JP3988537B2 - 換気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル等の建物内外に連通している通路を開閉する換気装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
この種の換気装置としては、例えば、通路内を流れる風等によって生じる揚力により通路閉塞位置に向かう回転力が生じるようになっている羽根手段をコイルばねに連結することで、羽根手段に、通路閉塞位置に向かう回転力に抗して、通路開放位置に向かう回転力を与えるようになっている換気装置が挙げられる。
【0003】
しかしながら、斯かる換気装置では、羽根手段に、通路開放位置に向かう回転力をコイルばねで与えるため、コイルばねの弾性力の温度特性により、羽根手段に、風等に基づく通路閉鎖位置に向かう回転力に抗して、通路開放位置に向かう適切な回転力を温度変化に拘わらず与えることが困難である。
【0004】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、羽根手段に、風等に基づく通路閉塞位置に向かう回転力に抗して、通路開放位置に向かう適切な回転力を与えることのできる換気装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の換気装置は、通路を通過する空気流により通路閉塞位置に向かう回転力を生じる少なくとも一つの羽根手段と、羽根手段が通路開放位置に向かう回転力を生じるように、羽根手段を付勢する付勢手段とを具備しており、付勢手段は、自重により羽根手段に通路開放位置に向かう回転力を与える少なくとも一つの重錘を具備している。
【0006】
本発明の第一の態様の換気装置によれば、付勢手段が、自重により羽根手段に通路開放位置に向かう回転力を与える少なくとも一つの重錘を具備しているため、羽根手段に風等に基づく通路閉塞位置に向かう回転力に抗して通路開放位置に向かう適切な回転力を温度変化に拘わらず与えることができ、例えば、羽根手段が通路開放位置にもたらされる際に当該羽根手段が通路閉塞位置に向かう方向に自由回転するようになっていると、通路を通過する空気流に基づく定風量制御を好適に行い得、従って、建物内外に大きな気圧差が生じて通路に一定以上の流速の空気流、例えば3m/sec以上の空気流が生じる際に、この空気流を利用して自然に通路閉塞を行い得、而して、強風等により通路を介して建物内に対して必要以上に空気が導入されて、建物内に不快な空気流が生じることをなくし得ると共に、建物外の塵埃を建物内に持ち込むようなことをなくすことができ、しかも、建物内の空気が必要以上に換気されて空調効果が低下するような不都合をなくし得て、これを補うための空調電力の増大を防ぐことができる。
【0007】
本発明の第二の態様の換気装置では、本発明の第一の態様の換気装置において、付勢手段は、羽根手段の回転軸心線に交差する交差方向における重錘の位置が変更されることによって、羽根手段に生じる通路開放位置に向かう回転力を調整するようになっている。
【0008】
本発明の第二の態様の換気装置によれば、重錘の位置でもって羽根手段に生じる通路開放位置に向かう回転力を調整するようになっているため、羽根手段に生じる通路開放位置に向かう適切な回転力を容易に得ることができる。
【0009】
本発明の第三の態様の換気装置では、本発明の第一又は第二の態様の換気装置において、付勢手段は、重錘の数が変更されることによって、羽根手段に生じる通路開放位置に向かう回転力を調整するようになっている。
【0010】
本発明の第四の態様の換気装置は、本発明の第一から第三のいずれか一の態様の換気装置において、羽根手段を強制的に回転させる回転手段を具備しており、ここで、回転手段は、回転力発生手段と、この回転力発生手段により発生された回転力を羽根手段に伝達する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、羽根手段の所望量の自由回転を許容する許容手段を具備している。
【0011】
本発明の第四の態様の換気装置によれば、羽根手段を強制的に回転させる回転手段でもって通路の強制開閉を行い得る上に、許容手段でもって通路を通過する空気流に基づく定風量制御をも行い得る。
【0012】
本発明の第五の態様の換気装置では、本発明の第四の態様の換気装置において、許容手段は、切欠き部又はスリットが設けられている板状体と、一端が切欠き部又はスリットに配されていると共に他端が羽根手段に連結している棒状体とを具備しており、切欠き部又はスリットを規定している端部間で羽根手段の自由回転を許容するようになっている。
【0013】
本発明の第六の態様の換気装置は、本発明の第四又は第五の態様の換気装置において、羽根手段を一対具備しており、ここで、回転力発生手段は、一対の羽根手段の間に配されている。
【0014】
本発明の第七の態様の換気装置では、本発明の第一から第六のいずれか一の態様の換気装置において、伝達手段は、回転力発生手段からの回転力により回転する回転軸と、回転軸に対する羽根手段の回転位置を調整する回転位置調整手段とを具備している。
【0015】
本発明の第八の態様の換気装置では、本発明の第一から第七のいずれか一の態様の換気装置において、羽根手段は、軸部と、軸部から径方向に伸びた一対の羽根部とを具備しており、一対の羽根部のうちの少なくとも一方の羽根部の径方向における先端部は、通路を通過する空気流により通路閉塞位置に向かう回転モーメントを羽根手段に生じさせるように湾曲している。
【0016】
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1から図9において、本例の換気装置1は、建物内外2及び3に連通している通路4及び5と、通路4及び5を夫々通過する空気流6により特に図4に示す通路閉塞位置に向かう回転力を生じる一対の羽根手段8及び9と、羽根手段8及び9の間に配されていると共に羽根手段8及び9をA及びB方向に強制的に回転させる回転手段12と、羽根手段8及び9が夫々特に図5に示す通路開放位置に向かう回転力を生じるように、羽根手段8及び9を夫々付勢する付勢手段13及び14とを具備している。
【0018】
通路4及び5は、建物15の外壁において、ガラス窓16の下方の腰壁17に設けられた枠体18及び19によって夫々規定されている。
【0019】
水平方向に間隔をもって並置された枠体18及び19は夫々同様に形成されているので、以下、枠体18について詳細に説明し、枠体19については、必要に応じて図面に符号aを付してその詳細な説明を省略する。
【0020】
枠体18は、水平方向に伸びた前壁21及び後壁22と、前壁21及び後壁22の両端に固着されている側壁23及び24とを具備している。
【0021】
前壁21及び後壁22の夫々は、腰壁17に形成された貫通孔25を間にして腰壁17に固着されており、通路4は、その一方の開口端26において貫通孔25を介して建物外3と連通していると共に、その他方の開口端27において建物内2と連通している。開口端27には、前壁21及び後壁22に支持されて防塵用の網28が張設されており、斯かる網28は、開口端26にも防鳥を兼ねて設けてもよい。
【0022】
前壁21及び後壁22の内面には、水平方向に伸びた弾性を有したシール部材29及び30が夫々嵌着されている。
【0023】
側壁23及び24には、シール曲面31及び32を夫々有している弾性のシール部材33及び34が夫々固着されている。
【0024】
羽根手段8及び9は、夫々同様に形成されているので、以下、羽根手段8について詳細に説明し、羽根手段9については、必要に応じて図面に符号aを付してその詳細な説明を省略する。
【0025】
羽根手段8は、通路4を横断して配されている羽根本体41と、羽根本体41の両端に設けられている側端部44及び45と、側端部44及び羽根本体41に固着された軸部材46と、側端部45及び羽根本体41に固着された軸部材47とを具備している。軸部材46は、軸受機構48を介して側壁23にA及びB方向に回転自在に支持されており、軸部材47は、軸受機構49を介して側壁24にA及びB方向に回転自在に支持されている。
【0026】
羽根本体41は、回転軸心Xが通る中空の円筒状の軸部51と、軸部51から径方向に一体的に伸びた一対の中空の羽根部52及び53とを具備しており、羽根部52及び53の径方向の先端部54及び55は、通路4を通過する空気流6によりB方向の回転モーメントを羽根手段8に生じさせるように湾曲している。
【0027】
先端部54及び55は、羽根手段8がB方向に回転されると、シール部材29及び30に夫々当接して、シール部材29及び30を弾性変形させるようになっている。
【0028】
先端部54及びその近傍での羽根部52の一方の面61は、凸面となるように湾曲しており、その他方の面62は、面61に相補的な凹面となるように湾曲しており、同じく、先端部55及びその近傍での羽根部53の一方の面63は、凸面となるように湾曲しており、その他方の面64は、面63に相補的な凹面となるように湾曲している。
【0029】
側端部44は、中空の羽根部52及び53の中空部を閉塞するように、ねじ等により羽根本体41の軸方向Xにおける一方の端面に固着されており、側壁23に固着されたシール部材33及び34のシール曲面31及び32に夫々当接するシール曲面42及び43を外縁に有している。
【0030】
側端部45は、中空の羽根部52及び53の中空部を閉塞するようにねじ等により羽根本体41の軸方向Xにおける他方の端面に固着されており、側壁24に固着されたシール部材33及び34のシール曲面(図示せず)に夫々当接するシール曲面(図示せず)を外縁に有している。
【0031】
以上の羽根手段8は、先端部54及び55並びにその近傍での羽根部52及び53が湾曲しているために、羽根手段8による通路4の開放状態(図5に示す位置)で通路4に空気流6が生じる際に、羽根部52には前壁21に向かう揚力を、羽根部53には後壁22に向かう揚力を夫々生じさせ、この揚力に基づく回転モーメントで羽根手段8を通路閉塞位置に向かわせるようにB方向に回転させるようになっている。
【0032】
軸受機構48は、軸部材46に固着された円板50と、円板50の外周と側壁23との間に配されたころがり軸受60とを具備しており、円板50及びころがり軸受60を介して軸部材46を側壁23に対してA及びB方向に回転自在としている。軸受機構49も、軸受機構48と同様に構成されている。
【0033】
回転手段12は、回転力発生手段としての電動モータ81と、電動モータ81により発生された回転力を羽根手段8及び9に夫々伝達する伝達手段82とを具備している。
【0034】
電動モータ81は、その出力回転軸(図示せず)が歯車機構83を介して回転軸84に連結しており、当該出力回転軸の回転により、羽根手段8及び9を強制的にA及びB方向に回転させる回転力を発生させるようになっている。
【0035】
伝達手段82は、電動モータ81が取り付けられていると共に、電動モータ81の出力回転軸の回転を減速して回転軸84に伝達する歯車機構83と、歯車機構83を介して与えられる電動モータ81からの回転力により回転するように歯車機構83に回転自在に支持された回転軸84と、回転軸84に対する羽根手段8及び9のA及びB方向における夫々の回転位置を調整する回転位置調整手段85及び86と、羽根手段8及び9の所望量の自由回転を許容する許容手段87及び88とを具備している。尚、歯車機構83は、側壁23及び23aを橋絡した支持板199に支持されている。
【0036】
回転軸84は、その回転軸心Xを中心として回転するように、羽根手段8及び9間に配されている。回転軸84は、その一端91及び他端92が夫々スプライン軸として形成されており、一端91で結合体101にスプライン結合しており、他端92で結合体101aにスプライン結合している。
【0037】
回転位置調整手段85及び86は、夫々同様に形成されているので、以下回転位置調整手段85について詳細に説明し、回転位置調整手段86については、必要に応じて図面に符号aを付してその詳細な説明を省略する。
【0038】
回転位置調整手段85は、回転軸84の一端91が挿入されていると共に回転軸84の一端91とスプライン結合する結合体101と、回転軸84の一端91に結合体101を介して固定されていると共に、特に図7に示すように、一面にセレーション102が設けられたセレーション体103と、特に図6に示すように、一面にセレーション104が設けられたセレーション体105と、セレーション体105に連結している軸106と、セレーション体103に対するセレーション体105のA及びB方向における相対位置を調整し得ると共に、セレーション体103及び105を、これらのセレーション102及び104を噛合させて、固定する調整及び固定手段107とを具備している。尚、軸106は、許容手段87等を介して軸部材46に連結している。
【0039】
結合体101は、内周面にスプライン溝が形成された筒体110からなり、内周面によって規定される空間には、回転軸84の一端91が配されている。
【0040】
セレーション体103は、環状体からなり、結合体101に皿ねじ111を介して固定されている。セレーション102は、セレーション体103の一面に放射状に配された複数の三角歯112によって形成されている。
【0041】
セレーション体105は、環状本体113と、環状本体113の外周面に一体的に形成されたフランジ体114とを具備している。フランジ体114の一方の面にはセレーション104が形成されている。
【0042】
内周面によって規定されている空間に軸106の一端が配されている環状本体113は、軸106と共にA及びB方向に回転するように、キー115を介して軸106の一端に連結している。
【0043】
セレーション104は、フランジ体114の一方の面に放射状に配された複数の三角歯116によって形成されている。複数の三角歯116は、複数の三角歯112に噛合するようになっている。
【0044】
調整及び固定手段107は、フランジ体114に形成された複数の円弧状の長孔117と、複数の長孔117に夫々挿入されていると共に、セレーション体103を貫通して結合体101に螺合した複数の固定ねじ118とを具備しており、セレーション体103に対するセレーション体105のA又はB方向における相対位置を決定した後、複数の固定ねじ118を締め付けることによって、セレーション102及び104を噛合させて、セレーション体103及び105を固定するようになっている。
【0045】
回転位置調整手段85は、セレーション102とセレーション104との相互の噛み合わせ位置を調整して、これにより羽根手段8及び9の相互の回転位置を調整し、通路4及び5が羽根手段8及び9により同時的に開閉されるようにする。
【0046】
許容手段87及び88は、夫々同様に形成されているので、以下、許容手段87について詳細に説明し、許容手段88については、必要に応じて図面に符号aを付してその詳細な説明を省略する。
【0047】
許容手段87は、特に図8に示すように、周縁で開口している切欠き部121及び122が設けられていると共に中心部が軸106に固着されている円盤状の板状体123と、軸部材46と共にA及びB方向に回転するように、軸部材46に連結している回転盤124と、一端125が切欠き部121に配され、且つ、他端が回転盤124に固着されている棒状体126と、一端127が切欠き部122に配され、且つ、他端が回転盤124に固着されている棒状体128とを具備している。切欠き部121及び122並びに棒状体126及び128は、連結部材132を間にして夫々互いに対向して配されている。
【0048】
棒状体126及び128は、一端125及び127が切欠き部121及び122にA及びB方向における遊びをもって夫々配されており、板状体123に対してA及びB方向に所望量回転した際に、板状体123の切欠き部121及び122を夫々規定している端部129及び130に夫々当接するようになっている。
【0049】
以上の許容手段87は、板状体123に対する棒状体126及び128のA及びB方向の所望量の回転を許容することによって、羽根手段8のA及びB方向の所望量の自由回転を許容すると共に、棒状体126及び128が端部129及び130に夫々当接することによって羽根手段8のA又はB方向における所望量以上の自由回転を規制するようになっている。
【0050】
付勢手段13及び14は、夫々同様に形成されているので、以下、付勢手段13について詳細に説明し、付勢手段14については、必要に応じて図面に符号aを付してその詳細な説明を省略する。
【0051】
付勢手段13は、特に図9に示すように、自重により羽根手段8に通路開放位置に向かう回転力を与える複数の重錘131と、一端が板状体123に摺動自在に支持され、且つ、他端が回転盤124及び軸部材46に固定連結されている連結部材132と、連結部材132に螺着され、且つ、重錘131に螺合することによって当該重錘131を支持する支持軸133とを具備している。支持軸133は、回転軸心線Xに直交する直交方向に伸びてなる。
【0052】
重錘131は、その自重に基づいて連結部材132をA方向に回転させるようになっている。支持軸133は、重錘131が下方に移動して当該重錘131と連結部材132とが略鉛直方向で並んだ際に、羽根手段8が通路開放位置に配されるように、連結部材132に螺着されている。
【0053】
付勢手段13は、支持軸133への螺着位置を変更して回転軸心Xから重錘131までの距離Lを変更することによって羽根手段8に生じる通路開放位置に向かう回転力を所望に調整するようになっている。付勢手段13は、支持軸133に対して重錘131を回転させ、距離Lを長くすることによって羽根手段8に生じる通路開放位置に向かう回転力を増大させ、また、距離Lを短くすることによって羽根手段8に生じる通路開放位置に向かう回転力を減少させるようになっている。付勢手段13は、支持軸133に螺着される重錘131の数を変更することによっても、羽根手段8に生じる通路開放位置に向かう回転力を調整することができるようになっている。
【0054】
以上の付勢手段13は、重錘131の自重により羽根手段8に通路開放位置に向かう回転力、即ち、A方向に向かう回転力を与えるようになっていることから、重錘131及び連結部材132が略水平方向で並んでいる際には、重錘131の自重によりA方向に向かう大きな回転力を羽根手段8に与え、且つ、重錘131及び連結部材132が略鉛直方向で並んでいる際には、重錘131の自重によりA方向に向かう小さな回転力を羽根手段8に与えるようになっており、更に、重錘131が空気流6に基づいてB方向に回転する羽根手段8と共にB方向に回転する際には、重錘131及び連結部材132が略鉛直方向で並んだ状態から重錘131及び連結部材132が略水平方向で並ぶ状態へ漸次移行し、重錘131の自重により羽根手段8に与えるA方向に向かう回転力が漸次大きくなるように、重錘131は支持軸133を介して連結部材132に連結されている。
【0055】
なお、上記の例では、電動モータ81でもって羽根手段8及び9を回転させるようにしたが、軸200に手動ハンドルを嵌合して、手動ハンドルを回転させて、羽根手段8及び9をA及びB方向に強制的に回転させてもよい。
【0056】
前記では、板状体123に切欠き部121及び122を設けて、この切欠き部121及び122に棒状体126及び128の一端125及び127を配したが、これに代えて、板状体123に円弧状のスリットを設けて、このスリットに棒状体126及び128の一端125及び127を配してもよい。
【0057】
以上の換気装置1は、図5に示す羽根手段8による通路開放位置においては、棒状体126及び128の一端125及び127は、付勢手段13に付勢されて図8に示すように端部129及び130に当接しており、これにより羽根手段8は、A方向に回転し得ないようになっている一方、切欠き部121及び122によりシール曲面31及び32に当接するまでB方向に自由回転自在となっている。図5に示す通路開放位置において、電動モータ81の作動により、回転軸84等を介して板状体123をB方向に回転させ、付勢手段13によりA方向に向かう回転力が与えられている棒状体126及び128を端部129及び130を介してB方向に移動させることによって羽根手段8をB方向に回転させ、而して、羽根手段8を、図4に示す通路閉塞位置に配し、また、図4に示す通路閉塞位置において、電動モータ81の作動により、回転軸84等を介して板状体123をA方向に回転させて、棒状体126及び128の夫々と端部129及び130の夫々との当接状態を解除するようにして羽根手段8のA方向の回転を許容し、而して付勢手段13により羽根手段8をA方向に回転させて、図5に示す通路開放位置に配するようになっている。また、換気装置1は、電動モータ81の作動により回転軸84等を介して板状体123をA及びB方向に回転させて、端部129及び130の位置を調整することによって、羽根手段8による通路4の途中開放(半開き)を設定することができるようになっている。尚、換気装置1は、上記と同様にして、羽根手段9を通路開放位置又は通路閉塞位置に配し、また、羽根手段9による通路4の途中開放を任意に設定することができるようになっている。
【0058】
換気装置1は、通路4の開放状態又は途中開放状態において、空気流6の流速が速くなるに従って羽根手段8に生じるB方向に向かう回転力が、付勢手段13により羽根手段8に与えられているA方向に向かう回転力よりも強くなった場合に、羽根手段8が付勢手段13によるA方向に向かう回転力に抗してB方向に回転する結果、空気流6の流速に応じて羽根手段8の回転角を調整し、而して、空気流6に基づく定風量制御を行うことができるようになっている。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、羽根手段に、風等に基づく通路閉塞位置に向かう回転力に抗して、通路開放位置に向かう適切な回転力を与えることのできる換気装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例が適用される建物の一部説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の例の正面説明図である。
【図3】図2に示す例の平面説明図である。
【図4】図2に示す例の主に通路閉塞状態における羽根手段の断面説明図である。
【図5】図2に示す例の主に通路開放状態における羽根手段の断面説明図である。
【図6】図2に示す例の主にセレーション体の説明図である。
【図7】図2に示す例の主にセレーション体の説明図である。
【図8】図2に示す例の主に板状体の説明図である。
【図9】図2に示す例の主に付勢手段の説明図である。
【符号の説明】
1 換気装置
2 建物内
3 建物外
4、5 通路
6 空気流
8、9 羽根手段
12 回転手段
13、14 付勢手段
Claims (7)
- 通路を通過する空気流により通路閉塞位置に向かう回転力を生じる少なくとも一つの羽根手段と、羽根手段が通路開放位置に向かう回転力を生じるように、羽根手段を付勢する付勢手段とを具備しており、付勢手段は、自重により羽根手段に通路開放位置に向かう回転力を与える少なくとも一つの重錘と、この重錘が螺合していると共に当該重錘を支持する支持軸とを具備しており、支持軸は、羽根手段の回転軸心線に交差する交差方向に伸びており、付勢手段は、羽根手段の回転軸心線に交差する交差方向における重錘の支持軸への螺着位置が変更されることによって、羽根手段に生じる通路開放位置に向かう回転力を調整するようになっている、前記通路を通過する空気流に基づく定風量制御を行う換気装置。
- 付勢手段は、重錘の数が変更されることによって、羽根手段に生じる通路開放位置に向かう回転力を調整するようになっている請求項1に記載の換気装置。
- 羽根手段を強制的に回転させる回転手段を具備しており、回転手段は、回転力発生手段と、この回転力発生手段により発生された回転力を羽根手段に伝達する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、羽根手段の所望量の自由回転を許容する許容手段を具備している請求項1又は2に記載の換気装置。
- 許容手段は、切欠き部又はスリットが設けられている板状体と、一端が切欠き部又はスリットに配されていると共に他端が羽根手段に連結している棒状体とを具備しており、切欠き部又はスリットを規定している端部間で羽根手段の自由回転を許容するようになっている請求項3に記載の換気装置。
- 羽根手段を一対具備しており、回転力発生手段は、一対の羽根手段の間に配されている請求項3又は4に記載の換気装置。
- 伝達手段は、回転力発生手段からの回転力により回転する回転軸と、回転軸に対する羽根手段の回転位置を調整する回転位置調整手段とを具備している請求項3から5のいずれか一項に記載の換気装置。
- 羽根手段は、軸部と、軸部から径方向に伸びた一対の羽根部とを具備しており、一対の羽根部のうちの少なくとも一方の羽根部の径方向における先端部は、通路を通過する空気流により通路閉塞位置に向かう回転モーメントを羽根手段に生じさせるように湾曲している請求項1から6のいずれか一項に記載の換気装置。
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