JP2014142078A - 換気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気流の定風量制御を感度よく行い得て、羽根のギャロッピングをも廉価に効果的に防止することのできる換気装置を提供すること。
【解決手段】換気装置1は、入口孔2及び出口孔3を有する枠体5と、枠体5内に回転自在に配されていると共に通路4を流れる空気流40により回転モーメントを生じる羽根手段8と、羽根手段8を通路開放位置に向かって、回転させる回転力を自重により羽根手段8に常時付与する重錘13を有した回転力付与手段15と、重錘13の回転軌跡上に設けられた運動エネルギー吸収材16及び17とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、事務所ビル、集合住宅、戸建住宅、倉庫等の建物の室内と室外との通気のために、これらの窓サッシの無目部又は膳板部等に取付けて通気の程度を制御する換気装置に関する。
例えば、特許文献1では、入口孔及び出口孔を有する通路を内部に有した枠体と、通路開放位置に向かって常時付勢されると共に通路を流れる空気流に基づいて通路を閉鎖するように枠体内に回転自在に配された羽根と、羽根に連結されていると共に羽根の回転に抗する抵抗力を当該羽根に付与する抵抗力付与手段と、羽根に設けられた重錘を具備している付勢手段とを具備しており、羽根は、枠体に回転自在に支持された軸部と、この軸部から径方向に向かって一体的に伸びた一対の羽根本体部とを具備しており、羽根本体部の先端部は、通路を流れる空気流により通路閉塞位置に向かう回転モーメントを羽根に生じさせるように湾曲しており、抵抗力付与手段は、羽根の軸部に連結されていると共に通路開放位置に向かう羽根の回転及び通路閉塞位置に向かう羽根の回転のうちの少なくとも一方の回転に抗する抵抗力を生じるダンパを具備している換気装置が提案されている。
特開2008−14588号公報
ところで、斯かる換気装置では、抵抗力付与手段が、羽根の軸部に連結されていると共に通路開放位置に向かう羽根の回転及び通路閉塞位置に向かう羽根の回転のうちの少なくとも一方の回転に抗する抵抗力を生じるダンパを具備しているために、通路を流れる空気流に基づく重錘を含む羽根のギャロッピング(自励振動)を防止することができるが、斯かるダンパを具備した換気装置は、空気流による羽根の感度の良い定風量制御がダンパの抵抗力で阻害される虞がある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、空気流の定風量制御を感度よく行い得て、羽根のギャロッピングをも廉価に効果的に防止することのできる換気装置を提供することにある。
本発明の換気装置は、入口孔及び出口孔を有する通路を内部に有した枠体と、枠体内に回転自在に配されていると共に通路を流れる空気流により通路閉塞位置に向かう回転モーメントを生じる羽根手段と、この羽根手段を通路開放位置に向かって回転させる回転力を自重により羽根手段に常時付与するように、羽根手段に取付けられた重錘を有した回転力付与手段と、通路開放位置に配された羽根手段が空気流により通路閉塞位置に向かって回転した後において回転力付与手段の重錘の自重により通路開放位置に向かって回転させられる羽根手段が通路開放位置に復帰する際に当該回転を生じさせて回転する重錘が衝突するように、当該重錘の回転軌跡上に設けられた第一の運動エネルギー吸収材と、通路開放位置に配された羽根手段が空気流により通路閉塞位置に向かって回転して通路閉塞位置に到来する直前に当該回転に基づいて回転する重錘が衝突するように当該重錘の回転軌跡上に設けられた第二の運動エネルギー吸収材とを具備している。
本発明の換気装置によれば、羽根手段が通路開放位置に復帰する際及び通路閉鎖位置に配される直前の夫々において、重錘に衝突する第一及び第二の運動エネルギー吸収材が夫々設けられているために、空気流の定風量制御に影響を与えないで、羽根手段を含む重錘の回転エネルギーを第一及び第二の運動エネルギー吸収材で吸収でき、而して、空気流の定風量制御を感度よく行い得る上に、空気流の定風量制御において生じ得るギャロッピングを廉価に効果的に防止することができる。
本発明の換気装置では、第一及び第二の運動エネルギー吸収材の夫々は、羽根手段を含む重錘の回転エネルギーを効果的に吸収できて、しかも、衝突において衝突音の発生が少ない部材からなっているとよく、好ましい例では、発泡体からなっている。
また、本発明の換気装置では、羽根手段による通路の閉塞を強制的に行わせるべく羽根手段を強制的に回転させる回転手段を更に具備していてもよく、この場合、回転手段は、回転力を発生する回転力発生手段と、この回転力発生手段により発生された回転力を羽根手段に伝達する伝達手段とを具備し、伝達手段は、回転力発生手段の作動により回転される回転自在部材を具備し、第一及び第二の運動エネルギー吸収材の夫々は、回転自在部材に取付けられていてもよい。
本発明によれば、空気流の定風量制御を感度よく行い得る上に、羽根のギャロッピングを廉価に効果的に防止することのできる換気装置を提供し得る。
図1は、本発明の実施の形態の例の通路開放状態の縦断面説明図である。 図2は、図1に示す例の通路開放状態の一部横断面説明図である。 図3は、図1に示す例の一部の分解斜視説明図である。 図4は、図1に示す例の羽根本体部を省いた縦断面説明図である。 図5は、図1に示す例の羽根本体部及び側端部材を省いた縦断面説明図である。 図6は、図1に示す例の主に回転手段、重錘及び運動エネルギー吸収材等の正面説明図である。 図7は、図6に示すVII−VII線矢視断面説明図である。 図8は、図6に示すVIII−VIII線矢視断面説明図である。 図9は、主に図6に示す回転手段の動作説明図である。 図10は、主に回転力付与手段の動作説明図である。 図11は、図1に示す例の動作説明図である。 図12は、図1に示す例の動作説明図である。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図9において、建物壁に設置される本例の換気装置1は、入口孔2及び出口孔3を有する通路4を内部に有した枠体5と、羽根本体部6及び羽根本体部6の軸方向Cの両端に設けられた側端部7(一方のみを図示)を有しており、枠体5内にA及びB方向に回転自在に配されていると共に通路4を流れる空気流40により通路閉塞位置(図12に示す位置)に向かうB方向の回転モーメントを生じる羽根手段8と、羽根手段8の側端部7のシール曲面14が接触するシール曲面9を有していると共に枠体5の側壁部10に固着されたシール部材11と、羽根手段8による通路4の閉塞を強制的に行わせるべく羽根手段8を強制的に回転させる回転手段12と、羽根手段8を通路開放位置(図1に示す位置)に向かって、即ちA方向に回転させる回転力を自重により羽根手段8に常時付与するように、羽根手段8に取付けられた複数個の重錘13を有した回転力付与手段15と、通路開放位置に配された羽根手段8が空気流40により通路閉塞位置に向かって、即ちB方向に回転した後において回転力付与手段15の重錘13の自重により通路開放位置に向かって、即ちA方向に回転させられる羽根手段8が通路開放位置に復帰する際に当該A方向に回転を生じさせてA方向に回転する重錘13が衝突するように、当該重錘13の回転軌跡上に設けられた運動エネルギー吸収材16と、通路開放位置に配された羽根手段8が空気流40により通路閉塞位置に向かって、即ちB方向に回転して通路閉塞位置に到来する直前(図11に示す位置)に当該B方向の回転に基づいてB方向に回転する重錘13が衝突するように当該重錘13の回転軌跡上に設けられた運動エネルギー吸収材17とを具備している。
枠体5は、側壁部10及び10aと前壁部21及び後壁部22とを一体的に有しており、前壁部21及び後壁部22の夫々に軸方向Cに伸びる弾性を有したシール部材23及び24が嵌着されており、出口孔3には、防塵用の網25が張設されており、斯かる網25は、入口孔2にも防鳥を兼ねて設けてもよい。入口孔2は、室外部26に、出口孔3は、室内部27に夫々開口している。
軸方向Cにおいて側壁部10に対向する枠体5の他方の側壁部10aにも、シール部材11と同様のシール部材が固着されている。
羽根手段8は、羽根本体部6及び側端部7に加えて、羽根本体部6及び側端部7に固着された軸部材31を具備しており、軸部材31は、滑り軸受等を介して側壁部10にA及びB方向に回転自在に支持されている。羽根手段8は、枠体5の他方の側壁部10a側にも、側端部7及び軸部材31と同様の側端部及び軸部材31aを具備しており、軸部材31aは、滑り軸受等を介して他方の側壁部10aにA及びB方向に回転自在に支持されている。他方の側壁部10a側における羽根手段8と当該他方の側壁部10aに固着されたシール部材との関係は、一方の側壁部10側におけるそれと同様であるので、以下、図に適宜同符号を付してその説明を省略する。
一体成形された羽根本体部6は、回転軸心Oを有すると共に軸部材31が固着された中空の円筒状の軸部35と、軸部35から径方向に一体的に伸びた一対の中空の羽根部36及び37とを具備しており、羽根部36及び37の径方向の先端部38及び39は、入口孔2から出口孔3に向かう通路4を通過する空気流40により通路閉塞位置に向かう回転モーメント、即ちB方向の回転モーメントを羽根手段8に生じさせるように湾曲している。
先端部38及び39の夫々は、羽根手段8がB方向に回転されて通路閉塞位置に配される際に、シール部材23及び24の夫々に接触して、シール部材23及び24を弾性変形させるようになっている。
先端部38及びその近傍での羽根部36の一方の面41は、凸面となるように湾曲しており、その他方の面42は、面41に相補的な凹面となるように湾曲しており、同じく、先端部39及びその近傍での羽根部37の一方の面43は、凸面となるように湾曲しており、その他方の面44は、面43に相補的な凹面となるように湾曲している。斯かる先端部38及び39並びにその近傍での羽根部36及び37の湾曲形状は、羽根手段8による通路4の開放状態(図1に示す位置)で通路4に空気流40が生じる際に、羽根部36には、前壁部21に向かう揚力を、羽根部37には、後壁部22に向かう揚力を夫々生じさせ、この揚力に基づく回転モーメントで羽根手段8を通路閉塞位置に向かわせるようにB方向に回転させることになる。
側端部7は、ねじ51等により羽根本体部6の軸方向Cの端面に固着された側端部材52と、側端部材52に同じくねじ51等により固着された半円形状の側端補助部材53とを具備している。側端部7は、斯かる別体の側端部材52と側端補助部材53とで構成する代わりに、一体的に形成してもよく、また、軸部材31と側端補助部材53とを一体的に形成(一体成形)してもよく、更には、軸部材31、側端部材52及び側端補助部材53を一体的に形成してもよく、加えて、側端部7と羽根本体部6とを一体的に形成してもよい。
側端部材52は、軸部35に対応する中央部55と、羽根部36に対応すると共に中央部55から一体的に径方向に伸びた一方の羽根側端部56と、羽根部37に対応すると共に中央部55から一体的に羽根側端部56とは逆方向の径方向に伸びた他方の羽根側端部57と、中央部55及び羽根側端部56に一体的に形成された膨大部58とを具備していると共に中央部55、羽根側端部56及び膨大部58のシール部材11に対面する外縁にシール曲面9に接触するシール曲面61と、他方の羽根側端部57のシール部材11に対面する外縁にシール部材11の他のシール曲面62に接触するシール曲面63とを有しており、シール曲面61は、A方向において、即ち、中央部55に対する羽根側端部57の一方の付け根位置64から羽根側端部56と膨大部58との交差位置65までは、徐々に回転軸心Oからの距離Dが長くなるように形成されており、交差位置65から羽根側端部56の先端位置66までは羽根部36の面41と面一になるように形成されている。シール曲面63は、面43を含む羽根部37の面と面一になるように形成されている。
側端補助部としての側端補助部材53は、シール部材11に対面する外縁にシール曲面9に接触するシール曲面71を有しており、シール曲面71は、A方向において、即ち、軸部35に対する羽根部37の一方の付け根に対応する位置72(中央部55に対する羽根側端部57の他方の付け根位置73に相当)から切欠き74のA方向の長さを少なくとも越える位置、本例では十分に越えた位置75までは、徐々に回転軸心Oからの距離Dが長くなってしかもシール曲面61と面一になるように形成されており、位置75から終端位置76までは位置75での回転軸心Oからの距離Dを曲率半径とした半円弧状に形成されている。
一体形成されていると共に弾性変形自在なシール部材11は、一対のシール片部81及び82を具備しており、シール曲面9を有したシール片部81は、羽根側端部57が伸長する切欠き74に加えて、側端補助部材53の平坦端面77が接触する端面78を有した突部83と、溝84とを有しており、シール曲面9は、シール片部81の端面85で一端が終端されていると共に突部83及び切欠き74に沿って伸び、溝84によって他端が終端されているシール曲面部86と、切欠き74によって一端が終端されていると共に溝84に隣接して当該溝84に沿って伸びたシール曲面部87とを具備しており、シール曲面部86は、位置72から位置75までのシール曲面71と相補的な形状を有していると共にシール曲面71に接触するようになっており、シール曲面部87は、シール曲面61と相補的な形状を有していると共にシール曲面61に接触するようになっている。
羽根手段8が通路4を完全開放した状態でシール部材11に弾性変形が生じないとした場合において、位置72から位置75までのシール曲面71の各部位での回転軸心Oからの距離Dは、シール部材11の対応位置でのシール曲面部86の回転軸心Oからの距離よりも長く、同じく付け根位置64から位置75までのシール曲面61の各部位での回転軸心Oからの距離Dは、シール部材11の対応位置でのシール曲面部87の回転軸心Oからの距離よりも長くなっており、位置75から交差位置65までのシール曲面61は、ほぼ平坦面に近い大きな曲率半径をもった曲面になっている。
側端部7に形成されたシール曲面61及び71からなるシール曲面14は、通路閉塞位置(通路全閉塞位置)から通路部分開放位置(図11に示す位置)までの羽根手段8の回転範囲では、シール部材11のシール曲面部86及び87に接触し、当該シール部材11に弾性変形を生じさせるようになっており(図12の斜線部参照)、通路4に対する通路部分開放位置から通路開放位置(通路全開放位置)までの羽根手段8の回転範囲では、シール部材11のシール曲面部86及び87と非接触となるようになっている(図1、図4及び図5参照)。
回転手段12は、回転力発生手段としての可逆電動モータ91と、可逆電動モータ91により発生された回転力を羽根手段8に伝達する伝達手段92とを具備している。可逆電動モータ91は、枠体5に連接された基台93に取付けられており、伝達手段92は、基台93に取付けられていると共に可逆電動モータ91の出力回転軸の回転を減速する減速歯車機構94と、減速歯車機構94の出力軸に連結されていると共に基台93に軸受95を介して回転自在に支持された回転自在軸96と、回転自在軸96に固着された円盤状の回転自在部材97とを具備している。
回転手段12は、可逆電動モータ91の作動により減速歯車機構94、回転自在軸96を介して回転自在部材97を回転させるようになっており、羽根手段8の通路開放位置(通路全開放位置)での可逆電動モータ91の作動による減速歯車機構94を介する回転自在部材97のB方向の回転で、回転自在部材97に取付けられた運動エネルギー吸収材16を同じくB方向に回転させ、運動エネルギー吸収材16のB方向の回転で運動エネルギー吸収材16の弾性面100に接触する重錘13を同じくB方向に回転させ、重錘13のB方向の回転で重錘13が取付けられた軸部材31aを同じくB方向に回転させ、これにより、羽根手段8を強制的にB方向に回転させて、シール部材23及び24並びにシール片部81及び82の弾性変形と共に羽根手段8を通路閉塞位置(通路全閉塞位置)に強制的に配するようになっている一方、羽根手段8の通路閉塞位置(通路全閉塞位置)での可逆電動モータ91の作動による減速歯車機構94を介する回転自在部材97のA方向の回転に伴う運動エネルギー吸収材16のA方向の回転で重錘13の自重によるA方向の回転を許容し、これにより、回転自在部材97のA方向の移動と共に重錘13による羽根手段8のA方向の回転を許容すようになっている。
回転力付与手段15は、重錘13に加えて、側壁部10aから枠体5外に突出した羽根手段8の軸部材31aの一端部に一端で取付けられていると共に他端部に重錘13が螺合されて取付けられたねじピン111を有しており、重錘13の自重により軸部材31aをA方向に回転させて羽根部材8を通路開放位置に向かってA方向に回転させるようになっており、而して、回転力付与手段15によって羽根手段8は、通路開放位置に向かって常時回転されるように、重錘13により常時A方向の回転力を付与されている。重錘13は、軸方向Cに直交する方向、即ち、径方向に伸びたねじピン111に位置調整自在に螺着されており、ねじピン111への螺着位置を異ならせることにより、羽根部材8に付与する回転力を変更することができる。
弾性撓み性を有した運動エネルギー吸収材16及び17は、軸方向Cに直交する方向に伸びた直方体状の合成樹脂フォームを含む発泡体若しくはスポンジ等又はゴム材等から夫々構成されており、回転自在部材97に取付板117及び118を介して夫々取付けられており、運動エネルギー吸収材16の弾性面100に回転方向(A及びB方向)に関して対面した弾性面101を有する運動エネルギー吸収材17は、羽根手段8が通路開放位置に配されている場合において当該羽根手段8が通路開放位置から通路部分開放位置まで回転できるような弾性面100と弾性面101との軸心Oについての中心角度θをもって運動エネルギー吸収材16に対して回転自在部材97に取付けられている。
換気装置1は、羽根手段8が通路4を閉塞した状態(図12に示す位置)から通路4を開放した状態(図1に示す位置)までの当該羽根手段8の位置、例えば回転自在部材97の回転位置を夫々検出する検出器(図示せず)を更に具備しており、可逆電動モータ91は、これら検出器からの検出信号に基づいて、その作動が制御されて羽根手段8による通路4の開度を所定の値にするようになっている。
以上の換気装置1では、図1に示す通路4の全開位置で、可逆電動モータ91が作動されてその出力回転軸が正転されると、回転自在部材97が図9に示すようにB方向に回転されて運動エネルギー吸収材16及び17が同方向に回転され、これにより運動エネルギー吸収材16の弾性面100に接触した重錘が弾性面100に押されて同じくB方向に回転されて軸部材31aがねじピン111を介して同じくB方向に回転される結果、羽根手段8は同方向に回転されて図11に示す状態を介して図12に示すように通路4を閉塞する状態に回転される。
換気装置1では、通路開放位置から通路閉塞位置までの羽根手段8のB方向の回転において、通路開放位置からB方向に例えば角度35゜程度羽根手段8が回転されるまでは、シール曲面71とシール曲面部86との間及びシール曲面61とシール曲面部87との間の夫々には隙間が維持され、角度35゜程度以上更に羽根手段8がB方向に回転され始めると、シール曲面71がシール曲面部86にその先導端から徐々に接触し始め、切欠き74が配された角度範囲を越えてシール曲面71がシール曲面部86に接触した後に、斯かる接触が維持されつつ、次に、シール曲面61がシール曲面部87にその先導端から徐々に接触し始め、最後に羽根手段8が角度45゜程度回転されると、シール曲面71とシール曲面部86との接触に加えて、図12に示すようにシール曲面61の全てがシール曲面部87に接触すると共にシール曲面63の全てがシール曲面62に接触し、しかも、シール曲面71、シール曲面61及びシール曲面63によりシール部材11をシール曲面部86、シール曲面部87、シール曲面62の部位で弾性変形させて、これらの接触をぴったりと行わせる。
通路閉塞位置では、羽根手段8の先端部38及び39の夫々がシール部材23及び24の夫々に接触して、シール部材23及び24を弾性変形させていると共に側端補助部材53の平坦端面77が端面78に密に接触して当該端面78を弾性変形させている。以上の状態では、通路4を介しての空気の流通は羽根手段8により阻止されることになる。
図12に示す羽根手段8の回転状態から、可逆電動モータ91が作動されてその出力回転軸が逆転されると、回転自在部材97が図9に示す状態から図8に示すようにA方向に回転されて運動エネルギー吸収材16及び17も同方向にされ、これにより運動エネルギー吸収材16の弾性面100に接触した重錘13の自重により軸部材31aが同じくA方向に回転される結果、羽根手段8は同方向に回転されて図11に示す状態を介して図1に示すように通路4を開放する状態(通路開放位置)に回転される。この状態では、室外部26及び室内部27の空気は、通路4を介して互いに流通されることになる。
回転自在部材97のA方向の回転に伴う通路閉塞位置から通路開放位置までの重錘13の自重による羽根手段8のA方向の回転において、換気装置1では、通路閉塞位置からA方向に角度10゜程度羽根手段8が回転されるまでは、シール曲面14がシール曲面9に接触しているために、羽根手段8は、重錘13の自重による作用と相俟って強制的にA方向に回転され、その後、シール曲面14のシール曲面9への接触が解除されて、シール曲面71とシール曲面部86との間及びシール曲面61とシール曲面部87との間の夫々に隙間が生じると、回転力付与手段15の重錘13の自重だけにより軸部材31aにA方向の回転力が付与されて、羽根手段8は、A方向に回転されて図1に示すように通路4を開放する状態に回転される。運動エネルギー吸収材16は、図7に示すように、羽根手段8がA方向に回転されて通路開放位置に配されるまで重錘13にその弾性面100で接触して重錘13を支えている。
また、換気装置1では、通路開放位置とこの通路開放位置からB方向に角度35゜程度の羽根手段8の回転位置との間では、シール曲面71とシール曲面部86との間及びシール曲面61とシール曲面部87との間の夫々には隙間が形成されていると共に羽根手段8には回転力付与手段15の重錘13の自重によりA方向の回転力が付与されているために、通路風速に基づく定風量制御を行い得、したがって、室内外に大きな気圧差が生じて通路4に一定以上の流速の空気流、例えば3m/sec以上の空気流40が生じる際に、B方向の回転モーメントが羽根手段8に生じ、これにより羽根手段8は、重錘13の自重によるA方向の回転モーメントに抗して通路閉塞位置に向かうB方向に回転されて、而して、強風等により通路4を介して室内部27に対して必要以上に空気が導出入されて、室内部27に不快な空気流が生じることをなくし得ると共に室外部26の塵埃を室内部27に持ち込むようなことをなくすことができ、しかも、室内部27の空気が必要以上に換気されて空調効果が低下するような不都合をなくし得て、これを補うための空調電力の増大を防ぐことができる。
更に、換気装置1では、運動エネルギー吸収材17は、通路開放位置で、通路4に一定以上の流速の空気流、例えば3m/sec以上の空気流40によりB方向の回転モーメントが生じてB方向に回転される羽根手段8が、図10に示すように、通路閉塞位置に配される直前に、当該回転に基づいてB方向に回転する重錘13がその弾性面101に衝突して、この衝突による弾性面101の弾性変形で重錘13の弾性面101への衝突を緩衝して重錘13のB方向の回転エネルギーを吸収するようになっている一方、運動エネルギー吸収材16は、通路開放位置で、羽根手段8のB方向の回転による重錘13の弾性面101への接触後の羽根手段8のA方向の回転で、羽根手段8が、図7及び図8に示すように、通路開放位置に配される際に自重に基づいてA方向に回転する重錘13がその弾性面100で衝突して、この衝突による弾性面100の弾性変形で重錘13の弾性面100への衝突を緩衝して重錘13のA方向の回転エネルギーを吸収するようになっており、而して、通路開放位置での羽根手段8のA方向及びB方向の交互の回転、即ち自励振動において、運動エネルギー吸収材16及び17は、重錘13に対する衝突によって斯かる交互の回転エネルギーを吸収して所謂ギャロッピングの発生を防止するようになっている。
換気装置1においては、羽根手段8のシール曲面14の回転軸心Oからの距離Dが羽根手段8のA方向において徐々に長くなっており、シール部材11のシール曲面9が羽根手段8のシール曲面14と相補的な形状を有しているために、羽根手段8の通路4の閉鎖方向への回転では、シール曲面14がシール曲面9に徐々に接近して最後には接触するようになっており、この接触により羽根手段8の側端部7での通路閉塞を完全に行うことができる上に、接触前には羽根手段8の回転を極めて軽く行わせることができ、而して、羽根手段8の回転において省エネルギ化を図ることができる。
また、換気装置1は、通路開放位置に配された羽根手段8が空気流40により通路閉塞位置に向かって回転した後において回転力付与手段15の重錘13の自重により通路開放位置に向かって回転させられる羽根手段8が通路開放位置に復帰する際に当該B方向に回転を生じさせてB方向に回転する重錘13が衝突するように、当該重錘13の回転軌跡上に設けられた運動エネルギー吸収材16と、通路開放位置に配された羽根手段8が空気流40により通路閉塞位置に向かって回転して通路閉塞位置に到来する直前に当該B方向の回転に基づいてB方向に回転する重錘13が衝突するように当該重錘13の回転軌跡上に設けられた運動エネルギー吸収材17とを具備しているために、通路開放位置での羽根手段8のA方向及びB方向の交互の回転、即ち羽根手段8の自励振動において重錘13の運動エネルギー吸収材16及び17への衝突によって、斯かる交互の羽根手段8の回転エネルギーを吸収して所謂ギャロッピングの発生を防止することができる。
換気装置1においては、羽根手段8の通路4の閉鎖方向への回転の最後で、羽根手段8の側端部7に形成されたシール曲面61及び71をシール部材11のシール曲面9に押し付けることができるために、この押し付けにより羽根手段8の側端部7での通路閉塞をより完全に行うことができ、また、通路部分開放位置から通路開放位置までの羽根手段8の回転範囲で羽根手段8のシール曲面14とシール部材11のシール曲面9とを互いに非接触としているために、羽根手段8の回転力を小さくできて省エネルギ化を図ることができる上に、この回転範囲を定風量回転領域とできる。
換気装置1においては、通路閉塞位置から通路部分開放位置までの羽根手段8の回転範囲で羽根手段8のシール曲面14とシール部材11のシール曲面9とを互いに接触させる上に、通路閉塞位置から通路部分開放位置までにおいてシール部材11に弾性変形を生じさせるために、通路閉塞をより完全に行うことができ、羽根手段8のシール曲面14が側端補助部材53の外縁にも設けられているために、羽根側端部57が伸長する切欠き74の部位においても、羽根手段8のシール曲面14とシール部材11のシール曲面9とを互いに接触させることができるために、通路閉塞において羽根側端部57の周りにおける隙間をなくし得、より完全な通路閉塞を達成できる。
換気装置1においては、羽根手段8が通路開放位置に回転された際に、通路閉塞位置に向かう羽根手段8の自由回転を許容するようになっているために、通路風速に基づく定風量制御を行い得、回転力付与手段15により付与する回転力を適宜設定することにより、空気流を利用する自然な通路閉塞、即ち定風量制御を確実に行うことができる。
換気装置1では、電動により羽根手段8を回転させると共に通路4を傾斜させ、そして入口孔2及び出口孔3を夫々水平方向及び垂直方向に開口させたが、本発明はこれらに限定されず、例えば、手動で羽根手段8を回転させるようにし、また、通路4を水平に伸びるようにしてもよく、更に、出口孔3を水平方向に開口させてもよい。
上記の例では、運動エネルギー吸収材16及び17を回転自在部材97に設けたが、これと共に又はこれに代えて、重錘13を包んで重錘13に捲き付けた運動エネルギー吸収材を設けてもよく、運動エネルギー吸収材16及び17に代えて重錘13を包んで重錘13に捲き付けた運動エネルギー吸収材を設ける例の場合でも、本発明にいうところの運動エネルギー吸収材が重錘の回転軌跡上に設けられた事項に該当するものとし、更に斯かる例において、羽根手段8の通路開放位置と通路部分開放位置とを規定する規定板として機能する取付板117及び118への当該運動エネルギー吸収材の衝突における重錘13の弾性変形を伴う当該運動エネルギー吸収材への圧接をも、本発明にいうところの重錘の運動エネルギー吸収材への衝突する事項に該当するものとする。更に、上記の例では、回転自在部材97に取付板117及び118を介して運動エネルギー吸収材16及び17を夫々取付けたが、運動エネルギー吸収材を回転自在部材97に取付ける代わりに、他の部材、例えば、枠体に取付けてもよい。
1 換気装置
2 入口孔
3 出口孔
4 通路
5 枠体
8 羽根手段
12 回転手段
13 重錘
14 シール曲面
15 回転力付与手段
16、17 運動エネルギー吸収材
111 ねじピン

Claims (4)

  1. 入口孔及び出口孔を有する通路を内部に有した枠体と、枠体内に回転自在に配されていると共に通路を流れる空気流により通路閉塞位置に向かう回転モーメントを生じる羽根手段と、この羽根手段を通路開放位置に向かって回転させる回転力を自重により羽根手段に常時付与するように、羽根手段に取付けられた重錘を有した回転力付与手段と、通路開放位置に配された羽根手段が空気流により通路閉塞位置に向かって回転した後において回転力付与手段の重錘の自重により通路開放位置に向かって回転させられる羽根手段が通路開放位置に復帰する際に当該回転を生じさせて回転する重錘が衝突するように、当該重錘の回転軌跡上に設けられた第一の運動エネルギー吸収材と、通路開放位置に配された羽根手段が空気流により通路閉塞位置に向かって回転して通路閉塞位置に到来する直前に当該回転に基づいて回転する重錘が衝突するように当該重錘の回転軌跡上に設けられた第二の運動エネルギー吸収材とを具備している換気装置。
  2. 第一及び第二の運動エネルギー吸収材の夫々は、発泡体からなる請求項1に記載の換気装置。
  3. 羽根手段による通路の閉塞を強制的に行わせるべく羽根手段を強制的に回転させる回転手段を更に具備している請求項1又は2に記載の換気装置。
  4. 回転手段は、回転力を発生する回転力発生手段と、この回転力発生手段により発生された回転力を羽根手段に伝達する伝達手段とを具備しており、伝達手段は、回転力発生手段の作動により回転される回転自在部材を具備しており、第一及び第二の運動エネルギー吸収材の夫々は、回転自在部材に取付けられている請求項3に記載の換気装置。
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