JP2014157342A - 窓 - Google Patents

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正 弘 波多野
Yoshihiro Kanai
井 喜 洋 金
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Masahiko Shibata
田 晶 彦 柴
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Abstract

【課題】水平方向における光源の位置に応じて、光源からの熱線を選択的且つ効果的に吸収可能な窓を提供する。
【解決手段】窓1が設置された状態において、窓の熱線吸収シート10は、鉛直方向に延びる長手方向ldを有し、長手方向と交差する配列方向pdに配列され、熱線吸収材25を含む複数の第1部分20と、配列方向に第1部分と交互に配列された複数の第2部分30と、を含む。第1部分は、底面21と、底面の一端部から延び出た第1側面22と、底面の他端部から延び出た第2側面23と、を有する。底面と第1側面とがなす角度θ、底面と第2側面とがなす角度θ、隣り合う第1部分の離間間隔d、第1部分の高さh、第2部分の屈折率n、および、角度θが、45°≦θ2<θ1≦90°、h>d×tan(90°-(sin-1((sinθ3)/n))、20°≦θ3≦75°の関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源からの光の入射方向に応じて熱線を遮断し得る熱線吸収シートを備えた窓に関する。
近年、窓を通して建物の屋内や自動車の車内に入ってくる太陽光等の光のうち、赤外光領域の光(以下、赤外光領域の光のことを「熱線」と略する場合がある。) を遮断し、屋内の温度上昇を抑制する熱線吸収シートの開発が進められてきている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、透光性のシート本体に、水平方向に延びる複数の赤外線吸収層を、鉛直方向に並べて配列した熱線吸収シートが開示されている。この熱線吸収シートは、季節に応じて太陽の高度が異なることを利用して、高い高度から入射する夏季の熱線を赤外線吸収層によって吸収する一方で、低い高度から入射する冬季の熱線を屋内に透過させるようになっている。
特開2008−247623号公報 特開2011−69126号公報
ところが、夏季であっても、時間帯に応じて太陽の高度は異なってくる。具体的には、日中には、太陽の高度は高くなるが、夕方になると、太陽の高度は低くなる。このため、上記の熱線吸収シートを含む窓は、正午の太陽光のように高い高度から屋内に入射する熱線を赤外線吸収層によって効果的に吸収することができる。一方、夕方の西日のように低い高度から屋内に入射する熱線を赤外線吸収層によって効果的に吸収することができない。従って、上記の熱線吸収シートを含む窓が西側を向いて設置されている場合、高度の低い夕方の西日が屋内に入射するため、西日の熱線によって屋内の温度が上昇してしまう。
このように、東西方向つまり水平方向における光源の位置に応じて、光源からの熱線を選択的に遮断する熱線吸収シートは知られていない。昨今では、省エネルギーの観点から、光の入射角度に応じて、熱線を選択的且つより効果的に遮断する採光機能が求められてきている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、水平方向における光源の位置に応じて、光源からの熱線を選択的且つ効果的に吸収することできる熱線吸収シートを備えた窓を提供することを目的とする。
本発明による窓は、第1面と前記第1面に対向する第2面とを有する熱線吸収シートを少なくとも備える窓であって、
前記窓が設置された状態において、前記熱線吸収シートは、
鉛直方向に延びる長手方向を有し、前記長手方向と交差する配列方向に配列された複数の第1部分と、
前記配列方向に前記第1部分と交互に配列された複数の第2部分と、を含み、
前記第1部分は、前記第1面をなす底面と、前記配列方向における一方の側となる前記底面の端部から延び出た第1側面と、前記配列方向に他方の側となる前記底面の端部から延び出た第2側面と、を有し、
前記第1部分は、熱線を吸収する熱線吸収材を含み、
前記第1部分の前記長手方向に直交する主切断面における各第1部分の前記底面と前記第1側面とがなす角度θ、前記主切断面における当該第1部分の前記底面と前記第2側面とがなす角度θ、前記主切断面における当該第1部分と当該第1部分に前記配列方向における前記一方の側から隣り合う他の一つの第1部分との前記配列方向に沿った離間間隔d、前記主切断面における前記配列方向に直交する厚さ方向への当該第1部分の高さh、前記第2部分の屈折率n、および、角度θが、次の条件を満たす。
45°≦θ2<θ1≦90°
h>d×tan(90°-(sin-1((sinθ3)/n))
20°≦θ3≦75°
本発明による窓において、前記窓が設置された状態において、前記第1面が入光側の面となり、前記配列方向における前記一方の側が東西における西側に配置されてもよい。
本発明による窓において、前記窓が設置された状態において、前記第2面が入光側の面となり、前記配列方向における前記一方の側が東西における東側に配置されてもよい。
本発明による窓において、角度θは、51°であってもよい。
本発明による窓において、角度θは、45°であってもよい。
本発明による窓において、角度θは、40°であってもよい。
本発明による窓において、前記熱線吸収シートと積層された第2熱線吸収シートをさらに備え、
前記第2熱線吸収シートは、水平方向に延びる第2長手方向を有し、前記第2長手方向と交差する第2配列方向に配列された複数の第1部分と、前記第2配列方向に前記第1部分と交互に配列された複数の第2部分と、を有し、
前記第2熱線吸収シートの前記第1部分は、熱線を吸収する熱線吸収材を含んでいてもよい。
本発明によれば、水平方向における光源の位置に応じて、光源からの熱線を選択的且つ効果的に吸収することできる。
図1は、本発明の一実施の形態による窓の主切断面を示す概略断面図である。 図2は、図1に対応する図であって、第1部分の他の例を示す概略断面図である。 図3は、図1に示す熱線吸収シートの第1部分を拡大して示す概略断面図である。 図4は、日本における太陽の日周運動の一例を示す模式図であり、(a)に、夏至における太陽の日周運動を示し、(b)に、冬至における太陽の日周運動を示す。 図5は、図1に対応する図であって、法線方向に対して一方の側に傾斜して入射する光が第2部分を進んでいく状態を示す図である。 図6は、図1に示す窓の熱線吸収シートを製造する方法の一例を示す概略図である。 図7は、図1に対応する図であって、窓の変形例を示す概略断面図である。 図8は、図1に対応する図であって、熱線吸収シートの他の配置例を示す概略断面図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態による窓の主切断面を示す概略断面図である。 図10は、図9に示す線X−Xに沿った窓の断面を示す概略断面図である。 図11は、図9に対応する図であって、窓の変形例を示す概略断面図である。 図12は、図11に示す線XII−XIIに沿った窓の断面を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1乃至図8は、本発明による第1の実施の形態およびその変形例を説明するための図であり、図9乃至図12は、本発明による第2の実施の形態およびその変形例を説明するための図である。まず、第1の実施の形態について説明する。
≪第1の実施の形態≫
図1は、本発明の第1の実施の形態による窓の主切断面での概略断面図である。図1に示すように、本実施の形態による窓1は、採光用の窓材2と、窓材2に積層された熱線吸収シート10と、を備えている。この窓1は、光源からの光の入射方向に応じて、熱線の遮断および可視光線の透過を選択的に行うものである。なお、ここでいう光源からの光とは、少なくとも可視光領域または赤外光領域に波長を有する光であれば特に限定されるものではなく、例えば、太陽光等の自然光、赤外線LED、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の光源からの光が挙げられる。また、ここで説明する窓1は、上記光を発する光源の位置が変化する環境下で好適に用いられる。とりわけ、本実施の形態では、光源からの光として、季節や時間帯に応じて高度や方位が異なる太陽光を想定している。
さらに、本明細書において、可視光領域および赤外光領域とは、それぞれ一般的に定義される波長領域をいい、380nm〜780nmの範囲内を可視光領域、それよりも長波長領域を赤外光領域とする。また、本明細書において、赤外光領域の光のことを熱線と略す場合がある。つまり、熱線とは、可視光よりも長波長域の光のことであり、780nmを越える波長を有する赤外線を含む光をいう。
(熱線吸収シート10)
先ず、熱線吸収シート10について説明する。図1に示すように、熱線吸収シート10は、第1面11と当該第1面11に対向する第2面12とを有している。本実施の形態では、太陽を光源として想定しており、窓1が家屋に設置された状態において、第1面11が屋外を向く入光側の面となり、第2面12が屋内を向く出光側の面となるようになっている。また、熱線吸収シート10は、その第1面11に設けられた接合層3を介して、窓材2に接合されている。
図1に示すように、熱線吸収シート10は、窓1が家屋に設置された状態において、鉛直方向に延びる長手方向ld(図10参照)を有し、長手方向ldと交差する配列方向pdに配列された複数の第1部分20と、配列方向pdに第1部分20と交互に配列された複数の第2部分30と、を備えている。図示された例において、熱線吸収シート10は、第1部分20及び第2部分30を支持するシート状の支持部19をさらに備えている。この支持部19は、第2部分30と一体的に形成されており、第2部分30とともに主部13を形成している。言い換えると、熱線吸収シート10は、複数の溝14を形成された13と、主部13の複数の溝14内にそれぞれ形成された第1部分20と、を備えている。主部13の各溝14は、窓1が設置された状態にて鉛直方向に延びている。複数の溝14は、鉛直方向と直交する水平方向に配列されている。そして、主部13のうちの隣り合う溝14の間の部分が、第2部分30を画成している。
このうち、溝14内に形成された第1部分20は、熱線を吸収する機能を有している。第1部分20は、図1に示すように、熱線吸収シート10の第1面11をなす底面21と、配列方向pdにおける一方の側となる底面21の端部から延び出た第1側面22と、配列方向pdにおける他方の側となる底面21の端部から延び出た第2側面23と、を有している。なお、図示する例では、窓1が家屋に設置された状態において、配列方向pdにおける一方の側が東西における西側に配置され、配列方向pdにおける他方の側が東西における東側に配置されている。
第1側面22および第2側面23は、底面21から第2面12に向かって延びている。図1に示された例では、第1側面22および第2側面23の底面21とは反対側の縁部が互いに接続されている。とりわけ、図1に示された例では、底面21、第1側面22および第2側面23が平坦面として形成されており、第1部分20は、主切断面において三角形形状をなしている。
ただし、主切断面における第1部分20の断面形状は、三角形形状である必要はなく、種々の形状を有するようにしてもよい。例えば、主切断面における第1部分20の断面形状は、三角形の一以上の角、例えば底面21から離間した角が面取りされてなる形状となっていてよい。また、図2に示された例のように、第1側面22及び第2側面23の底面21から離間する側の縁部間を延びる上面24が設けられていてもよい。図2に示された例では、第1側面22の先端と第2側面23の先端とが、第2面12と平行に延びる上面24を介して接続されている。とりわけ図2に示す例では、底面21、第1側面、第2側面23及び上面24が平坦面として形成され、第1部分20が主切断面において台形形状となっている。さらに、他の例として、主切断面における第1部分20の断面形状が、台形の一以上の角を面取りされてなる形状となっていてもよい。
なお、主切断面とは、第1部分20の長手方向ldに直交する断面に沿った窓1の断面をいう。また、第1部分20の配列および断面形状については後にさらに詳しく説明する。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「三角形形状」、「台形形状」、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
次に、第1部分20を構成する材料について図3を参照して説明していく。図3は、図1に示す熱線吸収シート10の第1部分20を拡大して示す断面図である。図3に示すように、第1部分20は、熱線を吸収する熱線吸収材25を少なくとも含んでいる。本実施の形態の熱線吸収材25は、可視光線を透過しつつ熱線を吸収する、という機能を有している。
このような熱線吸収材25には、赤外光領域に吸収特性を有し、且つ、可視光領域に透過特性を有する粒子が用いられる。具体的には、熱線吸収材25として、透明性を有する無機ナノ粒子を用いることができ、例えば、アンチモン錫酸化物(ATO) 、インジウム錫酸化物(ITO)、六ホウ化ランタン(LaB)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、酸化タングステン、六ホウ化セリウム、無水アンチモン酸亜鉛および硫化銅またはそれらの混合物のナノ粒子等を用いることができる。
熱線吸収材25は、ナノ微粒子であることが好ましく、その平均粒径としては、例えば、1nm〜300nmのものが用いられる。熱線吸収材25の平均粒径が1nm以上であれば、熱線を吸収する機能を十分に得ることができる。一方、熱線吸収材25の平均粒径が300nmよりも大きいと、ヘイズを生じ熱線吸収シート10の透明性が低下する場合がある。好ましくは、熱線吸収材25の平均粒径として、1nm〜100nmのものが用いられる。なお、上記平均粒径は、透明熱線吸収粒子を電子顕微鏡で観察し、算術平均により求めた値である。
また、第1部分20に含まれる熱線吸収材25の含有率は、第1部分20の全質量(100%)に対して、一例として、0.1質量%〜50質量%の範囲内の値とすることができる。
加えて、第1部分20は、黒色粒子26を含んでいてもよい。本実施の形態において、第1部分20と第2部分30との界面で光の屈折率差を有するため、上記界面で反射された可視光線は、上記熱線吸収シート10内において繰り返し多重反射を起こす場合もあり得る。その結果、反射光と入射光とが干渉して、上記熱線吸収シート10を介して硯認される像が多重像となるおそれもある。本実施の形態では、第1部分20が黒色粒子26を含むため、第1部分20に光が入射する際に黒色粒子26が可視光線の一部を吸収し、第1部分20と第2部分30との界面において反射する可視光線の強度を減衰させることができる。これにより、熱線吸収シート10内での可視光線の多重反射の発生および干渉現象の発生を抑制することができ、熱線吸収シート10全体の可視光領域における透過率を大幅に低減させることなく、多重像の発現を抑制することができる。
第1部分20に含まれる黒色粒子26としては、例えば黒色顔料等が挙げられ、具体的には、カーボンブラック、黒鉛、窒化チタン、Cu、Fe、Mn等の複合酸化物、黒色酸化鉄、二酸化マンガン等の金属酸化物およびその混合物、アニリンブラック等の黒色顔料を用いることができる。また、上記黒色粒子は、可視光領域の光をほぼ全領域に渡って吸収するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、紺色、青色、紫色等の青みを帯びた粒子、赤みを帯びた粒子、黄色みを帯びた粒子等でもよい。さらに、上記黒色粒子は、複数種類の顔料等を混ぜ合わせて黒色とした粒子であってもよい。なお、上記黒色粒子は1種類であってもよく、2種類以上の黒色を示す粒子を配合したものであってもよい。このような黒色粒子26の含有率は、一例として、第1部分20の全質量(100質量%)に対して、0.01質量%〜10質量%の範囲内で用いられる。
第1部分20は、上述した熱線吸収材25および黒色粒子26の他に、バインダ樹脂、光開始剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいてもよい。このうち、バインダ樹脂は、電離放射線の照射により硬化し得る材料からなる。なお、電離放射線とは、電磁波が有する量子エネルギーで区分することもあるが、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、γ線、X線、電子線、活性エネルギー線等を意味する。
バインダ樹脂27の材料としては、構造中にラジカル重合性の活性基を有するモノマー、オリゴマー、またはポリマーを主成分として重合された電離放射線硬化性樹脂が用いられ得る。この電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂を用いることが好ましく、具体的には、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の反応性オリゴマー、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等の反応性のモノマー等が挙げられる。
また、第1部分20に含まれるバインダ樹脂27は、可視光領域の光の屈折率が小さいものが好ましい。上述した熱線吸収材25を構成する材料は、可視光領域の光の屈折率が大きいものが多く、バインダ樹脂27の屈折率を小さくすることで、第1部分20全体の屈折率を調整することができる。そして、第1部分20全体の屈折率を第2部分30を含む主部13の屈折率に合わせることで、第1部分20と第2部分30との界面において、可視光線が反射乃至屈折することを抑制することができ、この結果、可視光線を屋内に有効に取り込むことができる。
第1部分20におけるバインダ樹脂27の含有率は、第1部分20の全質量(100質量%)に対して、一例として、40質量%〜98質量%の範囲内の値とすることができる。
次に、配列方向pdに第1部分20と交互に配列された第2部分30について説明する。第2部分30は、太陽光等の光源からの光を透過して、屋内に光を取り込むための部分である。上述したように、第2部分30は、主部13のうちの隣り合う溝14の間の部分によって画成されている。図示する例では、各第2部分30は、前記主切断面において、隣り合う溝14によって区画された略台形形状を有している。より詳細には、第2部分30は、第1面11上において隣り合う第1部分20の底面21の間を延びる第2底面31と、配列方向pdにおける一方の側に位置する第1部分20の第2側面23と、配列方向pdにおける他方の側に位置する第1部分20の第1側面22と、配列方向pdにおける一方の側に位置する第1部分20の先端と配列方向pdにおける他方の側に位置する第1部分20の先端とを結ぶ仮想面としての上面34と、によって、略台形形状の断面を区画されている。
この第2部分30並びに第2部分30と一体的に形成されて主部13をなす支持部19に用いられる材料として、例えば、電離放射線の照射により硬化する材料、すなわち電離放射線硬化性樹脂が用いられる。上記電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。このうち紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂としては、一例として、従来から慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。また、主部13の材料として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合開始剤を併用することが好ましい。
さらに、第2部分30および支持部19は上述した材料に加え、耐候性をさらに向上させるために、紫外線吸収剤(UVA)を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば酸化チタン等の無機系、および、トリアジン系等の有機系、のいずれであってもよい。さらに、第2部分30および支持部19は、さらにハードコート性や光安定剤(HALS)や耐傷フィラー、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤等の添加剤を含有してもよい。
また、第2部分30および支持部19は、可視光領域において所望の透過率を有するように調整され得る。第2部分30および支持部19の可視光領域における平均透過率は、一例として、70%以上に調整される。前記平均透過率が上記範囲を満たすと、熱線吸収シート10全体としての可視光領域における透過率を十分に得られるため、熱線吸収シート10の外観が暗くなることや、室内等へ十分な採光が確保できずに室内等の照度が不足することを効果的に抑制することができる。なお、可視光領域における平均透過率は、測定対象となる部位をなすようになる材料を、後述する基材フィルムとしての東洋紡績製PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、厚さ100μm)の上に膜厚1μmで成膜し、分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値である。
ところで、光源として太陽を想定した場合、季節に応じて太陽の日周運動は変化する。図4(a)および(b)に、日本における太陽の日周運動の一例を示す。このうち、図4(a)は、夏至における太陽の日周運動を示す斜視図であり、図4(b)は、冬至における太陽の日周運動を示す斜視図である。図4(a)に示すように、夏至では、太陽は、真東よりも北側となる方角から登り、正午に南の方角にて最大の南中高度をとり、その後に真西の方角を通過して真西よりも北側となる方角にて沈む。一方、図4(b)に示すように、冬至では、太陽は、真東よりも南側となる方角から登り、正午に南の方角にて最小の南中高度をとり、真西の方角に到達することなく、真西よりも南側となる方角にて沈む。従って、窓1が真西およびその周囲の方角からの太陽光を受けることができるように設置された場合、夏には日没直前の夕方の西日が真西よりも北側となる方角から屋内に入射する一方で、冬には日没直前の夕方の西日が真西よりも南側となる方角から屋内に入射する。昨今では、この夏の西日を遮断しつつ、冬の西日を有効に屋内に取り込むことができるような窓1が、更なる省エネの要求から所望されている。本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、このような要求に応える窓1が、第1部分20の配列および断面形状を適切に設定することにより実現され得ることを見出した。
先ず、前提として、図1に示すように、第1部分20の長手方向ldに直交する主切断面における各第1部分20の底面21と第1側面22とがなす角度をθ、前記主切断面における第1部分20の底面21と第2側面23とがなす角度をθ、とする。また、前記主切断面における、第1部分20と、当該第1部分20に配列方向pdにおける前記一方の側から隣り合う他の一つの第1部分20と、の配列方向pdに沿った離間間隔をd、前記主切断面における配列方向pdに直交する熱線吸収シート10の厚さ方向への当該第1部分20の高さをh、とする。
なお、本実施の形態において、第1部分20の長手方向ldは、第1部分20の配列方向pdに直交している。また、本明細書において、熱線吸収シート10の厚さ方向は、熱線吸収シート10のシート面に対する法線方向に一致する。ここで、「シート面(板面)」とは、対象となる板状乃至帯状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材の平面方向と一致する面のことを指す。本実施の形態では、熱線吸収シート10の第1面11及び第2面12は、熱線吸収シート10のシート面と平行になっている。また、当該熱線吸収シート10のシート面は、窓材2のシート面と平行になっている。従って、熱線吸収シート10の法線方向と窓材2の法線方向とは、一致し、これらを同一の符号ndを用いて表記する。
第1の条件として、
45°≦θ2<θ1≦90° …(1)
となる関係を満たすように設定される。すなわち、主切断面での第1部分20の断面形状において、底面21と第2側面23とによって画成される角は鋭角となり、底面21と第1側面22とによって画成される角は鋭角または直角となる。45°≦θ、45°<θの関係を満たすことにより、熱線吸収シート10の厚み方向ndにおける第1側面22および第2側面23の長さを十分に確保することができ、結果として、第1部分20の高さhを十分に確保することができるようになる。逆に、高さhを確保して、角度θ<45°または角度θ<45°とすると、底面21の長さを長く確保しなければならなくなり、法線方向ndに沿って入射する光の熱線を各第1部分20にて多く吸収してしまい好ましくない。
一方、θ<90°、θ≦90°を満たすことにより、第1面11において第2部分30に概ね法線方向ndに沿って入射した光の熱線を第1側面22乃至第2側面23によって意図せず遮断してしまうことを効果的に抑制することができる。
さらに、式(1)によれば、底面21と第2側面23とがなす角度θ<底面21と第1側面22とがなす角度θが満たされている。これにより、窓材2の板面に対する法線方向nd、言い換えると、前記厚み方向に対して一方の側に傾斜して入射した光L1と、法線方向ndに対して他方の側に傾斜して入射した光L3と、に対して互いに異なる熱線吸収機能を発現することができる。具体的には、法線方向ndに対して一方の側に傾斜して入射した光L1の方が、法線方向ndに対して他方の側に傾斜して入射した光L3よりも、第1部分20の内部に入射して熱線を吸収され易くなる。図示する例では、前述したように、窓1が家屋に設置された状態において、配列方向pdにおける一方の側が東西における西側に配置される。従って、例えば窓材2の法線方向ndが南の方角を向くように窓1が家屋に設置された場合、西日のような法線方向ndに対して西側に傾斜して入射した光L1の方が、朝日のような法線方向ndに対して東の側に傾斜して入射した光L3よりも、熱線を吸収され易くなる。
次に、第2部分30の屈折率、つまり主部13の屈折率をnとし、熱線吸収シート10の第1面11に入射する光が法線方向ndに対して傾斜する角度をθ3とすると、第2の条件として、
h>d×tan(90°-(sin-1((sinθ3)/n)) …(2)
20°≦θ3≦75°
となる関係を満たすように設定される。これらの条件のうち式(2)が満たされる場合、後述するように、第1部分20の長手方向に直交する面、すなわち窓1が設置された状態で水平面に投影された窓1への入射方向が、当該面上において窓1の法線方向(熱線吸収シート10の法線方向)ndに対して角度θ°以上をなすようになる光L13(図5参照)が、少なくとも、熱線吸収シート10の第1部分20に向かうようになる。すなわち、第1部分20への入射光の反射率が100%でないと仮定すると、第1部分20の長手方向に直交する面においての入射角度がθ°以上となるように配列方向pdにおける一方の側に傾斜して窓1に入射する入射光から、熱線を第1部分20によって吸収することができる。
式(2)について、図5を参照して更に説明していく。図5は、図1に対応する図であって、法線方向ndに対して一方の側に傾斜して入射する光が第2部分30を進んでいく状態を示す図である。図5に示すように、法線方向ndに対して配列方向pdにおける一方の側に傾斜して第2部分30に入射する各光L13〜L15は、第1面11において屈折して第2部分30を進んでいく。
このうち、光L13は、第1部分20の長手方向に直交する断面において(図5に示された面において)、隣り合う二つの第1部分20のうちの配列方向pdにおける一方の側に位置する第1部分20の底面21の配列方向pdにおける他方の側の端部を通過している。この光L13が、図5に示すように、隣り合う二つの第1部分20のうちの配列方向pdにおける他方の側に位置する第1部分20の底面21から厚さ方向に最も離間した頂部を通過する場合、主切断面での入射角度がθ°以上となる光(例えば、図5における光L14,L15)は、必ず、熱線吸収シート10内において第1部分20に向かうことになる。以下、図5に示された光L13の光路について検討する。
光L13の第1面11における屈折角をαとすると、スネルの法則によって、
1×sinθ3=n×sinα …(3)
となる。なお、図1に示すように、熱線吸収シート10の第1面1が窓1の入射面を形成していない場合においても、熱線吸収シート10よりも入光側に配置されたシート類の厚さが略一定である通常の形態であれば、式(3)が成り立つ。そして、式(3)をαについて整理すると、次の式(4)が得られる。
α=sin-1((sinθ3)/n) …(4)
次に、第1部分20の底面21から頂部までの厚さ方向に沿った高さをhとし、当該第1部分20の底面21の配列方向pdにおける一方の側の端部と、当該第1部分20の頂部と、の配列方向pdに沿った距離をd’とすると、熱線吸収シート10の第2部分30を角度αの傾斜角度で進行する光L13が、配列方向pdにおける他方の側に位置する第1部分20の頂部を通過することから、次の式が成り立つ。
h=(d+d')×tan(90°-α) …(5)
したがって、第1部分20の底面21の配列方向pdにおける他方の側の端部を通過した光は、次の式(6)が満たされる場合、その後に熱線吸収機能を有した第1部分20に向かう。第1部分20での反射率が100%で無いと仮定すると、第1部分20へ向かう光の少なくとも一部が第1部分20内を進み、当該光に含まれる熱線が第1部分20に吸収されるようになる。
h>(d+d')×tan(90°-α) …(6)
なお、熱線吸収シート10を採光用の窓に適用する場合には、比較的に可視光透過性が高い第2部分30の幅を広く確保することが好ましい。その一方で、熱線吸収シート10に優れた熱線吸収機能を付与する観点から、第1部分20の配列方向に沿った幅を狭くしながら、第1部分20の厚さ方向に沿った高さhを高く設定することが好ましい。このため、実際の熱線吸収シート10に対する式(6)の適用においては、d’は、dに比べて十分に小さくなり、d’を無視することができる。そして、d’を無視するとともに、式(4)を用いて式(6)からαを省くと、上述の式(2)が得られる。
以上のことから式(2)が満たされる場合、窓1が設置された状態で水平面に投影された窓1への入射方向が、当該面上において窓1の法線方向ndに対してθ°以上の角度をなすようになる光が、少なくとも、熱線吸収シート10の第1部分20を通過するようになる。この結果、窓1へ種々の方向から入射する光のうち、水平面に投影された窓1への入射角度がθ以上となるように配列方向pdにおける一方の側へ傾斜した方向から窓1へ入射する光から、熱線を第1部分20に集中的に吸収することが可能となる。
入射角度θ3は、第2部分30に入射する光および窓1の法線方向ndが向く方角に応じて適宜決定される。具体的には、第2部分30に入射する光を西日とし、窓材2の法線方向ndが南と西との間のいずれかの方角を向くと想定すると、夏の夕方における西日による室内温度の上昇を回避する観点からは、θ3の範囲を20°≦θ3≦75°とすることが有効である。θ3が20°未満になると、夕方の西方向からの日差し以外の光からも熱線を吸収することになり、特に冬場の温度下降を回避することを考慮すると、θ3の範囲を20°以上に設定することが好ましい。また、窓1への入射角度が非常に大きくなる光は、窓1で反射されやすくなり、窓1を透過して問題となる室内の温度上昇を来すことはない。このため、特に冬場の温度下降を回避することを考慮して、θ3の範囲を70°以下に設定することが好ましい。
ただし、冬場の夕日が照射されてくる方角は、夏場の夕日が照射されてくる方角よりも、大きく南側に寄っている。したがって、式(2)が満たされる場合、冬場の西日よりも夏場の西日の方が長時間に亘って、第1部分20に吸収されるようになる。また、図5に示された光L14のように、熱線吸収シート10の第2部分30を経て第1部分20に向かう光に関しては、第1部分20の第1側面22へ入射する際の角度は、より南側の方角から入射する光についてより大きくなる。一般的に、入射角度が大きくなると反射率は高くなる。この点から、夏の日没前の西日に含まれる熱線は、冬の日没前の西日に含まれる熱線と比較して、より高い割合で第1部分20内に進み入ることができ、より高い吸収率で第1部分20に吸収されるようになる。すなわち、熱線吸収シート10によれば、夏の西日に含まれる熱線をより効果的に、言い換えると、夏の西日に含まれる熱線をより選択的または集中的に吸収することができる。
例えば、東京において冬至に太陽が沈む方角は、南から西側へ51°ずれた方角である。したがって、θ3を51°に設定して上述した式(2)が満たされる場合、その法線方向ndが真南の方角を向くようにして配置された窓1によって、季節によらず、日没前の西日に含まれる熱線の少なくとも一部を吸収することが可能となる。なお、窓1の法線方向ndが真南に対してx°だけ西側へずれた方角に向くようにして当該窓1が設置されている場合に、窓の法線方向が真南を向いている場合と比較して、同一の方角から窓1に入射する太陽光の入射角度はx°だけ小さくなる。したがって、窓1の法線方向ndが真南からx°だけ西側へずれた方角に向くようにして当該窓1が設置されている場合、θ3を(51−x)°に設定して上述した式(2)が満たされるようになれば、季節によらず、日没前の西日に含まれる熱線の少なくとも一部を吸収することが可能となる。
あるいは、東京において春分および秋分に太陽が沈む方角は、真西である。従って、窓1の法線方向が南西の方角を向いている場合、東京において春分および秋分に太陽が沈む方角は、窓材2の法線方向ndに対して配列方向pdにおける一方の側に90°−45°=45°傾斜した方角となる。従って、θ3を45°に設定して上述した式(2)が満たされる場合、その法線方向ndが南西の方角を向くようにして配置された窓1によって、春分から秋分にかけては、春分および秋分に太陽が沈む方角よりも西側の方角から入ってくる西日に含まれる熱線を第1部分20によって効果的に吸収することができる。
あるいは、東京において夏至の14時45分に太陽が位置する方角は、真南から西側へ85°ずれた方角である。従って、窓1の法線方向ndが南西の方角を向いている場合、東京において春分および秋分に太陽が沈む方角は、窓材2の法線方向ndに対し、配列方向pdにおける一方の側に、85°−45°=40°傾斜した方角となる。従って、θ3を40°に設定して上述した式(2)が満たされる場合、その法線方向ndが南西の方角を向くようにして配置された窓1によって、夏至の14時45分以降に太陽が位置する方角よりも西側となる方角から窓1に入ってくる西日に含まれる熱線を第1部分20によって効果的に吸収することができる。
なお、窓1の法線方向ndが真南に対してx°だけ西側へずれた方角に向くようにして当該窓1が設置されている場合に、窓の法線方向が南西の方角を向いている場合と比較して、同一の方角から窓1に入射する太陽光の入射角度は45−x°だけ大きくなる。したがって、窓1の法線方向ndが真南からx°だけ西側へずれた方角に向くようにして当該窓1が設置されている場合、θ3を(90−x)°に設定して上述した式(2)が満たされるようになれば、春分から秋分にかけては、春分および秋分に太陽が沈む方角よりも西側の方角から入ってくる西日に含まれる熱線を第1部分20によって効果的に吸収することができる。また、窓1の法線方向ndが真南からx°だけ西側へずれた方角に向くようにして当該窓1が設置されている場合、θ3を(85−x)°に設定して上述した式(2)が満たされるようになれば、夏至の14時45分以降に太陽が位置する方角よりも西側となる方角から窓1に入ってくる西日に含まれる熱線を第1部分20によって効果的に吸収することができる。
ところで、式(1)と式(2)を用いて算出される高さhは、一例として、0.1μm〜750μm程度となる。
また、具体的には、角度θおよび角度θは、高さhと、窓材2の法線方向ndが向く方角と、に応じて適切に決定される。例えば、窓1の面する方角が南から西にズレていくにつれて、窓は、東からの光を採光し難くなり、西からの光を採光し易くなる。従って、窓1の面する方角が南から西にズレていくにつれて、東からの光の採光量の低下を抑制するよう、底面21と第2側面23とがなす角度θが小さくなるように決定していく、ということもできる。
また、第1部分20の底面21の長さは、角度θ、角度θおよび高さhに基づいて決定されるが、とりわけ、第1部分20が着色される場合には、第1部分20がストライプ状に視認されることを防止する観点から、一例として、50μm以下とすることが好ましい。
また、隣り合う第1部分20の配列方向pdに沿った離間間隔d、言い換えると、隣り合う二つの第1部分20のうちの配列方向pdにおける一方の側に位置する第1部分20の底面21の配列方向pdにおける他方の側の端部と、配列方向pdにおける他方の側に位置する第1部分20の底面21の配列方向pdにおける一方の側の端部と、配列方向pdに沿った間隔dは、一例として、0.1μm以上500μm以下に設定される。離間間隔dが上記範囲よりも大きいと、式(2)から理解されるように、第1面11において第2部分30に入射する入射角度θ°以上の光を、第1部分20によって遮ろうとすると、高さhが相当に大きくなる。このため、熱線吸収シート10の厚みが厚くなって、コストが嵩む。一方、離間間隔dが上記範囲よりも小さいと、第1面11において第2部分30に入射する光の割合が少なくなり、熱線や可視光線を十分に出光面側に透過させられなくおそれがある。また、工業上効率よく製造するためには、離間間隔dは、10μm以上であることが好ましい。
また、熱線吸収シート10は、第1部分20および第2部分30をなす主部13を支持し、熱線吸収シート10全体の形状を保持するために、フィルム状のフィルム基材(不図示)を有していてもよい。フィルム基材は、第1部分20の底面21が形成された面、および、当該第1部分20の底面21が形成された面と反対側の面、のいずれに積層されていてもよい。通常は、第1部分20を保護する観点から、フィルム基材は、第1部分20の底面21が形成された面に積層される。
フィルム基材としては、可視光領域の光に対して透明性を有し、第1部分20並びに第2部分30および支持部19を含む主部13を支持する強度を有するものであればよく、例えば、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、フッ素樹脂、ゴム等の樹脂フィルムを用いることができる。また、フィルム基材は、酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。なお、上記フィルム基材は、必要に応じて片面または両面に表面処理等を行っていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、クロム酸処理(湿式) 、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線照射処理等の酸化法による表面処理や、サンドブラスト法、溶剤処理法等の凹凸化法による表面処理、化学的表面処理等を用いることができる。
このような構成からなるフィルム基材の厚みは、一例として、50μm以上100μm以下に形成される。フィルム基材の厚みを50μm以上に確保することで、貼り付け対象の窓材2が割れた際の飛び散りを防止する飛散防止性能を十分に得ることができる。一方、フィルム基材の厚みが100μmを越えると、材料コストが嵩む上に、後述する、第2部分30及び支持部19を含む主部13を硬化させる際に照射される電離放射線のロスを生じる。
(窓材2)
次に、窓材2について説明する。窓材2は、断熱機能を有すると共に上記熱線吸収シート10を支持する機能も有している。この窓材2として、従来から用いられてきたそれ自体既知の窓材を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ガラス等が挙げられる。また、窓材2は、透明または半透明であってもよいし、可視光に対して不透明であってもよい。さらに、窓材2は、無色であっても着色されたものであってもよい。
(接合層3)
また、図1に示すように、本実施の形態の窓1は、熱線吸収シート10と窓材2との間にこれらに隣接して接合層3が配置されている。接合層3は、熱線吸収シート10と窓材2とを接合する。接合層3は、光源からの光によって劣化することがないよう光耐候性を有していることが好ましい。このような接合層3として、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、ゴム系等の粘着剤を用いることができる。中でもアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの重合体や共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤は、光耐候性に優れている。さらに、接合層3の光耐候性を向上させるべく、接合層3に紫外線吸収剤(UVA)や光安定剤(HALS)を含有させてもよい。この紫外線吸収剤として、例えば、ペンゾトリアゾール系、トリアジン系、ペンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系等が挙げられる。一方、光安定剤として、例えば、チヌビン123、チヌビン144、チヌビン292、チヌビン111FDL等が挙げられる。
このような接合層3は、例えば、上述した材料を、酢酸エチル、トルエン等の溶剤で希釈し固形分20質量%〜60質量%の塗布液を調製し、上記塗布液を剥離シート等に塗布したものを、熱線吸収シート10の第1面11に貼り付けることにより形成することができる。前記接合層3を塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロールコータ一等を用いることができる。このようにして形成される接合層3の厚みは、一例として、5μm〜100μm程度となる。
次に、以上のような構成からなる本実施の形態の作用について、図を参照しながら説明する。
図1に示すように、熱線吸収シート10の第1部分20の長手方向ldが鉛直方向に沿うように合わせ、第1部分20の配列方向pdにおける一方の側が東西における西側となるように、窓1が設置される。以下の説明では、窓材2の法線方向ndが南と西との間の方角を向くように窓1が設置された例を説明する。とりわけ、窓材2の法線方向ndが南と西との間の方角を向くように窓1が設置される場合、夏の夕方の太陽光線、すなわち西日に含まれる熱線を、選択的に、つまり他の方角からの太陽光線に含まれる熱線よりも高い率で吸収することができる機能を発揮することができる。
先ず、夏の夕方には、法線方向ndに対して西側に傾斜した方角、つまり配列方向pdにおける一方の側に傾斜した方角から、光L1が窓1に入射する。図4(a)から理解されるように、夏の夕方には、西日と呼ばれる太陽光線が真西よりもさらに北側となる方角から窓1に入射する。入射した光L1は、窓材2および接合層3を介して熱線吸収シート10に向かう。図1に示すように、この光L1は、法線方向ndに対して配列方向pdにおける一方の側に傾斜した方向から熱線吸収シート10へ入射するため、熱線吸収シート10内において、法線方向ndに沿って屋外側から屋内側に進むにつれて、配列方向pdにおいて一方の側から他方の側へと進む。このため、熱線吸収シート10内の第2部分30内に入射した光L1は、当該第2部分30に配列方向pdに沿った他方の側から隣接する第1部分20に接近していく。ここで、上述した式(2)が満たされている場合には、θ°以上の入射角度で窓1に入射する西日は、熱線吸収シート10の第1部分20の底面21に入射する、或いは、第2部分30内に入射した後に当該第2部分30と隣接する第1部分20の第1側面22に入射する。つまり、角度θ°によって特定されるある時間帯以降の西からの太陽光は、理論上必ず熱線吸収材25を含んだ第1部分20に入射する。この結果、これらの太陽光線に含まれる熱線が、第1部分20の熱線吸収材25によって効果的に吸収されるようになる。すなわち、夏の西日に含まれる熱線が、効果的に熱線吸収シート10によって遮られ、屋内に入射することを効果的に防止される。これにより、夏の夕方における屋内の温度上昇を効果的に抑制することができ、この温度上昇に起因した不快感を効果的に回避することができる。
一方、冬の夕方には、図4(b)に示すように、西日は、真西よりも南側となる方角から、窓1に入射する。つまり、冬場の夕日が照射されてくる方角は、夏場の夕日が照射されてくる方角よりも、大きく南側に寄っている。このため、水平面内へ投影した窓1への入射光の進行方向が窓1の法線方向ndに対してなす角度は、夏の西日と比較して冬の西日について、小さくなる。このため、冬の西日には、上述した式(2)におけるθ°未満の入射角度で窓1へ入射する光も多く含まれるようになり、これらの光の少なくとも一部は、図1における光L4のように、第1部分20内を進むことなく、熱線吸収シート10を透過するようになる。すなわち、冬の西日に含まれる熱線は、熱線吸収シート10によって過剰に吸収されることなく、屋内に取り込まれる。
これらの点から、夏の日没前の西日に含まれる熱線は、冬の日没前の西日に含まれる熱線と比較して、より高い割合で第1部分20内に進み入ることができ、この結果、より高い吸収率で第1部分20に吸収されるようになる。すなわち、熱線吸収シート10によれば、夏の西日に含まれる熱線をより効果的に、言い換えると、夏の西日に含まれる熱線をより選択的または集中的に吸収することができる。
また、夏および冬の夕方前の昼間には、主として、概ね法線方向ndに沿った光L2や、法線方向ndに対して他方の側に傾斜した光L3が、窓1に入射する。入射したこれらの光L2、L3は、窓材2および接合層3を介して熱線吸収シート10内を進んでいく。前者の概ね法線方向ndに沿った光L2の一部は、第1面11において第2部分30に入射すると、第1部分20を通ることなく熱線吸収シート10を透過することができる。とりわけ、本実施の形態では、隣り合う第1部分20の配列方向pdに沿った離間間隔dが十分に確保されているため、概ね法線方向ndに沿った光L2のうち、第1面11において第2部分30に入射する光L2を、十分に確保することができる。
一方、法線方向ndに対して配列方向pdにおける他方の側に傾斜した光L3は、熱線吸収シート10内において、法線方向ndに沿って屋外側から屋内側に進むにつれて、配列方向pdにおいて他方の側から一方の側へとずれる。このため、熱線吸収シート10の第2部分30内に入射した光L3は、当該第2部分30に配列方向pdに沿った一方の側から隣接する第1部分20の第2側面23に接近していく。本熱線吸収シート10においては、上述した式(1)のように、底面21と第2側面23とがなす角度θ<底面21と第1側面22とがなす角度θの関係を満たしつつ、角度θは、窓1の面する向きに合わせて適切に決定されている。このため、第1面11において第2部分30に入射する光L3は、当該第2部分30と一方の側に隣接する第1部分20の第2側面23に接近しながら法線方向ndに向かって進んでいくが、ある程度第2側面23に遮られることなく、熱線吸収シート10を透過することができる。
これらの点から、夕方の太陽光線に含まれる熱線は、夕方以外の時間帯の太陽光線に含まれる熱線と比較して、より高い割合で第1部分20内に進み入るようになり、この結果、夕方の太陽光線に含まれる熱線は、より高い吸収率で第1部分20に吸収されるようになる。すなわち、熱線吸収シート10によれば、夕方以外の時間帯の太陽光線に含まれる熱線を過剰に吸収してしまうことなく、夕方の太陽光線に含まれる熱線をより効果的に吸収することができる。言い換えると、熱線吸収シート10は、西日に含まれる熱線をより選択的または集中的に吸収することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、式(2)が満たされることによって、水平面内において窓1の法線方向ndに対して配列方向pdにおける一方の側にθ°以上傾斜した方角から窓1内に入射する光に含まれる熱線を、第1部分20によって効果的に吸収することができる。一方、式(1)が満たされることによって、法線方向ndに対して配列方向pdにおける他方の側に傾斜して窓1に入射する光に含まれる熱線は、少なくとも法線方向ndに対して配列方向pdにおける一方の側に同一角度で傾斜して窓1に入射する光に含まれる熱線よりも、第1部分20によって吸収され難く、比較的に高い透過率にて熱線吸収シート10を透過することができる。また、概ね法線方向ndに沿って窓1へ入射する光L2の多くは、第1面11において第2部分30に入射し、第1部分20に入射することなく熱線吸収シート10を透過することができる。従って、このような形態によれば、水平方向における光源の位置に応じて、光源からの熱線を選択的且つ効果的に遮断することできる。
また、本実施の形態によれば、窓1が設置された状態において、第1面11が入光側の面となり、配列方向pdにおける一方の側が東西における西側に配置される。このような形態によれば、式(1)および式(2)を満たしつつ、窓材2の法線方向ndが向く方角に応じて角度θを選定することで、夕方以外の時間帯の太陽光線に含まれる熱線を過剰に吸収してしまうことなく、夕方の太陽光線に含まれる熱線をより効果的に吸収することができる。また、夏の西日が照射される方角が、冬の西日が照射される方角と異なることから、熱線吸収シート10によって、夏の西日に含まれる熱線をより効果的に、言い換えると、夏の西日に含まれる熱線をより選択的または集中的に吸収することができる。これにより、夏の西日に含まれる熱線によって屋内の温度が上昇することを効果的に抑制する一方で、冬の西日および夏冬の夕方前の昼間の光を有効に屋内に取り込んで、屋内を明るく保ち且つ屋内を暖めることができる。
また、本実施の形態によれば、上述したように、夏の西日に含まれる熱線によって屋内の温度が上昇することを効果的に抑制することができる一方で、冬の西日および夏冬の夕方前の昼間の光を有効に屋内に取り込んで、屋内を明るく保ち且つ屋内を暖めることができる。これにより、年間を通じて屋内の温度を適度に保つことができ、省エネルギー効果、とりわけ冷暖房を効率よく利用することによる省エネルギー効果に大きく貢献する。
≪製造方法≫
次に、主として図6を参照して、熱線吸収シート10を製造する方法について、説明する。図6は、図1に示す熱線吸収シート10を製造する方法の一例を示す概略図である。
図6に示すように、前記フィルム基材からなる基材シート111が、ロール状の原反112から繰り出され、熱線吸収シート10の主部13に形成される溝14を賦型するためのロール状の型114と加圧ローラ113との間に供給される。次に、紫外線硬化性樹脂供給部115から供給される紫外線硬化性樹脂122が、基材シート111とロール状の型114との間に供給される。そして、基材シート111と紫外線硬化性樹脂122とが、加圧ローラ113とロール状の型114とによって挟持されて、当該ロール状の型114の外周に沿って搬送される。ロール状の型114の外周近傍には、紫外線ランプ116が配置されており、当該紫外線ランプ116から紫外線が照射され、搬送中の紫外線硬化性樹脂122が硬化させられると共に紫外線硬化性樹脂122に溝14が形成される。硬化した紫外線硬化性樹脂122は、基材シート111に固着して、中間シート123が形成される。中間シート123は、剥離ローラ117によって、ロール状の型114から剥離される。以上の工程により、基材シート111および基材シート111上に賦型された紫外線硬化性樹脂122の硬化物からなる支持部19が得られる。
続いて、熱線吸収材25および黒色粒子26を含む紫外線硬化性樹脂124が、供給装置118から供給されて中間シート123の溝14に充填される。このとき、溝14に入らなかった紫外線硬化性樹脂124は、ドクター120によって掻き取られる。中間シート123の溝14に充填された紫外線硬化性樹脂124は、紫外線ランプ121から照射される紫外線によって硬化させられる。硬化した紫外線硬化性樹脂124と中間シート123とから熱線吸収シート10が得られる。
そして、熱線吸収シート10の入光側の面をなす第1面11に、接合層3を介して窓材2が接合され、窓1が作製される。
≪変形例≫
上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述した第1の実施の形態では、図1に示すように、窓1が設置された状態において、熱線吸収シート10の第1面11が入光側の面となり、配列方向pdにおける一方の側が東西における西側に配置される例を示したが、熱線吸収シート10の入光面および出光面の配置は、上述した例に限定されない。図7に、熱線吸収シート10の入光面および出光面の他の配置例を示す。図7に示す例では、窓1’が設置された状態において、第2面12が入光側の面となり、配列方向pdにおける一方の側が東西における東側に配置されている。
このような形態によれば、式(1)が満たされることにより、窓材2の板面に対する法線方向ndに対して一方の側に傾斜して入射した光L23と、法線方向ndに対して他方の側に傾斜して入射した光L21と、に対して互いに異なる熱線吸収機能を発現することができる。具体的には、法線方向ndに対して他方の側に傾斜して入射した光L21の方が、法線方向ndに対して一方の側に傾斜して入射した光L23よりも、熱線を吸収され易くなる。また、式(2)が満たされることにより、法線方向ndに対して他方の側に傾斜する光L21、L24のうち、第1面11における入射角度θ3°以上で第2部分30に入射する光21を、第1部分20によって遮ることができる。従って、このような形態であっても、本実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、上述した第1の実施の形態では、図1に示すように、熱線吸収シート10の入光側の面をなす第1面11に、接合層3を介して窓材2が接合されている。つまり、熱線吸収シート10は、窓材2等の被着体の出光面側に貼付ける「内貼り用」として使用された例を示したが、熱線吸収シート10の配置例は、上述した例に限定されない。図8に、熱線吸収シート10を窓材2に貼り付ける他の例を示す。図8に示す窓1’’の例では、熱線吸収シート10は、窓材2等の被着体の入光面側に貼付ける「外貼り用」として使用されている。つまり、熱線吸収シート10は、その出光側の面をなす第2面12に設けられた接合層3を介して、窓材2に接合されている。
さらに、上述した実施の形態において、窓1が、窓材2、接合層3及び熱線吸収シート10からなる例を示したが、この例に限られず、熱線吸収シート10が単独で窓1を形成するようにしてもよいし、さらに他のシート類が窓1に含まれるようにしてもよい。熱線吸収シート10が単独で窓1を形成する場合、熱線吸収シート10の第2部分30が支持部19とともにガラス等の高剛性の材料によって形成されるようにしてもよい。また、窓1に含まれる他のシート類としては、反射防止シートを例示することができる。
≪第2の実施の形態≫
次に、図9および図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態による窓の主切断面を示す概略断面図であり、図10は、図9に示す線X−Xに沿った窓の断面を示す概略断面図である。図9および図10を参照して説明する第2の実施の形態は、第1の実施の形態における窓1に対して第2熱線吸収シート50を更に備えている。その他の構成は、第1の実施形態およびその変形例と同様に構成することができる。第2の実施の形態に関する以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態およびその変形例と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態およびその変形例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図9および図10に示すように、窓200は、窓材2に積層された第2熱線吸収シート50をさらに備えている。図示する例では、第2熱線吸収シート50は、熱線吸収シート10の第2面12に第2接合層4を介して接合されている。ただしこのような例に限定されず、窓材2と熱線吸収シート10と第2熱線吸収シート50とは、入光面側から出光面側にかけて任意の順で配列され得る。
この第2熱線吸収シート50は、窓200が家屋等に設置された状態において、水平方向に延びる第2長手方向ld2を有し、当該第2長手方向ld2と交差する第2配列方向pd2に配列された複数の第3部分60と、第2配列方向pd2に第3部分60と交互に配列された複数の第4部分70と、を有している。具体的には、第2熱線吸収シート50を構成する主部53に、水平方向に延びる複数の第2溝54が形成されており、第3部分60は、当該第2溝54内に形成されている。主部53は、複数の第3部分60と、第3部分60および第4部分70を支持するシート状の第2支持部59と、を含んでいる。そして、主部53に形成された隣り合う第2溝54の間に、第4部分70が画成されている。
なお、本実施の形態では、第3部分60の第2長手方向ld2と、第1部分20の配列方向pdとは、平行になっている。また、第3部分60の第2配列方向pd2と、第1部分20の長手方向ldとも、平行となっている。
このうち、第2溝54内に形成された第3部分60は、熱線を吸収するために設けられている。図10に示すように、各第3部分60は、第2長手方向ld2に直交する断面において、略矩形状の断面を有している。ただし、第3部分60の断面形状は特に限定されるものではなく、矩形状以外の三角形形状や台形形状等とすることができる。
また、第3部分60は、熱線を吸収する熱線吸収材を少なくとも含んでいる。第3部分60を構成する材料については、上述した熱線吸収シート10の第1部分20を構成する材料と同一にすることができるため、これ以上詳細な説明を省略する。
次に、第2配列方向pd2に第3部分60と交互に配列された第4部分70について説明する。第4部分70は、太陽光等の光源からの光を透過して、屋内に光を取り込むための部分である。上述したように、第4部分70は、主部54に形成された隣り合う第2溝54の間に区画されている。図示する例では、各第4部分70は、第2長手方向ld2に直交する切断面において、隣り合う第2溝54によって区画された略矩形形状の断面を有している。この第4部分70を構成する成分については、上述した熱線吸収シート10の第2部分30を構成する成分と略同様なため、これ以上詳細な説明を省略する。
このような第3部分60の高さ、つまり法線方向ndに沿った長さは、第2熱線吸収シート50の大きさ等により適宜設定され得るが、例えば10μm〜300μmの範囲内に設定される。第3部分60の高さを上記範囲内とすることにより、例えば夏季の太陽光のように高い高度から入射する光が、第3部分60の広範囲に入射しやすくなり、高い高度からの入射光に含まれる熱線を十分に吸収することができる。
一方、第3部分60の幅は、一例として、5μm〜50μmの範囲内に設定される。第3部分60の幅が上記範囲よりも大きいと、第2熱線吸収シート50全体として熱線を透過し難くなるおそれがある。一方、上記範囲よりも小さいと、第3部分60の高さを上述の範囲とすることができない場合や、上記第3部分60が熱線に対して所望の吸収率を有さない場合がある。
また、隣り合う第3部分60の離間間隔は、一例として、30μm〜200μmの範囲内に設定される。前記離間間隔が上記範囲よりも大きいと、法線方向ndに対して鉛直上方に大きく傾斜した光が第3部分60に入射し難くなり、熱線を十分に吸収することができないおそれがある。一方、上記範囲よりも小さいと、第4部分70において熱線を透過し難くなるおそれがある。
このような第2熱線吸収シート50によれば、高い高度から入射する夏季の熱線を第3部分60によって効果的に吸収することができ、低い高度から入射する冬季の熱線を屋内に有効に透過させることができる。
一方、夏季であっても、夕方の西日のように低い高度から太陽光が入射する場合には、このような第2熱線吸収シート50では、当該太陽光に含まれる熱線を第3部分60によって効果的に吸収することができない。この点、本実施の形態によれば、窓1が熱線吸収シート10を備えるため、低い高度から入射する夏の西日に含まれる熱線をも第1部分20によって効果的に吸収することができる。他方で、上述したように、熱線吸収シート10によれば、冬の西日に含まれる熱線をある程度有効に屋内に取り込むことができる。
従って、窓200が南と西との間の方角に面する場合には、夏季の熱線を第1部分20および第3部分60によって効果的に吸収することができ、冬季の熱線をある程度屋内に有効に透過させることができる。この結果、光の入射角度に応じて、熱線を選択的且つより効果的に遮断する採光機能をもつ窓200を実現することができる。
なお、上述した第2の実施の形態において、第3部分60を熱線吸収シート10に形成して、第2熱線吸収シート50を設けない態様も想定され得る。図11および図12に、第3部分を熱線吸収シートに形成した例を示す。図11および図12に示す窓300では、熱線吸収シート10の主部13の第2面12をなす側の面に複数の第2溝54が形成され、当該第2溝54内に第3部分60が形成されている。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 窓
2 窓材
3 接合層
4 第2接合層
10 熱線吸収シート
11 第1面
12 第2面
13 主部
14 溝
19 支持部
20 第1部分
21 底面
22 第1側面
23 第2側面
25 熱線吸収材
26 黒色粒子
27 バインダ樹脂
30 第2部分
31 第2底面
34 上面
50 第2熱線吸収シート
60 第3部分
70 第4部分

Claims (7)

  1. 第1面と前記第1面に対向する第2面とを有する熱線吸収シートを少なくとも備える窓であって、
    前記熱線吸収シートは、
    前記窓が設置された状態にて鉛直方向に延びる長手方向を有し、前記長手方向と交差する配列方向に配列された複数の第1部分と、
    前記配列方向に前記第1部分と交互に配列された複数の第2部分と、を含み、
    前記第1部分は、前記第1面をなす底面と、前記配列方向における一方の側となる前記底面の端部から延び出た第1側面と、前記配列方向に他方の側となる前記底面の端部から延び出た第2側面と、を有し、
    前記第1部分は、熱線を吸収する熱線吸収材を含み、
    前記第1部分の前記長手方向に直交する主切断面における各第1部分の前記底面と前記第1側面とがなす角度θ、前記主切断面における当該第1部分の前記底面と前記第2側面とがなす角度θ、前記主切断面における当該第1部分と当該第1部分に前記配列方向における前記一方の側から隣り合う他の一つの第1部分との前記配列方向に沿った離間間隔d、前記主切断面における前記配列方向に直交する厚さ方向への当該第1部分の高さh、前記第2部分の屈折率n、および、角度θが、次の条件を満たす、窓。
    45°≦θ2<θ1≦90°
    h>d×tan(90°-(sin-1((sinθ3)/n))
    20°≦θ3≦75°
  2. 前記窓が設置された状態において、前記第1面が入光側の面となり、前記配列方向における前記一方の側が東西における西側に配置される、請求項1に記載の窓。
  3. 前記窓が設置された状態において、前記第2面が入光側の面となり、前記配列方向における前記一方の側が東西における東側に配置される、請求項1に記載の窓。
  4. 角度θは、51°である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の窓。
  5. 角度θは、45°である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の窓。
  6. 角度θは、40°である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の窓。
  7. 前記熱線吸収シートと積層された第2熱線吸収シートをさらに備え、
    前記第2熱線吸収シートは、
    前記窓が設置された状態にて水平方向に延びる第2長手方向を有し、前記第2長手方向と交差する第2配列方向に配列された複数の第3部分と、前記第2配列方向に前記第3部分と交互に配列された複数の第4部分と、を有し、
    前記第2熱線吸収シートの前記第3部分は、熱線を吸収する熱線吸収材を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の窓。
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