JP2014153544A - 光輝印刷物及び光輝印刷物の製造方法 - Google Patents

光輝印刷物及び光輝印刷物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光輝印刷物及び光輝印刷物の印刷方法において、印刷物の輪郭をくっきりと仕上げて、印刷物に明瞭なエンボス調の外観を与える。
【解決手段】本発明の光輝印刷物1は、光透過性の基材シート3と、標章の図形を金属粉末を含む高輝度インキを用いて印刷することで形成された高輝度印刷層4と、粘着材層6とが順に積層されてなる光輝印刷物1であって、高輝度印刷層4と基材シート3との間には、エンボス調の外観を付与すべく、透明な樹脂で形成されると共に、印刷しようとする標章の輪郭に沿って帯状に形成された縁取り層7が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンボス調の外観を備えた光輝印刷物及び光輝印刷物の製造方法に関する。
一般に、電化製品などの筐体に商品名やメーカ名を表示する用途や、ラベルやステッカーなどにロゴを表示する用途に光輝印刷物が用いられている。この光輝印刷物は、アルミニウムなどの金属粉顔料を含む高輝度インキを利用して印刷されており、金属光沢をもった仕上がりが得られるため、特に高級感を必要とするような製品のラベルなどに用いられている。
ところで、仕上がりにさらなる高級感を付与する手段として、「疑似エンボス仕上」が知られている。この「疑似エンボス仕上」は、印刷物(印刷された標章などをいう。以下、同じ)の表面に特定の印刷層を設けることにより、印刷物を見た人にあたかも凹凸が設けられているかのようなイメージを抱かせるものである。このようなエンボス調の外観を付与する方法としてはさまざまな手段が知られている。
例えば、特許文献1には、アルミニウム粉末の粒径、アルミニウム粉末の配合量、結合剤である透明樹脂とアルミニウム粉末との配合比率、希釈溶剤による希釈倍率などの条件を最適化した高輝度インキを用いることにより、印刷物に金属光沢だけでなく、エンボス調の外観を付与する技術が開示されている。
特許文献2には、高輝度インキで印刷されたメタル地色層の表面に、ヘアーラインや梨地などの仕上げ模様が印刷されたデザイン層を設けることによって、印刷物の表面に特定の加工模様を施したような外観を付与する技術が開示されている。例えば、このデザイン層にヘアーライン調の印刷パターンを印刷しておき、デザイン層を介してメタル地色層の表面を見るとヘアーラインマークを残したような外観が得られる。
特開平07−179016号公報 特開2000−211234号公報
ところで、特許文献1に開示された技術は、特定の配合条件により調合した高輝度インキを用いることにより、インキの組成を最適化するだけでエンボス調の仕上げを可能とするものである。しかしながら、このようにインキの組成面での調整だけでエンボス調の外観を得ようとしても、あまり明瞭なエンボス効果は得られないといった問題が現場の実績として挙がってきている。つまり、特許文献1の高輝度インキは、一般的な金属色インキに比べてエンボス調の風合いを強く出せるものではあっても、印刷物を見た人に実際にエンボス模様が施してあると錯覚させるほどはっきりとしたエンボス調の外観を与えられるものではない。
また、特許文献2には、高輝度印刷層の上にデザイン層を設けて、高輝度印刷層とデザイン層との2層を透過して見ることで、特定の加工模様があるかのような外観を印刷物を見た人に付与できるようにしている。ただ、この引用文献2のように印刷パターンを利用して加工模様を表現する方法では、デザイン層の印刷パターンを透かして見る必要があるため、印刷パターンのきめ細かさによっては加工模様が鮮明に表現できない場合がある。
特に、近年は、文字や図形などの印刷物に金属光沢やエンボス調の仕上がりを与えるだけでなく、これらに加えて印刷物のエッジを整えて、輪郭をくっきりと仕上げるような仕上がりも要求されるようになってきている。このような要求に対して、特許文献1や特許文献2の技術ではどうしても輪郭が不鮮明になりがちとなり、はっきりとしたエッジが得られ難いという問題もある。
本発明は、上記した問題に鑑みて為されたものであり、印刷物の輪郭をくっきりと仕上げて、印刷物に明瞭なエンボス調の外観を与えられることができる光輝印刷物及び光輝印
刷物の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の光輝印刷物は以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る光輝印刷物は、光透過性の基材シートと、標章の図形を金属粉末を含む高輝度インキを用いて印刷することで形成された高輝度印刷層と、粘着材層とが順に積層されてなる光輝印刷物であって、前記基材シートと高輝度印刷層との間には、エンボス調の外観を付与すべく、透明な樹脂で形成されると共に、印刷しようとする標章の輪郭に沿って帯状に形成された縁取り層が設けられていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記縁取り層を形成する樹脂には紫外線硬化樹脂が用いられていて、前記基材シート、縁取り層、及び高輝度印刷層は、いずれも印刷しようとする標章の輪郭に合致するように切断されると共に、それぞれの切断面が互いに面一とされているとよい。
なお、好ましくは、前記高輝度印刷層と粘着材層との間に、遮光性を備えた遮光塗料を用いた遮光層が設けられているとよい。
一方、本発明の光輝印刷物の製造方法は、光透過性の基材シートの表面に、透明な合成樹脂を用いて、これから印刷しようとする標章の輪郭に沿って縁取り印刷を行い、前記縁取り印刷された合成樹脂を硬化させることにより、透明な合成樹脂からなる縁取り層を形成し、前記金属粉末を含む高輝度インキを用いて、前記縁取り層の表面と内側とに印刷を行って高輝度印刷層を形成し、前記高輝度印刷層の上に粘着材及びセパレータを積層し、前記セパレータの積層が終了した後に、前記セパレータを残したまま前記基材シートから粘着材に達する切り込みを入れて、幅方向中央を境として縁取り層を内側と外側とに切り分け、前記切り分けられたものの内、縁取り層の外側だけを取り除いて、エンボス調の外観を備えた光輝印刷物を製造することを特徴とする。
なお、好ましくは、前記高輝度印刷層の上に、遮光性を備えた遮光塗料を用いて遮光層を形成し、前記遮光層の上に、粘着材及びセパレータをラミネート(積層)するとよい。
なお、好ましくは前記縁取り層の外側だけを取り除いた後、残った基材シートの表面にアプリケーションを貼着するとよい。
本発明に係る光輝印刷物及び光輝印刷物の製造方法によれば、印刷物の輪郭をくっきりと仕上げて、印刷物に明瞭なエンボス調の外観を与えられることができる。
(a)は貼着対象物に貼り付けられた状態での本発明の光輝印刷物の平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 貼着対象物に貼り付ける前の状態での光輝印刷物の断面図である。 本発明の光輝印刷物を印刷する工程の内、前段の工程を示す図である。 本発明の光輝印刷物を印刷する工程の内、後段の工程を示す図である。
[第1実施形態]
以下に、本発明の光輝印刷物1及び光輝印刷物1の製造方法を図を基に説明する。
図1(a)は、貼着対象物Wに貼り付けられた状態での、第1実施形態の光輝印刷物1の平面図を示している。図1(a)に示すように、光輝印刷物1は、電化製品や高級家具などに対して製品名、製造メーカなどを表示するために用いられたり、ラベルやステッカーにロゴなどを表示するために用いられるものである。図例の光輝印刷物1は、「Sanko」という文字を表示するステッカーであり、電化製品の筐体に貼り付けられている。光輝印刷物1は、この光輝印刷物1に設けられる印刷された文字や図形などの標章(以降、文字等2という)が二重に縁取られたようになっていて、この縁取りの作用で文字等2を見た人に文字等2がちょうど浮き出たようなエンボス調の外観を与えることができるようになっている。また、光輝印刷物1には後述する高輝度インキの作用で金属光沢が与えられている。
図1(b)は、貼着対象物Wに貼り付けられた状態での光輝印刷物1の断面図(図1(
a)のA―A線断面図)を示している。図1(b)に示すように、貼着対象物Wに貼り付けられた状態の光輝印刷物1は、図中の上から順番に基材シート3、高輝度印刷層4、遮光層5、粘着材層6から構成されており、この粘着材層6を介して貼着対象物W(本実施形態では電化製品の筐体)の表面に粘着されている。また、光輝印刷物1は、高輝度印刷層4の外縁に上述した縁取り作用を可能とする縁取り層7が設けられている。
次に、光輝印刷物1を構成する基材シート3、高輝度印刷層4、遮光層5、粘着材層6及び縁取り層7について、詳しく説明する。
基材シート3は、PET、ポリカーボネート、ナイロン、アクリルなどの合成樹脂フィルムまたは合成樹脂シートであり、文字等2(高輝度印刷層4)の表面を被覆することでこの高輝度印刷層4を保護する作用を備えている。また、基材シート3は、外部から入射された光を高輝度印刷層4に導き入れると共に高輝度印刷層4で反射した光を外部に取り出すことができるように、光透過性の合成樹脂フィルムまたは合成樹脂シート、言い換えれば透明または半透明の合成樹脂フィルムまたは合成樹脂シートで構成されている。なお、合成樹脂フィルムまたは合成樹脂シートが半透明であるとは、高輝度印刷層4の金属光沢を損なわない程度に光を透過するという意味であり、マット調の仕上げになっているものや、着色されたものも含まれる。基材シート3の厚みは、合成樹脂の種類に応じてさまざまにであるが、例えばPETフィルムの場合であれば50μm〜250μm程度とされる。
詳細は後述するが、この基材シート3は、貼着対象物Wに貼り付けられた状態での光輝印刷物1の場合、最上層に位置するが、光輝印刷物1を製造する際(例えば、図3に示す場合)には、最下層となるように配置される。
高輝度印刷層4は金属光沢を備えた高輝度インキを用いて形成(印刷)されたものである。また、高輝度インキは、金属光沢を備えた高輝度粒子と、この高輝度粒子を結合させる結合剤と、これら高輝度粒子及び結合剤を希釈する希釈溶剤とを有している。結合剤は、高輝度粒子同士を結合・固定させる粒子であり、セルローズ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などのような接着剤を用いることができる。希釈溶剤は、高輝度粒子及び結合剤を印刷しやすい粘度に調整するものであり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等の溶剤を適宜用いることができる。
図1(b)に示すように、遮光層5は高輝度印刷層4の下側(高輝度印刷層4と後述する粘着材層6との間)に位置し、上述した基材シート3及び高輝度印刷層4を透過した光を遮断する層であり、遮光性の高い遮光塗料などで形成されていて、いわゆる印刷物の「裏写り」を抑制できるものとなっている。つまり、貼着対象物Wの材質や模様によっては、基材シート3及び高輝度印刷層4を透過して、貼着対象物Wの表面パターンが印刷物に写り込んでしまう「裏写り」を起こす場合があり、「裏写り」が原因で文字等2の外観を悪くしてしまうことがある。そこで、上述した遮光層5を設けて、貼着対象物Wの表面パターンを外から見えないようにすることにより、「裏写り」を抑制することができる。
なお、この遮光層5は、貼着対象物Wの種類によっては「裏写り」を起こさないこともあるので、貼着対象物Wの種類に応じて適宜設けられる。
また、遮光性の高い遮光塗料には、例えば白、黒、グレーといったモノトーンのインキが、貼着対象物Wの色や模様に合わせて適宜用いられる。例えば、これらのインキをべた塗り状態で印刷部を全面に亘って覆うように印刷することにより、上述した遮光層5が形成される。
粘着材層6は、文字等2を貼着対象物Wに貼着するもの、言い換えれば基材シート3と高輝度印刷層4と遮光層5とを重ね合わせた積層体を貼着対象物Wに貼着するものである。具体的には、粘着材層6には、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤などの粘着剤が、材質などに合わせて適宜用いられる。
図1(b)に示すように、貼着対象物Wに貼着された後の状態においては、この粘着材層6は、光輝印刷物1を実際に電化製品などの貼着対象物Wに貼り付けるために用いられる。しかし、図2に示すように、貼着対象物Wに貼着する前の状態においては、本発明の
光輝印刷物1はセパレータ9(離形紙)を備えている。そして、この状態においては、上述した粘着材層6は、セパレータ9(離形紙)に予め塗工されており、セパレータ9を遮光層5に疑似接着するために用いられる。
図2は、貼着対象物Wに貼着する前の光輝印刷物1を示している。貼着対象物Wに貼着する前の状態では、光輝印刷物1の表面(図2では上面)にはアプリケーション8といわれるシートが貼着されている。
アプリケーション8は、貼着対象物Wに貼着する際に文字や図形の並びが崩れることを防止できるように、これらの図形や文字同士の平面的な配置を保持したまま貼着対象物Wに貼着できるように設けられている。つまり、このアプリケーション8は、互いに所定の距離をあけて配置された文字等2に対して、それぞれの文字や図形同士に跨るように基材シート3の表面に貼り付けられており、複数の文字や図形を動かないように固定してこれらの平面的な配置を保持できるようになっている。また、光輝印刷物1を貼着対象物Wに貼着するに際しては、文字や図形などの配置を貼着対象物W上で予め決めておき、粘着材層6を介して文字や図形など貼着してからアプリケーション8を剥離することで、文字や図形などを配置を崩すことなく貼着することができる。
ところで、本発明の光輝印刷物1は、高輝度印刷層4と基材シート3との間には、エンボス調の外観を付与すべく、透明な樹脂で形成されると共に、印刷しようとする図形の輪郭に沿って帯状に形成された縁取り層7が設けられていることを特徴とするものである。具体的には、縁取り層7を形成する樹脂には紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂が用いられていて、基材シート3、縁取り層7、及び高輝度印刷層4の3層、本例の場合は粘着材層6を含む4層は、いずれも印刷しようとする図形の輪郭に合致するように切断されると共に、それぞれの端面(切断面)が互いに面一となるようになっている。
縁取り層7は、透明な樹脂を塗工(印刷)することで形成された光透過層であり、高輝度印刷層4と基材シート3との間に配備されている。図2に示すように、縁取り層7は基材シート3の下面に隙間無く(面状態で)接着されており、さらに、この縁取り層7の下には高輝度印刷層4が積層されている。また、縁取り層7が設けられていない文字等2の中央側では、高輝度印刷層4と基材シート3とが直接面状態で接している。つまり、縁取り層7が設けられる文字等2の縁側にも、縁取り層7が設けられない文字等2の中央側にも、同様に高輝度印刷層4が形成されている。言い換えれば、高輝度印刷層4は、縁取り層7の表面を積層すると共に、縁取り層7より内側の基材シート3の表面を積層するように形成されている。
また、縁取り層7は、文字等2の縁から内側に向かって0.2mm〜0.5mm程度の幅に亘って形成されており、文字等2を見た人に文字等2が二重に縁取りされたような外観を与えることができ、エンボス調の外観を文字等2に付与することが可能となっている。
つまり、縁取り層7は、基材シート3と同様な透明な樹脂で形成されており、基材シート3の厚みを厚くするような作用を備えている。それゆえ、縁取り層7を文字等2の縁に設けると、縁取り層7が設けられた部分の透明な層の厚みが縁取り層7の分だけ中央より厚くなる。その結果、印刷物の縁に入射した光が、印刷物の中央とは異なった状態で反射するようになり、印刷物が手前側に向かって飛び出たようなエンボス調の外観を文字等2を見た人に付与することが可能となるのである。
縁取り層7は、紫外線を照射することで光重合反応が促進され、硬化反応が起こる透明な紫外線硬化樹脂、あるいは熱を加えることで硬化反応が起こる(または促進される)熱硬化性樹脂を用いて形成されている。このような紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂としては、例えばウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、または変性されたアクリレート系やメタクリレート系の合成樹脂を母材とするものが挙げられる。また、紫外線硬化樹脂の場合であれば、上述した母材に光重合開始剤を配合してなる合成樹脂を用いると良い。紫外線硬化樹脂の合成樹脂は、紫外線を照射すれば短時間で硬化が終了するため、塗工(印刷)後に短時間で硬化を完了させることができる。また、熱硬化性樹脂の合成樹脂には、製造現場に多く見られる加熱炉などに入れて加熱すれば硬化が促進される樹脂を用いること
ができる。このような熱硬化性樹脂の合成樹脂を縁取り層7の形成に用いることで、既存の設備を活かしつつ縁取り層7を形成することが可能となる。また、上述したように縁取り層7の塗工と硬化とを行った上で、高輝度インキの印刷に移行すれば、高輝度インキが縁取り層7に混じり合うことが無く、縁取り層7として透明なものを容易に得ることが可能となる。
さらに、上述した基材シート3、縁取り層7、及び高輝度印刷層4は、いずれも印刷しようとする文字等2の輪郭に合致するように垂直方向に切断されていて、端面(断層面)がいずれも互いに面一となるようになっている。このように基材シート3、縁取り層7、及び高輝度印刷層4の少なくとも3つの層の端面を面一にしておけば、文字や図形などの印刷物(文字等2)の輪郭が明瞭になり、エンボス調の外観もよりくっきりと目立って表現される。なお、縁取り層7の端面だけでなく、縁取り層7を含む少なくとも3つの層の端面を面一にしているのは、次のような理由からである。
つまり、上述したように予め硬化が終了している硬質な縁取り層7を切断しようとする場合に、縁取り層7だけを単独で切断しようとすると、切断中に縁取り層7が動いてひび割れなどが起こり、縁取り層7の切断面が荒れたものとなって平坦な端面が得られにくくなる。
しかし、本発明の光輝印刷物1のように、基材シート3、縁取り層7、及び高輝度印刷層4の3つの層を互いに重合させた状態で切断を行えば、基材シート3と高輝度印刷層4との間に挟み込まれることで縁取り層7が切断中に動くことがなくなり、切断中にぶれが無くなる分だけ縁取り層7の切断面が綺麗な平坦面となる。その結果、文字や図形などの印刷物(文字等2)の輪郭が明瞭になり、文字等2により鮮明なエンボス調の外観を付与することが可能となる。
なお、上述した粘着材層6は、文字等2の外形(製品外形)よりやや小さく形成されていても良いし、文字等2の外形と全く同じ外形に形成されていても良い。文字等2の外形と粘着材層6の外形とが同じ場合は、基材シート3、縁取り層7、高輝度印刷層4の3層だけでなく、粘着材層6を含めた4層の端面が面一となる。
次に、本発明の光輝印刷物1の製造方法について、詳しく説明する。
図3及び図4に示すように、本発明の光輝印刷物1の製造方法は、次の(1)〜(8)の工程を備えている。すなわち、本発明の製造方法は、(1)縁取り印刷工程→(2)紫外線硬化工程→(3)高輝度印刷工程→(4)遮光層形成工程→(5)ラミネート工程→(6)ハーフカット工程→(7)エッジ取り工程→(8)アプリケーション貼着工程を経て、図2に示すような光輝印刷物1を印刷するものである。なお、以降では、縁取り層7に紫外線硬化樹脂を用いたものであって、粘着材が予め設けられたセパレータ9を遮光層5の上からラミネートする製造方法の例を示している。
なお、これらの工程のうち、(4)遮光層形成工程は、適宜行われるものであり、必須の工程ではない。また、文字等2の文字や図形が互いに切り分けられないような場合は、(8)アプリケーション貼着工程を設けない場合もある。
次に、本発明の製造方法を構成する(1)〜(8)の工程について詳しく説明する。
図3(a)に示すように、縁取り印刷工程は、印刷前の基材シート3の表面に、透明な紫外線硬化樹脂を用いて、これから印刷しようとする図形の輪郭に沿って縁取り印刷を行うものである。例えば、図例の文字等2の場合であれば、矢印で示された範囲が製品外形(標章を設ける範囲)となっており、この製品外形を覆うように後述する高輝度印刷層4が設けられることになる。そして、縁取り印刷は製品外形の境界線の内側と外側とに跨るように印刷機又はコータを用いて行われ、縁取り層7のちょうど中心を製品外形の境界線が通ることになる。このようにして縁取り印刷工程が行われた後は、紫外線硬化工程が行われる。
図3(a)に示すように、紫外線硬化工程は、縁取り印刷工程で印刷された縁取り層7に対して、紫外線を照射して縁取り層7の硬化を促進させるものである。すなわち、縁取り印刷を行う印刷機やコータには払い出し側などに紫外線照射ライトなどが設けられており、基材シート3に印刷(塗工)された縁取り層7に、印刷後に紫外線を照射できるよう
になっている。
紫外線が照射された縁取り層7は、紫外線の作用で光重合開始剤にラジカルが生成し、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、または変性されたアクリレート系やメタクリレート系の母材の重合反応が進んで、短時間で硬化が完了する。このような紫外線硬化工程を経ることで、基材シート3の表面に硬質且つ透明な紫外線硬化樹脂で形成された縁取り層7が形成される。
図3(b)に示すように、上述した紫外線硬化工程が終了した基材シート3に対しては、高輝度印刷工程が行われる。高輝度印刷工程は、上述した製品外形を全域に亘ってカバーするように、高輝度インキを用いて縁取り層7を上から塗りつぶすように印刷を行うものである。このようにすれば、縁取り層7の表面と、縁取り層7が設けられていない基材シート3の表面とに、高輝度インキから成る高輝度印刷層4が形成される。この高輝度インキは、上述した高輝度粒子、結合剤及び希釈溶剤を混合したものであり、印刷後に乾燥を行って希釈溶剤を揮発させることで定着される。このようにして高輝度印刷工程を経た基材シート3に対しては、遮光性を備えた遮光塗料を用いて遮光層5を形成される。
図3(c)に示すように、遮光層5は、高輝度印刷工程により形成された高輝度印刷層4の表面を覆うように遮光塗料を塗工する遮光層形成工程により形成される。本実施形態では例えば黒または白色などのモノトーンの塗料をベタ印刷することで、この遮光層5を形成する。なお、遮光層形成工程は、高輝度インキが薄い場合などに適宜行われるものであり、必須の工程ではない。遮光層形成工程により遮光層5が形成された基材シート3(あるいは高輝度印刷工程により高輝度印刷層4が形成された基材シート3)に対しては、次のラミネート工程で粘着材及びセパレータ9がラミネート(積層)される。
図3(d)に示すように、ラミネート工程は、遮光層形成工程により形成された遮光層5の上に、粘着材を介してセパレータ9を積層する工程である。このセパレータ9には予め粘着材が塗工されており、セパレータ9は予め設けられた粘着材(上述したようなアクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤など)を介して遮光層5の上に貼り合わされる。このようにして粘着材及びセパレータ9が積層されたら、ハーフカット工程に進む。
図4(e)は、ハーフカット工程を示したものである。なお、説明の便宜のため、この図4(e)以降に示す光輝印刷物1の中間体については、図3(a)〜図3(d)に示されたものとは表裏を反対にして図示している。
図4(e)に示すように、ハーフカット工程は、セパレータ9のラミネートが終了した後に、セパレータ9を残したまま基材シート3から粘着材層6に達する切り込みを入れて、縁取り層7をその中央から内側と外側とに切り分ける工程である。この切り込みには、刃先が鋭利なカッターなどを用いるか、あるいは赤外線レーザなどを用いたレーザーカッターあるいは研磨粒子などを含むジェット水流を用いたウォータカッターなどを利用することができる。
このようにセパレータ9に貼り付けたまま基材シート3から粘着材層6までをカットすれば、特に切断中に動きやすい縁取り層7をしっかりと固定したまま切断することができ、ぶれ無く縁取り層7を綺麗に切断することができる。その結果、文字や図形などの文字等2の輪郭が明瞭になり、鮮明なエンボス調の外観を付与することが可能となるのである。
このようにして縁取り層7の中央に切り込みを入れたら、図4(f)に示すようなエッジ取り工程で、切り込みの外側だけを取り除く。このようにエッジ取り工程で切り込みの外側だけを切り離せば、切り込みより内側の縁取り層7の表面、及び縁取り層7より内側の基材シート3の表面に、高輝度印刷層4、遮光層5及び粘着材層6などが残る。
そして、最後に、図4(g)に示すアプリケーション貼着工程において縁取り層7の外側を取り除いた後、残った基材シート3の表面にアプリケーション8を貼着し、図2に示すような光輝印刷物1を得ることができる。
以上の工程で製作した光輝印刷物1であれば、縁取り層7の切断面が綺麗な平坦面となり、その結果として文字や図形などの文字等2の輪郭が明瞭になり、鮮明なエンボス調の
外観を付与することが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操作手順、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
例えば、縁取り層7に紫外線硬化樹脂を用いた場合には上述したような紫外線硬化工程が行われるが、縁取り層7に熱硬化性樹脂を用いた場合には紫外線硬化工程に代えて熱硬化工程を行っても良い。例えば、縁取り印刷工程で縁取り層7が印刷された基材シート3に対して、熱乾燥炉を用いて加熱を行えば、紫外線硬化性樹脂を用いた場合と同様に縁取り層7の硬化を促進させることができる。
例えば、上述した粘着材は、既知のコータなどを用いて遮光層5の表面に直接塗工されていても良い。
1 光輝印刷物
2 文字等
3 基材シート
4 高輝度印刷層
5 遮光層
6 粘着材層
7 縁取り層
8 アプリケーション
9 セパレータ
W 貼着対象物

Claims (6)

  1. 光透過性の基材シートと、標章の図形を金属粉末を含む高輝度インキを用いて印刷することで形成された高輝度印刷層と、粘着材層とが順に積層されてなる光輝印刷物であって、
    前記基材シートと高輝度印刷層との間には、エンボス調の外観を付与すべく、透明な樹脂で形成されると共に、印刷しようとする標章の輪郭に沿って帯状に形成された縁取り層が設けられていることを特徴とする光輝印刷物。
  2. 前記縁取り層を形成する樹脂には紫外線硬化樹脂が用いられていて、
    前記基材シート、縁取り層、及び高輝度印刷層は、いずれも印刷しようとする標章の輪郭に合致するように切断されると共に、それぞれの切断面が互いに面一とされていることを特徴とする請求項1に記載の光輝印刷物。
  3. 前記高輝度印刷層と粘着材層との間に、遮光性を備えた遮光塗料を用いた遮光層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光輝印刷物。
  4. 光透過性の基材シートの表面に、透明な合成樹脂を用いて、これから印刷しようとする標章の輪郭に沿って縁取り印刷を行い、
    前記縁取り印刷された合成樹脂を硬化させることにより、透明な合成樹脂からなる縁取り層を形成し、
    前記金属粉末を含む高輝度インキを用いて、前記縁取り層の表面と内側とに印刷を行って高輝度印刷層を形成し、
    前記高輝度印刷層の上に粘着材及びセパレータを積層し、
    前記セパレータの積層が終了した後に、前記セパレータを残したまま前記基材シートから粘着材に達する切り込みを入れて、幅方向中央を境として縁取り層を内側と外側とに切り分け、
    前記切り分けられたものの内、縁取り層の外側だけを取り除いて、エンボス調の外観を備えた光輝印刷物を製造することを特徴とする光輝印刷物の製造方法。
  5. 前記高輝度印刷層の上に、遮光性を備えた遮光塗料を用いて遮光層を形成し、
    前記遮光層の上に、粘着材を介してセパレータをラミネートすることを特徴とする請求項4に記載の光輝印刷物の製造方法。
  6. 前記縁取り層の外側だけを取り除いた後、残った基材シートの表面にアプリケーションを貼着することを特徴とする請求項4または5に記載の光輝印刷物の製造方法。
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