JP6139878B2 - 絶縁状態検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フライングキャパシタを用いた絶縁状態検出装置に関する。
例えば、電気自動車のように、推進用エネルギーとして電力を利用する車両においては、200V程度の高電圧を出力する直流電源装置を搭載する場合がある。このような高電圧の直流電源装置を搭載した車両の場合には、直流電源装置の正負の電源ラインと車体との間が電気的に絶縁された状態で使用される。すなわち、車体は高電圧を出力する電源のアースとして利用しない。
このような車両においては、安全性の確保等のために、高電圧の直流電源出力の配線と車体との間が十分に電気絶縁されていることを検査して確認する必要がある。このような検査を行う場合に用いられる絶縁状態検出装置の従来技術に関しては、例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3が知られている。
この種の絶縁状態検出装置は、フライングキャパシタを用いている。すなわち、スイッチング素子を介して、高電圧の正負の電源ラインと接地電極(車体)との間に一定時間だけ検出用コンデンサ(フライングキャパシタと呼ばれる)を接続する。このフライングキャパシタの充電電圧を監視し、この充電電圧から計算により地絡抵抗、すなわち電源ラインと接地電極との間の絶縁抵抗を算出する。
また、電源の高周波ノイズを除去したり動作を安定化するために、高電圧の正負の電源ラインと接地電極との間にはYコンデンサ (ライン・バイパス・コンデンサ) と呼ばれるコンデンサ(キャパシタ)が接続される場合が多い。
特開2008−89322号公報 特開2009−281986号公報 特開2011−21990号公報
上述のようなフライングキャパシタ方式の絶縁状態検出装置においては、検出用コンデンサを充電する際の電流及び電圧が、上記のYコンデンサの影響を受けることになる。なお、Yコンデンサが存在しない場合であっても、高電圧の直流電源出力の配線と車体との間に存在する浮遊容量の影響を受けて、検出用コンデンサの充電電流及び電圧が変化する。
このような絶縁状態検出装置が絶縁抵抗を測定する際には、フライングキャパシタに接続されたスイッチング素子をオンオフしてフライングキャパシタの充放電を切り替えながら電圧の測定を実施する。そして、所定の計算式を利用して電圧の測定値から絶縁抵抗を算出する。しかし、電圧の測定値には上記Yコンデンサ等の静電容量の影響が現れるので、前記計算式において計算の際に静電容量の影響を考慮しておかないと大きな計算誤差が発生する。特に、絶縁抵抗が大きい時には計算誤差が増大する。
しかし、Yコンデンサ等の静電容量の大きさは未知であり、しかも検査対象となる車体の種類など測定の状況に応じて計算結果に影響を及ぼす静電容量が大きく変動する可能性がある。
従って、絶縁抵抗の計算誤差を減らすために、例えば次のような処理が必要になると考えられる。絶縁抵抗を計測する前に、実際の計測環境において適当な測定器を用いて計算結果に影響を及ぼす静電容量の大きさを計測する。絶縁抵抗の算出に用いる計算式、あるいはこの計算式が使用する静電容量のパラメータを予め複数用意しておき、スイッチなどの切り替えにより、実際の静電容量に合わせた計算式又はパラメータを選択する。
しかしながら、静電容量の大きさを計測するために余分な作業が必要になり、絶縁抵抗の測定に手間がかかる。また、計算式やパラメータを検査者が操作可能なスイッチで切り替える場合には、複数のスイッチ等の部品を追加しなければならず、部品の実装スペースも余分に確保しなければならないので、装置のコストや大きさの点で不利になる。また、計算式やパラメータを変更するためにソフトウェアの書き換えを行う場合には、書き換えのために余分なインタフェースを追加しなければならないし、書き換えの作業も必要になる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶縁抵抗の測定に影響を及ぼすYコンデンサ等の静電容量が未知の場合であっても、装置コストの大幅な上昇を招いたり検査者の余分な作業を必要とすることなく、精度の高い計測が可能な絶縁状態検出装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る絶縁状態検出装置は、下記(1)〜()を特徴としている。
(1) 所定の高圧直流電源出力の正極側電源ライン及び負極側電源ラインとそれぞれ接続される正極側入力端子及び負極側入力端子と、接地電極とを有し、フライングキャパシタの充電電圧に基づいて前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁状態を把握する絶縁状態検出装置であって、
前記フライングキャパシタの充電電圧に関する計測値と所定の計算式とに基づいて、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁抵抗値を出力する地絡抵抗値算出部と、
少なくとも一時的に、前記正極側電源ライン又は負極側電源ラインと前記接地電極との間に接続される、抵抗値が既知の基準抵抗器と、
通常の計測に先立ち実行されるテストモードにおいて、前記基準抵抗器の抵抗値に基づき、前記正極側電源ラインと前記接地電極との間の正極側静電容量および前記負極側電源ラインと前記接地電極との間の負極側静電容量の影響を把握し、静電容量の影響を前記地絡抵抗値算出部の処理内容に反映するテストモード制御部と、
を備え
前記地絡抵抗値算出部は、所定の計算式に基づき、計測値をパラメータとして入力して絶縁抵抗値を出力する換算マップを有し、
前記テストモード制御部は、前記テストモードで前記換算マップの出力に得られた絶縁抵抗値と、前記基準抵抗器の抵抗値との誤差分に基づき、前記換算マップの計算式を逆算して、前記正極側電源ラインと前記接地電極との間の正極側静電容量および前記負極側電源ラインと前記接地電極との間の負極側静電容量に相当する静電容量値を算出する静電容量算出部を有する
こと。
(2) 所定の高圧直流電源出力の正極側電源ライン及び負極側電源ラインとそれぞれ接続される正極側入力端子及び負極側入力端子と、接地電極とを有し、フライングキャパシタの充電電圧に基づいて前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁状態を把握する絶縁状態検出装置であって、
前記フライングキャパシタの充電電圧に関する計測値と所定の計算式とに基づいて、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁抵抗値を出力する地絡抵抗値算出部と、
少なくとも一時的に、前記正極側電源ライン又は負極側電源ラインと前記接地電極との間に接続される、抵抗値が既知の基準抵抗器と、
通常の計測に先立ち実行されるテストモードにおいて、前記基準抵抗器の抵抗値に基づき、前記正極側電源ラインと前記接地電極との間の正極側静電容量および前記負極側電源ラインと前記接地電極との間の負極側静電容量の影響を把握し、静電容量の影響を前記地絡抵抗値算出部の処理内容に反映するテストモード制御部と、
を備え、
前記地絡抵抗値算出部は、計算式が想定している静電容量の大きさが互いに異なる複数の換算マップを有し、前記複数の換算マップの各々は、計測値をパラメータとして入力して絶縁抵抗値を出力し、
前記テストモード制御部は、前記テストモードの処理結果に従って、前記複数の換算マップの中の1つの換算マップを自動的に選択すること。
) 上記(1)又は上記(2)に記載の絶縁状態検出装置であって、
前記基準抵抗器は、漏電に関し警報すべき基準を表す所定の警報しきい値よりも大きい抵抗値を有すること。
上記(1)の構成の絶縁状態検出装置によれば、検査者の余分な作業を必要とすることなく精度の高い計測が可能になる。すなわち、前記テストモードで抵抗値が既知の基準抵抗器を接続することにより、実際の測定環境において影響を受ける静電容量の影響が自動的に前記地絡抵抗値算出部の処理内容に反映される。従って、前記Yコンデンサ等の静電容量が未知であっても、絶縁抵抗の測定誤差を減らすことができる。
加えて、絶縁抵抗の測定において影響を受ける静電容量の大きさを検査者等が知ることができる。従って、この絶縁状態検出装置を静電容量測定器として利用することも可能になる。
上記(2)の構成の絶縁状態検出装置によれば、検査者の余分な作業を必要とすることなく精度の高い計測が可能になる。すなわち、前記テストモードで抵抗値が既知の基準抵抗器を接続することにより、実際の測定環境において影響を受ける静電容量の影響が自動的に前記地絡抵抗値算出部の処理内容に反映される。加えて、実際の測定環境において影響を受ける静電容量の大きさに適した1つの換算マップが自動的に選択されるので、前記Yコンデンサ等の静電容量が未知であっても、絶縁抵抗の測定誤差を減らすことができる。
上記()の構成の絶縁状態検出装置によれば、比較的抵抗値の大きい基準抵抗器を用いるので、影響を受ける静電容量をより高感度で検出可能になる。また、基準抵抗器の抵抗値を警報しきい値よりも十分大きくすることにより、基準抵抗器を接続したまま通常の計測を実施することも可能になる。従って、追加するスイッチ等の部品を減らすことが可能になり、装置のコストダウンに繋がる。
本発明の絶縁状態検出装置によれば、絶縁抵抗の測定に影響を及ぼすYコンデンサ等の静電容量が未知の場合であっても、装置コストの大幅な上昇を招いたり検査者の余分な作業を必要とすることなく、精度の高い計測が可能になる。すなわち、前記テストモードで抵抗値が既知の基準抵抗器を接続することにより、実際の測定環境において影響を受ける静電容量の影響が自動的に前記地絡抵抗値算出部の処理内容に反映される。従って、前記Yコンデンサ等の静電容量が未知の場合であっても、絶縁抵抗の測定誤差を減らすことができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、実施形態の絶縁状態検出装置の回路構成を示す電気回路図である。 図2は、換算マップの構成例(1)を示すブロック図である。 図3は、絶縁状態検出装置の主要な動作(1)を示すフローチャートである。 図4は、地絡抵抗値の大きさと測定誤差の大小との関係を示すグラフである。 図5は、換算マップの構成例(2)を示すブロック図である。 図6は、絶縁状態検出装置の主要な動作(2)を示すフローチャートである。 図7は、絶縁状態検出装置の主要な動作(3)を示すフローチャートである。 図8は、計測時の各スイッチング素子の切り替えタイミングの具体例を示すタイムチャートである。
本発明の絶縁状態検出装置に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<装置の構成>
本実施形態における絶縁状態検出装置10の構成および計測時の接続例を図1に示す。図1に示す直流高圧電源50は、電気自動車などの車両に搭載され、200V程度の高電圧の直流電力を出力する。
直流高圧電源50の出力の正極側電源ライン111と接地電極103との間は電気的に絶縁されている。また、負極側電源ライン112と接地電極103との間も電気的に絶縁されている。接地電極103は、車両の車体などのアース部分に相当する。ここで、正極側電源ライン111と接地電極103との間の絶縁状態を地絡抵抗(RLp)として表すことができる。また、負極側電源ライン112と接地電極103との間の絶縁状態を地絡抵抗(RLn)として表すことができる。
また、コモンモードノイズを低減するために、図1に示すように、正極側電源ライン111と接地電極103との間にYコンデンサ101を接続し、負極側電源ライン112と接地電極103との間にYコンデンサ102を接続してある。
絶縁状態検出装置10は、直流高圧電源50の出力における地絡抵抗RLp、RLnを検出し絶縁状態を把握するために用いる。地絡抵抗RLp、RLnを検出する際には、図1に示すように、絶縁状態検出装置10の正極側入力端子13及び負極側入力端子14をそれぞれ正極側電源ライン111及び負極側電源ライン112と接続する。また、絶縁状態検出装置10の接地電極15は、接地電極103と接続する。
図1に示すように、絶縁状態検出装置10の回路にはフライングキャパシタとして動作する検出用コンデンサC1が設けてある。また、検出用コンデンサC1の充電及び放電を制御するために、その周辺に5つのスイッチング素子S1〜S5が設けてある。これらのスイッチング素子S1〜S5の各々は、例えば光MOSFETのように、絶縁された信号の制御によって接点の開閉(オフ/オン)状態を切替可能なスイッチである。
スイッチング素子S1は、一端が配線31および抵抗器R11を介して正極側入力端子13と接続され、他端が配線33と接続されている。スイッチング素子S2は、一端が配線32および抵抗器R12を介して負極側入力端子14と接続され、他端が配線34と接続されている。
スイッチング素子S3は、一端が配線33と接続され、他端が配線35と接続されている。スイッチング素子S4は、一端が配線34と接続され、他端が抵抗器R4を介して接地電極15と接続されている。
検出用コンデンサC1は、負極側端子が配線34と接続されている。検出用コンデンサC1の正極側端子は、ダイオードD0及び抵抗器R1で構成される直列回路を介して配線33と接続されている。また、検出用コンデンサC1の正極側端子は、ダイオードD1及び抵抗器R6で構成される直列回路を介して配線33と接続されている。
スイッチング素子S5は、一端がダイオードD1のカソードと接続され、他端が抵抗器R5を介して接地電極15と接続されている。配線35は抵抗器R3を介して接地電極15と接続されている。
本実施形態においては、特徴的な構成要素として、基準抵抗器Rrefを負極側電源ライン112と接地電極103との間に接続してある。基準抵抗器Rrefは、抵抗値が既知の電気抵抗であり、後述するテストモードのために特別に接続してある。基準抵抗器Rrefの抵抗値は、例えば図4に示す警報しきい値よりも十分に大きい値であり、実用的には数百kΩ程度の抵抗値に定める。
なお、図1の回路構成においては基準抵抗器Rrefを負極側電源ライン112に直接接続してあるが、適当なスイッチを介して接続しても良い。すなわち、基準抵抗器Rrefを必要とするのはテストモードのみであり、通常の計測時には基準抵抗器Rrefを負極側電源ライン112から切り離しても良い。また、基準抵抗器Rrefは、正極側電源ライン111と接地電極103との間に接続しても良い。
マイクロコンピュータ11は、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、絶縁状態検出装置10に必要とされる各種制御を実行する。具体的には、マイクロコンピュータ11は、スイッチング素子S1〜S5を個別に制御して検出用コンデンサC1の充電及び放電を制御する。また、マイクロコンピュータ11は検出用コンデンサC1の充電電圧に相当するアナログレベルを、入力回路20および配線36を介して入力し、この入力レベルに基づいて計算を行い、地絡抵抗RLp及びRLnを把握する。
本実施形態においては、配線36からマイクロコンピュータ11に入力されたアナログレベルに基づき地絡抵抗を算出するための計算式に相当する換算マップ11aをマイクロコンピュータ11が搭載している。また、本実施形態では図1に示すように複数の換算マップを有している。この換算マップは、様々な値の入力値に対して予め計算した全ての計算結果をデータの集合として保持するメモリである。換算マップを利用することにより、実際の計算を省略したり簡略化することができる。
また、マイクロコンピュータ11の入力ポートには、テストモードスイッチ12が接続されている。ユーザがテストモードスイッチ12を操作することにより、マイクロコンピュータ11はテストモードの動作を開始することができる。
また、地絡抵抗の測定値や警報などを出力するために、マイクロコンピュータ11の出力ポートは出力コネクタ21に接続されている。出力コネクタ21の出力には、例えば数値などを表示する表示器や警報用のブザーなどを接続することができる。
<換算マップの構成例(1)>
本実施形態における換算マップ11aの構成例を図2に示す。図2に示した例では、互いに独立した5つの換算マップMP11、MP12、MP13、MP14、MP15を備える場合を想定しているが、実際に搭載する換算マップの数については必要に応じて増減することができる。
図2に示した換算マップMP11〜MP15は、それぞれ異なる静電容量Cを想定して計算式を計算した結果を保持している。想定する静電容量Cとは、地絡抵抗RLp、RLnの測定に影響を及ぼす静電容量、すなわち、Yコンデンサ101、102や、正極側電源ライン111、負極側電源ライン112などの近傍に存在する浮遊容量の静電容量を意味している。このような静電容量Cは、専用の測定器を用いて事前に計測しない限り未知である場合が多く、環境の違いに応じて大きく変化する可能性もある。そこで、未知の静電容量Cに対応して複数の換算マップMP11〜MP15が用意してある。
つまり、換算マップMP11は1番目の静電容量C(1)を想定した計算式に対応する計算結果のデータを保持している。同様に、換算マップMP12は2番目の静電容量C(2)を想定した計算式に対応し、換算マップMP13は3番目の静電容量C(3)を想定した計算式に対応し、換算マップMP14は4番目の静電容量C(4)を想定した計算式に対応し、換算マップMP15は5番目の静電容量C(5)を想定した計算式に対応する。
マイクロコンピュータ11は、用意した複数の換算マップMP11〜MP15のいずれか1つを選択的に使用して計算した地絡抵抗RLp及びRLnを計測結果として出力する。また、複数の換算マップMP11〜MP15の中から最適な換算マップを選択するためにテストモードを実行する。
<選択する換算マップと測定誤差との関係>
地絡抵抗値の大きさと測定誤差の大小との関係の具体例を図4に示す。図4に示すように、選択した換算マップが適切でない場合には大きな測定誤差が発生する。
すなわち、選択したn番目の換算マップが想定している静電容量C(n)が、実際のYコンデンサ101等の静電容量と比べて大きい場合には、プラス側のずれが地絡抵抗RLp及びRLnの計測結果に現れる。逆に、選択したn番目の換算マップが想定している静電容量C(n)が、実際のYコンデンサ101等の静電容量と比べて小さい場合には、マイナス側のずれが地絡抵抗RLp及びRLnの計測結果に現れる。また、発生するずれの量は、図4のように地絡抵抗値が大きくなる従い増大する傾向にある。
従って、実際のYコンデンサ101等の静電容量と一致する静電容量Cを想定している最適な1つの換算マップを選択することか重要である。これにより、地絡抵抗RLp及びRLnの計測結果が実際の値からずれるのを防止できる。後述するように、本実施形態では、最適な1つの換算マップを自動的に選択することができる。
<装置の動作>
<検出用コンデンサ(フライングキャパシタ)C1の充放電の説明>
<切り替えのタイミング>
計測時のスイッチング素子S1〜S5の切り替えタイミングの具体例を図8に示す。すなわち、地絡抵抗RLp及びRLnの計測を実施する際には、図8に示すような基本計測サイクルに従ってマイクロコンピュータ11がスイッチング素子S1〜S5のオンオフを制御し、地絡抵抗の算出に必要な計測値を取得する。
図8に示した基本計測サイクルは、「V0充電」、「計測」、「放電」、「Vc1−充電」、「計測」、「放電」、「V0充電」、「計測」、「放電」、「Vc1+充電」、「計測」、「放電」の各区間の連なりにより構成されている。
時刻t1−t2の「V0充電」区間においては、スイッチング素子S1及びS2がオン(接点閉)になり、他のスイッチング素子はオフ(接点開)になる。時刻t2−t3の「計測」区間においては、スイッチング素子S3、S4がオンになり、他のスイッチング素子はオフになる。
時刻t3−t4の「放電」区間においては、スイッチング素子S4、S5がオンになり、他のスイッチング素子はオフになる。時刻t4−t5の「Vc1−充電」区間においては、スイッチング素子S1、S4がオンになり、他のスイッチング素子はオフになる。
時刻t5−t6の「計測」区間は、時刻t2−t3の「計測」区間と同様である。また、時刻t6−t7の「放電」区間は、時刻t3−t4の「放電」区間と同様である。時刻t7−t8の「V0充電」区間は、時刻t1−t2の「V0充電」区間と同様である。続く時刻t8−t9の「計測」区間は、時刻t2−t3の「計測」区間と同様である。また、時刻t9−t10の「放電」区間は、時刻t3−t4の「放電」区間と同様である。
時刻t10−t11の「Vc1+充電」区間においては、スイッチング素子S2、S3がオンになり、他のスイッチング素子はオフになる。時刻t11−t12の「計測」区間は、時刻t2−t3の「計測」区間と同様である。また、時刻t12−t13の「放電」区間は、時刻t3−t4の「放電」区間と同様である。
<計測サイクルの各区間の通電経路及び動作>
「V0充電」区間:
スイッチング素子S1の接点が閉になるので、正極側電源ライン111から正極側入力端子13、配線31、スイッチング素子S1、ダイオードD0、抵抗器R1を通って検出用コンデンサC1の正極側端子に電流が流れる。また、スイッチング素子S2の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子から、配線34、スイッチング素子S2、配線32、負極側入力端子14、負極側電源ライン112へ電流が流れる。従って、この電流により検出用コンデンサC1に電荷が充電される。
「計測」区間:
スイッチング素子S4の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子が、抵抗器R4を介して接地電極15と接続される。また、スイッチング素子S3の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の正極側端子が、ダイオードD1、抵抗器R6、スイッチング素子S3、配線35、入力回路20、配線36を介してマイクロコンピュータ11のアナログ入力ポートと接続される。従って、マイクロコンピュータ11は、検出用コンデンサC1の充電電圧に比例したアナログレベルを検出することができる。
「放電」区間:
スイッチング素子S4の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子が、抵抗器R4を介して接地電極15と接続される。また、スイッチング素子S5の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の正極側端子が、ダイオードD1、スイッチング素子S5、抵抗器R5を介して接地電極15と接続される。従って、検出用コンデンサC1に蓄積された電荷は放電する。
「Vc1−充電」区間:
スイッチング素子S1の接点が閉になるので、正極側電源ライン111から正極側入力端子13、配線31、スイッチング素子S1、ダイオードD0、抵抗器R1を通って検出用コンデンサC1の正極側端子に電流が流れる。また、スイッチング素子S4の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子から、スイッチング素子S4、抵抗器R4、接地電極15、接地電極103、地絡抵抗RLnを通って負極側電源ライン112に電流が流れる。この電流により、検出用コンデンサC1に電荷が充電される。この時の充電電圧は、地絡抵抗RLnの影響を反映した結果になる。
「Vc1+充電」区間:
スイッチング素子S3の接点が閉になるので、正極側電源ライン111から地絡抵抗RLp、接地電極103、接地電極15、抵抗器R3、スイッチング素子S3、ダイオードD0、抵抗器R1を通って、検出用コンデンサC1の正極側端子に電流が流れる。また、スイッチング素子S2の接点が閉になるので、検出用コンデンサC1の負極側端子から、配線34、スイッチング素子S2、配線32、負極側入力端子14、負極側電源ライン112へ電流が流れる。この電流により、検出用コンデンサC1に電荷が充電される。この時の充電電圧は、地絡抵抗RLpの影響を反映した結果になる。
<基本的な地絡抵抗の計測動作>
図1に示した絶縁状態検出装置10の動作に関しては、基本的には以下の関係式が成立する。
(RLp+RLn)/(RLp×RLn)={(Vc1+)+(Vc1−)}/Vc1
但し、
Vc1:直流高圧電源50の出力電圧に応じた検出用コンデンサC1の充電電圧
Vc1−:負側の地絡抵抗RLnの影響を受けた検出用コンデンサC1の充電電圧
Vc1+:正側の地絡抵抗RLpの影響を受けた検出用コンデンサC1の充電電圧
RLp,RLn:各地絡抵抗の抵抗値
従って、マイクロコンピュータ11は、各状態でアナログ入力ポートに入力される信号レベルから各充電電圧「Vc1」、「Vc1−」、「Vc1+」を把握し、上記関係式に基づいて地絡抵抗RLp、RLnを算出することが可能である。
<計測誤差の説明>
一方、直流高圧電源50の出力に接続されているYコンデンサ101、102や正極側電源ライン111および負極側電源ライン112と接地電極103との間に存在する浮遊容量は、直流高圧電源50の出力する電流により充電される。
Yコンデンサ101、102等の充電状態は、定常状態では安定し変化しない。しかし、前記「Vc1−充電」区間では、正側のYコンデンサ101の充電電荷が放電されて、この放電される充電電荷を含む電荷が、検出用コンデンサC1に充電される。また、前記「Vc1+充電」区間では、負側のYコンデンサ102の充電電荷が放電されて、この放電される充電電荷を含む電荷が、検出用コンデンサC1に充電される。
したがって、マイクロコンピュータ11が検出する各充電電圧「Vc1−」、「Vc1+」には、Yコンデンサ101、102等の影響が含まれている。そのため、Yコンデンサ101、102等の静電容量の影響を想定した上で計算を実施しない限り、計測誤差が発生する。但し、Yコンデンサ101、102や浮遊容量等の実際の静電容量の大きさは未知であるため、計算式が想定している静電容量は実際の静電容量と必ずしも一致しない。従って、図4に示すような計測誤差が発生する。
<計測誤差を減らすための動作>
本実施形態では、図2に示したように、互いに想定する静電容量C(n)が異なる独立した複数の換算マップMP11〜MP15がマイクロコンピュータ11に備わっている。従って、換算マップMP11〜MP15のいずれかを適切に選択して使用することにより、地絡抵抗RLp、RLnの計測誤差を減らすことができる。但し、Yコンデンサ101、102や浮遊容量等の実際の静電容量の大きさが未知の状況においては、換算マップMP11〜MP15のいずれが適切なのかも不明である。適切な換算マップを自動的に選択するために後述するテストモードが実行される。
<マイクロコンピュータ11の動作>
絶縁状態検出装置10の主要な動作を図3に示す。図1に示したマイクロコンピュータ11は、図3に示す動作を実行することができる。図3の各ステップについて以下に説明する。
ステップS11では、Yコンデンサ101、102や浮遊容量等の静電容量の違いに対応できるように、計算式の想定する静電容量が互いに異なる複数の換算マップを用意しておく。本実施形態では、予めマイクロコンピュータ11の内部メモリ上に、図2に示したような複数の換算マップMP11〜MP15が用意されているので、マイクロコンピュータ11は内部メモリにアクセスし換算マップMP11〜MP15を取得できる。
ステップS12〜S16は、適切な換算マップを自動選択するために特別に設けられたテストモードの動作に相当する。すなわち、通常の計測に先立ち、実際の計測環境に合わせて換算マップを選択するために、マイクロコンピュータ11はテストモードの動作を実行する。実際には、例えば図1に示したテストモードスイッチ12をユーザが操作してマイクロコンピュータ11に指示を与えることにより、テストモードを開始することができる。
ステップS12では、図1に示すように、抵抗値が既知の基準抵抗器Rrefを負極側電源ライン112と接地電極103との間に接続する。図1のように最初から基準抵抗器Rrefが接続されている場合には、S12では何もしなくて良い。なお、基準抵抗器Rrefを正極側電源ライン111と接地電極103との間に接続しても良い。また、基準抵抗器Rrefの抵抗値については、図4に示すように、地絡抵抗値の警報しきい値よりも十分大きい値に定めておく。
ステップS13では、マイクロコンピュータ11は、図8に示したような基本計測サイクルに従って、スイッチング素子S1〜S5のオンオフを制御し、地絡抵抗の算出に必要な計測値を取得する。
ステップS14では、マイクロコンピュータ11は、複数の換算マップMP11〜MP15を順番に選択し、前のS13で取得した計測値を選択した各換算マップに入力してマップ毎に地絡抵抗値の計算結果を取得する。
ステップS15では、マイクロコンピュータ11は、S14で得られた複数の地絡抵抗値を基準抵抗器Rrefの抵抗値と比較し、Rrefに最も近い地絡抵抗値が得られた1つの換算マップを複数の換算マップMP11〜MP15の中から選択する。
ステップS16では、マイクロコンピュータ11は、S15で選択した換算マップの選択状態を維持したまま、このテストモードを終了して通常測定モードに移行する。
通常測定モードでは、ユーザが必要に応じて測定対象を切り替える。すなわち、絶縁状態検出装置10の正極側入力端子13および負極側入力端子14の接続先の対象物(車両等)を変更する。例えば、同一車種の多数の車両の地絡抵抗を順番に検査する場合には、1回のテストモードが終了した後で、使用する換算マップを切り替えることなく通常モードで検査を続けることができる。
ステップS17では、マイクロコンピュータ11は、S13と同様に図8に示したような基本計測サイクルに従って、スイッチング素子S1〜S5のオンオフを制御し、地絡抵抗の算出に必要な計測値を取得する。
ステップS18では、選択された1つの換算マップにS17で取得した計測値を入力し、前記換算マップの出力から計算結果である地絡抵抗値Rxを取得する。
ステップS19では、マイクロコンピュータ11はS18で取得した地絡抵抗値Rxを警報しきい値Rth(図4参照)と比較する。「Rx<Rth」の条件を満たす場合はS20に進み、条件を満たさない場合はS21に進む。
ステップS20では、マイクロコンピュータ11は、地絡抵抗値に関する警報を出力するために、所定の制御信号を出力コネクタ21に出力する。
ステップS21では、マイクロコンピュータ11は、S18で取得した地絡抵抗値Rxの情報、又は「地絡なし(検査OK)」を表す情報を出力コネクタ21に出力する。
<変形例1>
換算マップの構成例(2)を図5に示す。この変形例では、図5に示した単一の換算マップMP2をマイクロコンピュータ11が使用する。これ以外の回路構成については図1と同様である。
図5に示すように、換算マップMP2は、容量パラメータPcと測定値とを入力パラメータとする計算式に対応するマップであり、パラメータの各々の値に対応した全ての計算結果をデータの集合として予め保持している。つまり、換算マップMP2に容量パラメータPcおよび測定値を入力することにより、計算結果の地絡抵抗値を直ちに出力することができる。
但し、通常の状況では、前述のように検査対象のYコンデンサ101、102や浮遊容量の影響を含む静電容量の大きさは未知である。従って、図5の換算マップMP2を使用する場合には、容量パラメータPcとして適切な値を与えない限り、地絡抵抗値として正しい値を出力することができない。
絶縁状態検出装置の主要な動作(2)を図6に示す。この変形例では、図6に示した動作をマイクロコンピュータ11が実行し、テストモードにおいて適切な容量パラメータPcを自動的に決定する。
図6に示す動作については、S11B、S14B、S15B、S16B、S18Bの各ステップが図3の内容と異なっている。図3の内容と異なる各ステップについて以下に説明する。
ステップS11Bでは、Yコンデンサ101、102や浮遊容量等の静電容量の違いに対応できるように、静電容量を1つの入力パラメータとする計算式に対応する図5のような換算マップMP2を用意しておく。本実施形態では、予めマイクロコンピュータ11の内部メモリ上に、図5に示したような換算マップMP2が用意されているので、マイクロコンピュータ11は内部メモリにアクセスし換算マップMP2を取得できる。
ステップS14Bでは、予め用意した複数の容量パラメータPcの値を順番に選択し、各容量パラメータPcおよび前のS13で取得した計測値を換算マップMP2に入力してPcの値毎に地絡抵抗値の計算結果を取得する。
ステップS15Bでは、マイクロコンピュータ11は、S14Bで得られた複数の地絡抵抗値を基準抵抗器Rrefの抵抗値と比較し、複数のPcの中でRrefに最も近い地絡抵抗値が得られた1つのPcの値を選択する。
ステップS16Bでは、マイクロコンピュータ11は、S15で選択した1つの容量パラメータPcの値を選択的に換算マップMP2に入力した状態を維持したまま、このテストモードを終了して通常測定モードに移行する。
ステップS18Bでは、マイクロコンピュータ11は、選択された1つの容量パラメータPcおよびS17で取得した計測値を換算マップMP2に入力し、前記換算マップの出力から計算結果である地絡抵抗値Rxを取得する。
<変形例2>
前述のYコンデンサ101、102や浮遊容量等の静電容量の値を出力する機能を追加した変形例について以下に説明する。
この変形例における絶縁状態検出装置10の主要な動作(3)を図7に示す。図7においては、S21C、S31、S32の各ステップが図3と異なっている。図3の内容と異なる各ステップについて以下に説明する。なお、この変形例で想定している電気回路の構成については図1と同様である。
ステップS31では、マイクロコンピュータ11は、前のS15で選択された1つの換算マップ(MP11〜MP15のいずれか)が計算結果として出力する地絡抵抗値Rtと、基準抵抗器Rrefの抵抗値との差分(計算誤差)ΔRを算出する。
ステップS32では、マイクロコンピュータ11は、S15で選択された1つの換算マップ(MP11〜MP15のいずれか)に対応する計算式に、S31で得られた差分(計算誤差)ΔRを適用し、前記計算式を逆算することにより、静電容量Cxを算出する。
例えば、S15で図2に示す換算マップMP13を選択した場合には、MP13に相当する計算式が、想定した静電容量C(3)に基づいて地絡抵抗値Rtを算出したことになるので、地絡抵抗値の差分(計算誤差)ΔRだけ静電容量C(3)にもずれがあることになる。MP3の計算式を逆算することにより、差分(計算誤差)ΔR相当だけ静電容量C(3)のずれを修正することができ、その結果を静電容量Cxとして算出することができる。
ステップS21Cでは、マイクロコンピュータ11は、S18で取得した地絡抵抗値Rxの情報、又は「地絡なし(検査OK)」を表す情報と、S32で算出した静電容量Cxの値を出力コネクタ21に出力する。
<その他の変形の可能性>
図1に示した電気回路においては、基準抵抗器Rrefを負極側電源ライン112および接地電極103に直接接続してあるが、適当なスイッチを介して接続しても良い。また、このスイッチをマイクロコンピュータ11が制御し、前述のテストモードを実行するとき以外のタイミングでは前記スイッチを解放して基準抵抗器Rrefを回路から切り離すように制御することもできる。
図1に示した電気回路においては、テストモードの開始を指示するためにテストモードスイッチ12を設けてあるが、テストモードスイッチ12を省略することも可能である。例えば、マイクロコンピュータ11の動作が起動する毎に、あるいは定期的に、もしくはそれ以外の特定の条件を満たしたときにマイクロコンピュータ11がテストモードを自動的に開始することもできる。
<補足説明>
(1)図1に示した絶縁状態検出装置10は、所定の高圧直流電源(50)出力の正極側電源ライン(111)及び負極側電源ライン(112)とそれぞれ接続される正極側入力端子(13)及び負極側入力端子(14)と、接地電極(15)とを有し、フライングキャパシタ(C1)の充電電圧に基づいて前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁状態を把握する。また、前記フライングキャパシタの充電電圧に関する計測値と所定の計算式とに基づいて、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁抵抗値を出力する地絡抵抗値算出部(11a)と、少なくとも一時的に、前記正極側電源ライン又は負極側電源ラインと前記接地電極との間に接続される、抵抗値が既知の基準抵抗器(Rref)と、通常の計測に先立ち実行されるテストモードにおいて、前記基準抵抗器の抵抗値に基づき、前記正極側電源ラインと前記接地電極との間の正極側静電容量および前記負極側電源ラインと前記接地電極との間の負極側静電容量の影響を把握し、静電容量の影響を前記地絡抵抗値算出部の処理内容に反映するテストモード制御部(11、S12〜S16)と、を備えている。
(2)また、前記地絡抵抗値算出部は、図2に示すように、計算式が想定している静電容量(C(1)〜C(5))の大きさが互いに異なる複数の換算マップ(MP11〜MP15)を有し、前記複数の換算マップの各々は、計測値をパラメータとして入力して絶縁抵抗値を出力する。また、図3に示すように、前記テストモード制御部は前記テストモードの処理結果に従って、前記複数の換算マップの中の1つの換算マップを自動的に選択する(S15、S16)。
(3)また、前記地絡抵抗値算出部は、図5に示すように、計測値および計算式が想定する静電容量の影響をパラメータとして入力し絶縁抵抗値を出力する換算マップMP2を有する。また、前記テストモード制御部は、図6に示すように、前記テストモードの処理結果に従って静電容量に関する複数の影響量の中から1つの影響量を選択し、前記換算マップの入力に与える(S14B、S15B、S16B)。
(4)また、前記基準抵抗器(Rref)は、図4に示すように、漏電に関し警報すべき基準を表す所定の警報しきい値よりも大きい抵抗値を有する。
(5)また、前記地絡抵抗値算出部は、所定の計算式に基づき、計測値をパラメータとして入力して絶縁抵抗値を出力する換算マップを有する。また、前記テストモード制御部は、図7に示すように、前記テストモードで前記換算マップの出力に得られた絶縁抵抗値と、前記基準抵抗器の抵抗値との誤差分に基づき、前記換算マップの計算式を逆算して、前記正極側電源ラインと前記接地電極との間の正極側静電容量および前記負極側電源ラインと前記接地電極との間の負極側静電容量に相当する静電容量値を算出する(S31、S32)静電容量算出部(11)を有する。
10 絶縁状態検出装置
11 マイクロコンピュータ
11a,MP11,MP12,MP13,MP14,MP15,MP2 換算マップ
12 テストモードスイッチ
13 正極側入力端子
14 負極側入力端子
15 接地電極
20 入力回路
21 出力コネクタ
31〜36 配線
50 直流高圧電源
101,102 Yコンデンサ
103 接地電極
111 正極側電源ライン
112 負極側電源ライン
C1 検出用コンデンサ(フライングキャパシタ)
C2 コンデンサ
D0,D1 ダイオード
Pc 容量パラメータ
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R11,R12 抵抗器
Rref 基準抵抗器
RLp,RLn 地絡抵抗
S1,S2,S3,S4,S5 スイッチング素子

Claims (3)

  1. 所定の高圧直流電源出力の正極側電源ライン及び負極側電源ラインとそれぞれ接続される正極側入力端子及び負極側入力端子と、接地電極とを有し、フライングキャパシタの充電電圧に基づいて前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁状態を把握する絶縁状態検出装置であって、
    前記フライングキャパシタの充電電圧に関する計測値と所定の計算式とに基づいて、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁抵抗値を出力する地絡抵抗値算出部と、
    少なくとも一時的に、前記正極側電源ライン又は負極側電源ラインと前記接地電極との間に接続される、抵抗値が既知の基準抵抗器と、
    通常の計測に先立ち実行されるテストモードにおいて、前記基準抵抗器の抵抗値に基づき、前記正極側電源ラインと前記接地電極との間の正極側静電容量および前記負極側電源ラインと前記接地電極との間の負極側静電容量の影響を把握し、静電容量の影響を前記地絡抵抗値算出部の処理内容に反映するテストモード制御部と、
    を備え
    前記地絡抵抗値算出部は、所定の計算式に基づき、計測値をパラメータとして入力して絶縁抵抗値を出力する換算マップを有し、
    前記テストモード制御部は、前記テストモードで前記換算マップの出力に得られた絶縁抵抗値と、前記基準抵抗器の抵抗値との誤差分に基づき、前記換算マップの計算式を逆算して、前記正極側電源ラインと前記接地電極との間の正極側静電容量および前記負極側電源ラインと前記接地電極との間の負極側静電容量に相当する静電容量値を算出する静電容量算出部を有する
    ことを特徴とする絶縁状態検出装置。
  2. 所定の高圧直流電源出力の正極側電源ライン及び負極側電源ラインとそれぞれ接続される正極側入力端子及び負極側入力端子と、接地電極とを有し、フライングキャパシタの充電電圧に基づいて前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁状態を把握する絶縁状態検出装置であって、
    前記フライングキャパシタの充電電圧に関する計測値と所定の計算式とに基づいて、前記正極側電源ライン及び負極側電源ラインと前記接地電極との間の絶縁抵抗値を出力する地絡抵抗値算出部と、
    少なくとも一時的に、前記正極側電源ライン又は負極側電源ラインと前記接地電極との間に接続される、抵抗値が既知の基準抵抗器と、
    通常の計測に先立ち実行されるテストモードにおいて、前記基準抵抗器の抵抗値に基づき、前記正極側電源ラインと前記接地電極との間の正極側静電容量および前記負極側電源ラインと前記接地電極との間の負極側静電容量の影響を把握し、静電容量の影響を前記地絡抵抗値算出部の処理内容に反映するテストモード制御部と、
    を備え、
    前記地絡抵抗値算出部は、計算式が想定している静電容量の大きさが互いに異なる複数の換算マップを有し、前記複数の換算マップの各々は、計測値をパラメータとして入力して絶縁抵抗値を出力し、
    前記テストモード制御部は、前記テストモードの処理結果に従って、前記複数の換算マップの中の1つの換算マップを自動的に選択する
    ことを特徴とする絶縁状態検出装置。
  3. 前記基準抵抗器は、漏電に関し警報すべき基準を表す所定の警報しきい値よりも大きい抵抗値を有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絶縁状態検出装置。
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