JP2021057579A - 有機半導体組成物、光起電力素子、光電変換デバイスおよび光起電力素子の製造方法 - Google Patents

有機半導体組成物、光起電力素子、光電変換デバイスおよび光起電力素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換効率の高い光起電力素子が可能な有機半導体組成物を提供する。【解決手段】電子供与性有機半導体、電子受容性有機半導体、溶媒および該溶媒よりも沸点の高い添加剤を含み、添加剤が、所定の式で表され、非フラーレン系電子受容性有機半導体との親和性が高い骨格としてベンゼン等の芳香環、置換基としてアルコキシ基化合物を含み、電子受容性有機半導体が、他の所定の式のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物を含む有機半導体組成物。【選択図】図1

Description

本発明は有機半導体組成物およびそれを用いた光起電力素子、光電変換デバイスおよび光起電力素子の製造方法に関する。
太陽電池は、現在深刻さを増すエネルギー問題に対して有力な環境に優しいエネルギー源として注目されている。現在、太陽電池の光起電力素子の半導体材料としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などの無機物が使用されている。しかし、無機半導体を用いて製造される太陽電池は、火力発電などの発電方式と比べてコストが高いために、一般家庭に広く普及するには至っていない。コスト高の要因は、主として真空かつ高温下で半導体薄膜を形成するプロセスにある。そこで、製造プロセスの簡略化が期待される半導体材料として、共役系高分子や有機結晶などの有機半導体や有機色素を用いた有機太陽電池が検討されている。このような有機太陽電池においては、半導体材料層を塗布法で作製することが可能なため、製造プロセスを大幅に簡略化することができる。
しかし、共役系高分子などを用いた有機太陽電池は、従来の無機半導体を用いた太陽電池と比べて光電変換効率が低いために、まだ実用化には至っていない。有機太陽電池の実用化のためには、さらなる光電変換効率の向上が必須である。
有機太陽電池の光電変換効率を向上させる方法の一つとして、電子供与性有機半導体(例えば、共役系重合体など)と電子受容性有機半導体(例えばフラーレン化合物など)とから成る光電変換層を塗布形成する際に、単一溶媒ではなく、1,8−ジヨードオクタンを添加剤として加えて塗布形成する方法がしばしば用いられている(例えば非特許文献1)。
「オーガニック エレクトロニクス(Organic Electronics」、2019年、64巻、241−246頁
電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体とから成る光電変換層を塗布形成する際に、その相分離構造は、電子供与性有機半導体、電子受容性有機半導体、溶媒、あるいは添加剤、各相互間の親和性・反発性の影響を受け、それらが複雑に影響しあいながら決定されると考えられる。この中でも、本発明者らの知見によれば、特に、電子受容性有機半導体と溶媒、あるいは添加剤との親和性が重要であると考えられた。
また、有機半導体溶液から光電変換層を塗布形成する際に、単一溶媒系では、電子受容性有機半導体と溶媒との親和性が十分でないことが原因で、溶液塗布後に乾燥・濃縮されていく過程で電子受容性有機半導体の過剰な凝集等が生じやすい。そのため、光電変換層の相分離サイズが20nm(相分離サイズは有機半導体の励起子拡散距離(一般に約10nm)の2倍程度である20nm程度が適していると考えられる。)よりも過剰に大きくなり、光電変換層として適当な大きさに調整することが困難であった。また、電子受容性有機半導体との親和性が高い溶媒は沸点が過剰に高く、このような単一溶媒系では、適当な厚みに塗布することが困難であった。
これらの問題を解決する方法として、溶媒と添加剤を組み合わせる方法が挙げられる。前述の非特許文献1に開示されているように、光電変換層形成用の溶液に特定の添加剤(1,8−ジヨードオクタンなど)を加えることによって、塗布・形成された光電変換層を光起電力素子に用いることで、電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体の相分離構造(相分離サイズや、共連続性、配向性など)が変化して光電変換効率が向上する。すなわち、有機半導体組成物に添加剤を加えることにより、適当な相分離構造を調整しやすくなる。
さらに、添加剤は少量でも性能向上効果が得られるため、安価な溶媒と組み合わせることにより、コストメリットが得られやすい。また、溶媒の選択次第で溶液の粘性や乾燥性などが決定できるため、使用する塗布法に合わせて組成物の特性を調整しやすい。また、溶媒としては乾燥が困難な高沸点化合物や、常温常圧で固体であるような化合物であっても、少量の添加剤として加えることで乾燥が容易になったり、溶液として適用可能となったりするなどのプロセスメリットも考えられる。
本発明者らは、電子供与性有機半導体と非フラーレン系電子受容性有機半導体とから成る光電変換層を塗布形成する際に、1,8−ジヨードオクタンを添加剤として加えたが、十分な光電変換効率向上効果は得られなかった。さらに、1,8−ジヨードオクタンはハロゲン化合物であることから、環境負荷の観点からも非ハロゲン化合物による代替が好ましいとも考えた。
本発明は、1,8−ジヨードオクタンを添加剤として用いた場合よりも高い光電変換効率を得ることができ、かつ良好なプロセス性を有するとともに環境負荷が低い有機半導体組成物およびそれを用いた光起電力素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、非フラーレン系電子受容性有機半導体との親和性が構造制御のポイントであると考えた。本発明者らは、検討を重ねた結果、非フラーレン系電子受容性有機半導体との親和性が高い骨格としてベンゼン等の芳香環、置換基としてアルコキシ基が有効であることを見出した。すなわち、本発明は、電子供与性有機半導体、電子受容性有機半導体、溶媒および該溶媒よりも沸点の高い添加剤を含み、該添加剤が、下記一般式(1)で表される化合物を含み、該電子受容性有機半導体が、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物を含む有機半導体組成物である。
Figure 2021057579
上記一般式(1)中、Aは、任意の一環芳香族炭化水素基または一環ヘテロ芳香族基を示す。nは、2以上の自然数である。Rは、Aに任意の位置で結合しているn個の置換基であり、それぞれ同じでも異なっていてもよく、アルキル基またはアルコキシ基を示す。ただし、複数のRの内、少なくとも1つはアルコキシ基である。また、複数のRが結合して環を形成していてもよい。上記一般式(2)〜(5)中、R〜Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。X〜Xは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはハロゲン原子を示す。
本発明の有機半導体組成物から光電変換層を形成することにより、光電変換効率が高い光起電力素子を提供することができる。
本発明の光起電力素子の一態様を示す断面図
<有機半導体組成物>
本発明の有機半導体組成物について説明する。
本発明の有機半導体組成物は、電子供与性有機半導体、電子受容性有機半導体、溶媒および該溶媒よりも沸点の高い添加剤を含み、添加剤が前述の一般式(1)で表される化合物を含み、電子受容性有機半導体が前記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物を含む。
〔電子供与性有機半導体〕
電子供与性有機半導体とは、p型半導体特性を示すか、または正孔輸送性を有する有機化合物であり、これらの特性を有する化合物であれば特に限定されない。p型半導体特性を示すか、または正孔輸送性を有する有機化合物としては、例えば、ポリチオフェン系重合体、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−チオフェン系共重合体、キノキサリン−チオフェン系共重合体、チエノチオフェン−ベンゾジチオフェン系共重合体、チエノピロールジオン系共重合体、イソインジゴ系共重合体、ジケトピロロピロール系共重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリ−p−フェニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリチエニレンビニレン系重合体などの共役系重合体、Hフタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)等のフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(NPD)等のトリアリールアミン誘導体、4,4’−ジ(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)等のカルバゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体(ターチオフェン、クウォーターチオフェン、セキシチオフェン、オクチチオフェンなど)等の低分子有機化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
ポリチオフェン系重合体とは、チオフェン骨格を主鎖に有する共役系重合体を指し、側鎖を有するものも含む。具体的には、ポリ−3−メチルチオフェン、ポリ−3−ブチルチオフェン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリ−3−オクチルチオフェン、ポリ−3−デシルチオフェンなどのポリ−3−アルキルチオフェン、ポリ−3−メトキシチオフェン、ポリ−3−エトキシチオフェン、ポリ−3−ドデシルオキシチオフェンなどのポリ−3−アルコキシチオフェン、ポリ−3−メトキシ−4−メチルチオフェン、ポリ−3−ドデシルオキシ−4−メチルチオフェンなどのポリ−3−アルコキシ−4−アルキルチオフェンなどが挙げられる。
2,1,3−ベンゾチアジアゾール−チオフェン系共重合体とは、チオフェン骨格と2,1,3−ベンゾチアジアゾール骨格を主鎖に有する共役系共重合体を指す。2,1,3−ベンゾチアジアゾール−チオフェン系共重合体として、具体的には下記のような構造が挙げられる。下記式において、nは1〜1000の整数を示す。
Figure 2021057579
キノキサリン−チオフェン系共重合体とは、チオフェン骨格とキノキサリン骨格を主鎖に有する共役系共重合体を指す。キノキサリン−チオフェン系共重合体として、具体的には下記のような構造が挙げられる。下記式において、nは1〜1000の整数を示す。
Figure 2021057579
チエノチオフェン−ベンゾジチオフェン系重合体とは、チオフェン骨格とベンゾジチオフェン骨格を主鎖に有する共役系共重合体を指す。チオフェン−ベンゾジチオフェン系共重合体として、具体的には下記のような構造が挙げられる。下記式において、nは1〜1000の整数を示す。
Figure 2021057579
チエノピロールジオン系共重合体とは、チエノピロールジオン骨格を主鎖に有する共役系共重合体を指す。チエノピロールジオン系共重合体として、具体的には下記のような構造が挙げられる。下記式において、nは1〜1000の整数を示す。
Figure 2021057579
ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体とは、p−フェニレンビニレン骨格を主鎖に有する共役系重合体を指し、側鎖を有するものも含む。具体的には、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]などが挙げられる。
上記のように例示した電子供与性有機半導体の中でも、下記一般式(6)〜(8)のいずれかで表される骨格を有する共役系重合体は、添加剤に用いた際に、光起電力特性が向上することが多数報告されており(例えば、特許第05829734号明細書、「アドヴァンスト マテリアルズ(Advanced Materials)」、2010年、22巻、E135−E138頁;「ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミストリー(Journal of the American Chemistry)」、2010年、132巻、7595−7597頁);「マクロモルキュールズ(Macromolecules)」、2012年、45巻、6923−6929頁;「アドヴァンスト マテリアルズ(Advanced Materials)」、2011年、23巻、3315−3319頁など)、本発明の組成物の電子供与性有機半導体として含まれていると好ましい。
Figure 2021057579
上記一般式(6)中、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、アルキル基、アルコキシ基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアリール基またはチオアルコキシ基を示す。Yはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄、セレンまたは酸素原子を表す。上記一般式(7)中、Rはアルコキシカルボニル基またはアルカノイル基を表す。Xは水素原子またはハロゲン原子を表す。上記一般式(8)中、Rはアルキル基、置換されていてもよいヘテロアリール基または置換されていてもよいアリール基を示す。
上記の骨格構造を有する共役系重合体の中でも、広い光吸収波長領域と深いHOMO準位を有することから高い光起電力特性が得られる下記一般式(9)で表される共役系重合体が本発明の有機半導体組成物の電子供与性有機半導体としてより好ましい。
Figure 2021057579
上記一般式(9)中、R、R、X、Yは、上記一般式(6)および(7)と同様である。
〔電子受容性有機半導体〕
電子受容性有機半導体とは、n型半導体特性を示すか、または電子輸送性を有する有機化合物である。本発明の電子受容性有機半導体は、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物を含む。
Figure 2021057579
上記一般式(2)〜(5)中、R〜Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。X〜Xは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはハロゲン原子を示す。
ここで、アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、直鎖状であっても分岐状であってもかまわない。アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのエーテル結合を介した炭化水素基を示し、当該炭化水素基は直鎖状であっても分岐状であってもかまわない。
前記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される化合物として、具体的には下記のような構造が挙げられる。
Figure 2021057579
Figure 2021057579
また、上記化合物に加えて、その他の化学構造を有する電子受容性有機半導体を含んでいてもよい。その他の化学構造を有する電子受容性有機半導体としては、例えば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド、N,N'−ジオクチル−3,4,9,10−ナフチルテトラカルボキシジイミド、ペリレン誘導体(3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド、ペリレンジイミド誘導体、ペリレンジイミド2量体、ペリレンジイミド重合体など)、オキサゾール誘導体(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール等)、トリアゾール誘導体(3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等)、フェナントロリン誘導体、フラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体にシアノ基を導入した誘導体(CN−PPV)などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。中でも、安定でキャリア移動度の高いn型半導体であることから、フラーレン誘導体を混合することは好ましい態様の一つである。
フラーレン誘導体の具体例として、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94を始めとする無置換のものと、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル([6,6]−C61−PCBM、または[60]PCBM)、[5,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドヘキシルエステル、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドドデシルエステル、フェニル C71 ブチリックアシッドメチルエステル([70]PCBM)を始めとする置換誘導体などが挙げられる。中でも広い光吸収波長領域を有することから[70]PCBMがより好ましい。
電子供与性有機半導体および電子受容性有機半導体の含有量は本発明の有機半導体組成物中において電子供与性有機半導体成分、電子受容性有機半導体成分共に溶解または分散可能な限り特に限定されないが、電子供与性有機半導体成分と電子受容性有機半導体成分の質量比として、電子供与性有機半導体成分:電子受容性有機半導体成分=1〜99:99〜1の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜80:80〜20の範囲である。ただし、いずれの質量比であっても電子供与性有機半導体成分と電子受容性有機半導体成分の質量の和は後述する溶媒と添加剤の合計に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、1.0〜5.0質量%であることがより好ましい。
〔溶媒〕
溶媒とは、電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体を溶解または分散させて均一な溶液を与えるものであれば特に限定されない。したがって、電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体の溶解性によって適当な溶媒は異なってくるが、例えば、水、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキシルなどの脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジメチルカーボネートなどのエステル類、エチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、イソクロマン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジグリムなどのエーテル類、アンモニア、エタノールアミンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、スルホランなどのスルホン類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、二硫化炭素、1,8−オクタンジチオールなどのチオール類、アセトニトリル、アクリロニトリルなどのニトリル類、酢酸、乳酸などの脂肪酸類、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジンなどの複素環式化合物類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、スチレン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、エチニルベンゼン、テトラリン、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、2−メトキシトルエン、2,5−ジメチルアニソール、o−クロロフェノール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、1−ブロモナフタレン、1−メチルナフタレン、o−ジヨードベンゼン、アセトフェノン、2,3−ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、1,4−ベンゾジオキサン、酢酸フェニル、安息香酸メチル、クレゾール、アニリン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,1,1,2―テトラクロロエタン、1,1,1,3−テトラクロロプロパン、1,2,2,3−テトラクロロプロパン、1,1,2,3−テトラクロロプロパン、ペンタクロロプロパン、ヘキサクロロプロパン、ヘプタクロロプロパン、1−ブロモプロパン、1,2−ジブロモプロパン、2,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,2,3−トリブロモプロパン、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジブロモヘキサン、1,7−ジブロモヘプタン、1,8−ジブロモオクタン、1−ヨードプロパン、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジヨードブタン、1,5−ジヨードペンタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,7−ジヨードヘプタン、1,8−ジヨードオクタンなどのハロゲン炭化水素類などが挙げられる。
中でも、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラリン、アニソール、フェネトール、ベラトロール、1,3−ジメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、2−メトキシトルエン、2,5−ジメチルアニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレンなどの芳香族炭化水素類や、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン炭化水素類などが、典型的に共役系化合物である有機半導体を溶解するために好ましく用いることができる。さらに、環境負荷の観点から、非ハロゲン溶媒であるトルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラリン、アニソール、フェネトール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、2−メトキシトルエン、2,5−ジメチルアニソールなどがより好ましく用いられる。なお、後述する特定の添加剤とは別に、これらを2種以上混合して用いてもよい。
〔添加剤〕
本発明の有機半導体組成物に含まれる添加剤は、溶媒よりも沸点が高く、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 2021057579
上記一般式(1)中、Aは、任意の一環芳香族炭化水素基または一環ヘテロ芳香族基を示す。nは、2以上の自然数である。Rは、Aに任意の位置で結合しているn個の置換基であり、それぞれ同じでも異なっていてもよく、アルキル基またはアルコキシ基を示す。ただし、複数のRの内、少なくとも1つはアルコキシ基である。また、複数のRが結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)中、Aは任意の一環芳香族炭化水素または一環ヘテロ芳香族炭化水素であり、これらの例としては、ベンゼン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダシン環、ピラジン環、トリアジン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環などが挙げられる。Aが一環芳香族炭化水素または一環ヘテロ芳香族炭化水素であることにより、共役系材料であることが多い電子受容性有機半導体との親和性が高まる。これらの環構造の中でも、安定性の観点や、汎用的で扱いやすい点などから、Aとしてはベンゼン環が好ましい。
上記一般式(1)中、Rは、Aに任意の位置で結合しているn個の置換基であり、それぞれ同じでも異なっていてもよく、アルキル基またはアルコキシ基を示す。
ここで、アルキル基およびアルコキシ基としては、前記一般式(2)〜(5)において例示した基が挙げられる。アルキル基としては、環を形成していない場合においては、電子受容性有機半導体との親和性の高い部位の密度が低下しないように短いほうがよく、メチル基であることが好ましい。また、アルコキシ基としては、電子受容性有機半導体との親和性の高い部位の密度が低下しないように短いほうがよく、メトキシ基であることが好ましい。
また、複数のRが結合して環を形成していてもよく、例えば、アルコキシ基とアルキル基が結合してジヒドロフラン環やジヒドロピラン環などを形成してもよいし、アルコキシ基とアルコキシ基が結合して1,4−ジオキサン環などを形成してもよいし、アルカノイル基とアルキル基が結合してシクロヘキサノン環やシクロペンタノン環などを形成してもよい。環を形成することで、典型的に共役系材料であることが多い電子受容性有機半導体との親和性が高まることもあり、好ましい添加剤構造の一つである。
また、複数のRの内、少なくとも1つはアルコキシ基である。アルコキシ基を1つ以上有することにより、添加剤の電子受容性有機半導体との親和性が高まり、電子受容性有機半導体の分散性が向上する。電子受容性有機半導体との親和性の観点から、複数のRの内、2つ以上のRがアルコキシ基であるか、もしくは2つ以上のRがアルカノイル基とアルキル基であって環を形成していることが好ましい。さらに、nが3以上であり、3つ以上のRがアルコキシ基であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物として、具体的には、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,5−ジメチルアニソールなどの1つ以上のアルコキシ基とアルキル基で置換されたベンゼン化合物、2,3−ジヒドロベンゾフランや1,4−ベンゾジオキサンなどのアルコキシ基、アルキル基などの置換基が環を形成しているベンゼン化合物、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼンなどのジメトキシベンゼン位置異性体、3,5−ジメトキシトルエン、3,4−ジメトキシトルエン、2,4−ジメトキシトルエン、2,5−ジメトキシトルエンなどのジメトキシトルエン位置異性体、1,2,3−トリメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、1,3,5−トリメトキシベンゼンなどのトリメトキシベンゼン位置異性体、3,4,5−トリメトキシトルエン、2,4,6−トリメトキシトルエンなどのトリメトキシトルエン位置異性体、1,2,4,5−テトラメトキシベンゼン、1,2,3,5−テトラメトキシベンゼン、1,2,3,4−テトラメトキシベンゼンなどのテトラメトキシベンゼン位置異性体、2,3,4,5−テトラメトキシトルエンなどのテトラメトキシベンゼン位置異性体などが挙げられる。ただし、これらは一例であり、これらに限定されるものではない。
なお、添加剤による正確な性能向上メカニズムは明らかではないが、添加剤含有の有機半導体組成物が乾燥・濃縮される過程において、電子受容性有機半導体との親和性の高い添加剤が電子受容性有機半導体の凝集を抑制し、相分離構造を制御していると考えられる。このことから、本発明においては、添加剤の沸点は溶媒の沸点よりも高い必要がある。このような沸点差があることから、有機半導体組成物の乾燥中に溶媒が先に除去され、徐々に電子受容性有機半導体との親和性の高い添加剤の濃度が上昇することにより、電子受容性有機半導体の凝集が抑制される。
したがって、本発明の有機半導体組成物において、電子供与性および電子受容性の有機半導体以外の組成が一般式(1)で表される化合物のみである場合には、より低沸点の化合物を溶媒と考え、より高沸点の化合物を添加剤と考えるものとする。例えば、有機半導体以外の組成が1,2−ジメトキシベンゼンと1,2,4−トリメトキシベンゼンとから構成されている場合、いずれも上記一般式(1)で表される化合物であるが、より低沸点の1,2−ジメトキシベンゼンを溶媒、より高沸点の1,2,4−トリメトキシベンゼンを添加剤とみなす。
ただし、添加剤は塗布・乾燥後に残留しすぎると、絶縁物としてキャリア輸送を妨げたり、耐久性が低下したりする影響が懸念されるため、沸点は高すぎないほうがよく、添加剤の揮発性にもよるが、400℃以下が好ましい。さらに、添加剤沸点の下限は、組み合わせて用いる溶媒の沸点にも依存するため、低沸点溶媒を用いるほどに低い沸点が許容される。しかし、高沸点の溶媒など多種の溶媒が使用できるという観点から、添加剤の沸点は200℃以上が好ましい。また、添加剤は常温常圧で液体化合物であっても固体化合物であってもよい。
添加剤の含有量は本発明の有機半導体組成物として均一な溶液を与えるものであれば特に限定されない。溶媒と添加剤の沸点が近い場合には、溶媒が乾燥するとほぼ同時に添加剤が乾燥を始めるため、溶媒が乾燥した後に電子受容性有機半導体の分散に十分な量の添加剤が残存するだけの含有量であることが好ましく、添加剤含有量は多いほうが好ましい。ただし、多量の高沸点添加剤を用いると乾燥・除去が困難となるため、添加剤含有量の上限は、好ましくは溶媒に対して50質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは、10質量%以下である。また、溶媒と添加剤の沸点が離れている場合には、溶媒が乾燥した後にも十分な量の添加剤が残存しやすいため、添加剤含有量は少量であってもよい。ただし、溶媒と添加剤の沸点が離れている場合においても、溶媒と添加剤の化学構造によっては、共沸や揮発性によって溶媒と添加剤が同時に乾燥を始めることが考えられ、添加剤含有量の下限は、好ましくは溶媒に対して0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは、1質量%以上である。
なお、本発明の有機半導体組成物は上記の電子供与性有機半導体、電子受容性有機半導体、溶媒、添加剤のほか、本発明の目的を阻害しない範囲において、界面活性剤やバインダー樹脂、フィラー等の他の成分を含んでいてもよい。
本発明における溶媒および添加剤は、溶液塗布後の処理工程にもよるが、塗布膜中に微量ながら残存することがあり、適当な残存溶媒分析方法によって検出することが可能である。このような残存溶媒分析方法としては例えば、加熱ガス発生分析法が挙げられ、熱重量測定−質量分析(TG−MS(Thermogravimetry−Mass Spectrometry))や、昇温脱離−質量分析(TPD−MS(Temperature Programmed Desorption − Mass Spectrometry))、昇温脱ガス分析(TDS(Thermal DesorptionSpectrometry))、パージアンドトラップ−ガスクロマトグラフィー−質量分析(P&T−GC−MS(Purge&Trap−Gas Chromatography−Mass Spectrometry))、溶液化GC−MS分析(発電層を再溶解させた後、GC−MS分析を行う。)などを用いることにより、塗布膜中に微量に残存する溶媒を検出することができる。
<光起電力素子>
次に、本発明の光起電力素子について説明する。
本発明の光起電力素子は、少なくとも一方が光透過性を有する陽極および陰極の間に形成された、前述の本発明の有機半導体組成物を乾燥させてなる光電変換層を有している。図1は本発明における光起電力素子の一態様を示した断面図である。図1の光起電力素子は、基板1の上に、陰極2、電子取出し層3、光電変換層4、正孔取出し層5および陽極6をこの順に有している。
基板1は、光電変換材料の種類や用途に応じて、電極材料や有機半導体層が積層できる基板であり、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミニウム、鉄、銅、およびステンレスなどの合金、等の無機材料、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレンポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂等の有機材料から任意の方法によって作製されたフィルムや板が使用可能である。また基板側から光を入射して用いる場合は、上記に示した各基板に80%程度の光透過性を持たせておくことが好ましい。
電極(陰極2および陽極6)は導電性材料から構成され、その素材としては、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、錫、アルミニウム、インジウム、クロム、ニッケル、コバルト、スカンジウム、バナジウム、イットリウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、モリブデン、タングステン、チタンなどの金属のほか、金属酸化物、複合金属酸化物(インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)など)、アルカリ金属やアルカリ土類金属(リチウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)などが好ましく用いられる。さらに、これらの金属からなる合金やこれらの金属の積層体からなる電極も好ましく用いられる。また、グラファイト、グラファイト層間化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体を含む電極も好ましく用いられる。また、電極は2種以上の材料から成る混合層または積層構造であってもよい。
陰極2および陽極6に用いられる導電性素材は、それぞれ隣接する電子取出し層3および正孔取出し層5とオーミック接合するものであることが好ましい。
光起電力素子の陰極2または陽極6のうち少なくとも一方は、光透過性を有するものである。少なくともいずれか一方が光透過性を有すればよいが、両方が光透過性を有してもよい。ここで光透過性を有するとは、光電変換層に入射光が到達して起電力が発生する程度に光を透過することを意味する。すなわち、光透過率として0%を超える値を有する場合、光透過性を有するという。この光透過性を有する電極は、400nm以上900nm以下の全ての波長領域において60−100%の光透過率を有することが好ましい。また、光透過性を有する電極の厚さは十分な導電性が得られればよく、材料によって異なるが、20nm〜300nmが好ましい。なお、光透過性を有しない電極は、導電性があれば十分であり、厚さも特に限定されない。
電子取出し層3は光起電力素子に必須ではないが、電子取出し層3を設けることによってキャリアを取り出すのに適した界面状態を形成できるとともに、電極間の短絡を防止する効果があり、電子取出し層3が設けられることが好ましい。電子取出し層を形成する材料としては、上述の電子受容性有機材料(NTCDA、PTCDA、PTCDI−C8H、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、ホスフィンスルフィド誘導体、キノリン誘導体、フラーレン化合物、CNT、CN−PPVなど)のようにn型半導体特性を示す有機材料が好ましく用いられる。また、イオン性の置換フルオレン系ポリマー(「アドバンスド マテリアルズ(Advanced Materials)」、2011年、23巻、4636−4643頁;「オーガニック エレクトロニクス(Organic Electronics)」、2009年、10巻、496−500頁)や、イオン性の置換フルオレン系ポリマーと置換チオフェン系ポリマーの組み合わせ(「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー(Journal of American Chemical Society)」、2011年、133巻、8416−8419頁)などのイオン性化合物、ポリエチレンオキサイド(「アドバンスド マテリアルズ(Advanced Materials)」、2007年、19巻、1835−1838頁)なども電子取出し層として用いることができる。また、イオン性の置換フルオレン系ポリマー(「アドバンスド マテリアルズ(Advanced Materials)」、2011年、23巻、4636−4643頁;「オーガニック エレクトロニクス(Organic Electronics)」、2009年、10巻、496−500頁)や、イオン性の置換フルオレン系ポリマーと置換チオフェン系ポリマーの組み合わせ(「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー(Journal of American Chemical Society)」、2011年、133巻、8416−8419頁)などのイオン性化合物、ポリエチレンオキサイド(「アドバンスド マテリアルズ(Advanced Materials)」、2007年、19巻、1835−1838頁)なども電子取出し層として用いることができる。また、イオン性基を有する化合物、例えば、アンモニウム塩、アミン塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ホスホニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、硫酸塩、硝酸塩、アセトナート塩、オキソ酸塩、ならびに金属錯体なども電子輸送層として用いることができる。
具体的には、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムブロミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、酪酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ヘプタデカフルオロノナン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、リン酸モノドデシルナトリウム、亜鉛アセチルアセトナート、クロム酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、六フッ化ジルコニウム酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、テトラクロロ亜鉛酸アンモニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、ニッケル酸リチウム、過マンガン酸カリウム、銀フェナントロリン錯体、AgTCNQや特開2013−58714記載の電子輸送層に用いられる化合物などが挙げられる。
また、TiOなどの酸化チタン(TiO)、ZnOなどの酸化亜鉛(ZnO)、SiOなどの酸化ケイ素(SiO)、SnOなどの酸化錫(SnO)、WOなどの酸化タングステン(WO)、Taなどの酸化タンタル(TaO)、BaTiOなどのチタン酸バリウム(BaTi)、BaZrOなどのジルコン酸バリウム(BaZr)、ZrOなどの酸化ジルコニウム(ZrO)、HfOなどの酸化ハフニウム(HfO)、Alなどの酸化アルミニウム(AlO)、Yなどの酸化イットリウム(YOx)、ZrSiOなどのケイ酸ジルコニウム(ZrSi)のような金属酸化物、Siなどの窒化ケイ素(SiN)のような窒化物、CdSなどの硫化カドミウム(CdSx)、ZnSeなどのセレン化亜鉛(ZnSex)、ZnSなどの硫化亜鉛(ZnS)、CdTeなどのテルル化カドミウム(CdTe)のような半導体などの無機材料も好ましく用いられる。
上記無機材料で電子取出し層を形成する方法としては、その金属塩や金属アルコキシドなどの前駆体溶液を塗布した後、加熱して層を形成する方法や、ナノ粒子分散液を基板に塗布して層を形成する方法がある。このとき、加熱温度や時間、及びナノ粒子の合成条件により、完全には反応が進行しておらず、部分的に加水分解したり、部分的に縮合したりすることで、中間生成物となったり、前駆体と中間生成物、最終生成物などの混合物となったりしてもよい。
次に、光電変換層4について説明する。光電変換層4は、陰極2および陽極6との間に存在し、前述の本発明の有機半導体組成物を塗布して形成される層である。光電変換層は、電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体の混合物からなる層だけであってもよいし、電子供与性有機半導体からなる層と電子受容性有機半導体からなる層の間に、これらの混合物からなる層を積層した構造であってもよい。光電変換層は、電子供与性有機半導体または電子受容性有機半導体を2種以上含有していてもよい。
光電変換層における電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体の含有比は特に限定されないが、電子供与性有機半導体:電子受容性有機半導体の質量比が、1〜99:99〜1の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜90:90〜10の範囲であり、さらに好ましくは20〜60:80〜40の範囲である。
光電変換層の厚さは、電子供与性有機半導体および電子受容性有機半導体が光吸収によって光起電力を生じるのに十分であればよい。好ましい厚さは材料によって異なるが、一般的には10nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは50nm〜500nmである。また、光電変換層は界面活性剤やバインダー樹脂、フィラー等の他の成分を含むものであってもよい。
正孔取出し層5は光起電力素子に必須ではないが、正孔取出し層5を設けることによってキャリアを取り出すのに適した界面状態を形成できるとともに、電極間の短絡を防止する効果があり、正孔取出し層5が設けられることが好ましい。正孔取出し層を形成する材料としては、ポリチオフェン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール重合体、ポリアニリン重合体、ポリフラン重合体、ポリピリジン重合体、ポリカルバゾール重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(HPc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体、アセン系化合物(テトラセン、ペンタセンなど)などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物、カーボンナノチューブやグラフェン、酸化グラフェンなどの炭素化合物、MoOなどの酸化モリブデン(MoO)、WOなどの酸化タングステン(WO)、NiOなどの酸化ニッケル(NiO)、Vなどの酸化バナジウム(VO)、ZrOなどの酸化ジルコニウム(ZrO)、CuOなどの酸化銅(CuO)、ヨウ化銅、RuOなどの酸化ルテニウム(RuO)、Reなどの酸化ルテニウム(ReO)などの無機化合物が好ましく用いられる。特に、ポリチオフェン系重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やPEDOTにポリスチレンスルホネート(PSS)が添加されたもの、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステンは好ましく用いられる。正孔輸送層は単独の化合物から成る層であってもよいし、2種以上の化合物から成る混合層または積層構造であってもよい。
また、正孔輸送層の厚さは5nmから600nmが好ましく、より好ましくは10nmから200nmである。
本発明の光起電力素子の別の一態様として、基板の上に陽極、正孔取出し層、光電変換層、電子取出し層、および陰極をこの順に有している構造も挙げられる。
本発明の光起電力素子は、1つ以上の電荷再結合層を介して2層以上の光電変換層を積層(タンデム化)して直列接合を形成してもよい。例えば、基板/陽極/第1の正孔取出し層/第1の光電変換層/第1の電子取出し層/電荷再結合層/第2の正孔取出し層/第2の光電変換層/第2の電子取出し層/陰極という積層構成や、基板/陰極/第1の電子取出し層/第1の光電変換層/電荷再結合層/第2の電子取出し層/第2の光電変換層/陽極という積層構成を挙げることができる。この場合、電荷再結合層は隣接する光電変換層の陰極および陽極を兼ねていると考えることができる。このように積層することにより、開放電圧を向上させることができる。
ここで用いられる電荷再結合層は、複数の光電変換層が光吸収できるようにするため、光透過性を有する必要がある。また、電荷再結合層は、十分に正孔と電子が再結合するように設計されていればよいので、必ずしも膜である必要は無く、例えば光電変換層上に一様に形成された金属クラスターであってもかまわない。従って、電荷再結合層には、上述の金、白金、クロム、ニッケル、リチウム、マグネシウム、カルシウム、錫、銀、アルミニウムなどから成る数オングストロームから数十オングストローム程度の光透過性を有する非常に薄い金属膜や金属クラスター(合金を含む)、ITO、IZO、AZO、GZO、FTO、酸化チタンや酸化モリブデンなどの光透過性の高い金属酸化物膜およびクラスター、PSSが添加されたPEDOTなどの導電性有機材料膜、またはこれらの複合体等が用いられる。例えば、銀を、真空蒸着法を用いて水晶振動子膜厚モニター上で数オングストローム〜1nmとなるように蒸着すれば、一様な銀クラスターが形成できる。その他にも、酸化チタン膜を形成するならば、アドヴァンスト マテリアルズ(Advanced Materials)、2006年、18巻、572−576頁に記載のゾルゲル法を用いればよい。ITO、IZOなどの複合金属酸化物であるならば、スパッタリング法を用いて製膜すればよい。これら電荷再結合層形成法や種類は、電荷再結合層形成時の光電変換層への非破壊性や、次に積層される光電変換層の形成法等を考慮して適当に選択すればよい。
<有機半導体組成物および光起電力素子の製造方法>
次に本発明の有機半導体組成物および光起電力素子の製造方法について例を挙げて説明する。
本発明の有機半導体組成物は、添加剤を添加した溶媒に、電子供与性有機半導体および電子受容性有機半導体を加熱、撹拌、超音波照射などの方法を用いて溶解させることにより得られる。
光起電力素子を製造する際には、まず基板上にITOなどの透明電極(この場合陽極に相当)をスパッタリング法などにより形成する。次に、本発明の有機半導体組成物を当該透明電極上に塗布乾燥し、光電変換層を形成する。
光電変換層の形成には、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法など何れの方法を用いることができ、塗膜厚さ制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択すればよい。
次いで、形成した塗膜から溶媒および添加剤を除去するために、減圧乾燥、または加熱乾燥(大気下や、不活性ガス雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)、減圧下)してもよい。加熱乾燥処理の好ましい温度は、40℃〜200℃、より好ましくは50℃〜150℃である。
次に、光電変換層上にAlなどの金属電極を真空蒸着法やスパッタ法により形成する。金属電極は、電荷取出し層を真空蒸着した場合は、引き続き、真空を保持したまま続けて形成することが好ましい。
電極と光電変換層の間に正孔取出し層や電子取出し層を設ける場合には、所望の材料(PEDOT:PSSなど)を光電変換層上にスピンコート法、バーコーティング法、ブレードによるキャスト法等で塗布した後、真空恒温槽やホットプレートなどを用いて溶媒を除去し、形成する。塗布法には、前述の光電変換層の形成の場合と同様の塗布法を用いることができる。フタロシアニン誘導体やポルフィリン誘導体などの低分子有機材料や酸化モリブデン、酸化タングステンなど無機材料を使用する場合には、真空蒸着法やスパッタ法を適用することも可能である。
本発明の光起電力素子は、光電変換機能、光整流機能などを利用した種々の光電変換デバイスへの応用が可能である。例えば光電池(太陽電池など)、電子素子(光センサ、光スイッチ、フォトトランジスタなど)、光記録材(光メモリなど)、撮像素子などに有用である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また実施例等で用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
Isc:短絡電流密度
Voc:開放電圧
FF:フィルファクター
η:光電変換効率
ITO:インジウム錫酸化物
IEICO:下記式で表される化合物
IEICO−2F:下記式で表される化合物
IEICO−4F:下記式で表される化合物
3TT−FIC:下記式で表される化合物
COi8DFIC:下記式で表される化合物
EH−IDTBR:下記式で表される化合物
Figure 2021057579
Figure 2021057579
(合成例1)
化合物A−1を式1に示す方法で合成した。なお、合成例1記載の化合物(1−i)は「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサエティ(Journal of the American Chemical Society)」、2009年、131巻、7792−7799頁に記載されている方法を参考に、化合物(1−p)は「アンゲバンテケミ インターナショナルエディション(Angewandte Chem Internatioal Edition)」、2011年、50巻、9697−9702頁に記載されている方法を参考にして合成した。
Figure 2021057579
メチル−2−チオフェンカルボキシレート(東京化成工業(株)製)38g(0.27mol)およびクロロメチルメチルエーテル(東京化成工業(株)製)108g(1.34mol)を0℃で撹拌しているところに、四塩化スズ(和光純薬工業(株)製)125g(0.48mol)を1時間かけて加え、その後室温で8時間撹拌した。撹拌終了後、水100mlを0℃でゆっくり加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで溶媒を乾燥後、溶媒を減圧除去した。得られた茶褐色固体をメタノールから再結晶することにより化合物(1−b)を薄黄色固体(24.8g、収率39%)として得た。化合物(1−b)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.71(s,1H),4.79(s,1H),4.59(s,1H),3.88(s,3H)ppm。
上記化合物(1−b)24.8g(0.10mmol)をメタノール(佐々木化学工業(株)製)1.2Lに溶解させ、60℃で撹拌しているところに硫化ナトリウム(アルドリッチ社製)8.9g(0.11mol)のメタノール溶液100mlを1時間かけて滴下し、さらに60℃で4時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧除去し、クロロホルム200mlと水200mlを加え、不溶物をろ別した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧除去した。粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより化合物(1−c)を白色固体(9.8g、収率48%)として得た。化合物(1−c)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.48(s,1H),4.19(t,J=3.0Hz,2H),4.05(t,J=3.0Hz,2H),3.87(s,3H)ppm。
上記化合物(1−c)9.8g(49mmol)に水100mlついで3M水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、80℃で4時間加熱撹拌した。反応終了後、濃塩酸15mlを0℃で加え、析出した固体をろ取し、水で数回洗浄した。得られた固体を乾燥し、化合物(1−d)を白色固体(8.9g、収率98%)として得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d):7.46(s,1H),4.18(t,J=3.2Hz,2H),4.01(t,J=3.2Hz,2H)ppm。
上記化合物(1−d)1.46g(7.8mmol)を脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)60mlに溶解し、−78℃で撹拌しているところに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)10.7ml(17.2mmol)を滴下し、−78℃で1時間撹拌した。次いでN−フルオロベンゼンスルホンイミド(東京化成工業(株)製)4.91g(15.6mmol)の乾燥テトラヒドロフラン溶液20mlを−78℃で10分間かけて滴下し、室温で12時間撹拌した。反応終了後、水50mlをゆっくり加えた。3M塩酸を加えて水層を酸性にした後、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル)で副生成物を除去した後に酢酸エチルから再結晶することで化合物(1−e)を薄黄色粉末(980mg、収率61%)として得た。化合物(1−e)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,DMSO−d):13.31(brs,1H),4.20(t,J=3.0Hz,2H),4.03(t,J=3.0Hz,2H)ppm。
上記化合物(1−e)800mg(3.9mmol)の脱水ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製)溶液10mlに、オキサリルクロリド(東京化成工業(株)製)1ml、次いでジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1滴を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒と過剰の塩化オキサリルを減圧除去することで、化合物(1−f)を黄色オイルとして得た。化合物(1−f)はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(1−f、粗精製物)のジクロロメタン溶液10mlを1−オクタノール(和光純薬工業(株)製)1.3g(10mmol)およびトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)800mg(8mmol)のジクロロメタン溶液15mlに室温で加え、6時間室温で撹拌した。反応溶液を1M塩酸で2回、水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより化合物(1−g)を薄黄色固体(1.12g、収率90%)として得た。化合物(1−g)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.27(t,J=6.7Hz,2H),4.16(t,J=3.0Hz,2H),4.01(t,J=3.0Hz,2H),1.72(m,2H),1.5−1.3(m,12H),0.88(t,J=7.0Hz,3H)ppm。
上記化合物(1−g)1.1g(3.5mmol)の酢酸エチル溶液40mlに、メタクロロ安息香酸(ナカライテスク(株)製)630mg(3.6mmol)の酢酸エチル溶液10mlを0℃で滴下し、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後に無水酢酸30mlを加え、3時間加熱還流した。溶媒を再び減圧除去した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)で精製することにより化合物(1−h)を薄黄色オイル(1.03g、収率94%)として得た。化合物(1−h)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.65(d,J=2.7Hz,1H),7.28(dd,J=2.7Hz and 5.4Hz,1H),4.31(t,J=6.8Hz,2H),1.75(m,2H),1.42−1.29(m,12H),0.89(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
上記化合物(1−h)1.0g(3.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液20mlに、N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)1.25g(7.0mmol)を室温で加え、3時間室温で撹拌した。反応終了後、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液10mlを加え、5分間撹拌した。酢酸エチル80mlを加え、有機層を水で5回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物(1−i)を薄黄色固体(1.2g、収率79%)として得た。化合物(1−i)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.32(t,J=6.5Hz,2H),1.75(m,2H),1.42−1.29(m,12H),0.89(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
ジエチルアミン(和光純薬工業(株)製)110g(1.5mol)のジクロロメタン溶液300mlに、3−チオフェンカルボニルクロリド(和光純薬工業(株)製)100g(0.68mol)を0℃で1時間かけて加え、室温で3時間撹拌した。撹拌終了後、水200mlを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を減圧蒸留することにより、化合物(1−k)を淡橙色液体(102g、収率82%)として得た。化合物(1−k)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.47(dd,J=3.2Hz and 1.0Hz,1H),7.32(dd,J=5.0Hz and 3.2Hz,1H),7.19(dd,J=5.0Hz and 1.0Hz,1H),3.43(brs,4H),1.20(t,J=6.5Hz,6H)ppm。
上記化合物(1−k)73.3g(0.40mol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)250ml(0.40mol)を0℃で30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温で4時間撹拌した。撹拌終了後、水100mlをゆっくり加えしばらく撹拌した後、反応混合物を水800mlに注いだ。析出した固体をろ取し、水、メタノール、ついでヘキサンの順で洗浄することにより化合物(1−l)を黄色固体(23.8g、収率27%)として得た。化合物(1−l)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.69(d,J=4.9Hz,2H),7.64(d,J=4.9Hz,2H)ppm。
チオフェン42g(0.50mol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)250ml(0.40mol)を−78℃で30分間かけて滴下した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌した後、2−エチルヘキシルブロミド(和光純薬工業(株)製)76.4g(0.40mol)を−78℃で15分間かけて滴下した。反応溶液を室温で30分間撹拌した後、60℃で6時間加熱撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を室温まで冷却し、水200mlおよびエーテル200mlを加えた。有機層を水で2回、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を減圧蒸留することで化合物(1−n)を無色液体(28.3g、36%)として得た。化合物(1−n)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.11(d,4.9Hz,1H),6.92(dd,4.9Hz and 3.2Hz,1H),6.76(d,J=3.2Hz,1H),2.76(d,J=6.8Hz,2H),1.62(m,1H),1.4−1.3(m,8H),0.88(m,6H)ppm。
上記化合物(1−n)17.5g(89mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)57ml(89mmol)を0℃で30分間かけて滴下した。反応溶液を50℃で1時間撹拌した後、上記化合物(1−l)4.9g(22mmol)を50℃で加え、そのまま1時間撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を0℃に冷却し、塩化すず二水和物(和光純薬工業(株)製)39.2g(175mmol)を10%塩酸80mlに溶かした溶液を加え、室温で1時間撹拌した。撹拌終了後、水200ml、ジエチルエーテル200mlを加え、有機層を水で2回、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ヘキサン)で精製することにより化合物(1−o)を黄色オイル(7.7g、収率59%)として得た。化合物(1−o)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.63(d,J=5.7Hz,1H),7.45(d,J=5.7Hz,1H),7.29(d,J=3.6Hz,1H),6.88(d,J=3.6Hz,1H),2.86(d,J=7.0Hz,2H),1.70−1.61(m,1H),1.56−1.41(m,8H),0.97−0.89(m,6H)ppm。
上記化合物(1−o)870mg(1.5mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液25mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)2.0ml(3.3mmol)を−78℃でシリンジを用いて加え、−78℃で30分間、室温で30分間撹拌した。反応混合物を−78℃まで冷却した後、トリメチルスズクロリド(和光純薬工業(株)製)800mg(4.0mmol)を−78℃で一度に加え、室温で4時間撹拌した。撹拌終了後、ジエチルエーテル50mlおよび水50mlを加え5分間室温で撹拌した後、有機層を水で2回、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで溶媒を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた橙色オイルをエタノールより再結晶することで、化合物(1−p)を薄黄色固体(710mg、収率52%)として得た。化合物(1−p)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.68(s,2H),7.31(d,J=3.2Hz,2H),6.90(d,J=3.2Hz,2H),2.87(d,J=6.2Hz,4H),1.69(m,2H),1.40−1.30(m,16H),1.0−0.9(m,12H),0.39(s,18H)ppm。
化合物(1−i)71mg(0.15mmol)および化合物(1−p)136mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)すず(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(遊離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物A−1(85mg)を得た。
各実施例および比較例における光電変換効率の評価方法を以下に示す。
各実施例および比較例により得られた光起電力素子の陽極と陰極をケースレー社製2400シリーズソースメータに接続して、大気中でITO層側から擬似太陽光(分光計器株式会社製 OTENTO−SUNIII、スペクトル形状:AM1.5、強度:100mW/cm)を照射し、印加電圧を−1Vから+2Vまで変化させたときの電流値を測定した。
得られた電流値から、次式により光電変換効率を求めた。
η(%)=Isc(mA/cm)×Voc(V)×FF/照射光強度(mW/cm)×100
FF=JVmax/(Isc(mA/cm)×Voc(V))
JVmax(mW/cm2)は、印加電圧が0Vから開放電圧までの間で電流密度と印加電圧の積が最大となる点における電流密度と印加電圧の積の値である。
(実施例1)
3,4−ジメトキシトルエン(東京化成工業(株)製、添加剤に該当)を5質量%含むクロロホルム溶液(ナカライテスク(株) 製、クロロホルムは溶媒に該当)0.2mLを、A−1(電子供与性有機半導体に該当) 0.9mg、IEICO(ワンマテリアルズ社製、電子受容性有機半導体に該当)1.1mgの入ったサンプル瓶の中に加え、さらに、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2、出力120W)中で30分間超音波照射することにより溶液Aを得た。
エタノール溶媒(和光純薬工業(株) 製)0.5mLを、酢酸亜鉛2水和物(和光純薬工業(株) 製)10mgの入ったサンプル瓶の中に加え、熱溶解し、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(和光純薬工業(株) 製)を1体積%の割合で加えて電子取出し層形成用の前駆体溶液Bを得た。
PEDOT:PSS溶液(CLEVIOS P VP AI4083)4.0mL、水3.5mL、イソプロピルアルコール2.5mL、界面活性剤(花王ケミカル製エマルゲン103)0.1mgをサンプル瓶に入れて撹拌することにより正孔取出し層形成用の溶液Cを得た。
スパッタリング法により陰極となるITO透明導電層を125nm堆積させたガラス基板を38mm×46mmに切断した後、ITOをフォトリソグラフィー法により38mm×13mmの長方形状にパターニングした。得られた基板の光透過率を日立分光光度計U−3010で測定した結果、400nm〜900nmの全ての波長領域において85%以上であった。この基板をアルカリ洗浄液(フルウチ化学(株)製、“セミコクリーン”EL56)で10分間超音波洗浄した後、超純水で洗浄した。
この基板を30分間UV/オゾン処理した後に、上記の溶液BをITO層上に滴下し、スピンコート法により3000rpmで塗布し、ホットプレート上で100℃30分間熱処理することにより、膜厚約30nmの電子取出し層を形成した。
次いで、基板を窒素雰囲気下グローブボックスに移し、上記の溶液Aを電子取出し層上に滴下し、スピンコート法により塗布し、ホットプレート上で80℃5分間熱処理することにより、膜厚100nmの光電変換層を形成した。
さらに、溶液Cを光電変換層上に滴下し、スピンコート法により2000rpmで塗布し、ホットプレート上で80℃1分間熱処理することにより、40nmの厚さの正孔取出し層を形成した。
その後、光電変換層が形成された基板と蒸着用マスクを真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10−3Pa以下になるまで再び排気し、抵抗加熱法によって、電極となる銀層を100nmの厚さに蒸着した。
その後、基板を窒素雰囲気下グローブボックスに移し、光硬化性樹脂(ナガセケムテックス社製XNR5570)を20mm×20mmの大きさのガラス(ガスバリア層基材)に塗布し、基板の中心に貼り付けた。次いで、紫外光(波長365nm,強度100mWcm−2)を1分間照射した後、ホットプレート上で100℃30分間熱処理することにより樹脂を硬化させた。以上のようにして、ストライプ状のITO層と銀層が交差する部分の面積が2mm×2mmである光起電力素子を作製した。
前記方法により評価した光電変換効率(η)は10.1%であった。
(比較例1)
3,4−ジメトキシトルエンを1,8−ジヨードオクタン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例1と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は7.7%であった。
(実施例2)
IEICOをIEICO−2F(ワンマテリアルズ社製)に替え、3,4−ジメトキシトルエンを2−メトキシトルエン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例1と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は10.6%であった。
(実施例3)
2−メトキシトルエンを2,5−ジメチルアニソール(アルドリッチ製)に替えたほかは実施例2と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は11.1%であった。
(実施例4)
2−メトキシトルエンを3,4−ジメトキシトルエンに替えた他は実施例2と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は12.0%であった。
(比較例2)
2−メトキシトルエンを1,8−ジヨードオクタン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例2と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は8.9%であった。
(実施例5)
IEICOをIEICO−4F(ワンマテリアルズ社製)に替え、3,4−ジメトキシトルエンを2−メトキシトルエン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例1と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は11.5%であった。
(実施例6)
2−メトキシトルエンを3,4−ジメトキシトルエンに替えたほかは実施例6と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は12.1%であった。
(実施例7)
2−メトキシトルエンを3,4,5−トリメトキシトルエン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例5と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は12.1%であった。
(比較例3)
2−メトキシトルエンを1,8−ジヨードオクタン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例1と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は11.3%であった。
(実施例8)
IEICOを3TT−FIC(ワンマテリアルズ社製)に替えたほかは実施例1と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は8.9%であった。
(比較例4)
3,4−ジメトキシトルエンを1,8−ジヨードオクタン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例8と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は7.9%であった。
(実施例9)
IEICOをCOi8DFIC(ワンマテリアルズ社製)に替え、3,4−ジメトキシトルエンを2−メトキシトルエン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例1と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は11.7%であった。
(実施例10)
2−メトキシトルエンを2,5−ジメチルアニソール(アルドリッチ製)に替えたほかは実施例9と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は11.0%であった。
(実施例11)
2−メトキシトルエンを2,5−ジメチルアニソールに替えたほかは実施例9と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は11.1%であった。
(比較例5)
2−メトキシトルエンを1,8−ジヨードオクタン(東京化成工業(株)製)に替えたほかは実施例9と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は7.8%であった。
(実施例12)
IEICOをEH−IDTBR(ワンマテリアルズ社製)に替え、3,4−ジメトキシトルエンを3,4,5−トリメトキシトルエン(東京化成工業(株)製)に替え、光硬化性樹脂の熱処理硬化温度を100℃から150℃に替えたほかは実施例1と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は10.8%であった。
(比較例6)
3,4,5−トリメトキシトルエンを用いないほかは実施例12と全く同様にして光起電力素子を作製・測定し、光電変換効率を算出した結果、光電変換効率(η)は5.6%であった。
Figure 2021057579
実施例と比較例の結果を表1にまとめた。実施例1と比較例1、実施例2〜4と比較例2、実施例5〜7と比較例3、実施例8と比較例4、実施例9〜11と比較例5の対比から、本発明の有機半導体組成物の添加剤によって1,8−ジヨードオクタンより高い光起電力素子特性が得られていることがわかる。また、実施例12と比較例6の対比から、本発明の有機半導体組成物の添加剤によって、添加剤を用いないときよりも高い光起電力素子特性が得られていることがわかる。
1 基板
2 陰極
3 電子取出し層
4 光電変換層
5 正孔取出し層
6 陽極

Claims (6)

  1. 電子供与性有機半導体、電子受容性有機半導体、溶媒および該溶媒よりも沸点の高い添加剤を含み、該添加剤が、下記一般式(1)で表される化合物を含み、該電子受容性有機半導体が、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物を含む有機半導体組成物。
    Figure 2021057579
    (上記一般式(1)中、Aは、任意の一環芳香族炭化水素基または一環ヘテロ芳香族基を示す。nは、2以上の自然数である。Rは、Aに任意の位置で結合しているn個の置換基であり、それぞれ同じでも異なっていてもよく、アルキル基またはアルコキシ基を示す。ただし、複数のRの内、少なくとも1つはアルコキシ基である。また、複数のRが結合して環を形成していてもよい。上記一般式(2)〜(5)中、R〜Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。X〜Xは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはハロゲン原子を示す。)
  2. 前記一般式(1)中、Aがベンゼン環である請求項1に記載の有機半導体組成物。
  3. 前記一般式(1)中、2つ以上のRがアルコキシ基である請求項1または2に記載の有機半導体組成物。
  4. 陽極と、陰極と、該陽極と該陰極の間に形成された、請求項1〜3のいずれかに記載の有機半導体組成物を乾燥させてなる光電変換層とを有する光起電力素子。
  5. 請求項4に記載の光起電力素子を用いてなる光電変換デバイス。
  6. 陽極と、陰極と、該陽極と該陰極の間に形成された光電変換層とを有する光起電力素子の製造方法であって、請求項1〜3のいずれかに記載の有機半導体組成物の塗布乾燥により前記光電変換層を形成する光起電力素子の製造方法。
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