JP2013180910A - 水素発生剤及び水素発生装置、並びに、水素発生方法 - Google Patents

水素発生剤及び水素発生装置、並びに、水素発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な機構で所定量の水素発生剤と水素発生促進剤を接触させることができる水素発生剤及びそれを用いた水素発生装置、水素発生方法を提供する。
【解決手段】水素発生剤は、アルミニウム製の容器の内部にNaHまたはLiH、KHとされる粉体が圧縮して収納されたものとされる。上記水素発生剤30を水素発生装置の反応容器12内に収納する。反応容器12の底部にアルカリ水溶液とされる反応溶液を供給し、水素発生剤30の下端部と接触させる。これにより、アルミニウム製の容器が溶解するとともに水素が発生する。アルミニウム製の容器が溶解すると、内部の上記粉体と反応溶液とが接触し、水素が発生する。アルミニウム製の容器の溶解に伴い水素発生剤30が下方部に移動することにより、または、反応溶液の液面を上昇させることにより、反応が継続される。
【選択図】図7

Description

本発明は、燃料電池の水素供給源である水素発生装置及び水素発生装置に収容される水素発生剤、並びに、上記水素発生剤及び水素発生装置を用いた水素発生方法に関する。
水中で使用されるロボットや海中でデータを収集する観測装置などには、電源装置が搭載される。電源装置の1つの方式に燃料電池がある。燃料電池には、酸素供給源と、水素供給源とされる水素発生装置が必要とされる。
水素発生装置は、反応容器内で水素発生剤と水素発生促進剤とを接触させて水素を発生させる。水素発生剤は、NaBH,LiBH,LiH,NaH,MgH,AlHなどの金属水素化物や、Na,Li,Mg,K,Alなどの金属があり、単体もしくはそれらを組合せたもので構成される。水素発生促進剤は、水やアルコールなどとされる。
特許文献1は、NaBH,LiBHなどの金属水素化物の粉体を、容器内に収納される水素発生促進剤に投入し、水素を発生させる方法を開示している。特許文献1では、容器の上方に設けられるホッパに金属水素化物の粉体を収納し、ホッパの下方に設置されるフィーダで所定量の金属水素化物粉体を水素発生促進剤中に投入して、所定量の水素を発生させる。あるいは、特許文献1では、金属水素化物の粉体をアクリル樹脂などのカプセルまたはボールに充填し、これらをホッパに収納している。フィーダで所定量のカプセルまたはボールを供給し、フィーダ下方に設置されるカッターなどの機械的手段または熱的手段によりカプセルまたはボールを破壊してから水素発生促進剤中に投入している。
特許文献2は、アルミニウム製パイプの内部にナトリウムを溶融状態で充填し、ナトリウムを固化して作製された水素発生具を開示している。特許文献2では、パイプ先端部及びナトリウム先端部をカッター等によって水素発生に適した大きさに切断し、切断されたパイプ小片及びナトリウム片を水または乳化水に浸漬させて水素を発生させている。
特開2002−187595号公報(請求項7〜10、段落[0035]〜[0041]) 特開2006−76846号公報(請求項1,5、段落[0018]〜[0019])
特許文献1及び特許文献2では、水素発生剤と水素発生促進剤とを接触させて水素を発生させるために、ホッパ、フィーダ、カッターなどの付帯機構が反応容器に設置される。更に、付帯設備を設置するのに伴い、気密機構が複雑化する。このため、システムの容積が増大してしまう。また、これらの機構を水素雰囲気で駆動可能とする必要があった。
また、各特許文献に記載される水素発生剤と水素発生促進剤との反応では、反応を維持させるために作動温度を高温にする場合がある。この場合、ヒータや冷却機構、及び、容器の断熱構造などが必要となり、システムが複雑化する。
上記の理由により、従来の水素発生装置では設計の自由度が乏しいために、容積効率やエネルギー効率、操作性が悪く、水素発生装置の小型化が困難である。このため、観測装置等への適用が困難であった。
上述の水素発生剤と水素発生促進剤との反応では、水素とともに反応生成物が生じる。この反応生成物は、水素発生装置の運転条件によって水素発生促進剤に対して不溶性あるいは難溶性となり得、容器内に反応生成物の固形物が蓄積する。反応終了後に反応生成物を容器内から取り出す必要があり、後処理が煩雑となる。また、水素発生剤を容器に追加投入するほど蓄積される反応生成物量が増大するので、追加投入量には限界があり、長時間反応を継続させることは困難である。水素発生を継続させるには場合、容器を交換することになるが、容器コストが加算される上、分解・組立作業が必要となり、非経済的である。
また、特許文献1のカプセル等は、反応の過程で水素発生促進剤に溶解する。このとき、反応状態によってはCOなどの有機ガスが発生する可能性がある。有機ガスは燃料電池の反応に寄与しない不純物ガスになるだけでなく、燃料電池内の電界膜に悪影響を与える恐れがある。
本発明は、簡易な機構及び工程で水素発生剤と水素発生促進剤を接触させて、所定量の水素を発生させる水素発生剤及びそれを用いた水素発生装置、水素発生方法を提供することを目的とする。また本発明は、固形状の反応生成物を発生させない水素発生装置及び水素発生方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属の水素化物とされる粉体が圧縮して密封されている水素発生剤を提供する。
本発明の水素発生剤は、水素発生源の主剤としてアルカリ金属水素化物を、副材としてアルミニウムを用いている。アルカリ金属水素化物としては、例えばNaH、LiHまたはKHを用いる。NaH、LiH及びKHの粉体は強い吸湿性を有するアルカリ金属水素化物であり、室温程度の低温でも雰囲気中の水分を吸収し、NaOH、LiOHまたはKOHを生成する。NaOH、LiOH及びKOHは強い潮解性を有しているため、雰囲気中の水分を吸収し水溶液化する。すなわち、これらアルカリ金属水素化物は、水素を発生しながらアルカリ水溶液となる特性がある。本発明ではこの特性を活用し、水素発生剤の表面に反応生成物が生じても、これらを液体として分離できる。このため、アルカリ金属水素化物と水分との反応が阻害されることがない。また、雰囲気中の湿分(水蒸気)のような少量の水分であっても、水素を発生させることができる。
一方で、このように強い潮解性を有することから、室内等での取扱性を高めるために容器内に収納する必要がある。本発明の水素発生剤は、アルミニウム容器にアルカリ金属水素化物を封入して密封したものとする。アルミニウム容器はNaOH、LiOH、KOHといったアルカリ水溶液に溶解し、消失する。この際、アルミニウム容器とアルカリ水溶液との反応から水素が発生するので、NaH等の粉体から発生する水素量より、単位容積あたりの水素発生量を増大させることができる。
上記発明において、前記粉体がペレット状の成形体に圧縮され、複数の前記成形体が積層された状態で前記アルミニウム製の容器の内部に収納されていることが好ましい。
こうすることで、粉体の状態よりも収納の容積効率が向上するとともに、圧縮状態を均一化させることができ、まばらに圧縮粉体が崩壊して水素発生量に変動が生じるのを防止することができる。
この場合、前記成形体とアルミニウム製のプレートとが交互に積層されて前記アルミニウム製の容器の内部に収納されていることが好ましい。
こうすることにより、アルカリ金属水素化物のペレットの間に存在するアルミニウムの量を調整することができ、反応系内のアルミニウムとアルカリ金属とのモル比(Na/Al)が調整されて、固形状の反応生成物の発生を抑制することができる。さらに、プレートとアルカリ金属水素化物とを交互に反応させることができる。アルミニウムの反応溶液への溶解速度は、アルカリ金属水素化物の水へ溶解速度に比べて遅いが、上記構成とすることにより、水素発生剤の端部からの溶解速度をほぼ一定に調整することが可能となる。また、
本発明は、内部に上記の水素発生剤を収納し、底部に前記水素発生剤と反応可能な反応溶液を収納可能とする反応容器と、前記反応容器から発生した前記水素を排出するための水素排出部と、前記反応溶液もしくは前記反応溶液の溶媒を収容するタンクと、該タンク内の前記反応溶液を前記反応容器に供給する反応溶液供給部とを備え、前記水素発生剤の下端部を前記反応溶液に接触させて、前記アルミニウム製の容器と前記反応溶液とを反応させて前記アルミニウム製の容器を溶解させるとともに前記アルミニウム製の容器から所定量の水素を発生させ、前記粉体と前記反応溶液とを反応させて前記粉体から所定量の水素を発生させる水素発生装置を提供する。
上記のように強い吸湿性を有するアルカリ金属水素化物を水素発生剤に用いることにより、低温でも反応し水素を発生させることができる。このため、本発明の水素発生装置は、室温程度でも起動できるため、作動温度が低いときに用いられるヒータを設ける必要がない。また、反応温度が150℃以下であるため、冷却構造、容器の断熱構造などは簡潔なものしか必要としない。
本発明の水素発生装置では、水素発生剤の下端部と反応溶液とが接触すると、アルミニウム製の容器が反応溶液に溶解する。反応溶液に接触して溶解することでアルミニウム製の容器に穴が開いてアルカリ金属水素化物が露出され、水素発生剤内部のアルカリ金属水素化物が反応溶液と接触する。これにより、アルミニウム製容器及びアルカリ金属水素化物から水素を発生する。水素発生剤が下側から溶解していくので、反応とともに水素発生剤が下方部に移動し、反応溶液との接触が確保される。従って、本発明の水素発生装置では、特許文献1及び2のように、水素発生剤と反応溶液(水素発生促進剤)の収納場所を分離する必要はなく、同一容器内に収納することができ、装置の小型化が容易となる。また、本発明の水素発生装置は、特許文献1及び2のように、カッターやフィーダなどの機構は必要としないため、装置を大幅に簡略化できるという効果を奏する。
上記発明において、前記反応容器中に収納される前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度が、7mol/L以上14mol/L以下、または、飽和水溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度の1/2以上1/4以下の濃度とされ、前記水素発生剤におけるアルミニウムに対するアルカリ金属のモル比が4以上10以下とされ、前記反応溶液の温度が50℃以上150℃以下とされることが好ましい。
反応溶液として上記条件のアルカリ金属水酸化物水溶液である反応溶液を用いることにより、反応生成物は水溶液化し、反応過程で固形状の反応副生成物の生成が抑制される。このため、反応終了後には、例えば反応容器内及びタンクから反応溶液を排出し、タンク内への水の充填、起動用NaOH粉体の充填、及び水素発生剤の追加投入を行えば水素発生装置を再運転することができる。その結果、反応終了後の後処理が簡素化され、反応容器ごと交換する必要もないため、装置メンテナンスに要するコストが大幅に削減される。
上記発明において、前記反応容器及び前記タンクに接続され、前記反応容器内の前記反応溶液を前記タンクに供給する反応溶液排出部を更に備え、前記反応溶液供給部と前記反応溶液排出部を介して前記反応溶液を前記反応容器と前記タンクとの間で循環させることが好ましい。
こうすることで、記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度を適正に制御することができ、水素発生装置系内で効率的に反応を実施することができる。また、反応容器内での水素発生剤の溶解及び反応溶液の水位を適正に保持することができる。このため、水素発生剤の溶解及び反応溶液との接触を適正に保持して、水素発生量を安定化させることができる。
この場合、前記反応容器内の上部に吊下部を備え、前記水素発生剤が前記吊下部に装着されて担持されていても良い。
この場合、前記水素発生装置の外側の上部に前記吊下部を上下に移動可能な吊下部可動装置を更に備えることが好ましい。
上記の構成では、水素発生剤と反応溶液との接触を調整するためには、反応溶液の供給量を調整すればよい。このため、反応容器から反応溶液を排出する機構、及び、排出した反応溶液を再度反応容器に循環させる機構は必要とされず、水素発生装置をより簡略化することができる。
吊下部可動装置を設けると、水素発生剤と反応溶液との接触をより効果的に調整することができる。
上記発明において、前記水素発生剤が複数の前記アルミニウム製の容器が鉛直方向に積層された積層体とされ、前記反応容器内にガイド枠が取り付けられており、前記水素発生剤の長軸方向が鉛直方向と略同一になるように前記ガイド枠の内側に収容されて、前記ガイド枠によって支持されていることが好ましい。
積層体とされる水素発生剤をガイド枠に収納して支持することにより、水素発生剤を反応容器の所定位置に整列して配置することができるので、収納効率が上昇する。また、反応中に水素発生剤が倒れ、反応量に変動が生じることを防止できる。また、水素発生剤と反応溶液との接触面積を調整するためには反応溶液の液面の高さを調節すれば良いので、制御が容易となる。
上記発明において、前記水素発生剤が棒状形状とされ、前記反応容器内にガイド枠が収納され、前記水素発生剤の長軸方向が鉛直方向と略同一となるように、前記水素発生剤が前記ガイド枠の内側に収納されて、前記ガイド枠によって支持されていることが好ましい。
ガイド枠を利用する効果は上述と同じである。棒状の水素発生剤とすれば、連続的に反応溶液に水素発生剤を供給されやすくなる。水素発生剤の一部が反応途中で崩れ落ち、水素発生量に変動が生じることを防止できる。また、反応により水素発生剤が下方に移動する際にガイド枠との接触による音が発生しにくく、静粛性が要求される環境での使用に適している。
上記発明において、1つの前記反応容器内に1つの前記水素発生剤が収納され、複数の前記反応容器が独立に動作されるように前記タンクに連結されていても良い。
上記構成では、水素発生量の微調整は水素発生剤と反応溶液との接触面積の調整で行い、水素発生量の大幅な変更は、反応を起こさせる反応容器の数を増減して実施する。こうすることで、水素発生量をより厳密且つ迅速に調整することが可能となる。
上記発明において、1つの前記反応容器が配置され、1つの前記ガイド枠または1つの前記吊下部が、複数の前記水素発生剤を、前記反応容器の水平方向に一列になるように整列して収納し、複数の前記ガイド枠または前記吊下部が、前記水素発生剤が整列される方向と略垂直であって前記反応容器の水平方向に整列して配置されていても良い。
1つの反応容器内に複数の水素発生剤を収納するので、装置構成を簡略化することができ、反応溶液の液面の制御が簡素化する。また、ガイド枠を用いて上記のように水素発生剤を整列させると、収納効率を向上させることができる。
この場合、前記水素発生剤の下端部と前記反応容器の底部との距離は、複数の前記水素発生剤の間で略同一とされることが好ましい。
上記構成とすることにより、反応容器内での水素発生剤と反応溶液との接触面積を容易に大きくすることができるので、多量の水素を発生させる場合に有利である。
あるいは、前記水素発生剤の下端部と前記反応容器の底部との距離が、1つの前記ガイド枠または1つの前記吊下部に収納されている複数の前記水素発生剤の間で略同一とされ、複数の前記ガイド枠または複数の前記吊下部の一部における前記距離が、残りの前記ガイド枠または複数の前記吊下部における前記距離と異なっていることが好ましい。
上記構成とすることにより、反応溶液の液面を変えて水素発生剤と反応溶液との接触面積を変更できるため、水素発生量の制御が容易となる。
また本発明は、アルミニウム製の容器の内部にアルカリ金属水素化物とされる粉体が圧縮して密封されている水素発生剤を、反応容器の内部に収容する収納工程と、前記水素発生剤と反応可能な反応溶液を、前記反応容器内で所定の液面の高さになるまで前記反応容器内に供給する反応溶液供給工程と、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触させて、前記アルミニウム製の容器と前記反応溶液とを反応させて前記アルミニウム製の容器を溶解させるとともに前記アルミニウム製の容器から所定量の水素を発生させ、前記粉体と前記反応溶液とを反応させて所定量の水素を発生させる反応工程と、前記反応工程により前記水素発生剤が消失した分だけ、前記水素発生剤が前記反応容器の下方部に移動して、または、前記反応溶液の液面を上昇させて、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液との接触を確保して、前記アルミニウム製の容器及び前記粉体と前記反応溶液との反応を継続させる反応継続工程とを備える水素発生方法を提供する。
本発明の水素発生方法では、上述のようにアルミニウム製容器及びアルカリ金属水素化物から水素を発生させている。水素発生剤の下端部と反応溶液とを接触させて反応させる。水素発生剤が固定されていない場合は、水素発生剤のアルミニウム製の容器が溶解した分だけ水素発生剤が下方に移動することにより、水素発生剤と反応溶液との接触が確保できる。水素発生剤が反応容器の上部に固定されている場合は、反応溶液の液面を上昇させることで反応溶液との接触を確保できる。すなわち、本発明の水素発生方法では、水素発生の反応を継続させるための工程が簡素であるという利点を有する。
上記発明において、前記反応容器中に収納される前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度が、7mol/L以上14mol/L以下、または、飽和水溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度の1/2以上1/4以下の濃度とされ、前記水素発生剤内におけるアルミニウムに対するアルカリ金属のモル比が4以上10以下とされ、前記反応溶液の温度が50℃以上150℃以下とされる条件で、前記反応工程及び前記反応継続工程が実施されることが好ましい。
上述のように、上記条件とすることにより反応生成物を水溶液化することができ、固形状の反応副生成物の発生を抑制することができる。
上記発明において、前記反応溶液の液面の位置を調整することにより前記水素発生剤と前記反応溶液との接触面積を変更して、前記水素の発生量を調整する水素発生量調整工程を更に含むことが好ましい。
すなわち、上記の水素発生方法では水素発生量の制御が容易である。
本発明の水素発生剤は、低温でも反応が阻害されることなく水素を発生させることができるものである。また、アルミニウム製の容器を採用することにより、強い吸湿性を有するアルカリ金属水素化物の取扱いを容易にするとともに、アルミニウム製の容器から更に水素を発生させて水素発生効率を高めることができる。
本発明の水素発生装置及び水素発生方法は、水素発生剤の下端部から反応させているので、複雑な機構が無くても水素発生剤と反応溶液との接触を確保することができるので、装置が簡略化するとともに、装置の小型化が容易となる。
燃料電池システムの一実施形態の概略図である。 NaOH濃度28mol/Lにおいて反応温度及びNa/Al比を変えたときに析出する固形物濃度を示すグラフである。 NaOH濃度14mol/Lにおいて反応温度及びNa/Al比を変えたときに析出する固形物濃度を示すグラフである。 NaOH濃度7mol/Lにおいて反応温度及びNa/Al比を変えたときに析出する固形物濃度を示すグラフである。 本実施形態の水素発生剤の縦断面概略図である。 本実施形態の水素発生剤の縦断面概略図である。 反応容器内に図6のいずれかの水素発生剤を収納した一実施形態を説明する概略図である。 反応容器内に図5のいずれかの水素発生剤を収納した一実施形態を説明する概略図である。 図8の収納形態の変形例を説明する概略図である。 図9の収納形態としたときの水素発生方法の一例を説明する概略図である。 図9の収納形態としたときの水素発生方法の別の例を説明する概略図である。 反応容器内に図6(b)の水素発生剤を収納した水素発生装置と水素発生方法とを説明する概略図である。 反応容器内に図6(b)の水素発生剤を収納した別の水素発生装置と水素発生方法とを説明する概略図である。
本発明の水素発生装置は、例えば水中ロボットや水中観測装置に搭載される燃料電池システに適用される。
図1は、燃料電池システムの一実施形態の概略図である。燃料電池システム1は、燃料電池2、酸素発生装置3、及び水素発生装置11を備える。燃料電池2は、リチウム2次電池4に接続され、リチウム2次電池4は負荷5に接続される。
燃料電池2は酸素供給部6を介して酸素発生装置3と接続される。酸素発生装置3は、内部に液体酸素を収納する容器を備える。液体酸素を収納する容器は、高圧酸素を封入したボンベであってもよい。燃料電池2は水素供給部7を介して水素発生装置11と接続される。水素供給部7にバルブ8が設けられ、バルブ8により水素発生装置で発生した水素が燃料電池2に供給される流量が調節可能となっている。酸素供給部6及び水素供給部7には、酸素及び水素が燃料電池2に流入する直前において、熱交換器9が設置される。熱交換器は高温の水素の熱を低温の酸素に伝えるものである。また、熱交換器を設置せずに、別の手段により酸素の加熱と水素の冷却を行う装置を設置しても良い。
本実施形態の水素発生装置11は、反応容器12及びタンク13を備える。反応容器12の上部に、水素供給部7が接続される。タンク13は配管を介して燃料電池2と接続される。この配管には、燃料電池からの水等の流体を冷却するための冷却器10が設置される。
反応容器12は、水素発生剤を収納する。また、水素発生時には反応溶液を収納する。反応溶液は、水素発生剤と反応可能であるアルカリ金属水酸化物の水溶液であり、具体的にNaOH、LiOHまたはKOHの水溶液である。反応容器12は耐圧容器であるとともに、上記アルカリ水溶液に対する耐腐食性がある材質のものが選定される。反応容器12の周囲にはヒータ及び断熱材、反応状態に応じては冷却器(不図示)が設けられ、反応容器12内部の温度が適切に調整されるようになっている。
反応容器12の上部には水素排出部18が設けられる。水素発生装置12内で発生した水素は、水素排出部18を通じて水素供給部7に搬送されるようになっている。
タンク13は、内部に水や反応溶液を収納可能である。ここでの反応溶液は、予めタンク13に収容されているアルカリ金属水酸化物水溶液、または、反応容器12からタンク13へと排出された反応溶液とされる。タンク中の水または反応溶液の起動前の温度は概ね周囲温度と同等とされる。
反応容器12とタンク13とは、反応溶液供給部14及び反応溶液排出部15により連結される。図1において、反応溶液供給部14は反応容器12に接続されている。反応溶液供給部14はポンプ16を備える。反応溶液供給部14は、ポンプ16の下流側(反応容器12側)に起動装置19を備えていても良い。反応溶液排出部15は、反応容器12の底部に接続される。反応溶液排出部15はバルブ17を備える。
運転開始により、タンク13内の水または反応溶液は、反応溶液供給部14を介して反応容器12に供給される。また、反応容器12内の反応溶液は、反応溶液排出部15を介してタンク13へと排出される。これにより、タンク13の内部には、反応容器12からタンク13へと排出されたアルカリ水溶液、すなわち反応溶液が収容されるようになる。
図1の水素発生装置では反応溶液は、反応容器12とタンク13との間で循環することになる。反応容器12内で水素発生剤が溶解することで濃度が高まった反応溶液が、水や低濃度の反応溶液を貯蔵するタンク13に戻ることで希釈される。図1の水素発生装置では、希釈された反応溶液が、再度、反応容器12で水素発生剤と反応させるために送給可能となっている。
本実施形態の水素発生剤では、アルミニウム製の容器(アルミニウム容器)の内部に、アルカリ金属水素化物の粉体が圧縮して密封されている。本実施形態の水素発生剤に適用されるアルカリ金属水素化物は強い吸湿性を有する。具体的に、NaH、LiH、KHのいずれかとされる。特に、NaHを用いるのが好ましい。
本実施形態では、アルカリ金属水素化物が主剤、アルミニウム容器(Al)が副剤となり、主剤及び副剤が酸化剤としての水と反応して水素が発生する。水は、タンク13から水または希釈された反応溶液として供給される。
まず、アルミニウム容器が例えばアルカリ水溶液と反応して溶解する。アルミニウム容器が溶解すると、容器内部のNaH、LiHまたはKHがアルカリ水溶液と接触し、水素が発生する。主剤としてNaH、反応溶液として水で希釈されたNaOH水溶液を用いた場合の上記の反応式は以下の通りである。
Al+NaOH+3HO→NaAl(OH)+1.5H ・・・(1)
NaH+HO→NaOH+H ・・・(2)
反応式(1)で生成するNaAl(OH)、及び、反応式(2)で生成するNaOHは、いずれも水に対して可溶である。従って、上記式の反応では、副生成物の沈殿は発生しない。
但し、反応容器内中に収納される反応溶液の温度、反応溶液の濃度、水素発生剤におけるアルカリ金属とAlのモル比(アルカリ金属/Al比)に応じて、アルミニウムとアルカリ水溶液との反応で、副生成物としてAl(OH)、AlO(OH)、NaO・Al・2.5HOが固体として析出する。従って、確実に副生成物の析出を回避し、上記式(1)の反応が起こる条件で水素発生装置を運転する必要がある。
以下では、反応容器内の反応溶液の温度、反応溶液中の濃度、及び、アルカリ金属(Na)/Al比の好適範囲の検討結果を説明する。
図2乃至図4は、NaOH水溶液の各濃度において、反応温度及びNa/Al比を変えたときに析出する固形物濃度のシミュレーション結果である。シミュレーションは、OLI System社の水溶液系平衡計算ソフトを使用して行った。図2はNaOH濃度:28mol/L、図3はNaOH濃度:14mol/L、図4はNaOH濃度7mol/Lの時を示している。図2乃至図4において、横軸はNa/Al比、縦軸は析出した固形物濃度(質量%)である。
NaOH濃度28mol/L(図2)は、20℃におけるNaOH飽和水溶液の濃度と略同一である。この濃度では、Na/Al比が1〜10の範囲で25℃、50℃、80℃のいずれにおいても、NaO・Al・2.5HOが析出する。析出する固形物量も10%程度から40%程度と高い割合となっている。すなわち、NaOH濃度28mol/Lでは、いずれの温度においても反応副生成物の析出を回避することはできない。
NaOH濃度14mol/L(図3)は、20℃におけるNaOH飽和水溶液の濃度の1/2の濃度と略同一である。この濃度の場合、NaO・Al・2.5HOの析出量は低下する傾向にある。図3に示すように、25℃ではNaO・Al・2.5HOは析出する。しかし、50℃以上かつNa/Al比3以上とすると、NaO・Al・2.5HOの析出を抑制することができる。Na/Al比3以上では、Al(OH)、AlO(OH)の析出も回避することができる。
NaOH濃度7mol/L(図4)は、20℃におけるNaOH飽和水溶液の濃度の1/4の濃度と略同一である。この濃度の場合、NaO・Al・2.5HOは析出しないが、Al(OH)及びAlO(OH)が析出する。50℃かつNa/Al比4以上の条件とすることで、Al(OH)及びAlO(OH)の析出を回避することができる。
上記結果から、NaOH濃度7mol/L以上14mol/L以下の場合、反応温度50℃以上、Na/Al比=4以上10以上の条件とすることにより、アルミニウム容器とNaOHとの反応において反応生成物の析出を回避し、確実に式(1)の反応を起こさせることができる。従って、水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度が、飽和水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度の1/2以上1/4以下の濃度とすれば、式(1)の反応を起こさせることが可能である。
なお、NaOH濃度を7mol/L未満としても反応生成物を析出させない条件もあると考えられるが、高い反応性と反応容器の容積を考慮すると7mol/Lが実用的な限界である。また、図2乃至図4では80℃までの検討を行っているが、図2乃至図4から反応温度が高いほど反応生成物の析出を抑制できることは明らかである。一方で、温度が高いと冷却装置が必要となる。従って、本実施形態では、反応温度の上限値は150℃とする。Na/Al比を大きくすることは反応容器に収納されるNaOH水溶液量が多くなることを意味する。すなわち、Na/Al比を大きくすることは反応容器の容積を大きくすることに繋がるので、Na/Al比の上限値は10とすることが好ましい。
以下では、上記の反応条件で水素を発生させるための本実施形態の水素発生剤の形状について説明する。
図5は、本実施形態の水素発生剤の縦断面概略図である。図5(a)に示す水素発生剤20は、アルミニウム容器21内に圧縮されたアルカリ金属水素化物(NaHまたはLiH、KH)粉体22が収納されて密封されている。図5(a)の水素発生剤20は、上部が開いたアルミニウム容器21に粉体22を充填してから圧縮した後、上部にアルミニウム製の蓋を被せ密封して作製される。あるいは、アルミニウム容器21に粉体を充填し、蓋を被せ、粉体22を圧縮しながら密封して作製される。図5(a)の水素発生剤は、加工工程が簡略であるという利点を有する。
図5(b)に示す水素発生剤20は、アルカリ金属水素化物粉体をペレット状に圧縮した成形体23が、アルミニウム容器21内に複数積層させて収納されている。図5(b)の水素発生剤は、加工が容易であるという利点を有する。また、粉体の圧縮が不均一であると水素発生剤の溶解中に粉体の一部が一度に多量に崩れるなどして、反応量に変動が生じる恐れがある。ペレット状とすれば粉体の圧縮状態を略均一にできるので、アルカリ金属水素化物粉体の反応量の制御が容易となる。
図5(c)に示す水素発生剤20は、ペレット状の成形体23とアルミニウム製とされるプレート24とが交互に積層させて、アルミニウム容器21内に収納されている。
本実施形態の水素発生剤20では、1つのアルミニウム容器21内に収納される粉体22の量、成形体23の数、アルミニウム容器21の寸法及び形状、及び、アルミニウムプレート24(以下プレートと称す)の寸法及び収納枚数は、反応時のNa/Al比が4〜10の範囲内になることを予め考慮して設定される。例えば、図5(c)の場合には、1つの成形体23と1枚のプレート24とが交互に積層されていても良いし、複数の成形体23に対して1枚のプレート24が積層されるようにしても良い。
アルカリ金属水素化物が水と反応する反応速度の方が、アルミニウムがアルカリ金属水酸化物の水溶液と反応する反応速度の方が速い。このようにプレート24を用いることにより、アルカリ金属水素化物が先に溶解することを防ぎ、アルカリ金属水素化物とアルミニウムとが交互に反応するようになる。このため、溶解速度の遅いアルミニウムと溶解速度の早いアルカリ金属水素化物とをほぼ一定速度で溶解させることが可能となる。
なお、水素発生剤20の横断面の形状は特に制限されない。横断面の形状の例として、円形、楕円形、三角形、四角形、角丸四角形などが挙げられる。
水素発生剤30は、図6(a)に示すように、ペレット状とされる成形体32の積層方向(紙面縦方向、ここでは長軸方向と称する)の長さが成形体32の面方向(紙面横方向)の長さよりも長い棒状形状とされても良い。図6(a)の水素発生剤30の長軸方向の長さは、反応容器内に収納した時に反応容器の底部に接触しない長さとし、水素発生装置の運転効率を考慮するとできる限り長い方が好ましい。なお、アルミニウム容器21に粉体を入れる場合も、棒状形状の水素発生剤30とすることもできる。
あるいは、図6(b)に示すように、アルミニウム容器41が缶詰のような形状とされ、複数のアルミニウム容器41が成形体42の積層方向に積層された積層体とされる水素発生剤40としても良い。この場合、隣り合う水素発生剤のアルミニウム容器41の接触面43に、ネジが切られていて結合されていても良い。こうすることで、図8(b)に示すように、反応容器内に積層体を立てて収納した場合に水素発生剤40の連続的な反応(水素発生剤の列がスムーズに下方へ移動していく)を確実に行うことができる。
以下では、上記の水素発生剤の反応容器への収納形態、及び、各収納形態での水素発生量の制御方法について説明する。
図7は、反応容器内に図6(a)もしくは図6(b)の水素発生剤を収納した様子の一例を説明する概略図である。図7(b)は反応容器の縦断面図であり、図7(a)は図7(b)の上面から見たときの水素発生剤を1列だけ表示している。図7(c)は、図7(b)を紙面横方向から見たときの縦断面図である。
本実施形態では図7(a)に示すように、直方体の枠に整列した形状のガイド枠50を用い、ガイド枠50の枠内に棒状の水素発生剤30が立てられて反応容器12内に収納される。水素発生剤30は上述のように反応容器12の底部に接触しない。
図8は、反応容器内に図5(a),(b),(c)のいずれかの積層体として水素発生剤を収納した様子を説明する概略図である。図8(b)は反応容器の縦断面図である。図8(a)は図8(b)の上面から見たときの水素発生剤を1列だけ表示している。図8(c)は、図8(b)を紙面横方向から見たときの縦断面図である。
図7の場合と同様の形状のガイド枠50を用い、ガイド枠50の枠内に積層体とされる水素発生剤40が1つずつ立てて反応容器12内に収納される。
図7及び図8のように水素発生剤が反応容器内に収納される場合、以下の工程にて水素が発生される。
(起動前)
起動前では図1における反応溶液供給部14のポンプ16は起動されていない。また、水素供給部7のバルブ8及び反応溶液排出部15のバルブ17は閉鎖されている。
起動前の反応容器12には反応溶液は供給されていないため、反応容器12内部に反応溶液は収容されていない。
タンク13中には水収容されている。水に換えて、タンク13中に薄い反応溶液を収容しても良い。
起動部19内にはアルミニウム容器を溶解可能な物質として、例えばNaOH粉体、LiOH粉体またはKOH粉体が収容される。起動部19内に収容される物質は、水素発生剤のアルカリ金属水素化物と同じアルカリ金属の水酸化物とすると良い。
なお、起動部19を設けない場合は、反応容器12内にアルミニウム容器を溶解可能な物質を収容する。
(水素発生状態)
起動部19を設ける場合は、ポンプ16が作動すると、タンク13内の水が起動部19に流入する。起動部19内でNaOH粉体、LiOH粉体またはKOH粉体が水に溶解し、NaOH水溶液、LiOH水溶液またはKOH水溶液が生成する。生成した反応溶液が、反応容器12に供給される。起動部19での水とNaOH等との反応は発熱反応である。反応溶液温度が上昇するにつれて反応が活発になってくるため、冷温起動であってもヒータを必要としない起動が可能である。
起動部19を設けない場合、ポンプ16が作動すると、反応容器12内に水が供給される。これにより、反応容器内のNaOH粉体、LiOH粉体またはKOH粉体が水に溶解し、NaOH水溶液、LiOH水溶液またはKOH水溶液が生成する。
反応容器12内の反応溶液の液面が所定の高さに到達すると、水素発生剤と反応溶液との接触により水素が発生する。水素発生速度を制御するために反応溶液排出部15のバルブ17を操作し、液面の高さが維持しながら、タンク13と反応容器12との間で反応溶液が循環される。タンク13内の反応溶液の温度は反応容器12内の反応溶液内の温度より低い。このため、タンク13と反応容器12との間で循環させると、反応溶液が希釈されるとともに反応溶液の温度が低下し、水素発生速度が抑制される。
反応溶液が水素発生剤30,40の下端部に接触すると、反応式(1)によりアルミニウム容器が溶解し、水素が発生する。水素供給部7のバルブ8が開放され、水素排出部18を通じて水素が反応容器12から排出される。水素発生剤と反応溶液の反応により発生したNaAl(OH)は反応溶液に溶解する。
アルミニウム容器が溶解して穴が開くと、アルミニウム容器内部に反応溶液が侵入する。これにより、アルカリ金属水素化物(NaH,LiH、KH)と反応溶液とが接触し、反応式(2)のように水素が発生しながら、反応溶液の濃度が上がっていく。また、アルミニウム製のプレートと反応溶液とが接触すると、水素が発生する。発生したNaOH及びNaAl(OH)は反応溶液中に溶解する。
アルミニウム容器の底部が溶解すると、内部に残留する反応生成物が反応溶液中に溶出される。成形体とともに収納されているアルミニウム製のプレートも、反応溶液中に溶出される。アルミニウム容器の側面部及び上部はガイド枠50内に残存し、反応溶液中への溶解が継続される。アルミニウム容器の側面が溶解していくのに伴い、水素発生剤30,40は下がっていく。
水素発生速度は、水素発生剤と反応溶液との接触面積に依存する。接触面積が小さいほど水素発生速度が小さく、接触面積が大きいほど水素発生速度が大きい。反応容器12に設置される圧力計や水素供給部7に設置される流量計の値などを参照して、接触面積、即ち、反応溶液の液面がコントロールされることが好ましい。
水素発生中のNa/Al比は、上述のように水素発生剤の設計段階で4〜10の範囲内とされている。水素発生中は、反応容器12内の反応溶液の濃度は下限は概ね7mol/L以上、上限は14mol/L以内に管理される。アルミニウム容器やプレートの溶出量とアルカリ金属水素化物の反応量とのバランスにより、反応容器12内部に収納されている反応溶液中のアルカリ水溶液の濃度が変動する場合がある。上記濃度範囲を下回る場合は、反応容器12内の反応溶液の液面を維持しながら反応溶液の循環量を減少させて、上記濃度範囲に調整する。上記濃度範囲を超える場合は、例えば反応溶液供給部14に不図示の希釈ラインを設け、水が供給されるようにするか、もしくは、循環量を増やし、タンク13からの低濃度の反応溶液を供給し、濃度を下げると良い。
また、反応式(1)及び(2)は発熱反応であるため、反応が継続されると反応容器12内の反応溶液温度が設定値を上回る場合がある。この場合は、反応溶液の排出量を増やしながら液面を下げつつ、タンクからの反応溶液の循環量を増やすことにより温度を下げることができる。
(反応停止状態)
水素発生剤30,40が反応容器12内に残存している状態で、水素発生反応を停止させる場合は、反応容器12内の反応溶液の排出量を増やし、反応容器12内への反応容器の供給量を減少させ、反応容器12内の反応溶液の液面を水素発生剤30,40の下端部よりも低くする。
(反応完了状態)
水素発生剤30,40が反応溶液中に完全に溶出すると、水素の発生が停止する。本実施形態では上述の反応容器内の反応溶液の温度、反応溶液濃度(例えばNaOH濃度)、及び、アルカリ金属(Na)/Al比に調整されているので、反応容器12内に反応副生成物の沈殿等は発生していない。
反応終了後に反応容器12及びタンク13の反応溶液を排出する。その後、タンク13に水(または薄い反応溶液)を入れ、反応容器12またはタンク19に起動用のアルカリ金属水酸化物粉体を充填する。新規の水素発生剤30,40をガイド枠に積み上げながら順次投入し、収納する。こうすれば、水素発生装置の再運転が可能となる。
図7及び図8の場合は、液面高さの調整により水素発生速度を変えることができる。従って、簡単な手段により水素発生速度を調整することが可能であるという利点を有する。
図9は、図8の収納形態の変形例である。図9(b)は反応容器の縦断面図である。図9(a)は図9(b)の上面から見たときの水素発生剤の様子を表している。図9(c)は、図9(b)を紙面横方向から見たときの縦断面図である。
本変形例では、図9(b)及び図9(c)に示すように、高さが異なるガイド枠50a、50bが用いられる。ガイド枠50aで支持される水素発生剤40の下端部と反応容器12の底部との距離は、ガイド枠50bで支持される水素発生剤40の下端部と反応容器12底部との距離よりも長くなるように、ガイド枠50a及び50bが反応容器12内に収納される。
図9は図6(b)の水素発生剤40を収納する場合で説明したが、図6(a)の棒状の水素発生剤30を収納する場合にも適用可能である。
なお、図9(c)では反応容器12の両端部に短いガイド枠50aを配置する構成を示しているが、配置方法はこれに限定されない。また、図9ではガイド枠50aは水素発生剤40のアルミニウム容器1つ分だけガイド枠50bより短くしているが、ガイド枠50aの長さは水素発生速度に応じて適宜設定すると良い。ガイド枠50aに収納される水素発生剤40の下端部と反応容器12底部との距離は、後述する反応溶液の液面の高さの制御のしやすさを目安にして設定される。
図9のように水素発生剤が反応容器内に収納される場合における水素発生方法を、図10及び図11を用いて説明する。図10は、長時間反応を継続させるための水素発生方法である。図11は、水素発生装置からの水素供給速度を高くして、高出力でリチウム2次電池を運転させるための水素発生方法である。
(起動前:図10(a)、図11(a))
図7及び図8の場合と同様に、反応容器12内部に反応溶液は収納されていない。
(水素発生状態:図10(b),(c)、図11(b))
図7及び図8の場合と同様に、ポンプ16が作動し、反応容器12内に反応溶液が供給されるとともに、反応容器12中の反応溶液温度が50℃以上150℃以下に維持される。
長時間反応を継続させる図10の場合、先ず図10(b)のように、ガイド枠50bに収納される水素発生剤40b(すなわち、反応容器12底部との距離が近い方の水素発生剤)の下端部が反応溶液と接触するが、ガイド枠50aに収納される水素発生剤40a(すなわち、反応容器12底部との距離が遠い方の水素発生剤)の下端部が反応溶液と接触しないように、液面の高さが調整される。これにより、ガイド枠50bに収納される水素発生剤40bのみが反応し、水素が発生する。
水素発生剤40bの反応が終了した後または終了する直前に、ガイド枠50aに収納される水素発生剤40aの下端部と反応溶液とが接触するように、反応溶液の液面の高さを上昇させる。これにより、水素発生反応が継続される。
2次電池の急速充電など水素発生量を増大させる図11の場合、運転開始時から水素発生剤40a及び水素発生剤40bの両方に反応溶液が接触するように、液面の高さを調整する。
なお、図10及び図11のいずれも、反応停止状態とする方法は、図7及び図8の場合と同様である。
(反応完了状態:図10(d)、図11(c))
全ての水素発生剤が反応溶液中に溶出すると、水素の発生が停止する。図7及び図8の場合と同様に反応容器12内に反応副生成物の沈殿は生じていない。このため、反応終了後に再運転する場合は、反応溶液12及びタンク13の反応溶液を排出し、水や起動用アルカリ金属水酸化物を充填するとともに、新規の水素発生剤を追加すれば良い。
図9のように水素発生剤を収納することにより、出力の調整精度を向上させることができる。
図12は反応容器内に図6(b)の水素発生剤を収納した別の実施形態と、その場合の水素発生方法を説明する概略図である。
図12(a)に示すように、1つの反応容器60内部に水素発生剤40が1つ収納される。積層体とされる水素発生剤40に代えて棒状の水素発生剤を収納しても良い。複数個の図12(a)の反応容器60が並列に接続され、各々が独立して操作できるようにされる。各々の反応容器60とタンクとの間の反応溶液供給部には、バルブが設置される。
(起動前:図12(a))
図7及び図8の場合と同様に、反応容器60内部に反応溶液は収納されていない。
(水素発生状態:図12(b))
図7及び図8の場合と同様に、ポンプ16が作動し、反応容器60内に反応溶液が供給される。水素発生剤40の下端部と反応溶液とが接触した状態で、反応溶液の液面が所定の高さに維持される。反応容器60中の反応溶液温度が50℃以上150℃以下に維持される。図12の形態とする場合、設置されるすべての反応容器60に反応溶液が供給されなくても良い。燃料電池の出力、すなわち、必要水素量に応じて、各反応容器の反応溶液供給部に設けられるバルブの開閉により、反応溶液が供給される反応容器60の数が適宜決められる。
水素発生量を変動させる場合、液面の高さを変えることにより微調整ができる。一方、水素発生量を大幅に変動させたい場合は、反応溶液が供給される反応容器の数を変える。具体的に、水素発生量を大幅に増加させたい場合は、反応溶液が供給される反応容器の数を増加させる。水素発生量を大幅に低下させたい場合は、一部の反応容器を反応停止状態とする。
(反応停止状態:図12(c))
反応容器60内の反応溶液の液面を、水素発生剤40の下端部よりも低くする。上述のように水素発生量に応じて、反応容器ごとに反応溶液供給部のバルブを開放または閉鎖する。
(反応完了状態:図12(d))
全ての水素発生剤が反応溶液中に溶出すると、水素の発生が停止する。図7及び図8の場合と同様に反応容器60内に反応副生成物の沈殿は生じていない。このため、反応終了後に再運転する場合は、反応溶液12及びタンク13の反応溶液を排出し、水や起動用アルカリ金属水酸化物を充填するとともに、新規の水素発生剤を追加すれば良い。
図12の反応容器を設けることにより、水素発生量をより厳密に且つ迅速に調整することができる。
図13は、反応容器内に図6(b)の水素発生剤を収納した別の実施形態とその場合の水素発生方法を説明する概略図である。図13(a)に示すように、反応容器70内の上部に吊下部71が設置され、吊下部71が棒状の水素発生剤40を担持している。吊下部71にガイド枠50が設置され、ガイド枠50の内側に水素発生剤30が収納されている。なお、棒状の水素発生剤40に代えて、積層体とされる水素発生剤としても良い。図13の場合、ガイド枠50を設けなくても良い。
図13では、反応容器70の上部(水素発生剤30より上側)に反応溶液供給部が接続されるようになっている。なお、反応溶液供給部は反応容器70の底部に設置されていても良い。図13の反応容器70を採用した場合には、反応溶液排出部を設けない。図13の反応容器70の外側上部に、吊下部71を上下に移動可能とする吊下部可動装置(不図示)が更に設置されていても良い。
(起動前:図13(a))
図7及び図8の場合と同様に、反応容器70内部に反応溶液は収納されていない。
(水素発生状態:図13(b))
図7及び図8の場合と同様に、ポンプ16が作動し、反応容器70内に反応溶液が供給される。反応容器70中の反応溶液温度は、例えば海中で使用した場合の周囲温度以上(4℃以上)、かつ、150℃以下に維持される。
反応溶液が水素発生剤40の下端部に接触すると、式(1)及び式(2)の反応により水素が発生する。図13の場合、水素発生剤40のアルミニウム容器の溶解に伴い、水素発生剤40の下端部は反応容器70上方に移動する。水素の発生速度は反応溶液と水素発生剤40との接触面積に応じて変化するので、所定の接触面積が達成されるように、反応溶液の供給量が制御される。
反応容器70内部の反応溶液中のアルカリ水溶液の濃度が高くなった場合には、反応溶液供給部14から水を供給し、濃度を調整することができる。
図13の反応容器70では、反応溶液は反応容器とタンクとの間で循環せず、反応容器70内に貯留される。
図13の反応容器70において水素発生の反応を停止させる場合には、反応溶液の供給を停止する。こうすると、反応溶液の液面高さに水素発生剤40の下端部が到達するまで反応は継続するが、それ以降は反応しない。より迅速に反応を停止させるためには、吊下部可動装置により吊下部71を上方に移動させることで、水素発生剤40の下端部を液面から離間させる。
反応を再開させる場合は、反応溶液の供給を再開させる。吊下部可動装置を設けた場合は、吊下部71を下方に移動させて反応溶液と接触させるとともに、反応溶液の供給を再開させる。
(反応完了状態:図13(c))
反応溶液の液面が吊下部71に到達し、水素発生剤40が全て反応溶液に浸漬されると、反応溶液の供給が停止される。全ての水素発生剤30が反応溶液中に溶出すると、水素の発生が停止する。
図13の反応容器では、反応条件が変動して上述の範囲から外れて反応副生成物が析出し沈殿した場合でも、水素発生剤40の底部は上昇していくので、反応が阻害されることを防止することができる。従って図13の反応容器では、反応溶液中のアルカリ金属の水酸化物の適用濃度として7mol/L以上28mol/L以下、もしくは、水溶液の飽和温度における濃度の1/1(飽和濃度)〜1/4の範囲内に設定された反応溶液を用いることが可能である。また、反応容器12内における反応溶液の適用温度として、前述のとおり、海中で使用した場合の周囲温度以上(4℃以上)、かつ、150℃以下とすることができる。水素発生剤におけるNa/Al比=1以上10以下の条件とすることができ、アルミニウムの割合を増やすことができる。すなわち、図7等の反応溶液の構成と比べて、反応条件を広げることができる。このため、水素発生剤の容積を小さくし、溶媒(水)の量を少なくすることができ、装置全体を小型化することができる。
図13の水素反応容器では、反応溶液を循環させる必要がないので水素発生装置を簡略化することができる。また、タンク13を小型にすることができるため、装置全体が小型化されるとともに、水素発生量の制御が単純化し、システムの小型化にも対応できるという利点を有する。なお、図13のように吊下部で水素発生剤を担持させる方法は、図7乃至図9のように1つの反応容器内に複数の水素発生剤を収納する場合にも適用可能である。
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 酸素発生装置
4 リチウム2次電池
5 負荷
6 酸素供給部
7 水素供給部
8,17 バルブ
9 熱交換器
10 冷却器
11 水素発生装置
12,60,70 反応容器
13 タンク
14 反応溶液供給部
15 反応溶液排出部
16 ポンプ
18 水素排出部
19 起動装置
20,30,40,40a,40b 水素発生剤
21,31,41 アルミニウム容器
22 粉体
23,32,42 成形体
24 プレート
43 接触面
50 ガイド枠
71 吊下部

Claims (17)

  1. アルミニウム製の容器の内部に、アルカリ金属の水素化物とされる粉体が圧縮して密封されている水素発生剤。
  2. 前記粉体がペレット状の成形体に圧縮され、複数の前記成形体が積層された状態で前記アルミニウム製の容器の内部に収納されている請求項1に記載の水素発生剤。
  3. 前記成形体とアルミニウム製のプレートとが交互に積層されて前記アルミニウム製の容器の内部に収納されている請求項2に記載の水素発生剤。
  4. 内部に請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水素発生剤を収納し、底部に前記水素発生剤と反応可能な反応溶液を収納可能とする反応容器と、
    前記反応容器から発生した前記水素を排出するための水素排出部と、
    前記反応溶液もしくは前記反応溶液の溶媒を収容するタンクと、
    該タンク内の前記反応溶液を前記反応容器に供給する反応溶液供給部とを備え、
    前記水素発生剤の下端部を前記反応溶液に接触させて、前記アルミニウム製の容器と前記反応溶液とを反応させて前記アルミニウム製の容器を溶解させるとともに前記アルミニウム製の容器から所定量の水素を発生させ、前記粉体と前記反応溶液とを反応させて前記粉体から所定量の水素を発生させる水素発生装置。
  5. 前記反応容器中に収納される前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度が、7mol/L以上14mol/L以下、または、飽和水溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度の1/2以上1/4以下の濃度とされ、前記水素発生剤におけるアルミニウムに対するアルカリ金属のモル比が4以上10以下とされ、
    前記反応溶液の温度が50℃以上150℃以下とされる請求項4に記載の水素発生装置。
  6. 前記反応容器及び前記タンクに接続され、前記反応容器内の前記反応溶液を前記タンクに供給する反応溶液排出部を更に備え、
    前記反応溶液供給部と前記反応溶液排出部を介して前記反応溶液を前記反応容器と前記タンクとの間で循環させる請求項4または請求項5に記載の水素発生装置。
  7. 前記反応容器内の上部に吊下部を備え、前記水素発生剤が前記吊下部に装着されて担持されている請求項4または請求項5に記載の水素発生装置。
  8. 前記水素発生装置の外側の上部に前記吊下部を上下に移動可能な吊下部可動装置を更に備える請求項7に記載の水素発生装置。
  9. 前記水素発生剤が複数の前記アルミニウム製の容器が鉛直方向に積層された積層体とされ、
    前記反応容器内にガイド枠が取り付けられており、
    前記水素発生剤の長軸方向が鉛直方向と略同一になるように前記ガイド枠の内側に収容されて、前記ガイド枠によって支持されている請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載の水素発生装置。
  10. 前記水素発生剤が棒状形状とされ、
    前記反応容器内にガイド枠が収納され、
    前記水素発生剤の長軸方向が鉛直方向と略同一となるように、前記水素発生剤が前記ガイド枠の内側に収納されて、前記ガイド枠によって支持されている請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載の水素発生装置。
  11. 1つの前記反応容器内に1つの前記水素発生剤が収納され、複数の前記反応容器が独立に動作されるように前記タンクに連結されている請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載の水素発生装置。
  12. 1つの前記反応容器が配置され、
    1つの前記ガイド枠または1つの前記吊下部が、複数の前記水素発生剤を、前記反応容器の水平方向に一列になるように整列して収納し、
    複数の前記ガイド枠または前記吊下部が、前記水素発生剤が整列される方向と略垂直であって前記反応容器の水平方向に整列して配置される請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載の水素発生装置。
  13. 前記水素発生剤の下端部と前記反応容器の底部との距離は、複数の前記水素発生剤の間で略同一とされる請求項12に記載の水素発生装置。
  14. 前記水素発生剤の下端部と前記反応容器の底部との距離が、1つの前記ガイド枠または1つの前記吊下部に収納されている複数の前記水素発生剤の間で略同一とされ、
    複数の前記ガイド枠または複数の前記吊下部の一部における前記距離が、残りの前記ガイド枠または複数の前記吊下部における前記距離と異なっている請求項12に記載の水素発生装置。
  15. アルミニウム製の容器の内部にアルカリ金属水素化物とされる粉体が圧縮して密封されている水素発生剤を、反応容器の内部に収容する収納工程と、
    前記水素発生剤と反応可能な反応溶液を、前記反応容器内で所定の液面の高さになるまで前記反応容器内に供給する反応溶液供給工程と、
    前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液とを接触させて、前記アルミニウム製の容器と前記反応溶液とを反応させて前記アルミニウム製の容器を溶解させるとともに前記アルミニウム製の容器から所定量の水素を発生させ、前記粉体と前記反応溶液とを反応させて所定量の水素を発生させる反応工程と、
    前記反応工程により前記水素発生剤が消失した分だけ、前記水素発生剤が前記反応容器の下方部に移動して、または、前記反応溶液の液面を上昇させて、前記水素発生剤の下端部と前記反応溶液との接触を確保して、前記アルミニウム製の容器及び前記粉体と前記反応溶液との反応を継続させる反応継続工程とを備える水素発生方法。
  16. 前記反応容器中に収納される前記反応溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度が、7mol/L以上14mol/L以下、または、飽和水溶液中の前記アルカリ金属の水酸化物の濃度の1/2以上1/4以下の濃度とされ、
    前記水素発生剤内におけるアルミニウムに対するアルカリ金属のモル比が4以上10以下とされ、
    前記反応溶液の温度が50℃以上150℃以下とされる条件で、前記反応工程及び前記反応継続工程が実施される請求項15に記載の水素発生方法。
  17. 前記反応溶液の液面の位置を調整することにより前記水素発生剤と前記反応溶液との接触面積を変更して、前記水素の発生量を調整する水素発生量調整工程を更に含む請求項15または請求項16に記載の水素発生方法。
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