JP2014151688A - ハイブリッド車両の潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン停止のためエンジン駆動されるポンプからオイルが吐出されない電気走行時において、車両に連れ回されるエンジン伝動系部分の潤滑を保証する。
【解決手段】クラッチの解放でエンジンを車輪から切り離すと共に停止させたEV走行中、S11およびS13でEV走行時潤滑制御が必要になったと判定する時からのEV走行時潤滑制御必要継続時間tが潤滑油不足判定時間t1以上に達した時(S21)、エンジンを始動させて(S22)、オイルポンプからのオイルによりエンジン伝動系の回転部分を潤滑するため、 EV走行車両に連れ回される当該回転部分の潤滑不能を防止し得る。そして、潤滑用エンジン始動(S22)から潤滑油貯留判定時間t2が経過した時(S26)、潤滑用エンジン作動を停止させ(S27)、無駄に潤滑用エンジン作動が行われるのを防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、2種類の動力源を具え、これら双方の動力源による走行モードと、一方の動力源を停止させて他方の動力源のみによる走行モードとを選択可能なハイブリッド車両の潤滑装置、特に、他方の動力源のみによる後者の走行モードにおいて前記一方の動力源に係わる伝動系の潤滑を良好に行わせるための潤滑装置に関するものである。
このようなハイブリッド車両としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
このハイブリッド車両は、エンジンおよび電動モータを動力源として搭載され、上記他方の動力源である電動モータのみにより走行する電気走行モード(EVモード)と、この電動モータと、上記一方の動力源であるエンジンとにより走行するハイブリッド走行モード(HEVモード)とを選択可能なハイブリッド車両である。
具体的にはこのハイブリッド車両は、一方の動力源であるエンジンが無段変速機およびクラッチを順次介して車輪に切り離し可能に駆動結合され、他方の動力源である電動モータが当該車輪に常時結合された型式のものである。
かかるハイブリッド車両は、エンジン(一方の動力源)を停止すると共に上記のクラッチを解放することで電動モータ(他方の動力源)のみによるEVモードでの電気走行(EV走行)が可能であり、エンジンを始動させると共に当該クラッチを締結することにより電動モータおよびエンジンによるHEVモードでのハイブリッド走行(HEV走行)が可能である。
なお、EV走行中にエンジンを上記のごとく停止することで燃費を向上させ、またEV走行中にクラッチを上記のごとく解放することで、停止状態のエンジンが(変速機が存在している場合は変速機も)車輪から切り離されていることとなり、当該エンジン(変速機)をEV走行中に連れ回す(引き摺る)ことがなく、その分のエネルギー損失を回避し得てエネルギー効率を高めることができる。
特開2000−199442号公報
上記ハイブリッド車両にあっては、エンジン駆動されるオイルポンプからのオイルで、無段変速機を変速制御すると共に、エンジンに係わる伝動系を潤滑する。
従ってHEV走行中は、エンジンが運転されており、オイルポンプからのオイルで無段変速機を変速制御し得るし、エンジンに係わる伝動系の潤滑も行うことができる。
しかしEV走行中は、エンジンが運転を停止されており、オイルポンプからオイルが吐出されないことから、無段変速機を変速制御不能であるし、エンジンに係わる伝動系の潤滑も不能になる。
しかしエンジンに係わる伝動系には、クラッチが解放されたEV走行中でもクラッチと駆動車輪との間に存在する回転メンバのように、EV走行中に連れ回される回転メンバが存在する。
このように連れ回される回転メンバ、およびこれに噛合するなどして関わっている回転メンバは、EV走行中であっても潤滑が必要である。
しかるにEV走行中は、エンジンが停止されており、オイルポンプからオイルが吐出されなくて、エンジンに係わる伝動系の潤滑が不能であり、当該伝動系において上記のごとく連れ回される回転メンバを潤滑することができない。
よって従来のハイブリッド車両では、HEV→EVモード切り替え後のEV走行中、エンジンに係わる伝動系の潤滑要求箇所が潤滑不良や能潤滑不能に陥るという問題があった。
本発明は、上記した型式のハイブリッド車両において、一方の動力源を停止すると共にクラッチを解放させるモードで、該一方の動力源により駆動される既存のポンプを含む任意のポンプを作動させ、該任意のポンプからの媒体で該一方の動力源に係わる伝動系を潤滑することにより、一方の動力源に係わる伝動系の潤滑不良や潤滑不能に関した前記の問題を解消可能にした潤滑装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両の潤滑装置は、これを以下のごとくに構成する。
先ず本発明の前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
2種類の動力源を具え、一方の動力源をクラッチにより駆動車輪に断接可能に駆動結合すると共に、これら一方の動力源およびクラッチ間の伝動系に駆動結合されて該一方の動力源により駆動されるポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系の潤滑を行うようにし、他方の動力源を前記クラッチおよび駆動車輪間の伝動系に駆動結合したハイブリッド車両である。
本発明の潤滑装置は、かかるハイブリッド車両に対し以下のような潤滑手段を設けた構成に特徴づけられる。
この潤滑手段は、前記一方の動力源を停止させると共に前記クラッチを解放して前記他方の動力源のみにより走行するモードが選択されている間、前記一方の動力源により駆動される既存のポンプを含む任意のポンプを作動させ、該任意のポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑するものである。
本発明によるハイブリッド車両の潤滑装置にあっては、前記他方の動力源のみにより走行するモードが選択されている間、前記任意のポンプを作動させて、該任意のポンプからの媒体により前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑するため、
当該モードでの走行中に連れ回されて潤滑が必要な前記一方の動力源に係わる伝動系の潤滑要求箇所の潤滑を保証することができ、この潤滑が不足したり、不能になるという前記の問題を解消することができる。
本発明の第1実施例になる潤滑装置を具えたハイブリッド車両の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。 本発明の潤滑装置を適用可能な他の型式のハイブリッド車両を示し、 (a)は、当該ハイブリッド車両の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略システム図、 (b)は、当該ハイブリッド車両の駆動系におけるVベルト式無段変速機に内蔵された副変速機における変速摩擦要素の締結論理図である。 図1におけるハイブリッドコントローラが実行するEV時潤滑制御プログラムを示すフローチャートである。 図3のEV時潤滑制御で用いる潤滑油不足判定時間t1と、車速VSPと、潤滑油温TEMPとの関係を示す特性線図である。 図3のEV時潤滑制御で用いる潤滑油貯留判定時間t2と、車速VSPと、潤滑油温TEMPとの関係を示す特性線図である。 本発明の第2実施例になる潤滑装置のEV時潤滑制御プログラムを示すフローチャートである。 図6のEV時潤滑制御で用いる潤滑油貯留判定時間t3と、車速VSPと、潤滑油温TEMPとの関係を示す特性線図である。 本発明の第3実施例になる潤滑装置のEV時潤滑制御プログラムを示すフローチャートである。 図8のEV時潤滑制御で用いる潤滑油貯留判定時間t4と、潤滑油圧Ppと、潤滑油温TEMPとの関係を示す特性線図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になる潤滑装置を具えたハイブリッド車両の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。
ハイブリッド車両は、エンジン1および電動モータ2を動力源として搭載され、エンジン1は、スタータモータ3により始動する。
エンジン1は、Vベルト式無段変速機4を介して駆動車輪5に適宜切り離し可能に駆動結合し、Vベルト式無段変速機4は、概略を以下に説明するようなものとする。
Vベルト式無段変速機4は、プライマリプーリ6と、セカンダリプーリ7と、これらプーリ6,7間に掛け渡したVベルト8とからなる無段変速機構CVTを主たる構成要素とする。
プライマリプーリ6はトルクコンバータT/Cを介してエンジン1のクランクシャフトに結合し、セカンダリプーリ7はクラッチCLおよびファイナルギヤ組9を順次介して駆動車輪5に結合する。
かくしてクラッチCLの締結状態で、エンジン1からの動力はトルクコンバータT/Cを経てプライマリプーリ6へ入力され、その後Vベルト8、セカンダリプーリ7、クラッチCLおよびファイナルギヤ組9を順次経て駆動車輪5に達して、ハイブリッド車両の走行に供される。
かかるエンジン動力伝達中、プライマリプーリ6のプーリV溝幅を小さくしつつ、セカンダリプーリ7のプーリV溝幅を大きくすることで、Vベルト8がプライマリプーリ6との巻き掛け円弧径を大きくされると同時にセカンダリプーリ7との巻き掛け円弧径を小さくされ、Vベルト式無段変速機4はハイ側プーリ比(ハイ側変速比)へのアップシフトを行う。
逆にプライマリプーリ6のプーリV溝幅を大きくしつつ、セカンダリプーリ7のプーリV溝幅を小さくすることで、Vベルト8がプライマリプーリ6との巻き掛け円弧径を小さくされると同時にセカンダリプーリ7との巻き掛け円弧径を大きくされ、Vベルト式無段変速機4はロー側プーリ比(ロー側変速比)へのダウンシフトを行う。
電動モータ2はファイナルギヤ組11を介して駆動車輪5に常時結合し、この電動モータ2は、バッテリ12の電力によりインバータ13を介して駆動する。
インバータ13は、バッテリ12の直流電力を交流電力に変換して電動モータ2へ供給すると共に電動モータ2への供給電力を加減して、電動モータ2を駆動力制御および回転方向制御する。
なお電動モータ2は、上記のモータ駆動のほかに発電機としても機能し、後で詳述する回生制動の用にも供する。
この回生制動時はインバータ13が、電動モータ2に回生制動力分の発電負荷をかけてこれを発電機として作用させ、電動モータ2の発電電力をバッテリ12に蓄電する。
図1につき上記した駆動系を具えるハイブリッド車両は、クラッチCLを解放すると共にエンジン1を停止させた状態で、電動モータ2を駆動すると、電動モータ2の動力のみがファイナルギヤ組11を経て駆動車輪5に達し、ハイブリッド車両は電動モータ2のみによる電気走行モード(EVモード)で走行を行うことができる。
この間、クラッチCLを解放していることで、停止状態のエンジン1を連れ回すことがなく、EV走行中の無駄な電力消費を抑制することができる。
上記のEV走行状態においてエンジン1をスタータモータ3により始動させると共にクラッチCLを締結させると、エンジン1からの動力がトルクコンバータT/C、プライマリプーリ6、Vベルト8、セカンダリプーリ7、クラッチCLおよびファイナルギヤ組9を順次経て駆動車輪5に達するようになり、ハイブリッド車両はエンジン1および電動モータ2によるハイブリッド走行モード(HEVモード)で走行を行うことができる。
ハイブリッド車両を上記の走行状態から停車させたり、この停車状態に保つに際しては、駆動車輪5と共に回転するブレーキディスク14をキャリパ15により挟圧して制動することで目的を達する。
キャリパ15は、運転者が踏み込むブレーキペダル16の踏力に応動して負圧式ブレーキブースタ17による倍力下でブレーキペダル踏力対応のブレーキ液圧を出力するマスターシリンダ18に接続し、このブレーキ液圧でキャリパ15を作動させてブレーキディスク14の制動を行う。
ハイブリッド車両はEVモードおよびHEVモードのいずれにおいても、運転者がアクセルペダル19を踏み込んで指令する駆動力指令に応じたトルクで車輪5を駆動され、運転者の要求に応じた駆動力をもって走行される。
ハイブリッド車両の走行モード選択と、エンジン1の出力制御と、電動モータ2の回転方向制御および出力制御と、無段変速機4の変速制御およびクラッチCLの締結、解放制御と、バッテリ12の充放電制御はそれぞれ、ハイブリッドコントローラ21が、対応するエンジンコントローラ22、モータコントローラ23、変速機コントローラ24、およびバッテリコントローラ25を介して行う。
そのためハイブリッドコントローラ21には、ブレーキペダル16を踏み込む制動時にOFFからONに切り替わる常開スイッチであるブレーキスイッチ26からの信号と、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ27からの信号とを入力する。
ハイブリッドコントローラ21は更に、エンジンコントローラ22、モータコントローラ23、変速機コントローラ24、およびバッテリコントローラ25との間で、内部情報のやり取りを行う。
エンジンコントローラ22は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答して、エンジン1を出力制御し、
モータコントローラ23は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答してインバータ13を介し電動モータ2の回転方向制御および出力制御を行う。
変速機コントローラ24は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答し、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからのオイルを媒体として、無段変速機4(Vベルト式無段変速機構CVT)の変速制御およびクラッチCLの締結、解放制御を行う。
バッテリコントローラ25は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答し、バッテリ12の充放電制御を行う。
なお図1では、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合するため、無段変速機4に専用のクラッチCLを設けたが、
図2(a)に例示するごとく無段変速機4が、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間に副変速機31を内蔵している場合は、副変速機31の変速を司る摩擦要素(クラッチや、ブレーキなど)を流用して、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合することができる。
この場合、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合する専用のクラッチを追設する必要がなくてコスト上有利である。
図2(a)の副変速機31は、複合サンギヤ31s-1および31s-2と、インナピニオン31pinと、アウタピニオン31poutと、リングギヤ31rと、ピニオン31pin, 31poutを回転自在に支持したキャリア31cとからなるラビニョオ型プラネタリギヤセットで構成する。
複合サンギヤ31s-1および31s-2のうち、サンギヤ31s-1は入力回転メンバとして作用するようセカンダリプーリ7に結合し、サンギヤ31s-2はセカンダリプーリ7に対し同軸に配置するが自由に回転し得るようにする。
サンギヤ31s-1にインナピニオン31pinを噛合させ、このインナピニオン31pinおよびサンギヤ31s-2をそれぞれアウタピニオン31poutに噛合させる。
アウタピニオン31poutはリングギヤ31rの内周に噛合させ、キャリア31cを出力回転メンバとして作用するようファイナルギヤ組9に結合する。
キャリア31cとリングギヤ31rとをハイクラッチH/Cにより適宜結合可能となし、リングギヤ31rをリバースブレーキR/Bにより適宜固定可能となし、サンギヤ31s-2をローブレーキL/Bにより適宜固定可能となす。
副変速機31は、変速摩擦要素であるハイクラッチH/C、リバースブレーキR/BおよびローブレーキL/Bを、図2(b)に○印により示す組み合わせで締結させ、それ以外を図2(b)に×印で示すように解放させることにより前進第1速、第2速、後退の変速段を選択することができる。
ハイクラッチH/C、リバースブレーキR/BおよびローブレーキL/Bを全て解放すると、副変速機31は動力伝達を行わない中立状態であり、
この状態でローブレーキL/Bを締結すると、副変速機31は前進第1速選択(減速)状態となり、
ハイクラッチH/Cを締結すると、副変速機31は前進第2速選択(直結)状態となり、
リバースブレーキR/Bを締結すると、副変速機31は後退選択(逆転)状態となる。
図2の無段変速機4は、全ての変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bを解放して副変速機31を中立状態にすることで、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離すことができる。
従って図2の無段変速機4は、副変速機31の変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bが図1におけるクラッチCLに相当し、図1におけるようにクラッチCLを追設することなく、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合している。
図2の無段変速機4は、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからのオイルを作動媒体とし、変速機コントローラ24がライン圧ソレノイド35、ロックアップソレノイド36、プライマリプーリ圧ソレノイド37、ローブレーキ圧ソレノイド38、ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39およびスイッチバルブ41を介して、以下のように制御する。
なお変速機コントローラ24には、図1につき前述した信号に加えて、車速VSPを検出する車速センサ32からの信号、および無段変速機4の作動油温TEMPを検出する油温センサ33からの信号を入力する。
ライン圧ソレノイド35は、変速機コントローラ24からの指令に応動し、オイルポンプO/Pからのオイルを車両要求駆動力対応のライン圧PLに調圧し、このライン圧PLを常時セカンダリプーリ7へセカンダリプーリ圧として供給することにより、セカンダリプーリ7がライン圧PLに応じた推力でVベルト8を挟圧するようになす。
ロックアップソレノイド36は、変速機コントローラ24からのロックアップ指令に応動し、ライン圧PLを適宜トルクコンバータT/Cに向かわせることで、トルクコンバータT/Cを適宜入出力要素間が直結されたロックアップ状態にする。
プライマリプーリ圧ソレノイド37は、変速機コントローラ24からのCVT変速比指令に応動してライン圧PLをプライマリプーリ圧に調圧し、これをプライマリプーリ6へ供給することにより、プライマリプーリ6のV溝幅と、ライン圧PLを供給されているセカンダリプーリ7のV溝幅とを、CVT変速比が変速機コントローラ24からの指令に一致するよう制御して変速機コントローラ24からのCVT変速比指令を実現する。
ローブレーキ圧ソレノイド38は、変速機コントローラ24が副変速機31の第1速選択指令を発しているとき、ライン圧PLをローブレーキ圧としてローブレーキL/Bに供給することによりこれを締結させ、第1速選択指令を実現する。
ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39は、変速機コントローラ24が副変速機31の第2速選択指令または後退選択指令を発しているとき、ライン圧PLをハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧としてスイッチバルブ41に供給する。
第2速選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをハイクラッチ圧としてハイクラッチH/Cに向かわせ、これを締結することで副変速機31の第2速選択指令を実現する。
後退選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをリバースブレーキ圧としてリバースブレーキR/Bに向かわせ、これを締結することで副変速機31の後退選択指令を実現する。
<第1実施例の潤滑制御>
上記ハイブリッド車両の潤滑制御を、車両駆動系が図2(a)に示すようなものである場合につき以下に説明する。
ただし、前記した通り図2(a)における副変速機31の変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bが図1におけるクラッチCLに相当することから、以下では便宜上、変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bの全てが解放されて副変速機31が中立状態になる場合を、クラッチCLの解放(OFF)と称し、変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bの1つが締結されて副変速機31が動力伝達状態になる場合を、クラッチCLの締結(ON)と称する。
本実施例の潤滑制御は、クラッチCLを解放すると共にエンジン1を停止させたEV走行中に連れ回されるエンジン伝動系の部分(図2では、ピニオン31pin, 31poutと、これらが噛合するギヤと、軸受など)の潤滑を保証するもので、ハイブリッドコントローラ21がEV走行モードで図3の制御プログラムを実行し、以下のごとくにこれを遂行するものとする。
ステップS11においては、車速VSPが発生している走行中か、VSP=0の停車中か否かをチェックする。
停車中であれば、エンジン伝動系のいずれの部分も連れ回されることがなく、図3によるEV走行中のための潤滑制御が不要であるから、ステップS12において、このことを示すようにEV走行時潤滑制御フラグEVFLGを0にリセットする。
走行中であれば、エンジン伝動系の一部(ピニオン31pin, 31poutと、その関連部分)が走行車両によって連れ回されるため、それらの潤滑が必要であるから、制御をステップS13に進める。
ステップS13ではエンジン1が停止しているか否かをチェックし、エンジン停止中でなければ(エンジン1が運転中であれば)、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからのオイルでエンジン伝動系を潤滑可能であって、図3による潤滑制御が不要であるため、ステップS12で、このことを示すようにEV走行時潤滑制御フラグEVFLGを0にリセットする。
ステップS13でエンジン停止中と判定する場合、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからオイルが吐出されず、これによるエンジン伝動系の潤滑が不能であってEV走行時潤滑制御が必要であるから、制御をステップS14以降に進めて、以下のごとくにEV走行中のための潤滑制御を遂行する。
ステップS14では、EV走行時潤滑制御フラグEVFLGが0か否かをチェックし、EVFLG=0なら、ステップS13で上記のごとくEV走行時潤滑制御が必要であると判定したことに呼応し、ステップS15においてEV走行時潤滑制御フラグEVFLGを1にセットする。
ステップS15では更に、上記のごとくにEV走行時潤滑制御が必要になった瞬時からの経過時間、つまりEV走行時潤滑制御必要継続時間を計測するためのタイマt(EV走行時潤滑制御必要継続時間も便宜上同じ符号tとして説明する)を当該計測の開始のため0にリセットする。
ステップS15でEV走行時潤滑制御必要継続時間計測タイマtが一旦0にリセットされたら、EV走行時潤滑制御が必要である限りステップS14がステップS15をスキップするため、タイマt=0のリセットはEV走行時潤滑制御が必要になった瞬時に1回行われるだけである。
従って、次のステップS16でタイマtに図3の演算周期Δtを逐一積算することにより、タイマtはEV走行時潤滑制御必要継続時間を計測することができる。
次のステップS17においては、センサ32,33からの信号を読み込んで、これらを基に車速VSPおよび油温TEMPを演算する。
ステップS18においては、図4のマップMAP1を基に車速VSPおよび油温TEMPから、潤滑油不足判定時間t1を検索により求めて設定する。
潤滑油不足判定時間t1は、EV走行時潤滑制御が必要になった瞬時から、エンジン伝動系の潤滑油が不足するような時間が経過したか否かを判定するためのもので、当該瞬時から潤滑油不足判定時間t1が経過した時をもって、エンジン伝動系の潤滑油が不足するに至ったと判断することができる。
潤滑油不足判定時間t1は、図4のマップMAP1に示すごとく車速VSPに応じ、高車速ほど短く設定する。
その理由は、高車速ほど走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分が高速回転され、当該エンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが早期に無くなるためである。
潤滑油不足判定時間t1は更に、図4のマップMAP1に示すごとく油温TEMPに応じ、高油温ほど短く設定する。
その理由は、高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが早期に無くなるためである。
ステップS19においては、HEV→EVモード切り替えに伴うクラッチCLの解放(OFF)が完了しているか否かをチェックする。
従ってステップS19は、本発明におけるクラッチ解放推定手段に相当する。
このステップS19での判定に際しては、クラッチCLの解放指令から該クラッチの解放完了を判定するためのクラッチ解放判定時間(例えばクラッチ解放所要時間)が経過した時をもって、クラッチCLが解放されていると推定することができる。
ステップS19でクラッチCLが未だ解放(OFF)状態でないと判定する間は、制御を元に戻して、この解放が完了するまで待機する。
その理由は、以下のためである。
本実施例では、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分を潤滑保証するに際し後述するごとく、当該潤滑用にエンジン1を始動させて、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからのオイルにより上記の潤滑を保証するが、クラッチCLが解放を完了していない間に上記エンジン1の始動を行うと、エンジン動力が駆動車輪に加算されてショックを発生させたり、不意の車両挙動変化を発生させる。
かかるショックおよび挙動変化の発生を防止するため、クラッチCLが解放を完了するまで上記のエンジン始動が行われないようにするためである。
ステップS21においては、タイマt(EV走行時潤滑制御必要継続時間)が潤滑油不足判定時間t1に至ったか否かを、つまり、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが不足するようになったか否かをチェックする。
ステップS21でt<t1(走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイルが残っている)と判定する場合は、この残留油により当該エンジン伝動系の回転部分を潤滑可能であることから、制御をステップS11に戻して上記のループを繰り返しながら待機する。
ステップS21でt≧t1(走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが残っていない)と判定する場合は、当該エンジン伝動系の回転部分を潤滑することができないオイル不足状態であることから、ステップS22において当該潤滑用にエンジン1を始動させる。
これによりエンジン駆動されるオイルポンプO/Pがオイルを吐出するようになり、このオイルがセカンダリプーリ7のプーリ軸に設けてある中空孔(図2では示さず)を経て、副変速機31の中心部に存在するインナピニオン31pinおよびアウタピニオン31poutのような回転メンバ、つまりEV走行中の車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に達してこれらの潤滑を保証することができる。
従ってステップS22は、本発明における潤滑手段に相当する。
ステップS23においては、上記エンジン始動による潤滑保証の開始時からの経過時間、つまり潤滑用エンジン運転継続時間を計測するタイマtsを、当該計測が開始されるよう0にリセットする。
ステップS24においては、図5のマップMAP2を基に車速VSPおよび油温TEMPから、潤滑油貯留判定時間t2を検索により求めて設定する。
潤滑油貯留判定時間t2は、エンジン始動による潤滑保証の開始瞬時(潤滑用エンジン運転開始瞬時)から、エンジン伝動系に潤滑油が貯留されるような時間が経過したか否かを判定するためのもので、当該瞬時から潤滑油貯留判定時間t2が経過した時をもって、エンジン伝動系に潤滑油が貯留されるに至ったと判断することができる。
潤滑油貯留判定時間t2は、図5のマップMAP2に示すごとく車速VSPに応じ、高車速ほど長く設定する。
その理由は、高車速ほど走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分が高速回転され、当該エンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要するためである。
潤滑油貯留判定時間t2は更に、図5のマップMAP2に示すごとく油温TEMPに応じ、高油温ほど長く設定する。
その理由は、高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要するためである。
次のステップS25においては、タイマtsに図3の演算周期Δtを逐一積算することにより、エンジン始動による潤滑保証の開始時からの経過時間(潤滑用エンジン運転継続時間)を計測する(なお以下では便宜上、潤滑用エンジン運転継続時間も同じ符号tsとして説明する)。
ステップS26においては、タイマts(潤滑用エンジン運転継続時間)が潤滑油貯留判定時間t2に至ったか否かを、つまり、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが溜まったか否かをチェックする。
ステップS26でts<t2(走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイルが溜まっていない)と判定する間は、ステップS22で始動させたエンジンによるオイルポンプO/Pの駆動が未だ必要であることから、制御をステップS24に戻して潤滑用エンジン作動を継続させたまま、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが溜まったか否かのチェックを引き続き繰り返す。
ステップS26でts≧t2(走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが貯留された)と判定する場合は、当該エンジン伝動系の回転部分を潤滑することができるオイル貯留状態であることから、ステップS27において潤滑用エンジン作動を停止させる。
従ってステップS27も、本発明における潤滑手段に相当する。
最後のステップS28においては、以上によりEV走行時潤滑制御サイクルが終了したことから、EV走行時潤滑制御フラグEVFLGを0にリセットして、制御をステップS11に戻し、次回のEV走行時潤滑制御サイクルを開始させる。
<第1実施例の効果>
上記した本実施例のEV走行時潤滑制御によれば、クラッチCLを解放すると共にエンジン1を停止させたEVモードでの走行中、ステップS11およびステップS13でEV走行時潤滑制御が必要になったと判定する瞬時から当該必要が継続する時間(EV走行時潤滑制御必要継続時間)tが潤滑油不足判定時間t1以上になった時(ステップS21)、EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが不足するに至ったとしてエンジン1を始動させ(ステップS22)、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからのオイルで当該エンジン伝動系の回転部分を潤滑するため、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分が潤滑不良や潤滑不能に陥るのを防止することができる。
そしてt<t1である間は、つまりEV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイル留まっている間は、ステップS22でのエンジン始動を行わせないようにしたため、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイル留まっていて、これによる潤滑が可能な間にエンジン1が無駄に始動されるのを回避することができ、エンジン始動が必要最小限となって、エンジン1の燃費悪化を抑制することができる。
しかも、EV走行中は停止されているエンジン1の始動により、エンジン駆動される既存のオイルポンプO/Pからオイルを吐出させて上記の潤滑を行うため、ポンプの新設が不要で、図3の制御プログラムを追加するだけの対策により、安価に上記の効果を得ることができる。
加えて本実施例では、上記潤滑用に行うエンジン1の始動(ステップS22)を、クラッチCLの解放(OFF)が完了している(ステップS19)場合において許可するため、
クラッチCLの解放(OFF)が完了していない間に潤滑用エンジン始動が行われて、ショックが発生させたり、不意の車両挙動変化が発生するという問題を回避することができる。
なおステップS19におけるクラッチCLの解放(OFF)完了判定に際し、クラッチCLの解放指令からクラッチ解放判定時間(例えばクラッチ解放所要時間)が経過した時をもって、クラッチCLが解放を完了していると推定するため、当該判定をセンサの追加なしに安価に行うことができる。
また本実施例では、潤滑油不足判定時間t1を図4のマップMAP1に示すごとく車速VSPに応じ、高車速ほど短く設定したため、
高車速ほど走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが早期に無くなる事実に良く符合し、上記の効果を如何なる車速VSPのもとでも確実に達成することができる。
更に本実施例では、潤滑油不足判定時間t1を図4のマップMAP1に示すごとく油温TEMPに応じ、高油温ほど短く設定したため、
高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが早期に無くなる事実に良く符合し、上記の効果を如何なる油温TEMPのもとでも確実に達成することができる。
なお本実施例では、エンジン伝動系が遊星歯車式の副変速機31を含み、その中心部にあって潤滑油の届き難いピニオン31pin, 31poutと、これらが噛合するギヤと、関連する軸受などが、EV走行中の車両により連れ回されて潤滑を必要とするが、
エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからのオイルがセカンダリプーリ7のプーリ軸に設けてある中空孔(図2では示さず)を経て、副変速機31の中心部に存在するピニオン31pin, 31poutと、これらが噛合するギヤと、関連する軸受などに確実に達して、副変速機31の中心部にあるといえども、これらの潤滑を保証することができる。
更に加えて本実施例では、エンジン始動(ステップS22)によるオイルポンプO/Pの作動開始時(EV走行中の車両により連れ回されるエンジン伝動系部分への潤滑油供給の開始時)からの潤滑用エンジン運転継続時間tsが潤滑油貯留判定時間t2以上になる時(ステップS26)、EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが十分に貯留されたとしてエンジン1を停止させるため(ステップS27)、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分を、ここに貯留されている潤滑油により潤滑可能であるのに、潤滑用のエンジン作動が無用に継続される愚を避けることができ、無用な燃料消費を回避することができる。
なお上記の潤滑油貯留判定時間t2は、図5のマップMAP2に示すごとく車速VSPに応じ、高車速ほど長く設定するため、
高車速ほど走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分が高速回転され、当該エンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要する事実に良く符合し、如何なる車速VSPのもとでも上記の効果を確実に達成することができる。
潤滑油貯留判定時間t2は更に、図5のマップMAP2に示すごとく油温TEMPに応じ、高油温ほど長く設定するため、
高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要する事実に良く符合し、如何なる油温TEMPのもとでも上記の効果を確実に達成することができる。
<第2実施例の潤滑制御>
図6は、本発明の第2実施例になる潤滑装置が実行するEV時潤滑制御プログラムを示す。
本実施例においては、第1実施例のごとくエンジン1を潤滑用に始動させるのではなく、図2(a)に示すように電動ポンプE/Pを設け、この電動ポンプE/Pを適宜作動させて、EV時潤滑制御を遂行するものとする。
この電動ポンプE/Pは、その吐出孔を図示せざる変速機ケースの油路によって、遊星歯車式副変速機31内におけるキャリア(31c)支承軸の中空孔(図2では省略した)に接続させて設ける。
なお本実施例のEV時潤滑制御も、車両駆動系が図2(a)に示すようなものである場合につき、以下に説明を展開する。
ただし、前記した通り図2(a)における副変速機31の変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bが図1におけるクラッチCLに相当することから、以下では便宜上、変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bの全てが解放されて副変速機31が中立状態になる場合を、クラッチCLの解放(OFF)と称し、変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bの1つが締結されて副変速機31が動力伝達状態になる場合を、クラッチCLの締結(ON)と称する。
本実施例の潤滑制御は、クラッチCLを解放すると共にエンジン1を停止させたEV走行中に連れ回されるエンジン伝動系の部分(図2では、ピニオン31pin, 31poutと、これらが噛合するギヤと、軸受など)の潤滑を、電動ポンプE/Pの作動により保証するもので、ハイブリッドコントローラ21がEV走行モードで図6の制御プログラムを実行し、以下のごとくにこれを遂行するものとする。
図6において、図3におけると同様な処理や判定を行うステップを同符号で示すに止めて、重複説明を避けた。
図6は、図3のステップS19を削除し、ステップS22をステップS42に、ステップS24をステップS44に、ステップS26をステップS46に、ステップS27をステップS47にそれぞれ置換したものである。
ステップS21でタイマt(EV走行時潤滑制御必要継続時間)が潤滑油不足判定時間t1に至ったと判定するとき、つまり、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが不足するようになったときに選択されるステップS42では、当該回転部分の当該潤滑用に電動ポンプE/Pを作動させる。
これにより電動ポンプE/Pがオイルを吐出するようになり、このオイルが、遊星歯車式副変速機31内におけるキャリア31cの支承軸に設けられた中空孔を経て、副変速機31の中心部に存在するインナピニオン31pinおよびアウタピニオン31poutのような回転メンバ、つまりEV走行中の車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に達してこれらの潤滑を保証することができる。
従ってステップS42は、本発明における潤滑手段に相当する。
ステップS23においては、上記電動ポンプE/Pの作動による潤滑保証の開始時からの経過時間、つまり電動ポンプE/Pによる潤滑油供給継続時間を計測するタイマtsを、当該計測が開始されるよう0にリセットする。
次のステップS44においては、図7のマップMAP3を基に車速VSPおよび油温TEMPから、潤滑油貯留判定時間t3を検索により求めて設定する。
潤滑油貯留判定時間t3は、電動ポンプE/Pの作動による潤滑保証の開始瞬時(電動ポンプの作動開始瞬時)から、エンジン伝動系に潤滑油が貯留されるような時間が経過したか否かを判定するためのもので、当該瞬時から潤滑油貯留判定時間t3が経過した時をもって、エンジン伝動系に潤滑油が貯留されるに至ったと判断することができる。
潤滑油貯留判定時間t3は、図7のマップMAP3に示すごとく車速VSPに応じ、高車速ほど長く設定する。
その理由は、高車速ほど走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分が高速回転され、当該エンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要するためである。
潤滑油貯留判定時間t3は更に、図7のマップMAP3に示すごとく油温TEMPに応じ、高油温ほど長く設定する。
その理由は、高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要するためである。
次のステップS25においては、タイマtsに図6の演算周期Δtを逐一積算することにより、電動ポンプE/Pの作動による潤滑保証の開始時からの経過時間(電動ポンプE/Pの作動継続時間)を計測する(なお以下では便宜上、電動ポンプE/Pの作動継続時間も同じ符号tsとして説明する)。
ステップS46においては、タイマts(電動ポンプE/Pの作動継続時間)が潤滑油貯留判定時間t3に至ったか否かを、つまり、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが溜まったか否かをチェックする。
ステップS46でts<t3(走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイルが溜まっていない)と判定する間は、ステップS42で開始させた電動ポンプE/Pの作動が未だ必要であることから、制御をステップS44に戻して電動ポンプE/Pの作動を継続させたまま、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが溜まったか否かのチェックを引き続き繰り返す。
ステップS46でts≧t3(走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが貯留された)と判定する場合は、当該エンジン伝動系の回転部分を潤滑することができるオイル貯留状態であることから、ステップS47において電動ポンプE/Pの作動を停止させる。
従ってステップS47も、本発明における潤滑手段に相当する。
<第2実施例の効果>
上記した本実施例のEV走行時潤滑制御によれば、クラッチCLを解放すると共にエンジン1を停止させたEVモードでの走行中、ステップS11およびステップS13でEV走行時潤滑制御が必要になったと判定する瞬時から当該必要が継続する時間(EV走行時潤滑制御必要継続時間)tが潤滑油不足判定時間t1以上になった時(ステップS21)、EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが不足するに至ったとして電動ポンプE/Pを作動させ(ステップS42)、電動ポンプE/Pからのオイルで当該エンジン伝動系の回転部分を潤滑するため、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分が潤滑不良や潤滑不能に陥るのを防止することができる。
そしてt<t1である間は、つまりEV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイル留まっている間は、ステップS42での電動ポンプE/Pの作動を行わせないようにしたため、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイル留まっていて、これによる潤滑が可能な間に電動ポンプE/Pが無駄に作動されるのを回避することができ、電動ポンプE/Pの消費電力が必要最小限となって、電力の無駄の消費を抑制することができる。
なお本実施例では、エンジン伝動系が遊星歯車式の副変速機31を含み、その中心部にあって潤滑油の届き難いピニオン31pin, 31poutと、これらが噛合するギヤと、関連する軸受などが、EV走行中の車両により連れ回されて潤滑を必要とするが、
電動ポンプE/Pからのオイルが遊星歯車式副変速機31内におけるキャリア31cの支承軸に設けられた中空孔(図2では示さず)を経て、副変速機31の中心部に存在するインナピニオン31pinおよびアウタピニオン31poutと、これらが噛合するギヤと、関連する軸受などに確実に達して、副変速機31の中心部にあるといえども、これらの潤滑を保証することができる。
更に加えて本実施例では、電動ポンプE/Pの作動(ステップS42)が開始された時(EV走行中の車両により連れ回されるエンジン伝動系部分への潤滑油の供給が開始された時)からの電動ポンプ(E/P)作動継続時間tsが潤滑油貯留判定時間t3以上になる時(ステップS46)、EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが十分に貯留されたとして電動ポンプE/Pの作動を停止させるため(ステップS47)、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分を、ここに貯留されている潤滑油により潤滑可能であるのに、電動ポンプE/Pの作動が無用に継続される愚を避けることができ、無用な電力消費を回避することができる。
なお上記の潤滑油貯留判定時間t3は、図7のマップMAP3に示すごとく車速VSPに応じ、高車速ほど長く設定するため、
高車速ほど走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分が高速回転され、当該エンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要する事実に良く符合し、如何なる車速VSPのもとでも上記の効果を確実に達成することができる。
潤滑油貯留判定時間t3は更に、図7のマップMAP3に示すごとく油温TEMPに応じ、高油温ほど長く設定するため、
高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要する事実に良く符合し、如何なる油温TEMPのもとでも上記の効果を確実に達成することができる。
<第3実施例の潤滑制御>
図8は、本発明の第3実施例になる潤滑装置が実行するEV時潤滑制御プログラムを示す。
本実施例においても、第1実施例のごとくエンジン1を潤滑用に始動させるのではなく、図2(a)に示すように設けた電動ポンプE/Pを適宜作動させて、EV時潤滑制御を遂行するものとする。
なお本実施例では、図2(a)に示すように圧力センサ42を設け、これにより電動ポンプE/Pからの潤滑油圧Ppを検出し、ハイブリッドコントローラ21が、圧力センサ42からの信号を含む各種入力情報をもとに図8の制御プログラムを実行して、電動ポンプE/Pの適宜作動を介しEV時潤滑制御を行うこととする。
そして本実施例のEV時潤滑制御も、車両駆動系が図2(a)に示すようなものである場合につき、以下に説明を展開する。
ただし、前記した通り図2(a)における副変速機31の変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bが図1におけるクラッチCLに相当することから、以下では便宜上、変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bの全てが解放されて副変速機31が中立状態になる場合を、クラッチCLの解放(OFF)と称し、変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bの1つが締結されて副変速機31が動力伝達状態になる場合を、クラッチCLの締結(ON)と称する。
本実施例の潤滑制御は、クラッチCLを解放すると共にエンジン1を停止させたEV走行中に連れ回されるエンジン伝動系の部分(図2では、ピニオン31pin, 31poutと、これらが噛合するギヤと、軸受など)の潤滑を、電動ポンプE/Pの作動により保証するもので、ハイブリッドコントローラ21がEV走行モードで図8の制御プログラムを実行し、以下のごとくにこれを遂行するものとする。
図8において、図3におけると同様な処理や判定を行うステップを同符号で示すに止めて、重複説明を避けた。
図8は、図3のステップS19を削除し、ステップS22をステップS52に置換し、ステップS53を追加し、ステップS24をステップS54に、ステップS26をステップS56に、ステップS27をステップS57にそれぞれ置換したものである。
ステップS21でタイマt(EV走行時潤滑制御必要継続時間)が潤滑油不足判定時間t1に至ったと判定するとき、つまり、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが不足するようになったときに選択されるステップS52では、当該回転部分の当該潤滑用に電動ポンプE/Pを作動させる。
これにより電動ポンプE/Pがオイルを吐出するようになり、このオイルが、遊星歯車式副変速機31内におけるキャリア31cの支承軸に設けられた中空孔を経て、副変速機31の中心部に存在するインナピニオン31pinおよびアウタピニオン31poutのような回転メンバ、つまりEV走行中の車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に達してこれらの潤滑を保証することができる。
従ってステップS52は、本発明における潤滑手段に相当する。
次のステップS53においては、圧力センサ42からの信号に基づき電動ポンプE/Pからの潤滑油圧Ppを計測する。
ステップS23においては、上記電動ポンプE/Pの作動による潤滑保証の開始時からの経過時間、つまり電動ポンプE/Pによる潤滑油供給継続時間を計測するタイマtsを、当該計測が開始されるよう0にリセットする。
次のステップS54においては、図9のマップMAP4を基に潤滑油圧Ppおよび油温TEMPから、潤滑油貯留判定時間t4を検索により求めて設定する。
潤滑油貯留判定時間t4は、電動ポンプE/Pの作動による潤滑保証の開始瞬時(電動ポンプの作動開始瞬時)から、エンジン伝動系に潤滑油が貯留されるような時間が経過したか否かを判定するためのもので、当該瞬時から潤滑油貯留判定時間t4が経過した時をもって、エンジン伝動系に潤滑油が貯留されるに至ったと判断することができる。
潤滑油貯留判定時間t4は、図9のマップMAP4に示すごとく潤滑油圧Ppに応じ、低油圧ほど長く設定する。
潤滑油圧Ppと電動ポンプE/Pが供給する潤滑油量は、ほぼ比例関係にあるため、潤滑油圧Ppが高いほど、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでの時間を短くすることができる。

潤滑油貯留判定時間t4は更に、図9のマップMAP4に示すごとく油温TEMPに応じ、高油温ほど長く設定する。
高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分での油膜切れが早くなるため、潤滑油圧Ppと潤滑油貯留判定時間t4の関係を決める必要がある。
つまり、高油温では、オイルが留まるまでに長い時間を要するため、潤滑油貯留判定時間t4を長くしている。
次のステップS25においては、タイマtsに図8の演算周期Δtを逐一積算することにより、電動ポンプE/Pの作動による潤滑保証の開始時からの経過時間(電動ポンプE/Pの作動継続時間)を計測する(なお以下では便宜上、電動ポンプE/Pの作動継続時間も同じ符号tsとして説明する)。
ステップS56においては、タイマts(電動ポンプE/Pの作動継続時間)が潤滑油貯留判定時間t4に至ったか否かを、つまり、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが溜まったか否かをチェックする。
ステップS56でts<t4(走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイルが溜まっていない)と判定する間は、ステップS52で開始させた電動ポンプE/Pの作動が未だ必要であることから、制御をステップS54に戻して電動ポンプE/Pの作動を継続させたまま、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが溜まったか否かのチェックを引き続き繰り返す。
ステップS56でts≧t4(走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが貯留された)と判定する場合は、当該エンジン伝動系の回転部分を潤滑することができるオイル貯留状態であることから、ステップS57において電動ポンプE/Pの作動を停止させる。
従ってステップS57も、本発明における潤滑手段に相当する。
<第3実施例の効果>
上記した本実施例のEV走行時潤滑制御によれば、クラッチCLを解放すると共にエンジン1を停止させたEVモードでの走行中、ステップS11およびステップS13でEV走行時潤滑制御が必要になったと判定する瞬時から当該必要が継続する時間(EV走行時潤滑制御必要継続時間)tが潤滑油不足判定時間t1以上になった時(ステップS21)、EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが不足するに至ったとして電動ポンプE/Pを作動させ(ステップS52)、電動ポンプE/Pからのオイルで当該エンジン伝動系の回転部分を潤滑するため、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分が潤滑不良や潤滑不能に陥るのを防止することができる。
そしてt<t1である間は、つまりEV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイル留まっている間は、ステップS52での電動ポンプE/Pの作動を行わせないようにしたため、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に未だオイル留まっていて、これによる潤滑が可能な間に電動ポンプE/Pが無駄に作動されるのを回避することができ、電動ポンプE/Pの消費電力が必要最小限となって、電力の無駄の消費を抑制することができる。
なお本実施例では、エンジン伝動系が遊星歯車式の副変速機31を含み、その中心部にあって潤滑油の届き難いピニオン31pin, 31poutと、これらが噛合するギヤと、関連する軸受などが、EV走行中の車両により連れ回されて潤滑を必要とするが、
電動ポンプE/Pからのオイルが遊星歯車式副変速機31内におけるキャリア31cの支承軸に設けられた中空孔(図2では示さず)を経て、副変速機31の中心部に存在するインナピニオン31pinおよびアウタピニオン31poutと、これらが噛合するギヤと、関連する軸受などに確実に達して、副変速機31の中心部にあるといえども、これらの潤滑を保証することができる。
更に加えて本実施例では、電動ポンプE/Pの作動(ステップS52)が開始された時(EV走行中の車両により連れ回されるエンジン伝動系部分への潤滑油の供給が開始された時)からの電動ポンプ(E/P)作動継続時間tsが潤滑油貯留判定時間t4以上になる時(ステップS56)、EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが十分に貯留されたとして電動ポンプE/Pの作動を停止させるため(ステップS57)、
EV走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分を、ここに貯留されている潤滑油により潤滑可能であるのに、電動ポンプE/Pの作動が無用に継続される愚を避けることができ、無用な電力消費を回避することができる。
なお上記の潤滑油貯留判定時間t4は、図9のマップMAP4に示すごとく潤滑油圧Ppに応じ、低油圧ほど長く設定するため、
低油圧ほど走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要する事実に良く符合し、如何なる潤滑油圧Ppのもとでも上記の効果を確実に達成することができる。
潤滑油貯留判定時間t4は更に、図9のマップMAP4に示すごとく油温TEMPに応じ、高油温ほど長く設定するため、
高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分にオイルが留まるまでに長い時間を要する事実に良く符合し、如何なる油温TEMPのもとでも上記の効果を確実に達成することができる。
<その他の実施例>
なお上記第1〜3実施例ではいずれも、ステップS21でEV走行時潤滑制御必要継続時間t(タイマtの計測時間)が潤滑油不足判定時間t1に至ったか否かをもって、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていたオイルが不足するようになったか否かを判定するようにしたが、この代わりに以下の要領で当該判定を行うこともできる。
つまり、クラッチCLを解放すると共にエンジン1を停止させたEVモードでの走行中、ステップS11およびステップS13でEV走行時潤滑制御が必要になったと判定する瞬時から、EV走行する車両により連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていた潤滑油が不足するに至ったのを判定するための潤滑油不足判定走行距離だけ走行した時をもって、潤滑油が不足するようになったと判定する。
そして当該判定時に、ステップS22(図3)での潤滑用エンジン始動、またはステップS42,S52(図6,8)での電動ポンプE/Pの作動を実行して、EV走行する車両により連れ回されるエンジン伝動系の回転部分を潤滑するよう構成しても、当該回転部分が潤滑不良や潤滑不能に陥るのを防止することができる。
この場合、上記の潤滑油不足判定走行距離は潤滑油の温度TEMPに応じ、高油温であるほど短く設定するのが良い。
その理由は、高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に留まっていた潤滑油が短時間で無くなるためであり、かように潤滑油不足判定走行距離を設定することで、上記の効果を如何なる油温TEMPのもとでも確実に達成することができる。
また上記第1〜3実施例ではいずれも、ステップS22(図3)での潤滑用エンジン始動、またはステップS42,S52(図6,8)での電動ポンプE/Pの作動によって、EV走行する車両により連れ回されるエンジン伝動系の回転部分へ潤滑油を供給し始めた後、これを停止させるに際し、
ステップS26(図3)で潤滑用エンジン運転継続時間tsが潤滑油貯留判定時間t2以上になったと判定する時、またはステップS46,S56(図6,8)でタイマts(電動ポンプE/Pの作動継続時間)が潤滑油貯留判定時間t3,t4に至ったと判定する時、当該停止を行うようにしたが、この停止を以下のような判定結果に基づいて行うようにしてもよい。
つまり、ステップS22(図3)での潤滑用エンジン始動、またはステップS42,S52(図6,8)での電動ポンプE/Pの作動によって、EV走行する車両により連れ回されるエンジン伝動系の回転部分へ潤滑油を供給し始めた時から、当該回転部分に潤滑油が十分に貯留されたのを判定するための潤滑油貯留判定走行距離だけ走行した時に、ステップS27(図3)での潤滑用エンジン作動停止、またはステップS47,S57(図6,8)での電動ポンプE/Pの作動停止を行うよう構成しても、潤滑用エンジン作動や、電動ポンプE/Pの作動が無駄に長く行われるのを防止するという効果を得ることができる。
この場合、潤滑油貯留判定走行距離は潤滑油の温度TEMPに応じ、高油温であるほど長く設定するのがよい。
その理由は、高油温ほどオイル粘度が低くて、走行車両に連れ回されるエンジン伝動系の回転部分に十分な量の潤滑油が留まるまでに長時間を要するためであり、かように潤滑油貯留判定走行距離を設定することで、上記の効果を如何なる油温TEMPのもとでも確実に達成することができる。
なお上記第3実施例では、ステップS53(図8)で、潤滑油圧Ppを圧力センサ42にて計測しているが、これに代えて、電動ポンプE/Pを駆動するモータの電流、回転数、及び、油温センサ33が計測する油温に基づいて、潤滑油圧Ppを推定してもよい。
1 エンジン(一方の動力源)
2 電動モータ(他方の動力源)
3 スタータモータ
4 Vベルト式無段変速機
5 駆動車輪
6 プライマリプーリ
7 セカンダリプーリ
8 Vベルト
CVT 無段変速機構
T/C トルクコンバータ
CL クラッチ
9,11 ファイナルギヤ組
12 バッテリ
13 インバータ
14 ブレーキディスク
15 キャリパ
16 ブレーキペダル
17 負圧式ブレーキブースタ
18 マスターシリンダ
19 アクセルペダル
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 変速機コントローラ
25 バッテリコントローラ
26 ブレーキスイッチ
27 アクセル開度センサ
O/P オイルポンプ(既存のポンプ)
E/P 電動ポンプ(別のポンプ)
31 副変速機
42 圧力センサ
H/C ハイクラッチ
R/B リバースブレーキ
L/B ローブレーキ
32 車速センサ
33 油温センサ
35 ライン圧ソレノイド
36 ロックアップソレノイド
37 プライマリプーリ圧ソレノイド
38 ローブレーキ圧ソレノイド
39 ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド
41 スイッチバルブ

Claims (17)

  1. 2種類の動力源を具え、一方の動力源をクラッチにより駆動車輪に断接可能に駆動結合すると共に、これら一方の動力源およびクラッチ間の伝動系に駆動結合されて該一方の動力源により駆動されるポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系の潤滑を行うようにし、他方の動力源を前記クラッチおよび駆動車輪間の伝動系に駆動結合したハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記一方の動力源を停止させると共に前記クラッチを解放して前記他方の動力源のみにより走行するモードが選択されている間、前記一方の動力源により駆動される既存のポンプを含む任意のポンプを作動させ、該任意のポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑する潤滑手段と、
    前記伝動系の潤滑が必要か否かを判断する潤滑要否判断手段と、を設け、
    前記潤滑判断要否判断手段で潤滑が必要と判断された場合に前記潤滑手段を作動させるよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  2. 請求項1に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑手段は、前記一方の動力源を作動させて前記既存のポンプを駆動し、該既存のポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑するものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  3. 請求項1に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑手段は、前記一方の動力源により駆動される既存のポンプとは別の電動ポンプを具え、該電動ポンプを駆動させて該電動ポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑するものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  4. 請求項2に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記クラッチが解放されているか否かを推定するクラッチ解放推定手段を設け、
    前記潤滑手段は、該クラッチ解放推定手段が前記クラッチの解放を推定することを許可条件とし、前記一方の動力源を作動させて前記既存のポンプの駆動を行わせるものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  5. 請求項4に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記クラッチ解放推定手段は、前記クラッチの解放指令から該クラッチの解放完了を判定するためのクラッチ解放判定時間が経過した時をもって前記クラッチが解放されていると推定するものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑判断要否判断手段は、前記一方の動力源を停止させると共に前記クラッチを解放して前記他方の動力源のみにより走行するモードが選択された時から、前記一方の動力源に係わる伝動系の潤滑媒体が不足するに至ったのを判定するための潤滑媒体不足判定時間が経過した時に潤滑が必要と判断し、前記潤滑手段は、この判断により前記任意のポンプを駆動して該任意のポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑するものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  7. 請求項6に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑媒体不足判定時間は車速に応じ、高車速ほど短く設定されたものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  8. 請求項6または7に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑媒体不足判定時間は潤滑媒体の温度に応じ、該潤滑媒体温度が高いほど短く設定されたものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑判断要否判断手段は、前記一方の動力源を停止させると共に前記クラッチを解放して前記他方の動力源のみにより走行するモードが選択された時から、前記一方の動力源に係わる伝動系の潤滑媒体が不足するに至ったのを判定するための潤滑媒体不足判定走行距離だけ走行した時に潤滑が必要と判断し、前記潤滑手段は、この判断により前記任意のポンプを駆動して該任意のポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑するものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  10. 請求項9に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑媒体不足判定走行距離は潤滑媒体の温度に応じ、該潤滑媒体温度が高いほど短く設定されたものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑手段は、前記任意のポンプを駆動して該任意のポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑し始めた時から、前記一方の動力源に係わる伝動系の潤滑媒体が十分に貯留されたのを判定するための潤滑媒体貯留判定時間が経過した時に、前記任意のポンプを停止するものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  12. 請求項11に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑媒体貯留判定時間は車速に応じ、高車速ほど長く設定されたものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  13. 請求項11または12に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑媒体貯留判定時間は潤滑媒体の温度に応じ、該潤滑媒体温度が高いほど長く設定されたものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑媒体貯留判定時間は潤滑媒体の圧力に応じ、該潤滑媒体圧が低いほど長く設定されたものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  15. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑手段は、前記任意のポンプを駆動して該任意のポンプからの媒体で前記一方の動力源に係わる伝動系を潤滑し始めた時から、前記一方の動力源に係わる伝動系の潤滑媒体が十分に貯留されたのを判定するための潤滑媒体貯留判定走行距離だけ走行した時に、前記任意のポンプを停止するものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  16. 請求項15に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑媒体貯留判定走行距離は潤滑媒体の温度に応じ、該潤滑媒体温度が高いほど長く設定されたものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
  17. 前記一方の動力源に係わる伝動系が遊星歯車伝動機構を含むものである、請求項1〜16のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の潤滑装置において、
    前記潤滑手段は、前記任意のポンプからの潤滑媒体を、前記遊星歯車伝動機構の中心軸に設定されている中空孔に供給して、該中空孔から遊星歯車伝動機構を含む潤滑要求箇所に向かわせるものであることを特徴とするハイブリッド車両の潤滑装置。
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