[第1の実施の形態]
本発明に係る遊技板の構成を以下において具体的に説明する。図1(a)は、本発明に係る遊技板の第1の実施の形態の例を示す断面図である。第1の実施の形態に係る遊技板1は、少なくとも、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層2、オフセット印刷絵柄層2を保護するためのハードコート層3を、シート状に形成された透光性を有するフィルム部材4の上に積層した絵柄形成部材5と、板状に形成された基材6とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に表印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図1(a)に示すように、本実施の形態に係る遊技板1は、基材6と絵柄形成部材5とが接着剤層7を介して積層されている。絵柄形成部材5は、遊技板1において所定の絵柄が形成された部材であり、フィルム部材4の上にオフセット印刷絵柄層2とハードコート層3とが順次積層されて形成されている。
基材6は、遊技板1の基板となる部材である。基材6は、例えば透光性を有する材料で形成することが好ましい。「透光性を有する」とは、無色透明であることが好ましいが、薄い色で着色したものであってもよい。この場合には、オフセット印刷絵柄層2に影響を与えない程度の着色であることが好ましい。基材6としては、例えば合成樹脂材料又はガラス材料等を用いることができ、その中でも、透光性を有する樹脂材料により形成されることがより好ましい。合成樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等が例示される。合成樹脂材料として透光性が求められる場合には、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル・スチレン共重合体、メタアクリル酸メチル・スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。また、軽量化を求める場合には、合成樹脂発泡体を使用することも可能である。この場合には、機械的強度等の観点から低発泡倍率のものが好ましい。なお、基材6を形成する材料は、上記したものに限定されず、これら以外のものを任意に選択して適宜用いてよい。基材6は、厚さが10〜20mmのものを用いることが好ましい。この範囲の厚さのものを用いることで、軽量かつ機械的強度を有する基材6とすることができる。
基材6は、表面が平滑面となるように形成してもよいし、予め開口部等を開口形成してもよい。また、表面等に段差を設けるように形成してもよい。基材6は、射出成形により成形されるのが好ましい。射出成形で成形することにより、基材6に開口や凹凸を容易に設けることができ、基材6の形状の自由度を大幅に向上させることができる。
絵柄形成部材5を構成するフィルム部材4は、絵柄形成部材5のベースとなるシート状の部材であり、基材6と略同一の大きさに形成されている。このフィルム部材4を形成する材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル・スチレン共重合体、メタアクリル酸メチル・スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)等が例示され、これらの中でもポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)を用いることが好ましい。なお、フィルム部材4を形成する材料は、上記したものに限定されず、これら以外のものを任意に選択して適宜用いてよい。図1(a)に示すように、フィルム部材4はオフセット印刷絵柄層2と接着剤層7との間に形成される。すなわち、フィルム部材4は、表面側にオフセット印刷絵柄層2が積層され、裏面側に接着剤層7が積層されている。このフィルム部材4は、透光性を有することが好ましい。
オフセット印刷絵柄層2は、遊技板1の絵柄となる層で、フィルム部材4とハードコート層3との間に積層されている。オフセット印刷絵柄層2は、オフセットインクを用いて、フィルム部材4の上にオフセット印刷することにより形成される。オフセット印刷絵柄層2に形成されるオフセット絵柄は、絵柄の他に図柄、画像、模様文字等が含まれる。オフセット印刷絵柄層2は、フィルム部材4の上において、該フィルム部材4の全面にベタ状に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。
オフセット印刷絵柄層に用いるオフセットインクとしては、ベヒクルに顔料、染料等の着色剤、つや消し剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を必要に応じて添加して用いることができる。ベヒクルとしては、ロジン、セルロース誘導体、塩化ゴム、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、乾性油又は半乾性油等の植物油脂、溶剤等が挙げられ、これに着色剤、添加剤等を加えてオフセット印刷絵柄層に用いるオフセットインクが得られる。
インクに用いる着色剤である顔料又は染料としては、有機顔料とカーボンブラックが主に用いられ、無機顔料としては、白色顔料としてチタンホワイト、亜鉛華、三酸化アンチモン等が挙げられる。また、体質顔料として用いられる炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等も用いることができる。また、つや消し剤としては、つや消し塗料として用いられる炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、珪酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、1パルミチン酸アルミニウム等が挙げられる。
また、紫外線の照射により硬化する樹脂に各種顔料を加えたUVインクをオフセットインクに用いてもよい。UVインクとして用いることができる樹脂材料としては、重合性不飽和結合やエポキシ基を有する樹脂等が用いられ、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹脂及びこれらの樹脂のオリゴマー、プレポリマー又はこれらにモノマーを加えたもの等が挙げられる。樹脂としては、上記オリゴマー、プレポリマーにモノマーを加えたものであってもよい。これらの樹脂には硬化促進する目的で重合開始剤を添加するのが好ましい。該重合開始剤としては、アセチルフェノン類等が挙げられる。また、顔料としては、有機顔料、カーボンブラック、無機顔料(チタンホワイト等)、体質顔料(つや消し顔料、炭酸カルシウム等)等から求める色相に応じて選択し、組み合わせて用いることができる。
この場合、紫外線照射には、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が用いられ、紫外線を0.5〜5秒程度照射して塗工膜を硬化させる。塗工から硬化までの工程は、連続して行われるのが好ましい。
ハードコート層3は、オフセット印刷絵柄層2を保護するためのもので、該オフセット印刷絵柄層2の上に、少なくとも該オフセット印刷絵柄層2の全面を覆うように積層されている。すなわち、ハードコート層3は、オフセット印刷絵柄層2が設けられている部分及び設けられていない部分の区別なく積層されている。このハードコート層3は、該ハードコート層3として使用することができるインクを印刷等すること、又はハードコート層3として使用することができる保護フィルムを積層することによって形成される。ハードコート層3は、オフセット印刷絵柄層2を外部から加わる衝撃等から保護することができる硬度を有することが好ましい。具体的には、ハードコート層3は、HB〜3Hの範囲内の鉛筆硬度であることが好ましく、H〜2Hの範囲内の鉛筆硬度であることがより好ましい。ハードコート層3の硬度を上記した範囲内とすることにより、オフセット印刷絵柄層2を外部から加わる衝撃等から確実に保護することができ、かつ、遊技釘が打刻された場合等に、傷や割れの発生を防止することができる。また、ハードコート層3は、厚さが5μm〜50μmとなるように形成することが好ましく、7μm〜20μmとなるように形成することがより好ましい。ハードコート層3を上記した範囲内の厚さにすることで、上記した範囲内の鉛筆硬度を有するハードコート層3を安価に形成しやすくすることができる。
保護フィルムに積層される接着剤は、保護フィルムの一方側の面に積層されている。この接着剤は、加圧により接着するもののほか、加熱により接着するもの、加圧及び加熱により接着するものであることが好ましい。接着剤は、シルク印刷、オフセット印刷又はロールコータによる塗布等が挙げられるが、これら以外の方法であってもよい。この接着剤は、厚みが20μm〜80μmであることが好ましく、20μm〜25μmであることがより好ましい。接着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコン系、ウレタン系接着剤を用いることが好ましい。
なお、図1(a)においては、ハードコート層3はオフセット印刷絵柄層2の上に積層する例について説明しているが、絵柄の態様によっては、フィルム部材4の表面にオフセット印刷絵柄層が積層されていない箇所が存在する場合もある。この場合には、ハードコート層3は、フィルム部材4の表面に積層される。すなわち、本実施の形態では、絵柄の態様、即ちオフセット印刷絵柄層2の積層態様によっては、ハードコート層3は、フィルム部材4の表面に積層される箇所と、オフセット印刷絵柄層2の表面に積層される箇所とが存在する。なお、これは一つの例であり、例えばオフセット印刷絵柄層2を形成する際に、クリアインク等を用いることによってオフセット印刷絵柄層2をフィルム部材4に対してベタ状に積層させた場合には、ハードコート層3はオフセット印刷絵柄層2の表面に積層されることになる。
接着剤層7は、基材6と、絵柄形成部材5を構成するフィルム部材4との間に形成されており、絵柄形成部材5と基材6とを貼り付けるために形成された層である。接着剤層7は、接着剤をフィルム部材4の裏面に積層させることで形成される。積層させる方法としては、シルク印刷、オフセット印刷又はロールコータによる塗布等が挙げられるが、これら以外の方法であってもよい。また、接着剤層7は、厚みが10〜200μmであることが好ましく、15〜20μmであることがより好ましい。また、接着剤層7に用いられる接着剤は、耐熱性を有しているものが用いられており、好ましくは60℃において劣化しないもの、より好ましくは80℃において劣化しないものが用いられる。例えば、接着剤層7に用いられる接着剤としては、ポリベンズイミダゾール系、ポリアミドイミド系、ポリイミド系、アクリル系、エポキシ系、シリコン系接着剤が挙げられる。また、接着剤層7に使用される接着剤としては、加熱することにより接着するもの、加圧することにより接着するもの、加熱及び加圧することにより接着するものであることが好ましい。
このように、本実施の形態に係る遊技板1は、オフセット印刷絵柄層2を形成することで遊技板1の絵柄を形成している。オフセット印刷絵柄層は、層の厚みが1μm〜4μmと薄く形成することができるので、光が透過しやすい。したがって、本実施の形態に係る遊技板1では、オフセット印刷絵柄層2に形成された絵柄による演出に加え、オフセット印刷絵柄層2を透過する光による演出を組み合わせて行うことができる。即ち、オフセット印刷絵柄層2の絵柄による演出を行う場合と、オフセット印刷絵柄層2の絵柄による演出及び透過する光による演出を組み合わせて行う場合とによって異なる演出を行うことができ、遊技者の興趣を向上させる演出のバリエーションを増やし、多彩な演出を行うことが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板1は、絵柄形成部材と基材とを耐熱性を有する接着剤で形成された接着剤層を介して接着して構成されているので、温度や湿度の変化等によって接着剤層を構成する接着剤が劣化するのを防止することができる。そのため、絵柄形成部材の剥がれや皺のよりを確実に防止することが可能になる。
また、本実施の形態に係る遊技板1は、フィルム部材4の上にオフセット印刷絵柄層2を積層しているので、枚葉に切断したシート状のフィルム部材4の上にオフセット印刷絵柄層2及びハードコート層3を順次積層させることができる。そのため、本実施の形態に係る遊技板1を製造する場合には、長尺体のフィルム部材を使用して絵柄形成部材5を形成しなくてもよく、遊技板1の製造コストを大幅に低減することができる。特に、本実施の形態に係る遊技板1は、上記構成にすることで、大量生産及び少量生産のいずれにも低コストで柔軟に対応することができ、特に少量生産を行う場合には、低コストな遊技板を提供することが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板1は、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層を形成して遊技板の絵柄を形成するので、印刷された絵柄も、より細かいドットによりきめ細やかな配色を施すことができ、よりきれいな絵柄を形成することが可能になる。
[第1の実施の形態の製造方法]
次に、本実施の形態に係る遊技板1の製造方法を説明する。本実施の形態に係る遊技板1の製造方法は、シート状に形成されたフィルム部材4の一方の面に対してオフセット印刷により形成された所定の絵柄からなるオフセット印刷絵柄層2を積層し、次にオフセット印刷絵柄層を保護するためのハードコート層3を該オフセット印刷絵柄層2に対して積層して絵柄形成部材5を形成し、その次に、オフセット印刷絵柄層2及びハードコート層3が積層されていないフィルム部材4の他方の面に耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層7を積層し、さらに、基材6の表面と接着剤層7の表面とを重ね合わせて接着し、遊技板1を製造することを特徴とするものである。
図2(a)に示すのは、絵柄形成部材5を構成するフィルム部材4の一方の面に対して、オフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層2が積層されている態様である。このフィルム部材4に対してオフセット印刷絵柄層2を積層することで、遊技板1として使用する際に必要な絵柄を、小さなドット径により鮮明に形成することができる。また、オフセット印刷絵柄層2は、厚みが1μm〜4μmと薄く形成することができるので、光の透過性に優れた絵柄層として形成することができる。そのため、絵柄自体の鮮やかさによる演出効果と、光の発光態様や発光強度を変化させることによる光を用いた演出効果とを組み合わせることによって、遊技者に対してより遊技の興趣を向上させることができる演出を行うことが可能になる。
次に、図2(b)に示すように、オフセット印刷絵柄層2の一方の面に対してハードコート層3を積層させる。ハードコート層3は、該ハードコート層3に用いられるインクを印刷等により塗布して形成する場合には、オフセット印刷絵柄層2の上に該インクを塗布することで積層する。また、ハードコート層3は、保護フィルムを積層する場合には、該保護フィルムの一方の面に積層された接着剤の表面とオフセット印刷絵柄層2の表面と対向させて積層する。このように、フィルム部材4の上にオフセット印刷絵柄層2及びハードコート層3を積層させることにより、絵柄形成部材5が形成される。なお、図2(b)では、印刷によりハードコート層3を形成した例を示す。保護フィルムを積層してハードコート層3を形成する場合には、ハードコート層3は、保護フィルムと接着剤とが積層された構成になっており、オフセット印刷絵柄層2の上に接着剤が積層され、さらに接着剤の上に保護フィルムが積層される構成となる。
次に、図2(c)に示すように、絵柄形成部材5を構成するフィルム部材4の下面に接着剤層7を形成する。接着剤層7は、シルク印刷、オフセット印刷又はロールコータによる塗布等によって積層される。この接着剤層7は、フィルム部材4の下面に対して全体的に積層してもよいし、部分的に積層してもよい。また、このように形成される接着剤層7の厚みは10μm〜200μmであることが好ましく、15μm〜20μmであることがより好ましい。
次に、図2(d)に示すように、接着剤層7を積層させた絵柄形成部材5を基材6に積層させる。この時、絵柄形成部材5は、フィルム部材4の下面に積層された接着剤層7の表面と基材6の表面とを対向させるようにして、基材6の表面に積層される。そして、接着剤層7を構成する接着剤が加圧により接着するものである場合には例えば加圧ローラで加圧し、該接着剤が加熱により接着するものである場合には加熱ローラ又は平板状の加熱板を用いて加熱し、該接着剤が加圧及び加熱により接着するものである場合には、加熱された加圧ローラ等を用いて加圧及び加熱することで接着し、本実施の形態に係る遊技板1が製造される。なお、上記した加圧及び/又は加熱の方法は例示であり、これ以外の方法により加圧及び/又は加熱を行ってもよい。また、接着の方法としては、加圧及び/又は加熱以外の方法であってもよい。
このように、本実施の形態に係る遊技板1の製造方法では、シート状のフィルム部材4の上にオフセット印刷絵柄層2とハードコート層3とを順次積層させて絵柄形成部材5を形成し、この絵柄形成部材5を構成するフィルム部材4の下に接着剤層7を積層させ、該接着剤層7の表面と基材6の表面とを対向させて基材6と接着剤層7とを接着して遊技板1を製造する。そのため、絵柄形成部材5をシート状に形成することができ、大量生産及び少量生産のいずれを行う場合にも製造コストを低く抑えることが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板1の製造方法では、膜厚の薄いオフセット印刷絵柄層2を積層させているので、光の透過性が良好な遊技板1を製造することが可能になり、絵柄自身の演出効果と透過する光による演出効果とを組み合わせて、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させるような演出効果を得ることができる遊技板1を製造することが可能になる。
[第1の実施の形態の別の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第1の実施の形態の別の形態を図1(b)に基づいて説明する。図1(b)は、本発明に係る遊技板の第1の実施の形態の別の形態の例を示す断面図である。なお、第1の実施の形態の別の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本形態に係る遊技板11は、少なくとも、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層12を、該オフセット印刷絵柄層12を保護するためのハードコート層13と積層させて形成した絵柄形成部材14と、板状に形成された基材15とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とし、一般に裏印刷と呼ばれる印刷、すなわち印刷面の反対側から見た時所望の絵柄等となるような印刷が施されたものである。
図1(b)に示すように、本実施の形態に係る遊技板11は、基材15と絵柄形成部材14とが接着剤層16を介して積層されている。即ち、基材15の上には、接着剤層16と絵柄形成部材14とが順次積層されており、絵柄形成部材14は、接着剤層16の上に位置するオフセット印刷絵柄層12及びハードコート層13が順次積層されている。
ハードコート層13は、オフセット印刷絵柄層12を保護するためのもので、少なくとも該オフセット印刷絵柄層12の全面を覆うように積層されている。即ち、ハードコート層13は、オフセット印刷絵柄層12が形成されている部分及び該オフセット印刷絵柄層12が形成されていない部分の区別なく積層されている。このハードコート層13は、シート状に形成された保護フィルムにより形成されている。この保護フィルムは、該ハードコート層13として使用することができるインクを印刷等することによりシート状に形成してもよいし、シート状に形成されたフィルムを用いてもよい。
ハードコート層13は、印刷等することによってシート状に形成する場合には、該ハードコート層13として使用することができるインクを、シルク印刷、オフセット印刷又はロールコータによる塗布等により積層させることで形成される。また、シート状に形成されたフィルムをハードコート層13に用いる場合には、このフィルムを用いることで形成される。この場合に用いられるフィルムは、少なくともオフセット印刷絵柄層12の表面を覆うことができる大きさに形成されており、好ましくは遊技板11と略同一の大きさに形成されている。フィルムは、厚さが5μm〜50μmであることが好ましく、7μm〜20μmであることがより好ましい。フィルムを形成する材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、繊維素系樹脂(セルロース系樹脂)等が挙げられる。また、保護フィルムは、透光性を有することが好ましい。
オフセット印刷絵柄層12は、遊技板11の絵柄となる層で、本実施の形態では接着剤層16とハードコート層13との間に積層されている。オフセット印刷絵柄層12は、オフセットインクを用いて、ハードコート層13の上にオフセット印刷することにより形成される。オフセット印刷絵柄層12に形成される絵柄は、絵柄の他に図柄、画像、模様文字等が含まれる。オフセット印刷絵柄層12は、ハードコート層13に対して、該ハードコート層13の全面にベタ状に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。
[第1の実施の形態の別の形態の製造方法]
次に、本実施の形態に係る遊技板11の製造方法を説明する。本実施の形態に係る遊技板11の製造方法は、少なくとも、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層12を、該オフセット印刷絵柄層12を保護するためのハードコート層13の一方側の面に対してオフセット印刷して形成することにより絵柄形成部材14を形成し、該絵柄形成部材14と、板状に形成された基材15とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けて遊技板11を製造することを特徴とするものである。
図3(a)に示すのは、絵柄形成部材14を構成するハードコート層13の一方の面に対して、オフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層12が積層されている態様である。ハードコート層13には、オフセット印刷、シルク印刷等によってインクを印刷等することによりシート状に形成されたものであるか、又はシート状に形成されたフィルムが用いられる。本実施の形態では、このように形成されたハードコート層13に対して、オフセット印刷絵柄層12を構成する絵柄をオフセット印刷により積層し、絵柄形成部材14を形成する。このように、ハードコート層13に対してオフセット印刷絵柄層12を積層することで、遊技板11として使用する際に必要な絵柄を、小さなドット径により鮮明に形成することができる。また、オフセット印刷絵柄層12は、厚みが1μm〜4μmと薄く形成することができるので、光の透過性に優れた絵柄層として形成することができる。そのため、絵柄自体の鮮やかさによる演出効果と、光の発光態様や発光強度を変化させることによる光を用いた演出効果とを組み合わせることによって、遊技者に対して遊技の興趣を向上させる演出を行うことが可能になる。
次に、図3(b)に示すように、絵柄形成部材14を構成するオフセット印刷絵柄層12の下面(オフセット印刷絵柄層12が積層していない部分がある場合には、ハードコート層13の下面。以下においては、オフセット印刷絵柄層12等の下面と言う。)に接着剤を塗布し、接着剤層16を形成する。接着剤層16は、シルク印刷、オフセット印刷又はロールコータによる塗布等によって積層される。この接着剤層16は、オフセット印刷絵柄層12等の下面に対して全体的に積層してもよいし、部分的に積層してもよい。また、形成される接着剤層16の厚みは10μm〜200μmであることが好ましく、15μm〜20μmであることがより好ましい。
次に、図3(c)に示すように、接着剤層16を積層させた絵柄形成部材14を基材15に積層させる。この時、絵柄形成部材14は、オフセット印刷絵柄層12の下面に積層された接着剤層16の表面と基材15の表面とを対向させるようにして、基材15の表面に積層する。そして、接着剤層16を構成する接着剤が加圧により接着するものである場合には例えば加圧ローラで加圧し、該接着剤が加熱により接着するものである場合には加熱ローラ又は平板状の加熱板を用いて加熱し、該接着剤が加圧及び加熱により接着するものである場合には、加熱された加圧ローラ等を用いて加圧及び加熱することで接着し、本実施の形態に係る遊技板11が製造される。なお、上記した加圧及び/又は加熱の方法は例示であり、これ以外の方法により加圧及び/又は加熱を行ってもよい。また、接着の方法としては、加圧及び/又は加熱以外の方法であってもよい。
このように、本実施の形態に係る遊技板11によっても、先に説明した第1の実施の形態に係る遊技板と同様の効果を得ることができる。特に、本形態に係る遊技板は、絵柄形成部材14がオフセット印刷絵柄層12及びハードコート層13が順次積層されて形成されているので、絵柄形成部材14の厚さをより薄くすることができ、より光を透過しやすくすることが可能になる。したがって、本実施の形態に係る遊技板11によれば、オフセット印刷絵柄層12の絵柄による演出を行う場合と、オフセット印刷絵柄層12の絵柄による演出及び光による演出を組み合わせて行うことができ、特に該絵柄と光による演出を組み合わせて行う場合の演出効果を向上させ、遊技者の興趣をより向上させる演出を行い、かつこの演出のバリエーションを増加させることが可能になる。
本実施の形態に係る遊技板11の製造方法は、シート状に形成されたハードコート層13に対してオフセット印刷絵柄層12を積層して絵柄形成部材14を形成し、この絵柄形成部材14を構成するオフセット印刷絵柄層12を構成するオフセット印刷絵柄層12に接着剤層16を積層させ、該接着剤層16の表面と基材15の表面とを対向させて基材15と接着剤層16とを接着して遊技板11を製造する。そのため、本実施の形態に係る遊技板11の製造方法によっても、絵柄形成部材14をシート状に形成することができ、大量生産及び少量生産のいずれを行う場合にも製造コストを低く抑えることが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板11の製造方法では、膜厚の薄いオフセット印刷絵柄層12を積層させているので、光の透過性が良好な遊技板11を製造することが可能になり、絵柄自身による演出効果と透過する光による演出効果とを組み合わせて、遊技者の興趣をより向上させることができる演出効果を得られる遊技板11を製造することが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板11の製造方法では、順次積層する各層の構成を少なくすることができる。そのため、遊技板11を製造する場合の工程数を大幅に減少することができ、製造効率を飛躍的に向上させることが可能になる。また、各層の構成を少なくすることができるので、遊技板11の製造コストも大幅に減少させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第2の実施の形態を図4(a)に基づいて説明する。図4(a)は、本発明に係る遊技板の第2の実施の形態の例を示す断面図である。なお、第2の実施の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本実施の形態に係る遊技板21は、シート状に形成された透光性を有するフィルム部材22の上に、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層23、該オフセット印刷絵柄層23の一方側の面に積層され、光の透過を遮るための隠蔽層24、オフセット印刷絵柄層23の他方側の面に積層され、該オフセット印刷絵柄層23を保護するためのハードコート層25を、隠蔽層24の表面とフィルム部材22の表面とを対向するように積層させた絵柄形成部材26と、板状に形成された基材27と、を有し、これら絵柄形成部材26と基材27とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に表印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図4(a)に示すように、本実施の形態に係る遊技板21は、基材27と絵柄形成部材26とが接着剤層28を介して積層されている。即ち、基材27の上には、接着剤層28と絵柄形成部材26とが順次積層されており、絵柄形成部材26は、接着剤層28の上に位置するフィルム部材22、隠蔽層24、オフセット印刷絵柄層23、及びハードコート層25が順次積層されている。
隠蔽層24は、絵柄形成部材26において、オフセット印刷絵柄層23とフィルム部材22との間に積層されている。即ち、隠蔽層24は、フィルム部材22よりも上層側であって、かつオフセット印刷絵柄層23の下層側に位置するように積層される。隠蔽層24は、ハードコート層25側から見た場合に、光の透過を遮る箇所に設けられる。隠蔽層24は、オフセット印刷絵柄層23の裏面全面に設けられることは少ない。また、隠蔽層24は、オフセット印刷絵柄層23が形成されていない部分、即ち遊技板21において絵柄の印刷がされていない部分に設けてもよい。
隠蔽層24は、白色色素を含むインクを用いて、シルク印刷、オフセット印刷又はロールコータによる塗布等のような印刷方法によって設けられる。隠蔽層24に用いられるインクとしては、ベヒクルに白色染料又は白色無機顔料、添加剤等を加えたものが挙げられる。なお、白色色素を含むインクには、蛍光性を有する染料、顔料が含まれていてもよい。ベヒクルとしては、ロジン、セルローズ誘導体、塩化ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、乾性油又は半乾性油等の植物油脂、溶剤等が挙げられる。また、白色無機顔料としては、チタンホワイト、亜鉛華、三酸化アンチモン等が挙げられる。
本実施の形態に係る遊技板21によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、隠蔽層24を積層することで、光の透過を遮る場所を確実に遮光することができる。したがって、遊技板21の絵柄等において、光を透過することで変色したり、不自然な色合いの絵柄になることを確実に防止することができ、より自然な色合いの絵柄を形成することが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板21によれば、オフセット印刷絵柄層23に形成された絵柄自身による演出効果と、遊技板21を透過する光による演出効果に加え、隠蔽層24で遮光することで、オフセット印刷絵柄層23に形成された絵柄自身の色合いをより鮮明にすることによる演出効果を組み合わせることができる。したがって、これらの演出効果を組み合わせることにより、さらに遊技者の興趣を向上させる演出態様のバリエーションを増加させることも可能になる。
本実施の形態に係る遊技板21は、シート状に形成されたフィルム部材22の一方の面に対して、シルク印刷等の適宜な方法により隠蔽層24を積層し、該隠蔽層24の上にオフセット印刷により形成された所定の絵柄からなるオフセット印刷絵柄層23を積層し、次にオフセット印刷絵柄層23を保護するためのハードコート層25を該オフセット印刷絵柄層23に対して積層して絵柄形成部材26を形成し、その次に、隠蔽層24、オフセット印刷絵柄層23及びハードコート層25が積層されていないフィルム部材22の他方の面に耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層28を積層させて、さらに基材27の表面と接着剤層28の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本実施の形態に係る遊技板21の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本実施の形態に係る遊技板21の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能である。
[第2の実施の形態の別の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第2の実施の形態の別の形態を図4(b)に基づいて説明する。図4(b)は、本発明に係る遊技板の第2の実施の形態の別の形態の例を示す断面図である。なお、第2の実施の形態の別の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本形態に係る遊技板31は、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層32、及び光の透過を遮る隠蔽層33を、少なくとも該オフセット印刷絵柄層32を保護するためのハードコート層34に積層させて形成した絵柄形成部材35と、板状に形成された基材36とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に裏印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図4(b)に示すように、本形態に係る遊技板31は、基材36と絵柄形成部材35とが接着剤層37を介して積層されている。即ち、基材36の上には、接着剤層37と絵柄形成部材35とが順次積層されており、絵柄形成部材35は、接着剤層37の上に位置する隠蔽層33、オフセット印刷絵柄層32及びハードコート層34が順次積層されている。
本形態に係る遊技板31によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、隠蔽層33を積層することで、光の透過を遮る部分を確実に遮光することができる。したがって、遊技板31の絵柄等において、光を透過することで変色したり、不自然な色合いの絵柄になることを確実に防止することができ、より自然な色合いの絵柄を形成することが可能になる。また、本形態に係る遊技板31によれば、オフセット印刷絵柄層32に形成された絵柄自身による演出効果と、遊技板31を透過する光による演出効果に加え、隠蔽層33で遮光することで、オフセット印刷絵柄層32に形成された絵柄自身の色合いをより鮮明にし、深みを持たせることによる演出効果を組み合わせることができる。したがって、これらの演出効果を組み合わせることにより、さらに遊技者の興趣を向上させる演出態様のバリエーションを増加させることが可能になる。
本形態に係る遊技板31は、ハードコート層34の一方側の面に対してオフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層32を積層し、次にオフセット印刷絵柄層に対して、シルク印刷等の適宜な方法によって隠蔽層33を積層し、絵柄形成部材35を形成する。そして、この絵柄形成部材35を構成する隠蔽層33に対して耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層37を形成し、さらに基材36の表面と接着剤層37の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本形態に係る遊技板31の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本形態に係る遊技板31の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能になる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第3の実施の形態を図5(a)に基づいて説明する。図5(a)は、本発明に係る遊技板の第3の実施の形態の例を示す断面図である。なお、第3の実施の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本実施の形態に係る遊技板41は、シート状に形成された透光性を有するフィルム部材42の上に、シルク印刷により所定の絵柄が形成されたシルク印刷絵柄層43、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層44、該オフセット印刷絵柄層44の一方側の面に積層され、少なくとも該オフセット印刷絵柄層を保護するためのハードコート層45を順次積層させた絵柄形成部材46と、板状に形成された基材47と、を有し、これら絵柄形成部材46と基材47とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に表印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図5(a)に示すように、本実施の形態に係る遊技板41は、基材47と絵柄形成部材46とが、耐熱性を有する接着剤で形成された接着剤層48を介して積層されている。即ち、基材47の上には、接着剤層48と絵柄形成部材46とが順次積層されており、絵柄形成部材46は、接着剤層48の上に位置するフィルム部材42、シルク印刷絵柄層43、オフセット印刷絵柄層44、及びハードコート層45が順次積層されている。
シルク印刷絵柄層43は、絵柄形成部材46において、フィルム部材42とオフセット印刷絵柄層44との間に積層されている。即ち、シルク印刷絵柄層43は、フィルム部材42よりも上層側であって、かつオフセット印刷絵柄層44の下層側に位置するように積層される。シルク印刷絵柄層43は、オフセット印刷絵柄層44の下層において、該オフセット印刷絵柄層44で形成されている絵柄と組み合わせて所定の絵柄を形成するようにされている部分に設けられることもあり、またオフセット印刷絵柄層44により絵柄が形成されていない部分に設けられることもある。
シルク印刷絵柄層43は、シルク印刷によって所定のシルク印刷絵柄を印刷することにより形成される層である。シルク印刷絵柄層43に形成される絵柄には、絵柄の他に図柄、画像、模様文字等が含まれる。シルク印刷絵柄層43は、フィルム部材42の全面にベタ状に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。また、シルク印刷絵柄層43を形成する場合、多色刷りを行う時は、必要な色のインクを重ね刷りすることで設けることができる。シルク印刷絵柄層43に用いられるインクとしては、ベヒクルに染料、顔料等の着色剤を加え、必要に応じて安定剤、硬化剤等を適宜咬合して得られるインクが挙げられる。ベヒクルとしては、隠蔽層に用いたものと同様のものを用いることができる。シルク印刷絵柄層43は、厚さが5μm〜15μmであることが好ましく、7μm〜10μmであることがより好ましい。
本実施の形態に係る遊技板41によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、シルク印刷絵柄層43を積層することで、オフセット印刷絵柄層44により形成されたオフセット印刷絵柄とシルク印刷絵柄層43により形成されたシルク印刷絵柄とが重なって見える部分においては、オフセット印刷絵柄と、該オフセット印刷絵柄よりも厚みを持つシルク印刷絵柄とにより、絵柄の色合いに深みを持たせることができ、より鮮明な絵柄にすることが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板41によれば、シルク印刷絵柄層43のみが形成されている部分、オフセット印刷絵柄層44のみが形成されている部分、シルク印刷絵柄層43及びオフセット印刷絵柄層44のいずれもが形成されている部分を形成することができ、形成された絵柄の色合いにメリハリを持たせることができ、より鮮明な絵柄を形成することも可能になる。
本実施の形態に係る遊技板41は、シート状に形成されたフィルム部材42の一方の面に対して、シルク印刷によりシルク印刷絵柄層43を積層してシルク印刷による絵柄を形成し、該シルク印刷絵柄層43の上にオフセット印刷絵柄層44を積層してオフセット印刷による絵柄を形成する。そして、オフセット印刷絵柄層44の上にハードコート層45を積層して、絵柄形成部材46を形成する。次に、シルク印刷絵柄層43、オフセット印刷絵柄層44及びハードコート層45が積層されていないフィルム部材42の他方の面に耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層48を積層し、さらに基材47の表面と接着剤層48の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本実施の形態に係る遊技板41の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本実施の形態に係る遊技板41の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能である。
[第3の実施の形態の別の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第3の実施の形態の別の形態を図5(b)に基づいて説明する。図5(b)は、本発明に係る遊技板の第3の実施の形態の別の形態の例を示す断面図である。なお、第3の実施の形態の別の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本形態に係る遊技板51は、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層52、シルク印刷により所定の絵柄が形成されたシルク印刷絵柄層53を、少なくとも該オフセット印刷絵柄層52及びシルク印刷絵柄層53を保護するためのハードコート層54に積層させて形成した絵柄形成部材55と、板状に形成された基材56とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に裏印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図5(b)に示すように、本形態に係る遊技板51は、基材56と絵柄形成部材55とが接着剤層57を介して積層されている。即ち、基材56の上には、接着剤層57と絵柄形成部材55とが順次積層されており、絵柄形成部材55は、接着剤層57の上に位置するシルク印刷絵柄層53、オフセット印刷絵柄層52及びハードコート層54が順次積層されている。
本形態に係る遊技板51によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、シルク印刷絵柄層53を積層することで、オフセット印刷絵柄層52により形成されたオフセット印刷絵柄とシルク印刷絵柄層53により形成されたシルク印刷絵柄とが重なって見える部分においては、オフセット印刷絵柄と、該オフセット印刷絵柄よりも厚みを持つシルク印刷絵柄とにより、絵柄の色合いに深みを持たせることができ、より鮮明な絵柄にすることが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板51によれば、シルク印刷絵柄層53のみが形成されている部分、オフセット印刷絵柄層52のみが形成されている部分、シルク印刷絵柄層53及びオフセット印刷絵柄層52のいずれもが形成されている部分を形成することができ、形成された絵柄の色合いにメリハリを持たせることができ、より鮮明な絵柄を形成することも可能になる。
本形態に係る遊技板51は、ハードコート層54の一方側の面に対してオフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層52を積層し、次にオフセット印刷絵柄層に対してシルク印刷によりシルク印刷絵柄層53を積層して、絵柄形成部材55を形成する。そして、この絵柄形成部材55を構成するシルク印刷絵柄層53に対して耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層57を形成し、さらに基材56の表面と接着剤層57の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本形態に係る遊技板51の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本実施の形態に係る遊技板51の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能になる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第4の実施の形態を図6(a)に基づいて説明する。図6(a)は、本発明に係る第4の実施の形態の例を示す断面図である。なお、第4の実施の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本実施の形態に係る遊技板61は、シート状に形成された透光性を有するフィルム部材62の上に、光の透過を遮る隠蔽層63、シルク印刷により所定の絵柄が形成されたシルク印刷絵柄層64、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層65、該オフセット印刷絵柄層65の一方側の面に積層され、少なくとも該オフセット印刷絵柄層を保護するためのハードコート層66を順次積層させた絵柄形成部材67と、板状に形成された基材68と、を有し、これら絵柄形成部材67と基材68とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に表印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図6(a)に示すように、本実施の形態に係る遊技板61は、基材68と絵柄形成部材67とが、耐熱性を有する接着剤で形成された接着剤層69を介して積層されている。即ち、基材68の上には、接着剤層69と絵柄形成部材67とが順次積層されており、絵柄形成部材67は、接着剤層69の上に位置するフィルム部材62、隠蔽層63、シルク印刷絵柄層64、オフセット印刷絵柄層65、及びハードコート層66が順次積層されている。
本実施の形態に係る遊技板61によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、隠蔽層63により光の透過を遮断することができる部分を形成することができる。そのため、光の透過を遮断することが必要な部分が不自然な色合いになることを防止することができ、またその部分における絵柄の色合いをより深みのあるものにすることが可能になる。即ち、本実施の形態に係る遊技板61によれば、オフセット印刷絵柄層65のみが形成されている部分、シルク印刷絵柄層64のみが形成されている部分、オフセット印刷絵柄層65及びシルク印刷絵柄層64のいずれもが形成されている部分に加え、これらの各層が形成されている部分に対して隠蔽層63が形成されている部分と該隠蔽層63が形成されていない部分とを組み合わせて絵柄を形成することができる。したがって、遊技板61に形成された絵柄の色合いの深みや鮮明さをより細かに調整することができ、またこれら色合いの深みや鮮明さをよりよく向上させることが可能になる。
本実施の形態に係る遊技板61は、シート状に形成されたフィルム部材62の一方の面に対して、シルク印刷等の適宜な方法により隠蔽層63を形成し、次にシルク印刷によりシルク印刷絵柄層64を積層してシルク印刷による絵柄を形成する。そして、シルク印刷絵柄層64の上にオフセット印刷絵柄層65を積層して、オフセット印刷によるオフセット絵柄を形成する。次に、オフセット印刷絵柄層65の上にハードコート層66を積層して、絵柄形成部材67を形成する。次に、隠蔽層63、シルク印刷絵柄層64、オフセット印刷絵柄層65及びハードコート層66が積層されていないフィルム部材62の他方の面に耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層69を積層し、さらに基材68の表面と接着剤層69の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本実施の形態に係る遊技板61の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本実施の形態に係る遊技板61の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能である。
[第4の実施の形態の別の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第4の実施の形態の別の形態を図6(b)に基づいて説明する。図6(b)は、本発明に係る遊技板の第4の実施の形態の別の形態の例を示す断面図である。なお、第4の実施の形態の別の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本形態に係る遊技板71は、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層72、シルク印刷により所定の絵柄が形成されたシルク印刷絵柄層73、及び光の透過を遮る隠蔽層74を、少なくとも該オフセット印刷絵柄層72、シルク印刷絵柄層73及び隠蔽層74を保護するためのハードコート層75に積層させて形成した絵柄形成部材76と、板状に形成された基材77とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に裏印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図6(b)に示すように、本形態に係る遊技板71は、基材77と絵柄形成部材76とが接着剤層78を介して積層されている。即ち、基材77の上には、接着剤層78と絵柄形成部材76とが順次積層されており、絵柄形成部材76は、接着剤層78の上に位置する隠蔽層74、シルク印刷絵柄層73、オフセット印刷絵柄層72及びハードコート層75が順次積層されている。
本形態に係る遊技板71によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、隠蔽層74により光の透過を遮断することができる部分を形成することができる。そのため、光の透過を遮断することが必要な部分が不自然な色合いになることを防止することができ、またその部分における絵柄の色合いをより深みのあるものにすることが可能になる。即ち、本形態に係る遊技板71によれば、オフセット印刷絵柄層72のみが形成されている部分、シルク印刷絵柄層73のみが形成されている部分、オフセット印刷絵柄層72及びシルク印刷絵柄層73のいずれもが形成されている部分に加え、これらの各層が形成されている部分に対して隠蔽層74が形成されている部分と該隠蔽層74が形成されていない部分とを組み合わせて絵柄を形成することができる。したがって、遊技板71に形成された絵柄の色合いの深みや鮮明さをより細かに調整することができ、またこれら色合いの深みや鮮明さをより向上させることが可能になる。
本形態に係る遊技板71は、ハードコート層75の一方側の面に対してオフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層72を積層し、次にオフセット印刷絵柄層に対して、シルク印刷によりシルク印刷絵柄層73を積層する。そして、シルク印刷絵柄層73に対して、オフセット印刷やシルク印刷等の適宜な方法によって隠蔽層74を積層し、絵柄形成部材76を形成する。次に、この絵柄形成部材76を構成する隠蔽層74に対して耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層78を形成し、さらに基材77の表面と接着剤層78の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本形態に係る遊技板71の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本形態に係る遊技板71の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能になる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第5の実施の形態を図7(a)に基づいて説明する。図7(a)は、本発明に係る遊技板の第5の実施の形態の例を示す断面図である。なお、第5の実施の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本実施の形態に係る遊技板81は、シート状に形成された透光性を有するフィルム部材82の上に、金属薄膜層83、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層84、該オフセット印刷絵柄層84の一方側の面に積層され、少なくとも該オフセット印刷絵柄層を保護するためのハードコート層85を順次積層させた絵柄形成部材86と、板状に形成された基材87と、を有し、これら絵柄形成部材86と基材87とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に表印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図7(a)に示すように、本実施の形態に係る遊技板81は、基材87と絵柄形成部材86とが、耐熱性を有する接着剤で形成された接着剤層88を介して積層されている。即ち、基材87の上には、接着剤層88と絵柄形成部材86とが順次積層されており、絵柄形成部材86は、接着剤層88の上に位置するフィルム部材82、金属薄膜層83、オフセット印刷絵柄層84、及びハードコート層85が順次積層されている。
金属薄膜層83は、本実施の形態では、フィルム部材82とオフセット印刷絵柄層84との間に形成されている。即ち、金属薄膜層83は、オフセット印刷絵柄層84の下側であり、フォルム部材の上側に形成されている。この金属薄膜層83は、粘着性を有する金属薄膜転写用紫外線硬化型接着剤(接着糊)をオフセット印刷した後、金属薄膜を加圧等により該紫外線硬化型接着剤(接着糊)の存在する部分のみ転写紙、その後紫外線照射手段により該紫外線硬化型接着剤(接着糊)が硬化して形成される、紫外線硬化型樹脂と金属薄膜からなる層である。
金属薄膜は、光フィルム、金属箔等で形成されている。光フィルムは、ホログラムホイル(ホログラム箔)、ホログラムフィルム、ホログラムシール等のように、金属薄膜の表面に光学的エッチング、腐食又は蒸着等の手段によって、模様や画像を立体的に設けたもの、又は平面的に形成されているもの、若しくは表面が光沢を有する無地状に仕上げたもの等が挙げられる。また、金属薄膜の表面を保護するためのポリエチレン、ポリプロピレン等をコーティングしたものを用いることもできる。
金属箔としては、アルミニウム、金、銀等の箔が挙げられる。これらの金属箔にウレタン樹脂を含む樹脂層をコーティングして金属薄膜層83として用いることもでき、また更に金属箔を紙材やプラスチックフィルムに添付して用いてもよい。金属箔を貼付するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、OPP、CPP等が挙げられる。
金属薄膜としては、該金属薄膜の表面にその光沢や光の反射を阻害しない程度に塗料等を塗布して着色したもの、又は表面にメッキを施して着色したもの等を用いることもできる。着色する色としては、金色及びその他の薄い色を用いることができ、例えば水色、クリーム色、薄紫色、桃色等を用いることができる。金属箔等の表面に塗料を塗布したり、メッキを施したものの更に上にウレタン樹脂を含む樹脂層を設けてもよい。
金属薄膜層83の厚みは0.02μm〜0.04μm程度のものが用いられている。この金属薄膜は、紙材やプラスチックフィルム等に貼付されており、例えば0.15mm程度の厚みの紫外線硬化型接着剤(接着糊)上に、紙材等に添付して用いられる。
紫外線硬化型接着剤(接着糊)用の紫外線硬化型樹脂としては、特に制限はなく、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリオール系の(メタ)アクリル酸変性された樹脂の各種オリゴマー、モノマー等に光開始剤が添加されたものを用いることができる。これらの中でもウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート、エポキシメタクリレート等の分子末端にアクリル基又はメタクリル基を有しているものが好適に使用できる。
オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレートなどが例示でき、モノマーとして、ジシクロペンテニルエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート等の単官能アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレートが挙げられる。
光開始剤としては、ラジカル、カチオン、アニオン生成の量子効率が高いベンゾイン誘導体等の一般に市販されているものが使用でき、熱的安定性が高く暗所で安定で、モノマーやオリゴマーへの溶解性が高いものを適宜選択して使用できる。さらに増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の脂肪族アミン、芳香族アミンを併用しても良い。光開始剤は一般に紫外線硬化型インク全量に対して1〜20質量%添加される。紫外線硬化の場合の照射量は400〜600mJ/cm2程度が良い。通常この処理は50〜150m/minのライン速度で可能であるから極めて生産効率が高い。
紫外線硬化型接着剤(接着糊)には、粘着性付与剤としてアクリル系モノマー・オリゴマー、特殊アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、キシレン樹脂等を添加することができ、また、必要に応じて、公知の顔料分散剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、シリコーンオイル、界面活性剤、表面潤滑剤、消泡剤、光安定剤等の各種添加剤を添加してもよく、さらに、貯蔵時のゲル化防止の目的でハイドロキノン、ニトロソ化合物等の重合禁止剤を添加してもよい。また、粘度調整剤として、有機ベントナイト、各種ワックス、スターチ類、金属石けん等の粉体、市販のゲル化剤等を添加することができる。
金属薄膜層83は、該金属薄膜を転写するための接着糊をフィルム部材82上にオフセット印刷した後、該接着糊上に金属薄膜を転写し、紫外線照射手段により、接着糊を硬化して形成される層であれば、オフセット印刷機の型式、金属薄膜の転写方法及び紫外線照射手段は特に限定されるものではない。しかし、複数のUVオフセット印刷ユニット及びコールドフォイル加工をインラインで処理可能な1台のオフセット印刷機を用いて、フィルム部材82の上に金属薄膜層83、オフセット印刷絵柄層84、及びハードコート層85の形成をワンパスで行うことにより、従来の種々の問題点を解決して、印刷速度及び転写速度を大幅に向上することが可能になる。
ここで、「コールドフォイルシステム」とは、フォイル転写の段階で高温処理を必要とせず、専用の粘着性を有する接着糊(本発明においては、紫外線硬化型接着剤(接着糊))を塗布面の全面又は一部に塗布して該接着糊上にフォイルを転写する方式を意味するものである。
本実施の形態に係る遊技板81によれば、コールドフォイルシステムを採用することにより、金属薄膜を紫外線硬化型接着剤上に転写する際、該紫外線硬化型接着剤上への金属薄膜の転写が一度に限定されないので、デザイン上必要な場合には、ワンパスで2〜5種類の金属薄膜を連続して転写することが可能になり、デザインの幅をより多様化することが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板81によれば、コールドフォイルシステムを採用することで、接着糊を利用して、金属薄膜に多少の凹凸があっても、該金属薄膜を斑なく固着させることができる。これにより、絵柄のデザイン幅を多様化することもできる。
また、本実施の形態に係る遊技板81によれば、金属薄膜層83を設けることにより、透過する光を反射させてキラキラ輝かせることができ、絵柄の周囲等をきらびやかに見せることができる。したがって、さらによりオフセット印刷絵柄層84の絵柄のきらびやかに見せ、遊技者の興趣を向上させることができる演出を行うことが可能になる。
本実施の形態に係る遊技板81は、シート状に形成されたフィルム部材82の一方の面に対して、接着糊を塗布した後に金属薄膜を接着して金属薄膜層83を積層し、その次に、金属薄膜層83に対して、オフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層84を積層する。そして、オフセット印刷絵柄層に対してハードコート層85を積層して、絵柄形成部材86を形成する。次に、金属薄膜層83、オフセット印刷絵柄層84及びハードコート層85が積層されていないフィルム部材82の他方の面に耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層88を積層し、さらに基材87の表面と接着剤層88の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本実施の形態に係る遊技板の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本実施の形態に係る遊技板の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能である。
[第5の実施の形態の別の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第5の実施の形態の別の形態を図7(b)に基づいて説明する。図7(b)は、本発明に係る遊技板の第5の実施の形態の別の形態の例を示す断面図である。なお、第5の実施の形態の別の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本実施の形態に係る遊技板91は、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層92、金属薄膜層93を、少なくとも該オフセット印刷絵柄層92及び金属薄膜層93を保護するためのハードコート層94に積層させて形成した絵柄形成部材95と、板状に形成された基材96とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に裏印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図7(b)に示すように、本実施の形態に係る遊技板91は、基材96と絵柄形成部材95とが接着剤層97を介して積層されている。即ち、基材96の上には、接着剤層97と絵柄形成部材95とが順次積層されており、絵柄形成部材95は、接着剤層97の上に位置する金属薄膜層93、オフセット印刷絵柄層92及びハードコート層94が順次積層されている。
本形態に係る遊技板91によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、ハードコート層94に対して、オフセット印刷絵柄層92、金属薄膜層93の形成をワンパスで行うことができる。そのため、従来の種々の問題点を解決して、印刷速度及び転写速度を大幅に向上することが可能になる。また、本形態に係る遊技板91によれば、コールドフォイルシステムを採用することにより、金属薄膜を紫外線硬化型接着剤上に転写する際、該紫外線硬化型接着剤上への金属薄膜の転写が一度に限定されないので、デザイン上必要な場合には、ワンパスで2〜5種類の金属薄膜を連続して転写することが可能になり、デザインの幅をより多様化することが可能になる。また、本実施の形態に係る遊技板91によれば、コールドフォイルシステムを採用することで、接着糊を利用して、金属薄膜に多少の凹凸があっても、該金属薄膜を斑なく固着させることができる。これにより、絵柄のデザイン幅を多様化することもできる。
また、本形態に係る遊技板91は、金属薄膜層93を設けることにより、透過する光を反射させてキラキラ輝かせることができ、絵柄の周囲等をきらびやかに見せることができる。したがって、さらによりオフセット印刷絵柄層92の絵柄のきらびやかに見せ、遊技者の興趣を向上させることができる演出を行うことも可能になる。
本形態に係る遊技板91は、ハードコート層94の一方側の面に対してオフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層92を積層し、次にオフセット印刷絵柄層に対して接着糊を塗布した後に金属薄膜を接着して金属薄膜層93を積層して、絵柄形成部材95を形成する。次に、絵柄形成部材95を構成する金属薄膜層93に対して耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層97を形成し、さらに基材96の表面と接着剤層97の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本形態に係る遊技板91の製造方法における各工程の詳細は先に詳細に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本形態に係る遊技板91の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能になる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第6の実施の形態を図8(a)に基づいて説明する。図8(a)は、本実施に係る遊技板の第6の実施の形態の例を示す断面図である。なお、第6の実施の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本実施の形態に係る遊技板101は、シート状に形成された透過性を有するフィルム部材102の上に隠蔽層103、金属薄膜層104、オフセット印刷絵柄層105及びハードコート層106を順次積層させた絵柄形成部材107と、板状に形成された基材108と、を有し、これら絵柄形成部材107と基材108とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に表印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図8(a)に示すように、本実施の形態に係る遊技板101は、基材108と絵柄形成部材107とが、耐熱性を有する接着剤で形成された接着剤層109を介して積層されている。即ち、基材108の上には、接着剤層109と絵柄形成部材107とが順次積層されており、絵柄形成部材107は、接着剤層109の上に位置するフィルム部材102、隠蔽層103、金属薄膜層104、オフセット印刷絵柄層105、及びハードコート層106が順次積層されている。
本実施の形態に係る遊技板101によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、隠蔽層103を積層することで、光の透過を遮る部分を形成することができる。したがって、遊技板101の絵柄等において、光が透過することで変色したり、不自然な色合いの絵柄になることを確実に防止することができ、より自然な色合いの絵柄を形成することが可能になる。また、隠蔽層103を形成して光の透過を遮る部分を形成することで、オフセット印刷絵柄層105の絵柄により演出を行う部分、金属薄膜層104により演出を行う部分、オフセット印刷絵柄層105の絵柄と金属薄膜層104により演出を行う部分等を形成することができるのみならず、隠蔽層103を形成した部分におけるオフセット印刷絵柄層105の絵柄の色合いに深みを持たせ、かつ金属薄膜層104における光の反射によるきらびやかさの演出に変化を持たせることができる。したがって、本実施の形態によれば、遊技者に対する興趣をより向上させる演出を行うことが可能になる。
本実施の形態に係る遊技板101は、シート状に形成されたフィルム部材102の一方の面に対して、シルク印刷やオフセット印刷等の適宜な方法により隠蔽層103を積層し、この隠蔽層103に対して接着糊を塗布し、この接着糊に対して金属薄膜を積層して接着させて金属薄膜層104を積層する。次に、金属薄膜層104に対してオフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層105を積層し、このオフセット印刷絵柄層に対してハードコート層106を積層して絵柄形成部材107が形成される。次に、隠蔽層103、金属薄膜層104、オフセット印刷絵柄層及びハードコート層106が積層されていないフィルム部材102の他方の面に耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層109を積層し、さらに基材108の表面と接着剤層109の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本実施の形態に係る遊技板101の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本実施の形態に係る遊技板101の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能である。
[第6の実施の形態の別の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第6の実施の形態の別の形態を図8(b)に基づいて説明する。図8(b)は、本発明に係る遊技板の第6の実施の形態の別の形態の例を示す断面図である。なお、第6の実施の形態の別の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本形態に係る遊技板111は、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層112、金属薄膜層113、及び光の透過を遮る隠蔽層114を、少なくとも該オフセット印刷絵柄層112、金属薄膜層113及び隠蔽層114を保護するためのハードコート層115に積層させて形成した絵柄形成部材116と、板状に形成された基材117とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に裏印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図8(b)に示すように、本形態に係る遊技板111は、基材117と絵柄形成部材116とが接着剤層118を介して積層されている。即ち、基材117の上には、接着剤層118と絵柄形成部材116とが順次積層されており、絵柄形成部材116は、接着剤層118の上に位置する隠蔽層114、金属薄膜層113、オフセット印刷絵柄層112及びハードコート層115が順次積層されている。
本形態に係る遊技板111によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、隠蔽層114を積層することで、光の透過を遮る部分を形成することができる。したがって、遊技板111の絵柄等において、光が透過することで変色したり、不自然な色合いの絵柄になることを確実に防止することができ、より自然な色合いの絵柄を形成することが可能になる。また、隠蔽層114を形成して光の透過を遮る部分を形成することで、オフセット印刷絵柄層112の絵柄により演出を行う部分、金属薄膜層113により演出を行う部分、オフセット印刷絵柄層112のオフセット絵柄と金属薄膜層113により演出を行う部分等を形成することができるのみならず、隠蔽層114を形成した部分におけるオフセット印刷絵柄層112の絵柄の色合いに深みを持たせ、かつ金属薄膜層113における光の反射によるきらびやかさの演出に変化を持たせることができる。したがって、本実施の形態によれば、遊技者に対する興趣をより向上させる演出を行うことが可能になる。
本形態に係る遊技板111は、ハードコート層115の一方側の面に対してオフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層112を積層し、次にオフセット印刷絵柄層112に対して接着糊を塗布した後に金属薄膜を接着して金属薄膜層113を積層する。次に、金属薄膜層113に対してシルク印刷又はオフセット印刷等によって隠蔽層114を積層して、絵柄形成部材116を形成する。次に、絵柄形成部材116を構成する隠蔽層114に対して耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層118を形成し、さらに基材117の表面と接着剤層118の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本形態に係る遊技板111の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本形態に係る遊技板111の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能になる。
[第7の実施の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第7の実施の形態を図9(a)に基づいて説明する。図9(a)は、本発明に係る遊技板の第7の実施の形態の例を示す断面図である。なお、第7の実施の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本実施の形態に係る遊技板121は、シート状に形成された透光性を有するフィルム部材122の上に、光の透過を遮る隠蔽層123、シルク印刷により所定の絵柄が形成されたシルク印刷絵柄層124、金属薄膜層125、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層126、及び該オフセット印刷絵柄層126の一方側の面に積層され、少なくとも該オフセット印刷絵柄層を保護するためのハードコート層127を順次積層させた絵柄形成部材128と、板状に形成された基材129と、を有し、これら絵柄形成部材128と基材129とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に表印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図9(a)に示すように、本実施の形態に係る遊技板121は、基材129と絵柄形成部材128とが、耐熱性を有する接着剤で形成された接着剤層130を介して積層されている。即ち、基材129の上には、接着剤層130と絵柄形成部材128とが順次積層されており、絵柄形成部材128は、接着剤層130の上に位置するフィルム部材122、隠蔽層123、シルク印刷絵柄層124、金属薄膜層125、オフセット印刷絵柄層126、及びハードコート層127が順次積層されている。
本実施の形態に係る遊技板121によれば、先に説明した遊技板121の作用効果に加えて、遊技者に対する興趣をさらにより向上させることができる演出効果を得ることが可能になる。すなわち、本実施の形態に係る遊技板121は、オフセット印刷絵柄層126による演出効果が得られる部分、金属薄膜層125による演出効果が得られる部分、シルク印刷絵柄層124による演出効果が得られる部分に加えて、これらオフセット印刷絵柄層126及び金属薄膜層125を組み合わせることによる演出効果が得られる部分、オフセット印刷絵柄層126及びシルク印刷絵柄層124を組み合わせることによる演出効果が得られる部分、金属薄膜層125及びシルク印刷絵柄層124を組み合わせることによる演出効果が得られる部分、さらにはオフセット印刷絵柄層126、金属薄膜層125及びシルク印刷絵柄層124を組み合わせることによる演出効果が得られる部分を形成することができる。また、本実施の形態に係る遊技板121は、それに加えて隠蔽層123が形成されて透過する光を遮る部分をも形成することができるので、それにより、遊技板121に形成された絵柄をより鮮やかにすることができ、かつ絵柄の色合いにより深みを持たせることが可能になる。また、この遊技板121に形成された絵柄による演出に加えて、遊技板121を透過する光による演出を組み合わせて、遊技者に対してさらにより興趣を向上させる演出を行うことが可能になる。
本実施の形態に係る遊技板121は、シート状に形成されたフィルム部材122の一方側の面に対して、シルク印刷等の適宜な方法により隠蔽層123を形成し、次にシルク印刷によりシルク印刷絵柄層124を積層してシルク印刷による絵柄を形成する。そして、シルク印刷絵柄層124の上に接着糊を塗布し、該接着糊の上に金属薄膜を接着して金属薄膜層125を積層する。次に、金属薄膜層125の上にオフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層126を積層してオフセット印刷による絵柄を形成し、オフセット印刷絵柄層の上にハードコート層127を積層して、絵柄形成柄部材を形成する。次に、隠蔽層123、シルク印刷絵柄層124、金属薄膜層125、オフセット印刷絵柄層126及びハードコート層127が積層されていないフィルム部材122の他方の面に耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層130を積層し、さらに基材129の表面と接着剤層130の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本実施の形態に係る遊技板121の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本実施の形態に係る遊技板121の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能になる。
[第7の実施の形態の別の形態]
次に、本発明に係る遊技板の第7の実施の形態の別の形態を図9(b)に基づいて説明する。図9(b)は、本発明に係る遊技板の第7の実施の形態の別の形態の例を示す断面図である。なお、第7の実施の形態の別の形態に係る遊技板の構成に関して、先に説明したのと同様のものについては、説明を省略する。
本形態に係る遊技板131は、オフセット印刷により所定の絵柄が形成されたオフセット印刷絵柄層132、金属薄膜層133、シルク印刷により所定の絵柄が形成されたシルク印刷絵柄層134、及び光の透過を遮る隠蔽層135を、少なくともオフセット印刷絵柄層132、金属薄膜層133、シルク印刷絵柄層134及び隠蔽層135を保護するためのハードコート層136を積層させて形成した絵柄形成部材137と、板状に形成された基材138とを、耐熱性を有する接着剤を介して貼り付けたことを特徴とするものであり、一般に裏印刷と呼ばれる印刷が施されたものである。
図9(b)に示すように、本形態に係る遊技板131は、基材138と絵柄形成部材137とが接着剤層139を介して積層されている。即ち、基材138の上には、接着剤層139と絵柄形成部材137とが順次積層されており、絵柄形成部材137は、接着剤層139の上に位置する隠蔽層135、シルク印刷絵柄層134、金属薄膜層133、オフセット印刷絵柄層132及びハードコート層136が順次積層されている。
本形態に係る遊技板131によれば、先に説明した遊技板の作用効果に加えて、遊技者に対する興趣をさらにより向上させることができる演出効果を得ることが可能になる。すなわち、本実施の形態に係る遊技板131は、オフセット印刷絵柄層132による演出効果が得られる部分、金属薄膜層133による演出効果が得られる部分、シルク印刷絵柄層134による演出効果が得られる部分に加えて、これらオフセット印刷絵柄層132及び金属薄膜層133を組み合わせることによる演出効果が得られる部分、オフセット印刷絵柄層132及びシルク印刷絵柄層134を組み合わせることによる演出効果が得られる部分、金属薄膜層133及びシルク印刷絵柄層134を組み合わせることによる演出効果が得られる部分、さらにはオフセット印刷絵柄層132、金属薄膜層133及びシルク印刷絵柄層134を組み合わせることによる演出効果が得られる部分を形成することができる。また、本実施の形態に係る遊技板131は、それに加えて隠蔽層135が形成されて透過する光を遮る部分をも形成することができるので、それにより、遊技板131に形成された絵柄をより鮮やかにすることができ、かつ絵柄の色合いにより深みを持たせることが可能になる。また、この遊技板131に形成された絵柄による演出に加えて、遊技板131を透過する光による演出を組み合わせて、遊技者に対してさらにより興趣を向上させる演出を行うことが可能になる。
本形態に係る遊技板131は、ハードコート層136の一方側の面に対してオフセット印刷によりオフセット印刷絵柄層132を積層し、次にオフセット印刷絵柄層132に対して接着糊を塗布した後に金属薄膜を接着して金属薄膜層133を積層する。次に、金属薄膜層133に対してシルク印刷によりシルク印刷絵柄層134を積層し、このシルク印刷絵柄層134に対してシルク印刷又はオフセット印刷等の任意な方法により隠蔽層135を積層して、絵柄形成部材137を形成する。次に、絵柄形成部材137を構成する隠蔽層135に対して、耐熱性を有する接着剤を塗布して接着剤層139を形成し、さらに基材138の表面と接着剤層139の表面とを重ね合わせて接着するという工程を経て製造される。本形態に係る遊技板131の製造方法における各工程の詳細は先に説明したのと同様であるから、ここでの詳細な説明は省略するが、本形態に係る遊技板131の製造方法によっても、上記したのと同様の効果を得ることが可能になる。
以上、本発明に係る遊技板の構成及び遊技板の製造方法について詳細に説明したが、上記説明は本発明に係る遊技板及び遊技板の製造方法の例示であり、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。