JP2015518066A - 共役ポリマーおよび光電子デバイスにおけるそれらの使用 - Google Patents

共役ポリマーおよび光電子デバイスにおけるそれらの使用 Download PDF

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Abstract

特定のポリマー化合物、ならびに光電池、発光ダイオード、発光トランジスタおよび電界効果トランジスタなどの有機およびハイブリッド光、光電子および/または電子デバイスにおける有機半導体としてのそれらの使用が開示される。開示された化合物は、例えば、光電池またはトランジスタにおいて使用されるときに電力変換効率、フィルファクター、開放回路電圧、電界効果移動度、オン/オフ動作電流比および/または空気安定性によって測定される、改善されたデバイス性能を提供することができる。開示された化合物は、一般的な溶媒で良好な溶解性を有することができ、溶液プロセスによるデバイス製造が可能となる。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2013年3月15日出願の米国特許出願第13/843,277号明細書、2012年3月22日出願の米国仮特許出願第61/614,302号明細書、および2012年11月8日出願の米国仮特許出願第61/724,140号明細書の優先権および利益を主張する。上記特許出願は、それぞれ、参照によって全内容が本明細書に組み込まれる。
有機フォトボルタイクス(OPV)および有機発光トランジスタ(OLET)などの新世代の光電子デバイスは、それらの活性成分として有機半導体を使用して製造される。商業的な関係から、これらの有機半導体をベースとするデバイスは、費用効果が優れている方法で加工可能でなければならない。
バルクヘテロ接合(BHJ)太陽電池は、一般に、それらがロールツーロール方式で、大規模な製造を使用して製造可能であるため、最も有望なOPV構造であると考えられる。BHJ太陽電池は、陽極と陰極との間に配置される光活性層を含み、この光活性層は、「供与体」材料および「受容体」材料を含んでいるブレンド膜から構成されている。最新技術のBHJ太陽電池は、受容体材料としてフラーレンをベースとする化合物を使用する。典型的なフラーレンには、[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル(C60−PCBM)または[6,6]−フェニル−C71−酪酸メチルエステル(C70−PCBM)などの可溶化側鎖によって官能化されたC60またはC70「ブッキーボール(bucky ball)」化合物が含まれる。BHJ太陽電池で使用される最も一般的な供与体材料は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)である。しかしながら、P3HTが低い空気安定性を有することはよく知られている。
したがって、当該技術において、OPVデバイスのための新規の材料が望まれている。
上記を考慮して、本教示は、有機半導体材料として使用することができる特定のポリマー化合物を提供する。また、これらの化合物の調製および使用のための関連デバイスおよび関連方法も提供される。本化合物は、最適化された光吸収、良好な電荷輸送特徴および周囲条件下での化学安定性、低温加工性、一般的な溶媒での高い溶解性、ならびにプロセシング融通性(例えば、様々な溶液プロセスによって)などの特性を示すことができる。その結果、光活性層として1種または複数の本化合物を組み込む太陽電池などの光電子デバイスは、周囲条件下で高性能を示すことができ、例えば、低いバンドギャップ、高いフィルファクター、高い開放回路電圧および高い電力変換効率の1つまたは複数、好ましくはこれらの基準の全てを実証する。同様に、本明細書に記載される有機半導体材料を使用して、OLETなどの他の有機半導体をベースとするデバイスを効率的に製造することができる。
また本教示は、そのような化合物および半導体材料を調製する方法、ならびに本明細書に開示される化合物および半導体材料を組み込む様々な組成物、複合材およびデバイスを提供する。
本教示の上記および他の特徴および利点は、以下の図面、説明、実施例および請求の範囲からより完全に理解されるであろう。
以下に記載する図面が例示目的のみであることは理解されるべきである。図面は必ずしも一定の比率であるというわけではなく、一般に、本教示の原理を例示することが強調される。図面は、いずれかの様式に本教示の範囲を限定するように意図されない。
図1は、光活性層として(供与体および/または受容体材料として)1種または複数の本教示の化合物を組み込むことができる代表的なバルク−ヘテロ接合(BHJ)有機物光起電力デバイス(太陽電池としても知られる)の構造を例示する。 図2は、薄膜およびクロロホルム中の溶液としての本教示によるポリマーのUV−visスペクトルを示す。 図3Aおよび3Bは、供与体材料として本教示によるポリマーおよび受容体材料としてC70PCBMを含むバルクヘテロ接合光活性層をベースとする代表的な光起電性デバイスのJV曲線およびEQEスペクトルを示す。 図4Aおよび4Bは、供与体材料として本教示によるポリマーおよび受容体材料としてポリ{[N,N’−ビス(2−ヘキシルデシル)−1,4,5,8−ナフタレンジイミド−2,6−ジイル]−alt−5,5’−(2,2’−ビチオフェン)}[P(NDI2HD−T2)]を含むバルクヘテロ接合光活性層をベースとする代表的な光起電性デバイスのJV曲線およびEQEスペクトルを示す。
本教示は、

(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、L、L、U、U’、V、V’、WおよびW’は、本明細書に定義される通りである)から選択される式を有する少なくとも1個の繰り返し単位をベースとするポリマー化合物を提供する。
本教示の化合物は、光起電性デバイスにおいて最適化された光吸収/電荷分離、発光デバイスにおいて電荷輸送/再結合/発光、ならびに/あるいは電界効果デバイスにおいて高いキャリア移動度および/または良好な電流変調特徴などの半導体挙動を示すことができる。加えて、本化合物は、周囲条件下での溶液加工性および/または良好な安定性(例えば空気安定性)などの特定のプロセシング利点を有することができる。本教示の化合物は、p型(供与体または正孔輸送)、n型(受容体または電子輸送)、または両極性半導体材料を調製するために使用することができ、これは、続いて、有機光起電性デバイスおよび有機発光トランジスタを含む様々な有機またはハイブリッド光電子物品、構造およびデバイスを製造するために使用することができる。
本出願を通して、組成物が特定の成分を有するか、含むか、または含んでなるものとして記載されるか、あるいはプロセスが特定のプロセス工程を有するか、含むか、または含んでなるものとして記載される場合、本教示の組成物が列挙された成分から本質的になるか、またはそれからなること、あるいは本教示のプロセスが列挙されたプロセス工程から本質的になるか、またはそれからなることも考えられる。
本願において、要素または成分が、列挙された要素または成分のリストに含まれて、かつ/またはそれから選択されると記載される場合、要素または成分が、列挙された要素または成分のいずれか1つであることができるか、あるいは要素または成分が、列挙された要素または成分のうちの2つ以上からなる群から選択されることができることは理解されるべきである。さらに、本明細書に記載される組成物、装置または方法の要素および/または特徴は、本明細書に明示されているか、または暗示されているかに関係なく、本教示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な様式で組み合わせることができることは理解されるべきである。
「含む」、「含んでいる」、「有する」、または「有している」という用語の使用は、一般に、他に具体的に明示されない限り、制限がなく、非限定的であるとして理解されるべきである。
本明細書において、単数の使用は、他に具体的に明示されない限り、複数を含む(その逆も同様)。そのほかに、定量的値の前に「約」という用語が使用される場合、本教示は、他に具体的に明示されない限り、具体的な定量的値それ自体も含む。本明細書に使用される場合、「約」という用語は、他に示されるか、推測されない限り、名目上の値から±10%の変動を指す。
工程の順番または特定の行為を実行するための順番は、本教示が実施可能である限り、重要ではないことを理解すべきである。さらに、2つ以上の工程または行為が同時に実行されてもよい。
本明細書で使用される場合、「p型半導体材料」または「供与体」材料は、大多数の電流または電荷キャリアとして正孔を有する半導体材料、例えば、有機半導体材料を指す。いくつかの実施形態において、p型半導体材料が基板上に析出される場合、それは約10−5cm/Vsより高い正孔移動度を提供することができる。また電界効果デバイスの場合、p型半導体は、約10より高い電流オン/オフ比を示すことができる。
本明細書で使用される場合、「n型半導体材料」または「受容体」材料は、大多数の電流または電荷キャリアとして電子を有する半導体材料、例えば、有機半導体材料を指す。いくつかの実施形態において、n型半導体材料が基板上に析出される場合、それは約10−5cm/Vsより高い電子移動度を提供することができる。また電界効果デバイスの場合、n型半導体は、約10より高い電流オン/オフ比を示すことができる。
本明細書で使用される場合、「移動度」は、電荷キャリア、例えば、p型半導体材料の場合、正孔(または正電荷の単位)n型半導体材料の場合、電子(または負電荷の単位)が、電界の影響下で材料を通して移動する速度の大きさを指す。このパラメーターは、デバイス構造次第であるが、電界効果デバイスまたは空間電荷制限電流測定を使用して測定することができる。
本明細書で使用される場合、半導電性材料として化合物を組み込むトランジスタが、化合物が一定期間にわたって周囲条件、例えば、空気、周囲温度および湿度に暴露されるときに、その初期の測定値でほぼ維持されるキャリア移動度を示す場合に、化合物は「周囲安定」または「周囲条件下で安定」と考えることができる。例えば、化合物を組み込むトランジスタが、3日、5日または10日間にわたる空気、湿度および温度を含む周囲条件への曝露後に、その初期値から20%より高く、または10%を超えて変化しないキャリア移動度を示す場合、化合物は周囲安定であると記載することができる。
本明細書に使用される場合、フィルファクター(FF)は、実際の最大の入手可能な電力(PまたはVmp mp)対理論的な(実際に入手可能ではない)電力(Jsc oc)の比率(パーセントとして与えられる)である。したがって、FFは方程式を使用して決定することができる。
FF=(Vmp mp)/(Jsc oc
式中、JmpおよびVmpは、それぞれ、最大出力点(P)における電流密度および電圧を表し、この点は、JVが最大値になるまで回路の抵抗を変化させることによって得られる。JscおよびVocは、それぞれ、短絡電流および開放回路電圧を表す。フィルファクターは、太陽電池の性能を評価することにおける鍵となるパラメーターである。市販の太陽電池は、典型的に約0.60%以上のフィルファクターを有する。
本明細書に使用される場合、開回路電圧(Voc)は、外部負荷が連結されていない時のデバイスの陽極と陰極との間の電位の差異である。
本明細書に使用される場合、太陽電池の電力変換効率(PCE)は、吸収された光線から電気エネルギーに変換された電力のパーセントである。太陽電池のPCEは、標準試験条件(STC)下、太陽電池の表面積(A、m)で、最大出力点(P)を入力光線放射照度(E、W/m)で割ることによって算出することができる。STCは、典型的に、25℃の温度およびエアマス1.5(AM1.5)スペクトルによる1000W/mの放射照度を指す。
本明細書で使用される場合、光子を吸収して光電流の生成のために励起子を生じることができる1種または複数の化合物を成分(薄膜層など)が含有する場合、それは「光活性である」と考えることができる。
本明細書で使用される場合、「溶液加工可能」とは、スピンコーティング、印刷(例えば、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷など)、スプレーコーティング、エレクトロスプレーコーティング、ドロップキャスティング、ディップコーティングおよびブレードコーティングを含む様々な溶液相プロセスに使用することができる化合物(例えば、ポリマー)、材料または組成物を指す。
本明細書で使用される場合、「半結晶質ポリマー」は、溶融状態からの冷却時または溶液からの析出時のいずれかに、徐冷または低溶媒蒸発速度などの動力学的に好ましい条件を受けたときに少なくとも部分的に結晶化する固有の傾向を有するポリマーを指す。結晶化またはそれらの欠如は、いくつかの分析方法、例えば、示差走査熱量測定(DSC)および/またはX線回折(XRD)を使用することによって容易に識別することができる。
本明細書で使用される場合、「焼き鈍し」は、100秒より長い時間、周囲または減圧/増圧下での半結晶質ポリマー膜への析出後の熱処理を指し、「焼き鈍し温度」は、ポリマー膜が焼き鈍しのプロセスの間に少なくとも60秒間暴露される最大温度を指す。いずれかの特定の理論によって拘束されることを望むことなく、焼き鈍しがポリマー膜の結晶化度の増加をもたらすことができ、可能であれば、それによって電界効果移動度を増加させると考えられる。結晶化度の増加は、例えば、析出された膜および焼き鈍しされた膜の示差走査熱量測定(DSC)またはX線回折(XRD)測定を組み合わせることによって、いくつかの方法によって監視することができる。
本明細書に使用される場合、「ポリマー化合物」(または「ポリマー」)は、共有化学結合によって結合された1つまたは複数の繰り返し単位を複数含む分子を指す。ポリマー化合物は、一般式:

(式中、Mは繰り返し単位またはモノマーである)によって表すことができる。ポリマー化合物は、1種類のみの繰り返し単位、ならびに2種類以上の異なる繰り返し単位を有することができる。ポリマー化合物が1種類のみの繰り返し単位を有する場合、ホモポリマーと呼ぶことができる。ポリマー化合物が2種類以上の異なる繰り返し単位を有する場合、その代わりに、「コポリマー」または「コポリマー化合物」という用語を使用することができる。例えば、コポリマー化合物は、

(式中、MおよびMは2つの異なる繰り返し単位を表す)の繰り返し単位を含むことができる。他に明記されない限り、コポリマーの繰り返し単位の集合は、ヘッドトゥーテール(head−to−tail)、ヘッドトゥーヘッド(head−to−head)またはテールトゥーテール(tail−to−tail)であることができる。加えて、他に明記されていない限り、コポリマーはランダムコポリマー、交互コポリマーまたはブロックコポリマーであることができる。例えば、一般式:

を使用して、コポリマー中にxモルのMフラクションおよびyモルのMフラクションを有する、MおよびMのコポリマーを表すことができ、コモノマーのMおよびMが繰り返す様式が、交互、ランダム、レジオランダム、レジオレギュラーまたはブロックであることができる。その組成に加えて、ポリマー化合物は、重合度(n)およびモル質量(例えば、測定技術次第で数平均分子量(M)および/または重量平均分子量(M))によって、さらに特徴づけることができる。
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
本明細書に使用される場合、「オキソ」は、二重結合の酸素(すなわち=O)を指す。
本明細書で使用される場合、「アルキル」は直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を指す。アルキル基の例には、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、ペンチル基(例えば、n−ペンチル、イソ−ペンチル、ネオ−ペンチル)、ヘキシル基などが含まれる。様々な実施形態において、アルキル基は1〜40個の炭素原子(すなわち、C1〜40アルキル基)、例えば1〜20個の炭素原子(すなわち、C1〜20アルキル基)を有することができる。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有することができ、これは「低級アルキル基」と記載されることができる。低級アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ならびにブチル(例えばn−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)が含まれる。いくつかの実施形態において、アルキル基は、本明細書に記載されるように置換可能である。アルキル基は、一般に、別のアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基によって置換されない。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、1個または複数のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す。様々な実施形態において、ハロアルキル基は、1〜40個の炭素原子(すなわち、C1〜40ハロアルキル基)、例えば、1〜20個の炭素原子(すなわち、C1〜20ハロアルキル基)を有することができる。ハロアルキル基の例には、CF、C、CHF、CHF、CCl、CHCl、CHCl、CClなどが含まれる。ペルハロアルキル基、すなわち、全ての水素原子がハロゲン原子によって置換されたアルキル基(例えば、CFおよびC)は、「ハロアルキル」の定義に含まれる。例えば、C1〜40ハロアルキル基は、式−C2s+1−t (式中、Xは、それぞれ、F、Cl、BrまたはIであり、sは1〜40の範囲の整数であり、かつtは1〜81の範囲の整数であるが、tが2s+1以下であることを条件とする)を有することができ、ペルハロアルキル基ではないハロアルキル基は、本明細書に記載されるように置換可能である。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は−O−アルキル基を指す。アルコキシ基の例は、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ)、t−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ基などが含まれる。−O−アルキル基中のアルキル基は、本明細書に記載されるように置換可能である。
本明細書で使用される場合、「アルキルチオ」は−S−アルキル基を指す。アルキルチオ基の例には、限定されないが、メチルチオ、チオエチル、プロピルチオ(例えば、n−プロピルチオおよびイソプロピルチオ)、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ基などが含まれる。−S−アルキル基中のアルキル基は、本明細書に記載されるように置換可能である。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、1個または複数の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を指す。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル基などが含まれる。1個または複数の炭素−炭素二重結合は、内部(2−ブテンなど)または末端(1−ブテンなど)であることができる。様々な実施形態において、アルケニル基は、2〜40個の炭素原子(すなわち、C2〜40アルケニル基)、例えば、2〜20個の炭素原子(すなわち、C2〜20アルケニル基)を有することができる。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、本明細書に記載されるように置換可能である。アルケニル基は、一般に、別のアルケニル基、アルキル基またはアルキニル基によって置換されない。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、1個または複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を指す。アルキニル基の例には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが含まれる。1個または複数の炭素−炭素三重結合は、内部(2−ブチンなど)または末端(1−ブチンなど)であることができる。様々な実施形態において、アルキニル基は、2〜40個の炭素原子(すなわち、C2〜40アルキニル基)、例えば、2〜20個の炭素原子(すなわち、C2〜20アルキニル基)を有することができる。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、本明細書に記載されるように置換可能である。アルキニル基は、一般に、別のアルキニル基、アルキル基またはアルケニル基によって置換されない。
本明細書で使用される場合、「環式部分」は、1個または複数(例えば、1〜6個)の炭素環または複素環式環を含むことができる。環式部分は、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基であることができ(すなわち、飽和結合のみを含むことができるか、あるいは芳香族性に関係なく1個または複数の不飽和結合を含むことができる)、それぞれ、例えば、3〜24個の環原子を含み、かつ任意選択で本明細書に記載されるように置換可能である。環式部分が「単環式部分」である実施形態において、「単環式部分」は、3〜14員芳香族または非芳香族、炭素環または複素環式環を含むことができる。単環式部分は、例えば、フェニル基または5員もしくは6員ヘテロアリール基を含むことができ、それぞれは任意選択で本明細書に記載されるように置換可能である。環式部分が「多環式部分」である実施形態において、「多環式部分」は互いに縮合し(すなわち、結合を共有する)、かつ/あるいはスピロ原子、または1個もしくはそれ以上の架橋原子を通して互いに結合した2個以上の環を含むことができる。多環式部分は、C8〜24アリール基または8〜24員ヘテロアリール基などの8〜24員芳香族または非芳香族、炭素環または複素環式環を含むことができ、それぞれは任意選択で本明細書に記載されるように置換可能である。
本明細書で使用される場合、「縮合環」または「縮合環部分」は、環の少なくとも1個が芳香族である少なくとも2個の環を有する多環式環系を指し、そのような芳香環(炭素環または複素環式)は、芳香族または非芳香族、および炭素環または複素環式であることが可能な少なくとも1個の他の環との結合を有する。これらの多環式環系は高度にπ共役可能であり、任意選択で本明細書に記載されるように置換される。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、環化されたアルキル、アルケニルおよびアルキニル基を含む非芳香族炭素環式基を指す。様々な実施形態において、シクロアルキル基は、3〜24個の炭素原子、例えば、3〜20個の炭素原子を有することができる(例えば、C3〜14シクロアルキル基)。シクロアルキル基は、単環式(例えば、シクロヘキシル)または多環式(例えば、縮合、架橋および/またはスピロ環系を含有する)であることができ、炭素原子は環系の中、または外に位置する。シクロアルキル基のいずれかの適切な環位置は、定義された化学構造に共有結合によって結合可能である。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルイル、アダマンチルおよびスピロ[4.5]デカニル基、ならびにそれらの相同物、異性体などが含まれる。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、本明細書に記載されるように置換可能である。
本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外のいずれかの元素の原子を指し、例えば、窒素、酸素、シリコン、硫黄、リンおよびセレンを含む。
本明細書で使用される場合、「シクロヘテロアルキル」は、O、S、Se、N、PおよびSi(例えばO、SおよびN)から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含有し、かつ任意選択で1個または複数の二重または三重結合を含有する非芳香族化合物シクロアルキル基を指す。シクロヘテロアルキル基は、3〜24個の環原子、例えば、3〜20個の環原子を有することができる(例えば、3〜14員シクロヘテロアルキル基)。シクロヘテロアルキル環中の1個または複数のN、P、SまたはSe原子(例えば、NまたはS)は、酸化されてもよい(例えば、モルホリンN−酸化物、チオモルホリンS−酸化物、チオモルホリンS,S−二酸化物)。いくつかの実施形態において、シクロヘテロアルキル基の窒素またはリン原子は、置換基、例えば、本明細書に記載されるように、水素原子、アルキル基または他の置換基を有することが可能である。シクロヘテロアルキル基は、オキソピペリジル、オキソオキサゾリジル、ジオキソ−(1H,3H)−ピリミジル、オキソ−2(1H)−ピリジルなどの1個または複数のオキソ基を含有することもできる。シクロヘテロアルキル基の例には、とりわけ、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、ピペラジニルなどが含まれる。いくつかの実施形態において、シクロヘテロアルキル基は、本明細書に記載されるように置換可能である。
本明細書で使用される場合、「アリール」は、2個以上の芳香族炭化水素環が一緒に縮合する(すなわち、共通の結合を有する)か、あるいは少なくとも1個の芳香族単環式炭化水素環が1個または複数のシクロアルキルおよび/またはシクロヘテロアルキル環に縮合する芳香族単環式炭化水素環系または多環式環系を指す。アリール基は、その環系で6〜24個の炭素原子を有することができ(例えば、C6〜20アリール基)、それは複数の縮合環を含むことができる。いくつかの実施形態において、多環式アリール基は、8〜24個の炭素原子を有することができる。アリール基のいずれかの適切な環位置は、定義された化学構造に共有結合することができる。芳香族炭素環式環のみを有するアリール基の例には、フェニル、1−ナフチル(二環式)、2−ナフチル(二環式)、アントラセニル(三環式)、フェナントレニル(三環式)、ペンタセニル(五環式)などの基が含まれる。少なくとも1個の芳香族炭素環式環が1個または複数のシクロアルキルおよび/またはシクロヘテロアルキル環に縮合する多環式環系の例には、特に、シクロペンタン(すなわち、5,6−二環式シクロアルキル/芳香環系であるインダニル基)、シクロヘキサン(すなわち、6,6−二環式シクロアルキル/芳香環系であるテトラヒドロナフチル基)、イミダゾリン(すなわち、5,6−二環式シクロヘテロアルキル/芳香環系であるベンズイミダゾリニル基)、およびピラン(すなわち、6,6−二環式シクロヘテロアルキル/芳香環系であるクロメニル基)のベンゾ誘導体が含まれる。アリール基の他の例には、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、クロマニル、インドリニル基などが含まれる。いくつかの実施形態において、アリール基は、本明細書に記載されるように置換可能である。いくつかの実施形態において、アリール基は1個または複数のハロゲン置換基を有することが可能であり、「ハロアリール」基と呼ばれることができる。ペルハロアリール基、すなわち、水素原子の全てがハロゲン原子によって置換されたアリール基(例えば、−C)、「ハロアリール」の定義に含まれる。特定の実施形態において、アリール基は別のアリール基によって置換されて、ビアリール基と呼ばれることができる。ビアリール基中の各アリール基は、本明細書に開示されるように置換可能である。
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」は、アリールアルキル基がアルキル基を通して定義された化学構造に共有結合する−アルキルアリール基を指す。アリールアルキル基は、−Y−C6〜14アリール基(式中、Yは本明細書に定義される通りである)の定義の範囲内である。アリールアルキル基の例は、ベンジル基(−CH−C)である。アリールアルキル基は任意選択で置換可能であり、すなわち、アリール基および/またはアルキル基が本明細書に開示されるように置換可能である。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、シリコン(Si)およびセレン(Se)から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含有する芳香族単環式環系、または環系に存在する環の少なくとも1個が芳香族であり、かつ少なくとも1個の環ヘテロ原子を含有する多環式環系を指す。多環式ヘテロアリール基は、一緒に縮合した2個以上のヘテロアリール環を有するもの、ならびに1個または複数の芳香族炭素環式環、非芳香族炭素環式環および/または非芳香族シクロヘテロアルキル環に縮合した少なくとも1個の単環式ヘテロアリール環を有するものを含む。ヘテロアリール基は、全体として、例えば、5〜24個の環原子を有することができ、1〜5個の環ヘテロ原子を含有することができる(すなわち、5〜20員ヘテロアリール基)。ヘテロアリール基は、安定な構造をもたらす、いずれかのヘテロ原子または炭素原子において定義された化学構造に結合することができる。一般に、ヘテロアリール環はO−O、S−SまたはS−O結合を含有しない。しかしながら、ヘテロアリール基中の1個または複数のNまたはS原子は酸化可能である(例えば、ピリジンN−酸化物、チオフェンS−酸化物、チオフェンS,S−二酸化物)。ヘテロアリール基の例には、例えば、以下:

(式中、Tは、O、S、NH、N−アルキル、N−アリール、N−(アリールアルキル)(例えば、N−ベンジル)、SiH、SiH(アルキル)、Si(アルキル)、SiH(アリールアルキル)、Si(アリールアルキル)またはSi(アルキル)(アリールアルキル)である)で示される5員または6員単環式、および5〜6員二環式環系が含まれる。そのようなヘテロアリール環の例には、ピロリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾイル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、キノリル、2−メチルキノリル、イソキノリル、キノキサリル、キナゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾキサゾリル、シンノリニル、1H−インダゾリル、2H−インダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフイル、ナフチリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ピリドピリミジニル、ピリドピリダジニル、チエノチアゾリル、チエノキサゾリル、チエノイミダゾリル基などが含まれる。ヘテロアリール基のさらなる例には、4,5,6,7−テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾチエノピリジニル、ベンゾフロピリジニル基などが含まれる。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、本明細書に記載されるように置換可能である。
本教示の化合物は、本明細書において、2個の他の部分と共有結合を形成することが可能な結合基として定義される「二価の基」を含むことができる。例えば、本教示の化合物は、二価C1〜20アルキル基(例えば、メチレン基)、二価C2〜20アルケニル基(例えば、ビニリル基)、二価C2〜20アルキニル基(例えば、エチニリル基)、二価C6〜14アリール基(例えば、フェニリル基)、二価3〜14員シクロヘテロアルキル基(例えば、ピロリジリル)、および/または二価5〜14員ヘテロアリール基(例えば、チエニリル基)を含むことができる。一般に、化学基(例えば、−Ar−)は、基の前後に2つの結合の含有によって二価であると理解される。
置換基の全ての一般的な種類を反映する数百の最も一般的な置換基の電子供与または電子求引性は、決定され、定量化され、公開されている。電子供与および電子求引性の最も一般的な定量化は、Hammett σ値に関する。水素はゼロのHammett σ値を有するが、他の置換基は、それらの電子求引性または電子供与性に直接関係して正または負に増加するHammett σ値を有する。負のHammett σ値を有する置換基は、電子供与性であると考えられ、正のHammett σ値を有するものは電子求引性であると考えられる。Lange’s Handbook of Chemistry,第12版,McGraw Hill,1979,の表3〜12、第3−134ページ〜第3−138ページを参照のこと。これは、多数の一般的な置換基のHammett σ値を記載しており、本明細書に参照によって組み込まれる。
「電子受容基」という用語は、本明細書において、「電子受容体」および「電子求引性基」と同義的に使用することができることを理解すべきである。特に、「電子求引性基」(「EWG」)または「電子受容基」または「電子受容体」は、それが分子において同一の位置を占有する場合、水素原子よりも、それ自体へと電子を引き寄せる官能基を指す。電子−求引性基の例には、限定されないが、ハロゲンまたはハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、−NO、−CN、−NC、−S(R 、−N(R 、−SOH、−SO、−SO、−SONHR、−SON(R、−COOH、−COR、−COOR、−CONHR、−CON(R、C1〜40ハロアルキル基、C6〜14アリール基および5〜14員電子不足ヘテロアリール基が含まれ、式中、Rは、C1〜20アルキル基、C2〜20アルケニル基、C2〜20アルキニル基、C1〜20ハロアルキル基、C1〜20アルコキシ基、C6〜14アリール基、C3〜14シクロアルキル基、3〜14員シクロヘテロアルキル基、および5〜14員ヘテロアリール基であり、それぞれ、本明細書に記載されるように任意選択で置換可能である。例えば、C1〜20アルキル基、C2〜20アルケニル基、C2〜20アルキニル基、C1〜20ハロアルキル基、C1〜20アルコキシ基、C6〜14アリール基、C3〜14シクロアルキル基、3〜14員シクロヘテロアルキル基、および5〜14員ヘテロアリール基は、それぞれ、F、Cl、Br、−NO、−CN、−NC、−S(R 、−N(R 、−SOH、−SO、−SO、−SONHR、−SON(R、−COOH、−COR、−COOR、−CONHRおよび−CON(Rなどの1〜5個の小さい電子求引性基によって任意選択で置換可能である。
「電子供与基」という用語は、本明細書において、「電子供与体」と同義的に使用することができることを理解すべきである。特に、「電子供与基」または「電子供与体」は、それが分子において同一の位置を占有する場合、水素原子よりも、近隣の原子へと電子を供与する官能基を指す。電子供与基の例には、−OH、−OR、−NH、−NHR、−N(Rおよび5〜14員の電子豊富なヘテロアリール基が含まれ、式中、Rは、C1〜20アルキル基、C2〜20アルケニル基、C2〜20アルキニル基、C6〜14アリール基またはC3〜14シクロアルキル基である。
様々な未置換のヘテロアリール基は、電子豊富(またはπ過剰)または電子不足(またはπ不足)として記載されることができる。そのような分類は、ベンゼンの炭素原子のものと比較した、各環原子上の平均電子密度に基づく。電子豊富な系の例には、フラン、ピロールおよびチオフェンなどの1個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール基、ならびにベンゾフラン、ベンゾピロールおよびベンゾチオフェンなどのそれらのベンゾ縮合対応物が含まれる。電子不足系の例には、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどの1個以上のヘテロ原子を有する6員ヘテロアリール基、ならびにキノリン、イソキノリン、キノキサリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、フェナントリジン、アクリジンおよびプリンなどのそれらのベンゾ縮合対応物が含まれる。混合された複素環式芳香族環は、環の1個または複数のヘテロ原子の種類、数および位置次第でいずれかのクラスに属することができる。Katritzky,A.RおよびLagowski,J.M.,Heterocyclic Chemistry(John Wiley & Sons,New York,1960)を参照のこと。
本明細書の様々な場所で、置換基は群または範囲で開示される。説明にはそのような群および範囲の部員のそれぞれおよび全ての個々の部分的組み合わせも含まれることが具体的には意図される。例えば、「C1〜6アルキル」という用語は、C、C、C、C、C、C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜CおよびC〜Cアルキルを個々に開示することを具体的に意図される。他の例として、0〜40の範囲の整数は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39および40を個々に開示するように具体的には意図され、1〜20の範囲の整数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20を個々に開示するように具体的には意図される。さらなる例には、「1〜5個の置換基によって任意選択で置換される」という句は、0、1、2、3、4、5、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、0〜1、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜5、2〜4、2〜3、3〜5、3〜4および4〜5個の置換基を含むことが可能な化学基を個々に開示するように具体的には意図されることが含まれる、。
本明細書に記載される化合物は、非対称原子を含有することができ(またキラル中心として記載される)、化合物のいくつかは、2個以上の非対称原子または中心を含有することができ、したがって、光学異性体(鏡像異性体)および幾何異性体(ジアステレオ異性体)を生じさせることができる。本教示は、そのような光学および幾何異性体を含み、それらのそれぞれの分割された鏡像異性的またはジアステレオ異性的に純粋な異性体(例えば、(+)または(−)立体異性体)およびそれらのラセミ混合物、ならびに鏡像異性体およびジアステレオ異性体の他の混合物を含む。いくつかの実施形態において、光学異性体は、例えば、キラル分離、ジアステレオ異性塩形成、速度論的光学分割および非対称合成を含む当業者に既知の標準手順によって、鏡像異性的に濃縮されたか、または純粋な形態で得ることができる。本教示は、アルケニル部分(例えば、アルケン、アゾおよびイミン)を含有する化合物のcisおよびtrans異性体を包含する。また、本教示の化合物が、純粋な形態の全ての可能なレジオ異性体およびそれらの混合物を包含することは理解されなければならない。いくつかの実施形態において、本化合物の調製は、例えば、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、疑似移動床クロマトグラフィーおよび高性能液体クロマトグラフィーの1つまたは複数を使用することによる、当業者に既知の標準分離手順を使用するそのような異性体の分離を含むことができる。しかしながら、レジオ異性体の混合物は、本明細書に記載される本教示の各個のレジオ異性体の使用および/または当業者に既知の各個のレジオ異性体の使用と同様に使用することができる。
他に具体的に明示されない限り、1つのレジオ異性体の描写には、他のいずれかのレジオ異性体およびいずれかのレジオ異性体混合物が含まれることが具体的に考えられる。
本明細書で使用される場合、「脱離基」(「LG」)は、例えば、置換または脱離反応の結果として安定な種として置換可能である、荷電した、または荷電していない原子(または原子の群)を指す。脱離基の例には、限定されないが、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I)、アジド(N)、チオシアネート(SCN)、ニトロ(NO)、シアネート(CN)、水(HO)、アンモニア(NH)およびスルホネート基(例えば、OSO−R、(式中、Rは、それぞれ任意選択でC1〜10アルキル基および電子求引性基から独立して選択される1〜4個の基によって置換されたC1〜10アルキル基またはC6〜14アリール基であることができる))、例えば、トシレート(トルエンスルホネート、OT)、メシレート(メタンスルホネート、OM)、ブロシレート(p−ブロモベンゼンスルホネート、OB)、ノシレート(4−ニトロベンゼンスルホネート、ON)およびトリフレート(トリフルオロメタンスルホネート、OTf)が含まれる。
明細書を通して、構造は化学名で提示されても、化学名で提示されなくてもよい。何等かの疑問が命名法に関して生じる場合、構造が優先である。
本教示は、有機半導体材料として使用することができるポリマー化合物に関する。本化合物は、様々な一般的な溶媒中での良好な溶解性および空気中での良好な安定性を有することができる。限定されないが、光起電性またな太陽電池、発光ダイオードおよび発光トランジスタを含む、光または光電子デバイスに組み込まれる場合、本化合物は、様々な所望の性能特性を与えることができる。例えば、本化合物が太陽電池(例えばバルクヘテロ接合デバイス)の光活性層で使用される場合、太陽電池は、非常に高い電力変換効率(例えば約3.0%以上)を示すことができる。
本教示は、

から選択される式の繰り返し単位(M1a)、および/または

から選択される式の繰り返し単位(M1b
(式中、
ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたC6〜14アリール基、または任意選択で置換された5〜14員ヘテロアリール基であり、
ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたフェニル基、または任意選択で置換された5員または6員ヘテロアリール基であり、
Lは、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基、二価C1〜20ハロアルキル基および共有結合から選択され、
は、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基および二価C1〜20ハロアルキル基から選択され、
UおよびU’は、独立して、−O−、−S−および−Se−から選択され、
VおよびV’は、独立して、−CR=または−N=であり、
Wは、それぞれ、独立して、−O−、−S−および−Se−から選択され、
W’は、それぞれ、独立して、−CR=または−N=であり、かつ
Rは、それぞれ、独立して、H、ハロゲン、−CNおよびL’R’から選択され、L’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択される)を有するポリマー化合物(またはポリマー)を提供する。本ポリマーは、3〜10,000の範囲の重合度を有することができる。
特定の実施形態において、U、U’およびWのそれぞれは、−S−であることができる。したがって、本ポリマーの特定の実施形態は、次式

の繰り返し単位(M1a)および次式

の繰り返し単位(M1b)(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、L、L、V、V’およびW’は本明細書で定義される通りである)を有することができる。特定の実施形態において、V、V’およびW’は、独立して、−CH=、−CCl=および−N=から選択することができる。例えば、V、V’およびW’のそれぞれは、−CH=または−CCl=であることができ、したがって、

から選択される式の繰り返し単位(M1a)、および

から選択される式の繰り返し単位(M1b)(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、LおよびLは本明細書で定義される通りである)を提供する。例示のため、Lは、−O−、−S−、−OC(O)−、二価C1〜20アルキル基および共有結合から選択されることができ、かつLは、−O−、−S−、−OC(O)−および二価C1〜20アルキル基から選択されることができる。
繰り返し単位(M1a)の様々な実施形態において、部分

は、

(式中、
V’’は、それぞれ、独立して、−CR=または−N=であり、
Zは、それぞれ、独立して、−O−、−S−および−Se−から選択され、
Z’は、それぞれ、独立して、−CR=または−N=であり、かつ
Rは、それぞれ、独立して、H、ハロゲン、−CNおよびL’R’から選択され、L’は、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基、二価C1〜20ハロアルキル基および共有結合から選択され、かつR’は、それぞれ、独立して、H、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基、C1〜40ハロアルキル基、任意選択で置換されたC6〜14アリール基および任意選択で置換された5〜14員ヘテロアリール基から選択される)から選択されることができる。
例示のため、部分

は、独立して、

(式中、いずれの炭素原子も任意選択でF、Cl、−CNまたはL’R’によって置換可能であり、L’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基、二価C1〜20ハロアルキル基および共有結合から選択され、かつR’は、それぞれ、独立して、H、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基、C1〜40ハロアルキル基、任意選択で置換されたC6〜14アリール基および任意選択で置換された5〜14員ヘテロアリール基から選択される)から選択されることができる。
繰り返し単位(M1b)の様々な実施形態において、Lは、−O−、−S−、−OC(O)−および二価C1〜20アルキル基から選択されることができ、ArおよびArは、フェニル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピロリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基およびピラジニル基から選択されることができるが、それぞれ、ハロゲン、−CNおよびL’’R’’から独立して選択される1〜4個の基によって任意選択で置換可能であり、L’’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’’は、それぞれ、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択されることができる。
繰り返し単位(M1b)の特定の実施形態において、Lは、−O−、−S−、−CH−および−OC(O)−からなる群から選択されることができる。例えば、繰り返し単位(M1b)は、

(式中、Rは、それぞれ、独立して、F、Cl、−CNおよびL’’R’’から選択されることができ、L’’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択されることができ、かつR’’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択されることができ、かつdは、それぞれ、独立して、1、2、3、4または5であることができる)から選択される式を有することができる。
繰り返し単位(M1b)の特定の実施形態は、

(式中、Rは、それぞれ、独立して、F、Cl、−CNおよびL’’R’’から選択され、L’’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択され、かつdは、それぞれ、独立して、1、2または3である)から選択される式を有することができる。
例えば、繰り返し単位(M1b)の特定の実施形態は、

(式中、R’’は、C1〜40アルキル基またはC1〜40ハロアルキル基である)から選択される式を有することができる。
繰り返し単位(M1a)および/または繰り返し単位(M1b)に加えて、本ポリマーの特定の実施形態は、繰り返し単位(M1a)および(M1b)とは異なる第2の繰り返し単位(M)を有することができる。具体的には、本ポリマーの特定の実施形態は、交互に供与体−受容体単位を含有することができ、そこでは、繰り返し単位(M1a)および/または(M1b)は電子供与体単位として機能することができ、一方、第2の繰り返し単位(M)は電子受容体単位として機能することができる。例えば、第2の繰り返し単位(M)は、電子不足多環式ヘテロアリール基を含むことができる。より強い受容体部分を提供するため、電子不足多環式ヘテロアリール基は、1個または複数の電子求引性基によって任意選択で置換されることができる。電子求引性基の例には、F、Cl、CN、アシル基およびハロアルキル基が含まれる。
例示のため、繰り返し単位(M)は、次式

(式中、
Arは、それぞれ、独立して、任意選択で置換された5〜8員ヘテロアリール基であることができ、
Xは、それぞれ、独立して、−O−、−S−および−Se−から選択することができ、
X’は、それぞれ、独立して、−CR=または−N=であることができ、
は、それぞれ、独立して、−CR=または−N=であることができ、
は、それぞれ、独立して、−CR=または−N=であることができ、
Rは、それぞれ、独立して、H、ハロゲン、−CNおよびL’R’から選択することができ、L’は、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択することができ、
およびRは、独立して、H、ハロゲン、−CNおよびL’R’から選択することができるか、あるいはRおよびRは、それらの隣接する炭素原子と一緒になって、任意選択で置換されたC6〜14アリールまたは5〜14員ヘテロアリール基を形成し、かつ
mおよびm’は、0、1または2である)を有することができる。
特定の実施形態において、繰り返し単位(M)は、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)またはチアジアゾロ[3,4−c]ピリジン、すなわち、

を含むことができ、これらはそれぞれ、任意選択で、本明細書に記載の通り置換されることができる。
したがって、いくつかの実施形態において、本ポリマー化合物は、次式

(式中、
πおよびπ’は、同一であるか、または異なって、独立して、

から選択される式を有し、
ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたC6〜14アリール基、または任意選択で置換された5〜14員ヘテロアリール基であり、
ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたフェニル基、または任意選択で置換された5員または6員ヘテロアリール基であり、
Lは、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基、二価C1〜20ハロアルキル基および共有結合から選択され、
は、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基および二価C1〜20ハロアルキル基から選択され、
UおよびU’は、独立して、−O−、−S−および−Se−から選択され、
VおよびV’は、独立して、−CR=または−N=であり、
Wは、それぞれ、独立して、−O−、−S−および−Se−から選択され、
W’は、それぞれ、独立して、−CR=または−N=であり、
Rは、それぞれ、独立して、H、ハロゲン、−CNおよびL’R’から選択され、L’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択される、
ArおよびAr’は、同一であるか、または異なって、任意選択で置換された5〜8員ヘテロアリール基であり、
は、NまたはCRであり、
は、NまたはCRであり、
は、NまたはCRであり、
は、NまたはCRであり、
、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、−C(O)R、CN、R、ORおよびSRから選択され、Rは、それぞれ、独立して、C1〜20アルキル基およびC1〜20ハロアルキル基から選択され、
Xは、O、SまたはNRであり、Rは、HおよびC1〜20アルキル基から選択され、
aおよびbは、0または1であるが、ただしaおよびbの少なくとも1つは1であり、
m、m’、nおよびn’は、0、1または2であり、かつ
xおよびyは、モル分率を表す実数であり、0.05≦x≦0.95、0.05≦y≦0.95であって、かつxおよびyの合計は約1である)によって表すことができる。
本ポリマー化合物は、一般に、約3,000〜約300,000の範囲の分子量を有することができる。いくつかの実施形態において、本化合物は、次式

によって表わすことができ、すなわち、ArがAr’と同一である場合、πはπ’と同一であり、XはXと同一であり、XはXと同一であり、mはnと同一であり、m’はn’と同一であり、かつaはbと同一である。他の実施形態において、第1の単位および第2の単位

は、1種または複数の様式において互いとは異なる。例えば、環式部分の種類、環式部分の数および/または環式部分の少なくとも1つの置換が異なることができる。異なる第1の単位および第2の単位を含む本化合物の実施形態は、ランダムまたは交互の様式で繰り返される2個の単位を有することができる。本ポリマーのほとんどの実施形態において、第1の単位および第2の単位は、独立して、Ar/Ar’およびπ/π’の少なくとも1個を含むことができ、すなわち、m、m’およびaの少なくとも1個は1であり、かつ、n、n’およびbの少なくとも1個は1であるが、ただし、第1の単位および第2の単位の少なくとも1個は、πまたはπ’を含む。
本化合物の様々な実施形態は、(i)M1a/M1b(すなわちπおよびπ’)、(ii)存在する場合、M中のAr/Ar’基、および/または(iii)M中の電子不足多環式ヘテロアリール基が塩素化された、M1a/M1bおよびMのコポリマーであることができる。例えば、本化合物は、式(I)

(式中、
ArおよびAr’は、同一であるか、または異なって、任意選択で置換された5〜8員ヘテロアリール基であり、
は、F、Cl、−C(O)R、−CFおよびCNから選択され、
およびRは、独立して、H、F、Cl、−C(O)R、CN、R、ORおよびSRから選択され、Rは、それぞれ、独立して、C1〜20アルキル基およびC1〜20ハロアルキル基から選択され、
Xは、O、SまたはNRであり、Rは、HおよびC1〜20アルキル基から選択され、
aおよびbは、0または1であるが、ただしaおよびbの少なくとも1つは1であり、
cは、0、1または2であり、
mおよびm’は、0、1または2であり、
nおよびn’は、0、1または2であり、
xおよびyは、モル分率を表す実数であり、0.05≦x≦0.95、0.05≦y≦0.95であって、かつxおよびyの合計は約1であり、かつ
πおよびπ’は、本明細書で定義される通りである)によって表することができる。式(I)によって表される化合物の特定の実施形態において、cは1または2であることができ、かつRはClであることができる。特定の実施形態において、ArおよびAr’の少なくとも1個は存在することができ(すなわち、mおよびm’および/またはnおよびn’は1または2である)、ArおよびAr’は、1個または複数のクロロ基によって置換された5〜8員ヘテロアリール基である。特定の実施形態において、πおよびπ’は、

(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、LおよびLは、本明細書で定義される通りである)から選択されることができる。
式(I)によって表される化合物の特定の実施形態において、XはSまたはOであることができる。したがって、これらの実施形態は、式(II)または(III)

(式中、Ar、Ar’、π、π’、R、R、R、m、m’、n、n’、a、b、c、xおよびyは、本明細書で定義される通りである)によって表すことができる。
特定の実施形態において、R、R、RおよびRは同一であることができ、R、R、RおよびRのそれぞれは、F、Cl、CN、−C(O)−C1〜10アルキル基、−CF−C1〜10アルキル基および−CF−C1〜10ハロアルキル基から選択される電子求引性基であることができる。例えば、本化合物の特定の実施形態は、式(IVa)、(IVb)または(IVc)

(式中、Ar、Ar’、π、π’、m、m’、n、n’、a、b、xおよびyは、本明細書で定義される通りである)によって表すことができる。
いくつかの実施形態において、RおよびRは同一であることができ、RおよびRは同一であることができるが、R/RはR/Rと異なる。例えば、RおよびRのそれぞれは、F、Cl、CN、−C(O)−C1〜10アルキル基、−CF−C1〜10アルキル基および−CF−C1〜10ハロアルキル基から選択される電子求引性基であることができるが、RおよびRはHであることができる。あるいは、R/RおよびR/Rは、異なる電子求引性基であることができる。したがって、例えば、本化合物の特定の実施形態は、式(IVd)、(IVe)または(IVf)

(式中、Ar、Ar’、π、π’、m、m’、n、n’、a、b、xおよびyは、本明細書で定義される通りである)によって表すことができる。
いくつかの実施形態において、電子不足二環式ヘテロアリール基は一置換されることができる。例えば、本化合物の特定の実施形態は、式(Va)、(Vb)、(Vc)、(Vd)、(Ve)または(Vf)

(式中、Ar、Ar’、π、π’、m、m’、n、n’、a、b、xおよびyは、本明細書で定義される通りである)によって表すことができる。
いくつかの実施形態において、第1の単位および第2の単位の両方がπおよびπ’を含むことができる(すなわち、aおよびbの両方が1である)。したがって、本化合物の特定の実施形態は、式(VI)

(式中、Ar、Ar’、π、π’、R、R、R、c、m、m’、n、n’、xおよびyは、本明細書で定義される通りである)によって表すことができるが、ただし、第1の単位および第2の単位は1種または複数の様式で異なる。例えば、πおよびπ’が同一である実施形態において、Arは第1の単位では不在であることができ、その場合、化合物は、式(VIa)

(式中、Ar’、π、π’、R、R、R、c、xおよびyは、本明細書で定義される通りである)によって表すことができる。特定の実施形態において、2,1,3−ベンゾチアジアゾール単位の置換は異なることができる。例えば、本教示の特定の化合物は、式(VIb)

(式中、Ar’、π、π’、R、c、n、n’、xおよびyは、本明細書で定義される通りである)によって表すことができる。
いくつかの実施形態において、第1および第2の単位は、異なるπおよびπ’基を含むことができる。例えば、πは、

から選択することができ、一方、π’は、

から選択することができる(式中、Lは、−O−、−S−、−OC(O)−および二価C1〜20アルキル基から選択されることができ、かつArおよびArは、フェニル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピロリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基およびピラジニル基から選択されることができ、それぞれ、ハロゲン、−CNおよびL’’R’’から独立して選択される1〜4個の基によって任意選択で置換され、L’’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’’は、それぞれ、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択される)。
様々な実施形態において、ArおよびAr’は、同一であるか、または異なって、任意選択で置換されたフェニルまたはチエニル基であることができる。例えば、本教示による特定の化合物は、式(VII)

(式中、
13およびR14は、独立して、H、F、Cl、R15、OR15およびSR15から選択され、R15は、それぞれ、独立して、C1〜20アルキル基、C1〜20アルケニル基およびC1〜20ハロアルキル基から選択され、かつ
π、π’、R、R、R、c、m、m’、n、n’、xおよびyは、本明細書に定義される通りである)によって表すことができる。
式(VII)によって表される実施形態において、R13およびR14は、異なることができる。特に、R13およびR14の一方はHであることができるが、R13およびR14の他方は、F、Cl、C1〜20アルキル基、C1〜20アルコキシ基およびC1〜20アルキルチオ基から選択することができる。したがって、そのような実施形態による特定の化合物は、式(VIIa)

(式中、R14は、F、Cl、R15、OR15およびSR15から選択されることができ、R15はC1〜20アルキル基であり、かつ、π、π’、R、R、R、c、xおよびyは、本明細書に定義される通りである)によって表すことができる。いくつかの実施形態において、RはFおよびClから選択されることができる。特定の実施形態において、RおよびRは、Rと同一であることができる。他の実施形態において、RおよびRは、Hであることができる。
いくつかの実施形態において、ArおよびAr’は同一であって、置換されたチエニル基であることができ、第1の単位および第2の単位は、RおよびRおよびRの間の差異に基づき、互いに異なることができる。したがって、本教示の特定の化合物は、式(VIIb)

(式中、
13およびR14は同一であることができ、かつ、F、Cl、R15、OR15およびSR15から選択されることができ、R15はC1〜20アルキル基であり、かつ、π、π’、R、c、xおよびyは、本明細書に定義される通りである)によって表すことができる。
いくつかの実施形態において、第1の単位および第2の単位の一方のみが任意選択で置換されたチエニル基を含む。例えば、特定の化合物は、式(VIIc)

(式中、R14は、F、Cl、R15、OR15およびSR15から選択されることができ、R15はC1〜20アルキル基であり、かつ、π、π’、R、R、R、c、xおよびyは、本明細書に定義される通りである)によって表すことができる。いくつかの実施形態において、RおよびRは、Rと同一であることができる。他の実施形態において、RおよびRは、Hであることができる。
したがって、本ポリマーの特定の実施形態は、式(VIIIa)

(式中、
Rは、それぞれ、独立して、HまたはClであることができ、
、RおよびRは、独立して、H、F、ClおよびCNから選択されることができ、
は、それぞれ、

から選択されることができ、
ここでは、いずれの炭素原子も任意選択で、ハロゲン、−CNまたはL’R’によって置換されることができ、L’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択されることができ、かつR’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択されることができ、
13およびR14は、独立して、H、F、Cl、R15、OR15およびSR15から選択されることができ、R15は、それぞれ、独立して、C1〜20アルキル基、C1〜20アルケニル基およびC1〜20ハロアルキル基から選択されることができ、
cは、0、1または2であることができ、かつ
xおよびyは、モル分率を表す実数であり、0.05≦x≦0.95、0.05≦y≦0.95であって、かつxおよびyの合計は約1である)によって表すことができる。
本ポリマーの特定の実施形態は、式(VIIIb)、(VIIIc)、(VIIId)、(VIIIe)または(VIIIf)


(式中、
Rは、それぞれ、独立して、HまたはClであり、
は、それぞれ、独立して、F、Cl、−CNおよびL’’R’’から選択され、L’’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択され、
、RおよびRは、独立して、H、F、ClおよびCNから選択されることができ、
13およびR14は、独立して、H、F、Cl、R15、OR15およびSR15から選択されることができ、R15は、それぞれ、独立して、C1〜20アルキル基、C1〜20アルケニル基およびC1〜20ハロアルキル基から選択されることができ、
cは、0、1または2であることができ、
dは、1、2または3であることができ、かつ
xおよびyは、モル分率を表す実数であり、0.05≦x≦0.95、0.05≦y≦0.95であって、かつxおよびyの合計は約1である)によって表すことができる。
本ポリマーの特定の実施形態は、式(VIIIg)、(VIIIh)、(VIIIi)、(VIIIj)または(VIIIk)

(式中、
R’’は、それぞれ、C1〜40アルキル基またはC1〜40ハロアルキル基から選択されることができ、
、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、−CNおよびL’R’から選択されることができ、L’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基、二価C1〜20ハロアルキル基および共有結合から選択されることができ、かつR’は、それぞれ、独立して、H、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基、C1〜40ハロアルキル基、任意選択で置換されたC6〜14アリール基および任意選択で置換された5〜14員ヘテロアリール基から選択されることができ、
13およびR14は、独立して、H、F、Cl、R15、OR15およびSR15から選択されることができ、R15は、それぞれ、独立して、C1〜20アルキル基、C1〜20アルケニル基およびC1〜20ハロアルキル基から選択されることができ、
cは、0、1または2であることができ、かつ
xおよびyは、モル分率を表す実数であり、0.05≦x≦0.95、0.05≦y≦0.95であって、かつxおよびyの合計は約1である)によって表すことができる。
式VIIIa、VIIIb、VIIIc、VIIId、VIIIe、VIIIf、VIIIg、VIIIh、VIIIi、VIIIjまたはVIIIkによって表される本ポリマーの実施形態に関して、ArおよびAr’は同一の置換されたチエニル基であることができ(すなわち、R13およびR14は同一である)、RおよびRがHであることができる。いくつかの実施形態において、RおよびRは、R(例えば、FまたはCl)と同一であることができる。これらの実施形態において、ArおよびAr’は異なる置換されたチエニル基であることができる(例えば、R14はF、ClまたはC6〜20アルキル基であることができ、R13がHであることができる)。
本明細書に提供される式のいずれにおいても、第1の単位および第2の単位が異なることができ、2つの単位はランダムな様式で繰り返されていることができる。2つの単位のモル分率は、約0.05〜約0.95、例えば、約0.1〜約0.9、約0.2〜約0.8、約0.3〜約0.7、または約0.4〜約0.6であることができる。特定の実施形態において、本ポリマーは、第2の単位と同一のモル分率の第1の単位を含むことができる(すなわち、x=y=0.5)。
本教示のポリマーおよび本ポリマーに導くモノマーは、実施例で記載される手順と類似の手順によって調製することができる。特に、スティルカップリングまたは鈴木カップリング反応は、H NMRスペクトル、元素分析および/またはGPC測定によって確認されるように、高分子量、高収率および純度の本教示によるコポリマー化合物を調製するために使用することができる。
あるいは、本化合物は、商業的に入手可能な出発材料、文献で既知の化合物から、または他の容易に調製される中間体を介して、当業者に既知の標準合成方法および手順を使用することによって調製することができる。有機分子の調製および官能基変換および操作のための標準合成方法および手順は、関連する科学文献から、または当該分野の標準教科書から容易に得ることができる。典型的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応体のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、他のプロセス条件も、特に明記されない限り使用することができることは認識されるであろう。最適反応条件は、使用される特定の反応体または溶媒によって異なることができるが、当業者は、そのような条件を通常の最適化手順によって決定することができる。提示される合成工程の性質および順番は、本明細書に記載される化合物の形成を最適化する目的で様々でありえることを、有機合成技術の当業者は認識するであろう。
本明細書に記載されるプロセスは、当該技術において既知のいずれかの適切な方法によって監視することができる。例えば、生成物形成は、核磁気共鳴分光法(NMR、例えばHまたは13C)、赤外線分光法(IR)、光吸収/放射分光法(例えば、UV−可視光)、質量分析(MS)などの分光法によって、あるいは高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィーによって監視することができる。
本明細書に記載される反応またはプロセスは、有機合成技術の当業者によって容易に選択されることができる適切な溶媒中で実行することができる。適切な溶媒は、典型的に、反応が実行される温度、すなわち、溶媒の氷点気温から溶媒の沸騰温度の範囲であることができる温度で反応体、中間体および/または生成物と実質的に非反応的である。所与の反応は、1種の溶媒または2種以上の溶媒の混合物中で実行することができる。特定の反応工程次第で、特定の反応工程の適切な溶媒を選択することができる。
本明細書に開示される特定の実施形態は、周囲条件で安定であることができ(「周囲安定」)、一般的な溶媒に可溶性であることができる。本明細書で使用される場合、半導電性材料として化合物を組み込むトランジスタが、化合物が一定期間にわたって周囲条件、例えば、空気、周囲温度および湿度に暴露されるときに、その初期の測定値でほぼ維持されるキャリア移動度を示す場合に、化合物は電気的に「周囲安定」または「周囲条件下で安定」と考えることができる。例えば、本教示による化合物を組み込むトランジスタが、3日、5日または10日間にわたる空気、湿度および温度を含む周囲条件への曝露後に、その初期値から20%を超えて、または10%を超えて変化しないキャリア移動度を示す場合、化合物は周囲安定であると記載することができる。加えて、相当する膜の光吸収が、3日、5日または10日間にわたる空気、湿度および温度を含む周囲条件への曝露後に、その初期値から20%を超えて変化しない(好ましくは、10%を超えて変化しない)場合、化合物は周囲安定であると考えることができる。
本明細書で使用される場合、化合物は、化合物の少なくとも0.1mgを溶媒1mLに溶解することができる場合に溶媒に可溶性であると考えることができる。一般的な有機溶媒の例には、石油エーテル、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレンなどの芳香族炭化水素、アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテルおよびt−ブチルメチルエーテルなどのエーテル、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロピルアルコールなどのアルコール、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピルおよび酢酸ブチルなどのエステル、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどのアミド、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびにシクロペンタノン、シクロヘキサノンおよび2−メチルピロリドンなどの環式溶媒が含まれる。
本化合物は、蒸着などの他のより高価なプロセスに加えて、溶液プロセシング技術を使用して、様々な製造物品に製造することができる。有機エレクトロニクスによって、様々な溶液プロセシング技術は使用されている。一般的な溶液プロセシング技術は、例えば、スピンコーティング、スロットコーティング、ドロップ−キャスティング、ゾーンキャスティング、ディップコーティング、ブレードコーティングまたは噴霧を含む。溶液プロセシング技術の別の例は印刷である。本明細書で使用される場合、「印刷」には、インクジェット印刷、マイクロディスペンシングなどのノンコンタクトプロセス、ならびにスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、リソグラフ印刷、パッド印刷、マイクロコンタクト印刷などのコンタクトプロセスが含まれる。
本教示の化合物は、続いて、様々な製造物品、構造およびデバイスの製造のために使用することができる半導体材料(例えば、組成物および複合材)を調製するために、単独または他の化合物と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、本教示の1種または複数の化合物を組み込む半導体材料は、p型半導体活性、両極性活性、光吸収および/または発光を示すことができる。
したがって、本教示は、半導体材料を調製する方法をさらに提供する。この方法は、溶媒または溶媒の混合物などの液体媒体に溶解または分散された1種または複数の本明細書に開示される化合物を含む組成物(例えば、溶液または分散系)を調製する工程と、組成物を基材上に析出して、半導体材料前駆体を提供する工程と、半導体前駆体を加工(例えば、加熱)して、本明細書に開示される化合物を含む半導体材料(例えば、光活性層)を提供する工程とを含むことができる。様々な実施形態において、液体媒体は、有機溶媒、無機溶媒、例えば、水、またはそれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施形態において、組成物は、粘度調節剤、洗剤、分散剤、結合剤、相溶化剤、硬化剤、開始剤、湿潤剤、消泡剤、湿潤剤、pH変性剤、殺生物剤および静菌剤から独立して選択される1種または複数の添加剤をさらに含むことができる。例えば、界面活性剤および/またはポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ−アルファ−メチルスチレン、ポリイソブテン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレートなど)を、結合剤、相溶化剤および/または消泡剤として含むことができる。いくつかの実施形態において、析出工程は、インクジェット印刷および様々なコンタクト印刷技術を含む印刷(例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、パッド印刷、リソグラフ印刷、フレキソ印刷およびマイクロコンタクト印刷)によって実行することができる。他の実施形態において、析出工程は、スピンコーティング、スロットコーティング、ドロップ−キャスティング、ゾーンキャスティング、ディップコーティング、ブレードコーティングまたは噴霧によって実行することができる。
本明細書に開示される化合物を使用する、光デバイス、光電子デバイスおよび電子デバイス、例えば、薄膜半導体、光起電性デバイス、光検出器、有機発光デバイス、例えば、有機発光トランジスタ(OLET)を含む様々な製造物品は、その製造方法と同様に本教示の範囲内である。本化合物は、これらのデバイスの製造および/または使用においてプロセシングおよび操作利点を提供することができる。
例えば、本明細書に記載される様々なデバイスなどの製造物品は、第1の電極、第2の電極、および第1の電極と第2の電極との間に配置され、本教示の化合物を含む光または光活性成分を含む光電子デバイスであることが可能である。
様々な実施形態において、光または光電子デバイスは、太陽電池、特にバルク−ヘテロ接合太陽電池として構成されることができる。本教示の化合物は、広い光吸収および/または調整された酸化還元特性およびバルクキャリア移動度を示すことができ、これらにより、そのような用途にとって望ましくなる。様々な実施形態において、本教示によるバルクヘテロ接合太陽電池は、供与体材料として本教示の化合物および光活性層として受容体材料を含むブレンド材料(例えば、ブレンドされた膜)を組み込むことができる。ほとんどの最高水準のデバイスにおいて、ブレンドされた膜の厚さは(良好なデバイス性能を得るために)約100nm以下に限定されることが多いが、本発明者は、広い厚さ範囲の本明細書に記載されるコポリマーから調製された膜によって、具体的には、約100nm以下の厚さを有する薄膜、ならびに約200nmを超える厚さを有する膜で匹敵する性能を観察している。
典型的な受容体材料には、フラーレンをベースとする化合物が含まれる。本教示において有用なフラーレンは、広い範囲のサイズ(1分子あたりの炭素原子数)を有することができる。フラーレンという用語は、本明細書で使用される場合、バックミンスターフラーレン(Buckministerfullerene)(C60)「ブッキーボール(bucky ball)」および関連する「球状」フラーレンを含む純粋炭素の様々なケージ様分子、ならびに炭素ナノチューブを含む。フラーレンは、例えば、C20〜C1000の範囲の当該技術において既知のものから選択することができる。特定の実施形態において、フラーレンはC60〜C96の範囲で選択することができる。特定の実施形態において、フラーレンはC60またはC70、例えば、C60−[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル(C60−PCBM)またはC70−PCBMであることができる。いくつかの実施形態において、化学変性されたフラーレンを使用することができるが、ただし、変性されたフラーレンは、受容体型および電子移動度特徴を保持することを条件とする。それらが必要とされる受容体型および電子移動度特徴を有するならば、他の受容体材料をフラーレンの代わりに使用することができる。例えば、受容体材料は、様々な有機小分子、ポリマー、炭素ナノチューブまたは無機粒子(量子ドット、量子ロッド、量子トリポッド、TiO、ZnOなど)であることができる。
いくつかの実施形態において、受容体材料は、電子輸送(n型)ポリマーであることができる。いくつかの実施形態において、電子輸送ポリマーは、ビス(イミド)アレーン単位を含んでなることができる。例えば、ビス(イミド)アレーン単位のアレーン基は、

から選択される縮合環(ヘテロ)芳香族部分(以下、π−1およびπ−1’と呼ばれる)であることができる。好ましい実施形態において、アレーン基はナフタレンであることができる。
例示のため、特定の実施形態において、電子輸送ポリマーは、ビス(イミド)アレーン単位およびMa共単位を含む交互ポリマーであることができる。交互ポリマーは、式1

(式中、
π−1は、任意選択で置換された縮合環部分であり、
は、C1〜30アルキル基、C2〜30アルケニル基、C1〜30ハロアルキル基、C6〜20アリール基および5〜14員ヘテロアリール基からなる群から選択され、C6〜20アリール基および5〜14員ヘテロアリール基は、C1〜30アルキル基、C2〜30アルケニル基またはC1〜30ハロアルキル基によって任意選択で置換され、
は、ビス(イミド)アレーン単位(リレンジイミド)を含まない1個または複数の共役部分を含んでなる繰り返し単位であり、かつ
nは2〜5,000の範囲の整数である)によって表すことができる。
他の実施形態において、電子輸送ポリマーは、それぞれの基礎単位がビス(イミド)アレーン単位およびM共単位を含む、2つの異なる基礎単位を含むランダムポリマーであることができる。例えば、ランダムポリマーは、式2

(式中、
π−1およびπ−1’は、同一または異なることができ、独立して、任意選択で置換された縮合環部分であり、
およびR1’は、同一または異なることができ、独立して、C1〜30アルキル基、C2〜30アルケニル基、C1〜30ハロアルキル基、C6〜20アリール基および5〜14員ヘテロアリール基からなる群から選択され、C6〜20アリール基および5〜14員ヘテロアリール基は、C1〜30アルキル基、C2〜30アルケニル基またはC1〜30ハロアルキル基によって任意選択で置換され、
およびMa’は、同一または異なることができ、独立して、リレンジイミドを含まない1個または複数の共役部分を含んでなる繰り返し単位であり、
pおよびqは、独立して実数であり、0.1≦p≦0.9、0.1≦q≦0.9であって、pおよびqの合計は約1であり、かつ
nは2〜5,000の範囲の整数であるが、
ただし、以下の少なくとも1つは真である:(a)π−1’はπ−1とは異なる、(b)R1’はRとは異なる、または(c)Ma’はMとは異なる)によって表すことができる。
共繰り返し単位MおよびMa’の1個または複数の共役部分は、Ar、π−2およびZによって表すことができ、Arは、任意選択で置換された単環式アリールまたはヘテロアリール基であり、π−2は、任意選択で置換された8〜24員多環式共役部分であり、Zは共役直鎖リンカーである。様々な実施形態において、MおよびMa’は、

(式中、m、m’およびm’’は、独立して0、1、2、3、4、5または6である)から選択される式を有することができる。
特定の実施形態において、π−2は、1個または複数の任意選択で置換されたチエニル、チアゾリルまたはフェニル基を含む多環式部分であることができる。例えば、π−2は


(式中、Rは、H、C1〜20アルキル基、C1〜20アルコキシ基およびC1〜20ハロアルキル基から選択することができる)から選択することができる。
特定の実施形態において、各Arは、独立して、5員または6員アリールまたはヘテロアリール基であることができる。例えば、各Arは、フェニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基および1,2,5−チアジアゾリル基から選択することができ、各基は、二価または一価であることができ、かつハロゲン、−CN、オキソ基、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルキル基、NH、NH(C1〜6アルキル)およびN(C1〜6アルキル)から独立して選択される1〜4個の置換基によって任意選択で置換可能である。特定の実施形態において、各Arは、チエニル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基、フェニル基およびピロリル基から選択することができ、各基は、ハロゲン、−CN、オキソ基、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルキル基、NH、NH(C1〜6アルキル)およびN(C1〜6アルキル)から独立して選択される1〜2個の置換基によって任意選択で置換可能である。いくつかの実施形態において、Arは未置換であることが可能である。いくつかの実施形態において、Arは、チエニル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基であることができ、各基は、1〜2個のC1〜6アルキル基によって任意選択で置換される。
様々な実施形態において、リンカーZは、単独で共役系であることができる(例えば、2個以上の二重または三重結合を含む)か、あるいはその近隣成分とともに共役系を形成することができる。例えば、Zが直鎖リンカーである実施形態において、Zは、二価エテニル基(すなわち、1個の二重結合を有する)、二価エチニル基(すなわち、1個の三重結合を有する)、2個以上の共役二重または三重結合を含むC4〜40アルケニルまたはアルキニル基、あるいはSi、N、Pなどのヘテロ原子を含むことができるいくつかの他の非環式共役系であることができる。例えば、Zは、

から選択することができる。
いくつかの実施形態において、MおよびMa’は、少なくとも1個の任意選択で置換された単環式アリールまたはヘテロアリール基を含むことができる。例えば、MおよびMa’は、次式

(式中、m’’は、1、2、3、4、5または6から選択され、かつArは、本明細書に定義される通りである)を有することができる。例えば、Arは任意選択で置換されたチエニル基であることができる。
特定の実施形態において、受容体ポリマーは、式3または4

(式中、
π−1およびπ−1’は、同一または異なることができ、独立して、任意選択で置換された縮合環部分であり、
およびR1’は、同一または異なることができ、独立して、C1〜30アルキル基、C2〜30アルケニル基、C1〜30ハロアルキル基、C6〜20アリール基および5〜14員ヘテロアリール基からなる群から選択され、C6〜20アリール基および5〜14員ヘテロアリール基は、C1〜30アルキル基、C2〜30アルケニル基またはC1〜30ハロアルキル基によって任意選択で置換され、
R’およびR’’は、同一または異なることができ、独立して、H、F、Cl、−CNおよび−L−Rからなる群から選択され、Lは、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−C(O)、−C(O)O−および共有結合からなる群から選択され、かつRは、それぞれ、独立して、C6〜20アルキル基、C6〜20アルケニル基およびC6〜20ハロアルキル基からなる群から選択することができ、
mおよびm’は、独立して、1、2、3、4、5または6であることができ、かつ
pおよびqは、独立して実数であり、0.1≦p≦0.9、0.1≦q≦0.9であって、pおよびqの合計は約1であり、かつ
nは2〜5,000の範囲の整数であるが、
ただし、以下の少なくとも1つは真である:(a)π−1’はπ−1とは異なる、(b)R1’はRとは異なる、または(c)R’’はR’とは異なる)によって表される。
特定の実施形態において、受容体材料は、式5、6、7または8

(式中、
およびR1’は、同一または異なることができ、独立して、C1〜30アルキル基、C2〜30アルケニル基、C1〜30ハロアルキル基、C6〜20アリール基および5〜14員ヘテロアリール基からなる群から選択され、C6〜20アリール基および5〜14員ヘテロアリール基は、C1〜30アルキル基、C2〜30アルケニル基またはC1〜30ハロアルキル基によって任意選択で置換され、
pおよびqは、独立して実数であり、0.1≦p≦0.9、0.1≦q≦0.9であって、pおよびqの合計は約1であり、かつ
nは2〜5,000の範囲の整数である)によって表されるポリマーであることができる。
例えば、RおよびR1’は、

などの分枝鎖C3〜20アルキル基、分枝鎖C4〜20アルケニル基および分枝鎖C3〜20ハロアルキル基からなる群から選択することができる。
本教示による光活性成分は、1種または複数の本化合物と、フラーレン(例えばPCBM)または本明細書に記載されるポリマー受容体などの受容体化合物との混合物を含有する溶液または分散系から析出されたブレンドされた膜として調製することができる。本ポリマー対受容体化合物の比率は、重量で約10:1〜約1:10、例えば、重量で約5:1〜約1:5、重量で約3:1〜約1:3、または重量で約2:1〜約1:2の範囲であることができる。光活性層は、約5〜約95重量%で存在することができるポリマー結合剤を含有することができる。ポリマー結合剤は、例えば、ポリスチレン(PS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)から選択される半結晶性ポリマーであることができる。いくつかの実施形態において、ポリマーブレンドは、光学活性であるさらなる成分、例えば、励起子をブレンド中の電子供与体ポリマー/電子−受容体ポリマーの一方または両方で捕獲および移動することによって光収穫を促進することができる成分、ならびに/あるいはプロセシングおよび/またはデバイス性能を変更および/または改善する光学的に非活性な成分と一緒に使用することができる。そのような光学的に非活性な成分は、当該技術で既知であるように、アルカンチオール(例えば、アルカンジチオール)および他のα,ω官能性アルカン(例えば、ジヨードアルカン)を含むことができる。例えば、米国特許第8,227,691号明細書を参照のこと。
ブレンド組成物は、好ましくは溶液相プロセスによって、基板(例えば電極基板)上に析出し、続いて、溶媒または溶媒混合物を除去し、光活性層を提供することができる。本ポリマーと受容体化合物との密接な混合物として提供されるブレンド組成物によって、(任意選択で減圧および/または高温での)溶媒除去時にバルクヘテロ接合を作成し、その間、本供与体ポリマーおよび受容体化合物のナノスケール相分離が生じる。いくつかの実施形態において、析出工程は、インクジェット印刷および様々なコンタクト印刷技術を含む印刷(例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、パッド印刷、リソグラフ印刷、フレキソ印刷およびマイクロコンタクト印刷)によって実行することができる。他の実施形態において、析出工程は、スピンコーティング、スロット−ダイコーティング、ドロップ−キャスティング、ゾーンキャスティング、ディップコーティング、ブレードコーティングまたは噴霧によって実行することができる。膜がスピンコーティングによって形成される場合、スピン速度は、約300rpm〜約6000rpm、または約500rpm〜約2000rpmの範囲であることができる。後処理工程は、析出された膜の熱焼き鈍しまたは照射を含むことができる。例えば、ブレンドされた膜は、約50℃〜約300℃、好ましくは約70℃〜約200℃、より好ましくは約90℃〜約180℃で、約1分〜約20分間の焼き鈍しを行うことができる。焼き鈍し工程は、不活性雰囲気(例えば、窒素下)で実行することができる。析出された膜の照射は、赤外線光線または紫外線光線を使用して実行することができる。本明細書で使用される場合、「焼き鈍し」は、60秒より長い時間、周囲または減圧/増圧下での半結晶性ポリマー膜への析出後の熱処理を指し、「焼き鈍し温度」は、ポリマー膜が焼き鈍しのプロセスの間に少なくとも30秒間暴露される最大温度を指す。光活性層は、典型的に、約30nm〜約500nmの範囲の厚さを有することができる。好ましい実施形態において、光活性層は、約80〜300nmの厚さを有する薄膜であることができる。
図1は、供与体材料として1種または複数の本教示の化合物を組み込むことができるバルク−ヘテロ接合有機太陽電池の代表的な構造を例示する。図の通り、代表的な太陽電池は、一般に、基板20、陽極22、陰極26、および陽極と陰極との間の、電子供与体(p−チャネル)材料として1種または複数の本教示の化合物を組み込むことができる光活性層24を含む。いくつかの実施形態において、任意の平滑化層は、陽極と光活性層との間で存在することができる。
基板は、頑丈さをデバイスに提供するように設計された固体、剛性または可撓性層であることができる。好ましい実施形態において、基板は、関心のスペクトル領域において透明であるか、または半透明であることができる。本明細書で使用される場合、材料は、それが50%以上の透過率を有する場合に「透明」であると考えられ、材料は、それが約50%〜約5%の透過率を有する場合に「半透明」であると考えられる。基板は、ガラスまたは可撓性プラスチック(ポリマー)フィルムなどの当該技術で既知のいずれかの適切な材料を含んでなることができる。
第1および第2の電極は、異なる仕事関数を有さなければならず、約4.5eV以上でより高い仕事関数を有する電極(「高仕事関数電極」)は、正孔注入電極または陽極として機能し、約4.3eV以下でより低い仕事関数を有する電極(「低仕事関数電極」)は、電子注入電極として機能する。従来のOPVデバイス構造において、高仕事関数電極または陽極は、典型的に、インジウムスズ酸化物(ITO)、ガリウムインジウムスズ酸化物(GITO)および亜鉛インジウムスズ酸化物(ZITO)、または金もしくは銀の透明薄層などの透明導電性金属酸化物または金属硫化物から構成される。低仕事関数電極または陰極は、典型的に、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウムおよびマグネシウムなどの低仕事関数金属から構成される。電極は、熱蒸着、電子ビームエバポレーション、RFまたは導電管スパッター、化学蒸着などで析出することができる。
様々な実施形態において、太陽電池は、陽極と光活性層との間および/または陰極と光活性層との間で1層または複数の任意選択のインターフェース層(「中間層」)を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、任意選択の平滑化層(例えば、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)または3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)のフィルム)が陽極と光活性層との間で存在することができる。任意選択の中間層は、光活性層と電極との間のエネルギーバリアを低下させる、単一種のキャリアのための選択的接触を(例えば正孔ブロッキング層)形成する、隣接する電極の仕事関数を変更する、および/またはその下の光活性層を保護するなどの他の機能を実行することができる。いくつかの実施形態において、p型バッファとしてPEDOTまたはPEDOT:PSSを使用する代わりに、V、MoO、WOおよびNiOなどの遷移金属酸化物層をITO陽極上に析出することができる。陰極の変更によってデバイス安定性を改善するため、LiF、CsFまたは同様のフッ化物から構成されるn型バッファを陰極と光活性層との間に提供することができる。他のn型バッファ材料には、TiO、ZnOおよびCsドーピングTiOが含まれる。組成次第で、中間層は、溶液処理(例えば、ゾルゲル析出、自己集合単層)、あるいは熱エバポレーションまたはスパッタリングなどの真空プロセスによる析出が可能である。
特定の実施形態において、本教示による太陽電池は、その上にインジウムスズ酸化物(ITO)製電極層(陽極)が適用される透明ガラス基板を含むことができる。この電極層は比較的粗い表面を有することができ、ドーピングによって導電性にされたポリマー、典型的にPEDOT:PSSから製造される平滑化層を、その表面モルフォロジーを向上させるために電極層上に適用することができる。他の同様の中間層は、デバイスの機械的、化学的および/または電子的特性を改善するために、陽極と光活性層との間に任意選択で存在することができる。光活性層は、上記のような全ポリマーブレンドから構成され、例えば約80nm〜数μmの層厚さを有することができる。対電極(陰極)が適用される前に、電気絶縁移行層を光活性層上へ適用することができる。この移行層はハロゲン化アルカリ、例えばLiFから製造することができ、真空蒸着が可能である。再び、陽極と同様に、他の同様の中間層は、デバイスの機械的、化学的および/または電子的特性を改善するために、光活性層と陰極との間に任意選択で存在することができる。
特定の実施形態に、本教示による太陽電池は、変性ITOフィルムが陰極として使用される、反転デバイス構造を有することができる。例えば、ITOは、TiO、ZnO、CsドーピングTiOおよびセシウムカルボネートなどのn型金属酸化物または金属炭酸塩によって変性されることができる。特定の実施形態において、反転OPVは、Lloydら、「Influence of the hole−transport layer on the initial behavior and lifetime of inverted organic photovoltaics」、Solar Energy Materials and Solar Cells,95(5):1382−1388(2011)に記載の通り、溶液処理されたZnO n型インターフェース層を含むことができる。従来のデバイス構造と比較して、反転型デバイスは、腐食および吸湿性正孔輸送PEDOT:PSSおよび低仕事関数金属陰極のニーズを回避することによって、より良好な長期的周囲安定性を実行することができる。反転OPV電池の陽極は、Ag、Auなどから構成されることができ、任意選択のp型インターフェース層は、V、MoO、WOおよびNiOなどの遷移金属酸化物から構成される。
特定の実施形態において、本教示による太陽電池は、タンデムバルク−ヘテロ接合電池であることができる。タンデムバルク−ヘテロ接合電池は、デバイスの陽極と陰極との間に、導電層によって分離される少なくとも2枚の有機半導体膜を含むことができる。少なくとも2枚の有機半導体膜は、1種または複数の本化合物と本明細書に記載されるポリマー受容体との混合物を含有する溶液または分散系からそれぞれ析出されたブレンドされた膜であることができる。
本教示の別の態様は、1種または複数の本教示の半導体材料を組み込む有機発光トランジスタまたは有機発光ダイオード(OLED)を製造する方法に関する。例えば、OLEDにおいて、電子輸送および/または発光および/または正孔輸送材料として、1種または複数の本教示の化合物を使用することができる。OLEDは、一般に、基板、透明陽極(例えばITO)、陰極(例えば金属)、ならびに正孔輸送(p−チャネル)および/または発光および/または電子輸送(n−チャネル)材料として1種または複数の本教示の化合物を組み込むことができる1層または複数の有機層を含む。本化合物が正孔輸送、電子輸送および発光の特性の1つまたは2つのみを有する実施形態において、本化合物は、必要とされる特性を残す1種または複数のさらなる有機化合物とブレンドされることができる。
他の実施形態において、製造物品は、第1の電極、第2の電極、ならびに第1の電極とおよび第2の電極と接触していて、本教示の化合物を含む半導体成分を含む電子または光電子デバイス(例えば有機発光トランジスタ)であることができる。これらのデバイスは、本教示の半導体成分(または半導体材料)、ならびに基板成分および/または誘電成分を有する複合材を含むことができる。基板成分は、ドーピングされたシリコン、インジウムスズ酸化物(ITO)、ITOコーティングガラス、ITOコーティングポリイミドまたは他のプラスチック、単独の、あるいはポリマーまたは他の基板上でコーティングされたアルミニウムまたは他の金属、ドーピングされたポリチオフェンなどから選択することができる。誘電成分は、様々な酸化物(例えば、SiO、Al、HfO)などの無機誘電体物質、様々なポリマー材料(例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリハロエチレン、ポリアクリレート)などの有機誘電体物質、ならびに自己集合超格子/自己集合ナノ誘電(SAS/SAND)材料(例えば、参照によって全内容が本明細書に組み込まれるYoon,M−H.ら,PNAS,102(13):4678−4682(2005)に記載される)、ならびにハイブリッド有機/無機誘電材料(例えば、参照によって全内容が本明細書に組み込まれる米国特許出願第11/642,504号明細書に記載される)から調製することができる。いくつかの実施形態において、誘電成分は、それぞれの全内容が、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第11/315,076号明細書および同第60/816,952号明細書および同第60/861,308号明細書に記載される架橋されたポリマーブレンドを含むことができる。複合材は、1種または複数の電気接触も含むことができる。ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極のための適切な材料には、金属(例えば、Au、Al、Ni、Cu)、透明導電性酸化物(例えば、ITO、IZO、ZITO、GZO、GIO、GITO)、および導電性ポリマー(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)、ポリアニリン(PANI)、ポリピロール(PPy))が含まれる。本明細書に記載される複合材の1種または複数は、上記有機フォトボルタイクス(OPV)および有機発光トランジスタ(OLET)などの様々な有機電子デバイス、光デバイス、光電子デバイスで具体化することができる。
以下の実施例は、本教示をさらに説明し、その理解を深めるために提供され、本発明をいずれかの形態で限定するように意図されない。
全ての試薬は、商業的な供給源から購入されて、特に明記されない限り、さらなる精製をせずに使用された。具体的には、誘電体および半導体調合物のために使用されるジオキサン、ジクロロベンゼン(DCB)、クロロホルム(CHCl)および他の塩素化炭化水素(CHC)は、Sigma Aldrichから購入され、使用前に蒸留した。無水テトラヒドロフラン(THF)は、Na/ベンゾフェノンから精製された。特に明記されない限り、従来のSchlenk技術を使用し、反応はN下で実行した。4,7−ビス(4−ドデシル−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(Yueら,Macromolecules,42:6510−6518(2009))および4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(Mouleら,Chem.Mater,20:4045−4050(2008))は、文献手順に従って調製した。
特徴決定データは、いくつかの場合、H−NMR、13C−NMRおよび/または元素分析によって提供される。NMRスペクトルは、Inova 500 NMR分光計(H、500MHz)で記録された。元素分析は、Midwest Microlab,LLCによって実行された。ポリマー分子量は、ポリスチレン標準に対して、室温、THF中でWaters GPCシステム(Waters Pump 510)上で決定した。
実施例1−モノマーの合成
実施例1A:4,7−ジブロモ−5,6−ジフルオロベンゾ[1,2,5]チアジアゾールの調製
工程1:5,6−ジフルオロベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

ジクロロメタン(80mL)中の4,5−ジフルオロベンゼン−1,2−ジアミン(2.0g、0.014mol)およびトリエチルアミン(7.8mL、0.056mol)の溶液に、室温で、滴下によりSOCl(4.04mL、0.055mol)を添加した。得られた反応混合物を一晩、還流するまで加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、慎重に水でクエンチした。得られた混合物をジクロロメタンで抽出し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーター上で濃縮し、粗製化合物として白色固体を得た。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)によって精製し、白色結晶固体として5,6−ジフルオロベンゾ[1,2,5]チアジアゾールを得た(1.4g、収率58%)。H NMR(CDCl 500MHz):δ:7.76(t,2H,J=8.5Hz)。13C NMR(CDCl,500MHz):δ154.94,154.78,152.86,152.70,150.89,150.85,150.81,106.26,106.21,106.14,106.09。(CS)に対する元素分析理論値:C41.86、H1.17、N16.27。実測値:C41.41、H1.22、H15.87。融点:64〜65℃。
工程2:4,7−ジブロモ−5,6−ジフルオロベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

濃HSO(30mL)中の5,6−ジフルオロベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(500mg、2.9mmol)の溶液に、室温で、滴下によりNBS(2.07g、11.62mmol)を添加した。得られた溶液を2時間、55℃まで加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、次いで、氷水混合物に添加し、濾過して、粗製生成物として白色固体を得た。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)によって精製し、白色結晶固体として4,7−ジブロモ−5,6−ジフルオロベンゾ[1,2,5]チアジアゾールを得た(0.35g、収率36%)。H NMR(CDCl 500MHz):ピークは観察されなかった。13C NMR(CDCl,500MHz):δ152.95,152.78,150.87,150.69,148.88,148.86,99.49,99.43,99.37,99.30,99.20。(CBrS)に対する元素分析理論値:C21.84、H0.00、N8.49、Br48.43。実測値:C22.01、H0.20、N8.26、Br48.69。融点:148〜149℃。
実施例1B:4,7−ビス−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−5,6−ジフルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールの調製
工程1:5,6−ジフルオロ−4,7−ジ−チオフェン−2−イル−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

4,7−ジブロモ−5,6−ジフルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.29g、1mmol)、トリブチル−チオフェン−2−イル−スタンナン(0.86g、2.3mmol)およびPd(PPh(20mg)を50mL Schlenkフラスコ中に組み合わせた。系を3サイクル真空にし、アルゴンで充填し、その後、20mLの無水トルエンを添加した。混合物を4日間、105℃で加熱した。反応物を冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。溶離剤としてトルエン/ヘキサン(体積比1/2)を用いてのシリカゲルカラムと、ヘキサン/イソ−プロパノール混合物からの再結晶によって生成物をさらに精製した。真空下で乾燥後、最終生成物は赤色針状結晶として得られた(0.276g、収率93.0%)。H NMR(CDCl,500MHz):δ8.33(d×d,2H,J=4.0Hz×1.0Hz),δ7.66(d×d,2H,J=5.5Hz×1.0Hz),δ7.30(d×d,2H,J=5.5Hz×4.0Hz)。
工程2:4,7−ビス−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−5,6−ジフルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

100mL Schlenkフラスコに、5,6−ジフルオロ−4,7−ジ−チオフェン−2−イル−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.276g、0.820mmol)を添加した。系をアルゴンで5分間フラッシュし、その後、25mLの無水THFを添加した。光の不在下でNBS(0.292g、1.641mmol)を数回に分けて添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。ジクロロメタン(100mL)を添加し、有機層を3回、塩水で洗浄し、その後、無水NaSOで乾燥させた。溶媒の除去およびトルエン/イソ−プロパノール混合物からの再結晶の後、生成物(0.15g、収率36.5%)を得た。H NMR(CDCl,500MHz):δ8.06(d,2H,J=4.0Hz),δ7.25(d,2H,J=4.0Hz)。
実施例1C:4,7−ビス−(5−ブロモ−4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジフルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールの調製
工程1:4,7−ビス−(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジフルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

4,7−ジブロモ−5,6−ジフルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.33g、1mmol)、(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−トリメチル−スタンナン(1.04g、2.5mmol)およびPd(PPh(20mg)を50mL Schlenkフラスコ中で組み合わせた。系を3サイクル真空にし、アルゴンで充填し、その後、20mLの無水トルエンを添加した。混合物を3日間、105℃で加熱した。反応物を冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。溶離剤としてトルエン/ヘキサン(体積比1/4)を用いてのシリカゲルカラムと、ヘキサン/イソ−プロパノール混合物からの再結晶によって生成物をさらに精製した。真空下で乾燥後、最終生成物は赤色針状結晶として得られた(0.60g、収率89.5%)。H NMR(CDCl,500MHz):δ8.15(d,2H,J=1.0Hz),δ7.23(d,2H,J=1.0Hz),δ2.74(t,4H,J=7.5Hz),δ1.73(m,4H),δ1.29(m,18H),δ0.90(t,6H,7.0Hz)。13C NMR(CDCl,500MHz):δ150.8,148.9,143.7,132.3,131.2,124.0,111.7,31.97,30.60.30.52,29.74,29.72,29.70,29.67,29.53,29.42,29.39,22.75,14.19。
工程2:4,7−ビス−(5−ブロモ−4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジフルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

100mL Schlenkフラスコに、5,6−ジフルオロ−4,7−ジ−チオフェン−2−イル−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.361g、0.536mmol)を添加した。系をアルゴンで5分間フラッシュし、その後、30mLの無水THFを添加した。光の不在下でNBS(0.196g、1.18mmol)を数回に分けて添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。ジクロロメタン(100mL)を添加し、有機層を3回、塩水で洗浄し、その後、無水NaSOで乾燥させた。溶離剤としてヘキサンを用いてのシリカゲルカラムによって生成物(0.15g、収率36.5%)をさらに精製し、溶媒の除去およびトルエン/イソ−プロパノール混合物からの再結晶後、最終生成物(0.30g、収率67.4%)を得た。H NMR(CDCl,500MHz):δ7.99(s,2H),δ2.69(t,4H,J=7.5Hz),δ1.69(m,4H),δ1.28(m,18H),δ0.90(t,6H,7.0Hz)。
実施例1D:4,7−ジブロモ−5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールの調製
工程1:5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

4−フルオロ−ベンゼン−1,2−ジアミン(2.5g、19.8mmol)を50mL Schlenkフラスコ中に添加した。系をアルゴンでフラッシュし、その後、200mLのクロロホルムを添加し、続いて、トリエチルアミン(11.05mL、79.3mmol)を添加した。室温で10分間撹拌後、透明溶液が観察された。塩化チオニル(5.18g、43.6mmol)を滴下によって添加した。混合物を5時間、還流するまで加熱し、その後、室温まで冷却した。有機層を塩水(100mL)で洗浄し、無水MgSO上でさらに乾燥させた。溶媒の除去後、溶離剤としてヘキサン/ジクロロメタン(体積比1/2)を用いて、シリカゲルカラムによって生成物を精製した。真空下で乾燥後、溶媒の除去によって、無色油状物(1.35g、収率44.3%)が得られた。H NMR(CDCl,500MHz):δ7.93(d×d,1H,J=9.0Hz×5.0Hz),δ7.56(d×d,1H,J=9Hz×2.5Hz),δ7.38(m,1H)。
工程2:4,7−ジブロモ−5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(1.35g、8.75mmol)を50mL Schlenkフラスコ中に添加した。系をアルゴンでフラッシュし、その後、60mLの濃HSOを添加したところ、透明溶液が観察された。光の不在下でNBS(6.23g、35.0mmol)を数回に分けて添加した。混合物を65℃で2時間撹拌した。混合物を粉砕された氷へ注ぎ入れることによって反応を停止した。生成物を酢酸エチルによって抽出し、飽和NaHSOで洗浄し、次いで、溶離剤としてヘキサン/ジクロロメタン(体積比2/3)を用いて、シリカゲルカラムによって精製した。ヘキサン/イソプロパノール混合物からの再結晶によって、最終生成物として0.82gの白色針状結晶が得られた(収率29.7%)。13C NMR(CDCl,500MHz):δ161.16,159.13,152.80,150.34,123.80,114.07,98.33。
実施例1E:4,7−ビス−(5−ブロモ−4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールの調製
工程1:4,7−ビス−(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

4,7−ジブロモ−5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.82g、2.63mmol)、(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−トリメチル−スタンナン(2.72g、6.57mmol)およびPd(PPh(50mg)を100mL Schlenkフラスコ中に組み合わせた。系を3サイクル真空にし、アルゴンで充填し、その後、50mLの無水トルエンを添加した。混合物を3日間、105℃で加熱した。反応物を冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。溶離剤としてジクロロメタン/ヘキサン(体積比1/4)を用いて、シリカゲルカラムによって生成物をさらに精製した。真空下で乾燥後、溶媒の除去によって、赤色粉末として最終生成物(0.81g、収率47.0%)が得られた。H NMR(CDCl,500MHz):δ8.03(d,1H,J=1.0Hz),δ7.92(d,1H,J=1.0Hz),δ7.67(d,1H,J=15.0Hz),δ7.08(d,1H,J=1.0Hz),δ7.02(d,1H,J=1.0Hz),δ2.63(m,4H),δ1.63(m,4H),δ1.26(m,18H),δ0.81(t,6H,7.0Hz)。
工程2:4,7−ビス−(5−ブロモ−4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

100mL Schlenkフラスコに、4,7−ビス−(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5−フルオロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.81g、0.536mmol)を添加した。系をアルゴンで5分間フラッシュし、その後、40mLの無水THFを添加した。光の不在下でNBS(0.451g、2.53mmol)を数回に分けて添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒の除去後、溶離剤としてヘキサンを用いて、シリカゲルカラムによって生成物を精製した。溶媒の除去およびジクロロメタン/エタノール混合物からの再結晶の後、赤色針状物として最終生成物(0.87g、収率87.0%)が得られた。H NMR(CDCl,500MHz):δ7.99(s,1H),δ7.79(s,1H),δ7.69(d,1H,J=12.5Hz),δ2.67(m,4H),δ1.69(m,4H),δ1.28(m,18H),δ0.90(m,6H)。
実施例1F:4,7−ジブロモ−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾールの調製

5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(0.50g、2.93mmol)を濃硫酸(15mL)に溶解した。N−ブロモスクシンイミド(1.56g、8.79mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、1時間、50℃まで加熱した。反応物を室温まで冷却し、氷水(100mL)中に注ぎ入れた。混合物をクロロホルムで抽出し、有機層を分離して、MgSO上で乾燥させた。溶媒を除去し、クロマトグラフィー(クロロホルム)によって残渣を精製し、4,7−ジブロモ−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(658mg、68%)を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ:7.95(s,1H)。
実施例1G:4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾールの調製
工程1:4,7−ビス(2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール

4,7−ジブロモ−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(300mg、0.193mmol)、2−(トリブチルスタンニル)チオフェン(852mg、2.28mmol)、Pddba(10.5mg、0.0114mmol)およびP(o−tol)(27.8mg、0.0913mmol)をSchlenkフラスコ中に添加した。フラスコを3回脱気して、アルゴンを充填した。乾燥トルエン(30mL)を注入し、反応物を18時間、130℃まで加熱した。反応物を室温まで冷却し、溶媒を除去した。クロマトグラフィー(1/5、CHCl/ヘキサン)によって残渣を精製し、4,7−ビス(2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(107mg、35%)を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ:8.14(dd,J=3.7,1.1Hz,1H),7.98(s,1H),7.77(dd,J=3.7,1.1Hz,1H),7.61(dd,J=5.1,1.2Hz,1H),7.52(dd,J=5.1,1.1Hz,1H),7.25(m,2H)。
工程2:4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール

4,7−ビス(2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(104mg、0.311mmol)をクロロホルム(50mL)中に溶解した。酢酸(20mL)およびN−ブロモスクシンイミド(110.6mg、0.621mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水で洗浄し、次いで乾燥させた。粗製生成物をクロロホルム中に溶解し、ショートシリカゲルカラム中を通過させた。溶媒を除去し、残渣をクロロホルム/エタノールから結晶化し、4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾールを得た(110mg,72%)。H NMR(CDCl,500MHz)δ:7.88(s,1H),7.82(d,J=4.0Hz,1H),7.64(d,J=4.0Hz,1H),7.20(d,J=4.0Hz,1H),7.18(d,J=4.0Hz,1H)。
実施例1H:4,7−ビス(5−ブロモ−4−ドデシル−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾールの調製
工程1:4,7−ビス(4−ドデシル−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール

4,7−ジブロモ−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(300mg、0.193mmol)、2−(トリメチルスタンニル)−4−ドデシル−チオフェン(1.14g、2.74mmol)、Pddba(12.5mg、0.0137mmol)およびP(o−tol)(33.37mg、0.110mmol)をSchlenkフラスコ中に添加した。フラスコを3回脱気して、アルゴンを充填した。乾燥トルエン(30mL)を注入し、反応物を18時間、130℃まで加熱した。反応物を室温まで冷却し、溶媒を除去した。クロマトグラフィー(1/10、CHCl/ヘキサン)によって残渣を精製し、4,7−ビス(4−ドデシル−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(107mg、17%)を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ:7.98(d,J=1.2Hz,1H),7.93(s,1H),7.60(d,J=1.3Hz,1H),7.18(s,1H),7.10(s,1H),2.70(q,J=7.9,4H),1.70(m,4H),1.34(m,36H),0.88(t,J=7.9,6H)。
工程2:4,7−ビス(5−ブロモ−4−ドデシル−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール

4,7−ビス(4−ドデシル−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(105.5mg、0.157mmol)をクロロホルム(50mL)中に溶解した。酢酸(50mL)およびN−ブロモスクシンイミド(55.9mg、0.314mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。水(100mL)を添加し、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を分離し、10%NaOH水溶液、次いで水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、溶離剤として1:20ジクロロメタン/ヘキサンを使用して、クロマトグラフィーによって残渣を精製し、4,7−ビス(5−ブロモ−4−ドデシル−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(102mg、78%)を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ:7.85(s,1H),7.76(s,1H),7.26(s,1H),2.65(q,J=7.9,4H),1.66(m,4H),1.34(m,36H),0.87(t,J=7.9,6H)。
実施例1I:4,7−ジブロモ−5,6−ジクロロベンゾ[1,2,5]チアジアゾールの調製
工程1:5,6−ジクロロベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

ジクロロメタン(120mL)中の4,5−ジクロロベンゼン−1,2−ジアミン(3.0g、0.017mol)およびトリエチルアミン(9.45mL、0.068mol)の溶液に、室温で、SOCl(4.92mL、0.068mol)を滴下して添加した。得られた反応混合物を20時間、還流するまで加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、水で注意深くクエンチした。得られた混合物をジクロロメタンで抽出し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーター上で濃縮して、粗製化合物として暗色固体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)によって粗製化合物を精製し、オフホワイト色結晶固体として5,6−ジクロロベンゾ[1,2,5]チアジアゾールを得た(2.35g、収率68%)。H NMR(CDCl 500MHz):δ:8.19(t,2H,J=8.5Hz)。13C NMR(CDCl,500MHz):δ153.07,135.28,121.51。(CClS)に対する元素分析理論値:C35.14、H0.98、N13.66。実測値:C35.08、H1.01、H13.56。融点:108〜110℃。
工程2:4,7−ジブロモ−5,6−ジクロロベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

濃HSO(60mL)中の5,6−ジクロロベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(1.0g、4.88mmol)の溶液に、室温で、NBS(3.47g、19.5mmol)を滴下して添加した。得られた溶液を7時間、60℃まで加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、次いで、氷水混合物に添加し、濾過して、粗製生成物として白色固体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)によって粗製化合物を精製し、白色固体として4,7−ジブロモ−5,6−クロロベンゾ[1,2,5]チアジアゾールを得た(0.95g、収率54%)。H NMR(CDCl 500MHz):ピークは観察されなかった。13C NMR(CDCl,500MHz):δ151.29,136.39,114.94。(CBrClS)に対する元素分析理論値:C19.86、H0.00、N7.72。実測値:C20.33、H0.20、N7.67。融点:190〜191℃。
実施例1J:4,7−ビス−(5−ブロモ−4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジクロロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールの調製
工程1:4−(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジクロロ−7−ブロモ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

4,7−ジブロモ−5,6−ジクロロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.86g、2.37mmol)、(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−トリメチル−スタンナン(2.26g、5.45mmol)およびPd(PPh(54.8mg)を100mL Schlenkフラスコ中に組み合わせた。系に3回の迅速な真空−窒素サイクルを行い、40mLの無水トルエンを添加した。混合物を2日間、105℃で加熱した。2日後、さらに1.2gの(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−トリメチル−スタンナンおよびさらに50mgのPd(PPhを添加し、反応混合物をさらに2日間、105℃で加熱した。反応物を冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。溶離剤としてクロロホルム/ヘキサン(体積比1/1)を用いて、シリカゲルカラムによって生成物を精製した。真空下で乾燥後、黄色固体として最終生成物(530mg、収率42%)が得られた。さらなる精製および特徴決定を行わずに、化合物を次の工程で直接使用した。H NMR(CDCl,500MHz):δ7.47(d,1H,J=1.0Hz),7.22(d,1H,J=1.0Hz),2.71(t,2H,J=8.0Hz),1.70(m,2H),1.26(m,18H),0.89(t,3H,7.0Hz)。
工程2:4,7−ビス−(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジクロロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

4−(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジクロロ−7−ブロモ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.530g、0.99mmol)、(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−トリメチル−スタンナン(0.577g、1.39mmol)およびPd(PPhCl(34.8mg)を100mL Schlenkフラスコ中に組み合わせた。系に3回の迅速な真空−窒素サイクルを行い、40mLの無水クロロベンゼンを添加した。混合物を17時間、120℃で加熱した。反応物を冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。溶離剤としてクロロホルム/ヘキサン(体積比1/1)を用いて、シリカゲルカラムによって生成物を精製した。真空下で乾燥後、黄色固体として最終生成物(650mg、収率92.8%)が得られた。H NMR(CDCl,500MHz):δ7.49(d,2H,J=1.0Hz),7.22(d,2H,J=1.0Hz),2.72(t,4H,J=8.0Hz),1.71(m,4H),1.27(m,36H),0.89(t,6H,7.0Hz)。13C NMR(CDCl,500MHz):δ152.71,143.12,134.32,134.23,132.64,126.42,123.09,31.97,30.53,30.46,29.74,29.72,29.70,29.67,29.54,29.42,22.75,14.19。(C3854l2)に対する元素分析理論値:C64.65、H7.71、N3.97。実測値:C64.72、H7.65、N3.98。融点:79〜80℃。
工程3:4,7−ビス−(5−ブロモ−4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジクロロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール

無水THF(20mL)中の4,7−ビス−(4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジクロロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(200mg、0.283mmol)の溶液に、窒素下、NBS(111mg、0.623mmol)を1回で添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、100mLのジクロロメタンを添加し、有機層を塩水で3回洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、ロータリーエバポレーター上で濃縮し、粗製生成物として赤色油状物を得た。溶離剤としてジクロロメタン/ヘキサン(体積比1/100)を用いて、シリカゲルカラムによって粗製生成物を精製し、オレンジ色固体として4,7−ビス−(5−ブロモ−4−ドデシル−チオフェン−2−イル)−5,6−ジクロロ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(70mg、収率28.6%)を得た。H NMR(CDCl,500MHz):δ7.47(s,2H),2.67(t,4H,J=7.5Hz),1.67(m,4H),1.27(m,36H),0.89(t,6H,7.0Hz)。13C NMR(CDCl,500MHz):δ152.26,141.99,134.10,134.02,132.75,125.50,113.17,31.97,31.64,29.73,29.70,29.64,29.61,29.47,29.41,29.28,29.10,22.71,14.18。融点:60〜61℃。
実施例1K:5−シアノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾールの調製
工程1:5−ブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール

ジクロロメタン(160mL)中の4−ブロモベンゼン−1,2−ジアミン(5.236g、28.0mmol)およびHunig塩基(19.5mL、112mmol)の溶液に、室温で、SOCl(4.08mL、56mmol)を滴下して添加した。得られた反応混合物を還流するまで一晩加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、pH=2まで、10%HClによってクエンチした。得られた混合物をジクロロメタン(200mL×4)で抽出し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)によって粗製生成物を精製し、茶色固体として5−ブロモベンゾ[1,2,5]チアジアゾールを得た。これは、次の工程で直接使用された。H NMR(CDCl 500MHz):δ:8.21(d,1H,J=1.5Hz),7.87(d,1H,J=8.5Hz),7.69(dd,1H,J=8.5,1.5Hz)。
工程2:5−シアノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール

工程1から5−ブロモベンゾ[1,2,5]チアジアゾールを、窒素下で無水DMF(160mL)中に溶解した。次いで、CuCN(7.27g、81mmol)を添加し、混合物を150℃まで一晩加熱した。冷却後、濃HCl(7mL)および水(40mL)中のFeCl(19.7g)の溶液を滴下して添加し、混合物を30分間、70℃で撹拌した。DCM(200ml×2)による抽出後、組み合わせた有機相をHCl(6M、100mL×3)、水(100mL)および塩水(100mL)で抽出し、MgSO上で乾燥させた。濃縮によって茶色固体が得られ、これを、溶離剤としてDCMを用いてカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、白色固体が得られた(2.95g、2工程の収率65%)。H NMR(CDCl 500MHz):δ:8.48(d,1H,J=1.5Hz),8.16(d,1H,J=9.0Hz),7.75(dd,1H,J=9.0,1.5Hz)。
実施例1L:2,6−ビス(トリメチルスタンニル)−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−(5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボン酸)エステルの調製

1−ヨード−2−ヘキシルデカン(1):空気中、トリフェニルホスフィン(107.44g、410mmol、1.19当量)およびイミダゾール(28.9g、424mmol、1.23当量)をジクロロメタン(800mL)中に溶解した。2−ヘキシル−1−デカノール(100mL、345mmol、1.00当量)を溶液に添加し、反応混合物を0℃まで冷却した。ヨウ素(103.6g、408mmol、1.18当量)を1時間かけて数回に分けて添加し、その後、懸濁液をさらに1時間0℃で撹拌し、次いで、18時間、周囲温度で撹拌した。混合物を飽和NaSO水(150mL)でクエンチし、DCMを真空下で除去した。ヘキサン(200mL)を残渣に添加し、混合物を濾過し、沈殿した塩を除去した。有機材料をヘキサン(3×300mL)で抽出し、NaSO上で乾燥させ、シリカゲルのパッドを通して濾過し、次いで、真空下で濃縮し、無色透明の油状物が得られた(97.8g、収率82%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ3.28(d,J=4.6Hz,2H),1.34−1.19(m,24H),1.12(b,1H),0.91−0.87(m,6H)。
2−(2−ヘキシルデシル)チオフェン(2):チオフェン(46.4g、551mmol、2.50当量)およびTHF(300mL)の溶液を−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、212mL、528mmol、2.40当量)を1時間かけて添加した。混合物をさらに30分間−78℃で撹拌し、その後、THF(200mL)中の1−ヨード−2−ヘキシルデカン(90.0g、220mmol、1.00当量)の溶液を1時間かけてゆっくり添加した。−78℃で1時間撹拌後、反応混合物を周囲温度まで加温し、18時間撹拌した。水(200mL)を添加し、有機材料をEtO(3×250mL)で抽出し、追加の水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた茶色残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製し、淡黄色油状物が得られた(52.03g、収率77%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.12(dd,J=5.2,1.2Hz,1H),6.92(m,1H),6.76(dd,J=3.4,0.9Hz,1H),2.76(d,J=6.7,2H),1.62(b,1H),1.33−1.21(m,24H),0.91−0.87(m,6H)。
5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボン酸(3):2−(2−ヘキシルデシル)チオフェン(1.00g、3.24mmol、1.00当量)およびTHF(24mL)を50mL schlenkフラスコに添加した。溶液を0℃まで冷却した。次いで、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、1.36mL、1.05当量)を2分間かけて添加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで、氷/水浴を取り外し、溶液を周囲環境で20分間撹拌した。溶液を再び0℃に冷却し、二酸化炭素(25℃の加熱浴に配置した別のフラスコ中でTHFに浸漬されたドライアイスを昇華させることによって得た)を溶液中に30分間バブリングした。溶液を1N塩酸(50mL)およびEtOAc(50mL)で希釈した。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(4:1ヘキサン−EtOAc、2%AcOH)による精製によって、無色液体(1.086g、収率95%)が得られた。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.74(d,J=3.8Hz,1H),6.80(d,J=3.8Hz,1H),2.79(d,J=6.8,2H),1.67(b,1H),1.34−1.21(m,24H),0.91−0.87(m,6H)。
5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボニルクロリド(4):5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボン酸(1.00g、2.84mmol、1.00当量)およびCHCl(5mL)を10mL schlenkフラスコに添加した。溶液を0℃まで冷却した。次いで、塩化オキサリル(0.60mL、6.5mmol、2.3当量)を添加した。氷/水浴を取り外し、室温まで加温しながら、溶液を64時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、透明茶色液体(931mg、収率88%)が得られた。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.84(d,J=3.9Hz,1H),6.87(d,J=3.8Hz,1H),2.81(d,J=6.7,2H),1.68(b,1H),1.34−1.19(m,24H),0.93−0.85(m,6H)。
還流冷却器を備えた250mL 2つ口丸底フラスコに、4,8−ジメトキシ−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(5):ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−ジオン(7.50g、34.0mmol、1.00当量)、エタノール(45mL)および水(45mL)を添加した。次いで、NaBH(3.89g、102mmol、3.00当量)を注意深く、数回に分けて添加した。反応混合物を1時間、還流するまで加熱した。フラスコを熱浴から取り外し、強力に撹拌しながら、水酸化カリウム(4.39g、78.2mmol、2.30当量)を反応混合物にゆっくり添加した。懸濁液を30分間還流下で撹拌し、その後、ジメチルスルフェート(16mL、170mmol、5.0当量)を添加し、懸濁液を64時間還流した。反応混合物を室温に冷却し、水(75mL)、ジエチルエーテル(500mL)、さらに水(300mL)で希釈した。有機層を塩水(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(固体負荷、1:1から1:2への勾配でヘキサン−ジクロロメタン)によって精製し、白色固体(5.314g、収率62%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.52(d,J=5.5Hz,2H),7.41(d,J=5.5Hz,2H),2.81(d,J=6.7,2H),4.15(s,6H)。
2,6−ジブロモ−4,8−ジメトキシ−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(6):4,8−ジメトキシ−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(1.00g、3.99mmol、1.00当量)およびTHF(44mL)を100mL schlenkフラスコに添加し、混合物を−78℃まで冷却した。次いで、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、3.5mL、8.8mmol、2.2当量)を添加し、混合物を15分間−78℃で撹拌し、その後、ドライアイス/アセトン浴を取り外し、周囲環境で30分間撹拌した。懸濁液を−78℃まで冷却し、、四臭化炭素(3.18g、9.59mmol、2.40当量)を添加した。ドライアイス/アセトン浴を取り外し、混合物を1時間、周囲環境で撹拌した。水およびジクロロメタンを添加し(エマルジョンを破壊するために塩水も添加した)、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(固体負荷、1:1ジクロロメタンヘキサン)によって精製し、ヘキサン中で倍散し、ベージュ色結晶質固体(1.368g、収率84%)が得られた。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.48(s,2H),4.07(s,6H)。
2,6−ジブロモ−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−ジオール(7):2,6−ジブロモ−4,8−ジメトキシ−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(500mg、1.22mmol、1.00当量)およびジクロロメタン(12mL)を50mLのschlenkフラスコに添加した。混合物を−78℃まで冷却し、三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1.0Mの溶液、2.5mL、2.5mmol、2.1当量)をゆっくり添加した。混合物を−78℃で15分間撹拌し、その後、ドライアイス/アセトン浴を氷/水浴に交換した。16時間を撹拌しながら、反応混合物を室温まで加温し、その後、0℃まで冷却した。水(最初は滴下によって、合計150mL)および追加のジクロロメタン(50mL)を添加した。ジクロロメタンをロータリーエバポレーションで除去し、固体を濾過によって収集した。固体を水(25mL)およびジクロロメタン(25ml)で洗浄し、真空下での乾燥により淡青色/緑色粗製固体が得られ、これはさらなる精製をせずに次の工程で使用した(287mg)。H NMR(400MHz,CDCl)δ10.13(s,2H),7.71(s,2H)。
2,6−ジブロモ−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−(5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボン酸)エステル(8):還流冷却器を備えた25mL 2つ口丸底フラスコに、2,6−ジブロモ−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−ジオール(150mg、0.395mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(6mL)およびトリエチルアミン(0.22mL、1.6mmol、4.0当量)を添加した。次いで、ジクロロメタン(2mL)中の5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボニルクロリドの溶液を添加した。フラスコを45℃の熱浴に置き、反応混合物を16時間還流下で撹拌しその後、室温に冷却し、ジクロロメタン(60mL)で希釈し、水(60mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(固体負荷、1:1ジクロロメタン−ヘキサン)によって精製し、白色固体(2工程で266mg、収率40%)を得た。融点76℃。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.95(d,J=3.7Hz,2H),7.32(s,2H),6.93(d,J=3.6Hz,2H),2.87(d,J=6.6,4H),1.74(b,2H),1.40−1.21(m,48H),0.94−0.85(m,12H)。(C5272)の分析理論値:C59.53、H6.92。実測値:C59.46、H6.80。
2,6−ビス(トリメチルスタンニル)−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−(5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボン酸)エステル(9):2,6−ジブロモ−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−(5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボン酸)エステル(150mg、0.143mmol、1.00当量)およびTHF(7mL)を50mL schlenk管に添加した。溶液を−78℃まで冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、126μL、0.315mmol、2.2当量)を2分かけて添加した。混合物を1時間−78℃で撹拌し、その後、トリメチルスズクロリド(68mg、0.343mmol、2.40当量)を添加した。ドライアイス/アセトン浴を取り外し、反応物を2時間、周囲環境で撹拌し、その後、水(30mL)およびジエチルエーテル(50mL)で希釈した。有機層を水(30mL)および塩水(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮し、黄色粗製油状物(101mg)を得た。これは、さらなる精製をせずに、重合工程で使用した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.99(d,J=3.7Hz,2H),7.34(s,2H),6.93(d,J=3.6Hz,2H),2.88(d,J=6.4,4H),1.75(b,2H),1.40−1.20(m,48H),0.93−0.85(m,12H),0.48−0.32(m,18H)。
実施例1M:塩素化繰り返し単位の調製
塩素化繰り返し単位は、以下のスキームに従って調製することができる。
a)3−または4−塩素化チエニル基を含んでなる繰り返し単位:

b)3,7−二塩素化ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチエニル基を含んでなる繰り返し単位:


例えば、クロロ含有チオフェンのスタンニル化に関して、Maguireら,J.Med.Chem.,37:2129−2137(1994);およびブロモ含有芳香族化合物の塩素化に関して、Leiら,Chem.Sci.DOI:10.1039/c3sc50245g(2013)を参照のこと。
実施例1N:追加の4,8−ビス−置換−2,6−ビス−トリメチルスタンナニル−1,5−ジチア−s−インダセンの調製

繰り返し単位(M1a)の様々な実施形態を以下の通りに調製することができる。簡潔にいうと、適切なチエノ縮合出発化合物を約1〜1.5時間、周囲温度でTHF中、n−ブチルリチウムと反応させることができ、その後、1,5−ジチア−s−インダセン−4,8−ジオンを添加する。次いで、混合物を1〜2時間約50〜60℃で加熱することができ、その後、室温まで冷却する。続いて、HCl/HO中のSnClの溶液を添加して、これを約1〜3時間約50〜60℃で加熱し、その後、室温まで冷却する。トリメチルスタンナニル基で繰り返し単位(M1a)を官能化するために、n−ブチルリチウムを再び添加し(室温、約2時間)、その後、トリメチルスズクロリドを数回に分けて添加する(室温)。
実施例2−様々なチエノ縮合出発化合物の合成
実施例2A:ナフトチオフェンの調製

両置換および未置換のナフトチオフェンは、適切なフタル酸無水物から、全開示が参照によって本明細書に組み込まれる特開2010053094号公報に記載の合成ルートを使用して調製することができる(上記に再現される)。
実施例2B:ベンゾジチオフェンの調製

置換および未置換のベンゾジチオフェンは、上記で提供される合成ルートを介して調製することができる。
実施例2C:ベンゾチエノチオフェンの調製

様々なベンゾチエノチオフェンは、上記の合成ルートを使用して調製することができる。
実施例2D:ジチエノチオフェンの調製

未置換ジチエノチオフェンは、それぞれの全開示が参照によって本明細書に組み込まれるChem.Commun.2002,2424;J.Mater.Chem.2003,13,1324およびChem.Commun.2009,1846にそれぞれ記載される合成ルート(a)、(b)または(c)を介して調製することができる。

置換ジチエノチオフェンは、それぞれの全開示が参照によって本明細書に組み込まれるJ.Mater.Chem.2007,17,4972;Chem.Mater.2007,19,4925およびSyn.Met.1999,987にそれぞれ記載される合成ルート(d)、(e)または(f)を介して調製することができる。
実施例2E:チエノチオフェンの調製

置換されたチエノチオフェンは、上記の合成ルートを使用して調製することができる。
実施例2F:ベンゾチオフェンの調製
置換されたベンゾチオフェンは、以下に記載される合成ルートを使用して調製することができる。
実施例3−ポリマー合成
式(I)のポリマーは、繰り返し単位(M1a)または(M1b)のトリメチルスタンナニル誘導体と、実施例1A〜1Jに記載される基礎単位などの臭素化繰り返し単位を、Pd(dba)およびP(o−Tol)の存在下で反応させることによって調製することができる。
実施例3A:ベンゾチオフェンの調製
2,6−ビス(トリメチルスタンニル)−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−(5−(2−ヘキシルデシル)−2−チオフェンカルボン酸)エステル(101.0mg(81.0%)、0.672mmol)、4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(16.56mg、0.0336mmol)、4,7−ビス(5−ブロモ−4−ドデシル−2−チエニル)−5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(27.87mg、0.0336mmol)、Pa2dba3(2.46mg、0.0027mmol)、P(o−tol)(3.27mg、0.0108mmol)を、100mL schlenkフラスコ中に添加した。フラスコを3回脱気し、アルゴンで充填した。乾燥クロロベンゼン(11mL)を注入し、反応物を135℃の加熱浴で18時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、フラスコの内容物をメタノール(100mL)に注ぎ入れた。沈殿物を濾過により回収した。固体にSoxhlet抽出を行い、メタノール(4時間)、次いで酢酸エチル(16時間)で洗浄した。ジクロロメタンを用いて最終生成物を抽出し、真空下で乾燥後、重量は35.0mgであった(37.0%)。元素分析:理論値C67.51、H7.46、N1.99;実測値C67.73、H7.23、N1.67。図2は、薄膜形態およびクロロホルム中の溶液としてのポリマーのUV−visスペクトルを示す。
実施例4−デバイス製造および特徴決定
実施例4A.受容体材料としてC70PCBMを用いた従来のOPV電池の製造および特徴決定
構造ITO/MoO(8nm)/光活性層/LiF(0.6nm)/Al(100nm)を有する光起電性デバイスは、供与体材料として実施例3Aからのポリマーと、受容体材料としてC70PCBMとによって製造された。光活性層は、CHCl:DCB(9:1)溶媒混合物中のポリマーおよびC70PCBM(5:10mg)の溶液からスピンコーティングした。
電流密度−電圧(J−V)曲線は、Keithley2400源測定装置を使用して得られた。光電流は、エアマス1.5グローバルフィルターを用いて、キセノン−ランプをベースとするソーラーシミュレーター(Newport 91160A 300W Class−A Solar Simulator、2インチ×2インチ均一ビーム)を使用して模擬AM1.5G照射(100mWcm−2)で測定した。光度は、カラーフィルターによるNREL較正シリコンフォトダイオードを使用して設定された。
図3Aおよび3Bは、代表的なデバイスのJV曲線およびEQEスペクトルを示す。以下のデバイス特徴が得られた:VOC=0.90V、JSC=3.8mA/cm、FF=38%、PCE=1.3%。
実施例4B.受容体材料としてポリ{[N,N’−ビス(2−ヘキシルデシル)−1,4,5,8−ナフタレンジイミド−2,6−ジイル]−alt−5,5’−(2,2’−ビチオフェン)}[P(NDI2HD−T2)]を用いた反転OPV電池の製造および特徴決定
反転構造ITO/ZnO/光活性層/MoO(8nm)/Ag(120nm)を有する光起電性デバイスは、供与体材料として実施例3Aからのポリマーと、受容体材料としてポリ{[N,N’−ビス(2−ヘキシルデシル)−1,4,5,8−ナフタレンジイミド−2,6−ジイル]−alt−5,5’−(2,2’−ビチオフェン)}[P(NDI2HD−T2)]とによって製造された。光活性層は、CHCl中のポリマーおよびP(NDI2HD−T2)](6:6mg/ml)の溶液からスピンコーティングした。
電流密度−電圧(J−V)曲線は、Keithley2400源測定装置を使用して得られた。光電流は、エアマス1.5グローバルフィルターを用いて、キセノン−ランプをベースとするソーラーシミュレーター(Newport 91160A 300W Class−A Solar Simulator、2インチ×2インチ均一ビーム)を使用して模擬AM1.5G照射(100mWcm−2)で測定した。光度は、カラーフィルターによるNREL較正シリコンフォトダイオードを使用して設定された。
図4Aおよび4Bは、代表的なデバイスのJV曲線およびEQEスペクトルを示す。以下のデバイス特徴が得られた:VOC=0.83V、JSC=1.3mA/cm、FF=35%、PCE=0.4%。
本教示は、それらの精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態の実施形態を包含する。上記実施形態は、したがって、本明細書に記載される本教示を限定するものとしてではなく、全ての点において実例として考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内で生じる全ての変化は、その中に包含されるように意図される。

Claims (20)


  1. から選択される式を有する繰り返し単位(M1a)、または

    から選択される式を有する繰り返し単位(M1b
    (式中、
    ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたC6〜14アリール基、または任意選択で置換された5〜14員ヘテロアリール基であり、
    ArおよびArは、独立して、任意選択で置換されたフェニル基、または任意選択で置換された5員または6員ヘテロアリール基であり、
    Lは、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基、二価C1〜20ハロアルキル基および共有結合から選択され、
    は、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基および二価C1〜20ハロアルキル基から選択され、
    UおよびU’は、独立して、−O−、−S−および−Se−から選択され、
    VおよびV’は、独立して、−CR=または−N=であり、
    Wは、それぞれ、独立して、−O−、−S−および−Se−から選択され、
    W’は、それぞれ、独立して、−CR=または−N=であり、
    Rは、それぞれ、独立して、H、F、Cl、−CNおよびL’R’から選択され、L’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択される)を含んでなり、かつ3〜10,000の範囲の重合度を有するポリマー。

  2. (式中、Lは、−O−、−S−、−C(O)−、二価C1〜20アルキル基および共有結合から選択され、かつArおよびArは請求項1に定義される通りである)から選択される式を有する前記繰り返し単位(M1a)を含んでなる、請求項1に記載のポリマー。
  3. 前記部分

    が、独立して、

    (式中、いずれの炭素原子も任意選択でF、Cl、−CNまたはL’R’によって置換され、L’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択される)から選択される、請求項2に記載のポリマー。

  4. (式中、Lは、−O−、−S−、−C(O)−および二価C1〜20アルキル基から選択され、かつArおよびArは請求項1に定義される通りである)から選択される式を有する前記繰り返し単位(M1b)を含んでなる、請求項1に記載のポリマー。
  5. 前記繰り返し単位(M1b)が、

    (式中、Rは、それぞれ、独立して、F、Cl、−CNおよびL’’R’’から選択され、L’’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択され、かつdは、それぞれ、独立して、1、2、3、4または5である)から選択される式を有する、請求項4に記載のポリマー。
  6. 前記繰り返し単位(M1b)が、

    (式中、Rは、それぞれ、独立して、F、Cl、−CNおよびL’’R’’から選択され、L’’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択され、かつdは、それぞれ、独立して、1、2または3である)から選択される式を有する、請求項4に記載のポリマー。
  7. 前記繰り返し単位(M1a)および前記繰り返し単位(M1b)とは異なる繰り返し単位(M)をさらに含んでなる、請求項1に記載のポリマー。
  8. 前記繰り返し単位(M)が電子不足多環式ヘテロアリール基を含んでなる、請求項7に記載のポリマー。
  9. 前記繰り返し単位(M)が、

    Arは、それぞれ、独立して、任意選択で置換された5〜8員ヘテロアリール基であり、
    およびRは、独立して、H、ハロゲン、−CNおよびL’R’から選択され、L’は、それぞれ、独立して、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、二価C1〜20アルキル基、二価C1〜20ハロアルキル基および共有結合から選択され、かつR’は、それぞれ、独立して、H、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基、C1〜40ハロアルキル基、任意選択で置換されたC6〜14アリール基および任意選択で置換された5〜14員ヘテロアリール基から選択され、
    かつ
    mおよびm’は、0、1または2である)から選択される式を有する、請求項8に記載のポリマー。


  10. (式中、
    Rは、それぞれ、独立して、HまたはClであることができ、
    は、それぞれ、独立して、F、Cl、−CNおよびL’’R’’から選択され、L’’は、それぞれ、−O−、−S−、−Se−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−および共有結合から選択され、かつR’’は、それぞれ、独立して、C1〜40アルキル基、C2〜40アルケニル基、C2〜40アルキニル基およびC1〜40ハロアルキル基から選択され、
    、RおよびRは、独立して、H、F、ClおよびCNから選択されることができ、
    13およびR14は、独立して、H、F、Cl、R15、OR15およびSR15から選択されることができ、
    15は、それぞれ、独立して、C1〜20アルキル基、C1〜20アルケニル基およびC1〜20ハロアルキル基から選択されることができ、
    cは、0、1または2であることができ、
    dは、1、2または3であることができ、かつ
    xおよびyは、モル分率を表す実数であり、0.05≦x≦0.95、0.05≦y≦0.95であって、かつxおよびyの合計は約1である)から選択される式を有し、約3,000〜約300,000の範囲の分子量を有する、請求項1に記載のポリマー。
  11. がF、ClおよびCNから選択される、請求項10に記載のポリマー。
  12. 前記ポリマーのxモル分率を構成する繰り返し単位と、前記ポリマーのyモル分率を構成する繰り返し単位とがランダムな様式で繰り返される、請求項10に記載のポリマー。
  13. 請求項1に記載のポリマーを含んでなるポリマー半導体構造体を含んでなる、電子、光または光電子デバイス。
  14. 陽極、陰極、任意選択で1層または複数の陽極中間層、任意選択で1層または複数の陰極中間層、および前記陽極と前記陰極との間のポリマー半導体成分を含んでなる、有機光起電性デバイスとして構成される、請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記有機光起電性デバイスがバルクヘテロ接合光起電力デバイスである、請求項14に記載のデバイス。
  16. 前記ポリマー半導体構造体は光活性であり、かつ請求項1に記載のポリマーがブレンド材料中に存在し、請求項1に記載のポリマーが電子供与体化合物として機能し、かつ前記ブレンド材料が電子受容体化合物をさらに含んでなる、請求項14に記載のデバイス。
  17. 前記電子受容体化合物がフラーレン化合物である、請求項16に記載のデバイス。
  18. 前記電子受容体化合物が電子輸送ポリマーである、請求項14に記載のデバイス。
  19. 前記電子輸送ポリマーが、ビス(イミド)アレーン単位を含んでなる、請求項18に記載のデバイス。
  20. 前記ビス(イミド)アレーン単位中のアレーン基がナフタレンである、請求項19に記載のデバイス。
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