JP2014154368A - コネクタ - Google Patents

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Daichi Kawaguchi
大致 川口
Shiro Nishida
詩朗 西田
Takuya Utsunomiya
拓也 宇都宮
Fumitaka MAEKAWA
文隆 前川
Daisuke Ito
大輔 伊藤
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Abstract

【課題】アーク抑制効果を維持しながら、鉄屑が付着することを防止ないし抑制すること。
【解決手段】車両側コネクタ20は、給電側コネクタに対して嵌合される車両側ハウジング22と、車両側ハウジング22に収容され、給電側コネクタに対して接続されることで通電される一対の車両側端子24と、一対の車両側端子24の間に挟まれた領域において、嵌合される側に開口する形で車両側ハウジング22に設けられた収容凹部29に収容され、N極とS極とが開口側に向けられるとともに、N極30NとS極30Sとが嵌合方向と直交する方向であって一対の車両側端子24の並び方向と直交する方向について離間した形で配された一つの永久磁石30と、N極とS極との間における開口側に露出する領域を塞ぐとともに、N極30NとS極30Sとの各々における開口側の面の少なくとも一部を塞ぐものとされた蓋部材40と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、コネクタに関する。
例えば、電気自動車に搭載されたバッテリを充電するには、車両に備えられた車両側コネクタに対して給電設備に備えられた給電側コネクタを嵌合接続するようにしている。このとき、両コネクタ間を流れる電流値は、一般的に家電製品に比べると大きなものとなっており、特に短時間での充電が可能な急速充電を行う場合には、上記電流値が極めて大きなものとなる。ここで、充電を行っている最中であるにも拘わらず、誤って給電側コネクタが車両側コネクタから引き抜かれた場合には、両コネクタの端子間でアークが発生し、そのアークによって正負の端子間が短絡させられることが懸念される。このようなアークを抑制するため、磁性部材により発生する磁界を利用する方法が知られており、その一例が下記特許文献1に記載されている。
特許文献1に開示された配線接続用コネクタでは、第1コネクタに対して第2コネクタとが嵌合され、第1コネクタのコネクタハウジング内には、嵌合方向と直交する磁界を発生させる永久磁石が配置されている。この配線接続用コネクタでは、当該磁界の作用により発生するローレンツ力によって、第1コネクタを第2コネクタから離脱させるときに両コネクタの端子間に発生するアークを引き伸ばして消弧するようにしている。
特開2003−249317号公報
しかしながら、上記した特許文献1に開示された配線接続用コネクタでは、永久磁石は、第1コネクタが第2コネクタから離脱された状態において、嵌合される側に向けられた磁極面が外部に露出するように配置されている。このため、第1コネクタが第2コネクタから離脱された状態において、外部に露出する当該磁極面に鉄屑等が付着することがあった。このようにコネクタにおける嵌合される側に鉄屑等が付着すると、両コネクタを正常に嵌合できなくなる虞があった。また、その鉄屑等によって端子間が短絡する虞があった。
本明細書で開示される技術は、上記の課題に鑑みて創作されたものである。本明細書で開示される技術では、アーク抑制効果を維持しながら、鉄屑が付着することを防止ないし抑制できる技術を提供することを目的とする。
本明細書で開示される技術は、相手側コネクタに対して嵌合されるハウジングと、前記ハウジングに収容され、前記相手側コネクタとの嵌合方向と直交する方向について離間した位置にそれぞれ配されるとともに、前記相手側コネクタに対して接続されることで通電される一対の端子と、前記一対の端子の間に挟まれた領域において、前記嵌合される側に開口する形で前記ハウジングに設けられた収容凹部に収容され、第1の磁極と第2の磁極とが前記開口側に向けられるとともに、該第1の磁極と該第2の磁極とが前記嵌合方向と直交する方向であって前記一対の端子の並び方向と直交する方向について離間した形で配された少なくとも一つの磁性部材と、少なくとも前記第1の磁極と前記第2の磁極との間における前記開口側に露出する領域を塞ぐものとされた蓋部材と、を備えるコネクタに関する。
上記のコネクタでは、磁性部材における第1の磁極と第2の磁極との間に、一方側から他方側へ向かう向きの磁界(磁性部材による磁界)が発生する。一方、一対の端子の周りには、通電によって、上記磁性部材による磁界と同じ向きまたは逆向きの磁界(端子周りの磁界)が発生する。ここで、端子周りの磁界が磁性部材による磁界と同じ向きとなった箇所では互いに強め合って磁束密度が高くなるのに対し、端子周りの磁界が磁性部材による磁界と逆向きとなった箇所では互いに打ち消し合って磁束密度が低くなる。そして、磁束密度が高い側から磁束密度が低い側に向かってローレンツ力が発生する。このローレンツ力は嵌合方向と直交する方向に向かうものとされる。このため、相手側コネクタからハウジングが完全に離脱するまでに相手側コネクタと端子との間にアークが発生したとしても、そのアークをなす電子に対して上記ローレンツ力が作用することで消弧が図られる。その結果、アークによって一対の端子間が短絡することが防止ないし抑制される。
相手側コネクタからハウジングが完全に離脱すると、コネクタにおける嵌合される側が外部に露出した状態とされる。このとき、コネクタにおける嵌合される側に上記磁性部材による磁界が発生しているため、第1の磁極と第2の磁極との各々における開口側の部位に鉄屑等が付着することが懸念される。このような第1の磁極と第2の磁極における開口側の部位、即ちコネクタにおける嵌合される側の部位に鉄屑等が付着すると、ハウジングを相手側コネクタに対して嵌合させる際に、正常な嵌合ができなくなる虞がある。また、その鉄屑等によって一対の端子間が短絡する虞がある。
この点、上記のコネクタでは、第1の磁極と第2の磁極との間における開口側に露出する領域と、第1の磁極と第2の磁極との各々における開口側の面の少なくとも一部と、が蓋部材によって塞がれた構成とされている。このため、第1の磁極と第2の磁極における開口側の部位に鉄屑等が付着する場合に、その大部分が蓋部材の表面に付着することとなる。この場合、蓋部材をハウジングから取り外すことで、蓋部材の表面に付着した鉄屑等を取り除くことが可能となり、コネクタにおける嵌合される側の部位に鉄屑等が付着した状態が継続することを防止することができる。また、蓋部材をハウジングから取り外すことができない場合であっても、上記開口側に露出する領域及び上記開口側の面が蓋部材によって塞がれることで磁性部材による磁力が弱められるので、これらの領域や面が開口される側に直接露出している場合と比べて、第1の磁極と第2の磁極との各々における開口側の部位に鉄屑等が付着することを抑制することができる。以上のように、上記のコネクタでは、アーク抑制効果を維持しながら、鉄屑等が付着することを防止ないし抑制することができる。
前記磁性部材は、前記嵌合方向に沿って配され、一端に前記第1の磁極が設けられた第1部位と、前記嵌合方向に沿って配され、一端に前記第2の磁極が設けられた第2部位と、前記嵌合方向と直交する方向であって前記一対の端子の並び方向と直交する方向に沿って配され、前記第1部位の他端と前記第2部位の他端とを繋ぐものとされた第3部位と、からなる形状とされた一つの部材であってもよい。
この構成によると、第1部位及び第2部位の延びる方向に沿うとともに第3部位が延びる方向に沿って切断した平断面で視たときに、第1部位と第2部位と第3部位とが連なることで略コの字型とされた一つの磁性部材を提供することができる。このような形状とされた磁性部材は、収容凹部内に容易に収容することができる。ここで、略コの字型とされた磁性部材の部位のうち、略コの字型の開口部に相当する部位は第1の磁極と第2の磁極との間の領域に相当することとなるので蓋部材によって塞がれた状態とされている。このため、このような開口部から鉄屑等を含む異物が挿入することを防ぐこともできる。
前記磁性部材において、前記第1部位はその前記一端において前記第2の磁極側に向かって延びる第1延出部位を有し、前記第2部位はその前記一端において前記第1の磁極側に向かって延びる第2延出部位を有するものとされていてもよい。
この構成によると、第1部位と第2部位とにそれぞれ延出部位を設けることで、磁性部材における蓋部材との接触面積が大きくなるため、ハウジングにおいて蓋部材を係止し易いものとすることができる。
前記磁性部材は等方性磁石とされていてもよい。
第1部位と第2部位とにそれぞれ上記のような延出部位を設けた場合、仮に磁性部材が異方性磁石であるとすると、磁性部材において各延出部位における他方の延出部位と対向する面、即ち内側の面(嵌合される側とは異なる面)が最も強い磁力線が発生する磁力面となる。このため、磁性部材において嵌合される側の面が最も強い磁力線が発生する磁力面とされている場合と比べて、アーク抑制効果が低くなってしまう。この点、上位の構成によれば、磁性部材は等方性磁石であるので、第1部位と第2部位とにそれぞれ上記のような延出部位を設けた場合であっても、磁性部材において嵌合される側の面から強い磁力線を発生させることができる。このため、磁性部材に上記延出部位を設けた構成を実現しながら、アーク抑制効果を発生させることができる。
前記蓋部材は、前記収容凹部の前記開口の全域を塞ぐものとされていてもよい。
この構成によると、収容凹部と磁性部材との間の全域が蓋部材によって塞がれることとなるので、磁性部材の磁力によって引き付けられる鉄屑等の大部分を蓋部材の表面に付着させることができる。そして、蓋部材を取り外すことで、それらの鉄屑等を容易に取り除くことができる。
前記蓋部材における前記開口側の面に該蓋部材を係止可能な係止凹部が設けられていてもよい。
この構成によると、蓋部材の係止凹部に係止部材(ピン等)を係止させることで、その係止部材によってハウジング内から蓋部材を容易に取り外すことができる。
前記蓋部材は合成樹脂製とされていてもよい。
この構成によると、例えば蓋部材が金属で形成されている場合と比べて、蓋部材の表面に鉄屑等が付着し難いものとすることができる。
前記磁性部材は永久磁石であってもよい。
これによると、アーク抑制効果を十分に発生させることができる強力な磁界を発生させるための磁性部材の具体的な構成を提供することができる。
前記磁性部材は、前記ハウジングに対してネジ留めされていてもよい。
これによると、磁性部材を収容凹部内に外れ難い態様で取り付けるための具体的な構成を実現することができる。
前記第1の磁極と前記第2の磁極の間隔は、前記一対の端子の間隔よりも小さいものとされてもよい。
この構成によると、ハウジング内において、磁性部材を収容するための収容凹部を省スペースで設けることができる。
本明細書で開示される技術によれば、アーク抑制効果を維持しながら、鉄屑が付着することを防止ないし抑制することができる。
実施形態1に係る充電コネクタを構成する給電側コネクタ及び車両側コネクタの斜視図 車両側コネクタの分解斜視図 車両側コネクタの正面図 給電側コネクタと車両側コネクタとを嵌合する前の状態を表す図3のA−A線断面図 給電側コネクタと車両側コネクタとを嵌合する前の状態を表す図3のB−B線断面図 給電側コネクタと車両側コネクタとを嵌合した後の状態を表す図3のA−A線断面図 給電側コネクタと車両側コネクタとを嵌合した後の状態を表す図3のB−B線断面図 給電側コネクタから車両側コネクタを離脱させる途中の状態を表す図3のA−A線断面図 給電側コネクタから車両側コネクタを離脱させる途中の状態を表す図3のB−B線断面図 車両側コネクタにおける永久磁石の磁極間に発生する磁界を表す正面断面図 車両側コネクタにおける永久磁石の磁極間に発生する磁界を表す図3のB−B線断面図 実施形態2に係る車両側コネクタの分解斜視図 給電側コネクタと車両側コネクタとを嵌合する前の状態を表す図3のA−A線断面に対応する断面図 給電側コネクタと車両側コネクタとを嵌合する前の状態を表す図3のB−B線断面に対応する断面図 実施形態3において給電側コネクタと車両側コネクタとを嵌合する前の状態を表す図3のB−B線断面に対応する断面図 実施形態4において給電側コネクタと車両側コネクタとを嵌合する前の状態を表す図3のB−B線断面に対応する断面図 実施形態5に係る給電側コネクタの正面図
<実施形態1>
図面を参照して、実施形態1を説明する。実施形態1では、電気自動車の車両に搭載された二次電池からなるバッテリを充電するために用いられる充電コネクタ1について説明する。この充電コネクタ1は、図1に示すように、給電設備側に配される給電側コネクタ(相手側コネクタの一例)10と、電気自動車の車両側に配される車両側コネクタ(コネクタの一例)20と、からなっている。両コネクタ10,20が嵌合接続されることで、車両のバッテリが充電されるようになっている。
本実施形態では、通常充電部と急速充電部を併用する構成とされた「Conbined Charging System(コンボ方式)」に適合した充電コネクタのうちの急速充電部のみを充電コネクタ1としている。この充電コネクタ1は、車両のバッテリを短時間で一定程度(80%程度)まで充電することが可能な急速充電部であり、例えば直流で250A程度の大電流を取り扱うものとされる。
以下では、前後の記載について両コネクタ10,20の嵌合方向を基準とし、両コネクタ10,20における嵌合面側を前側とし、その反対側を後側とする。また、嵌合される側とは、両コネクタ10,20における嵌合面側、即ち前側を意味するものとする。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。具体的には、X軸方向が両コネクタ10,20の嵌合方向と、Y軸方向が両コネクタ10,20の幅方向と、Z軸方向が両コネクタ10,20の高さ方向とそれぞれ一致している。
まず、給電側コネクタ10について説明する。給電側コネクタ10は、図1及び図4に示すように、給電側ハウジング12と、給電側ハウジング12に収容される一対の給電側端子14とを備えている。給電側ハウジングは12、合成樹脂製とされており、給電側端子14を収容するとともに略ブロック状をなす給電側端子収容部12aと、給電側端子収容部12aの外縁から前方に向けて突出するとともに略筒状をなす給電側フード部12bと、からなっている。
給電側端子収容部12aには、図4及び図5に示すように、給電側端子14を後方から挿入可能な給電側キャビティ12a1が一対設けられている。給電側キャビティ12a1は、給電側端子収容部12aを嵌合方向(X軸方向)に沿って前後に貫通する形で設けられており、その幅方向(Y軸方向)に沿って所定の間隔を空けた位置に並んで配されている。給電側端子収容部12aは、給電側フード部12b内に突出する部分が一対の給電側端子14に対応付けて分けられており、一対のタワー部16を有している。一対のタワー部16は、共に略円筒状をなしており、幅方向に沿って中央側に所定の間隔を空けた形で並んで配されている。給電側フード部12bは、正面から視て横長な長方形状をなす筒体からなっており、給電側端子収容部12aにおける一対のタワー部16を、間に所定の間隔を空けつつ一括して外側から取り囲む形で配されている。給電側フード部12bと一対のタワー部との間に有される、正面から視て横長な略円環状をなす空間には、後述する車両側コネクタ20が有する車両側フード部22bが嵌合可能とされる。
給電側端子14は、金属製とされており、図4に示すように、軸線方向(長さ方向)が嵌合方向と一致している。給電側端子14は、その前側部分が車両側端子24に接続される給電側接続部14aとされており、その後側部分が図示しない電力ケーブル(電線)に接続されるケーブル接続部14bとされる。給電側接続部14aは、全体として嵌合方向に沿って延在する略円筒状をなしており、その周方向について所定の角度間隔を空けた位置にスリットが複数入れられることで、複数の弾性接触片からなる構成とされている。給電側接続部14aを構成する弾性接触片は、嵌合方向に沿って延在するとともに、嵌合される側が自由端となっており、給電側接続部14aの径方向に沿って弾性変形することが可能となっている。従って、両コネクタ10,20の嵌合に伴って給電側接続部14aの内側に有される空間に車両側端子24が挿入されると、各弾性接触片が車両側端子24に対して弾性接触しつつ径方向に沿って外向きに拡開変形するようになっている。一対の給電側端子14は、給電側端子収容部12aの各給電側キャビティ12a1に個別に収容されることで、各タワー部16をなす周壁によってそれぞれ周りが取り囲まれる。従って、一対の給電側端子14の並び方向は、幅方向(Y軸方向)と一致している。一対の給電側端子14のうち、図4に示す上側(図1における手前側)に示すものが正極側とされており、同図に示す下側(図1における奥側)に示すものが負極側とされる。
次に、車両側コネクタ20について説明する。車両側コネクタ20は、図2に示すように、車両側ハウジング22と、車両側ハウジング22に収容される一対の車両側端子(端子の一例)24,24と、車両側ハウジング22に収容される永久磁石(磁性部材の一例)30と、蓋部材40と、を備えている。なお、永久磁石30及び蓋部材40については後で詳しく説明する。車両側ハウジング22は、合成樹脂製とされており、図2及び図3に示すように、車両側端子24、永久磁石30、及び蓋部材40を収容するとともに略ブロック状をなす車両側端子収容部22aと車両側端子収容部22aの外縁から前方にかけて突出するとともに略筒状をなす車両側フード部22bとからなるものとされる。
車両側端子収容部22aは、図3に示すように、正面から視て横長な長円形状をなすブロック体からなっている。車両側端子収容部22aには、図3から図5に示すように、給電側コネクタ10が有する一対のタワー部16を嵌合可能な嵌合凹部28が一対、前方に開口する形で設けられている。一対の嵌合凹部28には、それぞれ正面から視て略円形状をなしており、車両側端子収容部22aにおいて幅方向(Y軸方向)について中央側に所定の間隔を空けた両端寄りの位置に配されている。一対の嵌合凹部28の間には磁性部材が収容される収容凹部29が設けられている。車両側収容部22aにおける奥壁部には、車両側端子24を貫通されるための端子挿入孔25が、嵌合凹部28に連通する形で開口して設けられている。従って、端子挿入孔25に挿通された車両側端子24は、嵌合凹部28内に突出した形で配され、その周りにタワー部16が前方から嵌合可能とされる嵌合空間を有している。この嵌合空間は、車両側端子24の外周面と、車両側端子収容部22aにおける嵌合凹部28の内周面との間に設けられており、正面から視て円環状をなしている。車両側フード部22bは、正面から視て横長な長円形状をなす筒体からなるものとされており、車両側端子収容部22aを、間に所定の間隔を空けつつ外側から取り囲む形で配されている。車両側フード部22bと車両側端子収容部22aとの間に設けられた、正面から視て横長な略円環状をなす空間には、給電側コネクタ10が有する給電側フード12bが嵌合可能とされる。
車両側端子24は、金属製とされており、図4に示すように、軸線方向(長さ方向)が嵌合方向と一致している。車両側端子24は、その前側部分が給電側端子14に接続される車両側接続部24aとされ、その後側部分が図示しない電力ケーブル(電線)に接続ケーブルに接続されるケーブル接続部24bとされる。車両側接続部24aは、中実な略円柱状をなしており、その外周面に対して給電側端子14が有するが有する複数の弾性接触片に対して弾性接触可能とされる。車両側接続部24aの先端部には、絶縁性を有する合成樹脂製の安全キャップ26が取り付けられており、この安全キャップ26によりユーザ(使用者)が誤って金属製の車両側端子24に直接触れる事態が回避されるようになっている。車両側端子収容部22aにおける一対の端子挿入孔25にそれぞれ個別に挿通された一対の車両側端子24は、幅方向(Y軸方向)について中央側に配される車両側端子収容部22aの間に設けられた収容凹部によって相互に絶縁状態に保たれる。一対の車両側端子24の並び方向は、幅方向(Y軸方向)と一致している。一対の車両側端子24のうち、図4に示す上側(図1に示す手前側)に示すものが正極側とされており、同図に示す下側(手前側)に示すものが負極側とされる。
両コネクタ10,20における高さ方向(Z軸方向)は、両コネクタ10,20の嵌合方向(X軸方向)と直交している。なお、以下では給電側端子14及び車両側端子24に関して正極及び負極の極性を区別する場合には、正極側のものの符号に添字Pを、負極側のものの符号に添字Nを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添字を付さないものとする。
両コネクタ10,20は嵌合接続されて両端子14,24が通電されると、両端子14,24の軸線周りに、右ネジの法則に従った向きの磁界(以下、端子周りの磁界と称する)が発生する。この磁界を構成する端子磁力線TLは、図10において相対的に細い一点鎖線により示される。なお、以下では端子磁力線TLに関して、正極側の両端し14P,24Pの軸線周りに発生する端子磁力線について符号「TLP」で表し、負極側の両端し14N,24Nの軸線周りに発生する端子磁力線について符号「TLN」で表すこととする。正極側の両端子14P,24Pの軸線周りに発生する端子磁力線TLPは、図10では時計回り方向に向かうものとされる。一方、負極側の両端子14N,24Nの軸線周りに発生する端子磁力線TLPは、図10では反時計回り方向に向かうものとされる。ここで、正極側の端子磁力線TLP及び負極側の端子磁力線TLNのうち、車両側コネクタ20において、その幅方向について一対の車両側端子24の間に位置する内側領域IAを通る端子磁力線TLP,TLNは、いずれも図10に示す上向きとされる。一方、内側領域IAに対して各車両側端子24を挟んで外側に配される一対の外側領域OAを通る端子磁力線TLP,TLNは、いずれも図10に示す下向きとされる。
続いて、車両側コネクタ20の収容凹部29に収容された永久磁石30と、収容凹部29の開口を塞ぐ蓋部30と、について説明する。まず、収容凹部29の構成について説明する。収容凹部29は、一対の嵌合凹部28の間における略中央に設けられており、その開口が嵌合される側に向けられるとともに上下方向に長い長方形状をなしている。収容凹部29の奥壁には、車両側ハウジング22に対して永久磁石を固定するための固定ネジが留められるネジ孔29aが設けられている。
永久磁石30は、車両側コネクタ20から給電側コネクタ10が離脱された場合に発生するアークを抑制ないし防止するために、車両側コネクタ20の収容凹部29内に収容されている。永久磁石30は、図11に示すように、互いに離間した形で嵌合方向に沿って配された第1部位及び第2部位と、嵌合方向と直交する方向であって一対の車両側端子24の並び方向と直交する方向(Z軸方向)に沿って配された第3部位30cとを有している。第1部位30aの一端(嵌合される側に向けられた端部)はN極(第1の磁極の一例)とされており、第2部位30bの一端(嵌合される側に向けられた端部)はS極(第2の磁極の一例)30Sとされている。また、第1部位30aは、その一端においてS極30S側に向かって延びる第1延出部位30a1を有しており、第2部位30bは、その一端においてN極30N側に向かって延びる第2延出部位30b1を有している。永久磁石30では、N極30N(第1延出部位30a1)が収容凹部29の下側に位置し、S極30S(第2延出部位30b1)が収容凹部29の上側に位置するものとされ、互いに離間した形で配されている。そして、第3部位30cは、第1の部位30aの他端と第2部位30bの他端とを繋ぐ形で延びて配されている。永久磁石30は、これら第1部位30aと第2部位30bと第3部位30cとによって、Z−Y平面に沿った断面を視たときに略コの字型となる形状とされている(図11参照)。
収容凹部29の奥壁には、当該収容凹部29の径よりも大きく縮径されたネジ留め凹部29aが設けられている。一方、永久磁石30の第3部位30cには、このネジ留め凹部29aと重畳する形でネジ留め貫通孔31が設けられている。そして、磁石留めネジSCがネジ留め貫通孔31に挿通されてネジ留め凹部29aに留められることで、永久磁石30は車両側ハウジング22に対してネジ留めされ、固定されている。
なお、本実施形態における永久磁石30は、ネオジムボンド磁石等の等方性磁石とされている。このため、N極30Nとされた第1延出部位30a1の各面から発せられる磁力線は同じ強さとされており、S極30Sとされた第2延出部位30b1の各面から発せられる磁力線は同じ強さとされている。図11における符号MMLは、永久磁石30の磁極30N,30Sから生じる磁力線(以下、磁石磁力線と称する)を示している。また、永久磁石30には、その外周面の全域にわたって絶縁性を有する合成樹脂材(例えばアクリル樹脂)がコーティングされており、それにより絶縁性及び機械的な強度が確保されている。
蓋部材40は、例えば合成樹脂製とされ、その板面がX軸方向の前後に向けられた形でZ軸方向に沿って延びる板状をなし、収容凹部29の開口の全域を塞ぐ形で永久磁石30の前側に配されている。蓋部材40は、その前面が収容凹部29内に収まった形で車両側ハウジング22の嵌合される側に露出するとともに、その後面が永久磁石30における第1延出部位30a1の前面及び第2延出部位30b1の前面と当接している。これにより、蓋部材40は、第1延出部位30a1と第2延出部位30b1との間の開口を塞ぐものとされている。
蓋部材40の前面の略中央には、図11に示すように、当該蓋部材40を係止可能な係止凹部40aが設けられている。この係止凹部40aにピン等の係止部材を係止させることで、蓋部材40を収容凹部29の開口から容易に取り外すことが可能となっている。ここで蓋部材40は、永久磁石30の前側、即ち磁極30N,30Sが設けられた側に配されているので、車両側コネクタが給電側コネクから離脱されて車両側コネクタの嵌合される側が外部に露出した状態では、永久磁石30の磁力によって蓋部材40の表面(前面)に鉄屑等が付着することがある。しかしながら、蓋部材40の表面に鉄屑等が付着した場合であっても、例えば車両側コネクタ10のメンテナンスを行う際に、蓋部材40を収容凹部29の開口から取り外すことで、蓋部材40の表面が永久磁石30による磁力から開放されるため、蓋部材40の表面から付着した鉄屑等を容易に取り除くことができる。
次に、収容凹部29内に配された永久磁石30におけるN極30NとS極30Sとの間に発生する磁界について説明する。永久磁石30におけるN極30NとS極30Sとの間には、N極30N側からS極30S側に向かう向きの磁界が発生する。永久磁石30の磁極30N,30S間を行き交う磁石磁力線MMLについては、図10に示すように、一対の車両側端子24間に挟まれた内側領域IAを通過するものが第1磁石磁力線MML1とされるのに対し、内側領域IAに対して車両側端子24を挟んだ外側に位置する外側領域OAを通過するものが第2磁石磁力線MML2とされる。これら第1磁石磁力線MML1と第2磁石磁力線MML2によって作られる磁界は、永久磁石30の前面から発生するものであるから、その大部分が車両側端子24よりも前側に存在するものとされる(図4参照)。
上記のように永久磁石30における磁極30N,30Sから第1磁石磁力線MML1及び第2磁石磁力線MML2が発生することで、図10に示すように、一対の車両側端子24,24間に挟まれた内側領域IAでは、端子磁力線TLP,TLNと同じ側に向かう第1磁石磁力線MML1が追加されることで磁束密度が高められる(密になる)。これに対し、内側領域IAに対して車両側端子24を挟んだ外側に位置する外側領域OAでは、端子磁力線TLP,TLNとその反対側に向かう第2磁石磁力線MML2とが打ち消し合うことで磁束密度が低くされる(疎になる)。従って、一対の車両側端子24,24間には、内側領域IAと外側領域OAとで磁束密度に大きな差が生じることとなるので、磁束密度が高くなった内側領域IAから磁束密度が低くなった外側領域OAに向かうローレンツ力が作用する。
以上が本実施形態に係る充電コネクタ1の構成であり、続いてその作用について説明する。車両のバッテリを充電するには、車両側コネクタ20に対して給電側コネクタ10を嵌合する作業を行う。図4及び図5に示す状態から、給電側コネクタ10における給電側フード部12bを、車両側コネクタ20における車両側端子収容部22aと車両側フード部22bとの間に嵌め入れる。続いて、給電側端子収容部12aの各タワー部16を、車両側端子収容部22aの嵌合空間(嵌合凹部28)内に嵌め入れる。嵌合の途中(図8及び図9に示す状態)では、車両側端子24の車両側接続部24aが、給電側端子14の給電側接続部14a内に差し込まれるとともに、給電側接続部14aの各弾性接触片が径方向について弾性的に拡開される。そして、両コネクタ10,20が正規の深さまで嵌合されると、図6及び図7に示すように、各タワー部16が嵌合空間の奥深くまで嵌めこまれるとともに、車両側接続部24aの外周面に対して給電側接続部14aの各弾性接触片が所定の接圧でもって弾性接触される。相互に電気的に接続された両端子14,24間に直流電流が流されることで、車両のバッテリの充電が図られる。
ここで、充電を行っている最中であるにも拘わらず、誤って給電側コネクタ10が車両側コネクタ20から引き抜かれるような事態が発生した場合、図8及び図9に示すように、通電した両端子14,24が引き離されることで、両端子14,24間に接点間アークが発生する虞がある。そして、この接点間アークが成長して両端子14,24間にPN間アークが発生する虞がある。このPN間アークによって正極側の各端子14P,24Pと、負極側の各端子14N,24Nとが短絡される、いわゆるPN間短絡の発生が懸念される。特に、急速充電のように両端子14,24間を流される電流値が大きな場合には、PN間短絡がより発生し易い傾向にある。
これに対し、本実施形態では、両端子14,24が引き離される途中(図8及び図9に示す状態)において、給電側接続部14aの嵌合される側の端部(タワー部16の前側端部)が、永久磁石30における磁極30N,30Sの近傍に位置した状態にあるので(図8参照)、両端子14,24の間に発生する上記アークは永久磁石30の磁極30N,30S間に発生する磁界の影響を受けることとなる。従って、上記アークをなす電子には、磁極30N,30S間の発生において発生するローレンツ力によって外側領域OAに向かう力が作用する。これにより、一対の車両側端子24においてそれぞれアークが発生していても、各アークが互いに正反対となる方向に引き離されることになるため、一対の車両側端子24において発生したアーク同士が繋がって生じるPN間短絡を効果的に抑制または防止することができる。
以上のように、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、永久磁石30におけるN極30NとS極30Sとの間に、N極30N側からS極30側へ向かう向きの磁界が発生する。一方、一対の車両側端子24,24の周りには、通電によって、上記永久磁石30による磁界と同じ向きまたは逆向きの磁界が発生する。ここで、端子周りの磁界が永久磁石30による磁界と同じ向きとなった箇所では互いに強め合って磁束密度が高くなるのに対し、端子周りの磁界が永久磁石30による磁界と逆向きとなった箇所では互いに打ち消し合って磁束密度が低くなる。そして、磁束密度が高い側から磁束密度が低い側に向かってローレンツ力が発生する。このローレンツ力は嵌合方向と直交する方向に向かうものとされる。このため、給電側コネクタ10から車両側ハウジング22が完全に離脱するまでに給電側コネクタ10と車両側端子24との間にアークが発生したとしても、そのアークをなす電子に対して上記ローレンツ力が作用することで消弧が図られる。その結果、アークによって一対の端子間が短絡することが効果的に防止ないし抑制される。
給電側コネクタ10から車両側ハウジング22が完全に離脱すると、車両側コネクタ20における嵌合される側が外部に露出した状態とされる。このとき、車両側コネクタ22における嵌合される側に上記永久磁石30による磁界が発生しているため、蓋部材40を介してN極30NとS極30Sとの各々における開口側の部位に鉄屑等が付着することが懸念される。このようなN極30NとS極30Sにおける開口側の部位、即ち車両側コネクタ20における嵌合される側の部位に鉄屑等が付着すると、車両側ハウジング22を給電側コネクタ10に対して嵌合させる際に、正常な嵌合ができなくなる虞がある。また、その鉄屑等によって一対の車両側端子24,24間が短絡する虞がある。
この点、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、永久磁石30のN極30NとS極30Sとの間における開口側に露出する領域と、N極30NとS極30Sとの各々における開口側の面とが蓋部材40によって塞がれた構成とされている。このため、N極30NとS極30Sにおける開口側の部位に鉄屑等が付着する場合に、その大部分が蓋部材40の表面に付着することとなる。この場合、蓋部材40を車両側ハウジング22から取り外すことで、蓋部材40の表面に付着した鉄屑等を取り除くことが可能となり、車両側コネクタ20における嵌合される側の部位に鉄屑等が付着した状態が継続することを防止することができる。また、蓋部材40を車両側ハウジング22から取り外すことができない場合であっても、上記開口側に露出する領域及び上記開口側の面が蓋部材40によって塞がれることで永久磁石30による磁力が弱められるので、これらの領域や面が開口される側に直接露出している場合と比べて、N極30NとS極30Sとの各々における開口側の部位に鉄屑等が付着することを抑制することができる。以上のように、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、アーク抑制効果を維持しながら、鉄屑等が付着することを防止ないし抑制することができる。
また、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、永久磁石30、嵌合方向に沿って配され、一端にN極が設けられた第1部位30aと、嵌合方向に沿って配され、一端にS極が設けられた第2部位30bと、嵌合方向と直交する方向であって一対の車両側端子24,24の並び方向と直交する方向に沿って配され、第1部位30aの他端と第2部位30bの他端とを繋ぐものとされた第3部位30cと、からなる形状とされた一つの部材とされている。このような構成とされていることで、第1部位30a及び第2部位30bの延びる方向に沿うとともに第3部位30cが延びる方向に沿って切断した平断面で視たときに、第1部位30aと第2部位30bと第3部位30cとが連なることで略コの字型とされた一つの永久磁石30を提供することができる。このような形状とされた永久磁石30は、収容凹部29内に容易に収容することができる。ここで、略コの字型とされた永久磁石30の部位のうち、略コの字型の開口部に相当する部位はN極30NとS極30Sとの間の領域に相当することとなるので蓋部材40によって塞がれた状態とされている。このため、このような開口部から鉄屑等を含む異物が挿入することを防ぐこともできる。
また、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、永久磁石30において、第1部位30aはその一端においてS極30S側に向かって延びる第1延出部位30a1を有しており、第2部位30bはその一端においてN極30N側に向かって延びる第2延出部位30b1を有している。このように第1部位30aと第2部位30bとにそれぞれ上記構成の延出部位を設けることで、永久磁石30における蓋部材40との接触面積が大きくなるため、車両側ハウジング22において蓋部材40を係止し易いものとすることができる。
また、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、永久磁石30が等方性磁石とされている。ここで、永久磁石30における第1部位30aと第2部位30bとにそれぞれ上記のような延出部位30a1,30b1を設けた場合、仮に永久磁石30が異方性磁石であるとすると、永久磁石30において各延出部位30a1,30b1における他方の延出部位と対向する面、即ち内側の面(嵌合される側とは異なる面)が最も強い磁力線が発生する磁力面となる。このため、永久磁石30において嵌合される側の面が最も強い磁力線が発生する磁力面とされている場合と比べて、アーク抑制効果が低くなってしまう。この点、本実施形態の構成によれば、永久磁石30が等方性磁石とされているので、第1部位30a1と第2部位30b1とにそれぞれ上記のような延出部位30a1,30b1を設けた場合であっても、永久磁石30において嵌合される側の面から強い磁力線を発生させることができる。このため、永久磁石30に上記延出部位30a1,30b1を設けた構成を実現しながら、アーク抑制効果を発生させることができる。
また、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、蓋部材40が、収容凹部29の開口の全域を塞ぐものとされている。このような構成とされていることで、収容凹部29と永久磁石30との間の全域が蓋部材40によって塞がれることとなるので、永久磁石30の磁力によって引き付けられる鉄屑等の大部分を蓋部材40の表面に付着させることができる。そして、蓋部材40を取り外すことで、それらの鉄屑等を容易に取り除くことができる。
また、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、蓋部材40における開口側の面に当該蓋部材40を係止可能な係止凹部40aが設けられている。このような構成とされていることで、蓋部材40の係止凹部40aに係止部材(ピン等)を係止させることで、その係止部材によって車両側ハウジング22内から蓋部材40を容易に取り外すことができる。さらに、本実施形態に係る車両側コネクタ20では、蓋部材40が合成樹脂製とされている。このため、例えば蓋部材40が金属で形成されている場合と比べて、蓋部材40の表面に鉄屑等が付着し難いものとすることができる。
<実施形態2>
続いて、図面を参照して実施形態2に係る充電コネクタ101について説明する。実施形態2は、車両側コネクタ120における蓋部材140に抜け止め部140bが設けられている点で実施形態1のものと異なっている。その他の構成は実施形態1と同様であるため、実施形態1と重複する部分については説明を省略、または簡略化する。なお、図12、図13、図14において、それぞれ図2、図4、図5の参照符号に数字100を加えた部位は、実施形態1で説明した部位と同一である。
実施形態2に係る充電コネクタ101では、図12ないし図14に示すように、車両側コネクタ120における車両側ハウジング122内に収容される蓋部材140に、蓋部材140の後面から後側に向かって延びる抜け止め部140bが設けられている。抜け止め部140bには、その先端部にテーパ面が設けられている。このような構成とされた抜け止め部140bは、永久磁石30のN極30NとS極30Sとの間の開口部に対して嵌合方向に沿って蓋部材40を挿入することを許容するのに対し、当該開口部に留められた状態(図14に示す状態)では、蓋部材40が当該開口部から抜けることを防止する。即ち、蓋部材140は、このような抜け止め部140bが設けられることで、上記開口部に留められた嵌め殺し構造とされている。このため、本実施形態の車両側コネクタ120では、蓋部材140を収容凹部129の開口から取り外すことはできないものの、蓋部材140の表面に鉄屑等が付着した場合には、メンテナンス等の際にそれらの鉄屑等を取り払うことができる。また、本実施形態においても、蓋部材140によって上記開口部が塞がれた状態となるので、この開口部から鉄屑等を含む異物が挿入することを防ぐこともできる。
<実施形態3>
続いて、図面を参照して実施形態3に係る充電コネクタ201について説明する。実施形態3は、車両側コネクタ220における永久磁石230の構造が実施形態1のものと異なっている。その他の構成は実施形態1と同様であるため、実施形態1と重複する部分については説明を省略、または簡略化する。なお、図15において、それぞれ図7の参照符号に数字200を加えた部位は、実施形態1で説明した部位と同一である。
実施形態3に係る充電コネクタ201では、図15に示すように、永久磁石230において第1部位230aが第1延出部位を有しておらず、第2部位230bが第2延出部位を有していない構成とされている。このような構成とされていることで、永久磁石230が異方性磁石である場合、永久磁石230における第1部位230a及び第2部位230bにおいて、嵌合される側に向けられた面が最も強い磁力線が発生する磁力面となる。このため、本実施形態の構成では、永久磁石230が異方性磁石であっても、アーク抑制効果を保つことができる。
<実施形態4>
続いて、図面を参照して実施形態4に係る充電コネクタ301について説明する。実施形態4は、収容凹部249の形状及び収容凹部249内に収容された永久磁石230の数及び構成が実施形態1のものと異なっている。その他の構成は実施形態1と同様であるため、実施形態1と重複する部分については説明を省略、または簡略化する。なお、図15において、それぞれ図7の参照符号に数字300を加えた部位は、実施形態1で説明した部位と同一である。
実施形態4に係る充電コネクタ301では、図16に示すように、収容凹部349内に一対の永久磁石335,337が収容されている。一対の永久磁石335,337は、それぞれ嵌合方向に沿って延びる棒状をなし、収容凹部349内の下側と上側に配されている。収容凹部349内の下側に配された永久磁石335は、嵌合される側(前側)の端部がN極335Nとされ、嵌合される側とは反対側(後側)の端部がS極335Sとされている。一方、収容凹部349内の上側に配された永久磁石337は、嵌合される側(前側)の端部がS極337Sとされ、嵌合される側とは反対側(後側)の端部がN極337Nとされている。そして、収容凹部349は、一対の永久磁石335,337における後側の端部と対向する部位が窪んだ形状とされており、一対の永久磁石335,337、それぞれ後側の端部がこの窪み部分に嵌め込まれることで、収容凹部349内に固定されている。なお、蓋部材340の構成は実施形態1のものと同様であり、蓋部材340の後面が、下側の永久磁石335のN極335N及び上側の永久磁石337のS極337Sと当接するものとされている。
本実施形態では、収容凹部349内の嵌合される側において、下側に一方の永久磁石335のN極335Nが配され、上側に他方の永久磁石337のS極337Sが配されることで、収容凹部349内の嵌合される側に実施形態1のものと同様の磁界が発生する。このため、給電側コネクタ310から車両側ハウジング322が完全に離脱するまでに給電側コネクタ310と車両側端子324との間にアークが発生したとしても、そのアークをなす電子に対してローレンツ力が作用して消弧が図られる。また、蓋部材340の表面に鉄屑等が付着した場合であっても、蓋部材340を収容凹部349の開口から取り外すことで、蓋部材340の表面が一対の永久磁石335,337による磁力から開放されるため、蓋部材340の表面から付着した鉄屑等を容易に取り除くことができる。
<実施形態5>
続いて、図面を参照して実施形態5に係る充電コネクタについて説明する。実施形態5では、給電側コネクタ410に永久磁石430及び蓋部材440が設けられた構成を例示する。なお、実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
実施形態5では、図17に示すように、通常充電用コネクタと急速充電用コネクタとを分離したCHAdeMO(登録商標)方式に適合した急速充電用コネクタを構成する給電側コネクタ410について例示する。この給電側コネクタ410は、図示しない車両側コネクタと嵌合接続される嵌合接続部450と、ユーザが把持する把持部413と、を有する給電側ハウジング412を備えている。嵌合接続部450には、幅方向(Y軸方向)に沿って一対の電力用端子454,454が並んで配されているのに対し、高さ方向(Z軸方向)に沿って2組の信号用端子452群が並んで配されている。このうち、電力用端子254は、実施形態1における車両側端子24と同様の構成をしており、嵌合接続部450に形成された第1嵌合凹部450a内に突出する形で配されている。なお、第1嵌合凹部450aは、実施形態1における嵌合凹部28と同様の構成である。一対の電力用端子454,454のうち、図21に示す右側のものが正極側の電力用端子454Pとされるのに対し、同図左側のものが負極側の電力用端子454Nとされる。これら一対の電力用端子454,454を通電したときに発生する端子磁力線は、実施形態1に記載したものと同様であり(図10参照)、一対の電力用端子454,454間に挟まれた内側領域IAを通るものが図17に示す上向きとなるのに対し、内側領域IAに対して電力用端子454を挟んだ外側に位置する外側領域OAを通るものが同図下向きとなる。
信号用端子452群は、4本の信号用端子452によって構成されており、4本の信号用端子452は、電力用端子454と比べると小型のピン状をなすとともに、嵌合接続部450に設けられた第2嵌合凹部450b内に突出する形でそれぞれ配されている。また、第2嵌合凹部450は、実施形態1に記載した嵌合凹部28と概ね同様の構成であるが、4本の信号用端子452間を仕切る略十字型の仕切り壁450b1を有している。一対の電力用端子454,454は、高さ方向について2組の信号用端子452群間の中央位置に配されているのに対し、2組の信号用端子452群が、幅方向について一対の電力用端子454,454間の中央位置に配されている。上記した第1嵌合凹部450a及び第2嵌合凹部450bには、図示しない車両側コネクタが嵌合可能とされる。
嵌合接続部450における高さ方向及び幅方向についての略中央位置には、実施形態1と同様の形状の収容凹部が設けられ、当該収容凹部内には実施形態1に記載したものと同様の構成の永久磁石430及び蓋部材440が配されている。従って、永久磁石430のうち嵌合接続部250の前側に露出する部分は、下側に位置するものが、N極430Nであるのに対し、上側に位置するものは、S極430Sとなっている。このような構成とされていることで、嵌合接続部250の前側に露出する部分においてこれらの磁極430N,430S間に磁界が発生する。この磁界では、磁極430N,430S間を行き交う磁石磁力線のうち、内側領域IAを通過するものが端子磁力線と同じ側に向かう第1磁石磁力線とされるのに対し、外側領域OAを通過するものが端子磁力線とは反対側に向かう第2磁石磁力線とされる(図10参照)。従って、磁極430N,430S間に発生した磁界では、接点間アークをなす電子に対して、磁束密度が高くなった内側領域IAから磁束密度が低くなった外側領域OAに向かうローレンツ力が作用し、接点間アークが外側領域OAへと迂回して消弧が図られるようになっている。
また、永久磁石430における磁極430N,430Sの前側には、収容凹部449の開口を塞ぐ形で蓋部材440が取り付けられている。このような構成とされていることで、蓋部材440の表面に鉄屑等が付着した場合であっても、蓋部材440を収容凹部449の開口から取り外すことで、蓋部材440の表面が永久磁石430による磁力から開放されるため、蓋部材440の表面から付着した鉄屑等を容易に取り除くことができる。
<他の実施形態>
本発明は上記既述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記の各実施形態では、蓋部材が収容凹部の開口の全域を塞いでいる構成を例示したが、蓋部材は、収容凹部内において嵌合される側に向けられたN極とS極との各々のうち、開口側の面の少なくとも一部を塞ぐものとされていればよい。
(2)上記の実施形態1、2、3及び5では、収容凹部内に収容された一つの永久磁石が略コの字型とされた構成を例示したが、収容凹部内に一つの永久磁石が収容される場合、永久磁石の形状は限定されない。
(3)上記の各実施形態では、蓋部材が板状とされた構成を例示したが、蓋部材の構成は限定されない。
(4)上記の実施形態以外にも、永久磁石の数、構成、形状、配置等については、適宜に変更可能である。
(5)上記の各実施形態以外にも、蓋部材の構成、形状、配置等については、適宜に変更可能である。
(6)上記した実施形態1ないし4では、「Conbined Charging System(コンボ方式)」に適合した充電コネクタにおいて車両側コネクタ側に磁性部材を配置したものを示したが、同充電コネクタにおいて給電側コネクタ側に永久磁石及び蓋部材を配置することも可能である。また、車両側コネクタ側に永久磁石材を配置するとともに、給電側コネクタ側にも永久磁石を配置することが可能である。
(7)上記した実施形態5では、CHAdeMO(登録商標)方式に適合した充電コネクタにおいて給電側コネクタ側に永久磁石を配置したものを示したが、同充電コネクタにおいて車両側コネクタ側に永久磁石を配置することも可能である。また、車両側コネクタ側に永久磁石を配置するとともに、給電側コネクタ側にも永久磁石を配置することが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1、101、201、301…充電コネクタ
10、110、210、310、410…給電側コネクタ
12、112、212、312…給電側ハウジング
14、114、214、314…給電側端子
20、120、220、320…車両側コネクタ
22、122、222、322…車両側ハウジング
24、124、224、324…車両側端子
30、130、230、330、430…永久磁石
40、140、240、340、440…蓋部材
IA…内側領域
MML…磁石磁力線
OA…外側領域
SC…磁石留めネジSC

Claims (10)

  1. 相手側コネクタに対して嵌合されるハウジングと、
    前記ハウジングに収容され、前記相手側コネクタとの嵌合方向と直交する方向について離間した位置にそれぞれ配されるとともに、前記相手側コネクタに対して接続されることで通電される一対の端子と、
    前記一対の端子の間に挟まれた領域において、前記嵌合される側に開口する形で前記ハウジングに設けられた収容凹部に収容され、第1の磁極と第2の磁極とが前記開口側に向けられるとともに、該第1の磁極と該第2の磁極とが前記嵌合方向と直交する方向であって前記一対の端子の並び方向と直交する方向について離間した形で配された少なくとも一つの磁性部材と、
    前記第1の磁極と前記第2の磁極との間における前記開口側に露出する領域を塞ぐとともに、前記第1の磁極と前記第2の磁極との各々における前記開口側の面の少なくとも一部を塞ぐものとされた蓋部材と、
    を備えるコネクタ。
  2. 前記磁性部材は、前記嵌合方向に沿って配され、一端に前記第1の磁極が設けられた第1部位と、前記嵌合方向に沿って配され、一端に前記第2の磁極が設けられた第2部位と、前記嵌合方向と直交する方向であって前記一対の端子の並び方向と直交する方向に沿って配され、前記第1部位の他端と前記第2部位の他端とを繋ぐものとされた第3部位と、からなる形状とされた一つの部材である、請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記磁性部材において、前記第1部位はその前記一端において前記第2の磁極側に向かって延びる第1延出部位を有し、前記第2部位はその前記一端において前記第1の磁極側に向かって延びる第2延出部位を有するものとされている、請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記磁性部材は等方性磁石とされている、請求項3に記載のコネクタ。
  5. 前記蓋部材は、前記収容凹部の前記開口の全域を塞ぐものとされている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。
  6. 前記蓋部材における前記開口側の面に該蓋部材を係止可能な係止凹部が設けられている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ。
  7. 前記蓋部材は合成樹脂製とされている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコネクタ。
  8. 前記磁性部材は永久磁石である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコネクタ。
  9. 前記磁性部材は、前記ハウジングに対してネジ留めされている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のコネクタ。
  10. 前記第1の磁極と前記第2の磁極の間隔は、前記一対の端子の間隔よりも小さいものとされる、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のコネクタ。
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