JP2014157914A - 熱電変換素子用組成物およびその用途 - Google Patents

熱電変換素子用組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】本願発明の目的は、熱電変換性能に優れ、かつ、熱的安定性に優れる導電性高
分子を含有する熱電変換組成物を提供することである。更には、前記熱電変換組成物を用
いることで、熱電変換性能に優れる熱電変換素子を提供することである。
【解決手段】導電性高分子と、下記一般式[1]で表される化合物とを含有する熱電変
換組成物、ならびにこれを用いて得られる熱電変換膜と熱電変換素子。
【化1】
Figure 2014157914


(式中、Mは、リチウム原子、ナトリウム原子、または、カリウム原子を表す。
Aはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は熱電変換素子用組成物、ならびにこれを用いて得られる熱電変換膜と熱電変換
素子に関する。
熱電変換組素子は、熱と電力を変換する素子である。2種類の異なる金属または半導体
を接合して、両端に温度差を生じさせると起電力が生じるゼーベック効果を利用する。大
きな電位差を得るためにp型半導体、n型半導体を組み合わせて使用される。
熱電変換素子は、多数の素子を板状、または円筒状に組み合わせた熱電モジュールとし
て使用される。熱電変換素子材料としては、例えば、常温から500Kまではビスマス・
テルル系(Bi−Te系)、常温から800Kまでは鉛・テルル系(Pb−Te系)常温
から1000Kまではシリコン・ゲルマニウム系(Si−Ge系)などが使用されている
。熱電変換素子を利用した熱電発電は地上用発電、人工衛星用の電源として利用されてい
る。
これらの無機材料を用いる熱電変換素子は、しばしば希少元素を含むまたは有害物質を
含む。また加工がしにくい上に、剛直なためにフレキシブル性に優れた熱電変換素子は形
成できないといった課題を抱えている。そのため、汎用化が困難であり、有機材料を熱変
換材料に用いる研究が進められている。中でも導電性高分子が有望であり、特許文献1に
ポリアニリンを用いた熱変換素子が、特許文献2にポリ(3−アルキルチオフェン)を用
いた熱変換素子が、また特許文献3にポリフェニレンビニレンを用いた熱変換素子が、ま
た特許文献4にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(これを以下「PEDOT
」ということがある。)を用いた熱電変換素子がそれぞれ開示されている。
しかし、これら導電性高分子を用いた熱電変換素子の課題として、ゼーベック係数およ
び熱電変換効率指数(ZT)が不十分であることが挙げられる。この課題を改善するため
、これらの導電性高分子に少量のドーパントを添加することにより熱電変換効率指数(Z
T)を向上させている。
特に、PEDOTに代表されるチオフェン系高分子は、優れた導電性を有するホール移
動型半導体として知られている。PEDOTにポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)の
ような高分子電解質を添加することにより、「ドーパント」として導電性と、水への可溶
性とを付与させており、比較的高い熱電変換効率指数(ZT)を示すことが知られている
また、PEDOTに、ポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)のような高分子電解質を
添加すると共に、エチレングリコール、ジメチルスルホキド、n−メチルピロリドンある
いはジメチルホルムアミドような高沸点溶媒を加えることにより、熱電変換効率指数(Z
T)を一層向上させ熱電変換素子に応用した報告がされている。
しかし、従来技術では熱電変換効率指数(ZT)は不十分であるという問題、また、高
沸点溶媒でも溶媒の揮発は避けられないため経時での安定性が不十分であり耐久性が十分
に得られない問題があった。
特開2000−323758号公報 特開2003−332638号公報 特開2003−332639号公報 特開2012−84821号公報
無機材料や従来の導電性高分子材料を用いた熱電変換素子の問題を解決し、加工性や柔
軟性に優れ、さらには、高い熱電変換効率指数(ZT)を持つ熱電変換素子を提供するこ
とである。
本願発明の目的は、熱電変換性能に優れ、かつ、熱的安定性、耐久性に優れる導電性高
分子を含有する熱電変換組成物を提供することである。更には、前記熱電変換組成物を用
いることで、熱電変換性能に優れる熱電変換膜および熱電変換素子を提供することである
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、導電性高分子と、一般式[1]で
表される化合物とを含有する熱電変換成物が熱電変換性能に優れ、熱的安定性、耐久性に
優れる組成物であることを見出し、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、導電性高分子と、下記一般式[1]で表される化合物とを含有する
ことを特徴とする熱電変換組成物に関する。
一般式[1]
Figure 2014157914
(式中、Mは、リチウム原子、ナトリウム原子、または、カリウム原子を表す。
Aはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を表す。)
また本発明は、導電性高分子が、下記一般式[2]で表されるユニットおよび/または
下記一般式[3]および/または下記一般式[3a]で表されるユニットで表されるユニットを有することを特徴とする上記熱電変換組成物に関
する。
一般式[2]
Figure 2014157914
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置
換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の
脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、シアノ基、置換もしくは未置換
のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアル
キルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、または、アリー
ルスルホニル基を表す。)
Figure 2014157914


(式中、R3およびR4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置
換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の
脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、シアノ基、置換もしくは未置換
のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアル
キルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、または、アリー
ルスルホニル基を表す。)
また本発明は、上記熱電変換組成物を用いて得られる熱電変換膜に関する。
また本発明は、上記熱電変換組成物を用いて得られる熱電変換素子に関する。
本発明の熱電変換組成物は、熱電変換性能に優れ、熱的安定性、耐久性に優れる。 ま
た、本発明の熱電変換素子は熱電変換性能に優れ、工場や廃棄物焼却場などの廃熱の利用
に好適に使用することができる。
以下、詳細にわたって本発明を説明する。
まず、本発明で用いられる一般式[1]で表される化合物の例を、以下の表1に示す。
Figure 2014157914
一般式[1]で表される化合物としては、Aがフッ素原子であるものが好ましい。
次に、一般式[2]におけるR1およびR2は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原
子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、
置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、シアノ基
、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換
もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換アミノ基
、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニ
ル基、または、アリールスルホニル基を表す。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げ
られる。
ここで、脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を指し、その
ようなものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基が挙
げられる。
また、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、
オクタデシル基といった炭素数1〜18のアルキル基が挙げられる。
また、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソ
プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、
1−デセニル基、1−オクタデセニル基といった炭素数2〜18のアルケニル基が挙げら
れる。
また、アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1
−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、
1−オクタデシニル基といった炭素数2〜18のアルキニル基が挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基
といった炭素数3〜18のシクロアルキル基が挙げられる。
さらに、芳香族炭化水素基としては、単環、縮合環、環集合炭化水素基が挙げられる。
ここで、単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p
−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の炭素数6〜18の1
価の単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、縮合環炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル
基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル
基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基等
の炭素数10〜18の縮合環炭化水素基が挙げられる。
また、環集合炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビ
フェニリル基等の炭素数12〜18の環集合炭化水素基が挙げられる。
また、脂肪族複素環基としては、2−ピラゾリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2
−モルホリニル基といった炭素数3〜18の脂肪族複素環基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、2−フラ
ニル基、3−フラニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル
基、1−ピロ−リル基、2−ピロ−リル基、3−ピロ−リル基、2−ピリジル基、3−ピ
リジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリ
ル基、2−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、3−ピラゾリル
基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル
基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、2
−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、N−インドリル基、N−カルバゾリル基、N
−アクリジニル基、2−チオフェニル基、3−チオフェニル基、ビピリジル基、フェナン
トロリル基といった炭素数2〜18の芳香族複素環基が挙げられる。
また、アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基
、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基といった炭素
数1〜8のアルコキシル基が挙げられる。
また、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基
、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基といった炭素
数6〜14のアリールオキシ基が挙げられる。
また、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ
基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基といった炭素数1〜8のアルキルチオ基が挙げられ
る。
また、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−t
ert−ブチルフェニルチオ基といった炭素数6〜14のアリールチオ基が挙げられる。
また、置換アミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジ
エチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ベ
ンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−フェニル−
N−メチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ビス(m−トリル)アミノ
基、N,N−ビス(p−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−ビフェニリル)アミノ基
、ビス[4−(4−メチル)ビフェニリル]アミノ基、N−α−ナフチル−N−フェニル
アミノ基、N−β−ナフチル−N−フェニルアミノ基等の炭素数2〜26の置換アミノ基
が挙げられる。
また、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、シクロヘキシ
ルカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、アニソイル基、シンナモイル基等の炭素
数2〜14のアシル基が挙げられる。
また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2〜14のアルコキシカルボニル基が挙げら
れる。
また、アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキ
シカルボニル基等の炭素数2〜14のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
また、アルキルスルホニル基としては、メシル基、エチルスルホニル基、プロピルスル
ホニル基等の炭素数2〜14のアルキルスルホニル基が挙げられる。
また、アリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニ
ル基等の炭素数2〜14のアリールスルホニル基が挙げられる。
これらR1およびR2における、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基
、芳香族複素環基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基は、さらに他の置換基によって置換されていても良い。そのような置換基としては、ハ
ロゲン原子、シアノ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。これらの置環基の例
としては、前述のものが挙げられる。
次に、一般式[3]および一般式[3a]における、R3およびR4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、または、アリールスルホニル基を表す。
一般式[3]および一般式[3a]中のR3およびR4における、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、および、アリールスルホニル基は、それぞれ、R1およびR2におけるハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、および、アリールスルホニル基と同義である。
本発明で用いられる一般式[2]で表されるユニット、一般式[3]および一般式[3a]で表されるユニットの代表例を、以下の表2に示すが、本発明は、この代表例に限定されるものではない。
Figure 2014157914
Figure 2014157914
本発明の導電性高分子について以下に説明する。
本発明の熱電変換組成物に含有される導電性高分子は、電気伝導性を有する高分子であ
れば特に制限されない。例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチ
オフェン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレンが挙げられる。また、これらの
混合物であっても良い。なかでも、導電性により優れるという観点から、ポリチオフェン
が好ましい。
ポリチオフェンは、チオフェン骨格のユニット(繰り返し単位)を有するものであれば
特に制限されない。また、ポリチオフェンとしては、例えば、ポリアニオンの存在下でカ
チオン的に帯電したものを使用することができる。また、ポリチオフェンは、一般式[2
]、一般式[3]および一般式[3a]で表されるユニットをそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて有することができる。
ポリチオフェンが2種以上のユニットを有する場合、ポリチオフェンはコポリマーとな
る。ポリチオフェンコポリマーは、その配列について特に制限されない。例えば、ランダ
ムコポリマー、ブロックコポリマーを有するコポリマーが挙げられる。
ポリチオフェンが有することができるドーパントは、特に限定されないが、ポリチオフ
ェンへの可溶性付与の観点から高分子電解質が望ましい。高分子電解質は側鎖もしくは主
鎖にアニオンを有するものが望ましい。高分子電解質としては、例えば、カルボン酸、ス
ルフォン酸を有するものを挙げることができる。なかでも、水への可溶性の観点から、ポ
リスチレンスルホン酸(PSS)が望ましい。
導電性高分子はその製造法について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げ
られる。導電性高分子としてのポリチオフェンは、例えば、チオフェン骨格を有するモノ
マーを化学的または電気化学的に酸化重合することによって製造することができる。
ポリチオフェンの製造の際に使用されるモノマーは、チオフェン骨格を有する化合物
であれば特に制限されない。例えば、上記のチオフェン骨格を有するユニットに対応する
ものが挙げられる。具体的には、例えば、3,4−アルキレンジオキシチオフェンが挙げ
られる。3,4−アルキレンジオキシチオフェンが有するアルキレン基としては、置換さ
れていてもよい炭素原子数1〜18のアルキレン基が挙げられる。具体的には、例えば、
1、2−エチレン基、1、3−プロピレン基、1、2−シクロヘキシレン基が挙げられる
。置換基としては、例えば、スルホネート基、スルホォン酸基、ヒドロキシ基、カルボキ
シ基、アミノ基、アミド基、イミド基が挙げられる。
また、導電性高分子として市販品を使用することができる。ポリチオフェンの市販品と
しては、例えば、商品名Baytron P(Bayer社製)として供給されている、
チオフェン含有ポリマーの安定化された分散体が挙げられる。導電性高分子はそれぞれ単
独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
導電性高分子に添加する一般式[1]で表される化合物の量は、導電性、熱的安定性に
より優れるという観点から、導電性高分子100重量部に対して、0.1重量部以上であ
るのが好ましく、1〜100重量部であるのがより好ましく、20〜50重量部であるの
がさらに好ましい。
本発明の熱電変換組成物は、導電性高分子および、一般式[1]で表される化合物のほ
かに、本発明の効果を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。添加剤は
、特に制限されない。例えば、フィルム形成剤、架橋剤、結合剤、本発明の熱電変換組成
物に含有される化合物以外のドーパント、艶消し剤、界面活性剤、塗被助剤、寸法安定性
を改善するためのポリマーラティス、増粘剤、増粘防止剤、粘度改質剤、硬膜剤、帯電防
止剤、色素、顔料、カブリ防止剤、滑剤、酸化防止剤、接着性付与材を含むことができる
。添加剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
混合時にさらに溶媒を添加することによって、製膜性を高くすることができる。溶媒と
しては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールのよう
なアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケト
ン類;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、メチル
プロピルカーボネートのような炭酸エステル類;プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、メチルアセテート、エチルアセテートの
ようなエステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、グリコールエーテルのようなエーテル類;これらにフッ素などの置換基を導入
した化合物が挙げられる。溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。
本発明の熱電変換組成物はその製造について特に制限されない。導電性高分子、化合物
および必要に応じて使用することができる添加剤を、例えば、ロール、ニーダー、バンバ
リーミキサー等の混練機による機械撹拌、撹拌子による撹拌、超音波を利用する撹拌によ
って混合し、本発明の熱電変換組成物を製造する方法が挙げられる。また、溶媒を使用す
る場合、例えば、ビーズミル、三本ロールを用いて導電性高分子および化合物を混合させ
て、本発明の熱電変換組成物を製造することができる。
本発明の熱電変換組成物は、水系および/または溶媒系の分散体として得ることができ
る。
本発明の熱電変換組成物を適用することができる基材は、特に制限されない。基材とし
ては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
スチレン、ポリ(ビニルアセタール)、セルローストリアセテート、セルロースニトレート
、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート、ガラス、シリコンウエハが挙げられる。
基材は可撓性のフィルム支持体であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。また
、 基材は、用途に応じて透明又は不透明であってよい。
本発明の熱電変換膜を基材の上に製造する方法について以下に説明する。
本発明の熱電変換膜を基材の上に製造する場合、その製造方法としては、例えば、熱電
変換組成物を基材の上に塗布する塗布工程と、必要に応じて、熱電変換組成物を乾燥させ
て熱電変換膜を形成する乾燥工程とを有する製造方法が挙げられる。
塗布工程は、熱電変換組成物を基材の上に塗布し、基材の上に熱電変換組成物の塗膜を
形成する工程である。塗布工程において、熱電変換組成物を基材に塗布する方法としては
、例えば、ラングミュアーブロジッド(LB)膜形成法、スピンコーティング法、スプレ
ーコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、ディップ法
、遠心成型法、押出成形法、インジェクション成形法、インフレーション成形法、光パタ
ーン形成方法等が挙げられる。
本発明の熱電変換組成物には、熱電変換性能を高めるために無機熱電材料から成る微
粒子を加えても良い。無機熱電材料としては、Bi−(Te、Se)系、Si−Ge系、
Pb−Te系、GeTe−AgSbTe系、(Co、Ir、Ru)−Sb系、(Ca、S
r、Bi)Co25系などを挙げることができ、具体的には、Bi2Te3、PbTe、A
gSbTe2、GeTe、Sb2Te3、NaCo24、 CaCoO3、SrTiO3、Z
nO、SiGe、FeSi2、Ba8Si46、MnSi1.73、ZnSb、Zn4Sb3、Ge
Fe3CoSb12、LaFe3CoSb12などが挙げられる。このとき、上記の無機熱電材
料に、不純物を加えて半導体としての極性(p型、n型)や導電率を制御して利用しても良
い。
乾燥工程は、付与工程後、熱電変換組成物の塗膜を乾燥させて、熱電変換膜を形成する
工程である。なお、乾燥工程は、必要に応じて設けることができる。乾燥工程において塗
膜を加熱して乾燥させる場合、温度は、80〜150℃であるのが好ましい。
本発明の熱電変換組成物は熱的安定性に優れるので乾燥工程における温度を高くするこ
とができ、生産性に優れる。
本発明の熱電変換素子を製造する場合、その製造方法は特に制限されない。例えば、従
来公知のものが挙げられる。
熱電変換素子は、熱電変換組成物を用いて得た熱電変換膜に二つの電極を取り付けるこ
とで作成することが出来る。
電極としては、金属、合金、および半導体を好適に用いることが出来るが、とりわけ導
電率が高いことから金属および合金が好ましく、金、銀、銅、アルミニウムおよびそれら
の合金が好ましい。
電極は、真空蒸着法、電極材料箔や電極材料膜を有するフィルムの熱圧着、電極材料の
微粒子を分散したペーストの塗布、などで形成することが出来る。この中では、プロセス
が簡便な観点で、電極材料箔や電極材料膜を有するフィルムの熱圧着、電極材料を分散し
たペーストの塗布による電極の形成が好ましい。
熱電変換膜と二つの電極の位置関係の代表例としては、本発明の熱電変換膜の両端に電
極が形成されている場合、2つの電極で本発明の熱電変換膜が挟持されている場合、の2
つが挙げられる。
例えば、基材に熱電変換膜を形成した後に、その両端に銀ペーストを塗布することで本
発明の熱電変換膜の両端に電極が形成されている熱電素子を作成出来る。また、例えば、
基材上に銀ペーストを塗工することで電極膜を形成し、その上に本発明の熱電変換膜を形
成し、さらにその上に、銀ペーストを塗工することで、2つの電極で本発明の熱電変換膜
が挟持されている熱電素子が形成できる。
熱電変換膜の両端に電極が形成されている場合、2つの電極間の距離を広くとることが
容易であり、結果として2つの電極間で大きな温度差を発生させて熱電変換を行うことが
出来る。
2つの電極で本発明の熱電変換膜が挟持されている場合は、二つの電極間の距離を広く
することは難しい。なぜならば、熱電変換膜の膜厚に依存するためである。このため、2
つの電極間に大きな温度差を発生させることは難しい。しかし、基材に対して垂直な方向
の温度差を利用できることから、発熱体に貼り付けるなどの形で利用することが可能であ
り、熱源の広い面積の活用が容易い点で好ましい。
また、熱電素子を、直列に接続することで高い電圧を発生させることが可能であり、並
列に接続することで大きな電流を発生させることが可能である。また、2つ以上の熱電素
子を接続することも可能である。
本発明の熱電素子を他の熱電材料から成る熱電素子と組み合わせることも有効である。
例えば、無機熱電材料としては、Bi−(Te、Se)系、Si−Ge系、Pb−Te系
、GeTe−AgSbTe系、(Co、Ir、Ru)−Sb系、(Ca、Sr、Bi)C
25系などを挙げることができ、具体的には、Bi2Te3、PbTe、AgSbTe2
、GeTe、Sb2Te3、NaCo24、 CaCoO3、SrTiO3、ZnO、SiG
e、FeSi2、Ba8Si46、MnSi1.73、ZnSb、Zn4Sb3、GeFe3CoS
12、LaFe3CoSb12などが挙げられる。このとき、上記の無機熱電材料に、不純
物を加えて極性(p型、n型)や導電率を制御して利用しても良い。有機熱電材料としては
、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、フラーレンおよびそれらの誘導体が
挙げられる。
複数の熱電素子を接続する場合、1つの基材に集積した状態で接続して利用することも
出来る。この際、本発明の熱電素子に対してn型としての極性を示す熱電材料から成る熱
電素子を組み合わせ、直列に接続することは、熱電素子を緻密に集積することが容易と成
るために好ましい。
熱電変換組成物については、従来、導電性高分子の導電性を高くするために、二次ドー
パントとして高沸点溶媒を添加することが提案されていた(例えば、特許文献4)。しか
しながら、高沸点溶媒であっても揮発は避けられず、成分組成が変化しやすい。このため
、高沸点溶媒を含む組成物を電気・電子材料として応用することを考える場合、そのよう
な組成物は電気的特性が不安定となるおそれがあった。また、有機溶媒は可燃性であるた
め、信頼性、安全性が低く、応用範囲が狭くなるという問題があった。
また、従来、導電性高分子にドーパントを添加する場合、ドーパントの量を極微量とす
ることによって、導電性高分子の導電性が大幅に向上することが知られている。一般的に
、ドーパント自身が有する導電性は、ドープ後の導電性高分子の導電性よりも著しく低い
。このため、ドーパントを必要以上に導電性高分子に添加しても、導電性高分子と大量の
ドーパントを含む組成物の導電性は、導電性高分子よりも向上しないので、結果としてそ
れらを用いた熱電変換組成物による熱電変換素子では熱電変換性能指数(ZT)は低下す
る。
また、導電性高分子にドーパントとして、高分子電解質を大量に混合することは、導電
性を著しく低下させるというのがこれまでの通説であった。例えば、PEDOTには導電
性の付与を目的としてPSSのような高分子電解質が添加されている。このように、PE
DOTのような導電性高分子にドーパントとして高分子電解質(塩)を大量に混合するこ
とは、導電性を著しく低下させると考えられていた。 しかしながら、本願発明により、
導電性高分子に、ドーパントとして、一般式[1]で示される化合物を加えることで、導
電性高分子の導電性をより優れたものとすることができ、結果優れた熱電変換性能指数(
ZT)とすることができる。
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるもので
はない。なお、以下の実施例、比較例の説明中、部は重量部、% は重量% を表す。また
、「Mn 」は、数平均分子量を表す。
合成例1
57 mlの脱イオン水中に、0.27gの表3の化合物(21)、6.53g のポリ
スチレンスルホン酸18%水溶液(Mn:70,000)、0.54gの過硫酸アンモニ
ウムおよび、15mgの硫酸鉄(III)を加え、室温にて24 時間攪拌することによ
り、導電性樹脂(1) の水分散液を得た(固形分2.0%)。
合成例2〜7
表3の化合物(21)の代わりに、表3の化合物(22)〜(27)を用いた以外は、
合成例1と同様にして導電性樹脂の水分散液を得た(固形分2.0%)。
合成例8
表3の化合物(21)の代わりに、表3の化合物(21)と表3の化合物(25)の1
:1(モル比)混合物を用いた以外は、合成例1と同様にして導電性樹脂の水分散液を得
た(固形分2.0%)。
合成例9
表3の化合物(21)の代わりに、表3の化合物(21)と表3の化合物(26)の1
:1(モル比)混合物を用いた以外は、合成例1と同様にして導電性樹脂の水分散液を得
た(固形分2.0%)。
合成例10
表3の化合物(21)の代わりに、表3の化合物(21)と表3の化合物(30)の1
:1(モル比)混合物を用いた以外は、合成例1と同様にして導電性樹脂の水分散液を得
た(固形分2.0%)。
Figure 2014157914
Figure 2014157914
以下、表4に、合成例1〜10で合成した導電性樹脂を示す。尚、合成例1〜10で合
成した導電性樹脂には、ポリスチレンスルホン酸が、下記ポリマー1に対し4.3倍の重
量比率で混合している。また、n、mは、1から100,000の正の整数である。
Figure 2014157914
Figure 2014157914
ここで、無次元熱電性能指数(ZT)とその導出に関して説明する。ZTは以下の式で
表される。
ZT=(S2・σ・T)/κ
ここで、Sはゼーベック係数(V/K)、σは導電率(S・m)、κは熱伝導率(W/(
m・K))である。熱伝導率κは以下の式で表される。
κ=α・ρ・C
ここで、αは熱拡散率(m2/s)、ρは密度(kg/m3)、Cは比熱容量(J/(kg
・K))である。
ゼーベック係数と導電率はZEM−2(アルバック理工製)、熱拡散率は周期加熱法熱
拡散率測定装置FTC−1(アルバック理工製)、比熱容量は示差走査熱量測定装置DS
C6200(セイコーインスツル製)を用いて測定し、密度は文献値より1.45(g/
cm3)と見なしてZTの算出を行った。
実施例1
洗浄したポリイミド基材上に、導電性高分子の水分散液PEDOT/PSS(ポリ(3
,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、(Baye
r社製BAYTRON P)を2.0gと、本発明の表1中の化合物(1)を表5に示す
量、2−イソプロピルアルコール1.0gを混合させ、これを、バーコーター(No.8
)を用いて、PET板上に塗工し、100℃にて3分間加熱乾燥させて熱電変換膜(膜厚
30μm)を得た。この熱電変換膜に関して、100℃の環境におけるZTを、作製直後
および耐久試験後(60℃の環境下に100時間)についてそれぞれ算出した結果を表5
に示す。
また、この熱電変換膜を幅1mm×長さ40mmの短冊状に基材と一緒に切り出し、粘
着層を有するポリイミドフィルムの粘着面に2mm間隔で接着した。さらに、熱電変換膜
と熱電対を形成するニッケル箔(厚み20μm)を、幅1mm×長さ40mmの短冊状に
切り出し、ポリイミドフィルムの粘着面で短冊状熱電変換膜の間に設置した。導電性ペー
ストのドータイトD−500(藤倉化成株式会社制)を用いて、熱電変換膜の1つの端部
とニッケル箔の1つの端部を電気的に接続することで単位熱電対を形成し、ポリイミドフ
ィルム上に10対の単位熱電対を設け、これらの単位熱電対を直列に接続して熱電変換素
子を作製した。
この熱電変換素子の片側に配置される複数の電気的接続部分を温接点としてヒーターと
接触させて、室温で発電実験を行った。温接点温度が105℃の場合、もう一方の複数の
電気的接続部分すなわち冷接点は25℃であって室温とほぼ同じとなり、十分な温度差が
2つの接点間で得られた。このときの電流-電圧特性から求めた最大出力電力を表5に示
す。
表5
Figure 2014157914
実施例2
導電性高分子の水分散液として、ポリチオフェン誘導体(ポリ(チオフェン−3−[2−
(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2,5−ジイル)、スルホン化 2% in ethylene glyc
ol monobutyl ether/water, 3:2, electronic grade(Aldrch社製)を使用した以
外は、実施例1と同様に熱電変換膜および熱電変換素子を作成・評価した。結果を表6に
示す。
表6
Figure 2014157914
実施例3
導電性高分子の水分散液として、表4の導電性高分子(1)を使用した以外は、実施例
1と同様に熱電変換膜および熱電変換素子を作成・評価した。結果を表7に示す。
表7
Figure 2014157914
実施例4
導電性高分子の水分散溶液として、表4の導電性高分子(1)を使用し、表1中の化合
物(1)の代わりに表1の化合物(2)を添加した以外は、実施例1と同様に熱電変換膜
および熱電変換素子を作成・評価した。結果を表7に示す。結果を表8に示す。
表8
Figure 2014157914
実施例5
導電性高分子の水分散溶液として、表4の導電性高分子(1)を使用し、表1中の化合
物(1)の代わりに表1の化合物(3)を添加した以外は、実施例1と同様に熱電変換膜
および熱電変換素子を作成・評価した。結果を表9に示す。
表9
Figure 2014157914
実施例6〜14
導電性高分子の水分散溶液として、表10に記載の表4の導電性高分子を使用し、表1
中の化合物(1)を0.025g(導電性高分子固形分に対して50%)添加した以外は
、実施例1と同様に熱電変換膜および熱電変換素子を作成・評価した。結果を表10に示
す。
表10
Figure 2014157914
実施例15
導電性高分子の水分散溶液として、表4の導電性高分子(1)を使用し、表1中の化合
物(1)の代わりに表1の化合物(4)を添加した以外は、実施例1と同様に熱電変換膜
および熱電変換素子を作成・評価した。結果を表11に示す。
表11
Figure 2014157914
実施例16
導電性高分子の水分散溶液として、表4の導電性高分子(1)を使用し、表1中の化合
物(1)の代わりに表1の化合物(5)を添加した以外は、実施例1と同様に熱電変換膜
および熱電変換素子を作成・評価した。結果を表12に示す。
表12
Figure 2014157914
実施例17
導電性高分子の水分散溶液として、表4の導電性高分子(1)を使用し、表1中の化合
物(1)の代わりに表1の化合物(6)を添加した以外は、実施例1と同様に熱電変換膜
および熱電変換素子を作成・評価した。結果を表13に示す。
表13
Figure 2014157914
比較例1
実施例1において、表1中の化合物(1)の代わりに、エチレングリコールを用いて導
電性膜を作成した以外は、実施例1と同様に熱電変換膜および熱電変換素子を作成・評価
した。結果を表14に示す。
表14
Figure 2014157914
表5〜13を見て明らかなように、本発明の組成物は、比較例1で作成した熱電変換膜
よりも、高いZTが得られ、かつ、耐熱保存安定性が高い結果が得られた。また、表5〜
13を見て明らかなように、本発明の組成物はいずれも、比較例1で作成した熱電変換素
子よりも高い最大出力電力が得られた。
以上より、本発明の組成物を用いることで、熱電変換性能に優れ、かつ、熱的安定性に
優れる導電性高分子を含有する熱電変換組成物が得られることがわかった。更には、本発
明の組成物を用いることで熱電変換性能に優れる熱電変換素子が得られることがわかった


Claims (4)

  1. 導電性高分子と、下記一般式[1]で表される化合物とを含有することを特徴とする熱
    電変換組成物。
    Figure 2014157914


    (式中、Mは、リチウム原子、ナトリウム原子、または、カリウム原子を表す。
    Aはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を表す。)
  2. 導電性高分子が、下記一般式[2]で表されるユニットおよび/または下記一般式[3
    ]で表されるユニットおよび/または下記一般式[3a]で表されるユニットを有することを特徴とする請求項1記載の熱電変換組成物。
    一般式[2]
    Figure 2014157914


    (式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置
    換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の
    脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、シアノ基、置換もしくは未置換
    のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアル
    キルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキ
    シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、または、アリー
    ルスルホニル基を表す。)
    Figure 2014157914


    (式中、R3およびR4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置
    換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の
    脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、シアノ基、置換もしくは未置換
    のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアル
    キルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキ
    シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、または、アリー
    ルスルホニル基を表す。)
  3. 請求項1または2記載の熱電変換組成物を用いて得られる熱電変換膜。
  4. 請求項1または2記載の熱電変換組成物を用いて得られる熱電変換素子。
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