JP2014156779A - エンジン及び鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムチェーンを容易に取り付けることができるエンジンを提供すること
【解決手段】クランクケース84は、張力付与部材158を揺動可能に支持する支持軸240と、クランクシャフト56の軸方向から見て、支持軸240の中心と第1のスプロケット108の中心とを結ぶ直線L2に対して第2のスプロケット146とは反対側に位置し、かつ、張力付与部材158を支持する仮支持軸252とを含む。チェーン室210は、仮支持軸252により、張力付与部材158が支持された状態で、張力付与部材158の一部と接触し、一部をスライド可能に支持する仮支持面213とを含む。クランクシャフト56の軸方向から見て、仮支持軸252は、チェーン154のうち第1のスプロケット108に巻き掛けられた部分よりも仮支持面213側に位置する。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジン及び鞍乗型車両に関する。詳しくは、カムチェーンに張力を付与するテンショナの構造に関する。
鞍乗型車両の一種である自動二輪車が知られている。自動二輪車が備えるエンジンは、例えば、特開2009―228673号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に記載のエンジンでは、クランクシャフトの動力が、カムチェーンを介して、カムシャフトに伝達される。
カムチェーンは、チェーン室内に配置される。チェーン室は、クランクケース、シリンダボディ及びシリンダヘッドに跨って形成される。カムチェーンには、弛みが出ないように、張力が付与される。特許文献1に記載のエンジンは、チェーンガイドをカムチェーンに押し付けるテンショナを備える。このテンショナによって、カムチェーンに張力が付与される。
カムチェーンをエンジンに取り付ける際には、次のような動作を行う。クランクケースにシリンダボディおよびシリンダヘッドが取り付けられていない状態で、クランクシャフトに取り付けられたスプロケットにカムチェーンを巻き掛ける。そして、シリンダボディをクランクケースに取り付ける際にカムチェーンガイドをシリンダボディに取り付ける。シリンダボディにシリンダヘッドを取り付け、カムシャフトに取り付けるためのスプロケットにカムチェーンを巻き掛ける。カムシャフト側のスプロケットをカムシャフトに固定する。最後に、シリンダヘッドにテンショナを取り付け、カムチェーンに張力を付与する。
特開2009−228673号公報
特許文献1に記載のエンジンでは、カムチェーンガイドの他に、テンショナを備えるので、部品点数が多くなっている。部品点数を削減するため、テンショナとカムチェーンガイドとの両方の役割を果たすブレードテンショナを用いることも考えられる。この場合には、ブレードテンショナはカムチェーンガイドを取り付けるタイミングに取り付けられる。そうすると、ブレードテンショナの取り付け作業中から、ブレードテンショナによりカムチェーンに張力が付与されることとなる。この状態では、カムチェーンをカムシャフト側のスプロケットに巻き掛ける際に、カムチェーンに張力が作用しカムシャフト側のスプロケットにカムチェーンを巻き掛けるのが難しいという問題がある。
シリンダボディには側面が開閉自在になっている構成のものがある。シリンダボディの側面が開く構成においては、シリンダボディおよびシリンダヘッドの側面を開いてカムチェーンの取り付け作業中にカムチェーンに張力が付与されないようにブレードテンショナを支持すること等が考えられる。しかし、鞍乗型車両のエンジンでは、シリンダボディの側面が開かない構成が一般的である。この場合には、上記のようにカムチェーンを取り付けるのが困難である。
本発明の課題は、ブレードテンショナを用いてカムチェーンに張力を付与する構成であって、シリンダボディの側面が開かない構成のエンジンに、カムチェーンを容易に取り付け可能な構成を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明のエンジンは、チェーン室を有するエンジンであって、クランクシャフトと、カムシャフトと、前記クランクシャフトに取り付けられた第1のスプロケットと、前記カムシャフトに取り付けられた第2のスプロケットと、前記第1のスプロケットを収容する第1の空間を有するクランクケースと、前記クランクケースに取り付けられ、第2の空間を形成する筒部を有するシリンダボディと、前記シリンダボディに取り付けられ、前記第2のスプロケットを収容し、第3の空間を形成するシリンダヘッドとを備え、前記第1の空間は前記筒部の一端を介して前記第2の空間と接続され、前記第3の空間は前記筒部の他端を介して前記第2の空間と接続され、前記第1の空間、前記第2の空間及び前記第3の空間を含む前記チェーン室が形成され、前記エンジンは、さらに、前記チェーン室内に配置され、前記第1のスプロケット及び前記第2のスプロケットに巻き掛けられるチェーンと、前記チェーン室内に収容され、前記チェーンに張力を与える張力付与部材とを備え、前記張力付与部材は、前記クランクシャフトの軸方向から見て円弧状に湾曲する板バネ部材と、前記板バネ部材を支持し、前記チェーン室内で前記チェーンに接触する接触部材とを含み、前記クランクケースは、前記張力付与部材に形成された支持孔に挿入されることで前記張力付与部材を揺動可能に支持する支持軸と、前記クランクシャフトの軸方向から見て、前記支持軸の中心と前記第1のスプロケットの中心とを結ぶ直線に対して、前記第2のスプロケットとは反対側に位置し、かつ前記張力付与部材に形成された仮支持部に接触することで前記張力付与部材を支持する仮支持軸とを含み、前記チェーン室は、前記支持軸により、前記張力付与部材が支持された状態で、前記張力付与部材の一部と接触し、前記一部をスライド可能に支持する支持面と、前記仮支持軸により、前記張力付与部材が支持された状態で、前記張力付与部材の前記一部と接触し、前記一部をスライド可能に支持する仮支持面とを含み、前記クランクシャフトの軸方向から見て、前記仮支持軸は、前記チェーンのうち前記第1のスプロケットに巻き掛けられた部分よりも前記支持面側に位置する。
本発明のエンジンは、チェーンを容易に取り付けることができる。
本発明の第1の実施の形態による自動二輪車の全体構成を示す左側面図である。 図1に示した自動二輪車のパワーユニットの前部を示す平面断面図である。 図1に示した自動二輪車のパワーユニットの後部を示す平面断面図である。 チェーン室を左側から見た一部断面図である。 図2の一部を拡大して示す平面断面図である。 テンショナの取付構造を示す平面断面図である。 エンジンの組立方法の一工程を示す一部断面図である。 図7におけるテンショナの支持状態を示す平面断面図である。 エンジンの組立方法の一工程を示す一部断面図であって、図7に示す工程よりも後の工程を示す一部断面図である。 本発明の第2の実施形態におけるチェーン室を左側から見た一部断面図であって、テンショナが仮固定された状態における一部断面図である。 本発明の第3の実施形態におけるテンショナの取付構造を示す平面断面図であって、テンショナが仮固定された状態における平面断面図である。
[実施形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態による自動二輪車10について説明する。本実施形態では、自動二輪車10として、スクーター型式の自動二輪車を例に説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその部材についての説明は繰り返さない。
〈全体構成〉
図1は、本発明の実施の形態による自動二輪車10の左側面図である。なお、以下の説明において前後左右と方向を示す場合、自動二輪車10のシート22に着座した乗員から見た前後左右の方向を意味するものとする。図中矢印Fは、自動二輪車10の前方向を、矢印Uは、自動二輪車10の上方向を示す。
自動二輪車10は、車両本体12、自動二輪車10の前部に設けられた前輪14および自動二輪車10の後部に設けられた後輪16を備えている。
車両本体12は、主に、車体フレーム18、ハンドル20、シート22およびパワーユニット24を備えている。
車体フレーム18は、パワーユニット24およびシート22などを支持する。図1では車体フレーム18を破線で示している。車体フレーム18はヘッドパイプ19を有している。ヘッドパイプ19にはステアリングシャフトが回転自在に挿入されている。ステアリングシャフトの上端にはハンドル20が取り付けられている。ステアリングシャフトの両端にフロントフォーク26が取り付けられている。フロントフォーク26の下端には前輪14が回転自在に取り付けられている。車体フレーム18は鉄鋼などの剛性の高い金属によって形成されている。
車体フレーム18は車体カバー28によって覆われている。車体カバー28は樹脂製である。車体カバー28は、フットボード30、フロントカバー32、ハンドルカバー34、フロントフェンダー36、リアフェンダー37およびサイドカバー38を有している。
フットボード30はシート22の下方に設けられる。フットボード30は前後方向に延びている。
フロントカバー32はシート22の前方に位置している。フロントカバー32はヘッドパイプ19を覆うように設けられる。フロントカバー32にはヘッドライト42が配置されている。
ハンドルカバー34はハンドル20の一部を覆う。ハンドルカバー34はフロントカバー32の上方に設けられている。ハンドルカバー34には図示しない速度メータ等の計測器類を表示するパネルが取り付けられている。
フロントフェンダー36は前輪14の上方に配置されている。フロントフェンダー36はフロントカバー32の下方に配置されている。フロントフェンダー36はフロントカバー32よりも前方に突出するように設けられている。
サイドカバー38はシート22の下方に設けられている。サイドカバー38は後輪16の上方に位置している。リアフェンダー37は後輪16の上方に配置されている。サイドカバー38はシート22の下方から後方に延びている。
ハンドル20はシート22に着座した乗員の前方に配置されている。ハンドル20は左右方向に延びる。ハンドル20の両端には乗員が握持可能なグリップが形成されている。
シート22はパワーユニット24の上方に配置されている。シート22の下方にはヘルメット等の物を収納可能な収納スペースが設けられている。
パワーユニット24は後輪16の近傍に配置されている。パワーユニット24は車体フレーム18に対して上下方向に搖動自在に支持されている。パワーユニット24が備えるエンジン44、クランクケース84及びミッションケース89が車体カバー28から露出している。パワーユニット24の詳細については後述する。
次に図2および図3を参照してパワーユニット24の構成について説明する。図2はパワーユニット24のうちエンジン44およびクランクケース84内の構造を示す平面断面図である。図3はパワーユニット24のうち変速装置46の構造を示す平面断面図である。図3は図2の後方の構造を示している。図2および図3において、矢印Fは車両の前方向、矢印Lは車両の左方向を示す。
パワーユニット24はスイングアーム式のパワーユニットである。パワーユニット24は、主に、エンジン44(図2)と、エンジン44の左側に配置された変速装置46(図2および図3)と、変速装置46の左側に配置された遠心式クラッチ48(図3)とを有している。
変速装置46はVベルト54を用いた無段変速装置である。変速装置46は、駆動プーリ50、従動プーリ52およびVベルト54を有している。
図2に示すように、駆動プーリ50はエンジン44に設けられたクランクシャフト56の左端部に取り付けられている。駆動プーリ50は、第1駆動プーリ58および第2駆動プーリ60を有している。第1駆動プーリ58は第2駆動プーリ60に対向して配置されている。第2駆動プーリ60は、第1駆動プーリ58より左側に配置されている。第1駆動プーリ58と第2駆動プーリ60とは外周方向に向かって徐々に互いに離れる傾斜面62をそれぞれ有している。駆動プーリ50には、第1駆動プーリ58と第2駆動プーリ60との間隔を制御するための間隔制御機構64が設けられている。
間隔制御機構64は、複数のウェイトローラ66と、第1駆動プーリ58の右側に設けられた円板部材68とを有している。円板部材68は剛性が高い素材で形成されている。クランクシャフト56の回転速度が上昇しウェイトローラ66が外周側に移動すると、ウェイトローラ66によって第1駆動プーリ58が第2駆動プーリ60側に移動させられる。
図3を参照して従動プーリ52について説明する。なお、図3は遠心式クラッチ48や変速装置46を示している。
従動プーリ52は駆動プーリ50から動力が伝達されて回転する。従動プーリ52はクランクシャフト56と平行に配置された第1出力シャフト70に取り付けられている。従動プーリ52は、第1従動プーリ72と第1従動プーリ72の右側に配置される第2従動プーリ74とを有している。第1従動プーリ72が第2従動プーリ74に近づくように、遠心式クラッチ48のプレートに支持されるスプリング76から、図3の右方向に力が加えられている。
Vベルト54は駆動プーリ50の動力を従動プーリ52に伝達する。Vベルト54は駆動プーリ50と従動プーリ52とに掛け渡されている。より詳細には、Vベルト54は、第1駆動プーリ58と第2駆動プーリ60とに挟まれるとともに、第1従動プーリ72と第2従動プーリ74とに挟まれるように配置されている。
遠心式クラッチ48は変速装置46の従動プーリ52の左側に接続されている。遠心式クラッチ48は第1出力シャフト70の一端部に設けられている。遠心式クラッチ48は、クラッチハウジング78、クラッチシュー80およびクラッチスプリング82を主に有している。駆動プーリ50の回転速度が上昇すると、クラッチシュー80の回転速度も上昇する。クラッチシュー80は遠心力によりクラッチハウジング78に押し付けられ、クラッチシュー80の回転力がクラッチハウジング78に伝達される。クラッチハウジング78に伝達された動力は、クラッチハウジング78に接続されている第1出力シャフト70に伝達される。
第1出力シャフト70の後方には、後輪16が接続される第2出力シャフト180が配置されている。第1出力シャフト70と第2出力シャフト180とは図示しないギアを介して動力が伝達可能になっている。
〈エンジン〉
次に、主に図2を参照して、エンジン44の構成について詳細に説明する。
エンジン44は自動二輪車10の動力を発生する装置である。エンジン44は空冷方式のエンジンである。エンジン44は、主に、クランクシャフト56、クランクケース84、シリンダ88、ピストン86および動力伝達機構90を備えている。クランクシャフト56の前方にピストン86が配置されている。ピストン86の左側に動力伝達機構90が配置されている。
クランクシャフト56はピストン86から動力が伝達されて回転する。クランクシャフト56は、クランクピン92、第1クランクウェブ94、第2クランクウェブ96、第1クランクシャフト98および第2クランクシャフト100を主に有している。
クランクピン92はクランクシャフト56とピストン86のコンロッド122とを接続する。
第1クランクウェブ94はクランクピン92を支持する。第1クランクウェブ94にはピストン86およびコンロッド122の振動により生じる慣性力を軽減するウェイト102が設けられている。第1クランクウェブ94は平板状の部材である。
第2クランクウェブ96はクランクピン92を支持する。第2クランクウェブ96は第1クランクウェブ94に対向するように配置されている。第2クランクウェブ96にはピストン86およびコンロッド122の振動により生じる慣性力を軽減するウェイト104が設けられている。第2クランクウェブ96は平板状の部材である。
第1クランクシャフト98は第1クランクウェブ94に接続されている。第1クランクシャフト98は第1クランクウェブ94から略直交する方向に延びる。第1クランクシャフト98の先端部には変速装置46の駆動プーリ50が設けられている。
第2クランクシャフト100は第2クランクウェブ96に接続されている。第2クランクシャフト100は第2クランクウェブ96から略直交する方向に延びる。第2クランクジシャフト100の先端部にはジェネレータ106が設けられている。ジェネレータ106は電力を発生させる。
クランクケース84はベアリングを介してクランクシャフト56を支持する。クランクケース84の後方に、ミッションケース89が配置されている。ミッションケース89内に、変速装置46などが収容されている。
シリンダ88はピストン86の直線往復運動をガイドする。シリンダ88は、シリンダボディ126およびシリンダヘッド128を有している。
シリンダボディ126には断面円形状のシリンダボア132が設けられている。シリンダボディ126のシリンダボア132にはピストン86が配置されている。シリンダボア132によってピストン86の進行方向がガイドされている。シリンダボディ126はクランクケース84に取り付けられている。
シリンダヘッド128はシリンダボディ126に取り付けられる。より詳細にはシリンダヘッド128は、シリンダボディ126を挟んでクランクケース84と対向するように配置されている。シリンダヘッド128にはシリンダボディ126のシリンダボア132と連続する燃焼室114を構成する壁面が設けられている。燃焼室114には、燃焼室114の外部に接続される複数の孔(図示せず)が設けられている。この孔には図示しないバルブが設けられており、燃焼室114に吸気および燃焼室114から排気する際にバルブが駆動される。燃焼室114には燃料を供給する図示しない燃料供給装置が取り付けられている。シリンダヘッド128には燃料室114内の混合気に点火するための点火装置198が取り付けられている。シリンダヘッド128には燃料室114に設けられた複数のバルブを駆動させるためのカムシャフト142が配置されている。
ピストン86はエンジン44のシリンダヘッド128とともに燃焼室114を構成する。ピストン86は燃焼室114の燃焼ガスから圧力を受けてクランクシャフト56を回転させる。ピストン86はクランクシャフト56に取り付けられている。ピストン86は、ピストンヘッド116、ピストンリング118、ピストンピン120およびコンロッド122を有している。
ピストンヘッド116は円板状の先端面124と先端面124の周端から垂直で後方に延びる円筒部125とを有している。ピストンヘッド116にはピストンピン120を挿入可能なピストンボスが側面に形成されている。ピストンヘッド116のピストンボスの前側にはピストンリング118が挿入可能な3つのリング溝が形成されている。ピストンヘッド116の先端面124にはバルブ逃げが形成されている。
ピストンリング118は2つのコンプレッションリングとオイルリングとを有している。コンプレッションリングは先端面124に近いほうの2つのリング溝に挿入される。オイルリングはピストン86とシリンダ88のシリンダボディ126の隙間から混合気や燃焼ガスが漏れるのを防止する。オイルリングはシリンダボディ126のガイド壁のオイルを掻き落とす。
ピストンピン120はピストンヘッド116のピストンボスに差し込まれてコンロッド122とピストンヘッド116とを接続する。
コンロッド122はピストンヘッド116の運動をクランクシャフト56に伝達する。コンロッド122はピストンヘッド116とクランクシャフト56とに接続されている。コンロッド122は両端部にクランクピン92またはピストンピン120を挿入可能な円筒状の孔を有している。
動力伝達機構90はクランクシャフト56の動力をカムシャフト142に伝達し、燃焼室114に設けられた複数のバルブを駆動させる。動力伝達機構90の構成については、後で詳しく説明する。
図4〜図6を参照して動力伝達機構90について説明する。図4は、チェーン室210を左側から見た一部断面図である。図5は図2の一部を拡大して示す平面断面図である。図6は、テンショナ158の取付構造を示す平面断面図である。図4〜図6において矢印Fは車両の前方向、図4において矢印Uは車両の上方向、図5及び図6において矢印Lは車両の左方向を示す。
図4及び図5に示すように、動力伝達機構90は、チェーン室210に収容されている。動力伝達機構90は、第1スプロケット108、第2スプロケット146、カムチェーン154、チェーンガイド156及びテンショナ158を有している。
チェーン室210はピストン86の左側に設けられている。チェーン室210は、クランクケース84に設けられた第1空間110と、シリンダボディ126に設けられた第2空間138およびシリンダヘッド128に設けられた第3空間148を有している。
第1空間110は第1スプロケット108を収納する。第1空間110はクランクシャフト56の軸方向視においてクランクシャフト56の軸中心とカムシャフト142の軸中心とを結ぶ直線と直交する方向、すなわち図5の紙面に直交する方向(上下方向)に延びている。言い換えると、クランクシャフト56とカムシャフト142を含む平面に直交する方向に延びている。第1空間110は、第1壁184、第2壁186、第3壁188および第4壁190等によって囲まれている。第1空間110はさらに上下方向からもクランクケース84によって覆われている。第1壁184には第1クランクシャフト98を支持するベアリング182が取り付けられている。第2壁186は、図2に示すように、駆動プーリ50の右側に配置されている。第3壁188は第1壁184と第2壁186とを接続する。第4壁190は第1空間110を露出させる第1開口112を有している。第2壁186と、第3壁188および第4壁190とは、ボルト192によって接続されている。第2壁186は、クランクケース84に形成された開口187を覆う。図4は、第2壁186が取り外されて、開口187が見えている状態を示す。
第2空間138はシリンダボディ126の筒部194内に形成されている。筒部194は、4つの壁212a〜212dを有する。各壁212a〜212dは、前後に延びている。各壁212a〜212dは、隣に位置する壁212a〜212dと一体形成されている。4つの壁212a〜212dのうち、一対の壁212a,212bは、図4に示すように、上下方向で対向し、一対の壁212c,212dは、図5に示すように、左右方向(カムシャフト142の軸方向)で対向する。筒部194の一端には第1開口112と重なる第2開口136が形成されている。筒部194の他端には第2空間138を露出させる第3開口140が形成されている。筒部194は、一端と他端においてのみ開口している。筒部194は、一端と他端においてのみ第2空間138の外部と連通している。第1空間110と第2空間138とは第1開口112および第2開口136を介して接続されている。言い換えると、第1空間110は筒部194の一端を介して第2空間138に接続されている。第2空間138はシリンダボア132の左側に配置されている。第2空間138は断面長方形状の空間である。
第3空間148はカムシャフト142の端部に取り付けられた第2スプロケット146を収納する。第3空間148は、壁218a〜218dで囲まれている。各壁218a〜218dは、前後方向に延びている。各壁218a〜218dは、隣に位置する壁218a〜218dと一体形成されている。各壁218a〜218dの後端がシリンダボディ126に重ね合わされる。これらの壁218a〜218dのうち、一対の壁218a,218bは、図4に示すように、上下方向で対向し、一対の壁218c,218dは、図5に示すように、左右方向(カムシャフト142の軸方向)で対向する。一対の壁218a,218bの前端は、先端面218eによって、連結されている。これにより、第3空間148の上方が閉じている。図5に示すように、シリンダヘッド128には、第5開口214が形成されている。第5開口214は、壁218cに形成されている。シリンダヘッド128には、第5開口214を覆うカバー216が取り付けられている。シリンダヘッド128の後部には第3開口140と重なる第4開口144が形成されている。第2空間138と第3空間148とは第3開口140および第4開口144を介して接続されている。すなわち、第3空間148は筒部194の他端を介して第2空間138と接続されている。
第1スプロケット108は第1クランクシャフト98に取り付けられている。第1スプロケット108は第1クランクウェブ94に隣接して設けられている。第1スプロケット108は円板状の部材である。
第2スプロケット146は第1スプロケット108よりも径の大きな円板状の部材である。第2スプロケット146はカムシャフト142の端部にボルトによって取り付けられている。
カムチェーン154は第1スプロケット108の動力を第2スプロケット146に伝達する。カムチェーン154は第1スプロケット108および第2スプロケット146に巻き掛けられている。カムチェーン154は第1空間110、第2空間138および第3空間148に亘って配置されている。カムチェーン154には本実施の形態においてはサイレントチェーンが用いられている。
チェーンガイド156はカムチェーン154をガイドする。チェーンガイド156は、第1空間110、第2空間138および第3空間148に亘って配置されている。チェーンガイド156はクランクケース84に収納された第1ガイド支持部160とシリンダボディ126に取り付けられる第2ガイド支持部162によって支持されている。なお、第2ガイド支持部162はチェーンガイド156に設けられている。チェーンガイド156は板状の部材を折り曲げたものにゴムを焼き付けて成形したものである。チェーンガイド156は第1空間110から第3空間148に向かう方向に延びる。言い換えると、チェーンガイド156は前後方向に延びている。チェーンガイド156は前後方向において、一端が第2スプロケット146の回転中心であるボルト142の近傍まで伸びている。チェーンガイド156は他端が第1スプロケット108の回転中心であるクランクシャフト56の近傍まで伸びている。
テンショナ158は、カムチェーン154に張力を付与する。テンショナ158は、第1空間110、第2空間138及び第3空間148に亘って配置される。テンショナ158は、板バネ166と、ブレードシュー168とを有する。
板バネ166は、カムチェーン154からの力を受けて弾性変形する。板バネ166は、例えば、ばね鋼からなる板ばねであり、長方形状を有する。本実施形態では、板バネ166は、複数の板ばねが重ね合わされたものである。なお、板バネ166は、1つの板ばねから構成されてもよい。
板バネ166は、外力が付与されていない状態で、円弧状に湾曲している。板バネ166は、その厚さ方向(本実施形態では、複数の板ばねの重ね合わせ方向、すなわち、図4に示すように、上下方向)に外力が作用した場合に、弾性変形する。
ブレードシュー168は、板バネ166に取り付けられる。ブレードシュー168は、板バネ166を支持する。ブレードシュー168は、板バネ166の弾性変形を許容する。ブレードシュー168は、カムチェーン154に接触する。ブレードシュー168は、例えば、合成樹脂材で形成される。ブレードシュー168は、本体部226と、被支持部228と、取付部230とを備える。
本体部226は、板バネ166に沿って延びる。本体部226は、板バネ166と略同じ幅寸法(図4の紙面に垂直な方向の寸法)を有する。本体部226は、凸状湾曲面232と、凹状湾曲面234とを有する。第1スプロケット108と第2スプロケット146の間で、凸状湾曲面232がカムチェーン154に接触する。凹状湾曲面234に沿って、板バネ166が配置される。凸状湾曲面232側から凹状湾曲面234側へ外力が作用すると、板バネ166が弾性変形する。図5に示すように、本体部226は、一対の支持片236,236を備える。一対の支持片236,236は、前後方向に離れて設けられる。一対の支持片236,236は、板バネ166が左右方向に動いて、ブレードシュー168から脱落するのを防ぐ。
被支持部228は、本体部226の一端に設けられる。被支持部228は、板バネ166に接触し、本体部226とともに、板バネ166の一端(前端)を支持する。被支持部228の先端部分が、板バネ166に接触する。被支持部228の基端部(本体部226と連結される端部)と、板バネ166の前端との間には、隙間が形成される。これにより、板バネ166の前端が本体部226の前端側へ移動するのが許容される。
取付部230は、本体部226の他端に設けられる。取付部230は、板バネ166に接触し、本体部226とともに、板バネ166の他端(後端)を支持する。取付部230の先端部分が、板バネ166に接触する。取付部230の基端部(本体部226と連結される端部)と、板バネ166の後端との間には、隙間が形成される。これにより、板バネ166の後端が本体部226の後端側へ移動するのが許容される。
取付部230は、図6に示すように、支持孔238を備える。支持孔238には、支持軸240が挿入される。支持軸240は、クランクケース84にねじ止めされる。具体的には、支持軸240の一端にボルト部242が形成されている。クランクケース84には、ねじ孔243が形成されている。ボルト部242とねじ孔243とによって、支持軸240がクランクケース84にねじ止めされる。クランクケース84にねじ止めされた支持軸240は、図4に示すように、第1スプロケット108よりも上側に位置する。支持軸240は、クランクシャフト56と略平行に延びる。
支持孔238に支持軸240が挿入された状態で、テンショナ158は支持軸240周りで揺動可能となる。具体的には、テンショナ158は、図4に示す矢印Rの方向に、揺動可能となっている。この状態で、被支持部228は、シリンダヘッド128の内側に接触する。なお、被支持部228は、テンショナ158が支持軸240周りに揺動可能な状態で、シリンダボディ126に接触しても良い。
図4に示すように、被支持部228がシリンダヘッド128の内側に接触した状態で、板バネ166は接触面244から離れた位置に保持される。接触面244は、テンショナ158が支持軸240周りで揺動可能に配置された状態で、被支持部228が接触する面である。接触面244は、テンショナ158をチェーン室210に挿入するときに、被支持部228が接触する面である。接触面244は、筒部94が有する壁212bの内側面213と、シリンダヘッド128が有する壁218bの内側面219とを含む。内側面219は、張力付与部材が支持軸240周りで揺動可能に配置された状態で、被支持部228が接触する面である。内側面213は、テンショナ158が仮固定された状態で、被支持部228が接触する面である。即ち、本実施形態では、内側面219が支持面に対応し、内側面213が仮支持面に対応する。
本実施形態では、シリンダヘッド128に凹部246が形成されている。図4に示すように、被支持部228の基端部が凹部246に入り込む。この状態で、被支持部228の側面が、凹部246の縁に接触する。なお、本実施形態では、凹部246を備えた構造について説明するが、凹部246を設けずに、被支持部228を支持する構造としてもよい。
凹部246は、第2スプロケット146よりも上側に位置する。凹部246は、図4に示すように、上方から見た場合に、第2スプロケット146の回転中心よりも後側に位置する。凹部246は、下方に向かって開口する。
凹部246は、図4に示すように、シリンダヘッド128の内側に開口する。凹部246は、壁218bに形成されている。凹部246は、内側面219に開口する。凹部の内面246は、内側面219の一部を形成する。
凹部246は、対向面248を備える。対向面248は、凹部246に入り込んだ被支持部228と対向する。対向面248は、凹部246内において被支持部228が移動する方向で、被支持部228と対向する。被支持部228は、凹部246内において、前方且つ斜め上方に移動する。対向面248は、被支持部228が凹部246内で移動する方向に対して略直交する方向に広がる。これにより、対向面248に接触した被支持部228が、その位置から移動し、凹部246から抜け出すのを防ぐことができる。なお、対向面248は、被支持部228が凹部246内で移動する方向に対して略直交する方向に広がる構造に限られない。例えば、前後方向に直交する方向に広がる対向面248を採用してもよい。
被支持部228は、基端部が凹部246に入り込んだ状態で、側面が凹部246のシリンダヘッド本体214側の縁に接触する。即ち、被支持部228は、シリンダヘッド本体214が備える壁218bに接触する。被支持部228は、凹部246に入り込んだ状態で、凹部246の内面から離れている。
取付部230は、図4及び図6に示すように、挿入孔250を備える。挿入孔250は、支持孔238よりも取付部230の先端側に位置する。挿入孔250と支持孔238とは、互いに平行である、換言すれば、挿入孔250は、クランクシャフト56と略平行に延びている。
挿入孔250は、取付部230を厚さ方向(左右方向)に貫通する。なお、本実施形態では、取付部230を貫通する構造の挿入孔250が採用されているが、底部を有する孔、溝、切欠でもよい。
挿入孔250には、支持ピン252が挿入される。支持ピン252は、第1壁184に一体形成されている。
支持ピン252は、クランクシャフト56と略平行に延びている。換言すれば、支持ピン252と支持軸240とは、互いに平行である。
クランクシャフト56の軸方向から見て、支持ピン252は、支持軸240の中心C1と第1スプロケット108の中心C2とを結ぶ直線L1に対して、第2スプロケット146とは反対側に位置する。換言すれば、支持ピン252は、支持軸240よりも後側に位置するとともに、第1スプロケット108の中心C2よりも後側に位置する。
クランクシャフト56の軸方向から見て、支持ピン252は、図4に示すように、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分よりも内側面213側に位置する。換言すれば、支持ピン252は、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分に対してチェーンガイド156とは反対側に位置する。更に別の言い方をすれば、支持ピン252は、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分よりも上側に位置する。
クランクシャフト56の軸方向から見た場合、図4に示すように、第1スプロケット108の中心C2と第2スプロケット146の中心C3とを結ぶ直線L2に対して、支持軸240が支持ピン252よりも遠い位置にある。即ち、支持軸240の中心C1から直線L2に引いた垂線L3が、支持ピン252の中心C4から直線L2に引いた垂線L4よりも長くなっている。
次に、図2及び図3を参照して、エンジン44からの動力が後輪に伝達される動作を説明する。
まず、クランクシャフト56が回転する。クランクシャフト56が回転すると、クランクシャフト56に取り付けられた第1スプロケット108が回転する。第1スプロケット108の動力はカムチェーン154を介して第2スプロケット146へと伝達される。第2スプロケット146の回転に伴ってカムシャフト142が回転する。カムシャフト142が回転すると、複数のバルブが駆動する。複数のバルブが駆動するのと同時にクランクシャフト56の回転によりピストン86が駆動する。このようにして、燃焼室114に吸気が行われる。そして、燃料供給装置から燃料が燃焼室114に供給される。その後、クランクシャフト56の回転に伴って混合気が圧縮され、空気と燃料との混合気に点火される。混合気の燃焼によってピストンヘッド116が移動されるとともに、クランクシャフト56が回転してバルブが駆動する。バルブの駆動により燃焼室114から燃焼済みの気体が燃焼室114外へと排気される。なお、エンジン44の始動時は、図示しないセルモータからの動力によってクランクシャフト56が回転する。
クランクシャフト56が回転すると、その動力により変速装置46に駆動プーリ50が回転する。駆動プーリ50の動力はVベルト54を介して従動プーリ52へと伝達される。従動プーリ52の回転速度が上昇すると、遠心式クラッチ48のクラッチシュー80がクラッチハウジング78と接触する。そして、遠心式クラッチ48の動力が第1出力側シャフト70に伝達される。第1出力側シャフト70に伝達された動力は図示しないカムによって、第2出力側シャフト180に伝達され、第2出力側シャフト180から後輪16に動力が伝達される。
〈取り付け動作〉
エンジン44を組み立てる際やメンテナンスを行う際に、カムチェーン154を取り付ける動作について、図4、図7〜図9を参照しながら、説明する。図7は、エンジン44の組立方法の一工程を示す一部断面図である。図8は、図7に示す工程におけるテンショナの支持状態を示す平面断面図である。図9は、エンジン44の組立方法の一工程を示す一部断面図であって、図7に示す工程よりも後の工程を示す一部断面図である。
先ず、クランクケース84を準備する。カムチェーン154を第1のスプロケット108に巻き掛ける。シリンダボディ126をクランクケース84に取り付ける。
テンショナ158を、クランクケース84側から筒部194に挿入する。具体的には、開口187を通じて、テンショナ158を筒部194に挿入する。テンショナ158は、カムチェーン154よりも上側に挿入される。このとき、本体部226はカムチェーン154側に位置し、板バネ166は内側面213側に位置する。板バネ166は、内側面213から離れている。本体部226は、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻きかれられた部分に接触する。被支持部228は、内側面213に接触する。被支持部228は、第2開口136側から第3開口140側へスライドする。
図7及び図8に示すように、挿入孔250に支持ピン252を挿入する。このとき、挿入孔250の内周面251は、支持ピン252の外周面に接触する。即ち、本実施形態では、内周面251が仮支持部として機能する。支持ピン252の先端は、挿入孔250内に位置する。換言すれば、支持ピン252の先端は、挿入孔250の左側(図8参照)に突出することなく、挿入孔250内に配置される。被支持部228は、第3開口140の近くにおいて、内側面213に接触する。
このとき、板バネ166は弾性変形している。板バネ166の復元力が、内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252に作用する。そのため、被支持部228は、内側面213からテンショナ158へ向かう方向の反力を、内側面213から受ける。本体部226は、第1スプロケット108からテンショナ158へ向かう反力を、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻かれた部分から受ける。挿入孔250の内周面251は、支持ピン252からテンショナ158へ向かう方向の反力を、支持ピン252から受ける。内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252によって、テンショナ158が仮固定される。このとき、図7に示すように、ねじ孔243と支持孔238とは、内側面213と略平行な方向において互いに重なる。換言すれば、ねじ孔243の中心C5と支持孔238の中心C6とを結ぶ直線L5が、内側面213と略平行な方向に延びている。
チェーンガイド156を第3開口140側から筒部194に挿入する。第1ガイド支持部160及び第2ガイド支持部162によって、チェーンガイド156を支持する。チェーンガイド156の上にカムチェーン154を載せる。
シリンダヘッド本体214をシリンダボディ126に取り付ける。この状態では、第2のスプロケット146はカムシャフト142に取り付けられていない。
カムチェーン154を第2スプロケット146に巻き掛ける。第2のスプロケット146をカムシャフト142に取り付ける。これらの作業は、第5開口214(図5参照)を通じて、行われる。
このとき、テンショナ158は、内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252によって、仮固定されている。そのため、カムチェーン154のうち、第1スプロケット108と第2スプロケット146との間に位置する部分であって、且つ、接触面244側に位置する部分には、テンショナ158からの力が作用しない。その結果、カムチェーン154を第2スプロケット146に巻き掛ける作業が容易になる。
第5開口214(図5参照)をカバー216で覆う。これにより、第1空間110、第2空間138及び第3空間148を含むチェーン室210が形成される。
この状態では、図9に示すように、テンショナ158は、内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252によって、仮固定されている。このとき、支持軸240と支持ピン252とは、内側面219のうち内側面213と連続する部分と略平行な方向において互いに重なる。換言すれば、ねじ孔243の中心C5と支持孔238の中心C6とを結ぶ直線L5が、内側面219のうち内側面213と連続する部分と略平行な方向に延びている。このとき、直線L5は、直線L2と略平行である。
テンショナ158をシリンダヘッド128側へ更に挿入するために、テンショナ158の仮固定状態を解除する。具体的には、支持ピン252を挿入孔250から抜く。この作業は、取付部230を左側へ移動させることによって行われる。つまり、図9の紙面に垂直な方向で手前側へ取付部230を移動させることにより、支持ピン252を挿入孔250から抜くことができる。
テンショナ158の仮固定状態を解除したら、テンショナ158をシリンダヘッド128側へ更に挿入する。被支持部228は、第2空間138内から第3空間148内へ移動する。第3空間148内において、被支持部228は内側面219に接触する。被支持部228は内側面219上をスライドする。
被支持部228は、凹部246に入り込む。凹部246に入り込む勢いが強いと、被支持部228は対向面248に接触する。これにより、被支持部228の凹部246への入り込みが制限される。被支持部228が凹部246に入り込んだ状態で、支持孔238がねじ孔243の近くに位置する。支持孔238とねじ孔243との位置が合うように、テンショナ158を移動させる。支持軸240をクランクケース84にねじ止めする。これにより、図4に示すように、テンショナ158が支持軸240周りで揺動可能となる。
このとき、図4に示すように、被支持部228の側面が内側面219に接触する。被支持部228は、内側面219から被支持部228側へ向かう反力を、壁218bから受ける。
また、図4に示すように、本体部226の凸状湾曲面232は、カムチェーン154に接触する。本体部226は、カムチェーン154から本体部226側へ向かう方向の反力を、カムチェーン154から受ける。
本実施形態では、支持軸240の他に、支持ピン252が設けられている。支持ピン252は、クランクシャフト56の軸方向から見た場合に、支持軸240の中心C1と第1スプロケット108の中心C2とを結ぶ直線L1に対して、第2スプロケット146とは反対側に位置する。支持ピン252は、カムチェーン154のうち第1のスプロケット108に巻き掛けられた部分よりも内側面213側に位置する。そのため、テンショナ158を、内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252によって、仮固定することができる。その結果、カムチェーン154を第1スプロケット108及び第2スプロケット146に巻き掛ける作業が容易になる。
本実施形態では、シリンダボディ126はクランクケース84に取り付けられているが、シリンダヘッド128はシリンダボディ126に取り付けられていない状態であって、且つ、テンショナ158がクランクケース84側から筒部194に挿入された状態で、被支持部228は、内側面213に接触し、内側面213からテンショナ158へ向かう方向の反力を内側面213から受ける。挿入孔250の内周面251は、支持ピン252に接触し、支持ピン252からテンショナ158へ向かう方向の反力を支持ピン252から受ける。本体部226は、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分に接触し、第1スプロケット108からテンショナ158へ向かう方向の反力を、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分から受ける。テンショナ158の仮固定状態が安定する。
本実施形態では、シリンダボディ126がクランクケース84に取り付けられるとともに、シリンダヘッド128がシリンダボディ126に取り付けられた状態であって、且つ、テンショナ158がクランクケース84側から筒部194及びシリンダヘッド128に挿入された状態で、支持軸240が支持孔238に挿入されることにより、テンショナ158が支持軸240周りで揺動可能に支持される。被支持部228は、内側面219に接触し、内側面219からテンショナ158へ向かう方向の反力を内側面219から受ける。本体部226は、第1スプロケット108及び第2スプロケット146に巻き掛けられたカムチェーン154に接触し、カムチェーン154からテンショナ158へ向かう方向の反力をカムチェーン154から受ける。カムチェーン154に安定した張力を付与することができる。
本実施形態では、クランクシャフト56の軸方向から見た場合に、第1スプロケット108の中心C2と第2スプロケット146の中心C3とを結ぶ直線L2に対して、支持軸240(ねじ孔243)が支持ピン252よりも遠い位置にある。板バネ166を弾性変形させた状態で、テンショナ158を仮固定することができる。テンショナ158の仮固定状態が安定する。
本実施形態では、内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252によって、テンショナ158が支持された状態で、ねじ孔243と支持孔238とが、内側面219と略平行な方向に並んでいる。テンショナ158の仮固定状態を解除して、テンショナ158を更に挿入するとき、テンショナ158を仮固定状態の形状に維持しながら、挿入すればよい。
本実施形態では、支持軸240がクランクケース84から取り外せる。支持軸240を支持孔238に挿入しやすい。
本実施形態では、挿入孔250がブレードシュー168に形成されている。挿入孔250を形成し易い。
本実施形態では、挿入孔250が支持孔238よりも被支持部228側に位置する。ブレードシュー168が必要以上に長くなるのを防ぐことができる。
本実施形態では、テンショナ158は支持ピン252が挿入される挿入孔250を備え、挿入孔250の内周面251が仮支持部として機能する。支持ピン252が挿入孔250に挿入された状態で、テンショナ158が仮固定される。テンショナ158の仮固定状態が安定する。
本実施形態では、挿入孔250が貫通孔である。挿入孔250を容易に形成することができる。
本実施形態では、支持ピン252が挿入孔250に挿入された状態で、支持ピン252の先端が挿入孔250内に位置する。支持ピン252を挿入孔250から抜き易くなる。
本実施形態では、支持ピン252がクランクケース84に一体形成されている。支持ピン252の強度を確保し易い。
本実施形態の自動二輪車10は、上述のエンジン44を備える。カムチェーン154を第1スプロケット108及び第2スプロケット146に巻き掛ける作業が容易になる。
本実施形態のエンジン44の組立方法は、クランクシャフト56と、クランクシャフト56に取り付けられた第1スプロケット108を収容する第1空間110と、第1空間110内に配置される支持ピン252とを有するクランクケース84を準備する。カムチェーン154を第1スプロケット108に巻き掛ける。第1空間110に接続される第2空間138を形成する筒部194を有するシリンダボディ126をクランクケース84に取り付ける。板バネ166と、板バネ166を支持するブレードシュー168とを備えるテンショナ158をクランクケース84側から筒部194に挿入し、筒部194に形成された内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252によって、テンショナ158を仮固定する。カムシャフト142に取り付けられた第2スプロケット146を収容し、且つ、第2空間138に接続される第3空間148を有するシリンダヘッド128をシリンダボディ126に取り付けて、第1空間110、第2空間138及び第3空間148を含むチェーン室210を形成する。カムチェーン154を第2スプロケット146に巻き掛ける。内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252によるテンショナ158の仮固定状態を解除する。内側面213、カムチェーン154のうち第1スプロケット108に巻き掛けられた部分及び支持ピン252による仮固定の状態からテンショナ158をシリンダヘッド128側へ更に挿入し、テンショナ158の被支持部228をシリンダヘッド128に形成された内側面219に接触させる。テンショナ158の被支持部228が内側面219に接触した状態で、テンショナ158に形成された支持孔238に、クランクケース84の第1空間110内に配置された支持軸240を挿入し、テンショナ158を支持軸240周りで揺動可能に支持する。テンショナ158を仮固定することができるので、カムチェーン154を第1スプロケット108及び第2スプロケット146に巻き掛けることが容易にできる。
[第2の実施形態]
図10を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図10は、チェーン室210を左側から見た一部断面図であって、テンショナ158が仮固定された状態における一部断面図である。
テンショナ158は、挿入孔250の代わりに、切欠254を有してもよい。この場合、切欠254の内面255に、支持ピン252の外周面が接触する。即ち、本実施形態では、切欠254の内面255が仮固定部として機能する。
本実施形態では、テンショナ158は支持ピン252が入り込む切欠254を備え、切欠254の内面255が仮支持部として機能する。支持ピン252が切欠254に入り込んだ状態で、テンショナ158が仮固定される。テンショナ158の仮固定状態が安定する。
[第3の実施形態]
図11を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図11は、テンショナの取付構造を示す平面断面図であって、テンショナが仮固定された状態における平面断面図である。
支持ピン252は、クランクケース84の第1壁184から取り外せても良い。支持ピン252の一端には、ボルト256が形成されている。第1壁184には、ねじ孔258が形成されている。ボルト256とねじ孔258とによって、支持ピン252が第1壁184に取り付けられる。なお、支持ピン252を第1壁184に取り付ける構造は、ボルト256とねじ孔258に限定されない。例えば、第1壁184に貫通孔を形成し、この貫通孔に、支持ピン252を挿入するだけでも良い。
本実施形態では、支持ピン252がクランクケース84から取り外し可能である。テンショナ158を支持軸240周りで揺動可能に固定したら、支持ピン252を外すことができる。余分な部品を備えておく必要がなくなる。支持ピン252を取り外したら、ねじ孔258を他の部材で覆ってもよいし、他の部材でねじ孔258を埋めてもよい。
上記の実施形態では、シリンダ88が1つの自動二輪車10を例に説明したが、本発明はこれに限らず、シリンダが複数設けられた自動二輪車であっても適用できる。
上記の実施形態では、カムシャフト142が1本の自動二輪車10を例に説明したが、本発明はこれに限らず、カムシャフトを2本用いた自動二輪車であっても適用できる。
上記の実施形態において、シリンダヘッドとして、シリンダヘッド本体とヘッドカバーとを有するシリンダヘッドを採用してもよい。
上記の実施形態では、自動二輪車について説明したが、本発明はこれに限らず、3又は4輪のリーニング車両等であっても適用できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
10 自動二輪車
44 エンジン
56 クランクシャフト
84 クランクケース
86 ピストン
88 シリンダ
90 動力伝達機構
110 第1空間
112 第1開口
108 第1スプロケット(第1のスプロケット)
126 シリンダボディ
128 シリンダヘッド
136 第2開口
138 第2空間
140 第3開口
144 第4開口
146 第2スプロケット(第2のスプロケット)
148 第3空間
154 カムチェーン(チェーン)
156 カムチェーンガイド
158 テンショナ(張力付与部材)
166 板バネ(板バネ部材)
168 接触部材
194 筒部
210 チェーン室
211 内周面
214 シリンダヘッド本体
216 ヘッドカバー
218b 壁(支持部)
219 内側面(支持面)
224 ボルト
228 被支持部
238 支持孔
240 支持軸
246 凹部
247 内面
248 対向面

Claims (15)

  1. チェーン室を有するエンジンであって、
    クランクシャフトと、
    カムシャフトと、
    前記クランクシャフトに取り付けられた第1のスプロケットと、
    前記カムシャフトに取り付けられた第2のスプロケットと、
    前記第1のスプロケットを収容する第1の空間を有するクランクケースと、
    前記クランクケースに取り付けられ、第2の空間を形成する筒部を有するシリンダボディと、
    前記シリンダボディに取り付けられ、前記第2のスプロケットを収容し、第3の空間を形成するシリンダヘッドとを備え、
    前記第1の空間は前記筒部の一端を介して前記第2の空間と接続され、
    前記第3の空間は前記筒部の他端を介して前記第2の空間と接続され、
    前記第1の空間、前記第2の空間及び前記第3の空間を含む前記チェーン室が形成され、
    前記エンジンは、さらに、
    前記チェーン室内に配置され、前記第1のスプロケット及び前記第2のスプロケットに巻き掛けられるチェーンと、
    前記チェーン室内に収容され、前記チェーンに張力を与える張力付与部材とを備え、
    前記張力付与部材は、
    前記クランクシャフトの軸方向から見て円弧状に湾曲する板バネ部材と、
    前記板バネ部材を支持し、前記チェーン室内で前記チェーンに接触する接触部材とを含み、
    前記クランクケースは、
    前記張力付与部材に形成された支持孔に挿入されることで前記張力付与部材を揺動可能に支持する支持軸と、
    前記クランクシャフトの軸方向から見て、前記支持軸の中心と前記第1のスプロケットの中心とを結ぶ直線に対して、前記第2のスプロケットとは反対側に位置し、かつ前記張力付与部材に形成された仮支持部に接触することで前記張力付与部材を支持する仮支持軸とを含み、
    前記チェーン室は、
    前記支持軸により、前記張力付与部材が支持された状態で、前記張力付与部材の一部と接触し、前記一部をスライド可能に支持する支持面と、
    前記仮支持軸により、前記張力付与部材が支持された状態で、前記張力付与部材の前記一部と接触し、前記一部をスライド可能に支持する仮支持面とを含み、
    前記クランクシャフトの軸方向から見て、前記仮支持軸は、前記チェーンのうち前記第1のスプロケットに巻き掛けられた部分よりも前記仮支持面側に位置する、エンジン。
  2. 前記シリンダボディは前記クランクケースに取り付けられているが、前記シリンダヘッドは前記シリンダボディに取り付けられていない状態であって、且つ、前記張力付与部材が前記クランクケース側から前記筒部に挿入された状態で、
    前記張力付与部材の前記一部は、前記仮支持面に接触し、前記仮支持面から前記張力付与部材へ向かう方向の反力を前記仮支持面から受け、
    前記仮支持部は、前記仮支持軸に接触し、前記仮支持軸から前記張力付与部材へ向かう方向の反力を前記仮支持軸から受け、
    前記張力付与部材において前記一部と前記仮支持部との間に位置する部分は、前記チェーンのうち前記第1のスプロケットに巻き掛けられた部分に接触し、前記第1のスプロケットから前記張力付与部材へ向かう方向の反力を、前記チェーンのうち前記第1のスプロケットに巻き掛けられた部分から受ける、請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記シリンダボディが前記クランクケースに取り付けられるとともに、前記シリンダヘッドが前記シリンダボディに取り付けられた状態であって、且つ、前記張力付与部材が前記クランクケース側から前記筒部及び前記シリンダヘッドに挿入された状態で、
    前記支持軸が前記支持孔に挿入されることにより、前記張力付与部材が前記支持軸周りで揺動可能に支持され、
    前記張力付与部材の前記一部は、前記支持面に接触し、前記支持面から前記張力付与部材へ向かう方向の反力を前記支持面から受け、
    前記張力付与部材において前記一部と前記支持孔との間に位置する部分は、前記第1のスプロケット及び前記第2のスプロケットに巻き掛けられた前記チェーンに接触し、前記チェーンから前記張力付与部材へ向かう方向の反力を前記チェーンから受ける、請求項1又は2に記載のエンジン。
  4. 前記クランクシャフトの軸方向から見た場合に、前記第1のスプロケットの中心と前記第2のスプロケットの中心とを結ぶ直線に対して、前記支持軸が前記仮支持軸よりも遠い位置にある、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン。
  5. 前記仮支持面、前記チェーンのうち前記第1のスプロケットに巻き掛けられた部分及び前記仮支持軸によって、前記張力付与部材が支持された状態で、前記支持軸と前記支持孔とが、前記支持面または前記仮支持面と平行な方向において互いに重なる、請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジン。
  6. 前記支持軸が前記クランクケースから取り外し可能である、請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジン。
  7. 前記仮支持部が前記接触部材に形成されている、請求項1〜6の何れか1項に記載のエンジン。
  8. 前記仮支持部が前記支持孔よりも前記張力付与部材の前記一部側に位置する、請求項1〜7の何れか1項に記載のエンジン。
  9. 前記張力付与部材は前記仮支持軸が挿入される挿入孔を備え、前記挿入孔の内周面が前記仮支持部である、請求項1〜8の何れか1項に記載のエンジン。
  10. 前記仮支持軸が前記挿入孔に挿入された状態で、前記仮支持軸の先端が前記挿入孔内に位置する、請求項9に記載のエンジン。
  11. 前記仮支持部は前記仮支持軸が入り込む切欠を備え、前記切欠の内面が前記仮支持部である、請求項1〜8の何れか1項に記載のエンジン。
  12. 前記仮支持軸が前記クランクケースに一体形成されている、請求項1〜11の何れか1項に記載のエンジン。
  13. 前記仮支持軸が前記クランクケースから取り外し可能である、請求項1〜11の何れか1項に記載のエンジン。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載のエンジンを備える鞍乗型車両。
  15. クランクシャフトと、前記クランクシャフトに取り付けられた第1のスプロケットを収容する第1の空間と、前記第1の空間内に配置される仮支持軸とを有するクランクケースを準備する工程と、
    チェーンを前記第1のスプロケットに巻き掛ける工程と、
    前記第1の空間に接続される第2の空間を形成する筒部を有するシリンダボディを前記クランクケースに取り付ける工程と、
    板バネ部材と、前記板バネ部材を支持する接触部材とを備える張力付与部材を前記クランクケース側から前記筒部に挿入し、前記筒部に形成された仮支持面、前記チェーンのうち前記第1のスプロケットに巻き掛けられた部分及び前記仮支持軸によって、前記張力付与部材を仮固定する工程と、
    カムシャフトに取り付けられた第2のスプロケットを収容し、且つ、前記第2の空間に接続される第3の空間を有するシリンダヘッドを前記シリンダボディに取り付けて、前記第1の空間、前記第2の空間及び前記第3の空間を含むチェーン室を形成する工程と、
    前記チェーンを前記第2のスプロケットに巻き掛ける工程と、
    前記仮支持面、前記チェーンのうち前記第1のスプロケットに巻き掛けられた部分及び前記仮支持軸による前記張力付与部材の仮固定状態を解除する工程と、
    前記仮支持面、前記チェーンのうち前記第1のスプロケットに巻き掛けられた部分及び前記仮支持軸による仮固定の状態から前記張力付与部材を前記シリンダヘッド側へ更に挿入し、前記張力付与部材の一部を前記シリンダヘッドに形成された支持面に接触させる工程と、
    前記張力付与部材の前記一部が前記支持面に接触した状態で、前記張力付与部材に形成された支持孔に、前記クランクケースの前記第1の空間内に配置された支持軸を挿入し、前記張力付与部材を前記支持軸周りで揺動可能に支持する工程とを備える、エンジンの組立方法。
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