JP2014155329A - 絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両ならびに絶縁抵抗低下検出方法 - Google Patents

絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両ならびに絶縁抵抗低下検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気系統の絶縁抵抗の低下の誤検出を抑制する。
【解決手段】交流電源61は、第1の周波数と、第1の周波数とは異なる第2の周波数との間で交流信号の周波数を切替可能に構成される。検出部66は、第1の周波数に対応する第1の波高値と、第2の周波数に対応する第2の波高値とを検出する。推定部は、第1の波高値および第2の波高値を検出することによって特定される電気系統の電気的特性に基づいてコモンモードにおける電気系統の浮遊容量を推定する。判定部は、検出部66によって検出された波高値がしきい値を下回った場合に、絶縁抵抗が低下していると判定する。設定部は、推定部によって推定された浮遊容量に基づいて上記しきい値を設定する。
【選択図】図2

Description

この発明は、絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両ならびに絶縁抵抗低下検出方法に関し、特に、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出するための絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両ならびに絶縁抵抗低下検出方法に関する。
特開2009−300400号公報(特許文献1)は、絶縁抵抗検出装置を開示している。この絶縁抵抗検出装置は、発振回路と、高電圧回路に接続されるカップリングコンデンサと、カップリングコンデンサおよび発振回路間に接続される検出抵抗と、カップリングコンデンサおよび検出抵抗間の電位を検出する電位検出手段と、車体および高電圧回路間の絶縁低下を判定する絶縁判定手段とを備える。
この絶縁抵抗検出装置においては、絶縁判定手段は、電位検出手段が検出した電位の振幅が所定の有効範囲にない場合には、絶縁低下の検出を誤検出であると判定する(特許文献1参照)。
特開2009−300400号公報 特開2007−101424号公報 特開2008−167617号公報
上記のような交流方式の絶縁抵抗検出装置は、高電圧回路の絶縁抵抗が低下することによって検出対象のインピーダンスが低下することを利用して絶縁抵抗の低下を検出する。しかしながら、コモンモードにおける高電圧回路の浮遊容量が増加したときも検出対象のインピーダンスが低下する。このため、上記浮遊容量の変動によって高電圧回路の絶縁抵抗の低下を誤検出する可能性がある。
それゆえに、この発明の目的は、電気系統の絶縁抵抗の低下の誤検出を抑制することである。
この発明によれば、絶縁抵抗低下検出装置は、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出する。絶縁抵抗低下検出装置は、発振部と、検出部と、制御装置とを備える。発振部は、電気系統に電気的に接続される信号線に交流信号を与える。検出部は、信号線における交流信号の波高値を検出する。制御装置は、絶縁抵抗の低下を判定する。発振部は、第1の周波数と、第1の周波数とは異なる第2の周波数との間で交流信号の周波数を切替可能に構成される。検出部は、第1の周波数に対応する第1の波高値と、第2の周波数に対応する第2の波高値とを検出する。制御装置は、推定部と、判定部と、設定部とを含む。推定部は、第1の波高値および第2の波高値を検出することによって特定される電気系統の電気的特性に基づいてコモンモードにおける電気系統の浮遊容量を推定する。判定部は、検出部によって検出された波高値がしきい値を下回った場合に、絶縁抵抗が低下していると判定する。設定部は、推定部によって推定された浮遊容量が大きいほど、しきい値を低く設定する。
好ましくは、推定部は、電気系統の電気的特性を表す関数を有し、第1の波高値および第2の波高値を用いて上記関数に含まれるパラメータを特定する。
好ましくは、関数は、発振部の出力電圧と検出部の検出電圧との関係を表す。
好ましくは、推定部は、第1の波高値および第2の波高値に対応して浮遊容量が予め記憶されるマップを有し、マップを参照することによって浮遊容量を推定する。
また、この発明によれば、車両は、上述したいずれかの絶縁抵抗低下検出装置を備える。
また、この発明によれば、絶縁抵抗低下検出方法は、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出する。絶縁抵抗低下検出方法は、電気系統に電気的に接続される信号線に第1の周波数の交流信号を与えるステップと、交流信号の周波数が第1の周波数であるときの信号線における交流信号の波高値を示す第1の波高値を検出するステップと、信号線に第1の周波数とは異なる第2の周波数の交流信号を与えるステップと、交流信号の周波数が第2の周波数であるときの信号線における交流信号の波高値を示す第2の波高値を検出するステップと、第1の波高値および第2の波高値を検出することによって特定される電気系統の電気的特性に基づいてコモンモードにおける電気系統の浮遊容量を推定するステップと、浮遊容量が大きいほど、しきい値を低く設定するステップと、交流信号の波高値がしきい値を下回った場合に、絶縁抵抗が低下していると判定するステップとを含む。
この発明においては、第1の波高値および第2の波高値を検出することによって特定される電気系統の電気的特性に基づいてコモンモードにおける電気系統の浮遊容量が推定される。そして、推定部によって推定された浮遊容量に基づいて絶縁抵抗の低下を判定するためのしきい値が設定される。これにより、電気系統の浮遊容量の変動の影響を低減することができる。したがって、この発明によれば、電気系統の絶縁抵抗の低下の誤検出を抑制することができる。
この発明の実施の形態による絶縁抵抗低下検出装置を備える車両の構成を示す図である。 図1に示す検出器の構成図である。 図1に示す電気系統の絶縁抵抗の低下を検出する簡易モデルを示す回路図である。 図1に示す検出器が出力する波高値と電気系統の絶縁抵抗値との関係を示す図である。 図1に示す制御装置がメモリに記憶する電気系統の浮遊容量を推定するためのマップを説明する図表である。 図1に示す制御装置の絶縁抵抗低下検出に関する機能ブロック図である。 図1に示す制御装置で実行される絶縁抵抗低下検出に関する処理を説明するフローチャートである。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による絶縁抵抗低下検出装置を備える車両の構成を示す図である。図1を参照して、車両100は、エンジン2と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割装置4と、車輪6とを備える。また、車両100は、蓄電装置Bと、システムメインリレーSMR1,SMR2と、平滑コンデンサC1と、PCU(パワーコントロールユニット)20と、検出器60と、制御装置50とをさらに備える。また、車両100は、電圧センサ41,42と、電流センサ44とをさらに備える。
この車両100は、エンジン2およびモータジェネレータMG2を動力源として走行するハイブリッド車両である。動力分割装置4は、エンジン2とモータジェネレータMG1,MG2に結合されてこれらの間で動力を分割する。動力分割装置4は、たとえば、サンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を含む。この3つの回転軸は、エンジン2、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。なお、モータジェネレータMG1の回転シャフトを中空にし、その中をエンジン2の動力シャフトを貫通させることによってモータジェネレータMG2、動力分割装置4、モータジェネレータMG1、エンジン2を直線上に配置することができる。
また、モータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤや差動ギヤによって車輪6に結合されている。また、動力分割装置4の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。
モータジェネレータMG1,MG2は、三相モータであり、たとえば、三相の永久磁石同期モータである。モータジェネレータMG1は、エンジン2により駆動される発電機として用いられるとともに、エンジン2を始動することが可能な電動機としても用いられる。モータジェネレータMG1が発電することにより得られる電力は、たとえばモータジェネレータMG2の駆動に用いられる。モータジェネレータMG2は、主として車両100の駆動輪(車輪6)を駆動する電動機として用いられる。
蓄電装置Bは、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池、あるいはキャパシタなどによって構成される。蓄電装置Bは、PCU20へ電力を供給し、また、電力回生時には、PCU20によって充電される。電圧センサ41は、蓄電装置Bの端子間の電圧VBを検出して制御装置50へ出力する。電流センサ44は、蓄電装置Bに流れる電流IBを検出して制御装置50へ出力する。
システムメインリレーSMR1,SMR2は、蓄電装置BとPCU20とを結ぶ正極線PL1および負極線NLにそれぞれ接続される。そして、システムメインリレーSMR1,SMR2は、制御装置50からの制御信号SEに基づいて、蓄電装置BとPCU20との間での電力の供給と遮断とを切替える。システムメインリレーSMR1,SMR2は、車両100の走行時に閉成され、車両100のシステム停止時に開放される。
平滑コンデンサC1は、正極線PL1および負極線NL間に接続される。電圧センサ42は、平滑コンデンサC1の両端間の電圧VLを検出して制御装置50へ出力する。
PCU20は、昇圧コンバータ21と、平滑コンデンサC2と、電圧センサ43と、電流センサ34,35と、インバータ22,23とを含む。昇圧コンバータ21は、平滑コンデンサC1の端子間電圧を昇圧する。平滑コンデンサC2は、昇圧コンバータ21によって昇圧された電圧を平滑化する。電圧センサ43は、平滑コンデンサC2の端子間電圧(電圧VH)を検出して制御装置50へ出力する。インバータ22,23は、モータジェネレータMG1,MG2をそれぞれ駆動する。
昇圧コンバータ21は、リアクトルL1と、スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。スイッチング素子Q1,Q2は、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含む。リアクトルL1の一方端は、正極線PL1に接続される。リアクトルL1の他方端は、スイッチング素子Q1のエミッタおよびスイッチング素子Q2のコレクタ間に接続される。スイッチング素子Q1,Q2は、正極線PL2および負極線NL間に直列に接続される。
ダイオードD1,D2は、スイッチング素子Q1,Q2にそれぞれ並列に接続される。ダイオードD1のカソードは、スイッチング素子Q1のコレクタに接続される。ダイオードD1のアノードは、スイッチング素子Q1のエミッタに接続される。ダイオードD2のカソードは、スイッチング素子Q2のコレクタに接続される。ダイオードD2のアノードは、スイッチング素子Q2のエミッタに接続される。
インバータ22は、昇圧コンバータ21から昇圧された電圧を受けて、エンジン2を始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ22は、エンジン2から伝達される機械的動力によってモータジェネレータMG1で発電された電力を昇圧コンバータ21へ出力する。このとき、昇圧コンバータ21は、降圧回路として動作するように制御装置50によって制御される。
インバータ22は、U相アーム31と、V相アーム32と、W相アーム33とを含む。U相アーム31,V相アーム32,およびW相アーム33は、正極線PL2と負極線NLとの間に並列に接続される。
U相アーム31は、正極線PL2と負極線NLとの間に直列接続されたスイッチング素子Q3,Q4と、スイッチング素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードは、スイッチング素子Q3のコレクタに接続される。ダイオードD3のアノードは、スイッチング素子Q3のエミッタに接続される。ダイオードD4のカソードは、スイッチング素子Q4のコレクタに接続される。ダイオードD4のアノードは、スイッチング素子Q4のエミッタに接続される。
V相アーム32は、正極線PL2と負極線NLとの間に直列接続されたスイッチング素子Q5,Q6と、スイッチング素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードは、スイッチング素子Q5のコレクタに接続される。ダイオードD5のアノードは、スイッチング素子Q5のエミッタに接続される。ダイオードD6のカソードは、スイッチング素子Q6のコレクタに接続される。ダイオードD6のアノードは、スイッチング素子Q6のエミッタに接続される。
W相アーム33は、正極線PL2と負極線NLとの間に直列接続されたスイッチング素子Q7,Q8と、スイッチング素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードは、スイッチング素子Q7のコレクタに接続される。ダイオードD7のアノードは、スイッチング素子Q7のエミッタに接続される。ダイオードD8のカソードは、スイッチング素子Q8のコレクタに接続される。ダイオードD8のアノードは、スイッチング素子Q8のエミッタに接続される。
モータジェネレータMG1のU相,V相,W相の3つのコイルは、各々一方端が中点に共に接続されている。U相コイルの他方端は、スイッチング素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。V相コイルの他方端は、スイッチング素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。W相コイルの他方端は、スイッチング素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
電流センサ34は、モータジェネレータMG1に流れる電流をモータ電流値MCRT1として検出し、モータ電流値MCRT1を制御装置50へ出力する。
インバータ23は、昇圧コンバータ21が出力する直流電圧を三相交流に変換してモータジェネレータMG2へ出力する。インバータ23は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を昇圧コンバータ21へ出力する。このとき、昇圧コンバータ21は、降圧回路として動作するように制御装置50によって制御される。インバータ23の内部の構成は、図示しないがインバータ22と同様であり、詳細な説明は繰返さない。
検出器60は、蓄電装置BおよびPCU20を含む電気系統と、車両100のGNDとの間の絶縁抵抗の低下を検出するために設けられる。検出器60は、蓄電装置Bの負極に接続される。検出器60は、所定の周波数を有する交流信号を出力し、絶縁抵抗の低下に応じて波高値が低下する信号Vkを制御装置50へ出力する。なお、検出器60の構成については、後ほど説明する。検出器60は、制御装置50からの信号CMDに基づいて交流信号の周波数を切替える。
制御装置50は、トルク指令値TR1,TR2と、モータ回転数MRN1,MRN2と、電圧VB,VL,VHの各値と、電流IBの値と、モータ電流値MCRT1,MCRT2と、起動指示IGとを受ける。起動指示IGは、車両100の起動時に運転者がイグニッションスイッチをオンすることによってオフ状態からオン状態に切換わる。起動指示IGは、車両100の動作停止時に運転者がイグニッションスイッチをオフすることによってオン状態からオフ状態に切換わる。
制御装置50は、起動指示IGがオフ状態からオン状態に切換ると、システムメインリレーSMR1,SMR2を閉成する。制御装置50は、実際に出力されるトルクがトルク指令値TR1,TR2に一致するようにPCU20を制御する。このとき、制御装置50は、電圧VHを所望の電圧に制御するための信号PWCを昇圧コンバータ21へ出力する。制御装置50は、モータジェネレータMG1に印加する交流電圧を生成するための信号PWI1をインバータ22へ出力する。制御装置50は、モータジェネレータMG2に印加する交流電圧を生成するための信号PWI2をインバータ23へ出力する。
ここで、制御装置50は、後述する方法によって、検出器60から受けた信号Vkに基づいて、絶縁抵抗の低下の有無を検知する。具体的には、制御装置50は、検出器60が出力する交流電圧の周波数を変化させるための信号CMDを生成し、信号CMDを検出器60へ出力する。制御装置50は、異なる周波数に対応する信号Vkに基づいてコモンモードにおける電気系統80の浮遊容量を推定する。制御装置50は、推定された浮遊容量に基づいて絶縁抵抗の低下を判定するためのしきい値を設定する。なお、コモンモードにおける電気系統の浮遊容量は、車両100の車体に対する電気系統80の静電容量であって、コモン容量とも称される。
車両100は、警告ランプ70をさらに備える。制御装置50は、絶縁抵抗の低下が生じていると判定した場合には、信号EMGを生成して警告ランプ70へ出力する。警告ランプ70は、信号EMGに応じて点灯する。これにより、運転者は、絶縁抵抗の低下が生じていることを知ることができる。
図2は、図1に示す検出器60の構成図である。図1および図2を参照して、検出器60は、交流電源61と、抵抗62と、コンデンサ63と、バンドパスフィルタ64と、ピークホールド回路65とを含む。なお、バンドパスフィルタ64およびピークホールド回路65は、検出部66を構成する。
交流電源61および抵抗62は、ノードN1と、接地ノードGND(車両のシャーシ)との間に直列に接続される。コンデンサ63は、ノードN1と、蓄電装置Bの負極との間に接続される。なお、図1において蓄電装置Bに接続される回路の全体を、図2では電気系統80として示す。
交流電源61は、複数の周波数の交流電圧を切替えて出力可能に構成される。交流電源61は、たとえば所定周波数f1の交流電圧と所定周波数f1とは異なる所定周波数f2の交流電圧とを切替えて出力できる。
一例として、交流電源61は、所定周波数f1の交流電圧を出力する第1の発振回路と所定周波数f2の交流電圧を出力する第2の発振回路とを備え、スイッチによって第1の発振回路の出力および第2の発振回路の出力のいずれかを交流電源61の出力とすることができる。交流電源61は、制御装置50から受けた信号CMDに基づいて交流電圧の周波数を切替える。なお、交流電源61は、2種類以上の周波数の交流電圧を切替えて出力可能に構成されることができる。
バンドパスフィルタ64は、ノードN1上の交流信号を受け、その受けた交流信号から所定周波数の成分だけを抽出してピークホールド回路65へ出力する。ピークホールド回路65は、バンドパスフィルタ64から受けた交流信号のピークをホールドし、そのホールドした信号Vkを制御装置50へ出力する。すなわち、信号Vkは、バンドパスフィルタ64から受けた交流信号の波高値を表す信号である。
電気系統80は、接地ノードGNDに対して電気的に絶縁されている。しかしながら、何らかの要因によって、電気系統80および接地ノードGND間の絶縁抵抗が低下する場合がある。この場合、電気系統80および接地ノードGND間のインピーダンスが低下するので、ノードN1における電圧が低下する。したがって、制御装置50は、信号Vkの大きさに基づいて、絶縁抵抗の低下の有無を判定することができる。
しかしながら、電気系統80および接地ノードGND間の浮遊容量が増加したときも電気系統80および接地ノードGND間のインピーダンスが低下する。このため、浮遊容量の変動によって電気系統80の絶縁抵抗の低下を誤検出する可能性がある。
そこで、本実施の形態では、複数の周波数の交流信号を与えたときの波高値に基づいてコモンモードにおける電気系統80の浮遊容量が推定される。そして、推定された浮遊容量に基づいて絶縁抵抗の低下を判定するためのしきい値が設定される。これにより、電気系統80の浮遊容量の変動の影響を低減することができる。よって、電気系統80の絶縁抵抗の低下の誤検出を抑制することができる。以下、絶縁抵抗の低下の検出について詳細に説明する。
図3は、図1に示す電気系統80の絶縁抵抗の低下を検出する簡易モデルを示す回路図である。図3を参照して、簡易モデルは、絶縁抵抗低下検出器201と、高圧簡易モデル202とを含む。
絶縁抵抗低下検出器201は、アース203を基準電位として振幅V0で発振波形を出力する発振電源204と、発振電源204から一方端に発振信号を受ける検出抵抗206(抵抗値Rd)と、検出抵抗206の他方端に一方電極が接続されたカップリングコンデンサ210(静電容量値Cd)とを含む。
高圧簡易モデル202は、カップリングコンデンサ210の他方電極とアース216との間に並列に接続された高圧絶縁抵抗212(抵抗値Rs)およびコモンモードコンデンサ214(静電容量値Cs)を含む。なお、静電容量値Csは、コモンモードにおける車両100の車体に対する電気系統の浮遊容量を表す。
高電圧バッテリや駆動回路は、高圧簡易モデル202のように表すことができる。高圧簡易モデル202のインピーダンスが大きい場合には、検出抵抗206にはほとんど電流が流れない。したがって電圧検出器218が検出する電圧波形は発振電源204の信号振幅電圧V0と同じ振幅となる(Vd=V0)。
高圧簡易モデル202のインピーダンスが小さいときには、検出抵抗206に電流が流れるため、その分振幅が減衰した波形が電圧検出器218によって計測でき、これによって異常が判定できる。
ここで、高圧簡易モデル202のインピーダンスは、抵抗値Rsと静電容量値Csとによって決定される。よって、抵抗値Rsが低下していなくても静電容量値Csが増大すれば、高圧簡易モデル202のインピーダンスが低下してしまう。このため、浮遊容量である静電容量値Csの変動によって、抵抗値Rsの低下を誤検出する可能性がある。
なお、浮遊容量は、電気系統80の製造時の個体差、環境温度、各ユニットの冷媒の攪拌状態などによって変動する。
図4は、図1に示す検出器60が検出する波高値と電気系統80の絶縁抵抗値との関係を示す図である。図4とともに図3を参照して、実線LN1〜LN3は、絶縁抵抗値に対する波高値を表す。実線LN1は、電気系統80の浮遊容量がゼロである場合を示す。実線LN2,LN3は、電気系統80の浮遊容量が静電容量値Csである場合を示す。実線LN2は、発振電源204の出力電圧の周波数が所定周波数f1である場合を示す。実線LN3は、発振電源204の出力電圧の周波数が所定周波数f2である場合を示す。所定周波数f1は、所定周波数f2とは異なる周波数であって、所定周波数f2よりも低い。
実線LN1〜LN3に示されるように、絶縁抵抗値が同一の場合であっても浮遊容量が異なると、検出される波高値は異なった値となる。また、絶縁抵抗値および浮遊容量がそれぞれ同一であっても発振電源204の出力電圧の周波数が異なると、検出される波高値は異なった値となる。
したがって、電圧検出器218によって検出される波高値Vdは、発振電源204の出力電圧の振幅V0と、発振電源204の出力電圧の角周波数ωdと、高圧絶縁抵抗212の抵抗値Rsと、コモンモードコンデンサ214の静電容量値Csと、検出抵抗206の抵抗値Rdと、カップリングコンデンサ210の静電容量値Cdとを用いて、次式にて表すことができる。
Figure 2014155329
式(1)は、電気系統80の電気的特性を表す。具体的には、式(1)は、振幅V0と波高値Vdとの関係を表す。ここで、交流信号の周波数を変化させ、交流信号の周波数の変化に対応する波高値の変化を検出することによって上記電気的特性を特定することができる。そして、式(1)にて表される関係を用いることで、コモンモードコンデンサ214の静電容量値Csと、高圧絶縁抵抗212の抵抗値Rsとを推定することができる。
具体的には、式(1)において、発振電源204の出力電圧の振幅V0、検出抵抗206の抵抗値Rd、およびカップリングコンデンサ210の静電容量値Cdは、予め与えられている値であるものとする。
まず、発振電源204の出力電圧の角周波数ωdが所定周波数f1であるときの波高値V1が計測される。次に、発振電源204の出力電圧の角周波数ωdが所定周波数f2であるときの波高値V2が計測される。そして、式(1)に上記予め与えられている値、所定周波数f1,f2および波高値V1,V2を適用することで、コモンモードコンデンサ214の静電容量値Csと、高圧絶縁抵抗212の抵抗値Rsとが算出される。
すなわち、式(1)において所定周波数f1および波高値V1を入力することによって得られる式と、式(1)において所定周波数f2および波高値V2を入力することによって得られる式とを用いて、連立方程式を解くことにより静電容量値Csおよび抵抗値Rsとが算出される。
また、コモンモードコンデンサ214の静電容量値Csを算出する一例としてマップを用いる方法を説明する。
図5は、図1に示す制御装置50がメモリに記憶する電気系統の浮遊容量を推定するためのマップを説明する図表である。図5を参照して、マップには、所定周波数f1に対応する波高値V1(V11〜V1n)と、所定周波数f2に対応する波高値V2(V21〜V2n)との組み合わせに応じて予め計算された静電容量値Csが保存される。
具体的には、式(1)に所定周波数f1および任意の波高値V1を入力することによって得られる式と、式(1)において所定周波数f2および任意の波高値V2を入力することによって得られる式とを用いて、連立方程式を解くことにより静電容量値Csが算出される。そして、波高値V11〜V1nと波高値V21〜V2nとのすべての組み合わせについて、上記のような計算を実行することによってマップを作成することができる。
このように作成されたマップを参照することによって、波高値V1と波高値V2との組み合わせに対応する静電容量値Csを得ることができる。そして、得られた静電容量値Csを用いて高圧絶縁抵抗212の抵抗値Rs(この場合、抵抗値R1)を得ることができる。一例として、波高値V1がV13であり、波高値V2がV22である場合は、静電容量値CsはC32となる。
なお、浮遊容量である静電容量値Csを推定する方法は、上記のようなマップを用いる方法に限られず、連立方程式を解くなどの他の方法を用いてもよい。
再び図4を参照して、浮遊容量が推定されると、絶縁低下の異常を判定するためのしきい値が設定される。ここでは、絶縁抵抗値が抵抗値Rnよりも大きい場合に、絶縁抵抗が正常であると判定されるものとし、絶縁抵抗値が抵抗値Raよりも小さい場合に、絶縁抵抗が異常であると判定されるものとする。なお、絶縁抵抗値が抵抗値Raから抵抗値Rnの間にある場合は、どちらの判定もされない。
浮遊容量がゼロである場合(静電容量値Cs=0μF)は(実線LN1)、絶縁抵抗の低下を判定するためのしきい値は、所定値Vaに設定される。しかしながら、浮遊容量が増大すると検出される波高値Vdが低下するため、しきい値を小さく設定する必要がある。そこで、上記の方法で推定された浮遊容量を用いて適切なしきい値が設定される。
具体的には、上記式(1)において、高圧絶縁抵抗212の抵抗値Rsとして抵抗値Raを入力し、コモンモードコンデンサ214の静電容量値Csとして推定された浮遊容量を入力したときに得られる波高値Vdがしきい値Vbとして設定される。すなわち、高圧絶縁抵抗212の抵抗値が抵抗値Raであるときの波高値Vdがしきい値Vbとして設定される。なお、抵抗値Raは、絶縁抵抗が低下していることを判定するための値である。
よって、絶縁抵抗が低下していることを判定するためのしきい値を浮遊容量に応じて設定することができる。したがって、浮遊容量が変動した場合であっても、絶縁抵抗が抵抗値Raを下回ったときに絶縁抵抗が低下していると判定することができる。
これにより、電気系統80の浮遊容量の変動の影響を低減することができる。よって、電気系統80の絶縁抵抗の低下の誤検出を抑制することができる。
図6は、図1に示す制御装置50の絶縁抵抗低下検出に関する機能ブロック図である。図6を参照して、制御装置50は、推定部51と、設定部52と、判定部53とを含む。
推定部51は、交流電源61(図2)の出力周波数を所定周波数f1とするように信号CMDを生成し、生成した信号CMDを検出器60へ出力する。推定部51は、交流電源61の出力周波数が所定周波数f1であるときの波高値Vkを波高値V1として取得する。次に、推定部51は、交流電源61の出力周波数を所定周波数f2とするように信号CMDを生成し、生成した信号CMDを検出器60へ出力する。推定部51は、交流電源61の出力周波数が所定周波数f2であるときの波高値Vkを波高値V2として取得する。
そして、推定部51は、波高値V1,V2に基づいて電気系統80の浮遊容量を推定する。すなわち、推定部51は、波高値V1,V2に基づいて式(1)含まれるパラメータを特定する。具体的には、推定部51は、波高値V1と波高値V2との組み合わせに対応する静電容量値Csが保存されたマップ(図5)を参照することによって静電容量値Csを浮遊容量として推定する。推定部51は、推定された浮遊容量を設定部52へ出力する。
設定部52は、推定部51から受けた浮遊容量に基づいて絶縁抵抗の低下を判定するためのしきい値を設定する。具体的には、設定部52は、推定部51によって推定された浮遊容量が大きいほど、しきい値を低く設定する。より具体的には、設定部52は、式(1)に推定された浮遊容量を適用することによってしきい値を設定する。設定部52は、設定されたしきい値を判定部53へ出力する。
判定部53は、設定部52から受けたしきい値を用いて絶縁抵抗の低下を判定する。具体的には、判定部53は、波高値Vkがしきい値を下回った場合に絶縁抵抗が異常であると判定する。判定部53は、絶縁抵抗の低下が生じているか否かを示す信号EMGを生成して警告ランプ70へ出力する。
図7は、図1に示す制御装置50で実行される絶縁抵抗低下検出に関する処理を説明するフローチャートである。なお、図7に示されるフローチャート中の各ステップについては、制御装置50に予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期もしくは所定の条件が成立したことに応答して実行されることによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図7を参照して、ステップ(以下、ステップをSと略す。)10において、制御装置50は、検出器60の起動処理が完了したか否かを判定する。具体的には、制御装置50は、検出器60の交流電源61が起動されているか否かを判定する。検出器60の起動処理が完了していないと判定された場合は(S10にてNO)、以下の処理は実行されない。
検出器60の起動処理が完了したと判定された場合は(S10にてYES)、制御装置50は、所定周波数f1における波高値の検出が未完了であるか否かを判定する(S20)。所定周波数f1における波高値の検出が未完了であると判定された場合は(S20にてYES)、制御装置50は、交流電源61の出力を所定周波数f1に設定するための信号CMDを検出器60へ出力する(S30)。
続いてS40にて、制御装置50は、システムメインリレーSMR1,SMR2がオンであり、かつすべてのインバータゲートが許可状態(駆動状態)であるか否かを判定する。なお、すべてのインバータゲートが許可状態であるとは、インバータ22のスイッチング素子Q3〜Q8およびこれに対応するインバータ23のスイッチング素子のすべてがスイッチング可能な状態である。システムメインリレーSMR1,SMR2がオンであり、かつすべてのインバータゲートが許可状態であると判定されない場合は(S40にてNO)、以下の処理は実行されない。
システムメインリレーSMR1,SMR2がオンであり、かつすべてのインバータゲートが許可状態であると判定された場合は(S40にてYES)、制御装置50は、検出器60の出力が安定しているか否かを判定する(S50)。具体的には、制御装置50は、検出器60の出力である波高値Vkの変動が所定範囲以内である場合に検出器60の出力が安定していると判定する。検出器60の出力が安定していないと判定された場合は(S50にてNO)、以下の処理は実行されない。
検出器60の出力が安定していると判定された場合は(S50にてYES)、制御装置50は、検出器60の出力を波高値V1として計測し、計測された値を記憶する(S60)。
一方、所定周波数f1における波高値の検出が完了したと判定された場合は(S20にてNO)、制御装置50は、所定周波数f2における波高値の検出が未完了であるか否かを判定する(S70)。所定周波数f2における波高値の検出が完了したと判定された場合は(S70にてNO)、以下の処理は実行されない。
所定周波数f2における波高値の検出が未完了であると判定された場合は(S70にてYES)、制御装置50は、交流電源61の出力を所定周波数f2に設定するための信号CMDを検出器60へ出力する(S80)。
続いてS90にて、制御装置50は、システムメインリレーSMR1,SMR2がオンであり、かつすべてのインバータゲートが許可状態(駆動状態)であるか否かを判定する。システムメインリレーSMR1,SMR2がオンであり、かつすべてのインバータゲートが許可状態であると判定されない場合は(S90にてNO)、以下の処理は実行されない。
システムメインリレーSMR1,SMR2がオンであり、かつすべてのインバータゲートが許可状態であると判定された場合は(S90にてYES)、制御装置50は、検出器60の出力が安定しているか否かを判定する(S100)。検出器60の出力が安定していないと判定された場合は(S100にてNO)、以下の処理は実行されない。
このように、S40,S90において、システムメインリレーSMR1,SMR2がオンであり、かつすべてのインバータゲートが許可状態であると判定された場合に、波高値の計測が実行される。これにより、波高値V1の計測と波高値V2の計測とを同一の計測条件にて実行することができる。よって、より正確に浮遊容量を推定することができる。
また、S50,S100において、検出器60の出力が安定している場合に、波高値の計測が実行される。これにより、波高値の計測が外乱に影響されることを抑制することができる。具体的には、外乱は、たとえば電気系統80のシステム電圧である電圧VHの変動によって生じるものである。よって、上記のような外乱の影響が小さい場合に波高値を計測することによって、より正確に浮遊容量を推定することができる。
検出器60の出力が安定していると判定された場合は(S100にてYES)、制御装置50は、検出器60の出力を波高値V2として計測し、計測された値を記憶する(S110)。
続いてS120にて、制御装置50は、波高値V1,V2に基づいて浮遊容量を推定する。具体的には、制御装置50は、上述のように、波高値V1と波高値V2との組み合わせに対応する静電容量値Csが保存されたマップ(図5)を参照することによって静電容量値Csを浮遊容量として推定する。
続いてS130にて、制御装置50は、浮遊容量に基づいて絶縁抵抗の低下を判定するためのしきい値を設定する。具体的には、制御装置50は、推定された浮遊容量が大きいほど、しきい値を低く設定する。より具体的には、制御装置50は、式(1)に推定された浮遊容量を適用することによってしきい値を設定する。
続いてS140にて、制御装置50は、絶縁抵抗の低下を判定する。具体的には、制御装置50は、波高値Vkがしきい値を下回った場合に絶縁抵抗が異常であると判定する。制御装置50は、絶縁抵抗の低下が生じているか否かを示す信号EMGを生成して警告ランプ70へ出力する。
以上のように、この実施の形態においては、波高値V1および波高値V2を検出することによって特定される電気系統80の電気的特性に基づいてコモンモードにおける電気系統80の浮遊容量が推定される。そして、推定部51によって推定された浮遊容量に基づいて絶縁抵抗の低下を判定するためのしきい値が設定される。これにより、電気系統80の浮遊容量の変動の影響を低減することができる。したがって、この実施の形態によれば、電気系統の絶縁抵抗の低下の誤検出を抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、エンジン2およびモータジェネレータMG1,MG2を搭載したハイブリッド車を用いて説明したが、本発明は、ハイブリッド車に限定されず、電気自動車や燃料電池車などに適用してもよい。
なお、上記において、交流電源61は、この発明における「発振部」の一実施例に対応する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 エンジン、4 動力分割装置、6 車輪、20 PCU、21 昇圧コンバータ、22,23 インバータ、31 U相アーム、32 V相アーム、33 W相アーム、34,35,44 電流センサ、41,42,43 電圧センサ、50 制御装置、51 推定部、52 設定部、53 判定部、60 検出器、61 交流電源、62 抵抗、63 コンデンサ、64 バンドパスフィルタ、65 ピークホールド回路、66 検出部、70 警告ランプ、80 電気系統、100 車両、201 絶縁抵抗低下検出器、202 高圧簡易モデル、203,216 アース、204 発振電源、206 検出抵抗、218 電圧検出器、210 カップリングコンデンサ、212 高圧絶縁抵抗、214 コモンモードコンデンサ、B 蓄電装置、C1,C2 平滑コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、N1 ノード、NL 負極線、PL1,PL2 正極線、Q1〜Q8 スイッチング素子、SMR1,SMR2 システムメインリレー。

Claims (6)

  1. 車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出するための絶縁抵抗低下検出装置であって、
    前記電気系統に電気的に接続される信号線に交流信号を与える発振部と、
    前記信号線における前記交流信号の波高値を検出する検出部と、
    前記絶縁抵抗の低下を判定するための制御装置とを備え、
    前記発振部は、第1の周波数と、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数との間で前記交流信号の周波数を切替可能に構成され、
    前記検出部は、前記第1の周波数に対応する第1の波高値と、前記第2の周波数に対応する第2の波高値とを検出し、
    前記制御装置は、
    前記第1の波高値および前記第2の波高値を検出することによって特定される前記電気系統の電気的特性に基づいてコモンモードにおける前記電気系統の浮遊容量を推定する推定部と、
    前記検出部によって検出された波高値がしきい値を下回った場合に、前記絶縁抵抗が低下していると判定する判定部と、
    前記推定部によって推定された浮遊容量が大きいほど、前記しきい値を低く設定する設定部とを含む、絶縁抵抗低下検出装置。
  2. 前記推定部は、前記電気系統の電気的特性を表す関数を有し、前記第1の波高値および前記第2の波高値を用いて前記関数に含まれるパラメータを特定する、請求項1に記載の絶縁抵抗低下検出装置。
  3. 前記関数は、前記発振部の出力電圧と前記検出部の検出電圧との関係を表す、請求項2に記載の絶縁抵抗低下検出装置。
  4. 前記推定部は、前記第1の波高値および前記第2の波高値に対応して前記浮遊容量が予め記憶されるマップを有し、前記マップを参照することによって前記浮遊容量を推定する、請求項1に記載の絶縁抵抗低下検出装置。
  5. 請求項1に記載の絶縁抵抗低下検出装置を備える車両。
  6. 車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出するための絶縁抵抗低下検出方法であって、
    前記電気系統に電気的に接続される信号線に第1の周波数の交流信号を与えるステップと、
    前記交流信号の周波数が第1の周波数であるときの前記信号線における前記交流信号の波高値を示す第1の波高値を検出するステップと、
    前記信号線に前記第1の周波数とは異なる第2の周波数の交流信号を与えるステップと、
    前記交流信号の周波数が第2の周波数であるときの前記信号線における前記交流信号の波高値を示す第2の波高値を検出するステップと、
    前記第1の波高値および前記第2の波高値を検出することによって特定される前記電気系統の電気的特性に基づいてコモンモードにおける前記電気系統の浮遊容量を推定するステップと、
    前記浮遊容量が大きいほど、しきい値を低く設定するステップと、
    前記交流信号の波高値が前記しきい値を下回った場合に、前記絶縁抵抗が低下していると判定するステップとを含む、絶縁抵抗低下検出方法。
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