JP2014151218A - 浄水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】防汚性に優れた浄水器の提供。
【解決手段】原水を濾過するカートリッジと、前記カートリッジが取り付けられる本体と、を備える浄水器であって、前記本体の外表面の少なくとも一部に、紫外線硬化型塗料を塗装、硬化してなるコート層が形成されていることを特徴とする浄水器。
【選択図】なし

Description

本発明は、浄水器に関する。
近年、水道水等に含まれる塩素などの不純物を除去することを目的とした浄水器が家庭等に広く普及するようになっている。
家庭等で利用される浄水器としては、活性炭、中空糸膜等の濾材を収容し、原水を濾過するカートリッジと、カートリッジが取り付けられる本体とを備えるものが一般的で、蛇口直結型、ポット型、据置型など様々のタイプのものがある(たとえば特許文献1)。このような浄水器においては、本体に導入された原水がカートリッジを通過し、浄水となって本体から取り出される。本体としては、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等の樹脂を成形した樹脂成形体が汎用されている。
しかし、このような浄水器は、水や油分の付着、それに伴う雑菌の繁殖等によって外表面が汚れやすい問題がある。特に本体は、定期的に交換されるカートリッジとは異なり、ある程度長期間使用されるが、掃除を繰り返すにつれて汚れが付着しやすくなってしまう問題がある。
特開平10−118642号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、防汚性に優れた浄水器を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]原水を濾過するカートリッジと、前記カートリッジが取り付けられる本体と、を備える浄水器であって、
前記本体の外表面の少なくとも一部に、紫外線硬化型塗料を塗装、硬化してなるコート層が形成されていることを特徴とする浄水器。
[2]前記コート層の鉛筆硬度が2H以上である、[1]に記載の浄水器。
[3]前記コート層の水接触角が85°以上である、[1]または[2]に記載の浄水器。
[4]前記紫外線硬化型塗料が、アクリル系モノマーを15〜65質量%含有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の浄水器。
[5]前記紫外線硬化型塗料が、フッ素系オリゴマーおよびシリコン樹脂のいずれか一方または両方を含有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の浄水器。
本発明によれば、防汚性に優れた浄水器を提供できる。
本発明の浄水器は、原水を濾過するカートリッジと、前記カートリッジが取り付けられる本体と、を備える浄水器であって、
前記本体の外表面の少なくとも一部に、紫外線硬化型塗料を塗装、硬化してなるコート層が形成されていることを特徴とする。
本発明の浄水器は、コート層を設けることで、防汚性に優れたものとなっている。
紫外線硬化型塗料から形成される塗膜は、本体そのものや、他の塗料(たとえばラッカー系塗料、熱硬化型塗料等)から形成される塗膜に比べて、表面硬度が高い。そのため撥水・撥油性が向上し、水性汚れや油性汚れの強固な付着を防止でき、付着しても掃除による除去が容易となる。また、コート層を設けることで、耐擦傷性も向上し、表面に掃除等による傷がつきにくくなる。雑菌の温床となりやすい傷がつきにくくなることで、雑菌の繁殖による汚れも抑制できる。また、コート層を設けることで、本体の外表面に微細な凹凸がある場合でも、該凹凸が平坦化される。傷や微細な凹凸が低減されることで、汚れが付着しても掃除により除去しやすくなる。したがって本発明の浄水器は、長期にわたって外表面を清潔に保つことができる。
さらに、紫外線硬化型塗料は、他の塗料に比べて、塗装から硬化が完了するまでの時間が短い。そのため、コート層の形成に伴う浄水器の製造時間の増加を抑制できる。
〔コート層〕
コート層を形成する紫外線硬化型塗料としては、特に限定されず、公知の紫外線硬化型塗料を用いることができる。
紫外線硬化型塗料は、重合成分を含有し、紫外線を照射することで重合成分の重合反応が進行し硬化するものである。
重合成分としては、分子中に重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられ、モノマーが好ましい。
重合性官能基は、紫外線の照射により重合反応する官能基であり、ラジカル重合性官能基、カチオン重合性官能基等が挙げられる。ラジカル重合性官能基としては、たとえば、(メタ)アクリロイル基、(α−メチル)ビニル基等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を示す。(α−メチル)ビニル基はビニル基またはα−メチルビニル基を示す。カチオン重合性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等が挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーは、重合性官能基を1つ有する単官能モノマーでも、重合性官能基を2以上有する多官能モノマーでもよく、これらを併用してもよい。
多官能モノマーが有する2以上の重合性官能基は同じでも異なってもよい。たとえばラジカル重合性官能基およびカチオン重合性官能基の両方を有してもよい。
ラジカル重合性結合を有する単官能モノマーとしては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。
ラジカル重合性結合を有する多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
紫外線硬化型塗料は、作業効率の点から、重合成分として、アクリル系モノマーを含有することが好ましい。
アクリル系モノマーは、重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有するモノマーである。アクリル系モノマーとしては、前述した単官能または多官能のモノマーのうち、(メタ)アクリロイル基を有するものを適宜選択して用いることができる。
アクリル系モノマーは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アクリル系モノマーと他の重合成分を併用してもよい。
紫外線硬化型塗料中のアクリル系モノマーの含有量は、紫外線硬化型塗料の総質量に対し、15〜65質量%が好ましい。アクリル系モノマーを15〜65質量%含有すると、浄水器に効率よく塗装することができ、かつ、浄水器の塗装部分の耐候性が向上するので、より好ましい。
紫外線硬化型塗料は、光重合開始剤をさらに含有してもよい。光重合開始剤を含有することで、重合反応が進行し易くなり、硬化時間が短くなる。
光重合開始剤としては、公知のものを使用でき、たとえばベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
紫外線硬化型塗料中の光重合開始剤の含有量は、重合成分100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましい。0.1質量部以上であると、光重合開始剤を配合することによる効果が充分に得られる。10質量部以下であると、形成されるコート層の強度等が良好である。
紫外線硬化型塗料は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、フッ素系添加剤、シリコン樹脂、他の非重合性の樹脂等の添加剤をさらに含有してもよい。
フッ素系添加剤やシリコン樹脂を含有すると、形成されるコート層の撥水性が高まり、水性汚れに対する防汚性が向上するので好ましい。
フッ素系添加剤としては、フッ素系オリゴマーを用いると、形成されるコート層の撥水性が高まり、水性汚れに対する防汚性が向上するので好ましい。
他の非重合性の樹脂としては、重合性官能基を有さない各種ポリマーが使用でき、例えばセルロース系ポリマー等が挙げられる。
紫外線硬化型塗料は、フッ素系オリゴマーおよびシリコン樹脂のいずれか一方または両方を含有することが好ましい。フッ素系オリゴマーおよびシリコン樹脂のいずれか一方または両方を含有することで、含有しない場合に比べて、形成されるコート層の撥水性が高まり、水性汚れに対する防汚性がさらに向上する。
紫外線硬化型塗料中のフッ素系オリゴマーおよびシリコン樹脂の含有量(フッ素系オリゴマーおよびシリコン樹脂の両方を含む場合はそれらの合計量)は、塗料の総質量に対し、0.01〜0.5質量%が好ましい。0.01質量%以上であると、フッ素系オリゴマーまたはシリコン樹脂を配合することによる効果が充分に得られる。0.5質量%以下であると、コート層の強度が良好である。
紫外線硬化型塗料は、塗布性の向上等の点から、溶剤をさらに含有してもよい。溶剤としては、重合成分等を溶解し得るものであればよく、アルコール系、エステル系、ケトン系、エーテル系、炭化水素系等の各種有機溶剤を用いることができる。
紫外線硬化型塗料としては、市販のものを用いてもよく、常法により調製したものを用いてもよい。
コート層は、本体の外表面の任意の位置に紫外線硬化型塗料を塗装し、紫外線を照射して硬化させることにより形成できる。本体の外表面は、必要に応じて、紫外線硬化型塗料の塗装前に、脱脂処理、除塵処理、等の前処理が施されてもよい。
紫外線硬化型塗料の塗装量は、形成するコート層の膜厚に応じて適宜設定される。
紫外線の照射時間および照射量は、積算光量が100〜5000mJ/cmの範囲となるように調整することが好ましい。
光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等が挙げられる。
紫外線硬化型塗料を硬化させる際には、必要に応じて、紫外線の照射とともに、加熱を併用してもよい。たとえば紫外線硬化型塗料が溶剤を含む場合、紫外線を照射前に、溶剤を除去するための加熱を行ってもよい。
加熱時期としては、紫外線の照射前、紫外線の照射と同時、紫外線の照射後のいずれかの時期から少なくとも一時期を選択することができる。
加熱方法としては、赤外線ヒーターによる照射法、熱風による循環加熱法、ホットプレート等による直接加熱法等が挙げられる。紫外線硬化型塗料の温度は、浄水器基材の樹脂が変形しないよう、50〜70℃であることが好ましい。加熱時間としては、紫外線の照射前に加熱する場合は1〜20分間、紫外線の照射と同時に加熱する場合は0.2〜10分間、紫外線の照射後に加熱する場合は1〜60分間が好ましい。
コート層の膜厚は、特に限定されないが、5〜25μmが好ましく、10〜15μmがより好ましい。10μm以上であると、塗膜の均一性が良好であり、25μm以下であると液だれが少なく平滑性が良好である。
コート層は、鉛筆硬度が2H以上であることが好ましく、2H〜5Hであることがより好ましく、2H〜4Hであることが特に好ましい。2H以上であると、防傷性に優れ、掃除等を行ったときに表面が傷つつきにくい。そのため雑菌等の汚れがたまりにくくなる。5Hを超えると、本体が樹脂製である場合に、本体との弾性および熱収縮率の差が大きくなり、コート層の割れや剥がれが生じやすくなる。例えば本体が、複数の部材を組み立てて構成される場合、各部材の嵌め合い部などでコート層が剥がれるおそれがある。
鉛筆硬度は、後述する実施例に示す手順で測定される。
コート層の鉛筆硬度は、使用する紫外線硬化型塗料の組成等により調節できる。たとえば紫外線硬化型塗料に含まれる全成分中の多官能の重合成分の割合が高いほど、形成されるコート層の鉛筆硬度が高くなる。
コート層は、水接触角が85°以上であることが好ましく、95°以上であることがより好ましい。85°以上であると、撥水性に優れ、汚れを含んだ水滴等が付着しにくくなり、優れた防汚性が得られる。
コート層の水接触角は、後述する実施例に示す手順で測定される。
コート層の水接触角は、使用する紫外線硬化型塗料の組成、添加剤等により調節できる。たとえば紫外線硬化型塗料にフッ素系オリゴマーやシリコン樹脂を配合すると、またその配合量が増えるほど、形成されるコート層の水接触角が大きくなる。
〔本体〕
本体の構造は、カートリッジが取り付けられるものであればよく、浄水器のタイプに応じて公知の構造を採用できる。
浄水器のタイプとしては、たとえば、蛇口直結型、ポット型、据置型等が挙げられる。いずれのタイプも、本体としては、カートリッジが着脱可能に取り付けられるカートリッジ装着口と、原水導入口と、浄水導出口とが設けられたものが汎用されている。
蛇口直結型浄水器の本体としては、たとえば、水道の蛇口に固定される原水導入口と、カートリッジ装着口と、1以上の浄水導出口とを備えるものが挙げられる。該本体の内部には、原水導入口とカートリッジ装着口とを連絡する原水流路と、カートリッジ装着口と浄水導出口とを連絡する浄水流路とが設けられている。このような本体を備える蛇口直結型浄水器においては、原水導入口から流入した原水が、原水流路を通ってカートリッジに供給され、カートリッジを通過し、浄水となって本体に流入し、浄水流路を通って浄水導出口から吐出される。
該本体は、上記の他、必要に応じて、原水をそのまま吐出させる原水吐出口、本体からの水の吐出形態を切り替える切り替え手段、カートリッジの交換時期等の情報を表示する表示装置等を備えてもよい。
蛇口直結型の場合、コート層は、本体の上面全体に設けられることが好ましい。
蛇口直結型浄水器の本体は、蛇口が通常下向きのため、原水導入口が設けられる面が設置時に上側(上面)になり、浄水導出口が設けられた面が設置時に下側(下面)になることが多い。上面には蛇口等から水滴が落ちて水だまりが形成されやすく、また水だまりが水垢となって残ることが多い。コート層で上面全体を被覆することで、撥水性が向上し、水だまりが形成されにくくなる。また、付着した水垢が除去されやすくなる。
蛇口直結型浄水器の本体の上面は、該上面の任意の位置に落下した液滴が、自重により、その位置から該上面の外縁に向かって移動するように傾斜していることが好ましい。
これにより、本体の上面に水だまりが形成されることを抑制でき、防汚性がさらに向上する。
このように傾斜した上面の例として、原水導入口が本体の上面の最も高い位置に設けられ、原水導入口の外縁部から離れるに従って低くなるように傾斜した例が挙げられる。
ポット型浄水器の本体としては、たとえば、ポット本体と、ポット本体の開口を塞ぐ蓋体とを備えるものが挙げられる。該ポット本体は、ケーシングと仕切部とを備え、該仕切部によってケーシング内が、原水を貯留する原水貯留部と浄水を貯留する浄水貯留部とに区画されている。仕切部には、カートリッジが取り付けられる開口(カートリッジ装着口)が設けられている。このようなポット本体を備えるポット型浄水器においては、ポット本体の開口の、原水貯留部に連通する部分(原水導入口)から原水貯留部に供給された原水がカートリッジを通過し、浄水となって浄水貯留部に貯水される。浄水貯留部内の浄水は、ポット本体の開口の、浄水貯留部に連通する部分(浄水導出口)から浄水器の外部に取り出される。
ポット型の場合、コート層は、ポット本体の外表面、蓋体の外表面のいずれに設けられてもよく、蓋体の外表面に設けられることが好ましい。
本体を構成する材質は、特に限定されないが、本発明の有用性の点で、樹脂が好ましい。樹脂としては、浄水器の本体に用いられる樹脂として公知のものを用いることができ、たとえばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、PS(ポリスチレン)等が挙げられる。これらのうち、成型性および耐久性の点では、ABSが好ましい。
樹脂には、着色剤、耐候剤等の添加剤が配合されてもよい。
〔カートリッジ〕
本体に取り付けられるカートリッジとしては、特に限定されず、浄水器のタイプに応じて公知のものを使用できる。一般的には、本体に取り付けられるハウジングと、ハウジングに収容された濾材とを備えるものが用いられている。濾材としては、たとえば中空糸膜等のフィルタ、活性炭等の吸着材、イオン交換樹脂、イオン交換繊維等が挙げられる。これらの濾材はいずれかを単独で用いても2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
カートリッジとしては、ハウジング内の上流側(原水流入側)に活性炭、その下流側に中空糸膜が配置されたものが好ましい。
蛇口直結型の場合、カートリッジの表面(ハウジングの表面)にコート層が設けられてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳しく説明する。
尚、以下において「部」及び「%」は夫々「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例及び比較例における評価方法および評価基準は以下のとおりである。
<鉛筆硬度の測定>
JIS K 5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準拠し、試料の表面(比較例1は基材の表面、実施例1〜5及び比較例2は樹脂積層体のコート層の表面。以下同様。)の鉛筆硬度を測定した。
<接触角>
(a)水に対する接触角:
試料の表面に、23℃、相対湿度50%の環境下において、純水0.2μLを1滴滴下し、携帯型接触角計(Fibro syetem ab社製、「PG−X」(商品名))を用いて、試料の表面上での水の接触角を測定した。その測定値から、下記の基準で撥水性を評価した。
○:接触角が85°以上。
△:接触角が80°以上85°未満。
×:接触角が80°未満。
(b)トリオレインに対する接触角:
純水の代わりにトリオレインを使用したこと以外は、水に対する接触角の測定と同様にして、試料の表面上でのトリオレインの接触角を測定した。その測定値から、下記の基準で撥油性を評価した。
○:接触角が50°以上。
△:接触角が30以上50未満。
×:接触角が30°未満。
<防汚性>
油性インク(黒字)として「マイネーム」((株)サクラクレパス製、商品名)で、試料の表面上に線を書き、3分後に「キムタオル」(日本製紙クレシア(株)製、商品名)で拭き取り、その際の油性インクの拭き取れ具合を目視により観察し、以下の基準で防汚性を評価した。
◎:5回の拭取りで油性インクが完全に拭き取れる。
○:5回の拭取りでわずかに油性インクの線の跡が残る。
×:5回の拭取りで油性インクの一部又は全部が付着したままである。
<耐摩耗性>
スチールウールテスト:
#000スチールウール(日本スチールウール(株)、ボンスター(登録商標))を1cmの円形パッドに装着し、往復式摩耗試験機台上に保持された試料の表面にこのパッドを置いて荷重1,000g下で50サイクル摩耗し、目視にて傷の有無を確認した。
上記の結果から、以下の基準で耐摩耗性を評価した。
◎:硬化被膜に傷が見られない。
○:硬化被膜に少し傷が見られる。
×:硬化被膜に傷がはっきり見られる。
[実施例1]
紫外線硬化型塗料組成物として、表1に示す組成の塗料[A]を調製した。塗料[A]の調製は、表1に示す各成分をステンレス容器に計量し、約30分間全体が均一になるまで混合し、攪拌することにより行った。
次いで、基材(ABSで成型した蛇口直結型浄水器本体)の外表面に、塗料[A]を、コート層(塗料[A]の硬化膜)の膜厚が約15μmになるようにスプレー塗装し、塗膜を形成した。
スプレー塗装された基材を温風乾燥器に入れ、60℃で3分間乾燥して塗膜中の有機溶剤を揮発させた。
次いで、有機溶剤を揮発させた塗膜に、空気中で、80w/cmの高圧水銀灯を用い、照射距離20〜25cm、照射時間8〜10秒で紫外線を照射して塗膜を硬化させた。これにより、基材の外表面にコート層が積層された樹脂積層体を得た。このときの波長340〜380nmの積算光量は1,000mJ/cmであった。
得られた樹脂積層体について上記の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例2〜5]
紫外線硬化型塗料組成物として、表1に示す組成の塗料[B]〜[E]を調製した。塗料[B]〜[E]の調製は、使用する成分の種類と配合比率を変更した以外は、塗料[A]の調製と同様の手順で行った。
次いで、塗料[A]の代わりに塗料[B]〜[E]を用いた以外は実施例1と同様にして、基材の外表面にコート層が積層された樹脂積層体を得た。
得られた樹脂積層体について上記の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1〜5で用いたのと同じ基材(ABSで成型した蛇口直結型浄水器本体)について、そのまま(前処理、塗装をせずに)上記の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
ラッカー系塗料であるアクリル樹脂塗料リペレS#1100(株式会社トウペ製)の100部と、シンナー(塗料用リペレSシンナー#530LA、株式会社トウペ社製)の100〜120部とを混合して塗料[F]を調製した。
次いで、基材(ABSで成型した蛇口直結型浄水器本体)の上側の外表面に、塗料[F]を、コート層の膜厚(乾燥後の膜厚)が約15μmになるようにスプレー塗装し、50℃で20分間乾燥した。これにより、基材の外表面にコート層が積層された樹脂積層体を得た。
得られた樹脂積層体について上記の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2014151218
表1中の略号は以下の化合物を表す。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)。
PETIA:ペンタエリスリトールトリテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名:NKエステル A−TMM−3L)。
EA:エポキシアクリレート(ダイセルサイテック社製 商品名エベクリル600)。
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名:ビスコート#150)。
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製、商品名:イルガーキュアー184)。
BYK−300:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK−300)。
RS−75:フッ素系オリゴマー(DIC(株)製、商品名:メガファックRS−75)。
Figure 2014151218
上記結果に示すとおり、紫外線硬化型塗料(塗料[A]〜[E])を用いて基材表面にコート層を形成した実施例1〜5は、コート層を設けなかった比
較例1に比べて、水に対する接触角が大きく、撥水性が向上した。撥水性の向上は、水垢等に対する防汚性の向上を示す。また、トリオレインに対する接触角も大きく、撥油性が向上した。また、防汚性評価でも、油性インクが良好に除去された。これらのことから、実施例1〜5の樹脂積層体が、優れた防汚性を有することが確認できた。さらに、実施例1〜5の樹脂積層体は耐摩耗性も良好であった。
一方、非紫外線硬化型塗料の塗料[F]を用いて基材表面にコート層を形成した比較例2は、比較例1に比べ、耐摩耗性は若干向上したが、トリオレインに対する接触角が比較例1と同等であり、撥油性は付与されなかった。また防汚性評価でも、油性インクが充分に除去されなかった。

Claims (5)

  1. 原水を濾過するカートリッジと、前記カートリッジが取り付けられる本体と、を備える浄水器であって、
    前記本体の外表面の少なくとも一部に、紫外線硬化型塗料を塗装、硬化してなるコート層が形成されていることを特徴とする浄水器。
  2. 前記コート層の鉛筆硬度が2H以上である、請求項1に記載の浄水器。
  3. 前記コート層の水接触角が85°以上である、請求項1または2に記載の浄水器。
  4. 前記紫外線硬化型塗料が、アクリル系モノマーを15〜65質量%含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の浄水器。
  5. 前記紫外線硬化型塗料が、フッ素系オリゴマーおよびシリコン樹脂のいずれか一方または両方を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の浄水器。
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