JP2022170092A - パターン形成方法 - Google Patents

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Takemasa Konno
莉紗子 森
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Abstract

Figure 2022170092000001
【課題】サーマルサイクル試験の前後の寸法変動が抑えられて信頼性の向上が図られた、硬化膜パターンを形成できるパターン形成方法を提供する。
【解決手段】基板1上に設けられた、ナノインプリント用組成物からなる硬化性膜2に、凹凸パターンを有するモールド3を押圧して、硬化性膜2に凹凸パターンを転写する工程と、モールド3を硬化性膜2に押圧しつつ、凹凸パターンが転写された硬化性膜2を硬化させて、硬化膜を形成する工程と、硬化膜からモールド3を剥離してパターン2’を形成する工程と、モールド3が剥離された硬化膜(パターン2’)を、160℃以上で加熱して、ポストベーク硬化膜からなるパターン2”を形成する工程と、を有するパターン形成方法を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成方法に関する。
リソグラフィ技術は、半導体デバイスの製造プロセスにおけるコアテクノロジーであり、近年の半導体集積回路(IC)の高集積化に伴い、さらなる配線の微細化が進行している。微細化手法としては、より短波長の光源、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fレーザー、EUV(極端紫外光)、EB(電子線)、X線等を用いる光源波長の短波長化や、露光装置のレンズの開口数(NA)の大口径化(高NA化)等が一般的である。
このような中、半導体の微細パターン形成方法として、所定のパターンを有するモールドを、基板上に形成された硬化性膜に押圧して、当該硬化性膜に前記モールドのパターンを転写する、ナノインプリントリソグラフィが生産性等の点から期待されている。
ナノインプリントリソグラフィでは、光(紫外線、電子線)で硬化する光硬化性化合物を含有する光硬化性組成物が用いられている。この光硬化性組成物を用いる場合、所定のパターンを有するモールドを、光硬化性化合物を含む硬化性膜に押圧し、次いで、光を照射して光硬化性化合物を硬化させ、その後、硬化膜からモールドを剥離することにより硬化膜パターン(構造体)が得られる。
ナノインプリントリソグラフィにおいては、要求される特性として、スピン塗布などにより基板上に光硬化性組成物を塗布する際の塗布性、加熱や露光による硬化性が挙げられる。基板への塗布性が悪いと、基板上に塗布された光硬化性組成物の膜厚にばらつきが生じて、モールドを硬化性膜に押圧した際にパターン転写性の低下を招きやすい。また、硬化性は、モールド押圧により形成されたパターンを所望の寸法に維持する上で重要な特性である。加えて、光硬化性組成物には、硬化膜からモールドを剥離する際のモールド離型性が良いことも求められる。
例えば、特許文献1には、モールド離型性の向上を目的としたナノインプリントパターン形成方法が提案されている。
特開2016-207685号公報
ところで、近年、自動運転用の3DセンサーやAR(拡張現実)グラスのAR導波路の高機能化のために、ナノインプリントリソグラフィを適用することが検討されている。3DセンサーやARグラスにおいては、デバイスの一部を構成する永久膜材料に対し、高い特性が求められている。
しかしながら、従来のナノインプリントパターン形成方法により形成された硬化膜パターンにおいては、信頼性試験の前後で、パターン寸法の変化が要求される基準よりも大きく、信頼性の点で更なる向上が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、信頼性試験の前後の寸法変動が抑えられて信頼性の向上が図られた、硬化膜パターンを形成できるパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様は、ナノインプリント用組成物からなる硬化性膜に、凹凸パターンを有するモールドを押圧して、前記硬化性膜に前記凹凸パターンを転写する工程(i)と、前記モールドを前記硬化性膜に押圧しつつ、前記凹凸パターンが転写された硬化性膜を硬化させて、硬化膜を形成する工程(ii)と、前記硬化膜から前記モールドを剥離する工程(iii)と、前記モールドが剥離された硬化膜を、160℃以上で加熱してポストベーク硬化膜を形成する工程(iv)と、を有するパターン形成方法である。
本発明によれば、信頼性試験の前後の寸法変動が抑えられて信頼性の向上が図られた、硬化膜パターンを形成できるパターン形成方法を提供することができる。
本発明に係るパターン形成方法の一実施形態を説明する概略工程図である。 任意工程の一例を説明する概略工程図である。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
「置換基を有してもよい」と記載する場合、水素原子(-H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(-CH-)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
(パターン形成方法)
本態様に係るパターン形成方法は、ナノインプリント用組成物からなる硬化性膜に、凹凸パターンを有するモールドを押圧して、前記硬化性膜に前記凹凸パターンを転写する工程(i)と、前記モールドを前記硬化性膜に押圧しつつ、前記凹凸パターンが転写された硬化性膜を硬化させて、硬化膜を形成する工程(ii)と、前記硬化膜から前記モールドを剥離する工程(iii)と、前記モールドが剥離された硬化膜を、160℃以上で加熱してポストベーク硬化膜を形成する工程(iv)と、を有する。
図1は、パターン形成方法の一実施形態を説明する概略工程図である。
本実施形態のパターン形成方法においては、前記の工程(i)~(iv)の操作を行うことにより、ポストベーク硬化膜からなるパターン2”が基板1上に形成される。
[工程(i)]
工程(i)
工程(i)では、ナノインプリント用組成物からなる硬化性膜に、凹凸パターンを有するモールドを押圧して、前記硬化性膜に前記凹凸パターンを転写する。
本工程(i)について、例えば図1(A)に示すように、まず、基板1に、ナノインプリント用組成物を塗布し、硬化性膜2を形成する。本実施形態のパターン形成方法で用いることができるナノインプリント用組成物の詳細については後述する。
なお、図1(A)においては、硬化性膜2の上空にモールド3が配置されている。
基板1は、種々の用途によって選択可能であり、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等が挙げられる。より具体的には、シリコン、窒化シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が挙げられる。
また、基板1の形状は、特に限定されるものではなく、板状でもよいし、ロール状でもよい。また、基板1としては、モールドとの組み合わせ等に応じて、光透過性、又は非光透過性のものを選択することができる。
基板1にナノインプリント用組成物を塗布する方法としては、スピンコート法、スプレー法、インクジェット法、ロールコート法、回転塗布法等が挙げられる。
硬化性膜2は、その後に行われてもよい基板1のエッチング工程でマスクとして機能するため、基板1に塗布されたときの膜厚が均一であることが好ましい。この点から、基板1にナノインプリント用組成物を塗布する際には、スピンコート法が好適である。
硬化性膜2の膜厚は、用途によって適宜選択すればよく、例えば、0.05~30μm程度とすればよい。
次いで、凹凸パターンを有するモールドを、前記硬化性膜に押圧して、前記硬化性膜に前記凹凸パターンを転写する。
図1(B)に示すように、硬化性膜2が形成された基板1に、表面に微細な凹凸パターンを有するモールド3を、硬化性膜2に対向して押し当てる。これにより、硬化性膜2を、モールド3の凹凸構造に合わせて変形させる。
モールド3の押圧時の硬化性膜2に対する圧力は、10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましく、1MPa以下が特に好ましい。
モールド3を硬化性膜2に押圧することにより、モールド3の凸部に位置するナノインプリント用組成物がモールド3の凹部の側に容易に押しのけられ、モールド3の凹凸構造が硬化性膜2に転写される。
モールド3が有する凹凸パターンは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じて形成できる。
本実施形態のパターン形成方法は、モールド3が有する凹凸パターンが微細な寸法である場合に有用な方法であり、モールド3が有する凹凸パターンのパターンサイズが、ピッチ幅140nm以上であり、高さ140nm以上である場合に特に有用な方法である。
モールド3は、光透過性モールドが好ましい。光透過性モールドの材料は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであればよい。具体的には、ガラス、石英、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂膜、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
[工程(ii)]
工程(ii)では、前記モールドを前記硬化性膜に押圧しつつ、前記凹凸パターンが転写された硬化性膜を硬化させて、硬化膜を形成する。
図1(C)に示すように、モールド3を硬化性膜2に押圧した状態で、凹凸パターンが転写された硬化性膜2を硬化させる。硬化性膜2が光硬化性膜である場合、硬化性膜2は、露光により硬化させることができる。具体的には、紫外線(UV)などの電磁波が硬化性膜2に照射される。露光により、モールド3が押圧された状態で硬化性膜2が硬化し、モールド3の凹凸パターンが転写された光硬化膜が形成される。光硬化性膜は、工程(i)で、ナノインプリント用組成物として光硬化性組成物を用いることにより形成することができる。
なお、図1(C)におけるモールド3は、電磁波に対して透過性を有する。
硬化性膜2が光硬化性膜である場合、硬化性膜2を硬化させるために用いられる光は、特に限定されず、例えば、高エネルギー電離放射線、近紫外線、遠紫外線、可視光線、赤外線等の領域の波長の光又は放射線が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUV、LED、半導体レーザー光、または248nmのKrFエキシマレーザー光もしくは193nmのArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も好適に用いることができる。これらの光は、モノクロ光を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(ミックス光)でもよい。
硬化性膜2が熱硬化性膜である場合、硬化性膜2は、加熱により硬化させることができる。熱硬化性膜は、工程(i)で、ナノインプリント用組成物として熱硬化性組成物を用いることにより形成することができる。
[工程(iii)]
工程(iii)では、前記硬化膜から前記モールドを剥離する。
図1(D)に示すように、硬化膜からモールド3を剥離する。これにより、凹凸パターンが転写された硬化膜からなるパターン2’が基板1上にパターニングされる。
[工程(iv)]
工程(iv)では、前記モールドが剥離された硬化膜を、160℃以上で加熱してポストベーク硬化膜を形成する。
図1(E)に示すように、モールド3が剥離されて凹凸パターンが転写された、硬化膜からなるパターン2’を、160℃以上で加熱することにより、ポストベーク硬化膜からなるパターン2”が基板1上に形成される。
工程(iv)における加熱の温度は、160℃以上であり、好ましくは160℃以上240℃以下、より好ましくは180℃以上240℃以下であり、さらに好ましくは200℃以上220℃以下である。
工程(iv)における加熱の継続時間は、好ましくは3分間以上30分間以下、より好ましくは5分間以上20分間以下、さらに好ましくは5分間以上15分間以下である。
工程(iv)における加熱操作(ポストベーク)は、160℃以上での加熱操作を含む限り、1ステップで行ってもよいし2ステップ以上で行ってもよい。
以上説明した本実施形態のパターン形成方法においては、工程(i)、工程(ii)及び工程(iii)に加えて、更に工程(iv)の操作、すなわち、硬化膜に対して160℃以上の加熱を行うことにより、信頼性試験の前後の寸法変動が抑えられて信頼性の向上が図られた、硬化膜パターンを形成することができる。
本発明者らは、検討の中で、工程(iv)の操作を行わない従来のパターン形成方法では、モールド離型後の硬化膜(インプリント転写層)に、未反応の重合性化合物及び重合開始剤が残存していることをFT-IR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)解析にて明らかにした。これに対し、本実施形態では、モールド離型後の硬化膜(インプリント転写層)を、160℃以上で加熱することで、未反応の重合性化合物及び重合開始剤の重合、架橋反応を促進させる。これにより、例えばサーマルサイクル信頼性試験の温度変化又は経時に伴う、分解反応や架橋反応が起こりにくくなる。そのため、硬化膜の寸法変動が抑えられ、高耐久なインプリント転写層が形成されることで、信頼性の向上が図られる。
上述した実施形態のパターン形成方法においては、工程(iv)で形成するポストベーク硬化膜について、熱衝撃試験機によるサーマルサイクル信頼性試験の前後における寸法変動率が、4%以下であり、好ましくは3%以下であり、当該寸法変動率がより低く抑えられた硬化膜パターンを容易に形成することができる。
熱衝撃試験機によるサーマルサイクル信頼性試験は、以下の試験条件にて行う。
温度:-55℃と+125℃との往復
サイクル数:240サイクル
サイクル条件:30min/サイクル
上述した実施形態のパターン形成方法においては、前記モールドが剥離された硬化膜についての5%重量減少温度(Td5(b))と、前記モールドが剥離された硬化膜を160℃以上で加熱して形成したポストベーク硬化膜についての5%重量減少温度(Td5(a))との間に、下式(1)の関係が成り立つことが好ましい。
式(1):Td5(a)-Td5(b)≧20℃
すなわち、ポストベーク硬化膜についての5%重量減少温度(Td5(a))が、硬化膜についての5%重量減少温度(Td5(b))に比べて、20℃以上高いことが好ましく、工程(iv)の操作(硬化膜に対して160℃以上の加熱)を行うことにより、耐熱性が高められて、高耐久な硬化膜パターンを形成することができる。これらの5%重量減少温度の差は、30℃以上であってもよいし、35℃以上であってもよい。
5%重量減少温度の測定は、以下の測定条件にて行う。
試料を、大気雰囲気下、40℃から500℃まで、一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、試料の重量変化を測定する。試料の重量の残存率が95%になるとき、すなわち、5%の重量減少が見られるときの温度を、5%重量減少温度とする。
上述した実施形態のパターン形成方法は、光インプリントリソグラフィ用途に好適な方法であり、特に、自動運転用の3DセンサーやAR(拡張現実)グラスのAR導波路等の用途において有利な効果を奏する。
[任意工程]
本実施形態のパターン形成方法においては、モールド3の硬化性膜2と接する面31に、離型剤を塗布してもよい(図1(A))。これにより、モールド3と硬化膜との離型性を高められる。
ここでの離型剤としては、例えば、シリコン系離型剤、フッ素系離型剤、ポリエチレン系離型剤、ポリプロピレン系離型剤、パラフィン系離型剤、モンタン系離型剤、カルナバ系離型剤等が挙げられる。これらの中でも、フッ素系離型剤が好ましい。例えば、ダイキン工業株式会社製のオプツールDSX等の市販の塗布型離型剤を好適に用いることができる。離型剤は、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
また、本実施形態のパターン形成方法においては、基板1と硬化性膜2との間に有機物層を設けてもよい。これにより、硬化性膜2及び有機物層をマスクとして基板1をエッチングすることで、基板1上に所望のパターンを簡便かつ確実に形成することができる。
有機物層の膜厚は、基板1が加工(エッチング)される深さに応じて適宜調整すればよく、例えば0.02~2.0μmが好ましい。有機物層の材料は、ナノインプリント用組成物に比べて酸素系ガスに対するエッチング耐性が低く、かつ、基板1よりもハロゲン系ガスに対するエッチング耐性が高いものが好ましい。有機物層を形成する方法は、特に限定されないが、例えばスパッタ法やスピンコート法が挙げられる。
本態様に係るパターン形成方法は、上記の工程(i)~(iv)に加えて、さらに、その他の工程(任意工程)を有してもよい。
任意工程としては、エッチング工程(工程(v))、エッチング処理後のポストベーク硬化膜(硬化膜パターン)除去工程(工程(vi))等が挙げられる。
[工程(v)]
工程(v)では、例えば、上述の工程(i)~(iv)で得られたパターン2”をマスクとして基板1をエッチングする。
図2(F)に示すように、パターン2”が形成された基板1に対して、プラズマおよび反応性イオンの少なくとも一方を照射すること(矢印で図示)により、パターン2”側に露出した基板1部分を、所定深さまでエッチングにより除去する。
工程(v)で使用されるプラズマまたは反応性イオンのガスは、ドライエッチング分野で通常用いられているガスであれば、特に限定されるものではない。
[工程(vi)]
工程(vi)では、工程(v)におけるエッチング処理後に残存するポストベーク硬化膜を除去する。
図2(G)に示すように、基板1のエッチング処理後、基板1上に残存するポストベーク硬化膜(パターン2”)を除去する工程である。
基板1上に残存するポストベーク硬化膜(パターン2”)を除去する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポストベーク硬化膜が溶解する溶液を用いて基板1を洗浄する処理等が挙げられる。
<ナノインプリント用組成物について>
本態様に係るパターン形成方法で用いることができるナノインプリント用組成物の一実施形態としては、(B)成分:重合性化合物と、(C)成分:重合開始剤と、を含有する組成物が挙げられる。
≪(B)成分≫
(B)成分は、重合性化合物である。
重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物をいう。
「重合性官能基」とは、化合物同士がラジカル重合等により重合することを可能とする基であり、例えばエチレン性二重結合などの炭素原子間の多重結合を含む基をいう。ここでの重合は、光の照射によって進行する反応でもよいし、加熱によって進行する反応でもよい。
重合性官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、フルオロビニル基、ジフルオロビニル基、トリフルオロビニル基、ジフルオロトリフルオロメチルビニル基、トリフルオロアリル基、パーフルオロアリル基、トリフルオロメチルアクリロイル基、ノニルフルオロブチルアクリロイル基、ビニルエーテル基、含フッ素ビニルエーテル基、アリルエーテル基、含フッ素アリルエーテル基、スチリル基、ビニルナフチル基、含フッ素スチリル基、含フッ素ビニルナフチル基、ノルボルニル基、含フッ素ノルボルニル基、シリル基等が挙げられる。これらの中でも、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基がより好ましい。
1つの重合性官能基を有する重合性化合物(単官能モノマー)としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等の脂肪族多環構造を含む(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等の脂肪族単環構造を含む(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の鎖状構造を含む(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-(2-フェニルフェニル)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性p-クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2-ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4-ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、EO変性フェノキシ(メタ)アクリレート、PO変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等の芳香族環構造を含む(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート;ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、t-オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7-アミノ-3,7-ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;2-メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、片末端メタクリルシロキサンモノマー等が挙げられる。
当該単官能モノマーの市販品としては、例えば、アロニックスM101、M102、M110、M111、M113、M117、M-5400、M-5700、TO-1317、M120、M150、M156(以上、東亞合成株式会社製);MEDOL10、MIBDOL10、CHDOL10、MMDOL30、MEDOL30、MIBDOL30、CHDOL30、LA、IBXA、2-MTA、HPA、ビスコート#150、#155、#158、#190、#192、#193、#220、#2000、#2100、#2150(以上、大阪有機化学工業株式会社製);ライトアクリレートBO-A、EC-A、DMP-A、THF-A、HOP-A、HOA-MPE、HOA-MPL、HOA(N)、PO-A、P-200A、NP-4EA、NP-8EA、IB-XA、エポキシエステルM-600A、ライトエステルP-1M(以上、共栄社化学株式会社製);KAYARAD TC110S、R-564、R-128H(以上、日本化薬株式会社製);NKエステルAMP-10G、AMP-20G(以上、新中村化学工業株式会社製);FA-511A、FA-512A、FA-513A、FA-BZA(以上、日立化成株式会社製);PHE、CEA、PHE-2、PHE-4、BR-31、BR-31M、BR-32(以上、第一工業製薬株式会社製);VP(BASF製);ACMO、DMAA、DMAPAA(以上、KJケミカルズ株式会社製);X-22-2404(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
2つの重合性官能基を有する重合性化合物(2官能モノマー)としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2-メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。
当該2官能モノマーの市販品としては、例えば、ライトアクリレート3EG-A、4EG-A、9EG-A、NP-A、DCP-A、BP-4EAL、BP-4PA、ライトエステルP-2M(以上、共栄社化学株式会社製);NKエステルAPG-100、APG-200、APG-400、APG-700、A-DCP(新中村化学株式会社製)等が挙げられる。
3つ以上の重合性官能基を有する重合性化合物としては、重合性シロキサン化合物、重合性シルセスキオキサン化合物、3つ以上の重合性官能基を有する多官能モノマー等が挙げられる。
重合性シロキサン化合物としては、例えば、分子内にアルコキシシリル基と重合性官能基とを有する化合物が挙げられる。
当該重合性シロキサン化合物の市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製の製品名「KR-513」、「X-40-9296」、「KR-511」、「X-12-1048」、「X-12-1050」等が挙げられる。
重合性シルセスキオキサン化合物としては、主鎖骨格がSi-O結合からなる、次の化学式:[(RSiO3/2](式中、Rは有機基を表し、nは自然数を表す。)で表される化合物が挙げられる。
Rは、1価の有機基を示し、1価の有機基としては、置換基を有してもよい1価の炭化水素基が挙げられる。この炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1~20のアルキル基が挙げられ、炭素数1~12のアルキル基が好ましい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、トリル基、スチリル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられる。
1価の炭化水素基が有してもよい置換基としては、(メタ)アクリロイル基、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボキシ基、イソシアナト基、アミノ基、ウレイド基等が挙げられる。また、1価の炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、カルボニル基等に置き換わっていてもよい。
但し、重合性シルセスキオキサン化合物は、3つ以上の重合性官能基を有する。ここでの重合性官能基としては、ビニル基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等が挙げられる。
化学式:[(RSiO3/2]で表される化合物は、カゴ型、ハシゴ型又はランダム型のいずれでもよい。カゴ型のシルセスキオキサン化合物は、完全なカゴ型であってもよいし、カゴの一部が開いているような不完全なカゴ型でもよい。
当該重合性シルセスキオキサン化合物の市販品としては、例えば、東亜合成株式会社製の製品名「MAC-SQ LP-35」、「MAC-SQ TM-100」、「MAC-SQ SI-20」、「MAC-SQ HDM」等が挙げられる。
3つ以上の重合性官能基を有する多官能モノマーとしては、例えば、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(5.5)グリセリルトリアクリレート、プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス-(2-ヒドロキシエチル)-イソシアヌレートトリアクリレート、トリス-(2-ヒドロキシエチル)-イソシアヌレートトリメタクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能モノマー;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の5官能以上のモノマー等が挙げられる。
当該多官能モノマーの市販品としては、例えば、新中村化学工業株式会社製の製品名「A-9300-1CL」、「AD-TMP」、「A-9550」、「A-DPH」;日本化薬株式会社製の製品名「KAYARAD DPHA」;阪本薬品工業株式会社製の製品名「SA-TE60」;共栄社化学株式会社製の製品名「ライトアクリレートTMP-A」等が挙げられる。
また、(B)成分には、上記以外の市販品として、例えば、新中村化学工業株式会社製の製品名「NKオリゴEA-1010NT2」、「NKエステルA-BPML」等も用いることができる。
(B)成分は、重合性硫黄化合物(以下、(BS)成分ともいう)であってもよい。「重合性硫黄化合物」とは、分子中に硫黄原子を含む重合性化合物である。すなわち、重合性硫黄化合物は、硫黄原子を含み、かつ重合性官能基を有するモノマーである。
(BS)成分としては、例えば、ジアリールスルフィド骨格を有する化合物が挙げられる。ジアリールスルフィド骨格を有する化合物とては、例えば、下記一般式(bs-1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022170092000002

[式中、R11~R14及びR21~R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、Rは、重合性官能基を表す。]
前記式(bs-1)中、R11~R14及びR21~R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。
前記アルキル基は、炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましく、炭素数1~4がさらに好ましく、炭素数1~3が特に好ましい。
前記アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。前記アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状が好ましい。
直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基等が挙げられる。分岐鎖状アルキル基としては、イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。中でも、前記アルキル基は、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
前記R11~R14及びR21~R24におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。前記ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
11~R14及びR21~R24は、水素原子又はアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
前記式(bs-1)中、Rは、重合性官能基を表す。
重合性官能基としては、前記で挙げたものと同様のものが挙げられる。中でも、重合性官能基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基がより好ましい。
は、アクリロイル基、又はメタクリロイル基が好ましく、アクリロイル基、又はメタクリロイル基がより好ましい。
(BS)成分としては、例えば、ビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビス(4-アクリロイルチオフェニル)スルフィドが挙げられる。中でも、(BS)成分としては、ビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィドが好ましい。
本実施形態のナノインプリント用組成物中、(B)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分としては、光重合性化合物を含むことが好ましい。このなかでも、(B)成分は、多官能光重合性化合物を含むことがより好ましく、多官能性(メタ)アクリルモノマーを含むことがさらに好ましい。当該多官能性(メタ)アクリルモノマーを含むことにより、ナノインプリント用組成物を用いて硬化膜を形成する際、硬化がより促進しやすくなる。
あるいは、(B)成分としては、多官能光重合性化合物と単官能モノマーとを組み合わせて用いてもよい。これらを組み合わせて用いることにより、ナノインプリント用組成物を用いて硬化膜を形成する際、硬化がより促進しやすくなる。
本実施形態のナノインプリント用組成物における(B)成分の含有量は、形成しようとする硬化性膜の膜厚等に応じて調整すればよい。
例えば、(B)成分の含有量は、ナノインプリント用組成物の総質量(100質量%)に対して50~90質量%が好ましく、50~80質量%がより好ましく、50~70質量%がさらに好ましく、50~60質量%が特に好ましい。
(B)成分の含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、ナノインプリント用組成物を用いて形成した硬化膜の強度が高められやすくなる。一方、(B)成分の含有量が、前記の好ましい範囲の上限値以下であると、ナノインプリント用組成物を用いて形成した硬化膜の屈折率を高められやすくなる。また、硬化膜の応力への耐性が向上する。
≪(C)成分≫
(C)成分は、重合開始剤である。
(C)成分には、露光により、又は加熱により、前記(B)成分の重合を開始させ、又は重合を促進させる化合物が用いられる。
(C)成分としては、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、エタノン-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾル-3-イル]-1-(o-アセチルオキシム)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、4-ベンゾイル-4’-メチルジメチルスルフィド、4-ジメチルアミノ安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4-ジメチルアミノ-2-エチルヘキシル安息香酸、4-ジメチルアミノ-2-イソアミル安息香酸、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、o-ベンゾイル安息香酸メチル、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2-クロロチオキサンテン、2,4-ジエチルチオキサンテン、2-メチルチオキサンテン、2-イソプロピルチオキサンテン、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド、2-メルカプトベンゾイミダール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)-イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルジクロロアセトフェノン、α,α-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、9-フェニルアクリジン、1,7-ビス-(9-アクリジニル)ヘプタン、1,5-ビス-(9-アクリジニル)ペンタン、1,3-ビス-(9-アクリジニル)プロパン、p-メトキシトリアジン、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(フラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-n-ブトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン;メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;イソブチリルパーオキサイド、ビス(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;p-メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1-ビス(t-ブチルパ-オキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール類;t-ブチルパ-オキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルパーオキシネオデカノエートなどのパーオキシエステル類;ジn-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチレートなどのアゾ化合物類等が挙げられる。
上記のなかでも、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン)、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンが好ましい。
(C)成分には、市販品を入手して用いることができる。
(C)成分の市販品としては、BASF社製の製品名「IRGACURE 907」、BASF社製の製品名「IRGACURE 369」、BASF社製の製品名「IRGACURE 819」;IGM Resins B.V.社製の製品名「Omnirad 184」、「Omnirad 651」、「Omnirad 819」、「Omnirad 1173」等が挙げられる。
(C)成分は、分子量が小さい方が好ましい。(C)成分の分子量が小さいと、ヘイズがより低減される傾向がある。(C)成分の分子量は、例えば、500以下が好ましく、400以下がより好ましく、350以下がさらに好ましく、300以下が特に好ましい。(C)成分の分子量の下限値は、特に限定されないが、100以上、150以上、又は200以上が挙げられる。(C)成分に分子量は、例えば、100~500とすることができ、150~500が好ましく、150~400がより好ましく、150~350がさらに好ましく、150~300が特に好ましい。
本実施形態のナノインプリント用組成物中、(C)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(C)成分としては、ナノインプリントリソグラフィ用に好適なことから、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
本実施形態のナノインプリント用組成物における(C)成分の含有量は、前記(B)成分の含有量100質量部に対し、0.5~15質量部であることが好ましく、0.5~10質量部がより好ましく、1~5質量部がさらに好ましい。
(C)成分の含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、(B)成分の重合が促進しやすくなる。一方、(C)成分の含有量が、前記の好ましい範囲の上限値以下であると、硬化膜の屈折率を良好に維持することができる。
≪任意成分≫
本実施形態のナノインプリント用組成物には、(B)成分及び(C)成分に加えて、これら以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
かかる任意成分としては、例えば、重合性基を有するシロキサンポリマー((P)成分)、溶剤((S)成分)、金属酸化物ナノ粒子((X)成分)、混和性のある添加剤((E)成分:例えば、アルコキシシラン化合物、含フッ素高分子化合物、界面活性剤、色分かれ防止剤、劣化防止剤、離型剤、希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、難燃剤、可塑剤及びその他硬化膜の特性を改良するための添加剤等)等が挙げられる。
重合性基を有するシロキサンポリマー((P)成分):
本実施形態のナノインプリント用組成物においては、(B)成分及び(C)成分に加えて、さらに、重合性基を有するシロキサンポリマー((P)成分)を含有してもよい。
(P)成分としては、例えば、下記一般式(p1)で表されるシロキサンポリマーが好ましい。
Figure 2022170092000003
[式(p1)中、Rは、エチレン性不飽和二重結合を含有する基である。Rは、炭素数1~9のアルキレン基であり、異なるRを有する場合があってもよい。Rは、アルキル基、アリール基又は水素原子であり、異なるRを有する場合があってもよい。m:nは、50:50~100:0の範囲である。]
式(p1)中、Rにおけるエチレン性不飽和二重結合を含有する基としては、末端にエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましく、下記式(p1-1-1)又は(p1-1-2)で表されるものが特に好ましい。式中の「*」は、結合手を示す。
m個のRを有する場合には、異なるRを有していてもよい。
Figure 2022170092000004
式(p1)中、Rにおける炭素数1~9のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。Rとしては、好ましくは炭素数1~7の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、より好ましくは炭素数1~5の直鎖状のアルキレン基であり、特に好ましくはメチレン基、エチレン基又はn-プロピレン基である。m個のRを有する場合には、異なるRを有していてもよい。
式(p1)中、Rにおけるアルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基;1-メチルエチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基等の環状のアルキル基;が挙げられる。Rにおけるアルキル基としては、好ましくは直鎖状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1~5のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1~3のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
また、Rのアルキル基における水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、モールドの離型性の点から、フッ素原子が最も好ましい。
式(p1)中、Rにおけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等が挙げられる。Rにおけるアリール基としては、好ましくはフェニル基である。また、Rのアリール基は、アルキル基等の置換基を有していてもよい。
n個のRを有する場合には、異なるRを有していてもよい。
式(p1)中、m:n(モル比)は、Si含有率や、膜厚調整、押し圧調整の点を考慮して適宜設定すればよい。m:n(モル比)は、50:50~100:0の範囲であり、好ましくは50:50~99:1の範囲であり、より好ましくは70:30~99:1の範囲であり、さらに好ましくは80:20~99:1の範囲であり、特に好ましくは90:10~99:1の範囲である。mが増加すると、硬化性に優れる。
(P)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
式(p1)で表されるシロキサンポリマーとして、特に好ましくは下記式(p1-1)あるいは下記式(p1-2)で示される高分子化合物が挙げられる。
Figure 2022170092000005
上記式(p1-1)および上記式(p1-2)中、Raは、メチル基または水素原子である。mおよびnは、上記式(p1)におけるmおよびnと同様である。
本実施形態のナノインプリント用組成物中、シロキサンポリマー((P)成分)の含有量は、上記(B)成分の含有量100質量部に対し、30~80質量部の割合が好ましく、35~75質量部がより好ましく、40~70質量部がさらに好ましい。上記の範囲内とすることで、モールドの離型性がより良好となる。
(P)成分の重量平均分子量は、特に限定されず、500~10000が好ましく、より好ましくは1000~5000であり、さらに好ましくは1000~3000である。(P)成分の重量平均分子量を上記範囲内とすることで、押圧の低減効果の向上と、形成されるパターン形状の特性向上とのバランスに優れる。
溶剤((S)成分):
本実施形態のナノインプリント用組成物は、溶剤((S)成分)を含有していてもよい。(S)成分は、上記の(B)成分、(C)成分及び所望の任意成分を溶解又は分散させ、混合するために用いられる。
(S)成分としては、例えば、水;メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ペンチルアルコール、s-ペンチルアルコール、t-ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、2-メチル-1-プロパノール、2-エチルブタノール、ネオペンチルアルコール、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、1-プロパノール、n-ヘキサノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、2-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、4-メチル-2-ペンタノール、1-ブトキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、5-メチル-1-ヘキサノール、6-メチル-2-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール、4-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール等の鎖状構造のアルコール類;シクロペンタンメタノール、1-シクロペンチルエタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、シクロヘキサンエタノール、1,2,3,6-テトラヒドロベンジルアルコール、exo-ノルボルネオール、2-メチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、3,5-ジメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ターピオネール等の環状構造を有するアルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい]などが挙げられる。
本実施形態のナノインプリント用組成物中、(S)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のなかでも、(S)成分としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、ナノインプリント用組成物の塗布膜厚に応じて適宜設定すればよい。例えば、前記(B)成分の含有量100質量部に対して、10~100質量部程度となるように用いることができる。
金属酸化物ナノ粒子((X)成分):
本実施形態のナノインプリント用組成物は、(B)成分及び(C)成分に加えて、さらに、金属酸化物ナノ粒子((X)成分)を含有していてもよい。
(X)成分の体積平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましい。
(X)成分としては、市販の金属酸化物ナノ粒子を用いることができる。金属酸化物としては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)又はニオブ(Nb)の酸化物粒子が挙げられる。
(X)成分としては、市販の金属酸化物ナノ粒子を用いることができる。
市販のチタニアナノ粒子としては、例えば、石原産業(株)製TTOシリーズ(TTO-51(A)、TTO-51(C)など)、TTO-S、Vシリーズ(TTO-S-1、TTO-S-2、TTO-V-3など);石原産業(株)製チタニアゾルLDB-014-35、テイカ(株)製MTシリーズ(MT-01、MT-05、MT-100SA、MT-500SAなど)、NS405;日揮触媒化成(株)製ELECOM V-9108、堺化学工業(株)製STR-100A-LPなどが挙げられる。
市販のジルコニアナノ粒子としては、例えば、UEP(第一稀元素化学工業(株)製)、UEP-100(第一稀元素化学工業(株)製);PCS(日本電工(株)製);JS-01、JS-03、JS-04(日本電工(株)製)などが挙げられる。
本実施形態のナノインプリント用組成物中、(X)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のナノインプリント用組成物が(X)成分を含有する場合、(X)成分の含有量は、硬化膜の透明性等を考慮して調整することが好ましい。
アルコキシシラン化合物:
本実施形態のナノインプリント用組成物は、(B)成分及び(C)成分に加えて、さらに、アルコキシシラン化合物を含有していてもよい。
アルコキシシラン化合物は、アルキル基(R)が酸素原子に結合したアルコキシ基(RO-)を含むシラン化合物であり、下記一般式(e11)~(e13)で表されるいずれかの化合物が好適に挙げられる。
Figure 2022170092000006

[式(e11)中、Rは、エチレン性不飽和二重結合を含有する基、又はアルキル基である。Rは、アルキル基である。s+t=4であり、tは1~4の整数である。]
式(e11)中、s+t=4、tは1~4の整数である。tは、好ましくは2~4の整数である。sは、0~3の整数である。
式(e11)中、Rは、エチレン性不飽和二重結合を含有する基、又はアルキル基である。
における、エチレン性不飽和二重結合を含有する基としては、末端にエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましく、R31-R30-で表される1価の基であることがより好ましい。ここでの1価の基におけるR31は、エチレン性不飽和二重結合を含有する基であり、末端にエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましく、上記の式(p1-1-1)又は(p1-1-2)で表されるものが特に好ましい。式中の「*」は、結合手を示す。ここでの1価の基におけるR30は、炭素数1~9のアルキレン基であり、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。R30としては、好ましくは炭素数1~7の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、より好ましくは炭素数1~5の直鎖状のアルキレン基であり、特に好ましくはメチレン基、エチレン基又はn-プロピレン基である。
におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~10のアルキル基であり、式(p1)中のRにおけるアルキル基と同様のものが挙げられる。Rにおけるアルキル基は、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である。
式(e11)中、Rは、アルキル基である。Rにおけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~10のアルキル基であり、式(p1)中のRにおけるアルキル基と同様のものが挙げられる。Rにおけるアルキル基は、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である。
前記式(e11)で表されるアルコキシシラン化合物としては、硬化性および塗膜の性質の安定性が優れることから、特に好ましくは、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、エチル-トリ-n-プロポキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。
Figure 2022170092000007

[式(e12)中、R~Rは、それぞれ独立に、アルキル基又はアルコキシ基であり、R~Rのうち、少なくとも1つはアルコキシ基である。Xは、単結合又は炭素数1~5のアルキレン基である。]
式(e12)中、R~Rにおけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~10のアルキル基であり、式(p1)中のRにおけるアルキル基と同様のものが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である。
式(e12)中、R~Rにおけるアルコキシ基としては、式-O-R10[R10は炭素数1~5のアルキル基]で示されるものが挙げられる。R10のアルキル基としては、式(p1)中のRにおけるアルキル基と同様である。-O-R10としては、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基である。
式(e12)中、R~Rにおけるアルコキシ基の数は、好ましくは2以上であり、より好ましくは2~6である。
式(e12)中、Xにおける炭素数1~5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。Xとしては、単結合またはエチレン基が好ましい。
前記式(e12)で表されるアルコキシシラン化合物としては、硬化性および塗膜の性質の安定性が優れることから、特に好ましくは下記化学式で示されるものが挙げられる。
Figure 2022170092000008

Figure 2022170092000009

[式(e13)中、R~Rは、それぞれ独立に、アルキル基又はアルコキシ基であり、R~Rのうち、少なくとも1つはアルコキシ基である。]
式(e13)中、R~Rは、それぞれ独立に、アルキル基またはアルコキシ基であり、R~Rのうち少なくとも1つはアルコキシ基である。
~Rにおけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~10のアルキル基であり、式(p1)中のRにおけるアルキル基と同様のものが挙げられる。R~Rとしては、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
~Rにおけるアルコキシ基は、式-O-R20[R20は、上記R10と同様のものが挙げられる。]で示されるものが挙げられる。R~Rとしては、好ましくは、n-ブトキシ基である。
式(e13)中、R~Rにおけるアルコキシ基の数は、好ましくは2~8であり、特に好ましくは4である。
前記式(e13)で表されるアルコキシシラン化合物としては、硬化性および塗膜の性質の安定性が優れることから、特に好ましくは下記化学式で示されるものが挙げられる。
Figure 2022170092000010
本実施形態のナノインプリント用組成物においては、上記の式(e11)~(e13)で代表されるいずれかのアルコキシシラン化合物を添加することにより、光照射時の硬化性を向上させることができる。なかでも、式(e11)で表されるアルコキシシラン化合物を添加することが好ましい。
アルコキシシラン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のナノインプリント用組成物中、アルコキシシラン化合物の含有量は、上記(B)成分の含有量100質量部に対し、0.5~20質量部の割合が好ましく、1~15質量部がより好ましく、1~10質量部がさらに好ましい。上記の範囲内とすることで、硬化性が良好となる。
含フッ素高分子化合物:
本実施形態のナノインプリント用組成物は、(B)成分及び(C)成分に加えて、さらに、含フッ素高分子化合物を含有していてもよい。
含フッ素高分子化合物としては、フッ素原子を有する高分子化合物であれば特に制限はなく、例えば下記一般式(f1-1)で表される構成単位を有する高分子化合物が好適に挙げられる。
Figure 2022170092000011

[式(f1-1)中、Rは水素原子、炭素数1~5のアルキル基または炭素数1~5のハロゲン化アルキル基である。Rf102およびRf103は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~5のアルキル基、又は炭素数1~5のハロゲン化アルキル基を表す。Rf102およびRf103は同じであっても異なっていてもよい。nfは0~5の整数である。Rf101は、フッ素原子を含む有機基である。]
前記の式(f1-1)中、Rにおける炭素数1~5のアルキル基は、炭素数1~5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。炭素数1~5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1~5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
一般式(f1-1)におけるRとしては、水素原子、炭素数1~5のアルキル基または炭素数1~5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
前記の式(f1-1)中、Rf102およびRf103のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。Rf102およびRf103の炭素数1~5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1~5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましい。Rf102およびRf103の炭素数1~5のハロゲン化アルキル基として、具体的には、上記炭素数1~5のアルキル基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。なかでもRf102およびRf103としては、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1~5のアルキル基が好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、またはエチル基が好ましい。
前記の式(f1-1)中、nfは、0~5の整数であって、0~3の整数が好ましく、0又は1であることがより好ましい。
前記の式(f1-1)中、Rf101は、フッ素原子を含む有機基であって、フッ素原子を含む炭化水素基であることが好ましい。
フッ素原子を含む炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよく、炭素数は1~20であることが好ましく、炭素数1~15であることがより好ましく、炭素数1~10が特に好ましい。
フッ素原子を含む炭化水素基としての炭素数1~10のアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルエチル基、1,1-ジエチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、2,2,-ジメチルブチル基等が挙げられる。
また、フッ素原子を含む炭化水素基は、当該炭化水素基における水素原子の25%以上がフッ素化されていることが好ましく、50%以上がフッ素化されていることがより好ましく、60%以上がフッ素化されていることが、ナノインプリント用組成物を用いて樹脂層を形成した場合の、該樹脂層の接触角を向上させることができ、さらにはモールドに対する離型性が高まることから、特に好ましい。
なかでも、Rf101としては、炭素数1~6のフッ素化炭化水素基が特に好ましく、メチル基、-CH-CF、-CH-CF-CF、-CH(CF、-CH-CH-CF、-CH-CH-CF-CF-CF-CFが最も好ましい。
含フッ素高分子化合物における一般式(f1-1)で表される構成単位の割合は、含フッ素高分子化合物を構成する全構成単位の合計に対し、20~99モル%であることが好ましく、40~95モル%であることがより好ましく、60~90モル%であることが特に好ましい。
含フッ素高分子化合物は、上記一般式(f1-1)で表される構成単位に加え、脂環式炭化水素基を含む構成単位を有することが好ましい。
脂環式炭化水素基を含む構成単位としては、脂肪族環式基を含む構成単位(a1)(以下「構成単位(a1)」と記載することがある。)が好適である。
構成単位(a1)について:
構成単位(a1)が有する脂肪族環式基としては、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3~8のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
また、上記脂肪族環式基は、置換基を有していてもよい。
該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1~5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1-r2-1)で表される脂肪族環式基を有する構成単位が好ましい。
また、構成単位(a1)としては、下記一般式(a1-r2-2)で表される脂肪族環式基を含む基を有する構成単位であってもよい。
Figure 2022170092000012
[式中、Ra’10は、水素原子、又は炭素数1~10のアルキル基である。Ra’11はRa’10が結合した炭素原子と共に脂肪族環式基(脂環式炭化水素基)を形成する基を示す。Ra’12、Ra’14は、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を示し、Ra’13は、脂肪族環式基を示す。*は結合手を意味する。]
式(a1-r2-1)中、Ra’10の炭素数1~10のアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルエチル基、1,1-ジエチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、2,2,-ジメチルブチル基等が挙げられる。
式(a1-r2-1)中、Ra’11が構成する脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3~8のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
式(a1-r2-2)中、Ra’12及びRa’14はそれぞれ独立に炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、該アルキル基は、式(a1-r2-1)におけるRa’10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基として挙げた基がより好ましく、炭素数1~5の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
式(a1-r2-2)中、Ra’13は、前記式(a1-r2-1)中の、Ra’11が構成する脂環式炭化水素基と同様の基が好ましい。
前記式(a1-r2-1)で表される基の具体例を以下に挙げる。以下の式中、「*」は結合手を示す。
Figure 2022170092000013
Figure 2022170092000014

前記式(a1-r2-2)で表される基の具体例を以下に挙げる。
Figure 2022170092000015
構成単位(a1)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。
構成単位(a1)として、下記の一般式(a1-1)又は(a1-2)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2022170092000016

[式中、Rは水素原子、炭素数1~5のアルキル基または炭素数1~5のハロゲン化アルキル基である。Vaはエーテル結合、ウレタン結合、又はアミド結合を有していてもよい2価の炭化水素基である。na1は0~2である。Raは、前記式(a1-r2-1)又は(a1-r2-2)で表される脂肪族環式基である。Waは、(na2+1)価の炭化水素基である。na2は1~3である。Raは、前記式(a1-r2-1)で表される脂肪族環式基、又は前記式(a1-r2-1)で表される脂肪族環式基を含む基である。]
前記一般式(a1-1)中、Rにおける炭素数1~5のアルキル基は、炭素数1~5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。炭素数1~5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1~5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1~5のアルキル基または炭素数1~5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
前記一般式(a1-1)中、Vaの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。Vaにおける2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
また、Vaとしては、上記2価の炭化水素基がエーテル結合、ウレタン結合、又はアミド結合を有する2価の炭化水素基でもよい。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1~10であることが好ましく、1~6がより好ましく、1~4がさらに好ましく、1~3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[-CH-]、エチレン基[-(CH-]、トリメチレン基[-(CH-]、テトラメチレン基[-(CH-]、ペンタメチレン基[-(CH-]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、-CH(CH)-、-CH(CHCH)-、-C(CH-、-C(CH)(CHCH)-、-C(CH)(CHCHCH)-、-C(CHCH-等のアルキルメチレン基;-CH(CH)CH-、-CH(CH)CH(CH)-、-C(CHCH-、-CH(CHCH)CH-、-C(CHCH-CH-等のアルキルエチレン基;-CH(CH)CHCH-、-CHCH(CH)CH-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH)CHCHCH-、-CHCH(CH)CHCH-等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1~5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3~20であることが好ましく、3~12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
Vaにおける2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。
前記Vaにおける2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、炭素数が3~30であることが好ましく、5~30であることがより好ましく、5~20がさらに好ましく、6~15が特に好ましく、6~10が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基);等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1~4であることが好ましく、1~2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記式(a1-2)中、Waにおける(na2+1)価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。該脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味し、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、或いは直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基と構造中に環を含む脂肪族炭化水素基とを組み合わせた基が挙げられる。Waとして具体的には、上述の式(a1-1)のVaと同じ基が挙げられる。
前記na2+1価は、2~4価が好ましく、2又は3価がより好ましい。
以下に、上記式(a1-1)、(a1-2)で表される構成単位の具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2022170092000017

Figure 2022170092000018

Figure 2022170092000019

Figure 2022170092000020

Figure 2022170092000021
構成単位(a1)としては、上記一般式(a1-1)で表される構成単位が好ましく、式(a1-1)中のRaが前記式(a1-r2-1)で表される脂肪族環式基である構成単位がより好ましく、式(a1-1)中のRaが前記式(a1-r2-1)で表される脂肪族環式基であって単環式の脂環式炭化水素基である構成単位がさらに好ましい。
上記一般式(f1-1)で表される構成単位と共重合される構成単位(a1)としては、例えば、1-エチル-1-シクロオクチル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位、1-メチル-1-アダマンチル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位が好ましい。
含フッ素高分子化合物における構成単位(a1)の割合は、含フッ素高分子化合物を構成する全構成単位の合計に対し、1~50モル%が好ましく、10~40モル%がより好ましく、15~30モル%がさらに好ましい。
上記の中でも、含フッ素高分子化合物としては、上記一般式(f1-1)で表される構成単位と、構成単位(a1)との共重合体であることが好ましい。
含フッ素高分子化合物の重量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、1000~100000が好ましく、5000~80000がより好ましく、10000~60000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
含フッ素高分子化合物の分散度(Mw/Mn)は、1.0~5.0が好ましく、1.0~4.0がより好ましく、1.0~3.0が最も好ましい。
含フッ素高分子化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ナノインプリント用組成物中、含フッ素高分子化合物の含有量は、ナノインプリント用組成物中に含まれる(B)成分の含有量100質量部に対し、0.1~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましく、0.1~1質量部であることがさらに好ましい。上記の範囲内とすることで、硬化性がより良好となる。
界面活性剤:
本実施形態のナノインプリント用組成物は、(B)成分及び(C)成分に加えて、さらに、塗布性等を調整するため、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤には、例えばBYK-077、BYK-085、BYK-300、BYK-301、BYK-302、BYK-306、BYK-307、BYK-310、BYK-320、BYK-322、BYK-323、BYK-325、BYK-330、BYK-331、BYK-333、BYK-335、BYK-341、BYK-344、BYK-345、BYK-346、BYK-348、BYK-354、BYK-355、BYK-356、BYK-358、BYK-361、BYK-370、BYK-371、BYK-375、BYK-380、BYK-390(以上、BYK Chemie社製)等を用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えばF-114、F-177、F-410、F-411、F-450、F-493、F-494、F-443、F-444、F-445、F-446、F-470、F-471、F-472SF、F-474、F-475、F-477、F-478、F-479、F-480SF、F-482、F-483、F-484、F-486、F-487、F-172D、MCF-350SF、TF-1025SF、TF-1117SF、TF-1026SF、TF-1128、TF-1127、TF-1129、TF-1126、TF-1130、TF-1116SF、TF-1131、TF-1132、TF-1027SF、TF-1441、TF-1442(以上、DIC株式社製);ポリフォックスシリーズのPF-636、PF-6320、PF-656、PF-6520(以上、オムノバ社製)等を用いることができる。
本実施形態のナノインプリント用組成物中、界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のナノインプリント用組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、前記(B)成分の含有量100質量部に対して、0.01~3質量部であることが好ましい。界面活性剤の含有量が、前記の好ましい範囲内であると、ナノインプリント用組成物の塗布性が良好となる。
本態様に係るパターン形成方法においては、上述した実施形態のナノインプリント用組成物の中でも、多官能性(メタ)アクリルモノマーと、重合開始剤と、を含有する組成物を用いることがより好ましい。
あるいは、上述した実施形態のナノインプリント用組成物の中でも、耐久性及びモールド離型性をさらに高められることから、多官能性(メタ)アクリルモノマーと、重合開始剤と、さらに、重合性基を有するシロキサンポリマーと、を含有する組成物を用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<ナノインプリント用組成物の調製>
表1に示す各成分を配合し、ナノインプリント用組成物として組成物(1)、組成物(2)、組成物(3)及び組成物(4)をそれぞれ調製した。
Figure 2022170092000022
表1中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
・(P)成分(シロキサンポリマー)
(P)-1:下記化学式(P1)で表されるシロキサンポリマー、構成単位のモル比m/n=90/10、重量平均分子量(Mw)は2500、分子量分散度(Mw/Mn)は1.20。
Figure 2022170092000023
・(B)成分(重合性化合物)
(B)-1:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、新中村化学工業株式会社製、製品名「NKエステルA-DCP」。
(B)-2:ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、日本化薬株式会社製、製品名「KAYARAD DPHA」。
(B)-3:フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、東亜合成株式会社製、製品名「アロニックスM-5400」。
・(C)成分(重合開始剤)
(C)-1:2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、IGM Resins B.V.社製、製品名「Omnirad 651」。分子量256.3。
・(E)成分(添加剤)
(E)-1:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、製品名「KBM-503」。
(E)-2:下記化学式(F1)で表される含フッ素高分子化合物、構成単位のモル比x/y=80/20、重量平均分子量(Mw)は26000、分子量分散度(Mw/Mn)は1.50。
Figure 2022170092000024
・(S)成分(溶剤成分)
(S)-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)。
<硬化膜パターンの形成>
(実施例1~7、比較例1~2)
以下に示す工程(i)から工程(iv)までの操作を行うことにより、硬化膜パターンを形成した。ナノインプリント用組成物として組成物(1)を用い、工程(iv)における加熱条件を、表2に示す加熱温度、加熱時間に設定した。なお、比較例1では、工程(iv)の操作を行っていない。
工程(i):
シリコン基板上に、ナノインプリント用組成物として組成物(1)を、膜厚8μmになるように調整してスピンコート塗布した。次いで、プレベークを100℃で1分間行い、シリコン基板上に硬化性膜を形成した。
次いで、東芝機械社製インプリント装置ST-200を用い、転写圧力0.5MPa、転写時間30秒間で、シリコン基板上に形成した硬化性膜に、凹凸パターンを有するモールドを押圧して、前記硬化性膜に前記凹凸パターンを転写した。
ここでのモールドには、綜研化学社製標準フィルムモールドLSP70-140(70nm Line&Space)を使用した。
工程(ii):
次に、前記モールドを前記硬化性膜に押圧しつつ、露光量1J/cm(真空200Pa雰囲気下)で、前記凹凸パターンが転写された硬化性膜を露光して、光硬化膜を形成した。
工程(iii):
次に、工程(ii)における露光後の光硬化膜から前記モールドを剥離して、光硬化膜からなる凹凸パターンを得た。
工程(iv):
次に、得られた光硬化膜からなる凹凸パターンを、表2に示す加熱温度、加熱時間で加熱して、硬化膜パターンを形成した。これにより、ポストベーク硬化膜からなる凹凸パターン(ライン幅70nm、スペース幅70nm、ピッチ幅140nm、ライン高さ140nmのラインアンドスペースパターン)が形成された。
なお、比較例1では、工程(iv)の操作を行っておらず、最終的に、光硬化膜からなる凹凸パターンが形成された。
(実施例8~11、比較例3~4)
ナノインプリント用組成物として組成物(2)を用い、工程(iv)における加熱条件を、表3に示す加熱温度、加熱時間に設定した以外は、前記(実施例1~7、比較例1~2)のパターン形成方法と同様にして、硬化膜パターンを形成した。これにより、ポストベーク硬化膜からなる凹凸パターン(ライン幅70nm、スペース幅70nm、ピッチ幅140nm、ライン高さ140nmのラインアンドスペースパターン)が形成された。
なお、比較例3では、工程(iv)の操作を行っておらず、最終的に、光硬化膜からなる凹凸パターンが形成された。
(実施例12、比較例5~6)
ナノインプリント用組成物として組成物(3)を用い、工程(iv)における加熱条件を、表4に示す加熱温度、加熱時間に設定した以外は、前記(実施例1~7、比較例1~2)のパターン形成方法と同様にして、硬化膜パターンを形成した。これにより、ポストベーク硬化膜からなる凹凸パターン(ライン幅70nm、スペース幅70nm、ピッチ幅140nm、ライン高さ140nmのラインアンドスペースパターン)が形成された。
なお、比較例5では、工程(iv)の操作を行っておらず、最終的に、光硬化膜からなる凹凸パターンが形成された。
(実施例13、比較例7~8)
ナノインプリント用組成物として組成物(4)を用い、工程(iv)における加熱条件を、表5に示す加熱温度、加熱時間に設定した以外は、前記(実施例1~7、比較例1~2)のパターン形成方法と同様にして、硬化膜パターンを形成した。これにより、ポストベーク硬化膜からなる凹凸パターン(ライン幅70nm、スペース幅70nm、ピッチ幅140nm、ライン高さ140nmのラインアンドスペースパターン)が形成された。
なお、比較例7では、工程(iv)の操作を行っておらず、最終的に、光硬化膜からなる凹凸パターンが形成された。
<評価>
各例のパターン形成方法により形成されたポストベーク硬化膜(比較例1、3、5、7については光硬化膜)からなる凹凸パターンについて、以下に示すように、5%重量減少温度の測定、インプリント転写性の評価、及びサーマルサイクル信頼性試験による信頼性の評価をそれぞれ行った。これらの結果を表2~5に示した。
[5%重量減少温度の測定]
比較例1、3、5、7において、上記<硬化膜パターンの形成>における工程(i)から工程(iii)までの操作後に得られた、光硬化膜からなる凹凸パターンについて、TG-DTA(熱重量-示差熱分析)により、5%重量減少温度を、下記の5%重量減少温度の測定条件で測定した。ここで測定される「5%重量減少温度」を、Td5(b)とした。
比較例2、4、6、8及び実施例1~13において、上記<硬化膜パターンの形成>における工程(i)から工程(iv)までの操作後に得られた、ポストベーク硬化膜からなる凹凸パターンについて、TG-DTA(熱重量-示差熱分析)により、5%重量減少温度を、下記の5%重量減少温度の測定条件で測定した。ここで測定される「5%重量減少温度」を、Td5(a)とした。そして、Td5(a)とTd5(b)との差、すなわち、Td5(a)-Td5(b)を求めた。
5%重量減少温度の測定条件:
大気雰囲気下、40℃から500℃まで、一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、試料の重量変化を測定した。試料の重量の残存率が95%になるとき、すなわち、5%の重量減少が見られるときの温度を、5%重量減少温度とした。
かかる測定においては、各例のパターン形成方法により形成された凹凸パターン0.005gを試料とした。
[インプリント転写性の評価]
上記<硬化膜パターンの形成>における工程(i)から工程(iii)までの操作後に得られた、光硬化膜からなる凹凸パターンについて、モールドからの微細パターンの転写性及び充填性を、下記の評価基準に従って評価した。
評価基準
良好:転写パターンの充填率が95%以上
不良:転写パターンの充填率が95%未満
転写パターンの充填率は、70nm Line&Spaceのパターンを形成した後、その断面SEM像の観察により、モールドの形状から欠けることなく転写できているパターンの比率より求めた。
[サーマルサイクル信頼性試験による信頼性の評価]
各例のパターン形成方法により形成されたポストベーク硬化膜(比較例1、3、5、7については光硬化膜)からなる凹凸パターンについて、熱衝撃試験機によるサーマルサイクル信頼性試験を、下記の試験条件で行った。
試験条件:
装置:熱衝撃試験機(エスペック社)
温度:-55℃と+125℃との往復
サイクル数:240サイクル
サイクル条件:30min/サイクル
サーマルサイクル信頼性試験の前後で、走査型電子顕微鏡を用いて、凹凸パターン(ライン幅70nm、スペース幅70nm、ピッチ幅140nm、ライン高さ140nmのラインアンドスペースパターン)の高さ方向断面における、ライン部の断面積(縦幅×横幅)を測定し、このサーマルサイクル信頼性試験前後の変化割合をパターン寸法変動率とした。
そして、前記パターン寸法変動率を指標とし、下記の評価基準に従い、信頼性を評価した。
評価基準
◎:パターン寸法変動率≦3%
〇:3%<パターン寸法変動率≦4%
×:4%<パターン寸法変動率
Figure 2022170092000025
表2の結果から、本発明を適用した実施例1~7のパターン形成方法によれば、比較例1~2のパターン形成方法に比べて、サーマルサイクル信頼性試験の前後の寸法変動が抑えられて信頼性の向上が図られていること、が確認できる。
実施例1~7のパターン形成方法においては、いずれも、工程(iv)での加熱温度が160℃以上であり;加熱条件が180℃以上各10minである実施例2、3、7は、加熱温度が160℃10minである実施例1に比べて寸法変動が抑えられ、信頼性がより高められていること、が確認できる。
Figure 2022170092000026
表3の結果から、本発明を適用した実施例8~11のパターン形成方法によれば、比較例3~4のパターン形成方法に比べて、サーマルサイクル信頼性試験の前後の寸法変動が抑えられて信頼性の向上が図られていること、が確認できる。
実施例8~11のパターン形成方法においては、いずれも、工程(iv)での加熱温度が160℃以上であり;加熱温度が180℃以上各10minである実施例9~11は、加熱温度が160℃10minである実施例8に比べて寸法変動が抑えられ、信頼性がより高められていること、が確認できる。
Figure 2022170092000027
表4の結果から、本発明を適用した実施例12のパターン形成方法によれば、比較例5~6のパターン形成方法に比べて、サーマルサイクル信頼性試験の前後の寸法変動が抑えられて信頼性の向上が図られていること、が確認できる。
Figure 2022170092000028
表5の結果から、本発明を適用した実施例13のパターン形成方法によれば、比較例7~8のパターン形成方法に比べて、サーマルサイクル信頼性試験の前後の寸法変動が抑えられて信頼性の向上が図られていること、が確認できる。
1 基板、
2 硬化性膜、
2’ 硬化膜からなるパターン、
2” ポストベーク硬化膜からなるパターン、
3 モールド

Claims (6)

  1. ナノインプリント用組成物からなる硬化性膜に、凹凸パターンを有するモールドを押圧して、前記硬化性膜に前記凹凸パターンを転写する工程(i)と、
    前記モールドを前記硬化性膜に押圧しつつ、前記凹凸パターンが転写された硬化性膜を硬化させて、硬化膜を形成する工程(ii)と、
    前記硬化膜から前記モールドを剥離する工程(iii)と、
    前記モールドが剥離された硬化膜を、160℃以上で加熱してポストベーク硬化膜を形成する工程(iv)と、
    を有する、パターン形成方法。
  2. 前記モールドが剥離された硬化膜についての5%重量減少温度(Td5(b))と、前記モールドが剥離された硬化膜を160℃以上で加熱して形成したポストベーク硬化膜についての5%重量減少温度(Td5(a))との間に、下式(1)の関係が成り立つ、請求項1に記載のパターン形成方法。
    式(1):Td5(a)-Td5(b)≧20℃
  3. 前記工程(iv)で形成するポストベーク硬化膜は、熱衝撃試験機によるサーマルサイクル信頼性試験の前後における寸法変動率が4%以下である、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記モールドが有する凹凸パターンのパターンサイズは、ピッチ幅140nm以上であり、高さ140nm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記ナノインプリント用組成物は、多官能性(メタ)アクリルモノマーと、重合開始剤と、を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記ナノインプリント用組成物は、さらに、重合性基を有するシロキサンポリマーを含有する、請求項5に記載のパターン形成方法。
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