JP2014157012A - 換気ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】通路の閉鎖時に強風により羽根に大きな風圧が加わっても、羽根を通路の閉鎖状態に維持できて、通路の閉塞を完全に行うことができ、しかも、好ましい例では、羽根を正確に回転できて、羽根及びシール部材の損傷を回避できる上に、意図した自然換気を行える換気ダンパを提供すること。
【解決手段】換気ダンパ1は、入口孔2及び出口孔3を有する通路4を内部に形成したフレーム5と、A及びB方向の回転により通路4を開閉するようにフレーム5内に回転自在に配されていると共に羽根本体部6及び羽根本体部6の軸方向Xの両端に側端部7を有している羽根手段8と、羽根手段8による通路4の開閉を行わせるべく羽根手段8を強制的に回転させる回転手段12と、羽根手段8を通路開放位置に向かってA方向に回転させる回転モーメントを羽根手段8に常時付与する重錘手段13とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、事業用ビル、事務所ビル、集合住宅、戸建住宅、倉庫等の室内と室外との通気のために、これらの壁等に取り付けて通気の程度を制御する換気ダンパに関する。
通常、この種の換気ダンパでは、通路を規定するフレーム内に羽根が回転自在に配され、羽根の回転により通路の開度を決定して、通路を介する通気の程度を制御するようにしている。
特開平10−184398号公報 特開2003−21385号公報
ところで、換気ダンパでは、通路の閉鎖のために羽根を強制的に回転させる電動モータが用いられるが、この電動モータの出力回転軸を直接に又は単に減速歯車機構を介して単に羽根の回転軸に連結すると、通路の閉鎖時に強風により羽根に大きな風圧が加わると、電動モータの出力回転軸が回転されて羽根も回転され、通路の閉鎖を維持できない虞がある。
加えて、電動モータの出力回転軸の回転を正確に制御しないと、通路の閉鎖において羽根をシール部材等に強く接触して、羽根及びシール部材を損傷させてしまう虞がある一方、逆に、通路を強制閉鎖したにも拘わらず、羽根とシール部材との間に隙間が生じて、通路の完全閉鎖を達成できなくなる虞れもあり、更に、通路の完全開放での羽根の回転を妨げて、意図した自然換気を行えない場合もある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、通路の閉鎖時に強風により羽根に大きな風圧が加わっても、羽根を通路の閉鎖状態に維持できて、通路の閉塞を完全に行うことができ、しかも、好ましい例では、羽根を正確に回転できて、羽根及びシール部材の損傷を回避できる上に、意図した自然換気を行える換気ダンパを提供することにある。
本発明による換気ダンパは、入口孔及び出口孔を有する通路を内部に形成したフレームと、回転により通路を開閉するようにフレーム内に回転自在に配されていると共に通路を通過する空気流により通路閉塞位置に向かう回転モーメントを生じるようになっている羽根手段と、この羽根手段を強制的に回転させる回転手段とを具備しており、この回転手段は、出力回転軸を有した回転力発生手段と、この回転力発生手段により発生された回転力を羽根手段に伝達する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、回転力発生手段の出力回転軸に連結されたウオーム軸と、このウオーム軸のウオーム歯に噛合うはすば歯車とを具備しており、出力回転軸の回転を互いに噛合うウオーム軸及びはすば歯車を介して羽根手段に伝達するようになっている。
斯かる換気ダンパによれば、回転力発生手段の出力回転軸に連結されたウオーム軸と、このウオーム軸のウオーム歯に噛合うはすば歯車とを具備した伝達手段が出力回転軸の回転を互いに噛合うウオーム軸及びはすば歯車を介して羽根手段に伝達するようになっているために、羽根手段から出力回転軸への回転伝達を、ウオーム軸及びはすば歯車の噛合いで阻止でき、而して、通路の閉鎖時に強風により羽根手段に大きな風圧が加わっても、羽根手段を通路の閉鎖状態に維持できて、通路の閉塞を完全に行うことができる。
しかも、本換気ダンパによれば、通路を通過する空気流により通路閉塞位置に向かう回転モーメントを羽根手段に生じさせるようになっているために、例えば羽根手段が通路開放位置にもたらされる際に当該羽根手段が通路閉塞位置に向かう方向に自由回転自在となっていると、通路の風速に基づく定風量制御を行い得、したがって、室内外に大きな気圧差が生じて通路に一定以上の流速の空気流、例えば3m/sec以上の空気流が生じる際に、この空気流を利用して自然に通路の閉塞を行い得、而して、強風等により通路を介して室内に対して必要以上に空気が導出入されて、室内に不快な空気流が生じることをなくし得ると共に室外の塵埃を室内に持ち込むようなことをなくすことができ、加えて、室内の空気が必要以上に換気されて空調効果が低下するような不都合をなくし得て、これを補うための空調電力の増大を防ぐことができる。
本発明の好ましい例の換気ダンパでは、回転力発生手段は、前記の出力回転軸を有したパルスモータと、このパルスモータの出力回転軸の回転を検出する検出器とを具備しており、パルスモータは、その出力回転軸の回転においてその回転量が検出器からの検出信号に基づいて決定されるべく、駆動制御されるようになっている。
斯かる例の換気ダンパによれば、回転力発生手段がパルスモータ、所謂、ステップモータを具備し、このパルスモータの出力回転軸の回転量が検出器からの検出信号に基づいて決定されるべく、パルスモータが駆動制御されるようになっているために、パルスモータの出力回転軸の回転を正確に行うことができ、而して、羽根手段を正確に回転できて、羽根手段及びフレームに設けたシール部材等の損傷を回避できる上に、意図した自然換気を行える。
本発明による換気ダンパでは、回転力発生手段により発生された回転力でもってのみ羽根手段が回転されるようにして、羽根手段が自由回転できないように構成してもよいが、好ましい例では、伝達手段は、羽根手段が通路開放位置に回転された際に、通路閉塞位置に向かう羽根手段の自由回転を許容するようになっており、この例では、通路開放位置で、通路の風圧に応じて羽根手段を回転できる結果、通路の強制開閉を行い得る上に、通路の風速に応じた自然換気、即ち、定風量制御をも行い得る。
他の好ましい例では、換気ダンパは、羽根手段を通路開放位置に向かって回転させる回転モーメントを羽根手段に常時付与する重錘手段を更に具備しており、斯かる例の換気ダンパは、無風下では、羽根手段を通路開放位置にもたらせることができ、風速に応じて迅速な自然換気を行い得る。
重錘手段を具備した換気ダンパでは、好ましくは、羽根手段は、フレームに回転自在に支持された軸部材を具備しており、重錘手段は、羽根手段の軸部材に一端部で固着されていると共に螺子表面を有した腕部材と、この腕部材の螺子表面に螺合した少なくとも一つの重錘とを具備している。
羽根手段の軸部材に一端部で固着されていると共に螺子表面を有した腕部材とこの腕部材の螺子表面に螺合した少なくとも一つの重錘とを具備した重錘手段によれば、重錘の腕部材の螺子表面での螺合位置を変えることができる結果、羽根手段を通路開放位置に向かって回転させる回転モーメントを適宜設定でき、製造誤差に基づく羽根手段の重量変化に対応できて羽根手段を通路開放位置に確実に配置できる上に、空気流を利用する自然な通路閉塞、即ち定風量制御を確実に行うことができる。斯かる効果は、腕部材の螺子表面に螺合させる重錘の個数を変えることによっても、得ることができる。
本発明によれば、通路の閉鎖時に強風により羽根に大きな風圧が加わっても、羽根を通路の閉鎖状態に維持できて、通路の閉塞を完全に行うことができ、しかも、一つの好ましい例では、羽根を正確に回転できて、羽根及びシール部材の損傷を回避できる上に、意図した自然換気を行える換気ダンパを提供することができる。
図1は、本発明の好ましい実施の形態の例の通路開放状態の縦断面説明図である。 図2は、図1に示す例の通路開放状態の一部横断面説明図である。 図3は、図1に示す例の一部の分解斜視説明図である。 図4は、図1に示す例の羽根本体部を省いた縦断面説明図である。 図5は、図1に示す例の羽根本体部及び側端部材を省いた縦断面説明図である。 図6は、図1に示す例の回転手段の正面説明図である。 図7は、図6に示すVII−VII線矢視断面説明図である。 図8は、図6に示すVIII−VIII線矢視断面説明図である。 図9は、図6に示す回転手段の動作説明図である。 図10は、図1に示す例の動作説明図である。 図11は、図1に示す例の動作説明図である。 図12は、本発明の好ましい実施の形態の他の例の説明図である。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図8において、本例の換気ダンパ1は、入口孔2及び出口孔3を有する通路4を内部に形成したフレーム5と、A及びB方向の回転により通路4を開閉するようにフレーム5内に回転自在に配されていると共に羽根本体部6及び羽根本体部6の軸方向Xの両端に側端部7(一方のみを図示)を有している羽根手段8と、羽根手段8の側端部7のシール曲面14が接触するシール曲面9を有していると共にフレーム5の側壁部10に固着された弾性のシール部材11と、羽根手段8による通路4の開閉を行わせるべく羽根手段8を強制的に回転させる回転手段12と、羽根手段8を通路開放位置に向かって回転、即ち、A方向に回転させる回転モーメントを羽根手段8に常時付与する重錘手段13とを具備している。
フレーム5は、側壁部10と前壁部21及び後壁部22とを一体的に有しており、前壁部21及び後壁部22の夫々に軸方向Xに伸びる弾性を有したシール部材23及び24が嵌着されており、出口孔3には、防塵用の網25が張設されており、斯かる網25は、入口孔2にも防鳥を兼ねて設けてもよい。入口孔2は、室外部26に、出口孔3は、室内部27に夫々に開口している。
軸方向Xにおいて側壁部10に対向するフレーム5の他方の側壁部には、シール部材11と同様のシール部材が固着されている。
羽根手段8は、羽根本体部6及び側端部7に加えて、羽根本体部6及び側端部7に固着された軸部材31を具備しており、軸部材31は、滑り軸受等を介して側壁部10にA及びB方向に回転自在に支持されている。羽根手段8は、フレーム5の他方の側壁部側にも、側端部7及び軸部材31と同様の側端部及び軸部材を具備しており、この軸部材は、他方の側壁部にA及びB方向に回転自在に支持されている。他方の側壁部側における羽根手段8と当該他方の側壁部に固着されたシール部材との関係は、側壁部10側におけるそれと同様であるので、以下説明を省略する。
一体成形された羽根本体部6は、回転軸心Xが通る中空の円筒状の軸部35と、軸部35から径方向に一体的に伸びた一対の中空の羽根部36及び37とを具備しており、羽根部36及び37の径方向の先端部38及び39は、入口孔2から出口孔3に向かう通路4を通過する空気流40により通路閉塞位置に向かう回転モーメント、即ちB方向の回転モーメントを羽根手段8に生じさせるように湾曲している。
先端部38及び39の夫々は、羽根手段8がB方向に回転されると、シール部材23及び24の夫々に接触して、シール部材23及び24を弾性変形させるようになっている。
先端部38及びその近傍での羽根部36の一方の面41は、凸面となるように湾曲しており、その他方の面42は、面41に相補的な凹面となるように湾曲しており、同じく、先端部39及びその近傍での羽根部37の一方の面43は、凸面となるように湾曲しており、その他方の面44は、面43に相補的な凹面となるように湾曲している。斯かる先端部38及び39並びにその近傍での羽根部36及び37の湾曲形状は、羽根手段8による通路4の開放状態(図1に示す位置)で通路4に空気流40が生じる際に、羽根部36には前壁部21に向かう揚力を、羽根部37には後壁部22に向かう揚力を夫々生じさせ、この揚力に基づく回転モーメントで羽根手段8を通路閉塞位置に向かわせるように回転させることになる。
側端部7は、ねじ51等により羽根本体部6の軸方向Xの端面に固着された側端部材52と、側端部材52に同じくねじ51等により固着された半円形状の側端補助部材53とを具備している。なお、側端部7は、斯かる別体の側端部材52と側端補助部材53とで構成する代わりに、一体的に形成してもよく、また、軸部材31と側端補助部材53とを一体的に形成(一体成形)してもよく、更には、軸部材31、側端部材52及び側端補助部材53を一体的に形成してもよく、加えて、側端部7と羽根本体部6とを一体的に形成してもよい。
側端部材52は、軸部35に対応する中央部55と、羽根部36に対応すると共に中央部55から一体的に径方向に伸びた一方の羽根側端部56と、羽根部37に対応すると共に中央部55から一体的に羽根側端部56とは逆方向の径方向に伸びた他方の羽根側端部57と、中央部55及び羽根側端部56に一体的に形成された膨大部58とを具備していると共に中央部55、羽根側端部56及び膨大部58のシール部材11に対面する外縁にシール曲面9に接触するシール曲面61を有しており、他方の羽根側端部57のシール部材11に対面する外縁にシール部材11の他のシール曲面62に接触するシール曲面63を有しており、シール曲面61は、羽根手段8の開放回転方向Aにおいて、即ち、中央部55に対する羽根側端部57の一方の付け根の位置64から羽根側端部56と膨大部58とが交差する位置65までは、徐々に回転軸心Xからの距離Dが長くなるように形成されており、位置65から羽根側端部56の先端位置66までは羽根部36の面41と面一になるように形成されている。シール曲面63は、面43を含む羽根部37の面と面一になるように形成されている。
側端補助部としての側端補助部材53は、シール部材11に対面する外縁にシール曲面9に接触するシール曲面71を有しており、シール曲面71は、羽根手段8の開放回転方向Aにおいて、即ち、軸部35に対する羽根部37の一方の付け根に対応する位置72(中央部55に対する羽根側端部57の他方の付け根位置73に相当)から後述の切欠き74の回転方向の長さを少なくとも越える位置、本例では十分に越えた位置75までは、徐々に回転軸心Xからの距離Rが長くなってしかもシール曲面61と面一になるように形成されており、位置75から終端位置76までは位置75での回転軸心Xからの距離Dを曲率半径とした円弧状に形成されている。
このように本例では、シール曲面14は、シール曲面61とシール曲面71とを含んで構成されている。
一体形成されたシール部材11は、一対のシール片部81及び82を具備しており、シール曲面9を有したシール片部81は、羽根側端部57が伸長する切欠き74に加えて、側端補助部材53の平坦端面77が接触する端面78を有した突部83と、溝84とを有しており、シール曲面9は、シール片部81の端面85で一端が終端されていると共に突部83及び切欠き74に沿って伸び、溝84によって他端が終端されているシール曲面部86と、切欠き74によって一端が終端されていると共に溝84に隣接して当該溝84に沿って伸びたシール曲面部87とを具備しており、シール曲面部86は、位置72から位置75までのシール曲面71と相補的な形状を有していると共にシール曲面71に接触するようになっており、シール曲面部87は、シール曲面61と相補的な形状を有していると共にシール曲面61に接触するようになっている。
羽根手段8が通路4を完全開放した状態でシール部材11に弾性変形が生じないとした場合において、位置72から位置75までのシール曲面71の各部位での回転軸心Xからの距離Dは、シール部材11の対応位置でのシール曲面部86の回転軸心Xからの距離よりも長く、同じく位置64から位置75までのシール曲面61の各部位での回転軸心Xからの距離Dは、シール部材11の対応位置でのシール曲面部87の回転軸心Xからの距離よりも長くなっており、位置75から位置65までのシール曲面61は、ほぼ平坦面になっているが、全体としては曲面になっている。
側端部7に形成されたシール曲面61及び71は、通路4に対する閉鎖回転位置から部分開放回転位置までの羽根手段8の回転領域では、シール部材11のシール曲面部86及び87に接触し、当該シール部材11に弾性変形を生じさせるようになっており(図11の斜線部参照)、通路4に対する部分開放回転位置から全開放回転位置までの羽根手段8の回転領域では、シール部材11のシール曲面部86及び87から非接触となるようになっている(図1、図4及び図5参照)。
回転手段12は、出力回転軸91を有した回転力発生手段92と、回転力発生手段92により発生されたR方向の回転力をA及びB方向の回転力として羽根手段8に伝達する伝達手段93とを具備している。
回転力発生手段92は、フレーム5に連接された基台94に取付けられていると共に出力回転軸91を有した正逆回転可能なパルスモータ95と、パルスモータ95の出力回転軸91のR方向の回転を検出する検出器96とを具備しており、パルスモータ95は、その出力回転軸91のR方向の回転においてその回転量が検出器96からの検出信号に基づいて決定されるべく、駆動制御されるようになっている。
伝達手段93は、回転力発生手段92の出力回転軸91に連結具101を介して連結されていると共に軸受102を介して両端で基台94にR方向に回転自在に支持されたウオーム軸103と、両端で軸受104を介して基台94にA及びB方向に回転自在に支持されていると共にウオーム軸103のウオーム歯105に噛合うはすば106を有したはすば歯車107と、はすば歯車107に固着された円盤状の回転自在部材108と、回転自在部材108に形成された一対の円弧スリット109及び110の夫々に、夫々の一端が羽根手段8のA及びB方向の回転方向に関して遊びをもって係合したピン111及び112と、ピン111及び112の夫々の他端が固着されていると共に側壁部10から外部に突出した軸部材31に固着された円板部材113とを具備しており、出力回転軸91のR方向の回転を互いに噛合うウオーム軸103のウオーム歯105及びはすば歯車107のはすば106を介してA及びB方向の回転として羽根手段8に伝達するようになっており、円弧スリット109及び110は、軸対称に回転自在部材108に形成されており、ピン111及び112もまた、軸対称に円板部材113に植設されている。
回転手段12は、パルスモータ95の作動によりウオーム軸103及びはすば歯車107を介して回転自在部材108をA及びB方向に回転させ、回転自在部材108のA及びB方向の回転で、円弧スリット109及び110の夫々に、夫々の一端が係合する円柱状のピン111及び112を介して円板部材113をA及びB方向に回転させて、これにより通路4を開閉するように羽根手段8をA及びB方向に回転させるようになっている。そして、伝達手段93は、円弧スリット109及び110とピン111及び112との係合により、羽根手段8が通路開放位置(図1に示す位置)に回転された際に、通路閉塞位置に向かう羽根手段8の自由回転を許容するようになっている。
重錘手段13は、羽根手段8の軸部材31に一端部で固着されていると共に螺子表面121を有した腕部材122と、腕部材122の螺子表面121に螺合した二個の重錘123とを具備しており、羽根手段8が通路閉塞位置に配された際に、重錘123の荷重により軸部材31をA方向に回転させて羽根手段8を通路開放位置に向かってA方向に回転させるようになっており、而して、斯かる重錘手段13によりA方向に回転させる回転モーメントを常時付与される羽根手段8は、通路開放位置に向かって回転されるように常時付勢されている。
換気ダンパ1は、羽根手段8が通路4を閉塞した状態(図11に示す位置)から通路4を開放した状態(図1に示す位置)までの当該羽根手段8の位置、例えば回転自在部材108の回転位置を夫々検出する検出器(図示せず)を更に具備しており、パルスモータ95は、本検出器及び検出器96からの検出信号に基づいて、その作動が制御されて羽根手段8による通路4の開度を所定の値にするようになっている。
以上の換気ダンパ1では、図1に示す通路4の全開位置で、パルスモータ95が作動されてその出力回転軸91が正転されると、回転自在部材108が図8に示すようにB方向に回転されて、これにより円弧スリット109及び110の夫々とピン111及び112の夫々との係合を介して軸部材31が同じくB方向に回転される結果、羽根手段8は同方向に回転されて図10に示す状態を介して図11に示すように通路4を閉塞する状態に回転される。
換気ダンパ1では、通路4の全開位置から全閉位置までの羽根手段8のB方向の回転において、通路4の全開位置からB方向に例えば角度35゜程度羽根手段8が回転されるまでは、シール曲面71とシール曲面部86との間及びシール曲面61とシール曲面部87との間の夫々には隙間が維持され、角度35゜程度以上更に羽根手段8がB方向に回転され始めると、シール曲面71がシール曲面部86にその先導端から徐々に接触し始め、切欠き74が配された角度範囲を越えてシール曲面71がシール曲面部86に接触した後に、斯かる接触が維持されつつ、次に、シール曲面61がシール曲面部87にその先導端から徐々に接触し始め、最後に羽根手段8が角度45゜程度回転されると、シール曲面71とシール曲面部86との接触に加えて、図11に示すようにシール曲面61の全てがシール曲面部87に接触すると共にシール曲面63の全てがシール曲面62に接触し、しかも、シール曲面71、シール曲面61及びシール曲面63によりシール部材11をシール曲面部86、シール曲面部87、シール曲面62の部位で弾性変形させて、これらの接触をぴったりと行わせる。
通路4の全閉位置では羽根手段8の先端部38及び39の夫々がシール部材23及び24の夫々に接触して、シール部材23及び24を弾性変形させていると共に側端補助部材53の平坦端面77が端面78に密に接触して当該端面78を弾性変形させている。以上の状態では、通路4を介しての空気の流通は羽根手段8により阻止されることになる。
図11に示す羽根手段8の回転状態から、パルスモータ95が作動されてその出力回転軸91が逆転されると、回転自在部材108が図9に示す状態から図8に示すようにA方向に回転されて、これにより円弧スリット109及び110の夫々とピン111及び112の夫々との係合を介して軸部材31が同じくA方向に回転される結果、羽根手段8は同方向に回転されて図10に示す状態を介して図1に示すように通路4を開放する状態に回転される。この状態では、室外部26及び室内部27の空気は、通路4を介して互いに流通されることになる。
通路4の全閉位置から全開位置までの羽根手段8のA方向の回転において、換気ダンパ1では、通路4の全閉位置からA方向に角度10゜程度羽根手段8が回転されるまでは、シール曲面14がシール曲面9に接触しているために、パルスモータ95により羽根手段8は強制的にA方向に回転され、その後、シール曲面14のシール曲面9への接触が解除されて、シール曲面71とシール曲面部86との間及びシール曲面61とシール曲面部87との間の夫々に隙間が生じると、円弧スリット109及び110により円板部材113のA方向の回転が阻止されない限り、重錘手段13により軸部材31にA方向の回転力が付与されて、羽根手段8はA方向に回転されて図1に示すように通路4を開放する状態に回転される。
また、換気ダンパ1では、通路4の全開位置からB方向に角度35゜程度の羽根手段8の回転位置では、シール曲面71とシール曲面部86との間及びシール曲面61とシール曲面部87との間の夫々には隙間が形成されて、羽根手段8には重錘手段13によりA方向の回転力が付与されているだけであるので、円弧スリット109及び110により円板部材113のB方向の回転が阻止されない限り、通路4の風速に基づく定風量制御を行い得、したがって、室外部26及び室内部27に大きな気圧差が生じて通路4に一定以上の流速の空気流、例えば3m/sec以上の空気流40が生じる際に、B方向の回転モーメントが羽根手段8に生じ、これにより羽根手段8は、通路閉塞位置に向かう方向に回転されて、而して、強風等により通路4を介して室内部27に対して必要以上に空気が導出入されて、室内部27に不快な空気流が生じることをなくし得ると共に室外部26の塵埃を室内部27に持ち込むようなことをなくすことができ、しかも、室内部27の空気が必要以上に換気されて空調効果が低下するような不都合をなくし得て、これを補うための空調電力の増大を防ぐことができる。
更に換気ダンパ1においては、羽根手段8のシール曲面14の回転軸心Xからの距離Dが羽根手段8の開放回転方向Aにおいて徐々に長くなっており、シール部材11のシール曲面9が羽根手段8のシール曲面14と相補的な形状を有しているために、羽根手段8の通路4の閉鎖方向への回転では、シール曲面14がシール曲面9に徐々に接近して最後には接触するようになるために、この接触により羽根手段8の側端部7での通路4の閉塞を完全に行うことができる上に、接触前には羽根手段8の回転を極めて軽く行わせることができ、而して、騒音等の発生を極力少なくでき、しかも、羽根手段8の回転において省エネルギ化を図ることができる。
換気ダンパ1においては、羽根手段8若しくはフレーム5の熱膨張又はそれらの多少の変形、変位でも、通路4の開閉のための羽根手段8の回転を滑らかに行い得て、騒音等が生じたりする虞がない。
加えて、換気ダンパ1においては、羽根手段8の通路4の閉鎖方向への回転の最後で、羽根手段8の側端部7に形成されたシール曲面61及び71をシール部材11のシール曲面9に押し付けることができるために、この押し付けにより羽根手段8の側端部7での通路4の閉塞をより完全に行うことができ、また、部分開放回転位置から全開放回転位置までの羽根手段8の回転領域で羽根手段8のシール曲面14とシール部材11のシール曲面9とを互いに非接触としているために、羽根手段8の回転力を小さくできて省エネルギ化を図ることができる上に、この回転領域を定風量回転領域にできる。
しかも、換気ダンパ1においては、閉鎖回転位置から部分開放回転位置までの羽根手段8の回転領域で羽根手段8のシール曲面14とシール部材11のシール曲面9とを互いに接触させるために、通路4の閉塞を完全に行うことができ、その上、閉鎖回転位置から部分開放回転位置までにおいてシール部材11に弾性変形を生じさせるために、通路4の閉塞をより完全に行うことができ、羽根手段8のシール曲面14が側端補助部材53の外縁にも設けられているために、羽根側端部57が伸長する切欠き74の部位においても、羽根手段8のシール曲面14とシール部材11のシール曲面9とを互いに接触させることができるために、通路4の閉塞において羽根側端部57の周りにおける隙間をなくし得、より完全な通路4の閉塞を達成できる。
また、換気ダンパ1においては、回転手段12により羽根手段8を強制的に回転できる上に、羽根手段8が通路開放位置に回転された際に、通路閉塞位置に向かう羽根手段8の自由回転を許容するようになっているために、通路開放位置で、通路4の風圧に応じて羽根手段8を回転できる結果、通路4の強制開閉を行い得る上に、通路4の風速に基づく定風量制御をも行い得、通路開放位置に向かう羽根手段8への回転モーメントの付与を重錘手段13により行うために、重錘手段13の重錘123の個数及び腕部材122での重錘123の螺合位置を適宜設定することにより、製造誤差に基づく羽根手段8の重量変化に対応できて羽根手段8を通路開放位置に確実に配置できる上に、空気流を利用する自然な通路4の閉塞、即ち定風量制御を確実に行うことができる。
そして、換気ダンパ1においては、回転力発生手段92の出力回転軸91に連結されたウオーム軸103と、ウオーム軸103のウオーム歯105に噛合うはすば106を有したはすば歯車107とを具備した伝達手段93が出力回転軸91の回転を互いに噛合うウオーム軸103及びはすば歯車107を介して羽根手段8の軸部材31に伝達するようになっているために、羽根手段8から出力回転軸91への回転伝達を、ウオーム軸103及びはすば歯車107のウオーム歯105とはすば106との噛合いで阻止でき、而して、通路4の閉鎖時に強風により羽根手段8に大きな風圧が加わっても、羽根手段8を通路4の閉鎖状態に維持できて、通路4の閉塞を完全に行うことができる。
また、換気ダンパ1によれば、回転力発生手段92がパルスモータ95を具備し、パルスモータ95の出力回転軸91の回転量が検出器96からの検出信号に基づいて決定されるべく、パルスモータ95が駆動制御されるようになっているために、パルスモータ95の出力回転軸91の回転を正確に行うことができ、而して、羽根手段8を正確に回転できて、羽根手段8及びフレーム5に設けたシール部材11等の損傷を回避できる上に、意図した自然換気を行える。
なお、換気ダンパ1では、電動により羽根手段8を回転させると共に通路4を傾斜させ、そして入口孔2及び出口孔3を夫々水平方向及び垂直方向に開口させたが、本発明はこれらに限定されず、例えば、手動でも羽根手段8を回転させるようにし、また、通路4を水平に伸びるようにしてもよく、更に、出口孔3を水平方向に開口させてもよい。
また、上記の例では閉塞された円弧スリット109及び110の夫々をピン111及び112の夫々に係合させて、円板部材113を回転させたが、これに代えて、図12に示すように、回転自在部材108に、開放された円弧スリット(円弧切欠き)131及び132を形成して、円弧スリット131及び132の夫々をピン111及び112の夫々に係合させて、円板部材113を回転させるようにしてもよい。
更に換気ダンパ1では、定風量制御を行わせるために、円弧スリット109及び110又は131及び132を具備した回転自在部材108及び円弧スリット109及び110又は131及び132に係合するピン111及び112等を設けたが、定風量制御を行わせない場合には、はすば歯車107を軸部材31に直結してもよい。
1 換気ダンパ
2 入口孔
3 出口孔
4 通路
5 フレーム
6 羽根本体部
7 側端部
8 羽根手段
9 シール曲面
10 側壁部
11 シール部材
12 回転手段
13 重錘手段

Claims (5)

  1. 入口孔及び出口孔を有する通路を内部に形成したフレームと、回転により通路を開閉するようにフレーム内に回転自在に配されていると共に通路を通過する空気流により通路閉塞位置に向かう回転モーメントを生じるようになっている羽根手段と、この羽根手段を強制的に回転させる回転手段とを具備しており、この回転手段は、出力回転軸を有した回転力発生手段と、この回転力発生手段により発生された回転力を羽根手段に伝達する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、回転力発生手段の出力回転軸に連結されたウオーム軸と、このウオーム軸のウオーム歯に噛合うはすば歯車とを具備しており、出力回転軸の回転を互いに噛合うウオーム軸及びはすば歯車を介して羽根手段に伝達するようになっている換気ダンパ。
  2. 回転力発生手段は、前記の出力回転軸を有したパルスモータと、このパルスモータの出力回転軸の回転を検出する検出器とを具備しており、パルスモータは、その出力回転軸の回転においてその回転量が検出器からの検出信号に基づいて決定されるべく、駆動制御されるようになっている請求項1に記載の換気ダンパ。
  3. 伝達手段は、羽根手段が通路開放位置に回転された際に、通路閉塞位置に向かう羽根手段の自由回転を許容するようになっている請求項1又は2に記載の換気ダンパ。
  4. 羽根手段を通路開放位置に向かって回転させる回転モーメントを羽根手段に常時付与する重錘手段を更に具備している請求項1から3のいずれか一項に記載の換気ダンパ。
  5. 羽根手段は、フレームに回転自在に支持された軸部材を具備しており、重錘手段は、羽根手段の軸部材に一端部で固着されていると共に螺子表面を有した腕部材と、この腕部材の螺子表面に螺合した少なくとも一つの重錘とを具備している請求項4に記載の換気ダンパ。
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