JP2013180911A - 水素発生装置及び水素発生装置の運転方法 - Google Patents

水素発生装置及び水素発生装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な機構で所定量の水素発生剤と水素発生促進剤を接触させて水素を発生させることができ、水素の発生量を制御可能な水素発生装置及びその運転方法を提供する。
【解決手段】水素発生剤16は、アルミニウム容器の内部にNaH、LiHまたはKHを密封したものとされる。水素発生装置11の起動時にアルミニウム容器を溶解可能な物質を反応容器12に供給し、水素発生剤16の下端部と接触させてアルミニウム容器を溶解させてNaH、LiHまたはKHを露出させる。水素発生剤16と反応溶液との接触が確保されながら、水素発生反応が継続される。反応容器12内の圧力、反応溶液温度及び濃度を監視しながら反応容器12での反応溶液の供給量や排出量を制御して反応溶液の液面高さを調整することによって、水素発生量が制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の水素供給源である水素発生装置及び水素発生装置の運転方法に関する。
水中で使用されるロボットや海中でデータを収集する観測装置などには、電源装置が搭載される。電源装置の1つの方式に燃料電池がある。燃料電池には、燃料電池本体以外に酸素供給源と、水素供給源とされる水素発生装置が必要とされる。
水素発生装置は、反応容器内で水素発生剤と水素発生促進剤とを接触させて水素を発生させる。水素発生剤は、NaBH,LiBH,MgH2,LiH,NaH,AlHなどの金属水素化物や、Na,Li,Mg,K,Alなどの金属等があり、単体もしくはそれらを組み合わせたもので構成される。水素発生促進剤は、水やアルコールなどとされる。
特許文献1は、NaBH,LiBHなどの金属水素化物の粉体を、容器内に収納される水素発生促進剤に投入し、水素を発生させる方法を開示している。特許文献1では、容器の上方に設けられるホッパに金属水素化物の粉体を収納し、ホッパの下方に設置されるフィーダで所定量の金属水素化物粉体を水素発生促進剤中に投入して、所定量の水素を発生させる。あるいは、特許文献1では、金属水素化物の粉体をアクリル樹脂などのカプセルまたはボールに充填し、これらをホッパに収納している。フィーダで所定量のカプセルまたはボールを供給し、フィーダ下方に設置されるカッターなどの機械的手段または熱的手段によりカプセルまたはボールを破壊してから水素発生促進剤中に投入している。
特許文献2は、アルミニウム製パイプの内部にナトリウムを溶融状態で充填し、ナトリウムを固化して作製された水素発生具を開示している。特許文献2では、パイプ先端部及びナトリウム先端部をカッター等によって水素発生に適した大きさに切断し、切断されたパイプ小片及びナトリウム片を水または乳化水に浸漬させて水素を発生させている。
特開2002−187595号公報(請求項7〜10、段落[0035]〜[0041]) 特開2006−76846号公報(請求項1,5、段落[0018]〜[0019])
特許文献1及び特許文献2では、水素発生剤と水素発生促進剤とを接触させて水素を発生させるために、ホッパ、フィーダ、カッターなどの付帯機構が反応容器に設置される。更に、付帯設備を設置するのに伴い、気密機構が複雑化する。このため、システムの容積が増大するので、小型化が困難であった。また、これらの機構を水素雰囲気で駆動可能とする必要があった。
また、特許文献1のカプセル等は、水素発生促進剤に溶解する。このとき、反応状態によってはCOなどの有機ガスが発生する可能性がある。有機ガスは燃料電池の反応に寄与しない不純物ガスになるだけでなく、燃料電池内の電界膜に悪影響を与える恐れがある。
本発明は、簡易な機構で所定量の水素発生剤と水素発生促進剤を接触させて水素を発生させることができる水素発生装置及び水素発生装置の運転方法を提供することを目的とする。また、容易な工程にて水素の発生量を制御可能な水素発生装置及び水素発生装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様の水素発生装置は、アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている水素発生剤と、内部に前記水素発生剤を収納し、底部に前記水素発生剤と反応を行う反応溶液を収納可能とする反応容器と、前記反応容器の上部に設けられ、前記水素発生剤と前記反応溶液の反応により発生する水素を前記反応容器から排出可能とする水素排出部と、内部に前記反応溶液の溶媒を収納するタンクと、前記反応容器及び前記タンクに接続され、前記タンク内の前記水または前記反応溶液を前記反応容器に供給する反応溶液供給部と、前記反応容器に連結され、前記反応溶液を前記反応容器内に供給する起動部とを備え、前記起動部が、アルミニウム製の容器を溶解可能であり、前記反応溶液の溶質とされる物質を収納する起動用容器と、前記反応溶液を採取して前記起動用容器から排出する採取部とを備え、前記起動部が、起動時に前記採取部で採取され前記起動用容器から排出された前記反応溶液を前記反応容器に供給し、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液が接触し反応することで水素を発生させる水素発生装置とされる。
本発明の第1の態様の水素発生装置の運転方法は、アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている水素発生剤を、反応容器の内部に収納する収納工程と、前記水素発生剤と反応を行うための反応溶液を、前記反応容器の底部に供給する起動用反応溶液供給工程と、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触させ、接触した部分で前記アルミニウム製の容器を溶解させて、前記アルカリ金属水素化物の粉体を露出させる溶解工程と、前記反応容器内の底部に供給された前記反応溶液を前記水素発生剤の前記アルミニウム製の容器及び前記粉体と接触させて、水素を発生させる反応工程とを含む。
本発明の水素発生剤は、水素発生源の主剤と副剤から構成される。主剤にはアルカリ金属水素化物を、副剤としてアルミニウムを用いている。アルカリ金属水素化物の粉体は強い吸湿性を有しているため、室温程度の低温でもアルカリ水酸化物を生成するが、それは潮解性を有しているため、水溶液化し分離する。その結果、水素発生剤の表面に生成膜が発生し反応が阻害されることがなく、継続して水と反応し水素を発生させることができる。一方で、取扱性を高めるために容器内に収納する必要がある。本発明ではアルミニウム容器によりアルカリ金属水素化物を密封した水素発生剤を使用する。
第1の態様では、水素発生装置の起動に際し、反応容器に反応溶液を供給し、アルミニウム容器を溶解させてアルカリ金属水素化物を露出される。これにより、アルカリ金属水素化物を反応容器内の反応溶液と接触して反応し、水素が発生する。すなわち、第1の態様では、簡易な工程により水素発生装置を起動することができる。
アルカリ金属水素化物と水との反応生成物としてNaOH、LiOHやKOHといったアルカリ金属水酸化物が生成する。これらは、水もしくは反応溶液に溶解する。アルミニウム容器は、アルカリ金属水酸化物等のアルミニウムを溶解可能な物質を含む反応溶液に溶解して消失する。本発明では水素発生剤の下端部からアルミニウム容器を溶解させているので、アルミニウム容器の溶解に伴い水素発生剤は下方に移動する。すなわち、本発明では容易な機構にて、水素発生剤と反応溶液との接触が確保される。
また、アルミニウム容器と反応溶液との反応により水素が発生するので、1つの水素発生剤からのを発生させる水素発生量を増大させることができるという効果も奏する。
第1の態様の水素発生装置において、前記物質がアルカリ金属水酸化物の水溶液とされ、前記起動用容器の内部に、所定量の前記アルカリ金属水酸化物が収納され、前記起動用容器の底部に、前記タンク内の前記反応溶液の溶媒を供給する溶媒供給部を更に備え、前記採取部が前記起動用容器の上部に設けられ、前記溶媒供給部を介して前記タンクから供給された前記溶媒に前記溶質を溶解させて前記反応溶液を生成し、該反応溶液のうち前記起動用容器の上方に存在する前記反応溶液を前記採取部が採取して前記起動用容器から排出することが好ましい。
この場合、前記起動部が前記反応溶液供給部に設置され、前記タンク内の前記反応溶液の溶媒が、前記溶媒供給部を通じて前記起動用容器に供給されることが好ましい。
第1の態様の水素発生装置の運転方法において、前記起動用反応溶液供給工程が、アルカリ金属水酸化物の粉体が収納される起動用容器の底部から、前記反応溶液の溶媒を供給する溶媒供給工程と、前記アルミニウム製の容器を溶解可能であり、前記反応溶液の溶質とされる物質を前記溶媒に溶解させ、前記反応溶液を得る反応溶液生成工程と、前記反応溶液のうち前記起動用容器の上方に存在する反応溶液を採取して、前記起動用容器から排出させる排出工程とを含むことが好ましい。
起動時に用いる物質としてアルミニウム製の容器を溶解可能なもの、特にアルカリ金属水酸化物の粉体としておけば、起動用容器の容積を小さくすることができ、水素発生装置の小型化に繋がる。
また、起動部を反応溶液供給部に設置し、起動時に粉体を溶解させる溶媒としてタンク内の水または反応溶液を用いれば、装置構成を簡略化することができる。
第1の態様の水素発生装置において、前記反応容器及び前記タンクに接続され、前記反応容器内の前記反応溶液を前記タンクに供給する反応溶液排出部を更に備え、前記反応溶液供給部と前記反応溶液排出部とが、前記反応溶液を前記反応容器と前記タンクとの間で循環させることが好ましい。
第1の態様の水素発生装置の運転方法において、前記反応容器内の前記反応溶液を前記タンクに供給して、前記反応容器と前記タンクとの間で前記反応溶液を循環させる循環工程を更に備えることが好ましい。
こうすることで、水素発生装置系内で効率的に反応を実施することができる。また、反応容器内の反応溶液の水位を一定に保持することができる。このため、水素発生剤と反応溶液との接触面積を一定として、水素発生量を安定化させることができる。
第1の態様の水素発生装置において、前記採取部の下流側に希釈部を更に備え、前記希釈部が、希釈容器と、該希釈容器に接続される希釈液供給部と、前記希釈容器に接続される起動用反応溶液排出部とを備え、前記採取部が前記希釈容器に前記反応溶液を供給し、前記希釈液供給部が前記希釈容器に希釈液を供給し、前記希釈容器内で前記反応溶液と前記希釈液とが混合して前記反応溶液が希釈され、前記起動用反応溶液排出部が前記希釈された反応溶液を前記希釈容器から排出して前記反応容器に供給することが好ましい。
この場合、前記希釈液供給部が前記タンクに接続し、前記希釈液が前記タンク内の前記反応溶液の溶媒とされることが好ましい。
第1の態様の水素発生装置の運転方法において、前記起動用反応溶液供給工程が、前記起動用容器から排出された反応溶液を、前記タンクから供給された希釈液で希釈する希釈工程を更に含むことが好ましい。
上記構成を採用すれば、起動用容器で生成する反応溶液が高濃度であっても良い。従って、起動用容器を更に小さくすることができる。また、希釈部は、水素発生反応を継続させている際に反応溶液の温度や濃度を調整する用途にも転用することが可能である。
本発明の第2の態様の水素発生装置は、アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている水素発生剤と、内部に前記水素発生剤を収納し、底部に前記水素発生剤と反応を行う反応溶液を収納可能とする反応容器と、前記反応容器の上部に設けられ、前記水素発生剤と前記反応溶液の反応により発生する水素を前記反応容器から排出可能とする水素排出部と、内部に前記反応溶液の溶媒を収納するタンクと、前記反応容器及び前記タンクに接続され、前記タンク内の前記反応溶液を前記反応容器に供給する反応溶液供給部と、前記反応容器内部の前記反応溶液を前記反応容器から排出し、前記排出された前記反応溶液を前記タンクに供給する反応溶液排出部と、前記反応容器に設置され、前記反応容器内の水素の圧力を計測する圧力計測部と、前記反応容器に設置され、前記反応容器内における前記反応溶液の液面の高さを計測する液面計測部と、前記反応容器または前記反応溶液排出部に少なくとも1つ設置され、前記反応容器の前記反応溶液排出部との連結部分近傍における前記反応溶液の温度を計測する温度計測部と、前記反応容器内の前記反応溶液中の溶質の濃度を計測する濃度取得部と、前記反応溶液供給部、前記反応溶液排出部、前記圧力計測部、前記液面計測部、前記温度計測部及び前記濃度取得部と接続される制御部とを備え、該制御部は、前記圧力、前記温度及び前記濃度の少なくとも1つに基づいて、前記反応容器への前記反応溶液の供給量と、前記反応容器からの前記反応溶液の排出量とを調整して前記液面の高さを変動させて前記水素の発生量を制御する水素発生装置とされる。
第2の態様の水素発生装置において、前記反応溶液供給部及び前記反応溶液排出部の少なくとも一方に、前記反応溶液を希釈するための希釈容器を備えることが好ましい。この場合、前記希釈容器が前記タンクに接続し、前記希釈液が前記タンク内の前記反応溶液とされることが好ましい。
本発明の第2の態様の水素発生装置の運転方法は、アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている水素発生剤を、反応容器の内部に収納する収納工程と、前記水素発生剤と反応を行うための反応溶液を、前記反応容器内で所定の液面の高さになるまで前記反応容器の底部に供給する起動用反応溶液供給工程と、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触し反応させて、前記アルミニウム製の容器を溶解し所定量の水素を発生するとともに、前記粉体と前記反応溶液とを反応させて所定量の水素を発生させる反応工程と、前記反応容器で発生する水素量を制御する水素発生量制御工程とを含み、前記水素発生量制御工程が、前記反応容器内の水素圧力を計測する圧力計測工程と、前記反応容器内の前記反応溶液の温度を計測する温度計測工程と、前記反応容器内の前記反応溶液中の溶質の濃度を取得する濃度取得工程と、前記液面の高さを計測する液面計測工程と、計測された前記圧力、前記温度、及び前記濃度の値が設定値を満たす場合、前記反応容器への前記反応溶液の供給量及び前記反応容器からの前記反応溶液の排出量を維持して、前記液面の高さを一定にし、計測された前記圧力、前記温度、及び前記濃度の値のうち少なくとも1つが設定値と異なる場合、前記供給量及び前記排出量を変更して、前記液面の高さを所定量だけ増加または低下させる液面調整工程とを含む。
第1の態様と同様に、第2の態様における水素発生剤は取扱性が向上しているうえ、アルミニウム容器は反応工程で消失するとともに水素発生源として作用する。また、水素発生剤の下端部からアルミニウム容器を溶解させているので、容易な機構にて水素発生剤と反応溶液との接触が確保される。
水素の発生量は、水素発生剤と反応溶液との接触面積に依存する。水素発生速度は反応溶液の温度に依存する。水素発生量は水素発生剤の溶解量に依存する。水素発生剤の溶解度合いにより、反応溶液中の溶質の濃度が変わる。従って、反応溶液の液面高さ、温度、濃度を調整することにより、水素の発生量を制御することができる。液面高さ、温度及び濃度は、反応容器への反応溶液の供給量と反応容器からの反応溶液の排出量とのバランスを調整することによって変動させることができる。第2の態様では、簡易な工程により水素の発生量を制御することができるという効果を奏する。
本発明の第3の態様の水素発生装置は、アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている棒状の水素発生剤と、内部に前記水素発生剤を収納し、底部に前記水素発生剤と反応を行う反応溶液を収納可能とする反応容器と、前記反応容器の上部に設けられ、前記水素発生剤と前記反応溶液の反応により発生する水素を前記反応容器から排出可能とする水素排出部と、前記反応容器内の上部に設置され、前記水素発生剤を吊下げて担持する吊下部と、内部に前記反応溶液の溶媒を収納するタンクと、前記反応容器の上部に接続され、前記反応容器と前記タンクとを連結し、前記反応容器に前記反応溶液を供給する反応溶液供給部と、前記反応溶液供給部の経路中に設置され、内部に前記アルカリ金属水酸化物の粉体を収納する起動部と、前記反応容器に設けられ、前記反応容器内の水素圧力を計測する圧力計測部と、前記測定された水素圧力に基づいて、前記反応溶液供給部から前記反応容器への前記反応溶液の供給量を変更して前記水素の発生量を制御する制御部とを備える水素発生装置とされる。
本発明の第3の態様の水素発生装置の運転方法は、アルミニウム製の容器の内部に、NaH、LiHまたはKHとされる粉体が密封されている水素発生剤を、前記反応容器の上部に設けられる吊下部に固定し、該吊下部により前記水素発生剤を鉛直方向に吊下げて前記反応容器の内部に収納する収納工程と、アルミニウム製の容器を溶解可能な物質を含む反応溶液を所定の供給量で反応容器の底部に供給する反応溶液供給工程と、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触させ、接触した部分で前記アルミニウム製の容器を溶解させて、前記アルカリ金属水素化物の粉体を露出させる溶解工程と、前記反応容器の底部に前記反応溶液供給して、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触させて、前記アルミニウム製の容器を溶解させるとともに前記アルミニウム製の容器から所定量の水素を発生させ、前記粉体と前記反応溶液とを反応させて所定量の水素を発生させる反応工程と、前記反応容器内への前記反応溶液の供給量を調整して、水素発生量を制御する水素発生量制御工程とを含み、前記水素発生量制御工程が、前記反応容器内の水素圧力を計測する圧力計測工程と、前記計測された圧力の値が設定圧力である場合に、前記反応容器への前記反応溶液の供給量を維持し、前記計測された水素圧力の値が設定圧力よりも高い場合に、前記反応溶液の供給量を減少させる、または、前記反応溶液の供給量を停止し、前記計測された水素圧力の値が設定圧力よりも低い場合に、前記反応溶液の供給量を増大させる反応溶液供給量調整工程とを含む。
第3の態様の水素発生装置では、反応容器から反応溶液を排出する機構はなく、反応に伴い水素発生剤の下端部の位置は上方に移動する。このため、固形状の反応副生成物が生成しても配管が閉塞されるなどして反応が阻害されることがない。また、反応溶液を排出させたり循環させる必要はなく、反応に寄与する反応溶液の供給の調整により、水素発生量を制御できる。このため、装置の制御がより簡略化するという利点を有する。
第3の態様の水素発生装置において、前記反応容器の上部に設置され、前記吊下部を上下に移動可能とする吊下部可動装置を更に備え、該吊下部可動装置が作動して前記水素発生剤が上下に移動可能とされることが好ましい。
第3の態様の水素発生装置の運転方法において、前記水素発生量制御工程が、前記計測された水素圧力の値が設定圧力よりも高い場合に、前記吊下部を上昇させて前記水素発生剤を前記反応溶液から離間させ、前記計測された水素圧力の値が設定圧力よりも低い場合に、前記吊下部を下降させて前記水素発生剤と前記反応溶液との接触面積を増大させる水素発生剤移動工程を更に含むことが好ましい。
このように、水素発生量の調整において水素発生剤を変位させると、より迅速に水素発生量を増減させることができ、制御速度が向上する。
本発明によれば、より簡易な工程により水素発生剤中のアルカリ金属水素化物と反応溶液と反応させて水素発生装置を起動することができる。また、簡易な工程により水素発生剤と反応溶液との接触を確保して、水素発生反応を継続させることができる。また、反応容器における反応溶液の供給量や排出量を調整することによって水素発生量を制御することができる。この結果、装置構成が簡略化するとともに、制御がより簡略化する。
第1実施形態の水素発生装置を備える燃料電池システムの概略図である。 第1実施形態に係る水素発生装置の起動部の概略図である。 第2実施形態に係る水素発生装置の起動部の概略図である。 第3実施形態の水素発生装置を備える燃料電池システムの概略図である。 第4実施形態に係る水素発生装置の概略図である。 第5実施形態の水素発生装置を備える燃料電池システムの概略図である。 第5実施形態の水素発生装置を運転する工程を説明する概略図である。 第6実施形態の水素発生装置を運転する工程を説明する概略図である。
本発明の水素発生装置は、例えば水中ロボットや水中観測装置に搭載される燃料電池システに適用される。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の水素発生装置を備える燃料電池システムの概略図である。燃料電池システム1は、燃料電池2、酸素発生装置3、及び水素発生装置11を備える。燃料電池2は、リチウム2次電池4に接続され、リチウム2次電池4は負荷5に接続される。
燃料電池2は酸素供給部6を介して酸素発生装置3と接続される。酸素発生装置3は、内部に液体酸素を収納する容器を備える。液体酸素を収納する容器は、高圧酸素ガスを貯蔵する酸素ボンベであってもよい。燃料電池2は水素供給部7を介して水素発生装置11と接続される。水素供給部7にバルブ8が設けられ、バルブ8により水素発生装置で発生した水素が燃料電池2に供給される流量が調節可能となっている。酸素供給部6及び水素供給部7には、酸素及び水素が燃料電池2に流入する直前において、熱交換器9が設置される。
本実施形態の水素発生装置11は、反応容器12、タンク13、及び、起動部14を備える。反応容器12の上部に水素排出部15が設置され、水素排出部15は水素供給部7に接続される。タンク13は配管を介して燃料電池2と接続される。配管には冷却器10が設置される。
反応容器12は、水素発生剤16を収納する。本実施形態の水素発生剤16は、アルミニウム製の容器(アルミニウム容器)の内部に、アルカリ金属水素化物の粉体が密封されて収納したものとされる。この場合、粉体がアルミニウム容器に入れてから圧縮されていても良く、ペレット状に圧縮された粉体がアルミニウム容器に充填されていても良い。
本実施形態の水素発生剤に適用されるアルカリ金属水素化物は、強い吸湿性を有し、アルカリ金属水酸化物となる。アルカリ金属水酸化物は潮解性を有し、水溶液化する。具体的に、アルカリ金属水素化物は、NaH、LiH、KHのいずれかとされる。特に、NaHを用いるのが好ましい。
本実施形態の水素発生剤16は柱状とされることが好ましい。水素発生剤16の底面の形状は特に制限されない。底面の形状の例として、円形、楕円形、三角形、四角形、角丸四角形などが挙げられる。
また、図1に示される水素発生剤16は、柱状のアルミニウム容器を複数個鉛直方向に積層させたものとされる。積層させた水素発生剤に代えて、反応容器の鉛直方向に長い1本の水素発生剤を収納しても良い。
水素発生剤16は、反応容器12の底部に接触するか、反応容器12の底部から離間して設置される。水素発生剤16が枠体(不図示)の内部に収納され、枠体が反応容器12内部に設置されていても良い。枠体に水素発生剤16を収納することにより、水素発生剤16を反応容器12の底部から離間させることができる。また、水素発生剤16が倒れることなく反応容器12内に整列させることができる。
反応容器12は、水素発生反応時に水素発生剤と反応可能な反応溶液を収納可能である。具体的に、反応溶液は上記アルカリ金属水素化物と同じ金属元素の水酸化物を含むのが好ましい。具体的に、NaOH、LiOH、KOHのいずれかとされる。
反応容器12は、耐圧容器であるとともに、上記アルカリ金属水酸化物の水溶液に対する耐腐食性がある材質のものが選定される。
反応容器12の周囲にはヒータと断熱材(不図示)が設けられ、反応容器12内部の温度が調整されるようになっている。
タンク13は、内部に水や、アルカリ金属水酸化物水溶液、または反応容器12からタンク13へと排出された反応溶液を収納可能である。タンク中の水溶液は反応容器内温度より低い。
反応容器12とタンク13とは、反応溶液供給部17及び反応溶液排出部18により連結される。
図1において、反応溶液供給部17は反応容器12の側面の下方部に接続されているが、反応容器12の底部に接続されていても良い。反応溶液供給部17は経路中にポンプ19を備える。
反応溶液排出部18は、反応容器12の底部に接続される。反応溶液排出部18はバルブ20を備える。タンク13内の水または反応溶液は、反応溶液供給部17を介して反応容器12の底部に供給される。また、反応容器12内の反応溶液は、反応溶液排出部18を介して反応容器12からタンク13へと排出される。図1の水素発生装置では、反応溶液は反応容器12とタンク13との間で循環する。
第1実施形態の起動部14は、起動用容器と採取部とを備える。
起動用容器は、水素発生剤のアルミニウム容器を溶解可能な物質を収納する。アルミニウム容器を溶解可能な物質として水素発生剤16に用いられるアルカリ金属水素化物と同じ金属元素を有するアルカリ金属水酸化物の水溶液、具体的にNaOH、LiOHまたはKOHの水溶液を用いることが好ましい。上記アルカリ金属水酸化物の水溶液が薄い場合には、アルミニウム容器の溶解に長時間を要し、アルミニウム容器内部のNaH、LiHまたはKHが露出できない場合もある。また、アルミニウム容器を溶解しNaH、LiHまたはKHを露出させるのに必要な溶液量が増加し、起動用容器の容積が増大するので好ましくない。
採取部は、起動用容器内部のアルカリ金属水酸化物の水溶液を採取し、起動用容器から排出する。
図2は、アルミニウム容器を溶解可能な物質としてNaOH、LiOHまたはKOHを用いる場合に適用できる起動部の概略図である。図2に示すように、起動用容器21の内部には例えばNaOH、LiOHまたはKOHの粉体26が収納される。起動部14には、NaOH、LiOHまたはKOHの粉体を溶解させ、反応容器12内へ供給される反応溶液の溶媒(水)を起動用容器21に供給する溶媒供給部23が設置される。溶媒供給部23は、配管24と、起動部14の外部から溶媒を起動用容器21に搬送するためのポンプ25とを備える。配管24の一方の端部は、起動用容器21に接続される。配管24の他方の端部は、溶媒を収容したタンク13に接続される。なお、タンク13に代えて供給源が別途設置されていても良い。
本実施形態において起動用容器21に供給される溶媒は水とされるが、NaOH、LiOHまたはKOH等のアルカリ金属水酸化物の水溶液や、反応溶液排出部18を介して反応容器12からタンク13へと排出された反応溶液であっても良い。
溶媒供給部23から溶媒が起動用容器21に供給されると、NaOH、LiOHまたはKOH粉体26が溶媒に溶解し、反応溶液が生成する。本実施形態の起動用容器21には撹拌機構は設置されていない。採取部22は、起動用容器21上部の反応溶液を採取し、起動用容器21から排出する。
アルミニウム容器を溶解可能な物質としてNaOH水溶液、LiOH水溶液またはKOH水溶液を用いる場合、高濃度の溶液を用いると、起動部14から反応容器12への流通過程で冷やされて配管中にNaOH、LiOHまたはKOHが析出する場合がある。このため、配管温度における飽和水溶液よりも低い濃度の反応溶液を反応容器12に供給する。具体的に、飽和水溶液の1/3以下とすることが好ましい。一方で、上述のように低濃度の場合はアルミニウム容器の溶解に長時間を要する上、起動用容器21が大容積となる。このため、使用するNaOH水溶液、LiOH水溶液またはKOH水溶液は、例えば飽和水溶液の1/10程度以上の濃度とする。
図1において、起動部14は反応溶液供給部17の経路中に設置されている。この場合、図2におけるポンプ25は、図1のポンプ19と同一となる。
なお、起動部14は、反応溶液供給部17と別系統で反応容器12に接続していても良い。起動部を別系統とする場合は、起動用容器内部に水溶液を収納し、起動部と反応容器との間にポンプが設置される。
図1及び図2に示される水素発生装置の運転方法の一実施形態を以下で説明する。
(収納工程)
水素発生剤16が反応容器12内部に収納される。収納される水素発生剤16の量は、水素発生装置に要求される水素供給量、反応容器の大きさなどにより適宜設定される。
本実施形態においてタンク13は水を収容している。なお、水に変えて低濃度のアルカリ水酸化物水溶液を収容していても良い。
(起動用反応溶液供給工程)
起動部14の起動を行うにあたり、ポンプ25(19)は、配管24(反応溶液供給部18と同一)を通じてタンク13内部の水を起動用容器21に供給する。起動用容器21内に流入した溶媒(水や反応溶液)にNaOH粉体、LiOH粉体またはKOH粉体が溶解し、起動用の反応溶液が生成する。
採取部22が起動用容器21上部の起動用の反応溶液を採取し、起動用容器21から排出する。排出された起動用の反応溶液は、反応溶液供給部17を通じて反応容器12に搬送される。
(溶解工程)
反応容器12内部に流入した起動用の反応溶液は、反応容器12の底部に貯留される。起動用の反応溶液は、水素発生剤16の下端部と接触する。水素発生剤16の下端部が起動用の反応溶液と接触した部分で、アルミニウム容器が起動用の反応溶液と反応し反応溶液中に溶解する。アルミニウム容器を溶解させる物質としてNaOHを用いた場合、例えば式(1)の反応によりアルミニウム容器が溶解する。
Al+NaOH+3HO→NaAl(OH)+1.5H ・・・(1)
溶解が進行すると、水素発生剤16の下端部で反応溶液に接触した部分において、アルミニウム容器に穴が開く。これにより、アルミニウム容器内のNaH、LiHまたはKHが露出する。
反応容器12中の反応溶液の液面が所定の高さに到達すると、反応溶液排出部18のバルブ20が開放される。これにより、反応容器12内の余剰の反応溶液がタンク13に搬送され、液面が一定の高さに保持される。
タンク13に流入した反応溶液は、タンク13内の水と混合する。従って、タンク13内にアルカリ金属水酸化物水溶液が収容されるようになり、アルカリ金属水酸化物水溶液が起動用容器21に供給される。
(反応工程)
露出したNaH、LiOHまたはKHは、反応溶液と接触して反応する。これにより、水素が発生する。例えばNaHを用いた場合の反応式は式(2)の通りである。
NaH+HO→NaOH+H ・・・(2)
発生した水素は、水素排出部15を通じて反応容器12から排出される。水素は水素供給部7を通じて燃料電池2に流入する。生成したNaOH、LiOHまたはKOHは、反応溶液中に溶解する。
式(2)の反応のように、NaH、LiHまたはKHと水との反応によりNaOH、LiOHまたはKOHが生成し、水素発生剤16と反応溶液とが接触した部分で、アルミニウム容器の溶解及びアルミニウム容器からの水素発生が継続される。アルミニウム容器が溶解した分だけ、水素発生剤16は下方に移動する。これにより、水素発生剤16と反応溶液との接触が確保され、水素発生反応が継続される。
反応工程では、反応溶液中のアルカリ金属水酸化物水溶液の濃度を7mol/L以上14mol/L以下、または、飽和水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度の1/2以上1/4以下、反応容器内の水素発生剤のアルミニウムに対するアルカリ金属のモル比を4以上10以下、反応溶液の温度を50℃以上に設定すると、式(1)の反応により水に可溶である反応副生成物(NaAl(OH))が継続して発生する。こうすることで、反応容器12内に反応副生成物の堆積物が蓄積されるのを防止することができる。上記反応条件とするには、水素発生剤のアルミニウム量、NaH、LiHまたはKH量、反応溶液濃度を適切に設定すると良い。
反応容器12内のアルカリ金属水酸化物を含む反応溶液は、反応溶液排出部18を介してタンク13に供給されるとともに、ポンプ19によって反応溶液として反応容器12に循環される。従って、起動用容器21内の粉体26がなくなった後でも、タンクから反応溶液の供給が継続されるので、水素発生が継続される。
図1の変形例として反応溶液供給部と起動部とを別系統で設ける場合、反応工程において反応溶液供給部を起動させ、タンク内部の反応溶液を反応容器に供給する工程が追加される。
<第2実施形態>
図3は第2実施形態に係る水素発生装置における起動部の概略図である。図3において、図2と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
第2実施形態に係る水素発生装置は、起動部14の採取部22の下流側に希釈部30が設置される。希釈部30は、希釈容器31、希釈容器31に接続される希釈液供給部32及び反応溶液排出部33を備える。希釈容器31は採取部22に接続されている。反応溶液排出部33は反応容器12に接続される。
希釈液供給部32は、配管34とポンプ35とを備える。配管34の一方の端部は希釈容器31に接続され、他方の端部は希釈液を収容するタンク13に接続される。タンク13に代えて供給源が別途設置されていても良い。
図3の起動部を有する水素発生装置の運転方法の一実施形態を以下で説明する。
収納工程、溶解工程、及び、反応工程は、第1実施形態と同様である。
(起動用反応溶液供給工程)
第1実施形態と同様の工程で、起動部14が起動されて起動用の反応溶液が生成する。採取部22が起動用容器21上部の起動用の反応溶液を採取し、反応溶液を希釈容器31に搬送する。
(希釈工程)
ポンプ35は、配管34を通じてタンク13内部の反応溶液を希釈容器31に供給する。希釈容器31内で高濃度の反応溶液は希釈液により希釈される。希釈された反応溶液は、起動用反応溶液排出部33により希釈容器31から排出され、反応容器12に搬送される。
なお本実施形態において希釈液は水とされるが、NaOH、LiOHまたはKOH等のアルカリ金属水素化物を含んだ水溶液や、反応溶液排出部18を介して反応容器12からタンク13へと排出され希釈された反応溶液を含むものであっても良い。
第2実施形態の場合、起動用容器21で生成される反応溶液の濃度は、第1実施形態で説明した反応容器への供給に適した以上に飽和に近い高濃度とすることができる。起動用容器21内で生成される起動用の反応溶液の濃度は、収納される粉体の量と起動用容器に供給する溶媒の量および供給速度によって決定される。本実施形態によれば、希釈工程を設けたことによって反応溶液濃度をコントロールしやすく、起動用容器内のNaOH、LiOHまたはKOH等の粉体26の収納効率を大きくできるので起動用容器21を小さくすることも可能となり、反応容器の小型化につながる。
<第3実施形態>
図4は、第3実施形態の水素発生装置を備える燃料電池システムの概略図である。図4において、図1と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
第3実施形態の水素発生装置40には、反応容器12に圧力計測部(圧力計)41が設置されている。圧力計測部41は、反応容器12内部の水素圧力を計測する。
反応容器12の側面に、反応容器12内部の反応溶液の液面の高さを計測する液面計測部42が設置される。
反応容器12の底部に、反応容器12内部の反応溶液の温度を計測する温度計測部43が設置される。反応容器12内に比べて反応溶液排出部18の温度が低いため、反応溶液排出部18への流路過程で冷やされて配管中にNaOH,LiOHまたはKOHが析出する場合がある。このため、温度計測部43は反応容器12と反応溶液排出部18との接続部近傍に設置されることが好ましい。また、温度計測部43は、反応容器12と反応溶液排出部18とにそれぞれ設置されても良い。
圧力計測部41、液面計測部42、及び、温度計測部43は、制御部44に接続される。制御部44は例えばコンピュータとされる。
制御部44は、反応溶液供給部17のポンプ19に接続される。また、制御部44は、反応溶液排出部18のバルブ20に接続される。
本実施形態において、濃度取得部は制御部44に格納されている。この場合、濃度取得部は、ポンプ19の反応溶液供給量と水素発生剤16の溶解量とに基づいて、反応容器12内の反応溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度を取得する。水素発生剤16の溶解量は、燃料電池2の放電容量に比例する。従って、放電容量と水素発生剤の溶解量との相関関係を予め取得しておき、その情報を濃度取得部に格納しておく。燃料電池2と制御部44とを接続し、燃料電池システムの運転時の燃料電池2の放電容量を計測し、制御部44に送信すれば、濃度取得部は上記相関関係に基づいて反応溶液の濃度を取得できる。
なお、反応容器12における反応溶液中のアルカリ金属水酸化物水溶液の濃度を直接測定可能な濃度計を濃度取得部として設置し、制御部と接続しても良い。
図4の水素発生装置40は、反応溶液供給部17に起動部14を設けた例である。起動部14は第1実施形態または第2実施形態で説明したものが採用可能である。なお、本実施形態では、タンク13に予めアルカリ金属水酸化物水溶液を収納しておけば、これによりアルミニウム容器を溶解できるので、起動部を設置しなくても構わない。
第3実施形態の水素発生装置40の運転方法を以下で説明する。
(収納工程)
第1実施形態と同様の工程で、水素発生剤16が反応容器12内部の所定位置に収納される。
(起動用反応溶液供給工程)
制御部44はポンプ19を起動する。これにより、タンク13内部の起動用の反応溶液が反応溶液供給部17を通じて所定量が反応容器12に搬送される。なお、第1実施形態または第2実施形態と同様の起動部14を設ける場合は、第1実施形態または第2実施形態の工程にて起動を行う。
(反応工程)
反応容器12内部に流入した起動用の反応溶液は、反応容器12の底部に貯留される。反応溶液が水素発生剤16と接触すると、式(1)のように接触部分でアルミニウム容器が溶解するとともに、水素が発生する。アルミニウム容器に穴が開き、内部のNaH、LiHまたはKHが露出すると、NaH、LiHまたはKHが反応溶液と接触して、式(2)の反応により水素が発生する。
水素の発生量は、水素発生剤16と反応溶液との接触面積に依存する。液面計測部42は、反応容器12内の反応溶液の液面高さを計測する。計測された値は、制御部44に送信される。
制御部44は、反応溶液排出部18のバルブ20を開放する。これにより、反応溶液を反応容器12とタンク13との間で循環させる。
(水素発生量制御工程)
燃料電池2の放電容量は、水素発生装置40から供給される水素量に依存する。また、水素供給部7のバルブ8により調整されているので、反応容器12内の圧力を安定化させる必要がある。このため、制御部44は、必要に応じて水素発生量の調整を実施する。
(圧力計測工程)
圧力計測部41が反応容器12内部の水素圧力を計測する。計測された圧力値は、制御部44に送信される。
(温度計測工程)
温度計測部43が反応容器12内の反応溶液の温度を計測する。ここでは、反応容器12と反応溶液排出部18との接続部近傍の温度を計測することが好ましい。計測された値は、制御部44に送信される。
(濃度取得工程)
濃度取得部が燃料電池2の放電容量の値を取得する。濃度取得部は、放電容量と水素発生剤の溶解量との相関関係に基づき、水素発生剤の溶解量を算出する。濃度取得部は、ポンプ19における反応溶液供給量を取得する。濃度取得部は、反応溶液供給量と水素発生剤溶解量から、反応容器12内の反応溶液中のアルカリ金属水酸化物濃度を算出する。算出された濃度の値は、制御部44に送信される。
あるいは、濃度取得部が濃度計とされて反応容器中の反応溶液の濃度を測定し、測定値を制御部44に送信しても良い。
(液面計測工程)
液面計測部42が反応容器12内の反応溶液の液面の高さを計測する。計測された値は、制御部44に送信される。
(液面調整工程)
制御部44は、計測された圧力値を設定圧力と比較する。設定圧力の値は、燃料電池に要求される放電容量や反応容器の設計時の許容圧力などにより適宜設定される。
制御部44は、計測された温度の値を設定温度と比較する。本実施形態において、設定温度は50℃以上150℃以下の間で所定範囲内の値とされる。反応式(1)及び(2)は発熱反応であるため、反応が継続すると反応溶液の温度が上昇する。
制御部44は、取得した濃度の値と設定濃度とを比較する。本実施形態における反応溶液中のアルカリ金属水酸化物の設定濃度は、第1実施形態と同様に、7mol/L以上14mol/L以下、または、飽和水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度の1/2以上1/4以下の間で所定範囲内の値とされる。
計測された圧力、温度及び濃度がそれぞれ設定圧力、設定温度及び設定濃度を満たす場合、制御部44は、反応容器12への反応溶液の供給量及び反応容器12からの反応溶液の排出量を維持する。これにより、液面の高さが維持される。
計測された圧力、温度及び濃度のうち少なくとも1つが、設定圧力、設定温度及び設定濃度と異なる場合、制御部44は、液面計測部42で計測される液面高さを監視しながら、反応容器12への反応溶液の供給量及び反応容器12からの反応溶液の排出量を変動させる。制御部44は、圧力、温度及び濃度が設定値を満たすまで、液面の高さの調整を実施する。
具体的に、計測値が設定圧力よりも高い場合、制御部44はポンプ19における反応溶液流量を低減させるとともに、バルブ20の開度を増大させる。制御部44は、接触面積が所定の値になるように、反応容器12内の反応溶液の液面高さを低下させる。
計測値が設定圧力よりも低い場合、制御部44はポンプ19における反応溶液流量を増大させるとともに、バルブ20の開度を低減させる。制御部44は、接触面積が所定の値になるように、水素圧力が設定圧力になるまで液面高さを増加させる。
なお、水素発生剤が残存する状態で水素発生を停止する場合、制御部44は、所要の水素圧となるまで反応溶液の液面を低下させる。水素発生を再開する場合は、制御部44は所定の水素圧になるまで、反応溶液の液面を上昇させる。
計測された温度が設定温度を超える場合、制御部44は、ポンプ19における反応溶液流量を増大させるとともに、バルブ20の開度を増大させる。すなわち、反応溶液の循環量を増大させる。ここで、液面計測部42で計測される液面高さの値が一定になるように、制御部44は流量及びバルブの開度を調整する。
タンク13に収容されている反応溶液の温度は、反応容器12内の反応溶液の温度よりも低い。そのため、上記工程により循環量を増大させると、反応容器内の反応溶液の温度が低下する。また、液面高さを下げることにより、発熱反応そのものを抑えることで温度を下げることができる。
取得した濃度の値が設定濃度より高い場合(例えば副生成物の析出を防ぐための濃度限界を超える場合)、制御部44はポンプ19における反応溶液流量を増大させるとともに、バルブ20の開度を増大させる。すなわち、反応溶液の循環量を増大させる。ここで、液面計測部42で計測される液面高さの値が一定になるように、制御部44は流量及びバルブの開度を調整する。
式(2)の反応により、反応容器12内のアルカリ水溶液濃度はタンク13内の濃度より高い。このため、反応溶液の循環量を増大させることにより、反応容器内のアルカリ水溶液濃度が低下する。
<第4実施形態>
図5は、第4実施形態に係る水素発生装置の概略図であり、図4の水素発生装置の変形例である。本実施形態の水素発生装置50は、第2実施形態の起動部14が反応溶液供給部17の経路中に設けられている。また、反応溶液排出部18の経路中に、別の希釈容器36が設置されている。希釈容器31,36に接続されるポンプ35は、制御部44に接続される。
希釈容器36は、反応溶液排出部18において、反応容器12内にて水素発生剤により生成したアルカリ金属水酸化物を含む高濃度の反応溶液に、より低濃度であるタンク13内の反応溶液を供給する。希釈容器31,36からタンク13内の反応溶液を供給することにより、効果的に反応溶液を希釈することができ、反応容器12中の反応溶液の温度や濃度を調整することができる。制御部44は、温度計測部43や濃度取得部から取得する温度及び濃度に基づいて、ポンプ35を制御して希釈容器31,36への供給量を制御する。
<第5実施形態>
図6は、第5実施形態の水素発生装置を備える燃料電池システムの概略図である。図6において、図1及び図4と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
第1実施形態及び第3実施形態と異なり、第5実施形態の水素発生装置60は、水溶液排出部を備えていない。従って、反応容器12中に供給された反応溶液は、反応容器12内に蓄積される。
本実施形態では、反応容器12に圧力計測部41が設置される。
第5実施形態の水素発生装置60は、反応容器12内の上部に吊下部51を備える。吊下部51は、水素発生剤16を鉛直方向に吊下げて担持する。
本実施形態では、反応溶液供給部17に起動部14が設置される。起動部14は、第1実施形態または第2実施形態と同じ物とされる。起動部14の起動用容器内には、NaOH粉体、LiOH粉体またはKOH粉体が収納されている。タンク13には、水が収納されている。
図6は1つの反応容器12に複数の水素発生剤16を収納する場合を図示しているが、1本の水素発生剤を収納する反応容器を複数連結したものとすることができる。この場合、各反応容器は独立に運転できるようにしておくと良い。
第5実施形態の水素発生装置60の運転方法を、図6及び図7を用いて説明する。図7は、反応容器に1本の水素発生剤を収納した例である。
(収納工程:図7(a))
水素発生剤16が吊下部51に取り付けられて、反応容器12内部に収納される。
(反応溶液供給工程:図7(b))
制御部44はポンプ19を起動する。制御部44は、ポンプ19により、タンク13内の水を所定の供給量で配管を通じて起動用容器に搬送する。起動用容器内に流入した水にNaOH粉体、LiOH粉体またはKOH粉体が溶解する。これにより、反応溶液が生成される。
起動部14の採取部は、起動用容器上部の反応溶液を採取し、起動用容器から排出する。排出された反応溶液は、反応溶液供給部17を通じて反応容器12に搬送される。
(溶解工程:図7(b))
反応容器12上部から流入した反応溶液は、反応容器12の底部に貯留される。反応溶液と水素発生剤16の下端部が接触すると、接触した部分でアルミニウム容器が反応溶液中に溶解する(図7(b))。溶解が進行すると、接触した部分でアルミニウム容器に穴が開き、NaH、LiHまたはKHが露出する。
(反応工程:図7(b),(d))
NaH、LiHまたはKHが露出すると、反応溶液はNaH、LiHまたはKHと接触して反応し、水素が発生する。発生した水素は、水素排出部15を通じて反応容器12から排出され、燃料電池2に供給される。
起動用容器内のNaOH粉体、LiOH粉体またはKOH粉体が無くなると、タンク13から反応溶液供給部17を通じて水が反応容器12に供給される。
反応式(2)に示すように、NaH、LiHやKHの反応によりNaOH、LiOHやKOHが生成する。このため本実施形態では、起動用容器内のNaOH粉体、LiOH粉体またはKOH粉体が反応終了前に消失しても、タンク13から水が反応容器12に供給されれば、アルミニウム容器の溶解及びNaH、LiHまたはKHの反応が継続される。
反応溶液は反応容器12に蓄積される。水素発生反応が継続されると、水素発生剤16が短くなり、水素発生剤16の下端部は上方に移動する。こうなると水素発生剤16の下端部と反応溶液との接触が確保できないため、反応溶液供給部17から反応溶液が供給され反応溶液の液面が上昇する。このため、水素発生剤16と反応容器との接触が確保される。反応終了時(図7(d))では、水素発生剤は消失し、液面は吊下部51に到達する。
(水素発生量制御工程:図7(c))
本実施形態において、水素発生量は反応溶液の液面を調整することにより制御される。
圧力計測部41は、反応容器12内部の水素圧力を計測する。計測された圧力値は、制御部44に送信される。
制御部44は、計測された圧力値を設定圧力と比較する。設定圧力の値は、燃料電池に要求される放電容量や反応容器の設計時の許容圧力などにより適宜設定される。
計測された圧力値が設定圧力である場合、制御部44は、反応容器12への反応溶液の供給量を維持する。
計測された圧力値が設定圧力から外れる場合、制御部44は、反応溶液供給部17のポンプ19による水または反応溶液の供給量を変動させる。水または反応溶液の供給量が変動すると、反応溶液の液面の上昇率が変更され、水素発生剤16と反応溶液との接触面積が変更される。これにより水素発生量が調整される。
具体的に、計測される圧力値が設定圧力より高い場合、制御部44は水または反応溶液の供給量を低下させる。これにより、反応溶液の液面の上昇率が低下し、接触面積が低減して、水素発生量が低下する。
計測される圧力値が設定圧力より低い場合、制御部44は水または反応溶液の供給量を上昇させる。これにより、反応溶液の液面の上昇率が増大し、接触面積が増大して、水素発生量が増大する。
水素発生剤が残存する状態で水素の発生を停止する場合、制御部44は水または反応溶液の供給を停止する。停止後、暫くの間は反応溶液と接触している部分では水素発生剤からの水素発生は継続されるが、水素発生剤が溶解し反応溶液と接触しなくなると、水素の発生が停止される。
第5実施形態では、アルミニウム容器がアルカリ金属水酸化物水溶液と反応して固形状の反応副生成物(Al(OH)、AlO(OH)、NaO・Al・2.5HO)が析出する場合、反応容器からの反応溶液の排出経路がないため、反応副生成物は反応容器の底部に蓄積される。本実施形態では反応溶液供給部は反応容器の上部に設けられるので、供給口周辺が閉塞されることはない。また、水素発生剤の下端部は、反応が進むにつれて上方に移動する。このため、水素発生反応が阻害されることなく、反応を継続させることができる。
<第6実施形態>
図8は、第6実施形態の水素発生装置60における反応容器を示す概略図である。図8において、図7と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
第6実施形態の水素発生装置では、反応容器12の外側上部に、吊下部可動装置52が設置される。吊下部可動装置52は吊下部51に接続される。吊下部可動装置52は、吊下部51を上下に移動可能とする。吊下部51の移動に伴い、水素発生剤16も上下に移動する。吊下部可動装置52は、制御部に接続される。
第6実施形態の水素発生装置の運転方法を、図8を用いて説明する。第6実施形態では、収納工程から反応工程までは第5実施形態と同様とされる。
(水素発生量制御工程)
第5実施形態と同様に、圧力計測部41は、反応容器12内部の水素圧力を計測する。計測された圧力値は、制御部に送信される。
制御部は、計測された圧力値を設定圧力と比較する。計測された圧力値が設定圧力である場合、制御部は反応容器12への反応溶液の供給量を維持する(図8(a))。
計測された圧力値が設定圧力から外れる場合、制御部は、ポンプによる水または反応溶液の供給量を変動させる。水または反応溶液の供給量が変動すると、反応溶液の液面の上昇率が変更される。また、制御部は、吊下部可動装置52を作動させて、吊下部51を変位させる。これにより、水素発生剤16も変位する。この結果、水素発生剤16と反応溶液との接触面積が変更され、水素発生量が調整される。
具体的に、計測される圧力値が設定圧力より高い場合、制御部は水または反応溶液の供給量を低下させ、反応溶液の液面の上昇率が低下させる。制御部は、吊下部可動装置52により吊下部を上昇させて、水素発生剤16を上昇させる。これにより、接触面積が低減して、水素発生量が低下する。
計測される圧力値が設定圧力より低い場合、制御部は水または反応溶液の供給量を上昇させ、反応溶液の液面の上昇率を増大させる。制御部は、吊下部可動装置52により吊下部51を下降させて、水素発生剤16を下降させる。これにより、接触面積が低減して、水素発生量が低下する。
水素発生剤が残存する状態で水素の発生を停止する場合、制御部44は反応溶液の供給を停止する。制御部は、吊下部可動装置52により吊下部を上昇させて、水素発生剤16を反応溶液の液面よりも高くする。これにより、水素発生剤16と反応溶液とが離間されるので、水素の発生が迅速に停止される。
第6実施形態においても、アルミニウム容器がアルカリ金属水酸化物水溶液と反応して固形状の反応副生成物(Al(OH)、AlO(OH)、NaO・Al・2.5HO)が析出する場合、反応容器からの反応溶液の排出経路がないため、反応副生成物は反応容器の底部に蓄積される。本実施形態では反応溶液供給部は反応容器の上部に設けられるので、供給口周辺が閉塞されることはない。また、水素発生剤の下端部は、反応が進むにつれて上方に移動する。このため、水素発生反応が阻害されることなく、反応を継続させることができる。
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 酸素発生装置
4 リチウム2次電池
5 負荷
6 酸素供給部
7 水素供給部
8,20 バルブ
9 熱交換器
10 冷却器
11,40,50,60 水素発生装置
12 反応容器
13 タンク
14 起動部
15 水素排出部
16 水素発生剤
17 反応溶液供給部
18 反応溶液排出部
19,25,35 ポンプ
21 起動用容器
22 採取部
23 溶媒供給部
24,34 配管
30 希釈部
31,36 希釈容器
32 希釈液供給部
33 起動用反応溶液排出部
41 圧力計測部
42 液面計測部
43 温度計測部
44 制御部
51 吊下部
52 吊下部可動装置

Claims (19)

  1. アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている水素発生剤と、
    内部に前記水素発生剤を収納し、底部に前記水素発生剤と反応を行う反応溶液を収納可能とする反応容器と、
    前記反応容器の上部に設けられ、前記水素発生剤と前記反応溶液の反応により発生する水素を前記反応容器から排出可能とする水素排出部と、
    内部に前記反応溶液の溶媒を収納するタンクと、
    前記反応容器及び前記タンクに接続され、前記タンク内の前記水または前記反応溶液を前記反応容器に供給する反応溶液供給部と、前記反応容器に連結され、前記反応溶液を前記反応容器内に供給する起動部とを備え、
    前記起動部が、アルミニウム製の容器を溶解可能であり、前記反応溶液の溶質とされる物質を収納する起動用容器と、前記反応溶液を採取して前記起動用容器から排出する採取部とを備え、
    前記起動部が、起動時に前記採取部で採取され前記起動用容器から排出された前記反応溶液を前記反応容器に供給し、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液が接触し反応することで水素を発生させる水素発生装置。
  2. 前記物質がアルカリ金属水酸化物の水溶液とされ、
    前記起動用容器の内部に、所定量の前記アルカリ金属水酸化物が収納され、
    前記起動用容器の底部に、前記タンク内の前記反応溶液の溶媒を供給する溶媒供給部を更に備え、
    前記採取部が前記起動用容器の上部に設けられ、
    前記溶媒供給部を介して前記タンクから供給された前記溶媒に前記溶質を溶解させて前記反応溶液を生成し、該反応溶液のうち前記起動用容器の上方に存在する前記反応溶液を前記採取部が採取して前記起動用容器から排出する請求項1に記載の水素発生装置。
  3. 前記起動部が前記反応溶液供給部に設置され、
    前記タンク内の前記反応溶液の溶媒が、前記溶媒供給部を通じて前記起動用容器に供給される請求項2に記載の水素発生装置。
  4. 前記反応容器及び前記タンクに接続され、前記反応容器内の前記反応溶液を前記タンクに供給する反応溶液排出部を更に備え、
    前記反応溶液供給部と前記反応溶液排出部とが、前記反応溶液を前記反応容器と前記タンクとの間で循環させる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水素発生装置。
  5. 前記採取部の下流側に希釈部を更に備え、
    前記希釈部が、希釈容器と、該希釈容器に接続される希釈液供給部と、前記希釈容器に接続される起動用反応溶液排出部とを備え、
    前記採取部が前記希釈容器に前記反応溶液を供給し、前記希釈液供給部が前記希釈容器に希釈液を供給し、前記希釈容器内で前記反応溶液と前記希釈液とが混合して前記反応溶液が希釈され、
    前記起動用反応溶液排出部が前記希釈された反応溶液を前記希釈容器から排出して前記反応容器に供給する請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の水素発生装置。
  6. 前記希釈液供給部が前記タンクに接続し、前記希釈液が前記タンク内の前記反応溶液の溶媒とされる請求項5に記載の水素発生装置。
  7. アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている水素発生剤と、
    内部に前記水素発生剤を収納し、底部に前記水素発生剤と反応を行う反応溶液を収納可能とする反応容器と、
    前記反応容器の上部に設けられ、前記水素発生剤と前記反応溶液の反応により発生する水素を前記反応容器から排出可能とする水素排出部と、
    内部に前記反応溶液の溶媒を収納するタンクと、
    前記反応容器及び前記タンクに接続され、前記タンク内の前記反応溶液を前記反応容器に供給する反応溶液供給部と、
    前記反応容器内部の前記反応溶液を前記反応容器から排出し、前記排出された前記反応溶液を前記タンクに供給する反応溶液排出部と、
    前記反応容器に設置され、前記反応容器内の水素の圧力を計測する圧力計測部と、前記反応容器に設置され、前記反応容器内における前記反応溶液の液面の高さを計測する液面計測部と、前記反応容器または前記反応溶液排出部に少なくとも1つ設置され、前記反応容器の前記反応溶液排出部との連結部分近傍における前記反応溶液の温度を計測する温度計測部と、前記反応容器内の前記反応溶液中の溶質の濃度を計測する濃度取得部と、前記反応溶液供給部、前記反応溶液排出部、前記圧力計測部、前記液面計測部、前記温度計測部及び前記濃度取得部と接続される制御部とを備え、
    該制御部は、
    前記圧力、前記温度及び前記濃度の少なくとも1つに基づいて、前記反応容器への前記反応溶液の供給量と、前記反応容器からの前記反応溶液の排出量とを調整して前記液面の高さを変動させて前記水素の発生量を制御する水素発生装置。
  8. 前記反応溶液供給部及び前記反応溶液排出部の少なくとも一方に、前記反応溶液を希釈するための希釈容器を備える請求項7に記載の水素発生装置。
  9. 前記希釈容器が前記タンクに接続し、前記希釈液が前記タンク内の前記反応溶液とされる請求項8に記載の水素発生装置。
  10. アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている棒状の水素発生剤と、
    内部に前記水素発生剤を収納し、底部に前記水素発生剤と反応を行う反応溶液を収納可能とする反応容器と、
    前記反応容器の上部に設けられ、前記水素発生剤と前記反応溶液の反応により発生する水素を前記反応容器から排出可能とする水素排出部と、
    前記反応容器内の上部に設置され、前記水素発生剤を吊下げて担持する吊下部と、
    内部に前記反応溶液の溶媒を収納するタンクと、
    前記反応容器の上部に接続され、前記反応容器と前記タンクとを連結し、前記反応容器に前記反応溶液を供給する反応溶液供給部と、
    前記反応溶液供給部の経路中に設置され、内部に前記アルカリ金属水酸化物の粉体を収納する起動部と、
    前記反応容器に設けられ、前記反応容器内の水素圧力を計測する圧力計測部と、
    前記測定された水素圧力に基づいて、前記反応溶液供給部から前記反応容器への前記反応溶液の供給量を変更して前記水素の発生量を制御する制御部とを備える水素発生装置。
  11. 前記反応容器の上部に設置され、前記吊下部を上下に移動可能とする吊下部可動装置を更に備え、該吊下部可動装置が作動して前記水素発生剤が上下に移動可能とされる請求項10に記載の水素発生装置。
  12. アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている水素発生剤を、反応容器の内部に収納する収納工程と、
    前記水素発生剤と反応を行うための反応溶液を、前記反応容器の底部に供給する起動用反応溶液供給工程と、
    前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触させ、接触した部分で前記アルミニウム製の容器を溶解させて、前記アルカリ金属水素化物の粉体を露出させる溶解工程と、
    前記反応容器内の底部に供給された前記反応溶液を前記水素発生剤の前記アルミニウム製の容器及び前記粉体と接触させて、水素を発生させる反応工程とを含む水素発生装置の運転方法。
  13. 前記起動用反応溶液供給工程が、アルカリ金属水酸化物の粉体が収納される起動用容器の底部から、前記反応溶液の溶媒を供給する溶媒供給工程と、
    前記アルミニウム製の容器を溶解可能であり、前記反応溶液の溶質とされる物質を前記溶媒に溶解させ、前記反応溶液を得る反応溶液生成工程と、
    前記反応溶液のうち前記起動用容器の上方に存在する反応溶液を採取して、前記起動用容器から排出させる排出工程とを含む請求項12に記載の水素発生装置の運転方法。
  14. 前記反応容器内の前記反応溶液を前記タンクに供給して、前記反応容器と前記タンクとの間で前記反応溶液を循環させる循環工程を更に備える請求項12または請求項13に記載の水素発生装置の運転方法。
  15. 前記起動用反応溶液供給工程が、前記起動用容器から排出された反応溶液を、前記タンクから供給された希釈液で希釈する希釈工程を更に含む請求項13または請求項14に記載の水素発生装置の運転方法。
  16. 前記希釈工程の前記水または前記アルカリ金属水酸化物水溶液が前記タンクから供給される請求項15に記載の水素発生装置の運転方法。
  17. アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属水素化物とされる粉体が密封されている水素発生剤を、反応容器の内部に収納する収納工程と、
    前記水素発生剤と反応を行うための反応溶液を、前記反応容器内で所定の液面の高さになるまで前記反応容器の底部に供給する起動用反応溶液供給工程と、
    前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触し反応させて、前記アルミニウム製の容器を溶解し所定量の水素を発生するとともに、前記粉体と前記反応溶液とを反応させて所定量の水素を発生させる反応工程と、
    前記反応容器で発生する水素量を制御する水素発生量制御工程とを含み、
    前記水素発生量制御工程が、
    前記反応容器内の水素圧力を計測する圧力計測工程と、
    前記反応容器内の前記反応溶液の温度を計測する温度計測工程と、
    前記反応容器内の前記反応溶液中の溶質の濃度を取得する濃度取得工程と、
    前記液面の高さを計測する液面計測工程と、
    計測された前記圧力、前記温度、及び前記濃度の値が設定値を満たす場合、前記反応容器への前記反応溶液の供給量及び前記反応容器からの前記反応溶液の排出量を維持して、前記液面の高さを一定にし、
    計測された前記圧力、前記温度、及び前記濃度の値のうち少なくとも1つが設定値と異なる場合、前記供給量及び前記排出量を変更して、前記液面の高さを所定量だけ増加または低下させる液面調整工程とを含む水素発生装置の運転方法。
  18. アルミニウム製の容器の内部に、NaH、LiHまたはKHとされる粉体が密封されている水素発生剤を、前記反応容器の上部に設けられる吊下部に固定し、該吊下部により前記水素発生剤を鉛直方向に吊下げて前記反応容器の内部に収納する収納工程と、
    アルミニウム製の容器を溶解可能な物質を含む反応溶液を所定の供給量で反応容器の底部に供給する反応溶液供給工程と、
    前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触させ、接触した部分で前記アルミニウム製の容器を溶解させて、前記アルカリ金属水素化物の粉体を露出させる溶解工程と、
    前記反応容器の底部に前記反応溶液供給して、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触させて、前記アルミニウム製の容器を溶解させるとともに前記アルミニウム製の容器から所定量の水素を発生させ、前記粉体と前記反応溶液とを反応させて所定量の水素を発生させる反応工程と、
    前記反応容器内への前記反応溶液の供給量を調整して、水素発生量を制御する水素発生量制御工程とを含み、
    前記水素発生量制御工程が、
    前記反応容器内の水素圧力を計測する圧力計測工程と、
    前記計測された圧力の値が設定圧力である場合に、前記反応容器への前記反応溶液の供給量を維持し、
    前記計測された水素圧力の値が設定圧力よりも高い場合に、前記反応溶液の供給量を減少させる、または、前記反応溶液の供給量を停止し、
    前記計測された水素圧力の値が設定圧力よりも低い場合に、前記反応溶液の供給量を増大させる反応溶液供給量調整工程とを含む水素発生装置の運転方法。
  19. 前記水素発生量制御工程が、
    前記計測された水素圧力の値が設定圧力よりも高い場合に、前記吊下部を上昇させて前記水素発生剤を前記反応溶液から離間させ、
    前記計測された水素圧力の値が設定圧力よりも低い場合に、前記吊下部を下降させて前記水素発生剤と前記反応溶液との接触面積を増大させる水素発生剤移動工程を更に含む請求項18に記載の水素発生装置の運転方法。
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