JP2007154770A - 内燃機関の昇温制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アイドル運転中の吸気スロットル弁による排気昇温の実行時において、エンジン回転変動や外部負荷の作動に起因して燃料噴射量が増加したときであっても、空気過剰率を適正範囲に保持して失火や黒煙増加を未然に防止できる内燃機関の昇温制御装置を提供する。
【解決手段】アイドル運転時において燃料噴射量Qが増加して補正判定値Q0を上回ったときに、燃料噴射量Qの増加に応じて吸気スロットル弁の開度θを開側に補正し、これにより燃料噴射量Qの増加に起因する空気過剰率λの落ち込みを抑制して失火や黒煙増加を防止する。
【選択図】図2
【解決手段】アイドル運転時において燃料噴射量Qが増加して補正判定値Q0を上回ったときに、燃料噴射量Qの増加に応じて吸気スロットル弁の開度θを開側に補正し、これにより燃料噴射量Qの増加に起因する空気過剰率λの落ち込みを抑制して失火や黒煙増加を防止する。
【選択図】図2
Description
本発明は内燃機関の吸気量を吸気スロットル弁で制限して排気温度を上昇させることにより排気通路に設けた排気浄化装置を昇温する内燃機関(以下、エンジンと称する)の昇温制御装置に関するものである。
エンジンの排気通路には排ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置として種々の触媒やフィルタが配置されており、これらの触媒やフィルタを正常に機能させるために昇温制御が実施されている。当該昇温制御は、例えば触媒を活性化温度に維持することを目的として行われたり、或いはDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)に対する強制再生時の昇温やNOx触媒に対するSパージ時の昇温を目的として行われたりし、その昇温制御の一つとして、エンジンの吸気通路に設けた吸気スロットル弁を閉弁制御して吸気量を制限することでエンジを排気昇温し、排気熱により触媒やフィルタを昇温する手法が実施されている(例えば、特許文献1参照)。
当該特許文献1に記載された技術は、排気通路に設けた触媒を活性化温度に維持するためのものであり、触媒上流側の排気温度(即ち、触媒に流入する排ガス温度)が触媒温度より低くなったときに吸気スロットル弁を閉弁制御してエンジンを排気昇温し、これにより触媒の温度低下を抑制している。
特開平10−47112号公報
上記のような吸気スロットル弁による排気昇温は通常走行時のみならずアイドル運転でも行われるが、元々吸気量が少ないアイドル運転では、例えば吸気スロットル弁を目標空気過剰率に基づいてフィードバック制御すると安定したアイドル回転を維持できないなどの理由により、吸気スロットル弁を所定の一定開度で制御している。
ところが、アイドル運転時においてエンジン側の制御では所定のアイドル回転速度を維持するように燃料噴射量を制御しているため、例えば図3のタイムチャートに示すように、エンジン回転変動に応じて燃料噴射量が増加したとき(図中の期間A)、或いはエアコンコンプレッサなどの外部負荷の作動により燃料噴射量が増加したときには(図中の期間B)、噴射された燃料量に対して吸気量が不足して空気過剰率λが1未満まで低下し、これにより失火や排ガス中の黒煙増加を発生させてしまう不具合が生じた。上記特許文献1の技術では、このようなアイドル運転時の燃料噴射量の変動を何ら考慮していないため、上記不具合の解決策とはなり得なかった。
ところが、アイドル運転時においてエンジン側の制御では所定のアイドル回転速度を維持するように燃料噴射量を制御しているため、例えば図3のタイムチャートに示すように、エンジン回転変動に応じて燃料噴射量が増加したとき(図中の期間A)、或いはエアコンコンプレッサなどの外部負荷の作動により燃料噴射量が増加したときには(図中の期間B)、噴射された燃料量に対して吸気量が不足して空気過剰率λが1未満まで低下し、これにより失火や排ガス中の黒煙増加を発生させてしまう不具合が生じた。上記特許文献1の技術では、このようなアイドル運転時の燃料噴射量の変動を何ら考慮していないため、上記不具合の解決策とはなり得なかった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、アイドル運転中の吸気スロットル弁による排気昇温の実行時において、エンジン回転変動や外部負荷の作動に起因して燃料噴射量が増加したときであっても、空気過剰率を適正範囲に保持して失火や黒煙増加を未然に防止することができる内燃機関の昇温制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化装置と、内燃機関の吸気通路に設けられて吸気量を制限する吸気スロットル弁と、排気浄化装置の昇温を要する運転状態のときに、内燃機関の排気温度を上昇させるべく吸気スロットル弁を所定開度まで閉制御する昇温制御手段と、内燃機関のアイドル運転時において内燃機関の燃料噴射量が所定値を越えて増加したときに、燃料噴射量の増加に応じて吸気スロットル弁の開度を開側に補正するスロットル開度補正手段とを備えたものである。
従って、排気浄化装置の昇温を要する運転状態では、昇温制御手段により吸気スロットル弁が所定開度まで閉側に制御されて、吸気量の制限により内燃機関の排気温度が上昇して排気浄化装置の昇温作用が得られる。
一方、アイドル運転時には所定のアイドル回転速度を維持するように燃料噴射量が制御されるため、機関回転変動や外部負荷の作動に伴って燃料噴射量が増加する場合があり、燃料噴射量に対して吸気量が不足することから、空気過剰率の低下により失火や黒煙増加を発生させる虞が生じる。このときにはスロットル開度補正手段により燃料噴射量の増加に応じて吸気スロットル弁の開度が開側に補正されるため、空気過剰率の低下が抑制されて失火や黒煙増加が未然に防止される。
一方、アイドル運転時には所定のアイドル回転速度を維持するように燃料噴射量が制御されるため、機関回転変動や外部負荷の作動に伴って燃料噴射量が増加する場合があり、燃料噴射量に対して吸気量が不足することから、空気過剰率の低下により失火や黒煙増加を発生させる虞が生じる。このときにはスロットル開度補正手段により燃料噴射量の増加に応じて吸気スロットル弁の開度が開側に補正されるため、空気過剰率の低下が抑制されて失火や黒煙増加が未然に防止される。
請求項2の発明は、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化装置と、内燃機関の吸気通路に設けられて吸気量を制限する吸気スロットル弁と、排気浄化装置の昇温を要する運転状態のときに、内燃機関の排気温度を上昇させるべく吸気スロットル弁を所定開度まで閉制御する昇温制御手段と、内燃機関のアイドル運転時において内燃機関の燃料噴射量が所定値を越えて増加したときに、所定の目標空気過剰率に基づいて吸気スロットル弁の開度を所定開度に対して開側のみにフィードバック制御するスロットル開度フィードバック手段とを備えたものである。
従って、排気浄化装置の昇温を要する運転状態では、昇温制御手段により吸気スロットル弁が所定開度まで閉側に制御されて、吸気量の制限により内燃機関の排気温度が上昇して排気浄化装置の昇温作用が得られる。
一方、アイドル運転時には所定のアイドル回転速度を維持するように燃料噴射量が制御されるため、機関回転変動や外部負荷の作動に伴って燃料噴射量が増加する場合があり、燃料噴射量に対して吸気量が不足することから、空気過剰率の低下により失火や黒煙増加を発生させる虞が生じる。
一方、アイドル運転時には所定のアイドル回転速度を維持するように燃料噴射量が制御されるため、機関回転変動や外部負荷の作動に伴って燃料噴射量が増加する場合があり、燃料噴射量に対して吸気量が不足することから、空気過剰率の低下により失火や黒煙増加を発生させる虞が生じる。
このときにはスロットル開度フィードバック手段により所定の目標空気過剰率に基づいて吸気スロットル弁の開度がフィードバック制御されるため、空気過剰率の低下が抑制されて失火や黒煙増加が未然に防止される。また、吸気量が少ないアイドル運転時において吸気スロットル弁を閉側にもフィードバック制御すると、制御の揺らぎにより吸気スロットル弁が全閉されて吸気を遮断してしまう可能性があるが、閉側へのフィードバック制御を禁止することで吸気遮断による機関の変調が未然に防止される。
以上説明したように請求項1の発明の内燃機関の制御装置によれば、アイドル運転中の吸気スロットル弁による排気昇温の実行時において、エンジン回転変動や外部負荷の作動に起因して燃料噴射量が増加したときに吸気スロットル弁の開度を開側に補正するようにしたため、燃料噴射量が増加したときであっても空気過剰率を適正範囲に保持して失火や黒煙増加を未然に防止することができる。
請求項2の発明の内燃機関の制御装置によれば、アイドル運転中の吸気スロットル弁による排気昇温の実行時において、エンジン回転変動や外部負荷の作動に起因して燃料噴射量が増加したときに目標空気過剰率に基づいて吸気スロットル弁の開度を開側のみにフィードバック制御するようにしたため、制御の揺らぎにより吸気スロットル弁が全閉されたときの機関変調を防止した上で、燃料噴射量が増加したときであっても空気過剰率を適正範囲に保持して失火や黒煙増加を未然に防止することができる。
以下、本発明を具体化したディーゼルエンジンの制御装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの制御装置を示す全体構成図であり、エンジン1は直列4筒機関として構成されている。エンジン1の各気筒には吸気マニホールド2を介して吸気通路3が接続され、吸気通路3には上流側よりエアクリーナ4、ターボチャージャ5のコンプレッサ5a、インタクーラ6、排気昇温のために吸気量を制限する吸気スロットル弁10が設けられている。また、エンジン1の各気筒には排気マニホールド7を介して排気通路8が接続され、排気通路8には上流側よりターボチャージャ5のタービン5b、排気通路8に燃料(軽油)を供給するための燃料噴射弁9、吸蔵型NOx触媒11(排気浄化装置)、DPF12、後段酸化触媒13、および図示しない消音器が設けられている。また、吸気マニホールド2と排気マニホールド7とはEGR通路23を介して接続され、EGR通路23にはEGRクーラ24およびEGR弁25が設けられている。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの制御装置を示す全体構成図であり、エンジン1は直列4筒機関として構成されている。エンジン1の各気筒には吸気マニホールド2を介して吸気通路3が接続され、吸気通路3には上流側よりエアクリーナ4、ターボチャージャ5のコンプレッサ5a、インタクーラ6、排気昇温のために吸気量を制限する吸気スロットル弁10が設けられている。また、エンジン1の各気筒には排気マニホールド7を介して排気通路8が接続され、排気通路8には上流側よりターボチャージャ5のタービン5b、排気通路8に燃料(軽油)を供給するための燃料噴射弁9、吸蔵型NOx触媒11(排気浄化装置)、DPF12、後段酸化触媒13、および図示しない消音器が設けられている。また、吸気マニホールド2と排気マニホールド7とはEGR通路23を介して接続され、EGR通路23にはEGRクーラ24およびEGR弁25が設けられている。
NOx触媒11は、例えば白金(Pt)、パラジウム(Pd),ロジウム(Rh)等の貴金属と、バリウム(Ba)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)等のアルカリ金属、アルカリ土類金属のNOxトラップ剤とを触媒担体上に担持して構成され、排気空燃比がリーンのときに排ガス中のNOxを硝酸塩X−NO3として吸蔵する一方、排気空燃比がリッチのときに吸蔵しているNOxを放出して窒素(N2)等に還元浄化する機能を奏する。また、DPF12は排ガスをフィル壁に流通させるウォールフロー式フィルタとして構成され、排ガスの流通時に排ガス中に含まれるPM(パティキュレートマター)をフィルタ壁に捕集する機能を奏する。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(エンジン制御ユニット)31が設置されており、エンジン1の総合的な制御を行う。ECU31の入力側にはNOx触媒11の下流側に設けられた温度センサ32、およびエンジン1の運転状態を検出する図示しない回転速度センサや水温センサなどの各種センサ類が接続され、ECU31の出力側には上記吸気スロットル弁10およびEGR弁25を開閉駆動する図示しないアクチュエータ、燃料噴射弁9、およびエンジン1に気筒毎に設けられた図示しない燃料噴射弁などの各種デバイス類が接続されている。
ECU31は各センサからの検出情報に基づいてエンジン1の燃料噴射量Qや噴射時期などを決定し、決定した制御量に基づいて各気筒の燃料噴射弁などを駆動制御してエンジン1を運転する。そして、このエンジン運転中において排ガス中に含まれるNOxはNOx触媒11に吸蔵され、同じく排ガス中に含まれるPMはDPF12に捕集され、これらの有害成分の排出が防止される。
また、エンジン運転中においてECU31はNOx触媒11へのNOx吸蔵量およびDPF12へのPM捕集量を逐次算出しており、これらの算出値が予め設定された所定値に達したときにはNOx触媒11からNOxを放出還元するNOxパージ、或いはDPF12のPMを焼却除去する強制再生を適宜実行する。これらのNOxパージや強制再生は燃料噴射弁9から噴射した燃料を利用して行われ、ECU31はNOx吸蔵量に基づいてNOx触媒11の吸蔵限界と判定したときには、燃料噴射弁9から噴射した燃料を還元剤として利用してNOx触媒11上のNOxを放出還元し、また、PM捕集量に基づいてDPF12の捕集限界と判定したときには、燃料噴射弁9から噴射した燃料をNOx触媒11で反応させることにより排気温度を上昇させてDPF12上のPMを焼却除去する。
一方、ECU31はエンジン運転中においてNOx触媒11の温度が活性化温度を下回ったときには、吸気スロットル弁10による排気昇温を実行してNOx触媒11の温度維持を図っており、以下、当該排気昇温制御について詳述する。
温度センサ32より検出されるNOx触媒11を通過後の排ガスの温度(排気温度)はNOx触媒11のベッド温度と相関しており、ECU31は検出された排気温度に基づいてNOx触媒11のベッド温度を推定し、エンジン運転中には常にベッド温度を監視している。そして、推定したベッド温度がNOx触媒11の活性化温度より若干高い値として設定された下限温度を下回ったときには、NOx触媒11による正常な浄化性能が期待できないと判断して排気昇温のために吸気スロットル弁10を閉弁側に制御する。当該制御は、基本的に従来技術で説明したものと同様に吸気スロットル弁11の開度θを所定の一定値に保った状態で行われるが、アイドル運転時には燃料噴射量Qに応じて適宜開側に補正する点が相違している。
即ち、ECU31はアイドル以外の運転時には吸気スロットル弁10を所定の一定開度(以下、基本開度θbaseと称する)で制御し、吸気量の制限によりエンジン1を排気昇温させてNOx触媒11の温度維持を図ると共に、アイドル運転時で燃料噴射量Qが予め設定された補正判定値Q0以下のときにも、同じく一定の基本開度θbaseで吸気スロットル弁10を制御する(昇温制御手段)。一方、アイドル運転時において燃料噴射量Qが補正判定値Q0を上回ったときには、吸気スロットル弁10を上記基本開度θbaseを基準として開側に補正する(スロットル開度補正手段)。
図2はアイドル運転時の吸気スロットル弁10の制御状況を示すタイムチャートであり、この図に示すように、アイドル運転時にはエンジン側の制御で所定のアイドル回転を維持するように燃料噴射量Qが制御されているため、例えばエンジン回転変動に応じて燃料噴射量Qが増加したとき(図中の期間A)、或いはエアコンコンプレッサなどの外部負荷の作動により燃料噴射量Qが増加したときには(図中の期間B)、噴射された燃料量に対して吸気量が不足して空気過剰率λが1未満まで低下し、これにより失火や排ガス中の黒煙増加を発生させる場合がある。上記補正判定値Q0としては、このような失火や黒煙増加の虞がない燃料噴射量Qの上限値近傍に設定されており、当該補正判定値Q0を燃料噴射量Qが上回るほど、過剰な燃料噴射量Qに起因する空気過剰率λの低下により失火や黒煙増加の虞が高まることになる。
アイドル運転時において燃料噴射量Qが補正判定値Q0を上回ったとき、ECU31は燃料噴射量Qと補正判定値Q0との偏差に応じて吸気スロットル弁10の開側への補正値を設定し、偏差が大きいほど補正値を増加設定して、当該補正値の加算により吸気スロットル弁10をより開側に制御する。結果として燃料噴射量Qに対する吸気量の不足が解消され、図2に示すように燃料噴射量Qが増加しても空気過剰率λは大きく落ち込むことなく適正範囲に保持されて失火や黒煙増加が未然に防止される。
なお、吸気スロットル弁10の開側制御により吸気量が増加して排気昇温作用は若干低下するが、エンジン回転変動や外部負荷に応じたアイドル回転制御により燃料噴射量Qが増加するのは一時的であるため、NOx触媒11の温度維持に不足を生じる虞はほとんどなく、NOx触媒11を活性化温度に保った上で上記失火や黒煙増加の防止作用を得ることができる。
以上のように本実施形態のディーゼルエンジン1の制御装置では基本的に吸気スロットル弁10を基本開度θbaseで制御する一方、アイドル運転時において燃料噴射量Qの増加により失火や黒煙増加の懸念が生じたときには、燃料噴射量Qの増加に応じて吸気スロットル弁10の開度を開側に補正するようにしたため、燃料噴射量Qの増加に起因する空気過剰率λの落ち込みを抑制して、失火や黒煙増加を未然に防止することができる。
また、排気昇温時に吸気スロットル弁を一定開度(本実施形態の基本開度θbaseに相当)で制御する従来手法では、アイドル運転時の燃料噴射量Qの増加に起因する失火や黒煙増加を多少でも軽減するために吸気スロットル弁の一定開度をより開側に設定するしかなく、結果として排気昇温作用を不足させる要因となったが、本実施形態では失火や黒煙増加の防止のために基本開度θbaseを開側に設定する必要がないため、通常時には吸気スロットル弁10をより閉側に制御して排気昇温作用を向上できるという利点もある。
ところで、上記実施形態では補正判定値Q0と燃料噴射量Qとの偏差に応じて吸気スロットル弁10の開度を補正したが、燃料噴射量Qの増加に応じてエンジン1の吸気量を増加させる制御であれば、その手法は上記に限定されることはない。例えば目標空気過剰率tgtλに基づいて吸気スロットル弁10の開度をフィードバック制御しても同様の作用効果を得ることができ、以下、当該別例について説明する。
この別例のディーセルエンジン1の制御装置は図1に示した実施形態と同一構成であり、ECU31はアイドル運転中の排気昇温時に吸気スロットル弁10を基本開度θbaseで制御し、燃料噴射量Qが補正判定値Q0を上回ったときには目標空気過剰率tgtλに基づくフィードバック制御に切換えている(スロットル開度フィードバック手段)。目標空気過剰率tgtλとしては、吸気量の増加に伴う排気昇温作用の低下を最小限に抑制した上で失火や黒煙増加を防止可能な値が適用される。
ここで、目標空気過剰率tgtλに基づくフィードバック制御は、上記基本開度θbaseより吸気スロットル弁10を開側に制御する場合のみ機能し、基本開度θbaseより閉側への吸気スロットル弁10の制御は禁止されている。結果として、このときの吸気スロットル弁10は図2に示した実施形態のものと同様の制御状況となり、燃料噴射量Qが補正判定値Q0を上回るほど、同一の目標空気過剰率tgtλを維持すべく吸気スロットル弁10が開側に制御される一方、増加中の燃料噴射量Qが何らかの要因により一時的に減少した場合には、目標空気過剰率tgtλに基づいて基本開度θbaseより閉側のスロットル開度θが算出されたとしても、吸気スロットル弁10は基本開度θbaseに保持される。
アイドル運転には元々吸気量が少ないことから排気昇温時の吸気スロットル弁10は全閉付近で制御されており、この状況下で吸気スロットル弁10を開側および閉側の両方向にフィードバック制御すると、制御の揺らぎにより吸気スロットル弁10が全閉されて吸気を遮断してしまう可能性がある。上記のように閉側へのフィードバック制御を禁止することで、このような吸気遮断によるエンジン変調を未然に防止でき、重複する説明はしないが上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではディーゼルエンジン1の制御装置に具体化して、排気通路に備えられたNOx触媒11の温度維持のために吸気スロットル弁10による排気昇温を実行したが、エンジン1の種別や吸気スロットル弁10による排気昇温の目的はこれに限ることはなく、ガソリンエンジンに適用したり別目的の排気昇温に利用したりしてもよい。
例えばNOx触媒11にはNOxの代わりに硫黄成分の酸化物であるSOxが吸蔵されてNOx浄化効率を低下させる現象が生じるが、当該SOxを除去する所謂Sパージを目的として吸気スロットル弁10による排気昇温を利用してもよいし、或いはDPF12のPMを焼却除去する強制再生の際に吸気スロットル弁10による排気昇温を利用してもよい。このような場合でもアイドル運転時に燃料噴射量Qが増加したときには、上記実施形態やその別例の手法に従って吸気スロットル弁10を開側に制御すれば、失火や黒煙増加を防止した上で排気昇温を実行することができる。
1 エンジン(内燃機関)
3 吸気通路
8 排気通路
10 吸気スロットル弁
11 NOx触媒(排気浄化装置)
31 ECU(昇温制御手段,スロットル開度補正手段、スロットル開度フィードバッ ク手段)
3 吸気通路
8 排気通路
10 吸気スロットル弁
11 NOx触媒(排気浄化装置)
31 ECU(昇温制御手段,スロットル開度補正手段、スロットル開度フィードバッ ク手段)
Claims (2)
- 内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化装置と、
上記内燃機関の吸気通路に設けられて吸気量を制限する吸気スロットル弁と、
上記排気浄化装置の昇温を要する運転状態のときに、上記内燃機関の排気温度を上昇させるべく上記吸気スロットル弁を所定開度まで閉制御する昇温制御手段と、
上記内燃機関のアイドル運転時において該内燃機関の燃料噴射量が所定値を越えて増加したときに、該燃料噴射量の増加に応じて上記吸気スロットル弁の開度を開側に補正するスロットル開度補正手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の昇温制御装置。 - 内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化装置と、
上記内燃機関の吸気通路に設けられて吸気量を制限する吸気スロットル弁と、
上記排気浄化装置の昇温を要する運転状態のときに、上記内燃機関の排気温度を上昇させるべく上記吸気スロットル弁を所定開度まで閉制御する昇温制御手段と、
上記内燃機関のアイドル運転時において該内燃機関の燃料噴射量が所定値を越えて増加したときに、所定の目標空気過剰率に基づいて上記吸気スロットル弁の開度を上記所定開度に対して開側のみにフィードバック制御するスロットル開度フィードバック手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の昇温制御装置。
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