JP2014158465A - 農業用フィルム - Google Patents

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JP2014158465A JP2014010547A JP2014010547A JP2014158465A JP 2014158465 A JP2014158465 A JP 2014158465A JP 2014010547 A JP2014010547 A JP 2014010547A JP 2014010547 A JP2014010547 A JP 2014010547A JP 2014158465 A JP2014158465 A JP 2014158465A
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梨絵 砥綿
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Abstract

【解決課題】
日中の日射を十分に取り入れることができ、かつ日が落ちた後の保温性にも優れる農業用フィルムを提供すること。
【解決手段】
400nmから700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が80%以上であり、5μmから25μmの赤外線波長領域に吸収能を有し、無機化合物を2〜25重量%含む農業用フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、日中の日射を十分に取り入れることができ、かつ保温性にも優れる農業用フィルムに関る。
従来より、赤外線吸収剤を配合した保温性を有する農業用フィルムは知られており、かかるフィルムを用いてハウス栽培やトンネル栽培、マルチフィルム栽培等において保温性を高めることが一般的に行われている(特許文献1)。
これら従来技術のフィルムは、主として日射を受けていない夜間等においてハウス内部の温度を保持することを特徴としている。しかしながら、栽培作物の育成には、日射を受けていないときの保温性も重要であるが、同時に日中、日射を受けることにより地温を上昇させることが、作物の育成により重要であることもわかってきた。
しかし、従来技術のように保温性を高めた場合、フィルムの透明性が損なわれ、光線透過率が低下して日中の日射を受けにくくなるのが現状であり、より好ましい作物栽培を行うための農業用フィルムとしては不十分であった。
特開2004−24032号公報
本発明は、上記の問題に鑑み、日中の日射を十分に取り入れることができ、かつ日が落ちた後の保温性にも優れる農業用フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討したところ、400nmから700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が80%以上であり、5μmから25μmの赤外線波長領域に吸収能を持つことにより、地温を上昇させるのに必要な波長の光をより十分に透過させることができ、夜間、温められた土からの熱放射をより軽減することができることを見出した。また、全光線透過率の平均値を80%以上とすることで、太陽光線をより透過させることができ、日中の地温上昇効果をより好ましくすることが可能となる。
即ち、本発明の要旨は、
(1)400nmから700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が80%以上であり、5μmから25μmの赤外線波長領域に吸収能を有し、無機化合物を2〜25重量%含む農業用フィルム、
(2)5μmから25μmの波長領域の赤外線透過率の平均値が55%以下である、(1)に記載の農業用フィルム、
(3)前記無機化合物の平均粒径が50nm〜8μmである、(1)又は(2)に記載の農業用フィルム、
(4)樹脂成分として生分解性樹脂を含む、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の農業用フィルム、及び
(5)前記生分解性樹脂は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)と脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)の少なくとも一種を含有することを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の農業用フィルム
に存する。
本発明により、日中の日射を十分に取り入れることができ、かつ保温性にも優れる農業用フィルムを提供することが可能である。
発明の実施の形態
本発明の一つの実施形態は、400nmから700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が80%以上であり、5μmから25μmの赤外線波長領域に吸収能を有し、無機化合物を2〜25重量%含む農業用フィルムである。
本発明の農業用フィルムは、400nmから700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が80%以上であることが重要であり、83%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。400nmから700nmの波長領域における全光線透過率を上記とすることで、日中、地温を上昇させるのに必要な波長の光をより十分に透過させることができる。
また、上限はとくに限定することは無く、後述する日が落ちた後、土からの熱放射を軽減する性能に影響がない程度でれば400nmから700nmの波長領域における全光線透過率は高いほど好ましい。
本発明の農業用フィルムは、5μmから25μmの赤外線波長領域に吸収能を持つことが重要であり、更に5μmから25μmの波長領域の赤外線透過率の平均値が55%以下であることが好ましく、53%以下であることがより好ましく、52%以下であることが更に好ましい。
5μmから25μmの波長領域の赤外線透過率の平均値を上記範囲とすることで、日が落ちた後、土からの熱放射をより軽減させることができ、地温の温度低下をより抑制することができる。
また、下限はとくに限定することは無く、上述した、日中、地温を上昇させるのに必要な波長の光をより十分に透過させる性能に影響がない程度であれば、5μmから25μmの波長領域の赤外線透過率は低いほど好ましい。
本発明の農業用フィルムは、無機化合物を2〜25重量%、好ましくは2.5〜23重量%、更に好ましくは5〜20重量%含む。
農業用フィルム中の無機化合物の含有量を2重量%より多くすることにより、赤外線の透過率が上がって保温効果が低下することを抑制することができ、また25重量%より少なくすることで、可視光線の透過率が下がって、太陽光線による地温の上昇効果が低下することを抑制することができる。
また、前記無機化合物の平均粒径は50nm〜8μmであることが好ましく、60nm〜7μmがより好ましく、80nm〜6μmが更に好ましい。
粒子径の平均が、上記より小さいと十分な保温性が得られなくなるおそれがあり、上記より大きいと分散性が悪くなったり、光線透過率が低下するおそれがある。
尚、本願明細書において、平均粒径とは、粒度分布において積算(累積)百分率で表される積算値が50%となる粒子径の値を意味する。
本発明に用いる好ましい無機化合物としては、ハイドロタルサイト、タルク、水酸化マグネシウムがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
たとえばハイドロタルサイトは、天然に産出する粘土鉱物の一種であり、正に帯電した基本層と、負に帯電した中間層からなる層状の無機化合物で、マグネシウムとアルミニウムの含水塩基性炭酸塩であり、化学名をマグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレートと言い、下記の一般式で表される。
[MgAl(OH)16CO・4HO]
本発明の農業用フィルムは、樹脂成分として生分解性樹脂を含むことが好ましい。生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロースエステル、脂肪族ポリエステル、脂肪族−芳香族ポリエステルがあげられるが、本発明においては、生分解性樹脂が脂肪族ポリエステル系樹脂(A)と脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)の少なくとも一種を含有することが好ましく、農業用として使用する期間を考慮するとポリ乳酸系樹脂を含まないほうがより好ましい。
また、本発明の農業用フィルムにおいては、生分解性樹脂における脂肪族ポリエステル系樹脂(A)と脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)の配合比率(重量比)が(A):(B)=1:5〜4:1が好ましく、1:5〜2:1がより好ましく、1:5〜3:2が更に好ましい。
この範囲とすることで、地温を上昇させるのに必要な波長の光はより十分に透過し、夜間、温められた土からの熱放射をより軽減することができ、さらに農業用フィルムとしての使用期間の点からもより好ましい。
特に農業用フィルムなどに使用する場合、栽培作物の播種や定植からある程度作物が育つまでの期間においては、地温の保温機能や、雑草が生えることを防止するために必要な十分な強度を有し、栽培作物の収穫が終わり、次期作物の栽培が始まる前には、耕作作業において事実上支障がない程度までに分解を進行させることができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂(A)
本発明においては、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、脂肪族ジオール単位と脂肪族ジカルボン酸単位を主成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂であることが好ましい。ここで、「主成分」とは、脂肪族ポリエステルを構成する単量体単位全体を基準(100モル%)として、脂肪族ジオール単位と脂肪族ジカルボン酸単位が70モル%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であることをいう。
脂肪族ポリエステル系樹脂(A)を具体的に示すと、例えば下記式(1)で表される鎖状脂肪族および/または脂環式ジオール単位、並びに、下記式(2)で表される鎖状脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸単位からなるものである。
−O−R−O− (1)
(式中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基および/または2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に二種以上のRが含まれていてもよい。)
−OC−R−CO− (2)
(式中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基および/または2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に二種以上のRが含まれていてもよい。)
なお、上記式(1)、式(2)において、「2価の鎖状脂肪族炭化水素基および/または2価の脂環式炭化水素基」とは、2価の鎖状脂肪族炭化水素基と2価の脂環式炭化水素基の両方を含んでいてもよいという意味である。また、以下「鎖状脂肪族および/または脂環式」を単に「脂肪族」と略記する場合がある。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、上記式(1)のジオール単位として、1,4ブタンジオール単位を必須成分として含むものである。1,4ブタンジオール単位の含有量は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)を構成する単量体単位全体を基準(100モル%)として、30〜60モル%、特に40〜50モル%であるのが好ましい。
1,4ブタンジオール単位以外のジオール単位としては特に限定されないが、炭素数3〜10個の脂肪族ジオール単位が好ましく、炭素数4〜6個の脂肪族ジオール単位が特に好ましい。具体的には1,3−プロパンジオール、1,4−ヘキサンジメタノール等が挙げられる。前記脂肪族ジオール単位を与えるジオール成分は2種類以上を用いることもできる。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、更に、ジカルボン酸単位としてコハク酸単位を必須成分として含むものである。
更に、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、ジカルボン酸単位として、アジピン酸単位を含んでいても良い。アジピン酸単位は、脂肪族ポリエステル(A)を構成する単量体単位全体を基準(100モル%)として、0.5〜20モル%であるのが好ましく、更に1〜15モル%であるのが好ましい。
コハク酸単位、アジピン酸単位以外のジカルボン酸単位としては特に限定されないが、炭素数2〜10個の脂肪族ジカルボン酸単位が好ましく、炭素数4〜8個の脂肪族ジカルボン酸単位が特に好ましい。具体的には、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は2種類以上を用いることもできる。
更に、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、脂肪族オキシカルボン酸単位を含有していてもよい。脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸等、またはこれらの低級アルコールもしくは分子内エステルが挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体またはラセミ体の何れでもよく、形態としては固体、液体または水溶液の何れであってもよい。これらの中で特に好ましいのは、乳酸またはグリコール酸である。これらの脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
上記脂肪族オキシカルボン酸の量は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)を構成する単量体単位全体を基準(100モル%)として、0〜30モル%であるのが好ましく、更に0〜20モル%であるのが好ましく、特に0〜10モル%であるのが好ましい。
このような脂肪族ポリエステル系樹脂(A)の具体例としては、三菱化学社製「GSPla」、昭和電工社製「ビオノーレ」などが挙げられる。
本発明においては、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、ジカルボン酸単位としてアジピン酸単位を含む脂肪族ポリエステルと、ジカルボン酸単位としてアジピン酸単位を含まない脂肪族ポリエステルのどちらを使用することもできる。使用する用途や必要とされる要求性能によって、両者の配合比率を調整することにより、フィルムの成形性を安定に保つことや、フィルムの耐候性、生分解性等の性能バランスをより良好にすることができる。
脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)
本発明において用いられる脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)は、脂肪族ジカルボン酸単位と、芳香族ジカルボン酸単位と、鎖状脂肪族および/または脂環式ジオール単位とを含むものであり、芳香族ジカルボン酸単位の含有量が、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の全量を基準(100モル%)として、5〜60モル%であるものである。
本発明における脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)は、具体的には、例えば、下記式(3)で表される脂肪族ジオ−ル単位、下記式(4)で表される脂肪族ジカルボン酸単位、および、下記式(5)で表される芳香族ジカルボン酸単位を必須成分とするものである。
−O−R−O− (3)
(式中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基および/または2価の脂環式炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。)
−OC−R−CO− (4)
(式中、Rは直接結合を示すか、2価の鎖状脂肪族炭化水素基および/または2価の脂環式炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。)
−OC−R−CO− (5)
(式中、Rは2価の芳香族炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。)
式(3)のジオール単位を与えるジオール成分は、炭素数が通常2〜10のものであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でも、炭素数2以上4以下のジオールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールがより好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
式(4)のジカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。中でも、コハク酸またはアジピン酸が好ましい。
式(5)の芳香族ジカルボン酸単位を与える芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、中でも、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。また、芳香環の一部がスルホン酸塩で置換されている芳香族ジカルボン酸が挙げられる。なお、脂肪族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分および芳香族ジカルボン酸成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
本発明における脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)には、脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、またはこれらの混合物等が挙げられる。さらに、これらの低級アルキルエステル又は分子内エステルであってもよい。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体またはラセミ体の何れでもよく、形態としては固体、液体または水溶液のいずれであってもよい。これらの中で好ましいものは、乳酸またはグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
この脂肪族オキシカルボン酸の量は、脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)を構成する全構成成分中、0〜30モル%であるのが好ましく、更に0.01〜20モル%であるのが好ましい。
このような脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)の具体例としては、BASFジャパン社製「Ecoflex」、S−EnPol社製「EnPol PBG」などが挙げられる。
<各種添加剤>
本発明の農業用フィルムには、さらに、従来公知の各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、紫外線吸収剤、耐光剤、可塑剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤、分散剤や各種界面活性剤、加水分解防止剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中で特にスリップ剤、アンチブロッキング剤は配合した方が好ましい。
スリップ剤としては、炭素数6〜30の不飽和脂肪酸からなる不飽和脂肪酸アマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイドが挙げられ、エルカ酸アマイド、エルカ酸ビスアマイドが好ましい。
アンチブロッキング剤としては、炭素数6〜30の飽和脂肪酸アマイド、または飽和脂肪酸ビスアマイド(例えばステアリン酸アマイド、ステアリン酸ビスアマイド)、メチロールアマイド、エタノールアマイド、天然シリカ、合成シリカ、合成ゼオライト、タルク等が挙げられる。
耐光剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン〕ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン〕ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2−ビス(3−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エタン、1−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ペンタン、ポリ〔1−オキシエチレン(2,2,6,6−テトラメチル−1,4−ピペリジル)オキシスクシニル〕、ポリ〔2−(1,1,4−トリメチルブチルイミノ)−4,6−トリアジンジイル−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノヘキサメチレン−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物及びそのN−メチル化合物、コハク酸と1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[{6−((1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤の中で、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル6−(tert-ブチル)フェノール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノールが挙げられる。
酸化防止剤としては、BHT、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−α,α’,α”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、カルシウムジエチルビス[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ホスホネート、ビス(2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルフェニル)エタン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオンアミド、n−オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’―ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系酸化防止剤、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとキシレンの反応生成物等のラクトン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤及びこれらの2種以上の混合物などが例示できる。
安定剤としては脂肪酸金属塩が挙げられる。脂肪酸金属塩の脂肪酸成分としてはカルボキシル基を有する通常炭素数が6〜30の鎖状のカルボン酸であり、直鎖状でも分岐状でもよく、また飽和結合のみでも不飽和結合を有していてもよい。脂肪酸の具体例としてはカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルシン酸、エライジン酸、トランス11エイコセン酸、トランス13ドコセン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、エルカ酸等が挙げられる。
一方、金属原子としては、周期表の1A、2A、2B及び3B族の原子が好ましい。好ましい例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛などが挙げられる。
脂肪族金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸アルミニウム、モンタン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種でもよく2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム及びラウリン酸アルミニウムが好ましい。
分散剤としては、モンタンワックス等のエステル系ワックスが挙げられる。
<その他の成分>
また、本発明の農業用フィルムには、本発明の効果を阻害しない範囲で他の生分解性樹脂および天然物、例えば、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロースエステル等や澱粉、セルロース、紙、木粉、キチン・キトサン質、椰子殻粉末、クルミ殻粉末等の動物/植物物質微粉末またはこれらの混合物を配合することができる。
<フィルムの成形方法>
本発明の農業用フィルムを構成する樹脂組成物の混練方法としては、一般的な方法が使用できる。具体的には、ペレットや粉体、固体の細片等をヘンシェルミキサーやリボンミキサーで乾式混合し、単軸や2軸の押出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの公知の溶融混練機に供給して溶融混練することができる。
構成する樹脂組成物からフィルムを成形加工する方法は、押出機を用いてTダイにて押出ししたフィルムをキャストロールで冷却固化する押出成形や、インフレーション成形機により成形する方法が適している。
以下本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜8、比較例1〜2
ハイドロタルサイト、タルクおよび水酸化マグネシウムについては、事前に2軸の押出し機を用いて溶融混練してマスターバッチを作製し、各々表1に記載されている配合により、ペレット状態でドライブレンドし、モダン社製のインフレーション成形機を用いて、150℃設定で、18μm厚のフィルムを成形した。但し、比較例1については、190℃設定で成形した。
[評価方法]
(1)400〜700nmの光線透過率(単位:%)
島津製作所社製分光光度計(UV−2450形)を用いて、フィルムの200〜700nmに於ける全光線透過率を測定した。算出方法は、波長が400以上700nm以下の波長について、1nm毎に測定値を読み取り、読み取った数値の平均を算出し、400〜700nmの全光線透過率とした。
(2)5〜25μmの赤外線透過率(単位:%)
日立製作所製赤外分光光度計(270−30形)を用いて、フィルムの2.5〜25μmに於ける赤外線透過率を測定し、得られたチャートから5μm以上25μm以下の波長について、1μm毎の透過率を読み取り、読み取った数値の平均を算出し、5〜25μmの波長領域の赤外線透過率とした。
(3)地温測定結果(単位:℃)
各フィルムを愛知県愛西市の試験圃場に展張して、2013年12月13日から15日までの3日間、フィルム被覆下10cm土中の温度を連続で測定を行い、午前9時における温度と午後3時における温度について3日間の平均値を測定値とした。
[使用原料]
脂肪族ポリエステル系樹脂(A):三菱化学社製「GSPla」
脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B−1):BASFジャパン社製「Ecoflex」
脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B−2):S−EnPol社製「EnPol PBG」
ポリエチレン(C):日本ポリエチレン社製「ノバテックLL UA425」
ハイドロタルサイト:協和化学工業社製「DHT−4A」(平均粒子径:0.45μm)
タルク:日本ミストロン社製「MISTRON850JS」(平均粒子径:5.0μm)
水酸化マグネシウム:堺化学工業社製「MGZ−3」(平均粒子径:0.1μm)
Figure 2014158465
表1より、本発明の農業用フィルムは、400nmから700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が80%以上であり、5μmから25μmの波長の赤外線に吸収能を持ち、更には、5μmから25μmの波長領域の赤外線透過率をより低くすることによって、日中の気温をより高くすることができ、また、日が落ちた後も土からの熱放射をより軽減させることができることが示される。

Claims (5)

  1. 400nmから700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が80%以上であり、5μmから25μmの赤外線波長領域に吸収能を有し、無機化合物を2〜25重量%含む農業用フィルム。
  2. 5μmから25μmの波長領域の赤外線透過率の平均値が55%以下である、請求項1に記載の農業用フィルム。
  3. 前記無機化合物の平均粒径が50nm〜8μmである、請求項1又は2に記載の農業用フィルム。
  4. 樹脂成分として生分解性樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
  5. 前記生分解性樹脂は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)と脂肪族−芳香族ポリエステル系樹脂(B)の少なくとも一種を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
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