JP2014156807A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化触媒が担持されたフィルタを有する内燃機関の排気浄化装置において、酸化触媒の劣化程度に影響されにくいフィルタ再生処理を実現する。
【解決手段】内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタであって、酸化機能を有する酸化触媒が担持されたフィルタを有する内燃機関の排気浄化装置において、フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量が所定量を越えると、フィルタに流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側の空燃比とし、該粒子状物質を酸化除去するフィルタ再生処理が行われる。その処理の際に、酸化触媒の劣化程度が大きいほど、フィルタ再生処理時においてフィルタに流入する排気の空燃比のリーンの程度が、よりリーン側に調整される。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関において排気中の粒子状物質(以下、「PM」と称する)が外部に放出されるのを抑制すべく、排気通路にフィルタが設けられる。このフィルタには、内燃機関の運転とともに排気中のPMが捕集され次第に堆積していくため、その目詰まりを防止するためにフィルタ再生処理が行われる。例えば、ディーゼルエンジンにおけるフィルタ再生処理は、一般には排気の空燃比が継続的にリーン側の空燃比であることから、排気中に未燃燃料を供給し排気通路に設けられた酸化触媒等で排気温度を上昇させ、以て、捕集PMの酸化除去が行われる。
また、ガソリンエンジンでは、一般には、排気空燃比が理論空燃比近傍であることから、例えば、特許文献1に開示するように、エンジンを搭載する車両の減速時に行われる燃料供給停止時に吸入空気量を増加させることで、フィルタに流れ込む排気中の酸素量を増加させ、以て捕集されたPMの酸化除去を行う技術が開示されている。これにより、内燃機関での燃焼状態に影響を与えることなく、フィルタ再生処理を実現することが可能とされる。
特開2003−269223号公報 特開2006−17056号公報
排気中のPMを除去するために内燃機関の排気通路にフィルタが設けられる場合、該フィルタに酸化触媒を担持することで、該酸化触媒の酸化能を利用した捕集PMの酸化除去が行われる。例えば、従来技術のように、フィルタに流れ込む排気中の酸素量を増やすべく、フィルタ再生処理時の吸入空気量を増量することで、排気中の酸素の作用による捕集PMの酸化除去が図られる。
ここで、内燃機関の運転が行われフィルタが高温の排気に継続的に晒されることで、そこに担持された酸化触媒が劣化し、その酸化能が低下していく傾向がある。フィルタに担持された酸化触媒が劣化した状態においては、劣化していない状態と同じようにフィルタ再生処理のための吸入空気量の供給を行っても、フィルタのPM捕集機能を回復するに十分なPMの酸化除去が行われない可能性がある。特に、内燃機関がガソリンエンジンのように一般に排気空燃比が理論空燃比近傍の空燃比にあるような場合、すなわち比較的酸素濃度が低い環境下にある場合には、酸化触媒の劣化程度がフィルタにおけるPMの酸化効率に影響しやすく、好適なフィルタ再生処理の実現が阻害されやすくなる。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、酸化触媒が担持されたフィルタを有する内燃機関の排気浄化装置において、酸化触媒の劣化程度に影響されにくいフィルタ再生処理を実現することを目的とする。
本発明において、上記課題を解決するために、フィルタに流れ込む排気の空燃比をリー
ン側の空燃比とすることでフィルタ再生処理を行う排気浄化装置において、フィルタに担持された酸化触媒の劣化程度に応じて、フィルタ再生処理時の排気空燃比のリーンの程度を調整することとした。これにより、酸化触媒の劣化程度、すなわち酸化触媒の酸化能の状態に応じた酸素供給が可能となり、好適なフィルタ再生処理が実現できる。
具体的には、本発明は、内燃機関の排気浄化装置であって、内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタであって、酸化機能を有する酸化触媒が担持されたフィルタと、前記フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量が所定量を越えると、前記フィルタに流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側の空燃比とし、該粒子状物質を酸化除去するフィルタ再生処理を行うフィルタ再生処理部と、前記フィルタに担持された前記酸化触媒の劣化の程度を推定する劣化推定部と、前記劣化推定部により推定される前記酸化触媒の劣化程度が大きいほど、前記フィルタ再生処理時において前記フィルタに流入する排気の空燃比のリーンの程度を、よりリーン側に調整する排気空燃比調整部と、を備える。
本発明に係る排気浄化装置は、酸化能を有する酸化触媒が担持されたフィルタが排気通路に設けられる構成により、主に排気中のPMの捕集が行われる。ここで、排気中のPMがフィルタにより捕集され、外部への放出が抑制されるが、その捕集量が多くなるとフィルタの機能を維持することが困難となるため、フィルタ再生処理部によりフィルタ再生処理が行われる。当該フィルタ再生処理は、フィルタに流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側の空燃比(以下、単に「リーン側空燃比」ともいう)に調整することで、フィルタに酸素を比較的多く含む排気を送り込み、以て、フィルタに担持された酸化触媒の作用を利用して、捕集されたPMの酸化を促進させるものである。なお、フィルタに流れ込む排気空燃比をリーン側空燃比にする手段として、内燃機関における燃焼条件(吸入空気量、燃料噴射量等)を調整する方法や、内燃機関からの排気に二次空気を供給する方法等が挙げられる。
フィルタ再生処理部によるフィルタ再生処理は、フィルタに捕集されたPMを酸化除去すべきと判断される上記所定量を超えるPMが、フィルタに捕集された場合に行われる。当該所定量は、フィルタによるPMの捕集能力の維持等の観点から適宜設定してもよいが、フィルタに捕集されたPMが酸化除去される場合に発生する熱エネルギーが過度に大きくなるとフィルタに損傷を与える可能性がある。そこで、そのような熱エネルギーが大きくなり過ぎないように、フィルタ再生処理を行うための捕集PMに関する閾値である上記所定量を決定してもよい。
ここで、フィルタに担持された酸化触媒は、使用とともに内燃機関からの高温の排気に晒され続けることで劣化し、その酸化能が低下していく。酸化触媒の酸化能が低下すると、フィルタ再生処理時に酸化能が低下していない場合と同じようにフィルタにリーン側空燃比の排気を流入させても、効率的にフィルタに捕集されたPMを酸化除去するのが困難となり得る。この点を踏まえ、酸化触媒が劣化すると捕集されたPMの酸化効率が低下するため、同じようにPMを酸化除去するためには酸化触媒が劣化していない場合と比べてより多くの酸素を供給する必要があると考えられる。そこで、本発明に係る排気浄化装置では、劣化推定部による酸化触媒の劣化の程度の推定結果に基づいて、フィルタ再生処理のためにフィルタに流し込むリーン側空燃比の排気の、リーンの程度を調整する構成が採用される。より具体的には、酸化触媒の劣化程度が大きくなるほど、当該リーン側空燃比の排気のリーンの程度が、よりリーン側に調整される。この結果、酸化触媒の劣化による酸化能の低下分を、上述の排気空燃比のリーン側への調整分で補償することができ、以て、可及的にフィルタ再生処理を好適な状態に維持することができる。
なお、上記排気空燃比調整部による排気空燃比のリーン側への調整は、酸化触媒の劣化
程度に対して線形的に行ってもよく、また、段階的に行ってもよい。本発明に係る排気浄化装置において肝要な点は、使用とともに酸化触媒が劣化していく過程を通して、フィルタ再生処理時にフィルタに流れ込む排気空燃比のリーン側への調整が、酸化能の低下分を全部または一部補償できるように行われればよく、仮にその過程の一部において内燃機関での燃焼条件の制約等に起因して当該調整が十分に行われない場合が含まれても、それのみをもって本発明の技術思想を逸脱させるものではない。また、劣化推定部による酸化触媒の劣化程度の推定は、酸化触媒の劣化を導く、フィルタの温度履歴もしくはそこに流れ込む排気の温度履歴等に基づいて推定することができる。
また、上記内燃機関の排気浄化装置において、前記フィルタ再生処理部は、前記内燃機関において燃料の燃焼が行われている際に、前記フィルタに流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側の空燃比に調整し前記フィルタ再生処理を行うようにしてもよい。これにより、上記フィルタ再生処理部によるフィルタ再生処理と排気空燃比調整部によるリーン側空燃比の調整は、内燃機関で燃料の燃焼が行われている期間において、すなわち、内燃機関が通常の運転状態にある期間において行われることになる。通常の運転状態にはない期間、例えば、内燃機関の減速時に行われるフューエルカット(燃料供給停止)時にフィルタ再生処理を行うと、上記のように排気空燃比調整部によるリーン側空燃比の調整を行ったとしても、フィルタに多くの酸素が流れ込みやすく、フィルタでのPM酸化による発熱量が急激に増加し、フィルタが損傷する可能性がある。また、フューエルカットを行うタイミングが一定ではないため、フィルタ再生処理を行うべき好適なタイミングにそれを行うことが困難となる。一方で、上記のように内燃機関の通常の運転期間にフィルタ再生処理部によるフィルタ再生処理と排気空燃比調整部によるリーン側空燃比の調整を行うことで、適切なタイミングで、フィルタを損傷させることなく捕集されたPMの酸化除去を実現することができる。
上述までの内燃機関の排気浄化装置において、前記内燃機関は、火花点火式内燃機関であってもよい。一般的に、火花点火式内燃機関の場合には、燃料の燃焼が行われている場合の排気の空燃比は、理論空燃比近傍となる。したがって、内燃機関の通常の運転状態でフィルタ再生処理が行われる場合は、一時的に排気空燃比がリーン側空燃比となるように調整されるとともに、そのリーンの程度が排気空燃比調整部によって、酸化触媒の劣化程度に基づいて調整されることになる。
本発明によれば、酸化触媒が担持されたフィルタを有する内燃機関の排気浄化装置において、酸化触媒の劣化程度に影響されにくいフィルタ再生処理が実現される。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成を示す図である。 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置において実行される、フィルタ再生処理制御に関するフローチャートである。 図1に示す排気浄化装置に含まれるフィルタに担持された酸化触媒に関し、酸化触媒の劣化程度とその酸化能の相関を示す図である。 図2に示すフィルタ再生処理制御が行われる際の、酸化触媒の劣化程度に対応したフィルタ再生処理のための排気空燃比の推移を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の実施例について、本願明細書に添付された図に基づいて説明する。図1は、本発明を適用する内燃機関およびその排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、複数の気筒を備えた4ストローク・サイクルの火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。なお、図1では、複数の気筒のうち1気筒のみが示されている。
内燃機関1の各気筒2には、ピストン3が摺動自在に内装されている。ピストン3は、コネクティングロッド4を介して図示しない出力軸(クランクシャフト)と連結されている。また、各気筒2には、筒内に燃料を噴射するための燃料噴射弁5と、筒内の混合気に着火するための点火プラグ6が取り付けられている。また、気筒2の内部は、吸気ポート7及び排気ポート8と連通している。気筒2内における吸気ポート7の開口端は、吸気バルブ9により開閉される。気筒2内における排気ポート8の開口端は、排気バルブ10により開閉される。吸気バルブ9と排気バルブ10は、図示しない吸気カムと排気カムとにより各々開閉駆動される。
吸気ポート7は、吸気通路70と連通している。吸気通路70には、スロットル弁71が配置されている。スロットル弁71より上流の吸気通路70には、エアフローメータ72が配置されている。一方で、排気ポート8は、排気通路80と連通している。排気通路80には、白金(Pt)等の貴金属のように酸化能を有する酸化触媒が、排気中の粒子状物質(PM)を捕集するウォールフロー型のフィルタに担持されて形成されるフィルタ81が設けられている。
また、フィルタ81の上流側の排気通路80内の排気圧とその下流側の排気通路80内の排気圧との差圧を検出するための、差圧センサ82が設けられている。更に、フィルタ81の上流側の排気通路80には、内燃機関1から排出された排気に、二次空気を供給するための二次空気供給弁11が設けられている。二次空気供給弁11は、内燃機関1の吸気系から導いた空気を排気通路80に二次空気として供給し、その二次空気と内燃機関1からの排気との混合排気が、フィルタ81に流れ込むように形成されている。更に、フィルタ81の下流側の排気通路80には、フィルタ81から流れ出る排気の温度を検出するための温度センサ12が設けられている。
そして、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されており、該ECU20は内燃機関1の運転状態や排気浄化装置等を制御するユニットである。ECU20には、上述した温度センサ12、差圧センサ82の他、エアフローメータ72、クランクポジションセンサ21及びアクセルポジションセンサ22が電気的に接続され、各センサの検出値がECU20に渡される。したがって、ECU20は、エアフローメータ72の検出値に基づく吸入空気量や、クランクポジションセンサ21の検出に基づく機関回転数や、アクセルポジションセンサ22の検出に基づく機関負荷等の内燃機関1の運転状態を把握可能である。また、ECU20は、温度センサ12もしくはフィルタ81の上流側に設けられた温度センサ(図示せず)によって検出される排気温度に基づいて、フィルタ81の温度を推定することが可能である。この他、ECU20には、燃料噴射弁5、点火プラグ6、スロットルバルブ71、二次空気供給弁11が電気的に接続され、これらの各要素がECU20によって制御される。
このように構成される内燃機関1の排気浄化装置において、フィルタ81により排気中のPM除去が行われる。ここで、フィルタ81には、捕集されたPMが徐々に堆積し、その堆積量がある程度の量を超えると、内燃機関1の運転に支障を及ぼし得る。そこで、本実施例においては、ECU20によって、フィルタ81に堆積したPMを除去するためのフィルタ再生処理が実行される。本実施例に係るフィルタ再生処理は、PMが堆積してい
るフィルタ81に流れ込む排気の空燃比を、理論空燃比よりリーン側の空燃比(以下、単に「リーン側空燃比」ともいう)とすることで実現される。内燃機関1は、火花点火式の内燃機関、すなわちガソリンエンジンであり、一般に通常運転(燃料噴射弁5からの燃料噴射および点火プラグ6による点火を伴った運転)を行っている際には、その排気空燃比は理論空燃比近傍であり、通常運転が継続されることでフィルタ81にPMが次第に捕集され、堆積していく。このようにPMが堆積しているフィルタに流れ込む排気の空燃比を、上記リーン側空燃比とすることで、フィルタ81に担持されている酸化触媒の作用により、排気中の酸素で捕集されたPMが酸化除去され、フィルタ81のPM捕集能力が再生されることになる。
ここで、本実施例では、フィルタ81におけるPM堆積量が所定の堆積量に達する毎にフィルタ再生処理の実行が要求されてもよい。なお、当該所定の堆積量は、好ましくは、フィルタ81の捕集機能の担保の観点から設定される。例えば、フィルタ81に堆積するPM量が多くなり過ぎると、フィルタ再生処理時のPM酸化によって発生する熱エネルギーが大きくなり、フィルタ81が破損するおそれがある。そこで、フィルタ再生処理を行ったとしてもPM酸化による熱エネルギーでフィルタ81が破損しない程度のPM堆積量を、所定の堆積量として設定することができる。なお、フィルタ81におけるPM堆積量は、差圧センサ82の検出値に基づいて算出してもよく、また、内燃機関1での燃料噴射量、フィルタ81に流入する排気の流量、及びフィルタ81の温度等の履歴等に基づいて推定してもよい。更には、前回のフィルタ再生処理の実行が終了してからの経過時間や、内燃機関1を搭載した車両の走行距離等に基づいて、フィルタ81におけるPM堆積量を推定してもよい。
ここで、フィルタ81に担持されている酸化触媒は、使用とともに高温の排気に晒される等の理由で劣化し、その酸化能が低下していく傾向がある。酸化触媒の酸化能が低下すると、フィルタ再生処理時の捕集PMの酸化除去が効率的に行われにくくなり、排気浄化装置によるPM除去の観点から好ましくない。そこで、本実施例では、ECU20が、図2に示すフィルタ81に捕集されたPMを酸化除去するためのフィルタ再生処理制御を実行することで、フィルタ81に担持された酸化触媒の劣化に影響されにくいPMの酸化除去が行われる。当該制御は、内燃機関1において通常運転の状態、すなわち燃料噴射弁5からの燃料噴射および点火プラグ6による点火を伴った運転状態において、ECU20に格納された制御プログラムが実行されることで、行われる。
先ず、S101では、フィルタ再生処理を実行するための条件が成立しているか否かが判定される。本実施例では、差圧センサ82の検出値に基づいてフィルタ81でのPM堆積量が推定され、そのPM堆積量が上述した所定の堆積量を超えた場合に、当該条件が成立していると判断することができる。フィルタ81でのPM堆積量の推定に関し、別法として、内燃機関1での燃料噴射量、フィルタ81に流入する排気の流量、及びフィルタ81の温度等の履歴等に基づいて当該推定を行ってもよい。また、後述するフィルタ再生処理によってPMの酸化除去を行うためには、フィルタの温度、すなわちフィルタに担持された酸化触媒の温度が、触媒作用を発揮し得る活性状態となるための温度(活性温度)に到達している必要がある。そこで、上記PMの堆積量に加えて、フィルタの温度が活性温度に到達している場合に、当該条件が成立していると判断してもよい。S101で肯定判定されるとS102へ進み、否定判定されると再びS101の処理が行われる。
次に、S102では、フィルタ81に担持されている酸化触媒の劣化程度の推定が行われる。酸化触媒は高温の排気に晒され続けることでその内部でシンタリング等の触媒劣化につながる現象が発生し、図3に示すように、触媒劣化の程度の増大とともに当該酸化触媒の酸化能が低下する傾向がある。一般には、酸化触媒の温度がある閾値温度を越えると、触媒の劣化が顕著に進むことから、その閾値温度を越えた時間の積算値等に基づいて、
酸化触媒の劣化程度を推定することができる。そこで、本実施例では、温度センサ12によって検出されるフィルタ81の温度履歴に基づいて、当該酸化触媒の劣化程度が推定される。S102の処理が終了すると、S103へ進む。
S103では、S102で推定された酸化触媒の劣化程度に基づいて、フィルタ81に捕集されているPMの酸化除去のために、フィルタ81に流れ込む排気の空燃比、すなわちフィルタ再生処理のための排気空燃比のリーン程度の決定が行われる。なお、ここでいう「リーン程度」とは、排気空燃比が理論空燃比よりどの程度リーン側にずれているか、そのずれの度合いを表すパラメータであり、例えば、理論空燃比からのずれが大きくなるほど、当該リーン程度が大きいことを意味する。
具体的な排気空燃比のリーン程度の決定について、図4に基づいて説明する。図4の上段は、内燃機関1での通常運転の経過時間、すなわち酸化触媒が担持されたフィルタ81に燃料燃焼によって生じる排気が流れ込む時間の積算値とともに酸化触媒の劣化程度が進んでいく様子を示すグラフである。そして、図4の中段は、当該内燃機関1での通常運転の経過時間に対応した、排気空燃比の推移、すなわち上記リーン程度の推移を示すグラフである。また、図4の下段は、本実施例に係る内燃機関1の排気浄化装置においてフィルタ再生処理を行うタイミングであるか否かを示す図である。本実施例では、期間t1−t2および期間t3−t4においてフィルタ再生処理が行われ、したがってタイミングt1およびt3が、後述する本フィルタ再生処理制御のS104での処理実行開始のタイミングに相当する。そして、図4において、上段、中段、下段の各図における横軸の「経過時間」は共通とされている。
ここで、図4上段に示すように、フィルタ81に担持されている酸化触媒においては、経過時間の増加とともに、その劣化程度が進行し、酸化能が低下していく。酸化触媒の酸化能が低下すると、フィルタ再生処理における酸化触媒の作用が弱まり、捕集されたPMの酸化除去を効率的に行いにくくなる。そこで、本実施例においては、酸化触媒の劣化程度が進むに従い、フィルタ81に流れ込むリーン側空燃比の排気のリーン程度が、より大きくなるように調整される。具体的には、フィルタ再生処理が行われる期間t1−t2と期間t3−t4を比べると、期間t3−t4における酸化触媒の劣化程度の方が進んでいるため、当該期間t3−t4でのリーン側空燃比の排気のリーン程度は、期間t1−t2でのリーン側空燃比の排気のリーン程度よりも、よりリーン側の空燃比となるように調整される。また、一つのフィルタ再生処理が行われる期間(たとえば、期間t1−t2)においても、その期間中フィルタ81に担持された酸化触媒は、逐次排気に晒されることでその劣化程度は進行していく。そこで、当該期間においても、フィルタ81に流れ込むリーン側空燃比の排気のリーン程度を、経過時間の増加とともに増大させるようにしてもよい。
また、本実施例では、フィルタ81に流れ込むリーン側空燃比の排気のリーン程度調整は、排気通路に設けられた二次空気供給弁11から二次空気が排気中に供給されて実現される。すなわち、二次空気供給弁11からの二次空気の供給量が調整されることで、その下流に設けられたフィルタ81に流入する排気のリーン程度が調整され、フィルタ81に担持された酸化触媒の劣化程度に応じた酸素量を供給でき、以て好適なフィルタ再生処理が実現される。なお、別法として、内燃機関1における燃焼条件、例えば、吸入空気量を変更することで、排気空燃比のリーン程度調整を図ってもよい。この場合、気筒2内の新気量が増えることで内燃機関1の出力が変動したり不安定となったりしないように、気筒2内での燃焼状態を適切に制御(たとえば、成層燃焼の実施等)することが好ましい。また、気筒2での混合気の空燃比を周期的にリッチ空燃比、リーン空燃比に変化させて平均的な排気空燃比をリーン側空燃比とし得るいわゆるアクティブ制御や、内燃機関1が有する複数の気筒において、気筒間の排気空燃比を意図的にリッチ側とリーン側に分けて平均
的な排気空燃比をリーン側空燃比とし得る気筒間インバランス制御を用いて、内燃機関1の出力を可及的に安定させながら、フィルタ81に流れ込む排気空燃比のリーン程度調整を行うこともできる。
S103の処理が終了すると、S104へ進む。S104では、S103で決定されたフィルタ再生処理時の排気空燃比のリーン程度に従って、二次空気供給弁11からの二次空気の供給量が調整されることで、フィルタ再生処理が実行されることになる。なお、このとき、内燃機関1においては、通常運転、すなわち燃料噴射弁5からの燃料噴射および点火プラグ6による点火を伴った運転が行われている。S104の処理が終了すると、S105へ進む。
S105では、フィルタ再生処理の終了タイミングか否かが判定される。具体的には、S104でフィルタ再生処理が開始されてからの経過時間や、温度センサ12で検出される排気温度推移等に基づいて、フィルタ再生処理の終了タイミングが判定される。S105で肯定判定されると、S106へ進み、否定判定されると再度S105の判定が行われる。そして、S106において、S104で実行開始されたフィルタ再生処理が終了され、再び本制御が繰り返される。
本制御によれば、フィルタ再生処理において、フィルタ81に担持された酸化触媒の劣化程度が考慮されて、フィルタ81に流れ込む排気空燃比のリーン程度が調整される。これにより、酸化触媒の劣化状態に影響されずに、もしくは当該劣化状態に影響されにくい状態で、フィルタ81に捕集されたPMの酸化除去が可能となる。また、図2に示すフィルタ再生処理制御によるフィルタ再生処理は、内燃機関1において通常運転が行われている状態で実行されることから、フィルタ再生処理の実行タイミングを広く確保することができ、そのため捕集されたPMの燃焼による熱エネルギーで、フィルタ81が損傷する可能性を可及的に抑制することが可能となる。
<変形例>
なお、上記実施例では、内燃機関1は火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)とされたが、それに代えて内燃機関1は、圧縮自着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であってもよい。内燃機関1が圧縮自着火式内燃機関である場合、一般には、排気空燃比は比較的リーン側の空燃比となるが、それでも本願発明のようにフィルタに担持された酸化触媒の劣化程度に応じてフィルタに流れ込むリーン側空燃比の排気のリーン程度を調整することで、フィルタ再生処理を好適に行うことができる。
1 内燃機関
5 燃料噴射弁
6 点火プラグ
11 二次空気供給弁
12 温度センサ
20 ECU
21 クランクポジションセンサ
22 アクセル開度センサ
70 吸気通路
80 排気通路
81 フィルタ
82 差圧センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタであって、酸化機能を有する酸化触媒が担持されたフィルタと、
    前記フィルタに捕集された粒子状物質の堆積量が所定量を越えると、前記フィルタに流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側の空燃比とし、該粒子状物質を酸化除去するフィルタ再生処理を行うフィルタ再生処理部と、
    前記フィルタに担持された前記酸化触媒の劣化の程度を推定する劣化推定部と、
    前記劣化推定部により推定される前記酸化触媒の劣化程度が大きいほど、前記フィルタ再生処理時において前記フィルタに流入する排気の空燃比のリーンの程度を、よりリーン側に調整する排気空燃比調整部と、
    を備える、内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記フィルタ再生処理部は、前記内燃機関において燃料の燃焼が行われている際に、前記フィルタに流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側の空燃比に調整し前記フィルタ再生処理を行う、
    請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記劣化推定部は、前記酸化触媒の温度が該酸化触媒の劣化に関する所定の閾値温度を越えた時間の積算値に基づいて、該酸化触媒の劣化の程度を推定する、
    請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記内燃機関は、火花点火式内燃機関である、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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