JP2015153976A - 熱電変換素子用材料および熱電変換素子 - Google Patents

熱電変換素子用材料および熱電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリア移動度が高い熱電変換素子用材料と、それを用いることによる熱電変換性能の高い熱電変換素子を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体を含有する熱電変換素子用材料。(上記一般式(1)中、R1は、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基または置換されていてもよいアルカノイル基を表す。R2はそれぞれ同じでも異なっていても良く、置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。Xは水素原子またはハロゲン原子を表す。nは重合度を示し、2以上1,000以下の整数を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、熱電変換素子用材料、およびこれを用いた熱電変換素子に関する。
持続可能社会の実現に向け、環境負荷の小さい再生可能エネルギーの重要性はますます高まっている。その中で熱電発電は、太陽光発電と同様に可動部が不要で熱エネルギーを直接的に電力に変換することができるクリーンな発電方式であり、技術成熟度が高い他の発電技術(水力発電、風力発電など)に次ぐ電気エネルギー源となることが期待されている。熱電発電素子やペルチェ素子のような熱電変換素子には、熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することが可能な熱電変換材料が用いられる。現在、この熱電発電材料として主に実用化されているのはビスマス−テルル系に代表される無機材料である。しかし、これら無機系熱電変換素子は、素材が高価で、また熱電変換素子への加工プロセスが複雑であるために、低コスト化が本質的に困難であるという欠点を抱えている。さらに、動作温度が高い、柔軟性に欠ける、有害物質を含んでいるという課題もあるため、使用環境が限られ、広く普及するには至っていない。このため、上述の諸課題を抜本的に克服できる可能性がある有機熱電変換素子の開発が進められている。
熱電変換材料の性能指数ZT(無次元)は下記式(A)で示され、性能向上にはゼーベック係数Sと共に、導電率σの向上が重要である。
性能指数ZT=S・σ・T/κ (A)
S(V/K):ゼーベック係数
σ(S/m):導電率
κ(W/mK):熱伝導率
T(K):絶対温度
したがって、ゼーベック係数や導電率が大きいほど、また熱伝導率が小さいほど有利である。有機材料は、無機材料に比べて一般的に小さい熱伝導率を有しているため、高い熱電変換性能を得るためには、とりわけゼーベック係数と導電率の向上が重要である。
有機熱電変換素子として、例えば、ポリアニリン等の導電性高分子を用いた熱電素子(特許文献1)、ポリチエニレンビニレンからなる熱電変換材料(特許文献2)、ポリアニリンをドーピングしてなる熱電材料(特許文献3、4)がそれぞれ開示されている。また、ポリ(3−アルキルチオフェン)をヨウ素でドープした導電性高分子からなる熱電変換材料(特許文献4)や、ポリフェニレンビニレン又はアルコキシ置換ポリフェニレンビニレンをドーピング処理して得られる導電性高分子からなる熱電変換材料(特許文献5)、導電性材料としてカーボンナノチューブ等のナノカーボン材料を添加した熱電変換材料(特許文献6)なども検討されている。
特開2010−95688号公報 特開2009−71131号公報 特開2001−326393号公報 特開2003−332638号公報 特開2003−332639号公報 特開2013−98299号公報
しかしながら、これらの熱電変換材料はいずれも熱電変換性能が未だ充分とは言えず、より高い熱電変換性能を有する有機熱電変換材料の開発が望まれている。本発明は、キャリア移動度が高い熱電変換素子用材料と、それを用いることによる熱電変換性能の高い熱電変換素子を提供することを目的とする。
チエノ[3,4−b]チオフェン骨格およびベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン骨格で構成される共役系重合体の置換基および側鎖の種類を検討した結果、キャリア移動特性を改善し、熱電変換素子の変換効率を高める構造を見出した。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体を含有する熱電変換素子用材料および熱電変換素子である。
Figure 2015153976
(上記一般式(1)中、Rは、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基または置換されていてもよいアルカノイル基を表す。Rはそれぞれ同じでも異なっていても良く、置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。Xは水素原子またはハロゲン原子を表す。nは重合度を示し、2以上1,000以下の整数を表す。)
本発明によれば、熱電変換性能の高い熱電変換素子を提供することができる。
本発明の熱電変換素子の一態様を示した模式図。 本発明の熱電変換素子の別の態様を示した模式図。
本発明の熱電変換素子用材料は一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体を含む。
Figure 2015153976
上記一般式(1)中、Rは、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基または置換されていてもよいアルカノイル基を表す。ここで、アルコキシカルボニル基とはエステル結合を介したアルキル基を示す。アルカノイル基とはケトン基を介したアルキル基または(ポリ)オキシアルキレン基を示す。チエノ[3,4−b]チオフェン骨格の2位にカルボニル基を有する置換基を配置することで熱電変換素子用材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital;最高被占分子軌道)準位を深めることができ、大気安定性を高めることが可能となる。
当該アルキル基の炭素数は、共役系重合体の十分な溶解性とキャリア移動度を両立させるためには、4以上10以下であることが好ましく、7以上9以下が特に好ましい。アルキル基上の置換基として、ハロゲンは共役系重合体の凝集状態を改善する効果があり、原子半径の小さなフッ素が好ましく用いられる。Rが置換される場合の置換基としては、ハロゲンの他、アルコキシ基、(ポリ)オキシアルキレン基、チオアルコキシ基が挙げられる。
はそれぞれ同じでも異なっていても良く、置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。一般式(1)のRの位置にヘテロアリール基を導入することによって共重合体の平面性を高め、熱電変換素子用材料のキャリア移動度を高めることができる。ヘテロアリール基とは、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、チエノチエニル基などの炭素以外の原子を有する複素芳香環基を示す。Rに用いられるヘテロアリール基の炭素数は、キャリア移動度を保つために2以上6以下が好ましく、ベンゾジチオフェン骨格とのねじれをおさえてパッキング性を高めるために、分子サイズの小さな5員環構造であるチエニル基またはフリル基が特に好ましく用いられる。ヘテロアリール基上の置換基としては熱電変換素子用材料の溶解性とキャリア移動度を両立させるために、炭素数が6以上10以下の直鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数が6以上10以下の直鎖状または分岐状のアルコキシ基、またはヘテロアリール基が好ましい。
上記一般式(1)中、Xは水素原子またはハロゲン原子を表す。ここでハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれかである。熱電変換素子用材料のHOMO準位を効果的に深め、またパッキング性を保つためにも原子半径の小さなフッ素が特に好ましく用いられる。
また、nは重合度を示し、2以上1,000以下の整数を表す。nを5以上とすることにより、熱電変換素子用材料のキャリア移動度を高めることができるために、熱電変換性能を高めることができる。合成上の容易さからnは100未満であることが好ましい。重合度nは以下の式から求めることができる。
重合度n=[(重量平均分子量)/(繰り返しユニットの分子量)]
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定し、ポリスチレンの標準試料に換算して求めることができる。なお、熱電変換素子用材料におけるチエノ[3,4−b]チオフェン骨格の向きはランダムでもレジオレギュラーでもかまわない。
上記一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体として、具体的には下記のような構造が挙げられる。ただし、nは2以上1,000以下の整数を示す。
Figure 2015153976
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また、本発明の熱電変換素子用材料において、一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体は、上記一般式(1)で表される構造を満たすものであれば、R、R、Xが異なる構造が組み合わされていても構わない。例えば、以下のような共重合体が挙げられる。括弧で括られた繰り返し単位に添えられた数字は繰り返し単位の比率を表す。nは2以上1,000以下の整数を示す。
Figure 2015153976
Figure 2015153976
また、一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体は、さらに2価の共役系連結基を含む共重合体であってもかまわない。この場合、一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体に対して、2価の共役系連結基は、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であることが熱電変換素子用材料のキャリア移動度を保つために好ましい。
好ましい2価の共役系連結基の例としては下記のような構造が挙げられる。中でもチエノ[3,4−b]チオフェン骨格およびベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン骨格で構成される構造が共役系重合体のキャリア移動度を保つために好ましい。
Figure 2015153976
ここで、R〜R53は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオエステル基、アルカノイル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲンの中から選ばれる。
なお、一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体は、たとえばY.Liang、D.Feng、Y.Wu、S.−T.Tsai、G.Li、C.Ray、L.Yu著、「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサエティ(Journal of the American Chemical Society)」、2009年、131巻、7792頁、あるいは、F.He、W.Wang、W.Chen、T.Xu、S.B.Darling、J.Strzalka、Y.Liu、L.Yu著、「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサエティ(Journal of the American Chemical Society)」、2011年、133巻、3284頁に記載されている方法に類似した方法等で合成することができる。
本発明の熱電変換素子用材料は他の共役系重合体を含んでいてもよい。他の共役系重合体としては、ポリチオフェン系重合体、ベンゾチアジアゾール−チオフェン系誘導体、ベンゾチアジアゾール−チオフェン系共重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリ−p−フェニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリチエニレンビニレン系重合体等が挙げられる。これら、他の共役系重合体の含有量は、好ましくは0〜50質量%であり、より好ましくは0〜20質量%である。
高い熱電変換性能を得るために、本発明の熱電変換素子用材料は、キャリア密度を高めるドーパントを含有していることが好ましい。このようなドーパントとしては、例えば、ハロゲン(Cl,Br,I,ICl,ICl,IBr,IF等)、ルイス酸(PF,AsF,SbF,BF,BCl,BBr,SO等)、プロトン酸(HF,HCl,HNO,HSO,HClO,FSOH,CISOH,CFSOH,各種有機酸,アミノ酸等)、遷移金属化合物(FeCl,FeOCl,TiCl,ZrCl,HfCl,NbF,NbCl,TaCl,MoF,MoCl,WF,WCl,UF,LnCl(Ln=La,Ce,Pr,Nd,Smなどのランタノイド))、電解質アニオン(Cl,Br,I,ClO ,PF ,AsF ,SbF ,BF ,各種スルホン酸アニオン)等の酸化剤や、ポリリン酸、ヒドロキシ化合物、カルボキシ化合物、スルホン酸化合物等の酸性化合物、オニウム塩(スルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩、カルボニウム塩、ホスホニウム塩等)、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、フッ素化テトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)などが挙げられる。これらのドーパントの含有量は、好ましくは0〜20質量%であり、より好ましくは0.01〜10質量%である。
また、本発明の熱電変換素子用材料は、導電助剤を含有していてもよい。導電助剤の添加により、導電率を向上させ、熱電変換性能を改善することができる。このような導電助剤として、カーボンナノチューブとその誘導体、グラフェンとその誘導体、フラーレンとその誘導体等を挙げることができる。これらの導電助剤の含有量は、好ましくは0〜10質量%であり、より好ましくは0〜5質量%である。
本発明の熱電変換材料は上記成分の他に、酸化防止剤、対光安定剤、耐熱安定剤、可塑剤等を含有してもよい。これらの成分の含有量は、熱電変換材料中5質量%以下であることが好ましく、0〜2質量%であることがより好ましい。酸化防止剤としては、IRGANOX(登録商標)1010(日本チバガイギー製)、スミライザー(登録商標)GA−80(住友化学工業(株)製)、スミライザーGS(住友化学工業(株)製)、スミライザーGM(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。耐光安定剤としては、TINUVIN(登録商標) 234(BASF製)、CHIMASSORB(登録商標) 81(BASF製)、サイアソーブ(登録商標)UV−3853(サンケミカル製)等が挙げられる。耐熱安定剤としては、IRGANOX 1726(BASF製)が挙げられる。可塑剤としては、アデカサイザー(登録商標)RS(アデカ製)等が挙げられる。
本発明の熱電変換素子用材料は、高い熱電変換特性を有しており、熱電変換素子に好適に用いることができる。
本発明の熱電変換素子は、本発明の熱電変換素子用材料を用いてなるものであればよく、その構成については特に限定されないが、基材と、本発明の熱電変換素子用材料を含む熱電変換層と、これらを電気的に接続する電極とを有していることが好ましい。本発明の熱電変換素子の構造の一例として、図1に示す素子および図2に示す素子の構造が挙げられる。図1に示す素子は、第1の基材(2)上に、第1の電極(3)及び第2の電極(5)を含む一対の電極と、該電極間に本発明の熱電変換素子用材料の層(4)を備える素子である。第2の電極(5)は第2の基材(6)表面に配設されており、第1の基材(2)及び第2の基材(6)の外側には互いに対向して金属板(1、7)が配設される。図2に示す素子は、第1の基材(8)上に、第1の電極(9)及び第2の電極(10)が配設され、その上に熱電変換素子用材料の層(11)が設けられている。その外側には第2の基材(12)を備える。
熱電変換素子用材料の層の形成方法に特に制限は無く、ウェットプロセスとドライプロセスのいずれも用いることができるが、一般的には溶媒を用いた塗布法が好ましく用いられる。このとき用いられる溶媒は、有機半導体が溶媒中に適当に溶解、または分散できるものであれば特に限定されないが、有機溶媒が好ましく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキシルなどの脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジメチルカーボネートなどのエステル類、エチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、イソクロマン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジグリムなどのエーテル類、アンモニア、エタノールアミンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、スルホランなどのスルホン類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、二硫化炭素、1,8−オクタンジチオールなどのチオール類、アセトニトリル、アクリロニトリルなどのニトリル類、酢酸、乳酸などの脂肪酸類、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジンなどの複素環式化合物類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、スチレン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、エチニルベンゼン、テトラリン、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、ベラトロール、1,3−ジメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、3,4,5−トリメトキシトルエン、2−メトキシトルエン、2,5−ジメチルアニソール、o−クロロフェノール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、1−ブロモナフタレン、1−メチルナフタレン、o−ジヨードベンゼン、アセトフェノン、2,3−ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、1,4−ベンゾジオキサン、酢酸フェニル、安息香酸メチル、クレゾール、アニリン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,1,3−テトラクロロプロパン、1,2,2,3−テトラクロロプロパン、1,1,2,3−テトラクロロプロパン、ペンタクロロプロパン、ヘキサクロロプロパン、ヘプタクロロプロパン、1−ブロモプロパン、1,2−ジブロモプロパン、2,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,2,3−トリブロモプロパン、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジブロモヘキサン、1,7−ジブロモヘプタン、1,8−ジブロモオクタン、1−ヨードプロパン、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジヨードブタン、1,5−ジヨードペンタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,7−ジヨードヘプタン、1,8−ジヨードオクタンなどのハロゲン炭化水素類などが挙げられる。なお、これらを2種以上混合して用いてもよい。
熱電変換素子用材料の層の形成には、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法、真空蒸着法など何れの方法を用いてもよく、膜厚制御や配向制御など、得ようとする熱電変換特性に応じて形成方法を選択すればよい。
熱電変換素子用材料の層の厚みは、0.1〜1000μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましい。層の厚みが薄いと温度差を付与しにくくなることと、層内の抵抗が増大してしまうため好ましくない。
基材(2、6、8、12)に特に制限は無いが、ガラス、透明セラミックス、金属、プラスチックフィルム等が挙げられる。コストと柔軟性の観点から、プラスチックフィルムが好ましく、特に、ポリエステル系フィルム、ポリシクロオレフィン系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテル系フィルム、ポリスルフィド系フィルムが好ましい。ポリエステル系フィルムとしては、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが好ましい。第1及び第2の基材の厚さに特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選択できるが、50〜1000μmであることが好ましく、200〜800μmであることがより好ましい。基材が薄すぎると外部衝撃により膜が損傷しやすくなる。
電極(3、5、9、10)としては、例えば、インジウム、スズ、モリブデン、ニッケルなどの金属酸化物、複合金属酸化物(インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)など)、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、錫、アルミニウム、インジウム、クロム、ニッケル、コバルト、スカンジウム、バナジウム、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属電極、アルカリ金属やアルカリ土類金属(リチウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)、CNT、グラフェンなどの炭素材料、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子、銀、カーボンなどの導電性微粒子を分散した導電性ペースト、銀、銅、アルミニウムなどの金属ナノワイヤーを含有する導電性ペースト等が使用できる。
本発明の熱電変換素子は、熱電発電用物品の発電素子として好適に用いることができる。すなわち、本発明の熱電変換素子は、温泉熱発電、腕時計用電源、半導体駆動電源、小型センサー用電源、太陽熱発電、廃熱発電等の用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また実施例等で用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
S:ゼーベック係数
σ:導電率
なお、H−NMR測定にはFT−NMR装置((株)日本電子製JEOL JNM−EX270)を用いた。
また、平均分子量(数平均分子量、重量平均分子量)はGPC装置(クロロホルムを送液したTOSOH社製、高速GPC装置HLC−8320GPC)を用い、絶対検量線法によって算出した。
合成例1
化合物A−1をスキーム1に示す方法で合成した。なお、合成例1記載の化合物(1−i)はジャーナルオブザアメリカンケミカルソサエティ(Journal of the American Chemical Society)、2009年、131巻、7792−7799頁に記載されている方法を参考に、化合物(1−p)はアンゲバンテケミ インターナショナルエディション(Angewandte Chem Internatioal Edition)、2011年、50巻、9697−9702頁に記載されている方法を参考にして合成した。
Figure 2015153976
メチル−2−チオフェンカルボキシレート(東京化成工業(株)製)38g(0.27mol)およびクロロメチルメチルエーテル(東京化成工業(株)製)108g(1.34mol)を0℃で撹拌しているところに、四塩化スズ(和光純薬工業(株)製)125g(0.48mol)を1時間かけて加え、その後室温で8時間撹拌した。撹拌終了後、水100mlを0℃でゆっくり加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで溶媒を乾燥後、溶媒を減圧除去した。得られた茶褐色固体をメタノールから再結晶することにより化合物(1−b)を薄黄色固体(24.8g、収率39%)として得た。化合物(1−b)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.71(s,1H),4.79(s,1H),4.59(s,1H),3.88(s,3H)ppm。
上記化合物(1−b)24.8g(0.10mmol)をメタノール(佐々木化学工業(株)製)1.2Lに溶解させ、60℃で撹拌しているところに硫化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)8.9g(0.11mol)のメタノール溶液100mlを1時間かけて滴下し、さらに60℃で4時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧除去し、クロロホルム200mlと水200mlを加え、不溶物をろ別した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧除去した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより化合物(1−c)を白色固体(9.8g、収率48%)として得た。化合物(1−c)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.48(s,1H),4.19(t,J=3.0Hz,2H),4.05(t,J=3.0Hz,2H),3.87(s,3H)ppm。
上記化合物(1−c)9.8g(49mmol)に水100mlついで3M水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、80℃で4時間加熱撹拌した。反応終了後、濃塩酸15mlを0℃で加え、析出した固体をろ取し、水で数回洗浄した。得られた固体を乾燥し、化合物(1−d)を白色固体(8.9g、収率98%)として得た。化合物(1−d)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,DMSO−d):7.46(s,1H),4.18(t,J=3.2Hz,2H),4.01(t,J=3.2Hz,2H)ppm。
上記化合物(1−d)1.46g(7.8mmol)を脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)60mlに溶解し、−78℃で撹拌しているところに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)10.7ml(17.2mmol)を滴下し、−78℃で1時間撹拌した。次いでN−フルオロベンゼンスルホンイミド(東京化成工業(株)製)3.19g(10.1mmol)の乾燥テトラヒドロフラン溶液20mlを−78℃で10分間かけて滴下し、室温で12時間撹拌した。反応終了後、水50mlをゆっくり加えた。3M塩酸を加えて水層を酸性にした後、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル)で副生成物を除去した後に酢酸エチルから再結晶することで化合物(1−e)を薄黄色粉末(980mg、収率61%)として得た。化合物(1−e)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,DMSO−d):13.31(brs,1H),4.20(t,J=3.0Hz,2H),4.03(t,J=3.0Hz,2H)ppm。
上記化合物(1−e)800mg(3.9mmol)の脱水ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製)溶液10mlに、オキサリルクロリド(東京化成工業(株)製)1ml、次いでジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1滴を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒と過剰のオキサリルクロリドを減圧除去することで、化合物(1−f)を黄色オイルとして得た。化合物(1−f)はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(1−f、粗精製物)のジクロロメタン溶液10mlを1−オクタノール(和光純薬工業(株)製)1.3g(10mmol)およびトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)800mg(8mmol)のジクロロメタン溶液15mlに室温で加え、6時間室温で撹拌した。反応溶液を1M塩酸で2回、水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより化合物(1−g)を薄黄色固体(1.12g、収率90%)として得た。化合物(1−g)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.27(t,J=6.7Hz,2H),4.16(t,J=3.0Hz,2H),4.01(t,J=3.0Hz,2H),1.72(m,2H),1.5−1.3(m,12H),0.88(t,J=7.0Hz,3H)ppm。
上記化合物(1−g)1.1g(3.5mmol)の酢酸エチル溶液40mlに、メタクロロ安息香酸(ナカライテスク(株)製)630mg(3.6mmol)の酢酸エチル溶液10mlを0℃で加え、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後に無水酢酸30mlを加え、3時間加熱還流した。溶媒を再び減圧除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)で精製することにより化合物(1−h)を薄黄色オイル(1.03g、収率94%)として得た。化合物(1−h)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.65(d,J=2.7Hz,1H),7.28(dd,J=2.7Hz and 5.4Hz,1H),4.31(t,J=6.8Hz,2H),1.75(m,2H),1.42−1.29(m,12H),0.89(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
上記化合物(1−h)1.0g(3.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液20mlに、N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)1.25g(7.0mmol)を室温で加え、3時間室温で撹拌した。反応終了後、酢酸エチル80mlを加え、有機層を水で5回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物(1−i)を薄黄色固体(1.2g、収率79%)として得た。化合物(1−i)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.32(t,J=6.5Hz,2H),1.75(m,2H),1.42−1.29(m,12H),0.89(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
ジエチルアミン(和光純薬工業(株)製)110g(1.5mol)のジクロロメタン溶液300mlに、3−チオフェンカルボニルクロリド(和光純薬工業(株)製)100g(0.68mol)を0℃で1時間かけて加え、室温で3時間撹拌した。撹拌終了後、水200mlを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を減圧蒸留することにより、化合物(1−k)を淡橙色液体(102g、収率82%)として得た。化合物(1−k)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.47(dd,J=3.2Hz and 1.0Hz,1H),7.32(dd,J=5.0Hz and 3.2Hz,1H),7.19(dd,J=5.0Hz and 1.0Hz,1H),3.43(brs,4H),1.20(t,J=6.5Hz,6H)ppm。
上記化合物(1−k)73.3g(0.40mol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)250ml(0.40mol)を0℃で30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温で4時間撹拌した。撹拌終了後、水100mlをゆっくり加えしばらく撹拌した後、反応混合物を水800mlに注いだ。析出した固体をろ取し、水、メタノール、ついでヘキサンの順で洗浄することにより化合物(1−l)を黄色固体(23.8g、収率27%)として得た。化合物(1−l)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.69(d,J=4.9Hz,2H),7.64(d,J=4.9Hz,2H)ppm。
チオフェン42g(0.50mol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)250ml(0.40mol)を−78℃で30分間かけて滴下した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌した後、2−エチルヘキシルブロミド(和光純薬工業(株)製)76.4g(0.40mol)を−78℃で15分間かけて滴下した。反応溶液を室温で30分間撹拌した後、60℃で6時間加熱撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を室温まで冷却し、水200mlおよびエーテル200mlを加えた。有機層を水で2回、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を減圧蒸留することで化合物(1−n)を無色液体(28.3g、36%)として得た。化合物(1−n)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.11(d,4.9Hz,1H),6.92(dd,4.9Hz and 3.2Hz,1H),6.76(d,J=3.2Hz,1H),2.76(d,J=6.8Hz,2H),1.62(m,1H),1.4−1.3(m,8H),0.88(m,6H)ppm。
上記化合物(1−n)17.5g(89mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)57ml(89mmol)を0℃で30分間かけて滴下した。反応溶液を50℃で1時間撹拌した後、上記化合物(1−l)4.9g(22mmol)を50℃で加え、そのまま1時間撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を0℃に冷却し、塩化スズ二水和物(和光純薬工業(株)製)39.2g(175mmol)を10%塩酸80mlに溶かした溶液を加え、室温で1時間撹拌した。撹拌終了後、水200ml、ジエチルエーテル200mlを加え、有機層を水で2回、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ヘキサン)で精製することにより化合物(1−o)を黄色オイル(7.7g、収率59%)として得た。化合物(1−o)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.63(d,J=5.7Hz,1H),7.45(d,J=5.7Hz,1H),7.29(d,J=3.6Hz,1H),6.88(d,J=3.6Hz,1H),2.86(d,J=7.0Hz,2H),1.70−1.61(m,1H),1.56−1.41(m,8H),0.97−0.89(m,6H)ppm。
上記化合物(1−o)870mg(1.5mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液25mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)2.0ml(3.3mmol)を−78℃でシリンジを用いて加え、−78℃で30分間、室温で30分間撹拌した。反応混合物を−78℃まで冷却した後、トリメチルスズクロリド(和光純薬工業(株)製)800mg(4.0mmol)を−78℃で一度に加え、室温で4時間撹拌した。撹拌終了後、ジエチルエーテル50mlおよび水50mlを加え5分間室温で撹拌した後、有機層を水で2回、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで溶媒を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた橙色オイルをエタノールより再結晶することで、化合物(1−p)を薄黄色固体(710mg、収率52%)として得た。化合物(1−p)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.68(s,2H),7.31(d,J=3.2Hz,2H),6.90(d,J=3.2Hz,2H),2.87(d,J=6.2Hz,4H),1.69(m,2H),1.40−1.30(m,16H),1.0−0.9(m,12H),0.39(s,18H)ppm。
化合物(1−i)71mg(0.15mmol)および化合物(1−p)136mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)スズ(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物A−1(85mg)を得た。重量平均分子量は25,000、数平均分子量は16,000であった。
合成例2
化合物A−2をスキーム2に示す方法で合成した。
Figure 2015153976
化合物(1−e)2.4g(11.7mmol)の脱水ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製)溶液30mlに、オキサリルクロリド(東京化成工業(株)製)3ml、次いでジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1滴を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒と過剰のオキサリルクロリドを減圧除去することで、化合物(2−a)を黄色オイルとして得た。化合物(2−a)はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(2−a、粗精製物)のジクロロメタン溶液20mlをN−メトキシ−N−メチルアミンハイドロクロリド(和光純薬工業(株)製)2.7g(21mmol)およびトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)5.1g(50mmol)のジクロロメタン溶液40mlに室温で加え、6時間室温で撹拌した。反応溶液を1M塩酸で2回、水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより、化合物(2−b)を薄黄色固体(1.8g、収率62%)として得た。化合物(2−b)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.17(s,2H),4.04(s,2H),3.73(s,1H),3.36(s,1H)ppm。
上記化合物(2−b)1.5g(6.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液(60ml)にノニルリチウムジエチルエーテル溶液(1M、ケミカルソフト開発研究所(株)製)10ml(10mmol)を0℃で10分間かけて滴下し、0℃で1時間撹拌した。撹拌終了後、ジエチルエーテル80mlを加え水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:2)で精製することにより、化合物(2−c)を薄黄色固体(1.0g、収率54%)として得た。化合物(2−c)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.16(s,2H),4.01(s,2H),2.82(t,J=5.9Hz,2H),1.70(m,2H),1.4−1.2(m,14H),0.88(t,J=6.7Hz,3H)ppm。
上記化合物(2−c)1.0g(3.2mmol)の酢酸エチル溶液40mlに、メタクロロ安息香酸(ナカライテスク(株)製)600mg(3.4mmol)の酢酸エチル溶液10mlを0℃で加え、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後に無水酢酸30mlを加え、3時間加熱還流した。溶媒を再び減圧除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:1)で精製することにより化合物(2−d)を薄黄色オイル(780mg、収率78%)として得た。化合物(2−d)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.70(s,1H),7.27(s,1H),2.95(t,J=6.2Hz,2H),1.72(m,2H),1.4−1.2(m,14H),0.86(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
上記化合物(2−d)750mg(2.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液20mlに、N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)940mg(5.3mmol)を室温で加え、3時間室温で撹拌した。反応終了後、酢酸エチル80mlを加え、有機層を水で5回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物(2−e)を薄黄色固体(810mg、収率72%)として得た。化合物(2−e)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):2.93(t,J=7.3Hz,2H),1.72(m,2H),1.4−1.2(m,14H),0.88(t,J=7.0Hz,3H)ppm。
化合物(2−e)71mg(0.15mmol)および化合物(1−p)136mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)スズ(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物A−2(105mg)を得た。重量平均分子量は18,000、数平均分子量は13,000であった。
合成例3
化合物A−3をスキーム3に示す方法で合成した。
Figure 2015153976
化合物(1−d)5.0g(26.8mmol)の脱水ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製)溶液80mlに、オキサリルクロリド(東京化成工業(株)製)8ml、次いでジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)2滴を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒と過剰のオキサリルクロリドを減圧除去することで、化合物(3−a)を黄色オイルとして得た。化合物(3−a)はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(3−a、粗精製物)のジクロロメタン溶液40mlをN−メトキシ−N−メチルアミンハイドロクロリド(和光純薬工業(株)製)4.7g(48mmol)およびトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)11.5g(115mmol)のジクロロメタン溶液100mlに室温で加え、6時間室温で撹拌した。反応溶液を1M塩酸で2回、水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより、化合物(3−b)を薄黄色固体(5.6g、収率91%)として得た。化合物(3−b)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.64(s,1H),4.20(s,2H),4.07(s,2H),3.77(s,1H),3.36(s,1H)ppm
上記化合物(3−b)1.5g(6.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液(60ml)にノニルマグネシウムブロミドジエチルエーテル溶液(1M、アルドリッチ社製)10ml(10mmol)を0℃で10分間かけて滴下し、0℃で1時間撹拌した。撹拌終了後、ジエチルエーテル80mlを加え水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:2)で精製することにより、化合物(3−c)を薄黄色固体(1.7g、収率87%)として得た。化合物(3−c)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.38(s,1H),4.20(s,2H),4.06(s,2H),2.81(t,J=7.3Hz,2H),1.70(m,2H),1.4−1.2(m,14H),0.88(t,J=7.0Hz,3H)ppm。
上記化合物(3−c)1.5g(5.1mmol)の酢酸エチル溶液60mlに、メタクロロ安息香酸(ナカライテスク(株)製)900mg(5.2mmol)の酢酸エチル溶液10mlを0℃で加え、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後に無水酢酸40mlを加え、3時間加熱還流した。溶媒を再び減圧除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:1)で精製することにより化合物(3−d)を薄黄色オイル(1.2g、収率81%)として得た。化合物(3−d)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.64(s,1H),7.60(s,1H),7.28(s,1H),2.90(t,J=7.3Hz,2H),1.76(m,2H),1.4−1.2(m,14H),0.88(t,J=6.7Hz,3H)ppm。
上記化合物(3−d)1.0g(3.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液30mlに、N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)1.33g(7.5mmol)を室温で加え、3時間室温で撹拌した。反応終了後、酢酸エチル80mlを加え、有機層を水で5回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物(3−e)を薄黄色固体(1.2g、収率78%)として得た。化合物(3−e)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.39(s,1H),2.90(t,J=7.3Hz,2H),1.75(m,2H),1.4−1.2(m,14H),0.88(t,J=7.0Hz,3H)ppm。
化合物(3−e)68mg(0.15mmol)および化合物(1−p)136mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)スズ(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物A−3(102mg)を得た。重量平均分子量は36,000、数平均分子量は19,000であった。
合成例4
化合物A−4をスキーム4に示す方法で合成した。なお、合成例4記載の化合物(4−a)はジャーナルオブザアメリカンケミカルソサエティ(Journal of the American Chemical Society)、2009年、131巻、7792−7799頁に記載されている方法を参考にして合成した。
Figure 2015153976
化合物(1−i)56.7mg(0.12mmol)、化合物(4−a)13.6mg(0.03mmol)および化合物(1−p)136mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)スズ(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物A−4(92mg)を得た。重量平均分子量は28,000、数平均分子量は17,000であった。
合成例5
化合物B−1をスキーム5に示す方法で合成した。なお、合成例5記載の化合物(5−c)および(5−e)はジャーナルオブザアメリカンケミカルソサエティ(Journal of the American Chemical Society)、2009年、131巻、7792−7799頁に記載されている方法を参考にして合成した。
Figure 2015153976
化合物(1−e)1.5g(7.8mmol)の脱水ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製)溶液15mlに、オキサリルクロリド(東京化成工業(株)製)2ml、次いでジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1滴を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒と過剰のオキサルルクロリドを減圧除去することで、化合物(1−f)を黄色オイルとして得た。化合物(1−f)はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(1−f、粗精製物)のジクロロメタン溶液10mlを2−エチルヘキサノール(和光純薬工業(株)製)2.6g(20mmol)およびトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)1g(10mmol)のジクロロメタン溶液15mlに室温で加え、6時間室温で撹拌した。反応溶液を1M塩酸で2回、水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通し、溶媒を減圧留去することで化合物(5−a)を薄黄色オイル(粗精製物)として得た。化合物(5−a)はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(5−a、粗精製物)の酢酸エチル溶液60mlに、メタクロロ安息香酸(ナカライテスク(株)製)1.37g(7.8mmol)の酢酸エチル溶液20mlを0℃で滴下し、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後に無水酢酸30mlを加え、3時間加熱還流した。溶媒を再び減圧除去した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)で精製することにより化合物(5−b)を薄黄色オイル(1.30g)として得た。化合物(5−b)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.66(s,1H),7.28(s,1H),4.23(d,J=5.9Hz,2H),1.61(m,1H),1.5−1.2(m,8H),0.9(m,6H)ppm。
上記化合物(5−b)1.0g(3.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液20mlに、N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)1.25g(7.0mmol)を室温で加え、3時間室温で撹拌した。反応終了後、酢酸エチル80mlを加え、有機層を水で5回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物(5−c)を薄黄色オイル(1.1g、収率73%)として得た。化合物(5−c)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.25(d,J=5.7Hz,2H),1.69(s,1H),1.5−1.2(m,6H),0.94(t,J=6.8Hz,3H),0.91(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
化合物(1−l)8.4g(38mmol)にエタノール30ml、20%水酸化ナトリウム水溶液120ml、亜鉛粉末(和光純薬工業(株)製)5.3g(80mmol)を加え、反応混合物を1時間加熱還流した。2−エチルヘキシルブロミド(和光純薬工業(株)製)25.0g(0.11mol)を加え、さらに4時間加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し、水100mlとクロロホルム100mlを加えた。反応混合物をセライトに通してろ過した後、水層をクロロホルムで2回抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:5)で精製することにより化合物(5−d)を淡黄色オイル(4.4g、収率26%)として得た。化合物(5−d)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.47(d,J=5.7Hz,2H),7.36(d,J=5.7Hz,2H),4.18(d,J=5.1Hz,4H),1.9−0.8(m,34H)ppm。
上記化合物(5−d)1.47g(3.3mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液50mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)13.2ml(8.3mmol)を−78℃で滴下した。反応溶液を−78℃で30分、室温で30分撹拌した後、塩化トリメチルスズ(東京化成工業(株)製)2.0g(10mol)を−78℃で加えた。反応溶液を室温で6時間撹拌した後、ヘキサン80ml、水20mlを加え、有機層を水で3回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。イソプロパノールより再結晶することで化合物(5−e)を白色固体(1.60g、収率63%)として得た。化合物(5−e)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.51(s,2H),4.19(d,J=5.1Hz,4H),1.8−1.4(m,22H),1.03(t,J=7.3Hz,6H),0.94(t,J=7.3Hz,6H),0.44(s,18H)ppm。
化合物(5−c)71mg(0.15mmol)および化合物(5−e)116mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)スズ(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物B−1(73mg)を得た。重量平均分子量は31,000、数平均分子量は13,000であった。
合成例6
化合物B−2をスキーム6に示す方法で合成した。
Figure 2015153976
化合物(1−i)71mg(0.15mmol)および化合物(5−e)116mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)スズ(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物B−2(82mg)を得た。重量平均分子量は22,000、数平均分子量は11,000であった。
合成例7
化合物A−5をスキーム7に示す方法で合成した。
Figure 2015153976
化合物(1−f、粗精製物)のジクロロメタン溶液10mlを2−エチルヘキサノール(和光純薬工業(株)製)2.6g(20mmol)およびトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)1g(10mmol)のジクロロメタン溶液15mlに室温で加え、6時間室温で撹拌した。反応溶液を1M塩酸で2回、水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。ショートシリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通し、溶媒を減圧留去することで化合物(6−a)を薄黄色オイル(粗精製物)として得た。化合物(6−a)はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(6−a、粗精製物)の酢酸エチル溶液60mlに、メタクロロ安息香酸(ナカライテスク(株)製)1.37g(7.8mmol)の酢酸エチル溶液20mlを0℃で滴下し、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後に無水酢酸30mlを加え、3時間加熱還流した。溶媒を再び減圧除去した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)で精製することにより化合物(6−b)を薄黄色オイル(1.30g)として得た。化合物(6−b)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.66(s,1H),7.28(s,1H),4.23(d,J=5.9Hz,2H),1.61(m,1H),1.5−1.2(m,8H),0.9(m,6H)ppm。
上記化合物(6−b)1.0g(3.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液20mlに、N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)1.25g(7.0mmol)を室温で加え、3時間室温で撹拌した。反応終了後、酢酸エチル80mlを加え、有機層を水で5回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物(6−c)を薄黄色オイル(1.1g、収率73%)として得た。化合物(6−c)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.25(d,J=5.7Hz,2H),1.69(s,1H),1.5−1.2(m,6H),0.94(t,J=6.8Hz,3H),0.91(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
上記化合物(6−c)71mg(0.15mmol)および化合物(1−p)136mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)スズ(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(溶離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物A−1(91mg)を得た。重量平均分子量は29,000、数平均分子量は17,000であった。
実施例1
化合物(A−1)1mg、フッ素化テトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)0.05mgをクロロベンゼン0.1mlに加え、溶液がはいった容器を超音波洗浄機((株)井内盛栄堂製US−2(商品名)、出力120W)中で30分間超音波照射することにより熱電変換素子用材料の溶液を得た。
5mm×10mmのガラス基板上に上記溶液を滴下し、ドロップキャスト法により熱電変換素子用材料の層(膜厚1μm)を形成した。得られた膜について、熱電特性測定装置(オザワ科学(株)製RZ2001i)を用いて、40℃における熱電変換特性を測定したところ、ゼーベック係数は1.2×10−3V/K、導電率は1.5×10−4S/mであった。
実施例2
A−1の代わりに上記A−2を用いた他は実施例1と全く同様にして熱電変換素子用材料の層を作製し、熱電変換特性を測定したところ、ゼーベック係数は1.1×10−3V/K、導電率は1.3×10−4S/mであった。
実施例3
A−1の代わりに上記A−3を用いた他は実施例1と全く同様にして熱電変換素子用材料の層を作製し、熱電変換特性を測定したところ、ゼーベック係数は1.0×10−3V/K、導電率は1.1×10−4S/mであった。
実施例4
A−1の代わりに上記A−4を用いた他は実施例1と全く同様にして熱電変換素子用材料の層を作製し、熱電変換特性を測定したところ、ゼーベック係数は1.0×10−3V/K、導電率は1.0×10−4S/mであった。
実施例5
A−1の代わりに上記A−5を用いた他は実施例1と全く同様にして熱電変換素子用材料の層を作製し、熱電変換特性を測定したところ、ゼーベック係数は1.0×10−3V/K、導電率は8.0×10−5S/mであった。
比較例1
A−1の代わりに上記B−1を用いた他は実施例1と全く同様にして熱電変換素子用材料の層を作製し、熱電変換特性を測定したところ、ゼーベック係数は5.0×10−4V/K、導電率は3.0×10−7S/mであった。
比較例2
A−1の代わりに上記B−2を用いた他は実施例1と全く同様にして熱電変換素子用材料の層を作製し、熱電変換特性を測定したところ、ゼーベック係数は4.5×10−4V/K、導電率は2.0×10−7S/mであった。
1:金属板
2:第1の基材
3:第1の電極
4:熱電変換素子用材料の層
5:第2の電極
6:第2の基材
7:金属板
8:第1の基材
9:第1の電極
10:第2の電極
11:熱電変換素子用材料の層
12:第2の基材

Claims (2)

  1. 一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体を含有する熱電変換素子用材料。
    Figure 2015153976
    (上記一般式(1)中、Rは、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基または置換されていてもよいアルカノイル基を表す。Rはそれぞれ同じでも異なっていても良く、置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。Xは水素原子またはハロゲン原子を表す。nは重合度を示し、2以上1,000以下の整数を表す。)
  2. 請求項1に記載の熱電変換素子用材料を含む熱電変換素子。
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