水が供給されたり、噴霧により水を供給する。
上記のように反応溶液を積極的に攪拌しない状況では、反応副生成物及びアルカリ金属水酸化物水溶液(反応溶液)は水に比べて比重が大きいため、反応容器30底部から順に反応副生成物の堆積層37、反応溶液と反応副生成物の混合層36、反応溶液35の層が形成されることになる。反応溶液供給部33から流れた水による緩やかな攪拌や拡散により、アルカリ金属水酸化物が混合層36から上層に移動することにより、水素発生剤34が浸漬する部分の反応溶液の濃度は混合層に比べて比較的低濃度である。堆積した反応副生成物の隙間(粒子間)に反応溶液(アルカリ金属水酸化物水溶液)が存在する。この反応溶液は水素発生剤34との反応には寄与できない。反応容器30上部から水が供給されるため、水素発生剤34近傍の反応溶液濃度は低下する。従って、反応工程中に、反応副生成物の間に取り込まれて濃度が低下した分のアルカリ金属水酸化物の水溶液が、反応溶液供給部33から補充される。これを目的として、反応容器30にアルカリ金属水酸化物の濃度を計測する濃度計測部が設けられても良い。
追加されるアルカリ金属水酸化物の水溶液は、図4の反応溶液供給配管12に設けられた供給路(不図示)から供給される。当該供給路は、ポンプ13の上流側に設置されても良いし、起動装置14に連結されても良い。
<排出工程(図5(a))>
反応容器30内で発生した水素は、水素排出部32から排出される。
反応容器30内の水素発生剤34が全て反応した場合、上記反応工程及び排出工程は終了する。
燃料電池2の出力は、水素ガス発生量に比例する。反応工程での水素ガス発生量は、以下の方法により制御される。
水素発生装置10から排出された水素ガスの圧力及び温度が、それぞれ圧力計22及び温度計21により計測される。制御部20は、圧力及び温度の計測値をモニタリングする。
(A)圧力制御
反応溶液供給部33からの水供給量Gw(kg/min)は次式で表される。
Gw=Gwr+Gws …(4)
Gwr:水素発生剤(アルミニウム)と反応する水量(kg/min)
Gws:反応に寄与しない水量(反応副生成物間に残留する反応溶液量)(kg/min)
水素ガス発生量Gh2(kg/min)は、水素発生剤の溶解速度に対応したGwに比例する。水素発生容器内の圧力Prの変動分ΔPrは、水素発生装置10での水素ガス発生量Gh2と燃料電池2での水素消費量Gfc(kg/min)との差分に比例する。すなわち、式(5),(6)で表される。
ΔPr∝(Gh2−Gfc) …(5)
Pr∝∫(Gh2−Gfc)dt …(6)
実際には、反応温度や反応副生成物の生成状況により、Gwは変化する場合がある。Gfcは一定出力時において一定である。Gh2は反応温度の影響が大きい。また、Gh2は調圧弁8の上流側及び下流側で過渡的には独立している。上記の条件があるため、制御部20は、圧力計22で計測される圧力Prが所定値に近づくように(所定の数値範囲内となるように)、Gwを制御する。
制御部20は、反応溶液供給配管12に設置されるポンプ13により反応容器30への水供給量の制御を行う。ポンプ13が定容量型である場合、制御部20がポンプの回転数を制御して水供給量を制御する。ポンプ13が遠心型ポンプである場合、反応溶液供給配管12に流量計が設置され、制御部20が反応溶液供給配管14を流通する水の流量をモニタリングしながら水供給量を制御する。
(B)温度制御
水供給量が一定の場合、水温が高い程反応速度が大きくなり、水素ガス発生量Gh2が大きくなる。式(3)は発熱反応であり、反応の進行により反応溶液の温度が上昇する。本実施形態では、上述した反応溶液温度(50℃〜150℃)に管理するため、反応容器30内からの水素ガス温度、タンク11からの水供給量及び水温を制御する。
具体的に、制御部20は、第2冷却器16のポンプ19を作動させる。第2冷却器16は、熱交換によりタンク11から供給される水の温度を50℃以下に冷却する。
制御部20は、温度T,T,T(T<T<T)を格納する。温度T及びTは、本実施形態の水素ガス温度である50℃〜150℃の範囲内の温度である。燃料電池の出力に応じて、温度T及びTが適宜設定される。例えば、T=80℃、T=120℃である。温度Tは反応温度の上限値150℃である。以下では反応温度範囲内で温度2点(T,T)を閾値としたが、1点でも良いし複数点でも良い。ただし、温度管理及び制御性の観点から、閾値を2点とすることが好ましい。
温度計21で計測された水素ガス温度TがT<Tである場合、第1冷却器15は作動しない。また、制御部20は、所定の流量Gwsでタンク11内の水を反応容器30に供給するようにポンプ13の回転数を維持する。
水素ガス温度TがT≦T≦Tである場合、制御部20は、第1冷却器15を作動させる。制御部20は、水素ガス温度Tに応じて第1冷却器15のポンプ18の回転数を変動させて、第1冷却器15への循環水供給量を変動させる。具体的に、制御部20は温度T,T、及び、温度Tでのポンプ18の回転数の設定値Rsを格納しており、T,T,Rsに基づいて、計測される水素ガス温度Tが増加するに伴い、ポンプ18の回転数を線形的に増加させる。この時、制御部20は、反応溶液供給部33からの水供給量Gwsは維持する。
水素ガス温度TがT<T≦Tである場合、制御部20は、第1冷却器15のポンプ18の回転数を、Tでの回転数の設定値Rsに維持する。また、制御部20は、水素ガス温度Tに応じてポンプ13の回転数を変動させて、反応溶液供給部33からの水の供給量を低下させる。具体的に、制御部20は、温度T,T、温度Tでの水供給量Gws、温度Tでの水供給量Gwsを格納する。但し、Gws=Gwsであり、Gws=0である。制御部20は、T,T,Gws,Gwsに基づいて、計測される水素ガス温度Tが増加するに伴い、ポンプ13の回転数を線形的に低下させる。
制御部20は、T>Tである場合、水素ガス温度がT以下になるまで、第1冷却器15のポンプ18の回転数を設定値Rsに維持するとともに、反応溶液供給部33からの水供給を停止する。
<停止工程(図5(b))>
水素発生剤34が残存する状態で水素発生を停止する場合、制御部20はポンプ13を停止させてタンク11からの水供給を停止する。ポンプ13停止後、反応溶液に浸漬していた部分の水素発生剤34は反応溶液と反応するが、水素発生剤34と反応溶液とが接触しなくなると、水素の発生が停止する。
<再開工程(図5(c)(d))>
水素の発生を再開する場合、制御部20はポンプ13を作動させて、反応容器30内に水を供給する。この時、反応溶液供給部33から供給される水は、反応容器30底部に貯留される反応副生成物及び反応溶液が攪拌されず、表層にアルカリ金属水酸化物水溶液だけを生成しやすいように、反応容器30の壁面や水素発生剤34を伝って水が供給されたり、噴霧される。反応副生成物及びアルカリ金属水酸化物水溶液は水に比べて比重が大きいため、図5(c)に示すように、供給された水は混合層36上に反応溶液35の層を形成する。混合層36との濃度差による拡散により、及び、壁面を伝って水が流れた際に壁面付近で混合層36と水とが混合することにより、この層は低濃度のアルカリ金属水酸化物を含むことになる。水素発生剤34と反応溶液35とが接触することにより活性状態に戻る。これにより、図5(d)のように式(1)〜(3)が開始されて水素の発生が再開し、停止前の反応状態に戻る。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の水素発生装置の概略図である。図7において、図4,5と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
図7(a)に示すように、第2実施形態の水素発生装置50では、反応容器30の外側上部に、支持部可動装置51が設置される。支持部可動装置51は支持部31に接続される。支持部可動装置51は、支持部31を上下に移動可能とする。支持部31の移動に伴い、水素発生剤34も上下に移動する。支持部可動装置51は、制御部20に接続される。
第2実施形態の水素発生装置の運転方法を、図7を用いて説明する。第2実施形態では、収納工程、反応工程、及び、排出工程は第1実施形態と同様とされる。本実施形態は、停止工程及び再開工程が第1実施形態と異なる。
<停止工程(図7(b))>
水素発生剤34が残存する状態で水素発生を停止する場合、制御部20はポンプ13を停止させてタンク11からの水供給を停止する。ポンプ13の停止と同時に、制御部20は支持部可動装置51を作動させて、支持部31を反応容器30上方に変位させる。これにより、水素発生剤34も反応容器30の上方に変位する。水素発生剤34の下端部が反応溶液35の液面よりも上方に位置すると、水素の発生が停止する。
<再開工程>
水素の発生を再開する場合、制御部20はポンプ13を作動させて、反応溶液供給部33から反応容器30内に水を供給する。制御部20は支持部可動装置51を作動させて、支持部31を反応容器30下方に変位させる。そして、図7(a)のように水素発生剤34と反応溶液35とが接触して、式(1)〜(3)が開始されて水素の発生が再開する。
本実施形態のように支持部可動装置51を設置すると、停止工程及び再開工程において制御部20の指令から水素発生が停止または再開するまでの時間遅れを大幅に短縮することができ、反応途中での水素発生停止及び再開を迅速に行うことができる。
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態の水素発生装置の概略図である。図8において、図4,5と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
第3実施形態の水素発生装置60は、図8(a)に示すように、反応容器30内が隔壁(第1隔壁)61により複数の反応室62a〜62c(第1反応室)に分割されている。隔壁61は反応容器30の底部の壁に連結し、上部の壁に連結されていない。反応室は、紙面奥行方向にも複数設置されることができる。図8(a)では、隔壁61の上端部は水素発生剤34の上端よりも下方に位置しているが、上方に位置していても良いし、隔壁61の上端部と水素発生剤の上端の位置が一致していても良い。
図8(a)では、1つの反応室62a〜62cのそれぞれに1つの水素発生剤34が収納されているが、1つの反応室62a〜62cに対して複数の水素発生剤34が収納されていても良い。
反応容器30上方の一つの反応室62a(第1反応室の一室)に対応する位置に、反応溶液供給部33が設けられる。他の反応室62b,62c(第1反応室の他の室)に対応する位置には、反応溶液供給部は設置されていない。
第3実施形態の水素発生装置60を用いた水素発生方法を図8を用いて説明する。
<収納工程(図8(a))>
水素発生剤34が反応容器30内の隔壁61により分割されたそれぞれの第1反応室の上部の壁に設置される支持部31によって鉛直方向に吊下げて収納される。起動装置14を設けない燃料電池システム1では、図8(a)に示すように、反応溶液供給部33が設けられる反応室62aの底部には、アルカリ金属水酸化物63が収容される。このアルカリ金属水酸化物は、固体でも良いし、水溶液であっても良い。
<反応溶液供給工程(図8(b))>
ポンプ13が作動し、タンク11内の水がタンク11から反応容器30に向かって搬送される。水が反応溶液供給部33から反応室62aに流入し、反応室62a内でアルカリ金属水酸化物と水とが混合して反応溶液が生成する。
図4のように起動装置14を設置する場合は、起動装置14内でアルカリ金属水酸化物と混合し生成した反応溶液が、反応溶液供給部33から反応室62aに流入する。
<反応工程(図8(c))>
反応溶液と反応室62a内の水素発生剤34とが接触すると、第1実施形態と同様に、式(1)〜(3)により水素が発生する。反応溶液供給部33からの水の供給が継続されると、反応溶液は反応室62aから溢れ、反応室62aに隣接する反応室(図8では反応室62b)に流入する。反応室62a内では反応溶液の液面が隔壁61の上端に到達し、反応室62a内での反応溶液の液面上昇が停止する。反応室62a内の水素発生剤34の端部が反応溶液と接触しなくなると、反応室62a内での水素発生は終了する。
反応室62b内では反応室62aから反応溶液が供給され、反応溶液の水位が上昇する。水素発生剤34と反応溶液とが接触すると、第1実施形態と同様に、式(1)〜(3)により水素が発生する。反応室62b内の反応溶液の水位が隔壁61の上端に到達すると、反応室62cに反応溶液が流入するとともに、反応室62b内での水素発生が終了する。
この反応工程は、反応容器30内の全ての水素発生剤34が反応終了するまで繰り返される。
上記反応工程中に反応副生成物の間に取り込まれた濃度が低下した場合は、第1実施形態と同様に、反応溶液供給部33からアルカリ金属水酸化物の水溶液が補充される。
<排出工程(図8(b)(c))>
発生した水素は、隔壁61の上端と反応容器30の上部の壁との間の空間を通って、水素排出部32を通じて水素発生装置60から排出される。
<停止工程、再開工程>
第3実施形態の水素発生装置60で水素発生剤34が残存する状態で水素発生を停止する場合は、第1実施形態と同様のステップにより停止工程及び再生工程が実施される。
第3実施形態の別の例として、水素発生装置60は、第2実施形態で説明した支持部可動装置を備えていても良い。この場合、第2実施形態で説明したように、停止工程及び再生工程で支持部可動装置を用いて水素発生剤を上下に変位させる。
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態の水素発生装置の概略図である。図9において、図4,5,8と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
第4実施形態の水素発生装置70は、図9(a)に示すように、反応容器30内が隔壁(第2隔壁)61により複数の反応室72a〜72c(第2反応室)に分割されている。隔壁61は反応容器30の底部の壁に連結されると共に上部の壁にも連結されている。隔壁61の上部の壁側には、それぞれアルミニウムを主成分とする仕切り73a,73bが設置される。反応室72a〜72cは、紙面奥行方向にも複数設置されることができる。図9(a)では仕切り73a,73bの下端部は水素発生剤34の上端よりも下方に位置しているが、上方に位置していても良いし、仕切り73a,73bの下端部と水素発生剤の上端の位置が一致していても良い。
図9(a)では、1つの反応室に対して1つの水素発生剤34が収納されているが、1つの反応室に対して複数の水素発生剤34が収納されていても良い。
一つの反応室72a(第2反応室の一室)の上方に、反応溶液供給部33が設けられる。他の反応室72b,72c(第2反応室の他の一室)には反応溶液供給部は設置されない。
反応溶液供給部33が設置されていない反応室72b,72c内には、水78が充填されている。反応室72b,72cの底部は、循環ライン74により連結されている。循環ライン74はポンプ75を有する。各反応室72b,72cからのラインにそれぞれバルブ76a,76bが設置される。循環ライン74の途中に、反応溶液供給配管12が接続される。
反応室72a〜72cの各々に水素排出部77a〜77cが設置される。水素排出部77a〜77cは、水素供給部7に接続する。
第4実施形態の水素発生装置70を用いた水素発生方法を図9を用いて説明する。
<収納工程(図9(a))>
第1実施形態と同様に、水素発生剤34が反応容器30内反応容器30内の隔壁61により分割されたそれぞれの第2反応室72a〜72bの上部の壁に設置される支持部31によって鉛直方向に吊下げて収納される。また、起動装置14を設けない燃料電池システム1では、図8(a)に示すように、反応溶液供給部33が設けられる反応室72aの底部には、アルカリ金属水酸化物63が収容される。このアルカリ金属水酸化物は、固体でも良いし、水溶液であっても良い。
反応室72b,72c内の水78にアルミニウムを主成分とする水素発生剤34及び仕切り73a,73bが接触していても、アルカリ成分が無い状態であるため、式(1)〜(3)の反応は進行しない。
<反応溶液供給工程(図9(a)(b))>
ポンプ75が作動しバルブ76aが開放されると、循環ライン74により反応室72b内の水78が反応室72aに向かって搬送される。水が反応溶液供給部33から反応室72aに流入し、反応室72a内でアルカリ金属水酸化物と水とが混合して反応溶液が生成する。
図4のように起動装置14を設置する場合は、ポンプ13が作動し、タンク11内の水が起動装置14に流入する。起動装置14内でアルカリ金属水酸化物と混合し生成した反応溶液が、反応溶液供給部33から反応室72aに流入する。
<反応工程(図9(c))>
反応溶液と反応室72a内の水素発生剤34とが接触すると、第1実施形態と同様に、式(1)〜(3)により水素が発生する。反応室72a内の反応溶液の液面が仕切り73aに到達すると、仕切り73aと反応溶液との間で式(1)〜(3)の反応が起こる。この反応により、仕切り73aが溶解し、反応室72aと72bとの間で貫通する。
反応溶液供給部33からの水の供給が継続されているので、反応溶液は反応室72aから仕切り73aの貫通部分を通って、反応室72aに隣接する反応室72bに流入する。反応室72a内では反応溶液の液面上昇が停止する。反応室72a内の水素発生剤34の端部が反応溶液と接触しなくなると、反応室72a内での水素発生は終了する。
反応室72b内では反応室72aから反応溶液が供給され、反応溶液の水位が上昇する。水素発生剤34と反応溶液とが接触すると、第1実施形態と同様に、式(1)〜(3)により水素が発生する。反応室72b内の反応溶液の水位が仕切り73bに到達すると、仕切り73bが溶解して反応室72cに反応溶液が流入するとともに、反応室72b内での水素発生が終了する。
反応室72b内の水が無くなると、バルブ76aが閉鎖される。次いで、バルブ76bが開放され、反応室72c内の水78が循環ライン74により反応溶液供給部33に搬送される。
上記反応工程中に反応副生成物の間に取り込まれた濃度が低下した場合は、第1実施形態と同様に、反応溶液供給配管12及び反応溶液供給部33からアルカリ金属水酸化物の水溶液が補充される。
この反応工程は、反応容器30内の全ての水素発生剤34が反応終了するまで繰り返される。
ここで、反応室72b,72c内に反応溶液が流入する際には、予め反応室72b,72c内に収容されていた水の水位は、水素発生剤34の下端部より低いか、反応室72b,72c内に存在しないことが好ましい。こうなるように、反応室72b,72cに収容される水量が決定される。
反応室72b,72c内の水量だけでは全ての水素発生剤34を反応させることができないので、不足分はタンク11から反応溶液供給配管12及び反応溶液供給部33を通じて水素発生装置70に供給される。
<排出工程(図9(b)(c))>
各反応室72aで発生した水素は、水素排出部77aを通じて水素発生装置70から排出される。反応室72b,72cで水素が発生した場合、主として反応が起こっている反応室72b,72cの水素排出部77b,77cから水素が排出されるが、一部は仕切り73a,73bの貫通部分を通じて他の反応室の水素排出部77a,77bからも排出される。
<停止工程、再開工程>
第4実施形態の水素発生装置70で水素発生剤34が残存する状態で水素発生を停止する場合は、第1実施形態と同様のステップにより停止工程及び再生工程が実施される。
第4実施形態の別の例として、水素発生装置70は、第2実施形態で説明した支持部可動装置を備えていても良い。この場合、第2実施形態で説明したように、停止工程及び再生工程で支持部可動装置を用いて水素発生剤を上下に変位させる。
上記各実施形態において、水素発生装置から排出された水素には、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物が含まれる場合がある。アルカリ金属水酸化物が燃料電池2に流入すると、燃料電池2の高分子膜に悪影響を与える。燃料電池システム1は、調圧弁8と水素発生装置との間であって温度計21及び圧力計22の水素ガス上流側に、アルカリ金属水酸化物を除去するための調温調湿度タンクが設置されても良い。
図10は、調温調湿度タンクの一例である。調温調湿度タンク90は、タンク12と供給ライン91及び戻りライン92とにより連結される。調温調湿度タンク90に水位計93が設置されており、所定水位となるようにタンク11から調温調湿度タンク90に水が供給される。
調温調湿度タンク90内の水に浸漬するように、冷却器94が設置される。冷却器94にはポンプ95により海水などの冷媒が供給される。
水素発生装置からは、水素供給部7の水素供給配管96aにより、調温調湿度タンク90の底部に連結される。調温調湿度タンク90の上部は、水素供給部7の水素供給配管96bにより、燃料電池2に接続される。
水素発生装置11から排出された水素ガスは、水素供給配管96aを通って調温調湿度タンク90内の水内に供給される。水素ガス内のアルカリ金属水酸化物が水内に溶解し、水素ガスのみが水素供給配管96bから燃料電池2に送給される。水素発生装置からの水素ガスは高温であるため、調温調湿度タンク90内の水が蒸発して水位が低下し、水の温度が上昇する。水位計で計測される水位が所定値以下になった場合に、タンク11から水が補充される。また、水の温度が所定値以上になった場合に、冷却器94が作動し、冷媒と水との間で熱交換が行われて水が冷却される。
上記実施形態で説明した反応の進行を確認する試験を実施した。
メスシリンダ内にNaOH水溶液(7mol/l、約100ml)を入れた。板状の純アルミ片を紐で吊下げ、所定量をNaOH水溶液に浸漬した。この時、アルミ片は事前に重量計測されており、Al溶解量を確認しながら、NaOH水溶液へのアルミ片浸漬量をコントロールしつつ、アルミを溶解させた。このとき、供給水は反応で消費されるため、蒸発分を含め2倍当量の水を計測しながら供給した。
上記試験を行った結果、水を加えただけの試験で2倍当量のアルミニウム(19g×2倍)が水に溶解し、水素が発生することが確認できた。この試験結果から、NaOH存在下で式(3)の反応が起こっていると言える。
反応が継続すると黒色沈殿物及び白色沈殿物が観察された。この沈殿物はAl(OH)と推定され、沈殿の堆積により液相が浅くなった。このときの堆積物の増加は、概ねアルミの溶解量の8〜10倍程度であるを確認している。この状況は、メスシリンダの容量制限による試験終了時まで継続された。また、本試験では容器内の液体に熱電対を浸漬し、反応中の温度を計測した。液温が50℃以上の場合は、液温が室温の場合よりも反応速度が速く水素の発生量が大きくなった。また容器壁面に液滴が飛散し沈殿物の付着が見られた。このことから液相の温度制御等の必要性が確認できた。
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 リチウム二次電池
4 負荷
5 酸素発生装置
6 酸素供給部
7 水素供給部
8 調圧弁
9 熱交換器
10,50,60,70 水素発生装置
11 タンク
12 反応溶液供給配管
13,18,19,75,95 ポンプ
14 起動装置
15,16,17,94 冷却器
20 制御部
21 温度計
22 圧力計
30 反応容器
31 支持部
32,77 水素排出部
33 反応溶液供給部
34,40 水素発生剤
35 反応溶液
36 混合層
37 堆積層
51 支持部可動装置
61 隔壁
62a〜62c,72a〜72c 反応室
63 アルカリ金属水酸化物
73 仕切り
74 循環ライン
76a,76b バルブ
78 水
90 調温調湿度タンク
91 供給ライン
92 戻りライン
93 水位計
96a,96b 水素供給配管

Claims (16)

  1. アルミニウムを主成分とする水素発生剤を収容し、底部に前記水素発生剤と反応可能であり、アルカリ金属の水酸化物を含む反応溶液を収納可能である反応容器と、
    前記水素発生剤を前記反応容器の上部から吊下げ支持可能とする支持部と、
    前記水素発生剤と前記反応溶液との反応により生成した水素ガスを前記反応容器から排出するための水素排出部と、
    前記反応容器の上部から、前記反応で消費された水を前記反応容器内に供給する反応溶液供給部と、
    前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度を所定濃度内に管理すると共に、前記反応溶液の温度を所定値に制御する制御部とを備え、
    前記水素発生剤の下端部の所定領域を前記反応溶液と接触させて、前記水素発生剤と前記反応溶液とを反応させて所定量の前記水素ガスを発生させるとともに、前記アルカリ金属を含まない反応副生成物を前記反応容器の底部に堆積させる水素発生装置。
  2. 前記制御部が、前記水素排出部から排出された前記水素ガスの圧力及び温度に基づいて、前記反応容器中に収納される前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度を1mol/L以上14mol/L以下に管理すると共に、前記反応溶液の温度を50℃以上150℃以下に制御する請求項1に記載の水素発生装置。
  3. 前記反応容器の断面積に対する前記水素発生剤の断面積の比率が5倍以上15倍以下である請求項1に記載の水素発生装置。
  4. 上端が前記反応容器の底部の壁と連結され上部の壁と離間して設置される第1隔壁が、前記反応容器の内部空間を複数の第1反応室に区切り、前記第1反応室内の各々が前記水素発生剤を収容し、
    前記反応溶液供給部が前記第1反応室の一室の上部に設けられ、前記反応溶液供給部が前記第1反応室の一室に前記水を供給し、
    前記第1隔壁と前記反応容器の上部の壁との間の空間を介して前記第1反応室の一室内の前記反応溶液が隣接する前記第1反応室の他の一室に流入可能である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水素発生装置。
  5. 前記反応容器の底部の壁と上部の壁とに連結する第2隔壁が、前記反応容器の内部空間を複数の第2反応室に区切り、前記第2反応室の各々が前記水素発生剤を収容し、
    アルミニウムを主成分とする仕切りが前記第2隔壁の上部に設置され、
    前記反応溶液供給部が前記第2反応室の一室の上部に設けられ、前記反応溶液供給部が前記第2反応室の一室に前記水を供給し、
    前記反応溶液が前記仕切りを溶解させて、前記仕切りが設置された空間を介して前記第2反応室の一室内の前記反応溶液が隣接する前記第2反応室の他の一室に流入可能である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水素発生装置。
  6. 前記第2反応室の他の一室が前記水を収容し、前記他の第2反応室と前記反応溶液供給部とが配管を介して連結し、前記配管に設置されたポンプが、前記他の第2反応室内の前記水を前記第2反応室の一室に搬送する請求項5に記載の水素発生装置。
  7. 前記制御部が、前記水の供給を停止させて前記水素ガスの発生を停止させるとともに、前記水の供給を再開して前記水素ガスの発生を再開させる請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の水素発生装置。
  8. 前記反応容器の上部に、前記支持部を上下に移動可能な支持部可動装置を更に備え、
    前記制御部が前記支持部可動装置を駆動して、前記水素発生剤を上昇させて前記水素ガスの発生を停止させるとともに、前記水素発生剤を下降させて前記水素ガスの発生を再開する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の水素発生装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の水素発生装置を備える燃料電池システム。
  10. アルミニウムを主成分とする水素発生剤を反応容器の上部から吊下げて前記反応容器)内に収納する収納工程と、
    アルカリ金属の水酸化物を含む反応溶液が前記反応容器内で所定の液面の高さになるまで、前記反応容器内に水を供給する反応溶液供給工程と、
    前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とが接触し、前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度を所定濃度内に管理されると共に、前記反応溶液の温度が所定値に制御されて、前記水素発生剤と前記反応溶液との反応により所定量の水素ガスが発生するとともに、前記アルカリ金属を含まない反応副生成物が前記反応溶液の底部に堆積する反応工程と、
    前記水素ガスが前記反応容器から排出される排出工程とを含む水素発生方法。
  11. 前記反応工程において、前記反応容器中に収納される前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度が、1mol/L以上14mol/L以下に管理されると共に、前記反応溶液の温度が50℃以上150℃以下に制御される請求項10に記載の水素発生方法。
  12. 前記反応容器の断面積に対する前記水素発生剤の断面積の比率が5倍以上15倍以下である前記水素発生剤が前記反応容器内に収容される請求項10に記載の水素発生方法。
  13. 前記収納工程において、上端が前記反応容器の上部の壁と離間して設置される第1隔壁により前記反応容器の内部空間が複数に区切られた第1反応室内の各々に、前記水素発生剤が収納され、
    前記反応溶液供給工程において、前記第1反応室の一室に前記水が供給され、
    前記反応工程において、前記第1反応室の一室で前記アルカリ金属の水酸化物を含む前記反応溶液と前記第1反応室の一室内の前記水素発生剤とが接触して前記水素ガスが発生し、
    前記第1反応室の一室が前記反応溶液で満水になった後、前記反応溶液を収容する前記第1反応室の一室に隣接する前記第1反応室の他の一室に、前記反応溶液が流入する請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の水素発生方法。
  14. 前記収納工程において、前記反応容器の底部の壁と上部の壁とに連結し、前記上部の壁側にアルミニウムを主成分とする仕切りが設置された第2隔壁により前記反応容器の内部空間が複数に仕切られた前記第2反応室内の各々に、前記水素発生剤が収納され、
    前記反応溶液供給工程において、前記第2反応室の一室に前記水が供給され、
    前記反応工程において、前記第2反応室の一室で前記アルカリ金属の水酸化物を含む前記反応溶液と前記第2反応室の一室内の前記水素発生剤とが接触して前記水素ガスが発生し、
    前記仕切りと前記第2反応室内の前記反応溶液とが接触して反応し、前記仕切りが前記反応溶液に溶解し、
    前記反応溶液を収容する前記第2反応室の一室に隣接する前記第2反応室の他の一室に、前記仕切りが設置されていた空間を通じて前記反応溶液が流入する請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の水素発生方法。
  15. 前記収納工程において、前記第2反応室の一室以外の前記第2反応室の他の一室に前記水が収納され、
    前記反応工程において、前記収納工程で収納された前記水が、前記第2反応室の一室に搬送される請求項14に記載の水素発生方法。
  16. 前記反応工程が、前記水の供給が停止される、あるいは、前記水素発生剤を上昇させることによって、前記水素ガスの発生を停止させる停止工程と、
    前記水の供給を再開する、あるいは、前記水素発生剤を下降させることによって、前記水素ガスの発生を再開させる再開工程とを更に含む請求項10乃至請求項15のいずれかに記載の水素発生方法。
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