JP2014154600A - インプリントによるパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹部の深さが1.0〜5.0μmであり、凹部の深さ(D)の凸部の幅(W)に対する比率D/Wが1以上である凹凸パターンを形成する際に、インプリント用の光硬化性膜形成組成物からなる塗布膜にモールドを押し付けて塗布膜を変形させた状態で、塗布膜を、塗布膜の完全硬化に要する露光量の0.3〜25%の露光量で露光した後に、モールドを露光された塗布膜から剥離させる。
【選択図】図1
Description
塗布膜にモールドを押し付けて塗布膜を変形させる、変形工程と、
モールドを塗布膜に押し付けた状態で塗布膜を露光する、第一露光工程と、
第一露光工程後にモールドを凹凸パターンが形成された塗布膜から剥離させる、モールド剥離工程と、を含み、
第一露光工程における露光量が、前記塗布膜の完全硬化に要する露光量の0.3〜25%であり、
凹凸パターン中の凹部の深さが1.0〜5.0μmであり、凹部の深さ(D)の凸部の幅(W)に対する比率D/Wが1以上である、インプリントによるパターン形成方法である。
インプリント用の光硬化性膜形成組成物を基板上に塗布する、塗布膜形成工程と、
塗布膜にモールドを押し付けて塗布膜を変形させる、変形工程と、
モールドを前記塗布膜に押し付けた状態で塗布膜を露光する、第一露光工程と、
第一露光工程後にモールドを凹凸パターンが形成された塗布膜から剥離させる、モールド剥離工程と、を含む。
また、本発明に係るインプリントによるパターン形成方法では、第一露光工程における露光量が、塗布膜の完全硬化に要する露光量の0.3〜25%である。
さらに、本発明に係るインプリントによるパターン形成方法で形成される凹凸パターンは、凹凸パターン中の凹部の深さが1.0〜5.0μmであり、凹部の深さ(D)の凸部の幅(W)に対する比率D/Wが1以上である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、塗布膜形成工程では、インプリント用の光硬化性膜形成組成物を基板1上に塗布して、基板上に塗布膜2を形成する。以下、光硬化性膜形成組成物と、基板と、光硬化性膜形成組成物の塗布方法とについて順に説明する。
インプリント用の光硬化性膜形成組成物は、光硬化性であり、塗布によりインプリント可能な硬さの膜を形成可能な組成物であれば特に限定されない。光硬化性膜形成組成物は、従来から光インプリント法に用いられている光硬化性膜形成組成物から適宜選択することができる。
光重合性官能基を有するシロキサン樹脂(以下、シロキサン樹脂とも記す。)は、シロキサン骨格を有する樹脂であって、光重合性官能基を有するものであれば特に限定されない。光重合性官能基を有するシロキサン樹脂(A)の好適な例としては、下記一般式(A1)で表されるシロキサン樹脂が挙げられる。
光硬化性膜形成組成物が光重合性官能基を有するシロキサン樹脂を含む場合、光硬化性膜形成組成物は、アルコキシシラン化合物を含んでいてもよい。アルコキシシラン化合物は、アルキル基Rが酸素原子に結合したアルコキシ基(RO−)を含むシラン化合物である。アルコキシシラン化合物の好適な例としては、下記式(B1)〜(B3)で表されるいずれかの化合物が挙げられる。
重合開始剤は、光硬化性膜形成組成物を露光する際に、光硬化性膜形成組成物に含まれる成分の光重合を開始、促進させる化合物であれば、特に限定されない。重合開始剤の具体例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン;メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;イソブチリルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;t−ブチルパ−オキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシエステル類;ジn−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物類等が挙げられる。
光重合性膜形成組成物が塗布される基板の材質は、塗布膜との密着性を考慮して、種々の材料から適宜選択される。好適に使用される基板の材質としては、石英、サファイア、Si等が挙げられる。
光硬化性膜形成組成物を基板1上に塗布する方法は特に限定されず、種々のインプリント方法において採用されている塗布膜の形成方法から適宜選択される。光硬化性膜形成組成物を基板上に塗布する方法の具体例としては、スピンコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等が挙げられる。
図1(c)及び図1(d)に示されるように、変形工程では、基板1上に形成された塗布膜2に対して、塗布膜2の上方からモールド3を押し付けて塗布膜2を変形させる。本発明に係るパターンの形成方法では、凹部の深さが1.0〜5.0μmであり、凹部の深さ(D)の凸部の幅(W)に対する比率D/Wが1以上であるパターンが形成される。このような形状のパターンを形成する場合、モールド3を変形した塗布膜2から剥離させる際に、凸部の折れや、パターンの基板からの剥離が生じやすいが、本発明に係るパターンの形成方法によれば、このような不具合を抑制しつつ良好な形状のパターンを形成することができる。
図1(e)に示されるように、第一露光工程では、モールド3を塗布膜2に押し付けた状態で、変形した塗布膜2に対して紫外線(UV)のような電磁波を照射して、塗布膜2を露光して硬化させる。このため、電磁波がモールド3を透過する必要があり、モールド3は照射される電磁波を透過させる材料を用いて形成される。モールド3の材質の例としては、例えば、石英、PDMS等が挙げられる。
図1(e)及び図1(f)に示されるように、モールド剥離工程では、モールド3を凹凸パターンが形成された塗布膜2から剥離させる。塗布膜2が完全硬化に要する露光量の0.3〜25%の露光量で露光されているため、モールド3を、凹凸パターンを備える塗布膜2から剥離させても、凹凸パターンを備える塗布膜2の基板1からの剥離や、凹凸パターンの凸部の折れ等を抑制して、基板上に良好な形状のパターンを形成することができる。
図1(g)及び図(h)に示されるように、モールド剥離工程で、モールド3を剥離された硬化した塗布膜2に対して、第二露光工程でさらに露光を行ってもよい。第二露光工程における、露光方法は、モールド3を介さず塗布膜2が直接露光されることの他は、第一露光工程と同様である。第二露光工程では、塗布膜2は完全硬化されてもされなくてもよく、塗布膜2が所望する程度まで硬化するように露光量が適宜選択される。しかし、変形した塗布膜は完全硬化されるのが好ましく、第一露光工程での露光量と、第二露光工程のでの露光量の合計は、塗布膜の完全硬化に要する露光量以上であるのが好ましい。
シロキサン樹脂、プロピレングリコール−1−メチルエーテル−2−アセタート(PGMEA)、及び表1に記載の種類の重合開始剤を、表1に記載の組成で均一に混合して、光重合性膜形成組成物PPC1〜PPC4を得た。
PI1:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン
PI2:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン
得られた光重合性膜形成組成物PPC1〜PPC4について、完全硬化に要する露光量の指標として、一定の露光エネルギー条件下での完全硬化に要する露光時間を測定した。Si基板に、スピンコーター(MS−A200、ミカサ株式会社製)を用いて、光重合性膜形成組成物PPC1〜PPC4を塗布して膜厚0.9μmの塗布膜を形成した。形成された塗布膜に対して、ナノインプリンター(ST200、東芝機械株式会社製)を用いて、33mW/cm2の露光エネルギーで、1秒単位で、適宜露光時間を変更して露光を行った。種々の露光時間で露光された塗布膜について、触針式表面形状測定器(Dektak150、株式会社アルバック製)を用いる試験で完全硬化しているか否かを判断した。触針圧1mgfで塗布膜2の表面を走査した場合に、硬化した塗布膜に傷がつかない場合を完全硬化と判断し、傷がつく状態を不完全硬化と判断した。このようにして、塗布膜を完全硬化させることができる最短の露光時間を求めた。塗布膜の完全硬化に要する露光時間は、PPC1では4秒であり、PPC2では25秒であり、PPC3では300秒であり、PPC4では30秒であった。
表1に記載の種類の光重合性膜形成組成物を、スピンコーター(MS−A200、ミカサ株式会社製)を用いて、Si基板上に塗布して膜厚0.9μmの塗布膜を形成した。形成された塗布膜に、内径2μm、深さ2.4μmの凹部を備えるモールドを押し付けて塗布膜を変形させ、直径2μm、高さ2.4μmの円柱状の凸部を複数備えるパターンを形成した。モールドを変形した塗布膜に押し付けた状態で、ナノインプリンター(ST200、東芝機械株式会社製)を用いて、33mW/cm2の露光エネルギーで、表2に記載の時間、塗布膜を露光した。露光後、塗布膜よりモールドを剥離させ、形成されたパターンの形状を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。SEMでの観察結果から、以下の基準に従って、形成されたパターンの形状を評価した。表2にパターン形状の評価結果を記す。
◎:凸部の折れや、パターンの基板からの剥離が観察されない。
○:凸部の折れや、パターンの基板からの剥離がわずかに観察される。
×:凸部の折れや、パターンの基板からの剥離の発生が著しい。
2 塗布膜
3 モールド
Claims (4)
- インプリント用の光硬化性膜形成組成物を基板上に塗布する、塗布膜形成工程と、
前記塗布膜にモールドを押し付けて前記塗布膜を変形させる、変形工程と、
前記モールドを前記塗布膜に押し付けた状態で前記塗布膜を露光する、第一露光工程と、
第一露光工程後に前記モールドを凹凸パターンが形成された前記塗布膜から剥離させる、モールド剥離工程と、を含み、
前記第一露光工程における露光量が、前記塗布膜の完全硬化に要する露光量の0.3〜25%であり、
前記凹凸パターン中の凹部の深さが1.0〜5.0μmであり、凹部の深さ(D)の凸部の幅(W)に対する比率D/Wが1以上である、インプリントによるパターン形成方法。 - モールド剥離工程後に前記凹凸パターンが形成された前記塗布膜をさらに露光する、第二露光工程を含む、請求項1に記載のインプリントによるパターン形成方法。
- 前記第一露光工程及び前記第二露光工程における露光量の合計が、前記塗布膜の完全硬化に要する露光量以上である、請求項2に記載のインプリントによるパターン形成方法。
- 前記光硬化性膜形成組成物が、光重合性官能基を有するシロキサン樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインプリントによるパターン形成方法。
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