JP2014156369A - ガラス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多量のガス分子をインターカレートし、そのガス分子を低温で放出するガラスを得る。
【解決手段】Vを含有し、ガス分子がインターカレートされ、インターカレートされた前記ガス分子が放出されるガラスである。このガラスは、Vを含有するガラスを溶融する工程と、溶融した前記ガラスに水又はガスを噴射する工程とを含む方法により製造される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガス分子を多量にインターカレートしたガラス及びその製造方法に関する。
断熱材等に用いられるガラスを発泡させて作製する発泡ガラスとして、例えば以下の特許文献のものがある。特許文献1には、廃ガラスに発泡剤を混合し加熱して発泡ガラスを製造する方法が開示されている。特許文献2には、珪酸塩とホウ酸塩を混合した水溶液である水ガラスを加熱して発泡ガラスを製造する方法が開示されている。
特開2005−41754号公報 特開2007−284325号公報
一般的にガラスは結晶と比較してその構造骨格が開いているために、ガス分子をインターカレートできる。しかし、上記特許文献のようにシリカをベースとしたガラスでは、インターカレートできる分子数自体が約0.1質量%以下とそれほど多くない上、インターカレートした水分子を再度放出させるためには、800℃以上の高温加熱が必要になるという課題がある。
本発明の目的は、多量のガス分子をインターカレートし、そのガス分子を低温で放出するガラスを得ることにある。
上記目的を達成するために、本発明のガラスは、Vを含有し、ガス分子がインターカレートされ、インターカレートされた前記ガス分子が放出されることを特徴とする。
また、Vを含有するガラスを溶融する工程と、溶融した前記ガラスに水又はガスを噴射する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、多量のガス分子をインターカレートし、そのガス分子を低温で放出するガラスを得ることができる。
ガラス組成物のDTA測定で得られるDTAカーブの一例である。 実施例のガラスAT4のTDS分析結果である。 比較例のガラスAT6のTDS分析結果である。 実施例のガラスBL11のTDS分析結果である。 実施例のガラスを適用した接着シートの一例である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(分子インターカレートガラスの作製)
本発明におけるガラスには、その組成中に少なくともバナジウム(V)が含有されている。バナジウムが含有されていることが必要である理由は、バナジウムを骨格とするガラスはガラス構造骨格の隙間が多く、ガス分子をその構造内に取り込みやすいためと、低温でガラスが軟化流動するためである。そのため、バナジウムを含まないガラスよりも多量にガス分子をインターカレートできる上に、インターカレートしたガス分子を低温で放出することが可能になる。
また、バナジウムを含むガラスを作製するためには、ガラス化させるための成分としてリン(P)、テルル(Te)のうち少なくとも1種を含むことが望ましい。さらにガラス組成中には、鉄(Fe)、カリウム(K)、タングステン(W)、銀(Ag)、バリウム(Ba)のうち少なくとも1種以上を含むことが望ましい。鉄、カリウム、バリウムを添加すると望ましい理由は、ガラスの耐湿性や耐水性等の安定性を向上させる効果があるためである。タングステンを添加すると望ましい理由は、ガラスとしての熱的安定性を向上させる効果があるためである。ここでいう熱的安定性とは、ガラスの結晶化のしやすさのことである。また、銀を添加すると望ましい理由は、ガラスの軟化温度を下げる効果があるためであり、より低温でガス分子を放出できるためである。これらの添加物を所望の特性に合わせて適宜量を調整することができる。
ガラスの作製法としては、特に制限されるものではないが、原料となる各酸化物を配合・混合した原料を白金ルツボに入れ、電気炉で5〜10℃/分の昇温速度で800〜1100℃まで加熱し、数時間保持することで作製することができる。保持中は均一なガラスとするために攪拌することが望ましい。ルツボを電気炉から取り出す際には、ガラス表面への水分吸着を防止するために予め100〜150℃程度に加熱しておいた黒鉛鋳型やステンレス板上に流し込むことが望ましい。
ここで、作製したガラスの特性温度は、図1に示す示差熱分析(DTA)から定めた。図1にガラスの代表的なDTA曲線を示す。図1に示すように、ガラス転移点(Tg)は第一吸熱ピークの開始温度、軟化点(Ts)は第二吸熱ピークとした。
ガス分子をガラス中にインターカレートする手法は、ガラスを溶融状態から固化させる際の雰囲気を調整できるものであればよく、インターカレートするガス分子の量を多くするために、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法が望ましい。
水アトマイズ法やガスアトマイズ法とは、高圧水や高圧ガスを熔融物に噴射することで、急冷凝固と粉砕を瞬時に行い、粉末を製造する方法のことである。水アトマイズ法やガスアトマイズ法がガス分子をインターカレートさせるのに望ましい理由は、高温の熔融状態のガラスに高圧の水やガスを衝突させて瞬時に凝固させるため、衝突した水やガス分子がガラス構造内に多量に取り込まれるためである。ただし、水アトマイズする場合には900℃以下の温度でアトマイズすることが望ましい。これは、この温度以上では水分子が衝突して蒸発する速度の方が、衝突して構造中に取り込まれる速度よりも速いため、インターカレートされる水分子数が少なくなるためである。また、より好ましくは700℃以下の温度で水アトマイズすると、より多量の水分子がガラス構造中にインターカレートされる。
また、固化後のガラスに特に大きな物理的エネルギーを付与しながら雰囲気を調整できる手法でもよく、遊星ボールミル法が望ましい。遊星ボールミルが望ましい理由は、水中やガス置換した雰囲気で遊星ボールミルすることで表面に吸着したガス分子が衝突エネルギーで表面からガラス構造中へとインターカレートされるためである。
インターカレートするガス分子としては特に規定されるものではなく、用途によって適宜選択することができる。インターカレートするガス分子を制御するには、アトマイズ時のガスや遊星ボールミル等の雰囲気等を調整することで制御することができ、H2O、CO2、N2、Ar、F2、I2、Br2、Cl2等の分子をインターカレートすることができる。また、F2、I2、Br2、Cl2の分子をインターカレートする手法としては、上記同様にガスを使用する手法の他に、ガラスの原料としてフッ化物、ヨウ化物、臭化物、塩化物を用いてガラスを作製することによってもインターカレートさせることもできる。
本発明のガラスにおいては、昇温脱離ガス分析(TDS)で測定されるガス分子数がガラスの転移点以上で最大となる。ガラス転移点は、物理吸着のガス分子放出温度と比較して高温であり、ガラスの結合が切断され始める温度であるため、ガラス転移点以上の温度で放出されるガス分子が、インターカレートされている分子であると考えられる。
さらに、条件を上記記載の通り適切に選択することにより、インターカレートした分子が水分子の場合には、放出される全水分子のうち、50%以上を軟化点近傍の比較的低温で放出させることができる。すなわち、表面に物理吸着している分子数を大幅に上回る数のガス分子をガラス構造中にインターカレートすると共に、低温で多量にガス分子を放出することができる。
また、ガラスはバナジウムを必須成分として含むために、レーザー等の光源を吸収させて加熱することができる。この手法を使用すると、例えば樹脂との混合体を形成した場合に、樹脂の温度をさほど上昇させずにガラスを選択的に加熱することができるために、樹脂中でより多くのガス分子を放出することができる。
(分子インターカレートガラスの応用用途)
本発明のガラスの応用用途は特に限定されるものではないが、この特性を生かして粘接着シートや、多孔質体及びそれを用いた断熱材等に適用することが望ましい。
粘接着シートに使用すると望ましい理由は、粘接着シートの中にガラスを混合して加熱することで、ガラス中からガス分子が放出され、剥離性が向上するためである。このとき、放出するガス分子としては、H2O、F2、I2、Br2、Cl2が特に望ましい。その理由は、これらが加熱により樹脂中に放出されることで発泡して剥離性が向上するだけでなく、これらのガス分子によって樹脂が劣化するため、さらに剥離性が向上するためである。また、ガス分子をより多く放出させて基材と粘接着シートを剥離させるためにはレーザー等による加熱を用いることが好ましい。
粘接着シートの成分としては特に限定されるものではなく、一般的なものを使用することができる。例えば、天然ゴム系、再生ゴム系、スチレンーブタジエンゴム系、アクリロニトリルーブタジエンゴム系、ポリイソブチレン系、ポリビニルエーテル系、ポリアクリル酸エステル系、及び熱可塑性エラストマ系等を粘接着成分として用いることができる。
粘接着成分には、各種添加材、例えば紫外線重合性オリゴマ及び/またはモノマ、重合開始剤、粘接着付与材、硬化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、架橋材、紫外線吸収材、及び光安定材を適宜添加することも可能である。
また、インターカレートさせるガス分子の中でも特にH2Oをインターカレートさせる場合には多孔質材や断熱材等に適用できるため望ましい。これは、H2Oはガラス構造中に強固に水素結合するために、ガラスの軟化点以上にならないとインターカレートした分子が放出されないためである。そのため、インターカレートした水分子が放出される際には、ガラスがある程度流動性を有するために発泡し、多孔体を形成できる。
以下、実施例を用いて更に詳細に説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施例の記載に限定されることはなく、適宜組み合わせてもよい。
<ガラスの作製>
表1は、作製・検討したガラス組成を示したものである。いずれの成分も酸化物換算の質量%(質量パーセント)で表示した。これらの低融点ガラス組成物には、環境・安全に配慮し、実質的に鉛を含有させなかった。各成分の原料は、五酸化バナジウム、酸化テルル、酸化第二鉄、五酸化リン、酸化銀、酸化タングステン、炭酸バリウム、酸化アンチモン、炭酸カリウムを用いた。
ガラスの作製は、以下の手順で行った。原料化合物を表1の組成となるように配合・混合した混合粉末1kgを白金ルツボに入れ、電気炉を用いて5〜10℃/min(℃/分)の昇温速度で800℃〜1100℃の加熱温度まで加熱して2時間保持した。保持中は均一なガラスとするために攪拌した。次に、白金ルツボを電気炉から取り出し、予め100℃に加熱しておいたステンレス板上に流し込みガラスを得た。
<ガラス転移点、軟化点の評価>
ステンレス板上に流し込んだガラスを平均粒子径(D50)が20μm未満になるまで粉砕し、5℃/分の昇温速度で示差熱分析(DTA)を行うことによって、転移点(Tg)、軟化点(Ts)を測定した。なお、標準サンプルとしてアルミナ粉末を用いた。
<分子インターカレートガラスの作製>
分子インターカレートガラスは、上記のように作製したガラスを表2に示す温度で溶融させ水アトマイズ法を実施し、その後100℃で2h真空乾燥することで作製した。この時、平均粒子径は約20μm程度であった。作製した分子インターカレートガラスに対し、昇温脱離ガス分析(TDS)を実施した。昇温速度10℃/分、室温から700℃まで、開始時圧力2×10-7Paの条件でインターカレートしている水分子量(分子量:18を換算)を評価した。また、各々の比較材として、原料を同じにして、平均粒子径が約20μm程度になるように、ドライエアー気流中でジェットミル粉砕したガラスを用いた。評価は、検出された水分子数が比較材と比較して2倍以上のときは◎、1.3倍以上2倍未満の時は○、1.0倍以上1.3倍未満の場合には△とした。
表2より、水アトマイズ法を用いて800℃以下で微粒子化する場合は、ドライエアー中でジェットミル粉砕する場合よりも、ガラス中に水分子を1.3倍以上多量にインターカレートできることが判明した。また、水アトマイズするときのガラスの温度は700℃以下が好ましく、これ以上高温になるほどガラス中への水分子のインターカレート量は減少し、900℃ではさらに減少した。これは、ガラスをアトマイズする際の温度が高温すぎると、水分がガラスに触れた際にすぐ蒸発してしまうため、ガラス構造中に取り込まれなかったためと思われる。
上記分析結果の一例として、図2、図3に表2中のAT4、AT6のTDS分析結果を示す。これらの結果によると、水分子を多量にインターカレートすることに成功したAT4のサンプルでは、AT6のサンプルと比較して特にガラスの軟化点以上で放出される水分子量が多量であり、放出される全水分子量のうち、軟化点以上で放出される水分子量は50%以上であった。通常、表面に物理吸着した水分子は200℃以下程度の温度で放出されるが、ガラス構造中にインターカレートされた水分子は強固に水素結合されているため、軟化点以上に昇温しなければ放出されない。そのため、図2からAT4のサンプルではガラス構造中に多量の水分子をインターカレートできていることが確認できた。
表1で作製したガラスG2を用いて、700℃の温度にてガスアトマイズを実施した。このとき、ガスの種類は、窒素ガス及びアルゴンガスを用いて、NG2、AG2のサンプルをそれぞれ作製した。実施例1と同様にTDSの評価を行うと、NG2からは多量の窒素分子が、AG2からは多量のアルゴンの放出が確認された。また、これらはいずれもドライエアー中でジェットミル粉砕した場合の比較材と比較すると2倍以上の放出量であった。したがって、アトマイズするために高圧で衝突させる分子に窒素及びアルゴンを用いた場合であっても、実施例1と同様に衝突させたガス分子がインターカレートされることを確認した。
また、700℃、窒素雰囲気中で20000rpmの回転量で遠心アトマイズを実施した。遠心アトマイズとは、高圧で分子を衝突させて微粒子化する水アトマイズ法やガスアトマイズ法とは異なり、高速で回転させるディスクの上に溶融ガラスを落下させ、ディスクの遠心力によって微粒子化する方法のことである。作製したガラスをTDSにより評価したところ、放出された窒素分子量は、ドライエアー中でジェットミル粉砕してガラスを作製した場合の1.4倍の窒素ガスの放出が確認された。
そのため、ガス分子をガラス構造中にインターカレートさせるためには、水アトマイズやガスアトマイズのように高圧で分子を衝突させる等、なんらかのエネルギーを加える方がより多量にガス分子をインターカレートできることが分かった。
表1で作製したガラスG1、G6、G11を用いて、分子インターカレートガラスを以下のように作製した。
作製したガラスG1、G6、G11のガラスブロックとSUSボールを1:5の体積割合でSUS密閉容器に詰め、その容器を二酸化炭素雰囲気に置換した後、200rpmの回転数で10時間、遊星ボールミルし、BL1、BL6、BL11の分子インターカレートガラスを作製した。作製したガラスに対し、実施例1と同様にTDSによる評価を行ったところ、いずれも比較材と比較して2倍以上の二酸化炭素分子の放出が確認され、遊星ボールミルによる手法においてもガス分子をインターカレートできることが判明した。
評価の一例として、図4にBL11の結果を示す。これより、200℃以下の低温では二酸化炭素分子はほとんど検出されなかったが、ガラスの転移点近傍付近では多量の二酸化炭素分子の放出が確認された。これは、ガラスの結合が切れ始めることによって、ガラス構造中にインターカレートされていたガス分子が放出されたためと考えられるため、実施例1と同様にガラス構造中に二酸化炭素分子がインターカレートしていることを示している。特に二酸化炭素では軟化点よりも低い転移点近傍でも多量にガス分子を放出することが確認できた。
表1で作製したガラスG2と同等の組成割合で、Ba源の炭酸バリウムの代わりにフッ化バリウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウムを用いて、実施例1と同様の手法でガラスBF2、BC2、BB2、BI2を作製した。作製したガラスに対して、実施例1と同様にTDSによる評価を行ったところ、BF2からはフッ素が、BC2からは塩素が、BB2からは臭素が、BI2からはヨウ素がそれぞれ検出された。したがって、インターカレートさせる分子がハロゲンの場合には、原料に用いることでインターカレートさせることができた。
実施例1〜実施例4で作製したサンプルを用いて、以下のように接着シートを作製し、剥離性を評価した。
市販品のアクリル系接着材(紫外線硬化型)100重量部に対し、表3に示すガラスサンプルを50重量部添加した混合物をスライドガラス(25.4mm×76.2mm、厚さ1.0mm)上に厚さ30μmとなるようにスクリーン印刷した。その後上面にスライドガラスを載せ、波長365nmの紫外線を照射することで樹脂を硬化させて図5に示すような構造体を作製した。2枚のスライドガラス1が接着シート2で接着され、接着シート2中にはガラス3が混合されている。
作製した構造体に対し、表3に示す加熱手法で加熱を行い、剥離性を評価した。ここで、ホットプレートの場合には、220℃にて加熱を行い、レーザーの場合には波長808nmの半導体レーザーを出力20Wでスライドガラス上面から照射することで加熱を行った。
評価方法は、上面のスライドガラスを横にずらすようにピンセット等で加圧することで評価を行った。この時、上面のスライドガラスと接着シートの界面できれいに剥離したものは◎、剥離できたが、粘着シートの一部が上面のスライドガラス上に残ってしまったものは○、剥離できずにスライドガラスが破損した場合には×として評価し、その結果を表3に併記した。
表3より、ガス分子をインターカレートさせたガラスを添加したときには剥離性が良好であることが分かる。また、加熱手法としてレーザーを用いた際には、より剥離性が優れることが判明した。これは、ガラスがレーザーを吸収するため、レーザー加熱を用いることでホットプレートの加熱温度より高温になり、発泡されるガス分子数が増加したことが剥離性向上につながったものと考えられる。なお、ホットプレートの加熱は樹脂の劣化が生じるためにこの温度以上にすることはできず、これはレーザー加熱に特有の効果である。
実施例1で作製したガス分子をインターカレートしたガラス使用し、以下の方法で多孔体を形成し、断熱材を作製した。
実施例1で作製したAT4のガラス粉末を直径20mmの金型に入れ、70Mpaの圧力で成形して成形体を得た。この成形体を340℃にて10分加熱したところ、インターカレートされた水分子が放出されることで発泡し、多孔体を形成した。形成した多孔体の断熱性能を評価したところ、市販品のガラス発泡体と比較して同程度以上の断熱性能を得ることができた。したがって、本発明のガラス多孔体は断熱材としても使用できることを確認した。多孔体を形成する場合もレーザーを用いるとガラスがレーザーを吸収し、容易にガス分子を発泡させることができる。
1:スライドガラス、2:接着シート、3:ガラス

Claims (11)

  1. Vを含有し、ガス分子がインターカレートされ、インターカレートされた前記ガス分子が放出されることを特徴とするガラス。
  2. 請求項1において、P、Teのうち少なくとも1種を含むことを特徴とするガラス。
  3. 請求項1において、インターカレートされた前記ガス分子の放出量が最大となる温度が、前記ガラスの転移点以上であることを特徴とするガラス。
  4. 請求項1において、前記ガス分子は、H2O、CO2、N2、Ar、F2、I2、Br2、Cl2のうち少なくとも1種を含むことを特徴とするガラス。
  5. 請求項1において、前記ガス分子はH2Oであり、前記ガラスの軟化点以上でインターカレートした前記H2O分子を50%以上放出することを特徴とするガラス。
  6. 請求項1において、Fe、K、W、Ag、Baのうち少なくとも1種を含むことを特徴とするガラス。
  7. 請求項1に記載のガラスと樹脂とを含む接着シート。
  8. 請求項1に記載のガラスを発泡させて形成された多孔体。
  9. Vを含有するガラスを溶融する工程と、溶融した前記ガラスに水又はガスを噴射する工程とを含むことを特徴とするガラスの製造方法。
  10. 請求項9において、前記水又はガスを噴射する工程の温度が800℃以下であることを特徴とするガラスの製造方法。
  11. 請求項1に記載のガラスをレーザーにより加熱することを特徴とするガラスの発泡方法。
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