JP2014153090A - 絶縁状態検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サーミスタ25を用いて検出用コンデンサC1の温度を検出する。検出用コンデンサC1の充電開始から計測タイミングまでの時間の長さ(Tc)を、検出した温度に応じて自動的に調整する。定数テーブル(TB1)を用いて充電時間の長さを決定する。更にバックアップモードを設けて、電源電圧(高電圧)の推定値の出力を可能にする。電源電圧を計測する場合にも、温度に応じて充電時間の長さを自動調整する。コンデンサC1の充電率や直流バイアスの影響を考慮した換算係数をテーブル(TB2)から取得する。
【選択図】図1
Description
(1)部品毎の静電容量のばらつきが大きい。
(2)DC(直流)バイアス電圧の影響により実際に使用する際の静電容量が変動する。
(3)実際に使用する際の静電容量が温度変化に応じて変動する。
(1) 所定の高圧直流電源出力の正極側電源ライン及び負極側電源ラインとそれぞれ接続される正極側入力端子及び負極側入力端子と、接地電極とを有し、フライングキャパシタの充電電圧に基づいて前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁状態を把握する絶縁状態検出装置であって、
前記フライングキャパシタの近傍における温度を検出する温度検出部と、
前記フライングキャパシタの充電電圧を計測する充電電圧計測部と、
前記フライングキャパシタの充電電圧に関する計測値に基づいて、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁抵抗値を算出する地絡抵抗値算出部と、
前記温度検出部が検出した温度のパラメータを、前記フライングキャパシタの充電電圧の計測に関連する制御タイミングの変化に反映する計測タイミング制御部と
を備えること。
(2) 上記(1)に記載の絶縁状態検出装置であって、
前記計測タイミング制御部は、前記温度のパラメータを、前記フライングキャパシタを充電する時間の長さの違いに反映すること。
(3) 上記(1)に記載の絶縁状態検出装置であって、
前記計測タイミング制御部は、複数の温度範囲のそれぞれと、前記フライングキャパシタを充電する時間の長さに相当する係数の情報とを対応付けて保持する定数テーブルを有し、前記温度検出部が検出した温度に基づき、前記定数テーブルを利用して、前記フライングキャパシタを充電する時間の長さを自動的に補正すること。
(4) 上記(1)に記載の絶縁状態検出装置であって、
前記充電電圧計測部を用いて、前記正極側電源ライン又は負極側電源ラインと前記接地電極との間に現れる電源電圧を検出する電源電圧検出部を更に備え、
前記電源電圧検出部は、前記フライングキャパシタの完全充電に要する充電所要時間よりも短い電源電圧計測周期で、前記フライングキャパシタを充電した後で電圧を計測し、計測値から前記電源電圧の推定値を把握すると共に、前記温度検出部が検出した温度のパラメータを前記推定値の補正に利用すること。
(5) 上記(4)に記載の絶縁状態検出装置であって、
前記電源電圧検出部は、前記温度検出部が検出した温度のパラメータを、電源電圧計測周期内で前記フライングキャパシタを充電する時間の長さの違いに反映すること。
(6) 上記(4)に記載の絶縁状態検出装置であって、
前記電源電圧検出部は、電圧の計測値を前記推定値に換算するための複数の換算係数の情報を、電圧計測値の複数の範囲のそれぞれと対応付けて保持する電圧換算定数テーブルを有し、前記電圧換算定数テーブルから取得した1つの換算係数に基づいて前記推定値を算出すること。
上記(2)の構成の絶縁状態検出装置によれば、正確な絶縁抵抗値を算出することが可能になる。すなわち、前記フライングキャパシタの端子間の充電電圧は、入力に印加される電源電圧、静電容量、および充電開始からの経過時間を含む各パラメータに応じて指数関数状に変化するので、温度の変動に応じた静電容量の誤差を充電時間の調整により補償することができる。
上記(3)の構成の絶縁状態検出装置によれば、温度の変動に応じた前記フライングキャパシタの静電容量の誤差を正しく補償するために必要な充電時間のパラメータを簡単に取得でき、制御が容易になる。
上記(4)の構成の絶縁状態検出装置によれば、地絡抵抗値だけでなく電源電圧も計測できる。しかも、温度に応じた補正を行うので、温度に応じて静電容量が変動する状況であっても正確な計測が可能である。すなわち、前記フライングキャパシタが完全に充電される前に計測できるので、計測周期を短くすることができる。
上記(5)の構成の絶縁状態検出装置によれば、正確な電源電圧を算出することが可能になる。すなわち、前記フライングキャパシタの端子間の充電電圧は、入力に印加される電源電圧、静電容量、および充電開始からの経過時間を含む各パラメータに応じて指数関数状に変化するので、温度の変動に応じた静電容量の誤差を充電時間の調整により補償することができる。
上記(6)の構成の絶縁状態検出装置によれば、直流バイアス電圧の変動に応じた前記フライングキャパシタの静電容量の誤差を正しく補償するために必要な換算係数を簡単に取得でき、制御が容易になる。
車両に搭載された絶縁状態検出装置10およびその周辺回路の構成を図1に示す。
図1に示した絶縁状態検出装置10は、例えば電気自動車、あるいは駆動源としてエンジンおよび電気モータを備えたハイブリッド自動車のような車両に搭載して使用することができる。車載直流高圧電源50は、例えば200V程度の高電圧の直流電力を出力する。車載直流高圧電源50が出力する電力により、車両の推進力を発生する電気モータを駆動することができる。
図1に示すように、絶縁状態検出装置10の回路にはフライングキャパシタとして動作する検出用コンデンサC1が設けてある。この検出用コンデンサC1には、車載用であることを考慮してセラミックコンデンサを採用している。
<検出用コンデンサ(フライングキャパシタ)C1の充放電の説明>
<切り替えのタイミング>
計測時のスイッチング素子S1〜S4の切り替えタイミングの具体例を図8に示す。すなわち、地絡抵抗RLp及びRLnの計測を実施する際には、図8に示すような基本計測サイクルのスケジュールに従ってマイクロコンピュータ11がスイッチング素子S1〜S4のオンオフを制御し、地絡抵抗の算出に必要な計測値を取得する。
「V0充電」区間:
スイッチング素子S1の接点が閉になるので、正極側電源ライン111から正極側入力端子13、スイッチング素子S1、配線31、ダイオードD1、抵抗器R1を通って検出用コンデンサC1の正極側端子に電流が流れる。また、スイッチング素子S2の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子から、配線32、抵抗器R2、スイッチング素子S2、負極側入力端子14、負極側電源ライン112へ電流が流れる。従って、この電流により検出用コンデンサC1に電荷が充電される。
スイッチング素子S4の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子が、抵抗器R4を介して接地電極15と接続される。また、スイッチング素子S3の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の正極側端子が、ダイオードD3、抵抗器R3、スイッチング素子S3、配線35、入力回路20、配線36を介してマイクロコンピュータ11のアナログ入力ポートと接続される。従って、マイクロコンピュータ11は、検出用コンデンサC1の充電電圧に比例したアナログレベルを検出することができる。
スイッチング素子S4の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子が、抵抗器R4を介して接地電極15と接続される。また、スイッチング素子S3の接点が閉なので、検出用コンデンサC1の正極側端子が、ダイオードD3、抵抗器R3、スイッチング素子S3、抵抗器R5を介して接地電極15と接続される。従って、検出用コンデンサC1に蓄積された電荷は自然に放電する。
スイッチング素子S1の接点が閉になるので、正極側電源ライン111から正極側入力端子13、スイッチング素子S1、配線31、ダイオードD1、抵抗器R1を通って検出用コンデンサC1の正極側端子に電流が流れる。また、スイッチング素子S4の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子から、スイッチング素子S4、抵抗器R4、接地電極15、接地電極103、地絡抵抗RLnを通って負極側電源ライン112に電流が流れる。この電流により、検出用コンデンサC1に電荷が充電される。この時の充電電圧は、地絡抵抗RLnの影響を反映した結果になる。
スイッチング素子S3の接点が閉になるので、正極側電源ライン111から地絡抵抗RLp、接地電極103、接地電極15、抵抗器R5、スイッチング素子S3、ダイオードD2を通って、検出用コンデンサC1の正極側端子に電流が流れる。また、スイッチング素子S2の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子から、配線32、抵抗器R2、スイッチング素子S2、負極側入力端子14、負極側電源ライン112へ電流が流れる。この電流により、検出用コンデンサC1に電荷が充電される。この時の充電電圧は、地絡抵抗RLpの影響を反映した結果になる。
図1に示した絶縁状態検出装置10の動作に関しては、基本的には以下の関係式が成立する。
(RLp+RLn)/(RLp×RLn)={(Vc1p)+(Vc1n)}/V0
但し、
V0:車載直流高圧電源50の出力電圧に応じた検出用コンデンサC1の充電電圧
Vc1n:負側の地絡抵抗RLnの影響を受けた検出用コンデンサC1の充電電圧
Vc1p:正側の地絡抵抗RLpの影響を受けた検出用コンデンサC1の充電電圧
RLp,RLn:各地絡抵抗の抵抗値
コンデンサの印加電圧、充電電荷、および温度の関係の具体例を図5に示す。また、温度変化に対応した補償特性の具体例を図6に示す。
温度に応じた補償値を保持する定数テーブルTB1の構成例を図4に示す。図4に示した定数テーブルTB1は、複数の温度範囲のそれぞれに対応付けられた充電時間の長さの定数を保持している。
図1に示した絶縁状態検出装置10は、地絡抵抗だけでなく、正極側電源ライン111、負極側電源ライン112と接地電極103との間に印加される電源の電圧を計測することもできる。
<マイクロコンピュータ11の処理の内容>
図1に示した絶縁状態検出装置10の主要な制御の内容を図2に示す。すなわち、マイクロコンピュータ11が図2の処理を実行する。また、図1に示した絶縁状態検出装置の動作タイミングの具体例を図3に示す。
マイクロコンピュータ11は絶縁状態検出装置10の電源がオンになるとステップS11で所定の初期化を実行した後、S12の処理に進む。
なお、図2には示されていないが、各ステップSS14〜S26を実行している途中で、一定の時間を経過する毎にステップS12、S13を再び実行することもできる。これにより、温度の経時変化の影響も補償できる。
(1)検出用コンデンサC1としてセラミックコンデンサを採用した場合であっても、地絡抵抗の検出精度の向上が期待できる。
(1)図1に示した絶縁状態検出装置(10)は、所定の高圧直流電源(50)出力の正極側電源ライン(111)及び負極側電源ライン(112)とそれぞれ接続される正極側入力端子(13)及び負極側入力端子(14)と、接地電極(15)とを有し、フライングキャパシタ(C1)の充電電圧に基づいて前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁状態(RLn、RLp)を把握する。また、前記フライングキャパシタの近傍における温度を検出する温度検出部(25)を有する。また、図2に示すように、前記フライングキャパシタの充電電圧を計測する充電電圧計測部(S15)と、前記フライングキャパシタの充電電圧に関する計測値に基づいて、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁抵抗値を算出する地絡抵抗値算出部(S17)と、前記温度検出部が検出した温度のパラメータを、前記フライングキャパシタの充電電圧の計測に関連する制御タイミングの変化に反映する計測タイミング制御部(S13)とを備えている。
11 マイクロコンピュータ
13 正極側入力端子
14 負極側入力端子
15 接地電極
20 入力回路
21 出力端子
25 サーミスタ
31〜37 配線
50 車載直流高圧電源
101,102 Yコンデンサ
103 接地電極
111 正極側電源ライン
112 負極側電源ライン
C1 検出用コンデンサ(フライングキャパシタ)
D1,D2,D3 ダイオード
R1,R2,R3,R4,R5 抵抗器
RLp,RLn 地絡抵抗
S1,S2,S3,S4 スイッチング素子
SWx 操作スイッチ
TB1 定数テーブル
TB2 電圧換算定数テーブル
Claims (4)
- 所定の高圧直流電源出力の正極側電源ライン及び負極側電源ラインとそれぞれ接続される正極側入力端子及び負極側入力端子と、接地電極とを有し、フライングキャパシタの充電電圧に基づいて前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁状態を把握する絶縁状態検出装置であって、
前記フライングキャパシタの近傍における温度を検出する温度検出部と、
前記フライングキャパシタの充電電圧を計測する充電電圧計測部と、
前記フライングキャパシタの充電電圧に関する計測値に基づいて、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁抵抗値を算出する地絡抵抗値算出部と、
前記温度検出部が検出した温度のパラメータを、前記フライングキャパシタの充電電圧の計測に関連する制御タイミングの変化に反映する計測タイミング制御部と
を備えることを特徴とする絶縁状態検出装置。 - 前記計測タイミング制御部は、前記温度のパラメータを、前記フライングキャパシタを充電する時間の長さの違いに反映する
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁状態検出装置。 - 前記計測タイミング制御部は、複数の温度範囲のそれぞれと、前記フライングキャパシタを充電する時間の長さに相当する係数の情報とを対応付けて保持する定数テーブルを有し、前記温度検出部が検出した温度に基づき、前記定数テーブルを利用して、前記フライングキャパシタを充電する時間の長さを自動的に補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁状態検出装置。 - 前記充電電圧計測部を用いて、前記正極側電源ライン又は負極側電源ラインと前記接地電極との間に現れる電源電圧を検出する電源電圧検出部を更に備え、
前記電源電圧検出部は、前記フライングキャパシタの完全充電に要する充電所要時間よりも短い電源電圧計測周期で、前記フライングキャパシタを充電した後で電圧を計測し、計測値から前記電源電圧の推定値を把握すると共に、前記温度検出部が検出した温度のパラメータを前記推定値の補正に利用する
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁状態検出装置。
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